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飛んだ災難

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飛んだ災難 

別に誤字じゃないんですよ。
好きすぎて・・・好きすぎて・・・2それぞれの愛のカタチおかん襲来の続きです。
エロいシーンがあります。ちょっとやだって言う方は注意。
変態なプレイがあります。作者は変態ですね。

青浪


10秒でわかるキャラ紹介

グラエナ・・・エーフィの恋人。エーフィの繰り出すエスパー技が苦手。

エーフィ・・・グラエナの恋人。グラエナのことが大好き。



「きゃぁぁっ!やめてよっ!」
エーフィは必死に四肢をばたつかせて、身体を乱暴に扱うヤツに必死に抵抗していた。
「んあ?お前が好きだっつてきたんだろうがよ!」
「きゃぁっ!」
バシン!とそいつは緑の前肢を存分にエーフィに見舞った。頬をぶたれたエーフィはその身体を力なく横たえる。
「う・・・ぁぁ・・・ぐらえなぁ・・・」
痛みをこらえるエーフィの前に、黒い、脚がひょいっと壁から出ているのが見えた。
「ぐらえな!」
震える身体の力を振り絞ってエーフィはそれを逃すまいと必死に掴んだ。
ガコン!
「きゃぁぁぁぁぁっ!!・・・」
エーフィはその前肢を掴んだとたん、身体が何かに向かって落ちるような感覚を覚えた。もうだめだ・・・と。

「きゃん!」
本当に落ちた感覚に気付いて、エーフィは目を覚ます。しかし、エーフィが下敷きにしていたのは、床ではなく・・・
「え・・・エーフィ・・・」
灰色のお腹をぐてーっと伸ばしているグラエナだった。グラエナも同じベッドでエーフィと一緒に眠っていた。つまり、さっきのは夢だったのだ。
「ご・・・ごめん・・・」
「いいの、俺も落ちたし。」
グラエナは赤い瞳を細めてにこっと笑う。エーフィもその笑顔を見ると、自分の夢を消し飛ばせそうだった。
「そんな怖い顔して、なんか悪い夢でも見た?」
「え?」
自分の顔はまだこわばったままだ、というのにエーフィはようやく気付けた。必死にほぐそうとしても、なかなか戻ってくれない。
「ぐっ・・・ぐらえなぁ・・・えっ・・・えっ・・・ふぇぇっ・・・ふぇぇぇぇぇ・・・」
怖い、という感情がとれたと思ったとたん、安心と悲しみでエーフィの瞳から涙があふれ出る。知らず知らずのうちにグラエナはぎゅっとエーフィを抱いてくれていた。
グラエナのお腹に埋まってぽろぽろ涙を流すエーフィ。グレーのグラエナのお腹の毛並みは、エーフィにはとっても気持ちがいい。
「ふぇぇっ・・・ぇぐえぐ・・・ふぇぇぇん・・・」
「よしよし。」
前肢をエーフィの背中にまわして、優しく撫でるグラエナ。エーフィの身体はぷるぷると震えている。

「ふぁ・・・」
泣きやんだエーフィは顔をあげて、今度はグラエナの身体に、自分の身体をうずめる。
「ぐらえな・・・ごめん・・・」
「いいんだって。エーフィは今まで辛いこといっぱいあったんだから・・・今ぐらいは我慢しなくていいの。」
グラエナはそう言ってエーフィの顔を自分の顔に引き寄せる。くしゃくしゃの泣き顔だったエーフィも今はどこか嬉しそうだ。
エーフィがたまにグラエナに語ってくれる過去、それは交際相手から暴力を振るわれるという、グラエナの常識では考えられないことだった。もちろんエーフィもそう。
せっせと相手のことを調べたはいいが、自分から告白したことを盾に、交際相手から・・・殴られる・・・
いっつもギリギリまで耐えて、結局別れられる・・・自分の貞操と身体を守るのに精いっぱいで、最終的にはエスパー能力をフルに使って、相手を病院送りにしたこともあるみたいだった。
グラエナはエーフィのそんな過去を受け止めてくれる、エーフィにとって数少ない大事な相手。
付き合い始めてから、エーフィはグラエナの部屋にずっと居座っている。グラエナもそれを嬉しそうに受け入れてくれた。
「さ、今日は学校だよ。」
ぽんぽんとエーフィの背中を叩くグラエナ。
「むぅ~・・・」
ちょっと嫌そうなエーフィ。

「朝ごはんだよ。」
グラエナはフレンチトーストを2枚、テーブルの上に置いた。そして蜂蜜を台所から持ってきた。
「ありがとぉ・・・いただきます。」
エーフィは手を合わると、蜂蜜を塗ってもしゃもしゃとフレンチトーストにかぶりついた。グラエナもエーフィが満足そうに食べているのを見て、食べ始めた。
「おいしい?」
「うん。」
グラエナはちらっと時計を見る。まだ6時だ。学校に行かないといけないのは8時半。まだ2時間以上もある。はっきり言って、2度寝してしまいそうだった。
「どしたのぉ?」
不思議に思ったエーフィがグラエナに声をかける。
「まだ早いなぁって。」
エーフィも時計を見る。そしてクスッと笑った。
「だよね。」
もう2学期。夏休みの間中ずっと、エーフィはグラエナといた。けれど今に至るまでずっと、つまらなく感じたことはなかった。
「ごちそうさま。」
エーフィは食事の挨拶を終えるとグラエナの傍に来て、身体をすりすりと擦りつけている。
「どしたの?」
グラエナの問いに、エーフィはくいっと顔を上げる。それに応えるグラエナ。ゆっくりとエーフィに顔を近づけて・・・
「んっ・・・」
エーフィとグラエナは唇を重ねた。
「ん・・・ん・・・」
朝なので、お互い遠慮して軽いキスで済ます。
「んふぁ・・・」
頬を赤らめたエーフィとグラエナ。何も言葉は交わさない・・・この沈黙が何とも2匹には温かい時間だ。
「ん~・・・ぐらえな・・・」
エーフィは艶やかな声を出してみる。
「なに?」
特に気にしてないグラエナ。ちょっとむすっとしたエーフィ。
「もぉっ!」
「こ・・・やめっ!」
エーフィはグラエナに抱きついて、身体をこちょこちょとくすぐる。耐えられなくて途端にぷるぷる震えるグラエナの身体。負けじとグラエナもエーフィの耳を甘く噛む。
「ひゃぁっ!」
プルプル震える2つ身体。くっつけ合ってお互いの体温を確かめてる・・・こう言えば聞こえはいいけど、単にエーフィもグラエナもじゃれあってるだけ。

PM3:00
「はい、今日の授業は終わり。明日は金曜だから・・・何か遊びたいことがあるやつは考えてきてくれ。気をつけて帰れよ。」
バシャーモ先生が生徒に言う。みんな嬉しそうに教室から出ていく。グラエナもエーフィも帰る準備をしている。
「あ、グラエナちょっとこっち来い。エーフィも。」
え?と少し驚いてグラエナとエーフィは先生のところに行く。バシャーモ先生は首をかしげている。
「おい・・・お前ら・・・同棲してるらしいな・・・」
「はい。」
エーフィが躊躇いもなく答える。バシャーモ先生はグラエナのする反応だと思っていただけに、驚きを隠せない。
「そうか・・・まぁ禁止じゃないから・・・咎めはしないけど、エーフィの部屋の電気も水道もガスも夏休みの間ずっと使われてないって知ってな。」
先生は相当気になっていたみたいだ。
「それでラッキーさんとカメックス先生に聞いたら、グラエナのとこじゃないか?って教えてくれて。」
「そうですか・・・」
安堵したらしい先生は、さっきまでの顔と違ってすごくうれしそうだ。
「まぁ、俺以外にも気にしてるやつもいるぞ。ほら。」
先生がそう言って指差した先にいたのは、ブースター。♀だ。じっとグラエナたちを見ている。エーフィとは遊んだり、グラエナもそれを知ってる。
実はブラッキーが苦手らしく、ブラッキーとエーフィの2ショットのときには話に加わってこない。ちなみに、今日はなぜかヘルガーとブラッキーはそろって学校を休んでいる。
「ブースターかぁ・・・ブースターも付き合ってる♂いるもんね・・・」
エーフィがブースターの方をちらっと見ると、それに気付いたみたいでエーフィの方に寄ってきた。
「なぁに?」
「知ってたくせに。」
とぼけるブースターにエーフィはちょん、と頭を小突く。途端に頬を赤らめるブースター。
「いやぁ・・・ごめんごめん・・・」
照れて自分の頭をポリポリと掻くブースター。
「グラエナ、ちょっと成績のことで話あるから。」
「はい。」
唐突なバシャーモ先生の話に、グラエナは教室を先生と出ていった。戸惑うエーフィ。

「あのさぁ・・・カメールのことなんだけどぉ・・・」
「どしたの?」
ブースターは同じクラスのカメールと付き合っている。ちなみにクラスの数は20匹。その20匹しかこの学年にはいない。だから先生は生徒のことに異常に詳しいのだ。
で、そのカメールはよくグラエナとテストの成績を競っている。エーフィは興味ありげにブースターの質問に応じる。
「誕生日じゃんか・・・もうすぐ・・・」
もじもじと言うブースター。
「何贈ったらいいかってこと?」
エーフィの一言に図星だったみたいで、ブースターはぽかん、としている。でもこれくらいのこと、読心術を使うまでもない。
「エーフィはさ・・・グラエナ君に何贈ったの?」
「え・・・」
エーフィはすっかり忘れていた。グラエナの誕生日・・・は冬の2月。ちなみにエーフィは3月。けれどエーフィは思いだした。
「私・・・グラエナの誕生日に・・・グラエナの大事にしてた筆・・・プールに投げ入れちゃって・・・」
今となっては思いだしたくない出来事だった。その1週間前に、告白してエーフィは振られたのだ。けれど気を引きたかったエーフィはついつい手を出してしまった。
「ああ・・・そうなんだ・・・グラエナ君可哀想だよね・・・」
「ううっ・・・」
エーフィのヤワな心臓にブースターの一言がグサリ、と刺さる。
「でさ・・・エーフィ・・・その・・・」
「やだ。」
なんとなく展開が読めたエーフィは断りを入れてみる。
「えーっ。」

「先生・・・もういいですって・・・」
「お前はなんで成績に偏りがあるんだ?しかも・・・こんなに・・・」
バシャーモ先生は、職員室で極端に偏りのあるテストのグラフをグラエナに見せる。4つだけ横に異常に伸びて、枠のいっぱいいっぱいの手前で止まっている。他は半分くらいで止まっていた。
「学年1位取る割に・・・」
「他の奴がサボってるだけですって。」
説得するようにグラエナは言ってみるけれど、バシャーモ先生は聞く耳を持たない。
「お前の成績見たけど、そこそこ努力してるみたいじゃないか。他の先生は教える先生によってグラエナの成績が上下してる、と言ってるけどな。」
グラエナがよそ見をしてみると、カメックス先生がニヤニヤしてグラエナを見ている。
ぺちっ・・・バシャーモ先生は軽くグラエナの尻尾をはたいた。
「よそ見するなよ。」
「すいません。」
バシャーモ先生はまた喋り始めた。しかもその饒舌っぷりは拍車をかけている。
「この間の中間考査、カメールに聞いたけど、成績を競ってたんだってな。」
「はぁ。」
あきれ顔で軽くうなずくグラエナ。バシャーモ先生はグラエナの通知表を取って、またグラエナに見せる。
「だいたい平均より上なのになぁ。」
そう言うと先生は黙ってしまう。退屈な沈黙が、グラエナには辛い。
ガラガラ・・・職員室のドアが開いた。
「カメックス先生。体育倉庫の鍵貸してください。」
「あいあ~い。」
グラエナが声の主を振り返ると、カメールだった。グラエナに気付いたカメールはニコニコほほ笑んでいる。
「ああ・・・もうグラエナ行っていいぞ。」
諦めたバシャーモ先生は、グラエナを解放してくれた。職員室から出て行こうとするグラエナ。
ぐっ・・・
「!」
何かに首根っこを引っ張られたグラエナは後ろを振り向く。
「カメール・・・」
「ちょっと手伝ってくんね?」
いつもの青い無邪気な笑顔を浮かべているカメール。そんな頻繁には話をしない割に、カメールは結構頼ってくる。仕方ないなぁ、とため息をついたグラエナ。
「いいよ。で、何したらいいの?」
「体育倉庫に、今度の陸上競技会のゼッケン取りに行って、ちゃんと数えないといけないんだよ。」
むふふ、と笑うカメールは鍵を受け取るとグラエナを連れて、体育倉庫に向かった。

ゴロゴロゴロ・・・
「重いなあ・・・」
カメールは体育倉庫のドアを思いっきり引っ張っている。ゆっくりと開いていくドア・・・
「手伝えって。」
「はいはい。」
グラエナもドアを開ける・・・フリをする。力が入れられないのだ。ドアが完全に開き切ると、グラエナとカメールは中に入っていった。
「どこだろうなぁ・・・ああ、あったあった。」
箱に入ったゼッケンを取ると、体育倉庫から出て、鍵を閉めた。
「じゃ、鍵、返してくるから・・・先に教室戻ってて。すぐ行くから。」
「わかった。」
グラエナはゼッケンの入った箱を背中に乗っけて、トコトコと教室に戻っていく。

すこし陽が傾いて、少しだけ暗くなった教室。
「でさでさ~・・・カメールが何がほしいと思う?」
「知らないって。」
デレデレのブースターに、ちょっと呆れているエーフィ。
「カメールの部屋に何回も泊まったことあるのに、ぜんぜん見せてくれないんだよね~。」
自慢しているような口調ではないけれど、そのブースターの言い草はどこか誇らしげだ。
「グラエナ君って、何が好きなの?」
「えっ?」
ブースターの質問の意味はよくわかっていた。けれどエーフィには悩ましい質問だ。好きなものって・・・と、食べ物以外であんまり気にしたことのなかったエーフィ。
「なんだろ・・・うーん・・・モモンのジュースとか、食べるものしか思い浮かばないなぁ・・・」
「はぁ・・・よくそれであれだけベタベタ出来るね。」
「うるさいなぁ・・・いいじゃんか・・・」
余計なお世話だ、とエーフィは思った。けれど、なんで気にならなかったのか、エーフィは自分の鈍感さにあきれる。
ガラガラ・・・教室のドアが開く。グラエナがゆっくりと教室に入ってきた。
「ぐらえなぁ!」
「あ、エーフィ。ごめん。待ってくれてたんだ・・・」
待たせてたことに謝るグラエナだったけど、待ってないよぉ、と笑顔のエーフィはふいふいと首を何度も横に振った。
「なにそれ?」
グラエナの背中に乗っていた箱が気になったブースターとエーフィ。
「これは、ゼッケンだって。陸上競技会で使うんだってさ。」
「ふぅん・・・」
エーフィはグラエナの背中の載っていた箱を降ろす。中には白と赤の小さな四角形の布切れが何枚も入っていた。
「カメールに頼まれたんだけど・・・なかなか戻ってこないな・・・」
グラエナは教室のドアを見て呟く。
「へ?カメールが?」
カメール、に反応するブースターに、うん、と軽くグラエナは頷いた。
「グラエナ君はさ、カメールのことどう思ってるの?テストで競ってたってのは聞いたんだけど。」
ブースターの問いにすこし戸惑うグラエナは頭を掻いた。掻くたびに耳がふにゃっと寝ていく。
「いいやつだと思うけど・・・。」
「それだけ?」
深く突っ込んでくるブースター。
「ジュースを賭けてテストで競ってるだけだからなぁ・・・」
「何が好きとか、知らない?」
カヤの外にされたエーフィはちょっとむっとしているけれど、事の成り行きを見守る。
「カメールか・・・あいつ、遺跡とか好きって聞いたことあるけどな。」
「遺跡?」
「そう。歴史好きなくせに、テスト3連敗中だけど。海中に沈んだ遺跡とか、夏休み利用して、親と行ったりした、って聞いた。」
うーん・・・と頭を抱えるブースター。
「ありがと。」
「どういたしまして。」
ガラガラ・・・ドアが開いてちょうどカメールが教室に入ってきた。
「あっ・・・グラエナさんきゅ。」
カメールは机に置いてあったゼッケンの入った箱を取ると、枚数を数え始めた。
「なにやってんの?」
「ああ・・・枚数数えて、番号通り並べないといけなくて・・・」
焦ってるみたいで、喋りながらもカメールはせっせと手を動かしていく。
「ほい。」
グラエナが前肢を差し出す。
「手伝ってくれんの?」
「まあね。」
「さんきゅ・・・」
カメールは嬉しそうにゼッケンを十数枚、グラエナに渡す。私も・・・とブースターもエーフィもつられるように手伝いだした。

「よし・・・そろったぞ。みんな・・・さんきゅ。」
十分もしないうちにゼッケンの山をまた箱に納めると、カメールはグラエナの頭を撫でる。
「カメール・・・帰ろうよ・・・」
「うん。」
ブースターとカメールはゼッケンの箱を持つと、教室から出ていった。2匹だけになった教室。
「エーフィ。俺たちも帰るか。」
「うん・・・」
どこかすっきりとしない物言いのエーフィ。グラエナは気になって動きを止める。
「どしたの?」
「ん・・・ごめん・・・なんでもないの・・・わがままだよね・・・」
元気のないエーフィ。グラエナはそっとエーフィの傍に座って、手をぎゅっと握る。
「ぐらえなぁ・・・わたし・・・ぜんぜん・・・」
「もうその先は言わなくてもいいの。」
何を言うのか、察したグラエナに、エーフィは驚いた。
「ぐらえなは・・・わたしのしたこと・・・ゆるしてくれるの・・・?」
エーフィがもっとも聞きたかったこと。告白して、振られて、惨めな自分を散々グラエナにぶつけて・・・
心のうちではすっきりと整理が出来ていたはずだった。でも、夢に出るのだ。昔の自分にいたぶられてる今の自分が。夢に見たのは過去の交際相手じゃない。
「許す許さない、じゃない・・・」
「・・・」
やっぱり、怒ってるのかな、とエーフィは怖くて身体が震える。
「許す理由も、許さない理由もないんだって。」
グラエナはそう言って握ってないほうの手でエーフィの頭をそっと撫でる。
「ごっ・・・ごめん・・・」
「違うって。」
エーフィは、グラエナが自分を嫌いになってるんじゃないか、と恐れていた。でもグラエナの様子を見る限り少し違うみたいだ。
「俺は・・・エーフィを・・・いや、俺がエーフィに謝らないといけない。」
「ぐらえなぁ・・・」
グラエナの身体が少し震えているのにエーフィは気付いた。赤い澄んだ瞳も潤んでいる。
「俺が・・・エーフィの告白を断ったのは・・・自分が怖かった・・・」
「・・・」
エーフィは傍のグラエナの正面に回るようにして、身体に抱きつく。グラエナの身体の震えはまた少し大きくなったみたいだ。
「俺は・・・エーフィを傷つけてしまうんじゃないかって・・・告白される少し前からずっと・・・思ってた・・・」
らしくもなく、グラエナは弱気にぽろぽろと涙をこぼしている。戸惑いと、優しいグラエナの気遣いに、ずっと一緒にいたい・・・エーフィは強くそう思った。
「一緒に遊んだりして・・・エーフィのことが好きになればなるほど・・・自分のタイプの側面を知るのが怖くなった・・・」
グラエナはずっとやさしい・・・けれど一度だけ、エーフィに暴力を・・・性的な意味で・・・振るったことがある。
けれど、その時はエーフィがグラエナに催淫剤を使って、グラエナは自分を無くしてしまったのだった。グラエナはその後悔で、深く自分を傷つけてしまった。
「ぐらえなはやさしいもん!」
否定するようにエーフィはグラエナの耳元・・・グラエナの頬に自分の頬をくっつけて叫ぶ。
「えーふぃ・・・ありがとぉ・・・」
グラエナはさっきよりも身体を震わせて、エーフィにぎゅっと強く抱かれている。エーフィもグラエナの姿に、自分がグラエナにしてきたこと、後悔もあったけど、意味を理解することができた。
「かえろうよぉ・・・」
そう言ったエーフィにコクリ、とグラエナは軽くうなずく。グラエナはまだ身体を少し震わせて、椅子の上に乗っかった。
「手伝ってあげる。」
優しい笑顔のエーフィはグラエナの椅子に同じように乗っかる。
「落ちるって。」
「大丈夫だって。」
グラエナの心配をよそにカバンを出して荷物を整理し始めるエーフィ。ふいに、お互いの唇が近くなる。そのままそっと唇を近づけていく。
ガラガラ・・・
「きゃっ!」
がしゃぁぁぁぁぁん・・・突然教室のドアが開いたことにびっくりしたエーフィとグラエナはバランスを崩してそのまま机ごと床に倒れてしまった。
「大丈夫か!グラエナ!エーフィ!」
声の主・・・侵入者はバシャーモ先生だった。
「ぐらえなぁ!」
グラエナはエーフィを庇うように、自分の身体でエーフィが地面に打ち付けられないように覆いかぶさっていた。そしてそのまま机に背中を強打している。
「大丈夫か?」
バシャーモ先生もエーフィも必死に声をかけたりしてグラエナの反応を見守る。グラエナにしっかりと両脇を抱えられて、エーフィは柔らかなグレーのお腹に守られていた。
「いたたたた・・・」
グラエナの痛そうな声。一応反応があって、ほっと安堵するエーフィとバシャーモ先生。
「お前ら・・・本当に・・・仲いいな。」
バシャーモ先生はエーフィを守るようにして仰向けに倒れているグラエナにそう言った。
「ぐらえな・・・だいじょうぶ?」
「うん。」
グラエナはエーフィがお腹の上から退くと、すぐに自分も身体を起こした。
「エーフィも大丈夫?」
「ぐらえなのおかげだよぉ。」
なんとも嬉しそうなエーフィの答え。
「大丈夫か?痛かったらすぐ医務室行くんだぞ・・・」
バシャーモ先生はどうやら教室の鍵が帰ってきてなかったから、締めに来たみたいだ。グラエナもエーフィもあわてて帰る準備をして、気づかいをしてくれたバシャーモ先生に礼を言った。

「ぐらえなぁ・・・」
「どしたの?」
楽しそうなエーフィ。グラエナもニコニコしてエーフィを見つめている。
「グラエナは怪我とかしたことないの?骨折とか・・・」
エーフィの質問に、グラエナはうーん・・・と少しだけ首をかしげた。
「したことあるけど、記憶にない。」
「なにそれ。」
したことがあるのに、それの記憶がないのは変な話だなぁ、とエーフィも首をかしげる。
「2歳の時の話だから前肢の付け根あたりだったそうだけど・・・引っ越すか引っ越す前のころのお話だから。」
「ふぅん・・・」
それじゃ覚えてないなぁ、と頷くエーフィ。気付けば2匹は寮の目の前にいた。
「グラエナぁ・・・今日もグラエナの部屋に行っていい?」
「あたりまえじゃん。」
グラエナの優しい笑顔に、エーフィは自分まで優しい気持ちになっているのを、嬉しく思っていた。

ギィィ・・・グラエナの部屋のドアを開けて、電気を点ける。・・・朝のまま、綺麗な部屋。
「ばーん!」
エーフィはそう言ってふかふかのベッドに倒れこんだ。グラエナは苦笑いしつつ、カバンを置いて台所で晩御飯の準備をし始める。
「はぁ・・・どうしよ・・・昨日はオムライスだったなぁ・・・今日はさっぱりしたものでいっか。」
木の実を2,3個と、葉物の野菜を少しちぎって、グラエナはサラダを作り始める。一通り済むと、その傍らで特価品だった魚の切り身を焼いた。
2匹で暮らすようになって、食べる物の種類が一気に増えている。独り暮らしの時は意識していなかったが、お互いの好きなものを考えると、どうしても食品の種類がばらばらになるようだ。
「エーフィ?ご飯出来たよ。」
グラエナはサラダの入ったボウルと、魚のソテーの2つ乗ったお皿を背中に乗せて、寝室のテーブルにそれらを置いた。
「むにゃ・・・ありがと・・・」
エーフィも眠い目を擦りつつ、身体を起こしたけれど、ご飯を見た途端、スイッチが入ったように元気になった。
「おいしそぅ・・・ぐらえなぁ・・・いただきます!」
「いただきます。」
朝から泣き疲れていたエーフィとさっきの出来事で疲れたグラエナは競うようにバクバクと食べて、あっというまにお皿の上にあったものはすべて無くなってしまう。

「ごちそうさま・・・おいしかったぁ・・・」
「ありがとうエーフィ。ごちそうさま。」
グラエナとエーフィは空いたお皿を台所に持っていって、なかよく皿洗いをした。
「エーフィ、シャワー浴びな。」
「うん・・・ぐらえなぁ?」
また朝の艶やかな声を出して、エーフィはねんりきでグラエナの動きを止める。
「うっ・・・エーフィ・・・やめなさい。」
「やだ。言うこと聞いてくれたら、離してあげてもいいよぉ。」
グラエナははいはい、と素直にエーフィの言うことを聞くことにした。
「ベッドに連れてってよぉ。」
「もう寝るの?」
グラエナの問いに首を横に振ったエーフィ。とりあえずグラエナはエーフィをベッドの上に乗っける。エーフィの顔はすこし赤らんでいた。
「ふふふ・・・なんだか・・・身体が熱くて・・・」
エーフィはどうも今朝からずっと身体の芯がじんじんと熱く疼いているようで、自然とグラエナを求めていた。別に何かを食べたわけじゃない。
「グラエナは私のこと愛してるのぉ?」
「もちろん。」
いつもの導入だ。身体を重ねるとき・・・まだお互いの意思で繋がりあったことはないけれど・・・お互いを求めて・・・
グラエナもひょいっとベッドの上に乗る。
「身体・・・綺麗にしてからじゃ・・・ダメかな?」
身体が熱く疼くエーフィ、グラエナもいつしかエーフィの気持ちに応えるように、身体が少しじんじんしていた。
「だめ。」
すこし誘う口調で断るエーフィ。エーフィは仰向けになって、グラエナを欲している。一応恥ずかしいところ・・・幼い割れ目は尻尾で隠しているが。
「ぐらえなぁ・・・」
幼い身体つきのエーフィ、その身体に覆いかぶさるようにグラエナは少しずつゆっくり姿勢を低くしていく。そして身体が重なるか重ならないかのところでゆっくりと顔を近づけて・・・
エーフィも求めるように顔を少し上げる。ゆっくりと重なり合う唇。
「んっ・・・」
最初は軽く・・・しかしゆっくりと舌を絡ませて濃密に・・・絡まされた舌はお互いの口腔をじっくりと貪りつくしていった。
「んふぁ・・・んっ・・・んん・・・んふっ・・・」
時折エーフィから漏れる熱い吐息に、グラエナは思考を焦がされる思いがしていた。
ぴちゃぴちゃと音を立てて、ゆっくりと・・・グラエナも身体を落としてゆく・・・エーフィの身体に力をかけないように、自分の身体を少しずつ動かして。
「んふぁ・・・んぅ!・・・んっ・・・んふぁぁ!んっ・・・」
すこしお互いの身体の、毛並みが擦れあっただけでもエーフィは耐えられないのか身体を震わせつつ、喘ぎ声を出して、瞳を潤ませている。
「んんっ・・・んふぁ!・・・んぁぁ・・・んっ・・・」
エーフィはグラエナの身体の動きに、じんじんと疼いていた熱いモノが、ゆっくりと込み上げてくる気がしていた。
「んふぁっ・・・はぁはぁ・・・」
キスによってできた・・・2匹の関係とは正反対の脆く透明な橋を、グラエナが断ち切る。
「はぁはぁ・・・」
「はぁっはぁっ・・・」
お互いの吐息が、お互いの顔に触れる。そのたびにエーフィもグラエナも頬が赤くなっていく。すでに♀の♂を篭絡するような匂いがエーフィからはしていた。
「あぁっ・・・ぁぁん・・・」
グラエナはそっとエーフィの薄紫の体毛を首からゆっくりと胸・・・乳首まで撫でて、乳首をつまむとなめずったり、指先で転がしたりと、エーフィの快楽を手助けしていく。
可愛いエーフィの乳首は、幼い体つきには不似合いなくらいよく感じるようで、エーフィは刺激が与えられるたびに震えたり、身体をくねくねと動かす。
「んぁぁ・・・ぐらぇなぁぁ・・・いいよぉ・・・あぁぁ・・・ぁぁん!・・・」
慣れない快楽に身を震わすエーフィは、シーツに沈んだ自分の身体を這わせて、意識の保つ先を探している。
「ぁぁっ・・・んぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
グラエナは痛くない程度にエーフィの乳首をつねって、感度がよくなったところでなめずったり、エーフィの感じるツボを、よく心得ていた。
虚ろな瞳でグラエナを捉えるエーフィ。身体を悶えさせても、快楽は抜けてはくれない。むしろグラエナの毛並みと擦れあって、よけいにじんじんとした疼くものが増すだけだ。
「あぁぁ・・・きもひいいよぉ・・・もっぉ・・・」
エーフィの薄紫の毛並みの身体は、乳首の周囲がグラエナの涎で濃く、色づきが変わっていた。顔も自分の涎が時折ベッドに向かって走って、濃い紫のラインが入っていた。
・・・けれどなによりエーフィは下腹部がとても疼いていた。自分で手を伸ばしたくなるほどに・・・
「ぁぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「えーふぃ?」
グラエナが攻めをやめてエーフィの顔を見ると、瞳をとろんとさせて、口をすこし開けて力なく涎を垂らしている。
「ぁぁ・・・もっと・・・」
そしてなにより・・・エーフィは欲しそうな顔をしてる。汗でぐっしょりになった身体をふるふると震わせて、グラエナもエーフィももう一度お互いを見つめあう。
「ぉねがぃ・・・ぐらえなぁ・・・はぁはぁ・・・」
グラエナはエーフィの身体から一度退いて、エーフィの意思を確かめる。
「明日・・・学校だよ?」
「いいもん・・・」
いままでの経験上、エーフィの身体の負担を考慮すると、明日、エーフィが学校に行くことは難しいだろう。強がるエーフィだけれど、辛そうにしてるのを、グラエナは知ってる。
エーフィはもぞもぞと快感に悶える身体を動かして、グラエナに自分の恥ずかしいところを見えるようにした。
「えーふぃ・・・」
「ぐらえなが・・・すきだもん!がっこぉくらい・・・いくもん・・・」
「うん・・・わかった・・・」
エーフィの割れ目にそっと前肢をあてていくグラエナ。
「ひゃぁぁ・・・」
撫でただけでも愛液がとろり、と滴る。
「ひゃん!」
軽く引っ張って割れ目のナカを覗こうとすると、愛液に濡れたエーフィの綺麗なピンクが目に入った。
「ひぁぁ・・・」
「もうすっかり濡れちゃって・・・」
「だってぇ・・・熱いの・・・からだがぁ・・・」
涙交じりのエーフィの声。グラエナは優しく下腹部を撫でていく。それだけでも喘ぎ声を出すエーフィはそのグラエナの手つきにうっとりとしていた。
「ぐらえなぁ・・・」
エーフィの身体を覆う熱い疼きは、グラエナとの交わりで、強くなっていく。きっと昨日見た夢のせいだ・・・とエーフィは感じていた。
優しいグラエナがいる現実に、怖い夢を見た自分の精神が・・・大好きなグラエナを欲したんだ、エーフィは快感で捩れていく思考をフルに活用し、そう思った。
ちゅぷっ・・・グラエナはゆっくりと割れ目に指を挿れる。すでに粘度のある愛液が、すぐに指にまとわりついてくる。
「ひゃぁぁっ!」
膣の柔肉をちゅぷちゅぷと掻き分けて進んでいくグラエナの指。エーフィは身体を悶えさせてぶるぶる震えている。
「やぁぁっ・・・ひぁぁぁ・・・きゃぁぁん・・・」
グラエナの指はエーフィの膣の柔肉にゆっくりと締めつけられていく。エーフィは熱いうずきに頭の中が洗い流されるように真っ白になりつつあった。
「ぁぁぁん・・・ぁぁん・・・やぁぁん・・・」
挿れていくだけでも、エーフィは喘いで、薄紫の・・・水気のせいで濃く紫になった割れ目から気持ちよさそうに愛液をちょろちょろと滴らせる。
いつの間にかベッドに♀の甘酸っぱいにおいが染みついていった。けれどエーフィにはある思いがあった。
「ふぇっ・・・えい・・・」
エーフィは意を決して、グラエナの動きを止める。グラエナはびっくりして、体毛を逆立ててしまう。
「ちょ・・・エーフィ?・・・もう止める?」
「ちがぁう・・・」
いつもと違うエーフィに、グラエナは戸惑いつつも、ゆっくりとエーフィの膣から指を引き抜く。
じゅぷじゅぷ・・・
「ひゃぁぁん!」
指を引き抜いただけでもエーフィは身体をビクビク震わせて喘いだ。
「ぐらえなぁ・・・いれて・・・」
「へ?」
エーフィはグラエナの何かを求めている。けれどグラエナにはそれが・・・それを知るのを少し恐れていた。
「もしかして・・・これ?」
「うん・・・」
グラエナはすっかり大きくなった♂のモノをちょいちょいと前肢で突っついた。エーフィも嬉しそうに首を縦に振る。
「ダメだって・・・痛いだけだから・・・」
止めるように諭そうとするグラエナ。
「むぅぅ~・・・痛くてもいいもん・・・ぐらえながすきだもん・・・ぐらえなの・・・」
「えーふぃ・・・べつにそれは今じゃなくてもいいじゃんか・・・」
グラエナの脳裏にははっきりと焼き付いていた。エーフィの処女を奪ってしまった時の、エーフィの痛々しい姿を・・・
けれど今のエーフィは覚悟したように、仰向けの身体ながらグラエナに向き合う。
「いまやらなきゃ・・・いつやってもできないって・・・せんせいいってたよぉ?」
「・・・」
それはそういう意味じゃないだろう・・・と突っ込みを入れたくなるグラエナ。
「これとそれとは・・・」
「べつじゃないもん。」
心を読まれてるみたいで、グラエナの言うこと全てにエーフィは的確な否定の言葉を突っ込んでくる。
「痛いだけだから・・・ホントに・・・」
「ぐらえなは・・・わたしの気持ちなんてどうでもいいの?」
急に悲しげになるエーフィ。敵わないな・・・とグラエナは思った。
「エーフィが好きだから・・・エーフィが痛がるのを見たくない・・・」
「私はグラエナが好きだもん・・・」
気付けばエーフィは涙をぽろぽろこぼしてグラエナを見つめている。
「えーふぃ・・・」

グラエナは覚悟を決めてエーフィに覆いかぶさる。
「じゃ・・・いれるね・・・」
「うんっ・・・」
グラエナは大きくなったモノをゆっくりとエーフィの割れ目に挿れていく。十分に濡れているけれど・・・とグラエナは心配な心を隠しきれない。
じゅぷじゅぷとゆっくりグラエナのモノを呑み込んでいくエーフィの膣。やはり違和感があるのかエーフィの薄紫の身体はプルプルと震えている。
ずぶぶ・・・
「ふぁぁ・・・ぁぁぁん・・・いっ!いぁっ!」
動きを止めるグラエナに、エーフィは必死に首を振る。
「いたくない・・・」
「無理しないでって。」
エーフィが無理をしているのをグラエナは身にしみてわかっていた。エーフィの膣の柔肉の締め付けがキツく、無理に進めることは出来ないからだ。
グラエナの優しい気づかいに、エーフィは心が温かくなるのを感じていた。
「もうちょっと・・・」
「うん。」
またずぶぶっと膣の柔肉を掻きわけるようにモノという楔をゆっくり打ち込んでいくグラエナ。
「ひゃぁぁん・・・はぅっ・・・ひっ・・・いあい・・・」
グラエナはまた動きを止めて、繋がったエーフィと自分の下腹部を見つめる。エーフィも自分の膣に打ち込まれたグラエナのモノをじっと見つめて、ちょっとうっとりしていた。
「どお?」
「まあ・・・4分の3くらいかな?」
繋がったまま、エーフィとグラエナはクスクスと笑いあう。グラエナのモノには、エーフィの膣の締め付けはとってもキツい。
エーフィの膣を保護するように愛液が少しずつ、栓がされた膣から沁み出てくる。
「もう止める?」
「うーんとね・・・このまま寝る。」
「えっ?」
エーフィの一言にグラエナは身体が凍りつく思いがした。このままって・・・寝れないし絶対・・・と。
「外したら怒るよぉ?」
「それはエーフィがいうセリフじゃないじゃん・・・」
とはいいつつもグラエナはエーフィの頭を撫でる。エーフィはすこし感じてるみたいで、身体はふるふると震えているが、笑顔だ。
「じゃ、ぐらえな~おやすみ・・・」
「おい・・・」
よく寝れるなぁ・・・と感心しつつ、グラエナも寝ようとする。
「はあ・・・寝れないって・・・」
「ふふふ・・・」
エーフィが嫌な笑みを浮かべてグラエナを見つめている。
「よし・・・」
「えっ・・・きゃぁん!」
一応エーフィとの約束を守るために、グラエナは自分の身体を下にして、エーフィを抱く姿勢になった。
「これで寝れるかな・・・」
「くぅくぅ・・・」
エーフィもグラエナも姿勢が安定したので、そのまま眠ることにした・・・繋がったまま・・・

「くぅくぅ・・・」
「ううっ・・・ううん・・・」
グラエナは違和感で目を覚ます。なにか自分のモノがあったかい・・・ぱちっと目を開く。自分のモノがエーフィの膣に呑まれていた。
「あ・・・」
全ての出来事を思い出したグラエナ。まだエーフィは嬉しそうに夢の中。温かいエーフィのナカの感覚は、変な感じがして、グラエナにはすこし不気味だ。
「どうしよ・・・」
グラエナのお腹の上のエーフィは、ちょっと息が荒い。心配しつつも、起こすかどうか・・・グラエナは迷う。そうこうしているうちにまたグラエナのモノは大きくなっていた。
「ん~・・・ふぁぁ・・・ぐっぐらえな?」
タイミング良く、エーフィも起きた。
「あ・・・エーフィ・・・起きた?」
「うん・・・きもちいい・・・」
あくまでマイペースなエーフィにほほ笑みつつあきれつつ・・・グラエナは肝心な話題を切り出す。
「抜くよ?」
「うん・・・」
じゅぷぷっ・・・水音を立ててグラエナは自分のモノをエーフィの割れ目から引き抜いた。まだ柔肉の感触が、グラエナのモノには残っていた。そして何より、エーフィの愛液がべっとりと付いている。
「うーん・・・」
エーフィは重い身体をゆっくりと起こして、グラエナにまた自分の割れ目を見せる。
「見てぇ・・・」
エーフィの言うとおりにグラエナは、エーフィの割れ目を見てみると、すこしグラエナのモノの形が残っていて、まだ愛液がとろとろとあふれ出ている。
「さ・・・シャワー浴びるよ・・・」
グラエナはエーフィにそうはやし立てると、エーフィもうん、と言ってベッドから降りた。
「きゃん!」
「エーフィ!?」
軽快にベッドから降りたと思ったら、エーフィは着地に失敗して身体を床に打ち付けたみたいだ。グラエナも慌ててエーフィの傍による。
「大丈夫か?」
「だいじょうぶ・・・」
エーフィはゆっくりと身体を起こして大丈夫、というのをグラエナにアピールしている。
「じゃ、タオル出してくるから、先に風呂場に行ってて。」
「うん・・・」
グラエナはタオルをいっつも置いているかごから取ると、風呂場に向かう。

どしん・・・何か物音がグラエナの耳に入った。あわててエーフィを探すと、テーブルの柱に顔を打っていた。
「エーフィ?エーフィ!」
グラエナはびっくりしてエーフィの傍で必死に呼びかける。
「ぐらえなぁ・・・あたまがぽわぽわするよぉ・・・」
「ぽわぽわ?」
「うん・・・」
そう言うエーフィの顔はどこか暑そうで、グラエナはエーフィの額にそっと手を当てる。
「うーん・・・ちょっと熱っぽいかな・・・」
昨日の影響だろうか・・・エーフィは少し意識もはっきりしていないみたいだ。顔も少し赤いし。
「学校休みなよ・・・」
「やだ・・・」
いつもなら学校休む?とグラエナが聞くと、エーフィはちょっと考えてから行く、と言うのに、今日はすぐに拒んだ。
「このままだと学校行けないよ。」
「ううん・・・やすんじゃったらぐらえなにめいわくかける・・・ぜったいいく・・・」
エーフィははっきりと行く、と言ってるので、グラエナもエーフィを休ませて自分も休むか、と考えずに何かあったらすぐに医務室に行けばいいか、と気楽に構えることにした。
グラエナはタオルを咥えて、ふらふらしているエーフィを連れて風呂場に向かう。
「シャワーかけるから・・・」

エーフィは身体が疼いて疼いて・・・今にも頭がおかしくなりそうだった。でも、グラエナの気遣いがうれしくて、ついつい頑張ろうとしていた。
「ぁぁっ・・・ひゃぁん・・・」
「エーフィ?」
シャワーをかけただけなのに、嬌声を上げるエーフィ。まだ下腹部の疼きはまったく取れない・・・どころかまた強くなっていた。
「ぐらえなぁ・・・ごめん・・・」
「エーフィ・・・謝ることじゃないって・・・第一、エーフィが大変なことになってるんじゃんか。」
エーフィの身体を洗おうとしたりすると大変なことになりそうだったので、グラエナは匂いがわからなくなる程度にエーフィと自分をびしょ濡れにすると風呂場から出た。

「朝ごはんだよ。」
グラエナがそう言ってもエーフィはぽーっとしていて、何を見てるのか、わからない。
「あ・・・ありがとう・・・ぐらえな・・・」
遅れて返ってきた返事も全く元気がなかったので、グラエナはエーフィの傍で直接ご飯をあげることにする。
「はい、あーん。」
「あーん・・・」
グラエナが与えるご飯にぱくっと食いつくエーフィ。
「まだ7時か・・・もうちょっと時間あるな・・・」
時計を見たグラエナはゆっくりとエーフィにご飯を食べさせて、それが終わってから、自分もご飯を食べることにした。
「ごちそうさま・・・」
「ごちそうさま、エーフィ。」
ガチャガチャと食器を片づけて、グラエナはエーフィの分も、学校の準備をした。今日は金曜日・・・5時限目のHRは遊び・・・エーフィには少ししんどいかもしれない・・・
「エーフィ?」
「・・・ん・・・なぁに・・・?」
さっきよりは反応が良くなったけれど、まだまだエーフィは不自然なくらい反応が遅い。
「もうダメだと思う前に、医務室に行くんだよ?」
「・・・うん・・・ぐらえなぁ・・・ありがとぉ・・・」
グラエナの触ったところだとエーフィは身体が少し熱い。顔も、もちろん頬も熱っぽいし赤い。
「さ、乗って。」
「うん・・・」
脚を完全に曲げて、エーフィが乗りやすいように伏せるグラエナ。エーフィも頑張ってグラエナの背中に乗っかる。
「あぁっ・・・」
下肢と股間が何かに触れるだけでも甘い声が出てしまったエーフィ。
「どしたの?」
「・・・なんでもないよぉ。」
グラエナの心配に、なんでもない、と応えるエーフィだったけれど、身体が火照って疼いて、と地獄みたいな状況だった。
休むべきだったかなぁ・・・と寮を出てから後悔したグラエナだったけれど、迷いを振り切って学校へと向かう。

学校に入ると、さすがにみんながじろじろ見てくる。けれどグラエナはそのまま医務室の方へ進んでいく。教室にはいさせられない、グラエナがそう思ったからだ。
「エーフィ!?どうしたの?」
聞き慣れた声だ、とグラエナが声のするほうを見てみると昨日休んでいたブラッキーだ。
「あぁ・・・おはよぉぶらっきぃ・・・」
「ねぇ・・・なんか変だよ?」
「へんじゃないよぉ・・・」
ブラッキーは不思議そうな瞳で医務室へ向かうグラエナとエーフィをじっと見つめていた。

グラエナは学校の廊下を進んでいく。
「あれ?グラエナ?何やってんの?」
カメックス先生があわててグラエナの傍にやってきた。
「おはようございます先生・・・」
「どうしたんだ?エーフィ乗っけて・・・」
少し顔の赤いエーフィを見て、カメックス先生は事情を理解した・・・いや、出来るわけがない。
「エーフィ、風邪か?」
「まぁそんなところですね・・・」
「そうか・・・グラエナも気をつけろよ。」
心配そうなカメックス先生にお礼を言うと、またグラエナは医務室に進んでいく。

こんこん・・・ようやく到達した医務室のドアをノックするグラエナ。
「はいは~い。」
ラッキーさんの元気そうな声が響く。グラエナは医務室のドアを開けて、入った。
「おはよう。グラエナ君・・・エーフィちゃんどうしたの?」
すぐに怪訝な顔をしたラッキーさん。グラエナはベッドにエーフィを座らせる。エーフィの肢体はまだプルプルと震えたままで、息も荒い。かなり辛そうだ。
「ねぇ・・・」
「いや・・・その・・・風邪みたいで・・・」
しどろもどろのグラエナ。ラッキーさんは特に疑いもせずエーフィの様子を見ている。
「エーフィ?聴診器あてるから・・・」
ラッキーさんはエーフィを仰向けにすると聴診器をあてていく。ずっとひくひくとして身体の震えがおさまらないエーフィ。
「はい背中。」
慣れた手つきで素早くこなすラッキーさん。グラエナはその様子をじっと見守っていた。

しばらく沈黙が流れて、ラッキーさんはグラエナに声をかける。
「あのね・・・どうにも風邪じゃないっぽいんだよね・・・」
「えっ。」
ドキッとするグラエナ。ただ必死に何も知らないふりをしてた。
ラッキーさんが説明を終えると、グラエナはようやく落ち着いて身体をベッドで横たえることができたエーフィに声をかける。
「エーフィ?授業どうしよう・・・」
「いかないでぇ・・・」
青く澄んだ瞳を潤ませて訴えるエーフィ。グラエナも正直、授業に出る気はなかった。エーフィのこんな姿を見ていれば、授業に行きたくはならない。
「うん・・・」
「いてあげなさいよ。」
優しいラッキーさんのセリフに、グラエナは甘えて、エーフィの傍にいることにした。

「ぐらえなぁ・・・」
甘いひと時が流れる。時計を見るともう9時。とっくに授業は始まっている。
エーフィは時折身体を震わせて、そのたびにグラエナを呼んでいた。グラエナも頭を撫でたりして、ずっと傍にいる。ラッキーさんも飽きるほど。
「おちゃちょーだい・・・」
「お茶?わかった・・・ちょっと待って。」
グラエナは自分のカバンに入っている水筒を出して、コップに一杯注ぐとエーフィにゆっくりと飲ませる。
「コップもてる?」
「うん・・・」
エーフィは身体を起こしてごくごくとお茶を飲む。飲み干すととてもうれしそうにグラエナを見つめているが、瞳は虚ろだし、耳もふにゃっと寝ていて、いつもの学校のエーフィとは、違う印象だ。
「はぁ・・・」
ほっと安堵して力の抜けたグラエナ。布団をかぶっているエーフィはまだ少し身体が震えている。
「ひぁぁ・・・」
突然甘い声を出したエーフィに、びくっとするグラエナ。
「エーフィ?だいじょうぶ?」
「ティッシュとって・・・」
グラエナはベッド脇に置いてあるティッシュを2,3枚取って、エーフィに渡す。
「ありがとぉ・・・」
エーフィはティッシュを持った手を布団にもぐらせていく。
「ひゃ・・・ひゃぁぁ・・・」
手をもじもじ動かして甘い声をまた何度もだすと、力が抜けたように身体を布団に沈めた。
「ぐらえなぁ・・・これ・・・」
グラエナに濡れたティッシュを渡すエーフィ。いつの間にかエーフィの顔は真っ赤に紅潮している。そのティッシュをグラエナはすぐにゴミ箱に捨てた。
「うぅぅん・・・」
「大丈夫か?」
身体の変調を抑えて、コクリ、と頷くエーフィ。
「寒い?」
「ううん・・・からだがじんじんするの・・・」
エーフィの言葉は、抽象的ではあったが、グラエナは、エーフィの身体の疼きがまだおさまってないんだな、と感じ取ることはできた。
「ごめんな・・・」
「ぐらえなが謝ることじゃないよぉ。」
お互いなんだかしっくりこない、謝りたい気持ちはあったけれど、グラエナのせいでも、エーフィのせいでもない・・・そうお互い思っていた。
いつも一緒にいるのに、エーフィはグラエナといるこの時間がとっても嬉しくて、まばゆい笑顔を浮かべている。
「ぐらえなぁ・・・身体があついよぉ・・・」
「どれどれ?」
グラエナはひょいっとベッドに乗ってエーフィの額に手を当てる。エーフィは嬉しそうに青い瞳を細める。
「うーん・・・熱いかな・・・ちょっと。」
がしっ・・・
「エーフィ・・・」
グラエナがエーフィの額から前肢をどけようとすると、エーフィの手がグラエナの前肢を掴んだ。
「そばにいて・・・」
「離れるわけないじゃんか。」
瞳からポロっと涙をこぼしたエーフィは口元を綻ばせてコクリと頷く。不安げなエーフィの頭をグラエナは何度も撫でてあげた。

「ただいま!グラエナ君?いるの?」
飽きて職員室に遊びに行ってたラッキーさんの元気な声が医務室中に響き渡る。
「いますよ。」
「お土産買ってきてあげたよ。」
ラッキーさんは嬉々とした声を出して、グラエナとエーフィのところに近づいてきた。
「あれ・・・エーフィちゃん・・・どしたの?そんなに嬉しいの?」
医務室を出る前のエーフィはあまりにも元気がなかったので、ラッキーさんは元気になったエーフィに少し驚く。
「うん!」
グラエナにぎゅーっと抱きついてるエーフィは笑顔でラッキーさんの問いに頷く。まだ少し顔は赤いけれど、来たばかりの時に比べると、エーフィはかなりマシになった。
「はい、お土産。」
ラッキーさんがそう言って差し出したのは、冷却シート。
「すみません。」
グラエナがペコっと頭を下げると、いいのいいの、と言ってラッキーさんはエーフィの頭に冷却シートを貼り付ける。
「ちべたい・・・」
ちょっと熱っぽかったエーフィは、冷却シートを貼られて、熱がおさまっていくのを感じていた。けれど、身体の奥底にある疼きは、消えなかった。
「教室に戻れる?」
「うーん・・・」
もう授業を受けても問題ないかな?とラッキーさんは思ってみたけれど、エーフィは頭をポリポリ掻いて、少し悩んでいる。
「もう戻るか?」
「ううん・・・どうしよ・・・」
グラエナもエーフィに戻ってみたら?と言う。けれどエーフィがすっかり元気になったわけではないので、まだまだグラエナの心配は消えていない。
「戻ろうかなぁ・・・」
グラエナとラッキーさんがちらっと時計を見ると、もう10時。授業の最中だ。
「じゃあ、3時間目から出たらいいよ。」
ラッキーさんはそう言って何か書類に書き込んでいく。エーフィは再びグラエナの前肢を掴んで、楽しそうに眺める。

あっという間に30分が過ぎて、もう3時間目が始まる。
「ありがとうございました。」
「いえいえ、具合悪くなったら、すぐに来てね。」
お礼を言うグラエナに、ラッキーさんは笑顔で答える。エーフィは額の冷却シートをはがす。ふと粘着面がエーフィの手にくっついた。
「やん。取れない・・・」
ぶんぶんエーフィは前肢を振ってみても、粘着力がそこそこ強かったみたいで、なかなかはがれない。
「えーふぃ・・・」
うまくエーフィの手にペタっと貼りついた冷却シートを、グラエナがビッとはがすと、ゴミ箱に捨てた。
「ありがとぉ。」
「ふふっ・・・」
笑顔のエーフィ。なにか可笑しくてグラエナまで笑ってしまう。
「じゃ、ちゃんとエーフィちゃんのこと、よろしくね、グラエナ君。」
「はい。」
ラッキーさんにお別れを告げると、寄り添うように2匹は教室に向けて進みだす。

ガラガラ・・・グラエナが鬱陶しそうに教室のドアを開ける。
「グラエナ!」
ブラッキーと仲良く登校していたらしいヘルガーが、グラエナの元にやってきた。
「どうしたの?」
「エーフィの体調が悪くて・・・」
ヘルガーはふぅん、と言う具合にいつもよりしんどそうなエーフィをじろじろと見つめる。エーフィはブラッキーにしんどそうに話しかけていた。
「授業始めるぞぉ・・・」
バシャーモ先生が次の授業の用意をして、教室に入ってきた。みんな嫌そうに自分の席に着く。
「さ、早く早く。」
「うん・・・」
席が隣同士のグラエナは、授業のためにエーフィがカバンをガサゴソ探っていたのを手伝って準備を終えてから、自分も授業の準備をした。
「えっと・・・ささ、情報の教科書26ページ開いて・・・なんだっけ・・・」
退屈な授業・・・ふぁぁ、とグラエナは何度もあくびをする。
「はい、グラエナ。眠そうだから、前に出てこれ、書いて。」
バシャーモ先生は見逃してくれなかった。横でクスクス笑うヘルガー。だるそうにグラエナは教卓へ向かう。
黒板には1と0の数字が並ぶ。簡単な2進数みたいだった。この学校では他学校に先んじて情報の授業が行われている・・・けれどみんな理解できてない。
「ほいほい・・・」
カリカリと黒板にチョークが擦れる音が教室に響く。
「うん・・・じゃ、その調子で残りも頑張って。」
よっぽど先生の癪に障ったんだなぁ・・・とグラエナは残った全ての問題を着々と片付けていった。
「よし・・・グラエナが全部答えてくれたから、今日はここまで。」
先生はそう言うけれど、時計を見ても、まだ15分くらい時間は残っていた。自分の席へ帰ろうとするグラエナ。エーフィはニコニコしている。
むんず・・・グラエナは首根っこを先生に掴まれる。
「ちょっと来い。」
バシャーモ先生のその言葉はグラエナを震えさせるには十分だった。
「そ・・・そんなに怒りました?」
「ん?・・・まあな。グラエナじゃなかったら思いっきり殴り飛ばしたくなってるところだ。」
一応手は出されないことにグラエナは安堵して、バシャーモ先生に連れられるまま職員室に入っていった。

「どしたのエーフィ?」
グラエナが教室からいなくなって、少し不安なエーフィに、ブースターが話しかける。
「ん・・・ちょっと具合悪くて・・・」
「だいじょうぶ?」
ブースターはエーフィの身体を何度かさする。
「だいじょぶ・・・」
ふいに周囲をちらちらと見まわすブースター。
「ブラッキー?」
「うん・・・」
そんなに苦手なんだ、と思わずエーフィは苦笑いする。
「エーフィはブラッキーと仲いいもんね・・・」
「この学校で初めて出来た友達だから。」
そうなんだ、ブースターは少し驚いた表情を浮かべた。
「なんでブラッキー苦手なの?」
「えっ・・・なんでだろう・・・」
エーフィの質問に、たじろぐブースター。ブラッキーが苦手な理由というものにはちゃんとしたものはないみたいだ。
「ブースターはさ、ブラッキーが苦手かもしれないけど、ブラッキーはそんなこと思ってないと思うよ。」
「やっぱりそうなのかなぁ・・・」
ブースターは頭を抱えて悩んでいる。一方のエーフィは喋ってるうちに、自分にグラエナの口調がうつったかなぁ?と微笑みつつ首をかしげた。

「で、どうする?」
「うーん・・・」
グラエナはバシャーモ先生の私物のコンピュータの前で固まっている。呼び出された理由は簡単、遊び相手だった。パソコンで将棋をやっていたのだ。
「降参か?」
バシャーモ先生がマウスに手をかける。
「ああ・・・待ってください・・・じゃあ、ここに歩を。」
グラエナが言うとおりに、バシャーモ先生がマウスを動かす。
「ほおほお。じゃあ、ここに金な。」
あらかじめ読んでいたのか、バシャーモ先生はすぐに自分の番を終えた。
「あっ・・・」
再び頭を抱えるグラエナ。
「ま、これが経験の差ってやつだ。」
余裕のバシャーモ先生は、またグラエナを急かす。
「はぁ・・・じゃあここに香車を。」
「はい、王手。」
「あ゛っ・・・」
思わずもれた声、グラエナがきょとんとしているうちに、全て終わってしまっていた。
「ふぅ・・・ありがとな。相手がいなくていなくて・・・」
バシャーモ先生は、暇そうなグラエナを見つけては、ずっと将棋を教え込んでいた。けれどあんまりグラエナの憶えがよくなくて、もう1年以上こんな具合だ。
グラエナもバシャーモ先生もこのときだけは友達のように接している。
バシャーモ先生はその道では・・・情報系の道では有名みたいで、グラエナもそれを知ってたから、最初のうちは近づけなかった。けれど先生の方からどしどし近づいてきたので、否応なく接してた感じだった。
「情報の授業・・・退屈だろ。何しろ現物がないからな。寝てるやつも多いし。お前ぐらいなもんだ、必死にあくびして、眠気を追っ払おうとしてるのは。」
「現物がなくても面白いところは面白いですよ。」
バシャーモ先生は何か考えるような表情を浮かべる。
「なぁ・・・」
「はい?」
急に真面目な口調になったバシャーモ先生をグラエナは見つめる。
「お前・・・卒業した後どうするんだ?もっと上の学校に進学するのか?」
「いえ。」
グラエナの返事を聞いて、バシャーモ先生は少し口をもごもご動かした後、はぁ、と息を吐いた。
「グラエナくらいなら・・・いつだって相応の学位は取れるか。無論、まじめに勉強すれば、の話だが。」
「誰だってきちんと努力すれば、賢くはなれますよ。・・・いたたっ。」
口答えするグラエナの頬を軽く抓って、先生は書類を2,3枚、取りだすと、それをグラエナに見せる。
「情報系のところなら、今でも働きながら十分教育を受けさせてくれる。・・・おっと・・・もう時間か。」
「ぎゃっ!」
グラエナは背中がズシンと急に重くなったのを感じて、振り向いた。
「これ・・・持ってってくれ。」
「ひゃい・・・」
バシャーモ先生は途中で話を切り上げると、グラエナに次の授業の準備を背負わせて、教室へ戻っていった。

「ぐらえなどおしたんだろ・・・」
さすがに授業の直前になってもグラエナが戻って来ないと、エーフィも心配になる。はぁ、とため息をついて教室の入り口を見るけれど、入ってきそうな気配はない。
「ううん・・・」
エーフィは自然と、身体の疼きの激しいところに前肢を持っていきそうになるが、それをかろうじて抑える。
「あ、先生だ・・・」
ふと教室の廊下側の窓に、背の高いバシャーモ先生が映っているのが、エーフィに見えた。
ガラガラ・・・
「グラエナぁ・・・」
教室のドアが開くとともに、バシャーモ先生の傍でグラエナが一緒に入ってきた。
「授業だけど・・・自習な。」
突然の自習に、湧きかえる教室。先生も騒ぎを止める気はない。
「騒ぐのはいいが、宿題やった方がいいんじゃないのか?」
先生が言う宿題、とはどうやら1時間目か2時間目に、エーフィとグラエナがいない間に出されたもののようだ。バシャーモ先生がありがたく、2匹にも渡してくれた。
「ぐらえなぁ・・・」
「なに?」
エーフィはえへへ、と無邪気な笑みを浮かべてグラエナをじっと見つめている。
「宿題さ、おしえてよぉ・・・」
「いいよ。じゃ、さっそくやるか。」
しばらくして、エーフィはグラエナに宿題のプリントを見せた。グラエナは高速スピードで宿題の答えの解説を話していく。そんなグラエナにエーフィは混乱した。
「でさ・・・いたたっ!」
エーフィはむすっとしてグラエナの頬をつねる。
「むぅ・・・そんな早口で言われてもわかんないじゃんかぁ。」
「ごめんごめん・・・」
頬を少し赤くしたグラエナは満足げにエーフィの頭を撫でる。
「大丈夫?」
「うん・・・なんとかね。」
エーフィも自然と口元がほころぶ。

「エーフィ・・・」
ブースターが昼休みで眠っているエーフィに声をかける。エーフィは眠れていたわけではない。身体の疼きを落ち着かせるためには動かないのが一番だからだ。
「なぁに?」
疼きで疲れる身体を起こして、エーフィはブースターを見る。
「ブラッキーのことなんだけど・・・」
「うんうん。」
ブースターはブラッキーのことについてエーフィにばしばし質問をぶつけてくる。エーフィは懇切丁寧に、1つ1つブースターに答える。
「ありがと・・・」
「いいの。ブラッキー?」
エーフィはブラッキーを呼ぶ。
「どしたのエーフィ?ブースターも・・・」
ブラッキーもブースターもお互い話すのは照れるみたいで、なかなか話しだそうとしない。
「もぉ!なんか話しなよ!」
いい加減にイライラしたエーフィはちょっと大きな声を出してみる。
「あのさ・・・」
「な・・・なに?」
「これからなかよく・・・しようね?」
「ぷぷっ・・・」
何かぎこちなくて、エーフィもブースターもブラッキーも笑ってしまった。
「じゃあ、よろしくね!」
元気よくブースターに声をかけるブラッキー。
「エーフィ・・・ほんと、ありがとう・・・」
「いいの。」
ブースターはブラッキーと仲良くできて、相当嬉しかったみたいだ。笑顔のまま、カメールのところに戻っていった。

「うぅ・・・ふぁ・・・」
もう授業も始まるというのに、エーフィの身体はまた深い疼きに襲われていた。
「やぁっ・・・ぁっ・・・」
エーフィは必死に下腹部の疼きを抑えようとしたけれど、そうすれば淫猥な声が漏れる。触らなければ、辛いだけ。
どうして治まらないんだろう・・・と何かを考えるたびに疼きで思考を消し飛ばされるエーフィはそれだけを思っていた。そしてエーフィが横を向けばすぐそばには大好きなグラエナがいる・・・
「うぅん・・・やぁぁ・・・」
また変な声を出してしまったエーフィ。
「大丈夫か?」
「ぐっ・・・ぐらえなぁ・・・」
声をかけてくれたグラエナに、エーフィは一気に不安がほぐれた気がして涙が出そうになる。
「医務室行こう。」
「うんっ・・・」
グラエナはエーフィをそっと支える。エーフィは再び、グラエナに連れられて医務室へ向かった。

医務室に着いたエーフィは、またラッキーさんの手で、ベッドに寝かされた。
「エーフィ、ちゃんとどこがどういう風になってるのか言いなさい。」
ラッキーさんは朝と違って、かなりキツイ口調でエーフィに迫る。
「ふぇぇっ・・・言えないよぉ・・・」
「なにそれ。」
泣きそうなエーフィに、ラッキーさんは怪訝な瞳でグラエナを見つめる。
「あ・・・いやその・・・昨日・・・」
「いわないでよぉ・・・恥ずかしいじゃん。」
グラエナは言うそぶりだけしてみたけれど、エーフィはグラエナの想像以上に反応した。
「ふーん・・・エーフィはそんな恥ずかしいことしたんだ・・・」
「え・・・そのぉ・・・ち、ちがぁ・・・」
ラッキーさんはドSなのか、容赦なくグラエナ・・・よりもエーフィを追いこんでいく。
「うぅ・・・ごめんなさぃ・・・」
もうダメだ、と観念したエーフィはラッキーさんに謝る、途端に険しい表情を崩したラッキーさん。

「えっとぉ・・・すごく身体がじんじんして・・・あたまがぽわぽわして・・・」
「えっ・・・?」
エーフィのなんだかよくわからない言い回しに、ラッキーさんは首をかしげる。
「要はエーフィは身体が疼いてるみたいで・・・」
「ああ。」
グラエナの通訳で、どうにかラッキーさんは理解することはできた。
「どこが疼くの?」
「えぇとぉ・・・」
エーフィはますます言葉のやり取りがあやふやになっていく。心配なグラエナは傍にいてラッキーさんにいろいろと伝える。
「ひゃぁぁ・・・」
ラッキーさんはエーフィの身体を触ろうとするけれど、そのたびにエーフィはラッキーさんの手から身体を逃そうとする。
「ちょっと・・・触らないとどこがどうなのかわからないでしょ?」
「ぐっ・・・ぐらえなぁ・・・」
青く澄んだ瞳を潤ませて、グラエナに助けを求めるエーフィ。ラッキーさんもグラエナをちらちらと見ている。
「エーフィ・・・昨日はごめんな・・・ほんと・・・」
「いいのぉ・・・わたし・・・グラエナにめいわくかけてばっかりで・・・ふぇっえっ・・・ふぇぇん・・・」
とうとうエーフィはグラエナにしがみついて泣き始めた。グラエナは優しく背中に前肢を当ててエーフィを受け止める。
「本当に・・・仲いいんだね。」
もうお手上げだ、とラッキーさん。
「私・・・ずっとグラエナはやさしいじゃんか・・・グラエナに嫌われたくなくて・・・裏目に出てばっかりだよね・・・」
「そんなことないよ。俺だってエーフィのこと・・・好きだから・・・裏目なんてないよ・・・エーフィがしてくれることは、とっても嬉しいから・・・」
涙があふれ、身体を震わせたエーフィはサイコキネシスでグラエナをひょいと持ち上げて自分が眠ってるベッドの上にドサッと置いた。
目を擦るように前肢を動かすと、エーフィは顔をあげて潤んだ瞳でグラエナのことをじっと見つめる。
「私が悪い夢を見るのは・・・今がとっても楽しいから・・・辛くても幸せだから・・・」
「エーフィ・・・」
ギュッとエーフィはグラエナに抱きつく。そんな2匹を見て、なぜかラッキーさんはニコニコしている。
「あ・・・」
「どしたの?」
エーフィは一通り自分の想いを吐きだすと、身体が少し楽になった気がした。
「ちょっとじんじんするのがおさまったかなぁ・・・」
「よかったじゃんか。」
グラエナがエーフィの頭を撫でると、エーフィは照れくさそうにえへへ、と笑う。

「昨日、何かあったみたいね~。」
ラッキーさんが無邪気に言う。エーフィももう恥じらうような表情は見せなくなった。
「ラッキーさん・・・私・・・グラエナのことが・・・好きで・・・身体が抑えられなくて・・・」
エーフィの切実な願いだった。ラッキーさんはエーフィを優しい瞳で見つめる。グラエナは照れて、ふらふらしているうちにドアに頭を打った。
「私に言うってことは・・・単純な恋の悩みじゃないってことだよね?」
「うん。」
ふむふむ、とメモを取っていくラッキーさんにエーフィは頷く。丁寧語じゃないところをラッキーさんは特に気にしてないみたいだ。
「じゃ、グラエナ君にはちょっとばかし眠ってもらいましょうかね?」
「え゛っ!」
ラッキーさんは容赦なくグラエナにたまごを投げつけた。避ける暇のないグラエナ。
バンッ!!
「ぐぅ・・・」
グラエナの身体に当たる直前に、たまごは爆発しグラエナは倒れこんだ。ただのしかばねの・・・
「ちょっと睡眠作用のある成分を入れていたんです。」
ラッキーさんの言葉の通り、すでにグラエナはくぅくぅ寝息を立てて眠っている。
「ささ、エーフィ。お悩みをどうぞ。」
無邪気な笑顔に戻ったラッキーさんはまたペンを走らせる。
「わたし・・・グラエナが何してても・・・私がグラエナのこと気になっちゃって・・・」
「ふむふむ。」
エーフィは時折眠っているグラエナをちらちら見ている。
「多分グラエナ君もエーフィのこと気になってると思うなぁ。けどねエーフィ?」
「はい。」
「ベタベタするのもいいけど、たまには刺激的なこともしなくちゃね?」
「刺激的なこと?」
首をかしげるエーフィ。
「そう。驚きのプレゼントとか。普通のじゃダメなんだよ?あくまで驚き、だから。」
「はい。なるほどぉ。」
ラッキーさんの話に、エーフィは何か思いついたように頷く。
「まぁ、エーフィがグラエナ君が驚くようなものをプレゼントすればいいんだけど、ショックなものとか、心臓に悪いものはダメだよ?」
「えへへ・・・はい。」
にこにこ微笑んでいるエーフィ。何か思いついたみたいだな、とラッキーさんも感じた。
「じゃ、先に私帰ります。」
「え?」
エーフィはそう言うと、グラエナを放置して医務室を出ていく。
「グラエナが起きたら、出来るだけ時間稼ぎしてください・・・おねがいします。」
「はぁ・・・」
ラッキーさんにはエーフィの意図が読めなかったけれど、とりあえずエーフィの言うとおりにすることにした。

「ふぁぁ・・・カメール・・・帰ろっか?」
ブースターは授業が終わって、なにか難しい顔をしているカメールに話しかける。
「あ・・・ああ。帰ろう。」
どうしたのかな?とブースターはカメールの顔を覗き込むけれど、カメールはすぐに普段の無邪気な笑顔に戻った。
「ん?ブースター・・・ちょっとね・・・」
カメールが提げているカバンから、何かのパンフレットが飛びだしているのが、ブースターには見えた。
「カメール・・・旅行行くの?」
「まぁ・・・そうなんだけどさ・・・」
どこかもじもじしているカメールに、ブースターは強く迫ってみることにした。
「何か私に隠してるの?」
「いやっ・・・違うんだ・・・その・・・」
ブースターの狙った通りにすぐ、もじもじし始めたカメール。そしてカメールはカバンからパンフレットを取り出す。
「あの・・・ブースター・・・この旅行・・・一緒に行ってくれないか??」
「ええ!?」
突然の告白。けれどブースターは戸惑いを覚えなかった。
「うん。行こう!」
「ありがと・・・ブースター・・・」
カメールはギュッとブースターに・・・ブースターに・・・
「あれ?」
カメールは目の前で何が起きているかわからなかった。目の前にいたブースターが・・・いつの間にかいなくなっていた。
「かめぇぇぇるぅぅぅ!」
「ブースター!?」
叫び声に動転したカメールはあわてて声のする方に走っていく。クラスで最も遅い脚だけれど、すぐにブースターを見つけることが出来た。
「エーフィ?」
「ど~も~・・・こんにちは。ちょっとブースターをお借りしますね。」
何が起きたかわかってないらしいブースターはサイコキネシスでぷかぷか浮かされている。そしてエーフィも。
「ちょっと待って!」
「ん?なに?」
エーフィを引き留めようとするカメールだけれど、今のエーフィには逆らわないほうがいい、と本能が告げていた。
「じゃ、グラエナの部屋に来てね。ばいばい。」
「かめ~る~!」
ただただカメールは呆然とするしかなかった。叫ぶブースターとエーフィは窓から飛び出て、空を飛んで学校から出ていった。
「はぁ・・・グラエナ・・・エーフィを抑えてくれ・・・」
祈るように言うけれど、グラエナの影も形もここには無い。エーフィのエスパー能力はおそらく学校1だろうな・・・カメールはそう思った。
「グラエナ~・・・どこいったぁ・・・俺のブースター・・・かえしてぇ・・・」
悲痛な祈りだ。とりあえず教室を閉めて、カメールは職員室に鍵を返しに向かう。

カメールが廊下を職員室に向かって歩いている。医務室の前を通り過ぎるとき、ふとガラス越しにグラエナとラッキーさんがいるのが、カメールの目に飛び込んできた。
ガラガラ・・・
「グラエナ!」
「ん・・・なに?」
医務室で眠たそうにぼけーっとしているグラエナを見つけたカメールはグラエナをゆっさゆっさと揺さぶる。
「ブースターが拉致されたんだよぉっ!」
「え?誰に?」
カメールはグラエナの様子から、エーフィの単独犯だな、と確信した。
「エーフィに。」
「・・・ホントか?」
「うん。空飛んでった。」
グラエナは何となく事情を理解できた。少しうーん、と唸って、顎を前肢の上に置くと、カメールの方を見る。
「何があったの?」
「実は・・・エーフィがブースターを・・・」
ラッキーさんもあきれ顔で、カメールから事の顛末を聞いている。
「はぁ・・・エーフィったら、私の話をどうも変な風に理解したみたいね・・・」
「変?」
グラエナが聞き返す。
「いやね、私がエーフィにサプライズな・・・ありゃ、これ言っちゃだめだ。まあ、いつもと違うことしてみれば?って言ってみたんだけど。」
「はぁ・・・エーフィとの間にいつものこと、なんてないんだけどなぁ・・・」
ため息をついて、グラエナは振り返るようにしみじみと言う。カメールはグラエナのその呟きを聞いて、つくづく仲がいいんだなぁ・・・と思っていた。
「ブースターが拉致されたのはなんでなんだろうなぁ・・・」
「なんでだろ・・・エーフィだけじゃできないこと・・・とか?」
「あっ・・・」
何か嫌な予感がしたグラエナはあわてて医務室を出て駆けだす。
「ちょっ・・・グラエナ!俺を置いていくなよ!」
カメールの叫びに、グラエナは踵を返して戻ってきた。
「ああ、ごめんごめん・・・」
グラエナはカメールの歩みに合わせて、トコトコと進みだす。

サイコキネシスであっという間にグラエナの部屋に到達したブースターとエーフィ。とくに散らかってもいない部屋で、ブースターはエーフィと対峙している。
「エーフィ?」
「なに?」
告白の最中に拉致されたブースターは頬を膨らませてむすっとしている。けれどエーフィは気にも留める気配はない。
「なんでいいところで私を誘拐したのよ・・・」
「いいじゃん。告白くらいいつだって・・・いたたた・・・」
グラエナとエーフィじゃないんだから!と怒ったブースターはエーフィの頬を思いっきりつねった。
「で、何をしたらいいの?」
ブースターは片方の頬を真っ赤にしたエーフィに聞く。
「えーっとね・・・グラエナがびっくりするようなプレゼントをしたいんだけど・・・」
「ふーん・・・なにがいいんだろうね・・・」
エーフィにブラッキーとの仲を取り持ってもらえたので、協力する気がなかったわけではないブースターは、ちょっと真面目に考えてみる。
「グラエナ君かぁ・・・何が好きなんだろうね・・・カメールは歴史とかが好きってグラエナ君が教えてくれたけど・・・グラエナ君かぁ・・・」
ちらちらと、ブースターはエーフィの身体を見ていた。薄紫の肢体・・・まぶしいくらいの笑顔・・・エーフィは♀であるブースターにとっても、可愛いな、と思わせる存在であった。
「ふふ・・・」
いいアイデアが浮かんだブースターはほくそ笑んだ。
「なに?」
ちょっと不気味がるエーフィ。
「エーフィをプレゼントしたらいいんじゃないかな・・・って。」
ブースターはそう言うとエーフィの口にタオルを噛ませた。
「んふ・・・んーんー・・・んぐぐはふへへー・・・」
「私に任せたらいいのよ?」
微妙に嗜虐心を煽るシチュエーション。ブースターは縛れる物、ないかなー、とあちこちをガサゴソと探っている。
「あ・・・あった・・・」
またブースターはにやりとほくそ笑む。
「んー!んー!」
エーフィは恐怖で身体がぷるぷる震えている。

「ごめんなカメール。」
「ああ・・・エーフィは強いしなぁ・・・」
謝るグラエナに、いいよ、と言うカメール。グラエナは自分の部屋の前で、どうなってるかな?とドアを叩いてみた。
「どーぞ。」
ブースターの元気な声。
「ブースターが出てきたら、帰るな。」
「ごめんなカメール・・・」
「いいって。」
グラエナは覚悟を決めて、ドアを開けた。

ギィィ・・・
グラエナがゆっくりと部屋に入っていく。トコトコと足音がした。ブースターだった。
「それじゃごゆっくり~。」
不敵な笑みを浮かべると、ブースターは部屋を出て、楽しそうにカメールと帰っていった。不穏なものを感じつつ、グラエナはエーフィを探す。
「えーふぃ?」
「んっ・・・んんぅ~・・・んん~・・・」
涙声のエーフィ。心配なグラエナはゆっくりとエーフィの声がするほうへ進む。
「え・・・えーふぃ・・・」
グラエナは絶句は・・・しなかった。自業自得だ、とも思った。
「ん~ん~・・・」
エーフィはタオルを口にかまされ、前肢をテーブルの柱にくくりつけられて、後ろ脚はベッドの柱の上部に片方、もう片方は少し長い荷造り用の紐でテーブルの柱にくくりつけられていた・・・
全て・・・仰向けにされた身体に、後ろ脚を開かされ、下腹部か浮かされているので、特にエーフィの恥ずかしいところはよく見えるように縛られていたのだ。
「エーフィ・・・」
「ん~ん~・・・」
恥じらうように胴をふるふると震わすけれど、下腹部を際立たせるような格好になり、却って恥ずかしいところがあらわになる。
すでに泣いているみたいで、エーフィの愛らしい顔には、すでに両方の瞳の目じりに一筋の濃い紫のラインが現れていた。
「タオル外してほしい?」
「ん~。」
声だけで答えたので、どっちなのかわからず困り果てるグラエナ。
「どっち?」
「んぐんぐ・・・」
「外してほしいの?」
「ん~。」
「外してほしくないの?」
「ん~。」
はて、どうしよう・・・と悩むグラエナ。
「あ・・・そうだ。首を振って答えてよ。口のタオル、外してほしいの?」
「ん~。」
エーフィは首を縦に振った。
「外してほしくないの?」
「ん~。」
エーフィは首を横に振る。グラエナは仕方ないな、とエーフィの口にかまされているタオルをゆっくりと外した。
「はぁはぁ・・・はぁっ・・・はぁはぁ・・・」
足りなかった息を一気に吸い上げるエーフィ。
「ブースターに逆襲されてるじゃん。」
「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」
グラエナは、自分がどんな格好なのかエーフィはわかってるのかな?と首をかしげる。再びエーフィの下肢の方に構えてみるグラエナ。エーフィの縦の1本筋の割れ目は、少し湿り気がある。
「エーフィ・・・自分がどんな格好かわかる?」
意地悪にも聞いてみるグラエナ。
「えっ・・・そ・・・そんなのぉ・・・」
「なんでこうなったか・・・とりあえず説明だけして。」
エーフィはグラエナが怒ってるのかなぁ・・・と恐怖を感じて、プルプルと縛られている肢体を震わす。
「えっと・・・ごめん・・・ぐらえな・・・ブースターに、びっくりするようなプレゼントあるかなぁって・・・相談したら・・・」
「ブースターに縛りあげられたの?」
「うん・・・わたしがプレゼントになればいい・・・って・・・」
また少し瞳を潤ませてるエーフィ。
「エーフィ。」
「なに?」
諭すようにグラエナはエーフィに話す。
「今までさ、驚かなかったことなんてないじゃんか・・・仲良く2匹でいて・・・今の生活を送ってて・・・」
エーフィは、グラエナの言っていることの直接の意味ではなく、グラエナの言葉の裏にある、気持ちが痛いほど伝わってきた。
「俺はエーフィには・・・幸せになってほしいから、今の生活を経て幸せになってほしいから・・・俺はそれを見てるだけでも幸せだから・・・だから」
「違うもん!」
いつになく怒ったエーフィの口調。グラエナは少し驚く。
「私だけ幸せになっても・・・ううん・・違うもん・・・グラエナと一緒に幸せになれないと・・・嫌だもん・・・そんなの絶対嫌だもん・・・」
「エーフィ・・・ごめんな・・・鈍感で。」
物憂げなグラエナの口調。
「グラエナは鈍感だから・・・イヤになっちゃうな。」
明るい口調で・・・でも少し涙声のエーフィ。グラエナは後悔していた。これほどお互いを求めているのに・・・いつまでたっても一歩先に進むことができない自分に。
「止める?」
「そんなことしたら・・・グラエナの部屋を宇宙に放り出しちゃうよぉ。」
悪戯っ気のあるグラエナの物言いに、エーフィもその物言いを真似て返す。
「エーフィは強いもんなぁ。」
「強くても・・・友達には縛られちゃうけどね。」
2匹はお互いの状況が可笑しくて、クスクスと笑いだした。縛られている時折四肢を動かして、ギシギシと縄を軋ませるエーフィ。
「で・・・どうしよう・・・解いてほしい?」
「えーっ・・・う~ん・・・なんか遊びたいな。」
「ふふっ・・・それはエーフィのセリフじゃ無いじゃん。」
またクスッと笑うグラエナ。
「えっ?そぉ?グラエナがいたら・・・何してても・・・いいかなって。」
照れくさいけれど、グラエナにはっきり伝わるように、エーフィは言う。
「何されても?」
「むぅ・・・変なことしたらわざ、かけるよぉ。」
「じゃあ今使えばいいじゃん。」
ちょっと頬を膨らませて言うエーフィに、ほんのちょっぴり優位に立っているグラエナは意地悪を言う。
「つかわないよぉ・・・」
「なんで?」
「楽しいから。」
縛られていても、いつものようにまぶしい笑顔を見せるエーフィ。グラエナは優位に立ってるんじゃなくて、エーフィと平等な立ち位置にいることに気付いた。
「ふぅん・・・」
「やっ・・・やぁん・・・きゃぁん!やぁぁぁ・・・」
本当かな?と、グラエナはエーフィの幼い割れ目に指を滑らせて、膣に少し指を挿しこむ。縛られているエーフィの四肢ががくがく震えて、はしたない声をエーフィは上げた。
「楽しい?」
「うん。」
エーフィは自分の膣にまだ指を挿れられたまま、だというのにすごく嬉しそうだ。それにエーフィは気付いていた。身体の疼きがグラエナの行為によって収まってきているのに。
一方のグラエナは、エーフィの膣のナカが見た目よりも濡れていて、すでに愛液が指に絡みついていることに、ちょっと驚く。
「ぐらえなぁ・・・」
妖艶な声でグラエナを誘惑してみるエーフィ。いつもならスルーされてしまうところ。
「なに?」
やっぱりいつもどおりに、スルーされてしまった。
「むぅっ・・・ひゃぁぁぁん!やめてよぉ・・・」
エーフィがいつものように怒ろうと思ったら、唐突にグラエナはエーフィの膣に挿れた指をちゅぷちゅぷと掻きまわし、引き抜いた。グラエナはエーフィの愛液が付いた指を見せる。
「ほら・・・エーフィの大好きな蜂蜜だよ。」
「ち、ちがぁっ・・・ちがうじゃんかぁ・・・」
途端に羞恥で顔を赤らめるエーフィ。グラエナはエーフィを試してみる。
「じゃ、誰の?」
「ひっ、ひどいよぉ・・・ぐらえなぁ・・・」
深く突っ込むグラエナに、エーフィは顔を紅潮させる。エーフィが恥ずかしいというのは、大好きなグラエナに、自分の分泌液を見られている、ということも含まれていた。
「誰の?」
「わっ・・・わたしの・・・」
「エーフィの蜂蜜?」
「ちがぅ・・・ぐらえなのいじわる・・・」
羞恥からの逃避で目に涙を浮かべるエーフィ。グラエナはエーフィの愛液がべっとりと付いた指を舐める。
「汚いよぉ?」
「何言ってんの?汚いわけないじゃん。毎日洗ってあげてるのに。あ・・・昨日は風呂に入れなかったけどね。」
恥ずかしいことをさも平然と言ってのけるグラエナに、またエーフィは羞恥で身体が震えた。
「・・・やっぱりぐらえなのいじわる。」
「へへっ。」
そのグラエナの笑みに、エーフィはどこか幸せを感じた。
「きのぅのつづきさ・・・やろうよぉ・・・」
積極的に誘うエーフィ。グラエナもうん、と頷く。けれどグラエナはエーフィの顔に自分の顔を近づけてきた。
「ぐらえなぁ・・・」
「キスしよっか。」
「うんっ。」
嬉しくてエーフィはそのままグラエナと接吻を交わす。
「んっ・・ふぁ・・・んぅ・・・」
甘い喘ぎに、再びエーフィは身体の疼きが込み上げてくる。ゆっくりと身体の芯から、自分の秘所・・・身体の末端を通じて・・・エーフィの脳にまで・・・
「んぁ・・・んっ・・・」
グラエナはそっと舌をエーフィのものに絡ます。エーフィはグラエナの舌が自分の口腔を優しく貪るのを感じて、うっとりしていたが負けじと自分からもグラエナの舌にアプローチをかける。
ぴちょぴちょといやらしい音を立てて、グラエナはエーフィの頭を優しく前肢で包んでいる。エーフィもグラエナに快感の行く末をゆだねていた。
「んふぁ・・・」
濃厚なキスを終えて、再び2匹はまじまじと見つめあう。
「解いてほしい?」
「えーっと・・・どっちでもいいかな?」
グラエナは、そっか、とだけ言うとエーフィの割れ目に舌を這わせる。
「ひゃぁっ!・・・ぁぁ・・・」
むず痒い快感でエーフィは身体をぴくぴく震わせる。グラエナの舌の感触は今のエーフィの身体にはとてもよく感じてしまうものだった。
「そんなに今日、身体疼いてたのか?」
「え?」
グラエナは優しくエーフィのお腹を撫でると、優しい口調で言う。
「ぐらえなぁ・・・」
「やっぱりエーフィには早いって。」
早い、と言うのは昨日の行為、すなわちグラエナのモノを、エーフィの膣に挿入する行為のことだろう。
「むぅ~・・・」
ちょっと不機嫌そうなエーフィは、サイコキネシスでグラエナの前肢を掴む。
「早くないもん。ちゃんと出来るもん。」
エーフィの覚悟を悟ったのか、グラエナは優しくエーフィの頬に触れた。
「じゃ、痛かったり、なんか変だったらすぐ言うんだぞ。」
グラエナの目は本気だった。エーフィは戸惑う暇すら与えられずに、うん、と頷く。
「さてと・・・」
「ひゃぁぁ・・・」
またグラエナは前肢でエーフィの割れ目をそっと撫でる。疼きが大きくなるのを身体の内側からジンジンと感じているエーフィにはとてもじれったい。
「まだまだ。」
「えぇ・・・やぁん・・・やぁ・・・」
エーフィをじらすようにグラエナは何度も割れ目の筋を撫でたり、アナルと膣の間を撫でたりと、思い思いにエーフィの身体を弄ぶ。
その間エーフィの縛られた肢体はビクビクと震えて、じっと快感の波に意識を流されないように我慢していた。けれどグラエナは一向に止めてくれない。
「やぁぁ・・・もぉ・・・やん・・・」
快感と疼き・・・この2つにエーフィはいいように遊ばれている。グラエナは執拗に撫でたり舐めたりして、エーフィの快感の波を上手く作用させている。
「やぁ・・・ぐらえぁ・・・やぇぇ・・・」
口からいつの間にかぽたぽたと涎をこぼすエーフィ。疼きは強くなる一方で、割れ目からは少し粘度のある温かい液体が少しずつ、エーフィのお尻に向けて垂れつつあった。
「意外に・・・持つね・・・諦めてくれるかと思ったんだけどな・・・」
どれくらいの時間が経っただろうか・・・グラエナが少し残念そうに言う。エーフィはその言葉を聞いて、グラエナの意図を掴むことができた。
「わたし・・・がまんするもん・・・」
「えーふぃ・・・エーフィには負担が大きすぎるんだって。」
グラエナは自分から、グラエナのモノを欲するという欲を削ぎたいんだ、とエーフィは感じた。それと一緒に、あの時のグラエナの後悔があまりにも大きいということを、エーフィは見せつけられた。
「気絶したらさすがに諦めてくれるか?」
「ううん。」
言葉の意味もよく考えずにエーフィは首を横に振った。グラエナもあきれ顔だ。
「ひゃぁぁっ!」
グラエナが不意にエーフィの割れ目を舐めずると、エーフィは身体を跳ねさせて喘いだ。割れ目からは愛液がとろとろとあふれ出る。
「ひゃん!やぁっ!いぁぁっ!ぁぁぁぁ・・・やぁん!」
狙ったようにグラエナはエーフィの膣のナカの奥深くまで舌を挿れて、普段は見えないクリトリスごと一気に舐めずる。エーフィは狂ったように縛られた四肢をばたつかせる。
「はぁぁぁぁん!ゆうひぇ!」
「だめだめ。エーフィが諦めるまで、止めないって。」
グラエナは自分の言っていることに一抹の奇妙さを感じつつも、エーフィが諦めるまで行為を続けることにした。
「あ・・・ふぁ・・・やぁっ!」
エーフィは薄紫の幼い肢体をばたつかせて、快感に耐えようとする。けれど、もう思考はショート寸前で、見えている天井しか頭に入っていない。
「きゃぁぁん!やぁぁ・・・あぁぁっ!・・・だぇ・・・」
グラエナがもういいかな?と舐めずるスピードを上げた途端、エーフィは大きな喘ぎ声を出して、身体を縮ませるようにびくんびくんと痙攣させた。
「ふぁぁぁ・・・やぁぁ!・・きゃぁぁぁぁぁぁ!・・・やぁぁぁ・・・ぁぁ・・・ぁぁっ・・・」
愛液をぷしゃぁぁぁと噴き出して、グラエナの顔を汚していく。快楽の波がおさまると、エーフィは全てがはちきれたように、身体を沈めた。
「あぁぁ・・・ぐあぇぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁぁ・・・」
幼い割れ目からは堰を切ったように、愛液がとめどなく溢れていた。

一休みしたグラエナはエーフィの顔を心配そうに覗く。
「ぐらえな・・・ごめん・・・」
「違うの・・・あの時・・・俺は自分を抑えられなかった・・・」
「ち、ちがうのぉ・・・わたしがわるいの・・・わたしがわがままだから・・・」
イったばかりで疲労がたまっている身体を制して、エーフィはグラエナの後悔の原因になったことを謝る。
「エーフィ・・・許してくれ・・・」
「グラエナが謝ることじゃないよぉ・・・」
エーフィは謝るグラエナに、なにかいいアイデアは無いかな?と考える。そしてふいに思いついた。
「じゃあさ。けっこんしよぉよぉ。」
「へ!?」
エーフィの口から飛び出た言葉に、グラエナは身体をカッチコチに固める。
「嫌なの?」
少し悪戯っ気のある笑みをエーフィは浮かべる。グラエナはエーフィ以上に顔を真っ赤にしてうつむいてる。
「嫌じゃない・・・好きなんだし・・・したいに決まってるじゃん・・・」
「じゃあ、解決だね。」
まばゆい笑顔のエーフィに、グラエナは夏祭りの夜のことを思い出した。”エーフィを守る・・・どんな時も・・・”その決心が、欲望をとそれを抑えつける理性を越えて甦ってきた。
「あのさ・・・」
「なに?」
エーフィは期待に瞳を輝かせてグラエナに聞いてみる。
「けっこん・・・って言えば?」
「うーん・・・」
唐突な質問に戸惑うグラエナ。
「結婚式か?」
「うん。」
期待通りの答えが返ってきて、エーフィはまばゆい笑顔を浮かべた。
「けっこんしき・・・しようよ・・・」
「いま?」
「うん。」
同い年とはいえまだ幼いなぁ、とグラエナは思った。結婚に対するあこがれなど、グラエナの中ではすでに失われていた。
「仕方ないなぁ・・・」
グラエナは顔を真っ赤にしながらエーフィを拘束していた紐をほどく。縛りがきつかったのか、エーフィの四肢はいまだにしびれているようだ。
「けっこんしきといえば?」
エーフィが嬉しそうな笑顔で聞いてくる。しびれがなかなか取れないらしく、グラエナにベッドにあげてもらうと、エーフィはそのままグラエナに身体をゆだねている。
「ケーキ?コース料理?デザート?食後のコーヒー?紅茶?」
思い当たる節の無いグラエナは適当に応える。
「食べ物ばっかじゃん。」
クスッとエーフィは笑う。
「作ろうか?」
グラエナは時計を見てみた。もう9時を回っている。材料を買うにも、完成品を買うにも手遅れだろう。
「うーん・・・そういえばさ?」
「なに?」
エーフィの嬉しそうな態度から、よほど大事なことでもあるのかな?とグラエナも興味津津で聞き入る。
「ばんごはん・・・食べてない・・・」
「あ・・・」
すっかり忘れていたグラエナはあわてて台所へ向かおうとする。
「ぐらえなぁ!きゃん!」
あわてるグラエナを止めようとしてずででっとベッドから転げ落ちたエーフィ。
「エーフィ!」
慣れないことはするもんじゃないなぁ、とグラエナはエーフィのもとに駆け寄る。
「大丈夫か?」
「うん・・・ぐらえながいるから・・・だいじょうぶだよ?」
えへへ、と笑うエーフィに、グラエナはそっと頭を撫でる。嬉しそうに青い瞳を細めて、薄紫の身体を震わせるエーフィ。


「なんかあったかなぁ・・・」
グラエナはガサゴソと冷蔵庫を探っている。エーフィはその隣でグラエナにぺたっとくっついて、にこにこ微笑んでいる。
さっきから疲労と、四肢のしびれで、思うように身体が動かないエーフィは、グラエナが動くたびに一緒に移動しているのだ。とっても満足げなエーフィ。
「特売の魚は昨日使っちゃったし・・・」
う~ん・・・と頭を悩ますグラエナに、エーフィは軽く頬にキスをした。
「どしたの?」
頬を赤らめたグラエナがエーフィに聞く。
「・・・すごく楽しいの。」
「幸せ?」
「うんっ。」
グラエナが確認するように聞くと、エーフィは首を縦に振ってまたニコニコしている。
「ああ、あった。晩御飯はこれでいっか。」
にんまりと笑うグラエナは、タマゴと、トーストを冷蔵庫から出す。
「朝、あんまり食べれなかったでしょ?」
「うん・・・」
ちょっと疲れた顔をぺちぺち叩いて、グラエナはフレンチトーストを作りだした。エーフィはグラエナの傍にいて、冷たいジュースを飲んでいる。
ムードだけでも大人な気分になってうっとりしているエーフィ。
「お母さんが言ってた。ちっちゃいころからの幼馴染みたいだって。」
「誰が?」
フライパンを動かすのに集中していて、話を全て聞きとれていなかったグラエナ。
「ん~?グラエナとわたしだよぉ。」
けれどエーフィは気に留めず、嬉しそうに言う。
「だといいけどね。」
「でも、今幸せだったら、そんなのどうでもいいじゃんか。」
「エーフィ・・・」
グラエナはエーフィの頬に触れて、優しく撫でる。エーフィも自分からそれを受け止めるように顔を動かして、瞳を閉じた。

フレンチトーストを焼くと、エーフィもグラエナも何か改まった感じで、それを食べる。
「ごちそうさま。」
「うん・・・」
そうこうしているうちに遅い遅い晩御飯を食べ終えて、エーフィとグラエナは黙ったままお互いを見つめあっていた。厳かなムードが流れる。
「グラエナは・・・わたし・・・エーフィを・・・愛することを・・・誓いますか?」
「はい・・・誓います・・・エーフィは誓うの?」
「もちろん・・・誓います。じゃ・・・キス・・・し・・・よ・・・?」
エーフィとグラエナは今までにないくらい、キスをするのに緊張する。2匹っきりなのに・・・と、思ううちに、心の中でそれは周囲から与えられる緊張ではない、と言うことに気付いていた。
唇を重ねて・・・でもお互いの緊張ですぐに離れた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
キスを終えると、エーフィはそっとグラエナの胸に手を当てる。
「ドキドキ・・・してるね・・・」
「緊張する。なんでか・・・わからないけど。」
エーフィはグラエナの答えを聞くと、グラエナの前肢を掴んで、同じように手を胸に当てさせる。ドク・・・ドク・・・という心臓の鼓動が、グラエナの手から、伝わった。
「わたし・・・ぐらえなに・・・すなおになれてよかった・・・」
「えーふぃ・・・」
求めるようにエーフィはグラエナにぎゅっと抱きつく。エーフィの気持ちに応えてグラエナも優しく抱き返す。
「ひかり・・・」
「え?」
エーフィが唐突につぶやいたセリフ。
「ぐらえなが・・・わたしに”ひかり”をくれたの・・・」
「ひかり?」
「うん。」
エーフィの口調・・・それはいつものように甘えるものでなくて、思い出を語るような・・・そんな懐かしげな口調。
「わたし・・・ぐらえなのこと好きになって・・・振られたとき・・・自分を否定された気がした・・・」
「エーフィ・・・ごめん・・・」
謝るグラエナだけれど、エーフィはにこっと笑みを見せる。
「違うの。・・・今思えば・・・グラエナがわたしを振ったから・・・気持ちが通じることが大事だって・・・わかったの。」
「・・・」
抽象的なエーフィのセリフ。グラエナは戸惑わずに、エーフィの言葉を一言一句聞き逃すまいと、聞いている。
「相手の気持ちを読むだけじゃ・・・心をわかってるだけじゃ・・・自分の気持ちを素直に伝えられないって。」
エーフィは以前、グラエナに自分は相手の心が読める、と言った。けれどその内容はエーフィにとって辛い事実ばかりだった。
「だから・・・グラエナとわたしだったら・・・いっつもグラエナはわたしを優先してくれるし・・・わたしはグラエナの心を読もうとしてるし・・・そのサイクルが終わらないの。」
グラエナはエーフィの頬にぴとっと触れる。
「相手の心を読んでばかり・・・そんなことを繰り返してるうちにわたしの心は・・・”ひかり”を失ってた。自分の意志っていう”ひかり”を。」
エーフィは自分の頬に触れているグラエナの手を、温かみを確かめるように触れる。
「グラエナに・・・自分の気持ちを素直に伝えれなくて・・・でも・・・足掻いてるうちに・・・自分の気持ちを・・・グラエナにそのままぶつけたらいいのかなって・・・」
グラエナをじっと見つめるエーフィ。
「わたしは・・・グラエナが好きだから・・・グラエナと一緒にいたいから・・・その気持ちが・・・私に”ひかり”をくれたの。」
「エーフィの今の気持ちは?」
ちょっといじわるっぽく聞いてみるグラエナ。
「グラエナと・・・一緒にいたい・・・グラエナと家族を持ちたいなぁ・・・」
「急がなくてもいいじゃん。」
グラエナの優しい笑みに、エーフィはちょっと嬉しくなるけど、逆に急かされた気持ちになった。
「ううん・・・わたしの今の気持ち・・・だもん。急ぐ急がないじゃないもん。」
ひょい。どたっ・・・
エーフィはサイコキネシスでグラエナを押し倒す。ちょっと強引なエーフィ。
「エーフィ?」
「ぐらえなぁ・・・大好き。」
その無邪気な笑みに、グラエナも安心してエーフィの身体を掴んだ。
「ひゃぁ!」
ちょっと床が背中に痛いグラエナは、エーフィをベッドに乗っけて、自分も身体を起こした。
「背中・・・痛かった?」
「まぁね・・・」
「グラエナもベッドに乗ってよ・・・」
エーフィも気遣ってくれて、グラエナもベッドに乗っかる。すでにエーフィはベッドの上で嬉しそうに仰向けに寝転がっている。
「ぐらえなぁ・・・」
今度こそグラエナはエーフィの誘いに乗って、エーフィの身体に覆いかぶさる。エーフィは頭を浮かせて、顔をグラエナに近づけようとする。グラエナはエーフィを制して、自分からエーフィに顔を近づけた。
さっきとは違う・・・いやさっきよりも深くなった絆を確かめるように、グラエナもエーフィも唇を重ねあう。
「んふぁ・・・んっ・・・」
ぴちょぴちょと淫猥な音を出しつつ、エーフィもグラエナも求めるように舌を絡ませ、お互いの口腔を貪った。
「ん・・・」

キスを終えると、2匹は再び、お互いの身体を重ねる。
「・・・」
「・・・」
少しの沈黙・・・お互いを見つめあって、仰向けになったエーフィと、それに覆いかぶさっているグラエナは優しくお互いの身体を撫でる。
そしてお互いを思う気持ちを・・・出る限りだったけれど拙い言葉で伝えあう・・・表現なんてどうでもよかった。ただ触れあっているだけでも気持ちは十分すぎるほどに伝わった。
「ぐらえな・・・こんなにぐらえなのことすきなのに・・・わたしって・・・わがままなのかなぁ・・・」
「ちがうよえーふぃ。俺が・・・自分の気持ちに・・・えーふぃを想う気持ちに素直になれなかったんだよ・・・」
目じりから涙をあふれさせるエーフィ。グラエナは再び大きくなった自分のモノをエーフィに見せる。
「痛いよ?」
一応聞いてみるけれど、エーフィはうれしそうに頷くだけだ。
「だいじょうぶ・・・ぐらえなをおもうきもちは・・・ぜったいまけないもん。」
言い切るエーフィに、グラエナは軽く頬に触れる。ちょっと頬の赤くなったエーフィ。エーフィは汗の迸る薄紫の肢体を、いやらしくグラエナに向けている。
「じゃ・・・痛くないようにゆっくりしよっか。」
「うん。」
グラエナはエーフィの身体に無理がかからないような姿勢を取ると、エーフィの割れ目に触れる。
「ひゃぁ・・・」
「指・・・挿れるね?」
「うん・・・ひゃぁん!」
ちゅぷちゅぷと、音を立ててグラエナはエーフィのピンクの柔肉にゆっくり指を挿れていく。さっきの行為でかなり濡れていたらしく、エーフィの膣はいとも簡単にグラエナの指を呑み込んだ。
「ひゃぁん!ひゃん!ひゃぁぁ・・・」
エーフィは自分の股間に挿しこまれているグラエナの指を見て、恥ずかしくて照れてしまった反面、これから起きることに大きく期待を抱いた。
「動かすね?」
「いいよぉ・・・」
グラエナはエーフィの赤らんだ顔を見て、ゆっくりと指を動かし始める。
「ひゃん!ぐあえぁぁ!きゃん!ぁん!いいよぉ・・・」
ちゅぷちゅぷと音を立てて、エーフィの割れ目からはぴゅっぴゅと愛液が噴き出して、シーツに染みをつけていく。けれどさっきの絶頂の時とは違って、少しずつ、じらすように出てくる。
「あぁ・・・あぁん!いあっ!・・・ふぁぁん!」
グラエナは指を前後に動かす運動を速めたり、遅くしたり、エーフィが悶え、喘ぐのをゆっくりと堪能するように膣の柔肉を弄んでいた。
「ひぁぁ!あぁぁっ・・・ぐあえぁぁ・・・もっとぉ・・・」
甘えた声で喘ぐエーフィは、グラエナにさらなる刺激を求めてきた。ちょっと困ったグラエナは、それでもエーフィに聞いてみる。
「これからいろいろしないといけないのに・・・気絶するよ?」
「いいもん・・・ぁぁ!・・・ふぁぁぁ・・・」
エーフィの割れ目から出る愛液によって出来た染みは、甘酸っぱい♀の匂いを放って、どんどん大きくなっていく。
「やぁん!やぁぁぁん・・・ふぁ・・・」
グラエナはエーフィの期待に答えるように指を動かす動きを速めていく。エーフィも自分の身体を焦がす快楽に、喘ぐ声が止まらなくなる。
「あぁん・・・もぉ・・・いっちゃ・・・あぁぁ・・きゃぁん・・・」
さっきの疲れからか、エーフィは力なくプルプルと震える。と、途端にグラエナの指の締め付けもキツくなったあと、ゆっくりと弛緩していった。
「ひゃぁぁぁぁ・・・ぁぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
がくっと身体をびしょ濡れのシーツに沈め、再びエーフィは絶頂に達した。変わってないのは愛液の勢いだけだ。
ぴゅっぴゅと吹き出たエーフィの愛液はおもらしをしたかのようにシーツ全体に染みを押し広げて、グラエナのいるところまでびしょびしょに濡らしていった。
「はぁ・・・はぁ・・・ぐらえな・・・すきだよぉ・・・はぁぁん・・・」
膣壁にグラエナの指が触れるたび、エーフィは身悶えて割れ目から愛液をとろとろとあふれさせる。
「指・・・抜いていい?」
「うん・・・ひゃぁぁぁ・・・」
溢れる愛液をおさえつつ、じゅぷじゅぷと水音を立ててゆっくりグラエナはエーフィの割れ目から指を引き抜いた。

「ふぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「エーフィ?」
疲労を隠せないエーフィを心配して、グラエナはエーフィの身体をさする。エーフィも精いっぱいの笑顔でグラエナに応えるけれど、グラエナは心配でたまらない。
「だいじょうぶだよぉ・・・ぐらえなはしんぱいしょうだから・・・」
拙い言葉で一生懸命にグラエナの心配を解こうとするエーフィ。
「エーフィ・・・」
「すきだよぉ・・・ぐらえなぁ・・・」
グラエナは心配するのを止めて、エーフィをより深く愛でることに決めた。
「挿れるね?」
「うんっ・・・」
グラエナは自分の大きくそそり立つモノをゆっくりとエーフィの割れ目に這わせていく。触れただけでも甘い声を出すエーフィ。
「いぁぁ・・・」
「深呼吸して・・・力抜いて・・・」
エーフィは緊張を隠せなかったけれど、グラエナの言うとおりに深くいきを吐いて力を抜く。
ズッ・・・
「ひぁぁ・・・」
グラエナのモノの先端がゆっくりとエーフィの膣に挿入された。愛液のあふれるエーフィのナカは、温かく、グラエナの興奮をさらに高める。
わかっていたとはいえ、少し大きなグラエナのモノは、エーフィの膣の柔肉に触れるだけでも、エーフィの思考を消し飛ばしてしまいそうになる。
ズズッ・・・
「あうっ・・・あぁぁ・・・なんぁでた・・・」
じょろろ~・・・
エーフィもグラエナも自分の股間に何か温かい液体が浴びせられたのに気付いた。膣の柔肉を掻きわていくグラエナのモノに集中するエーフィは、違う穴から液体が出ていたことに気付かなかった。
「やぁぁん・・・ぐあえぁぁ・・・みあいでよぉ・・・」
それに気付いた途端、エーフィは羞恥で顔を真っ赤に染める。エーフィの割れ目からは、知らず知らずのうちに黄色い液体が吹き出て、シーツを汚していく。
「無理だって・・・」
力が入らない、とはいえおしっこを大好きなグラエナの前でおもらしてしまったエーフィは放尿の快感もあってか、幾分虚ろな瞳を浮かべる。
じゅぶぶ・・・
「あぁぁ・・・ぐあぇぁぁ・・・いぃよぉ・・・」
グラエナはゆっくりと挿れる自分のモノが、おおよそ半分エーフィの膣に入ったことに安堵しつつ、エーフィの顔を窺う。
「エーフィ?」
「ぁぁぁ・・・」
エーフィはぱっくりと開いた口からポタポタと涎を垂らして、力の抜けた・・・というよりもはや力の入れられない身体をグラエナに晒している。
「だめだこりゃ・・・」
「ふぁぁぁ・・・ぐあぇぁぁ・・・」
グラエナは応答の無いエーフィの反応をゆっくり探るように、また自分のモノをエーフィのナカでゆっくりと進めていく。さっきまでナカに入っていた指とは比べ物にならない大きさのグラエナのモノ。
じゅぶっ・・・
「ぐあぇぁ・・・いいょ・・・もっときて・・・」
埒が明かないな、とグラエナは無理のない程度に一気にエーフィの膣に自分のモノを押し込んだ。
ずいずいっ・・・
「きゃぁぁん!・・・はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」
グラエナのモノは、すっかりびしょ濡れのエーフィの膣に呑み込まれていった。柔肉の感触がどうにもグラエナには気持ちがいい。エーフィも奥までグラエナのモノが来た感触に再び意識を叩き起こされる。
「えーふぃ・・・だいじょうぶ?」
「うん・・・なんかね・・・じんじんするよぉ・・・」
ちらっとエーフィはグラエナのモノがおさまっている自分の下腹部を見た。グラエナとのつながりを感じてちょっとうっとりするエーフィ。
「ふぁん・・・」
甘い喘ぎ声を抑えられないエーフィは、身体の疼きとともに涙があふれる。
「どしたの?」
「ちがうのぉ・・・ぐらえながじらすからいけないんだよぉ・・・」
悪いことをしたなぁ、とグラエナも思って、繋がったままエーフィの頬に優しく触れる。
「動かしていい?」
「うん・・・」
「無理しないでね?」
「わかってるよぉ。」
子供みたいな扱いに、少しむすっとするエーフィ。クスクスと笑ったグラエナは、求めてきたエーフィの手をぎゅっと握りしめて、腰をゆっくり動かし始める。
ぬちゃ・・・ぬちゃ・・・
「はぁん・・・ぁぁん・・・ぁぁぁ・・・ぁん・・・」
身体が悶える快楽に、溺れていくエーフィ。ちょっと痛い、けれど少し物足りなく感じる。
「もっとごしごししてよぉ・・・」
「ふふっ・・・」
あまりにも幼いエーフィの要求の表現に、グラエナは苦笑いしつつ、腰を動かすスピードを次第に速めていく。
「はぁっ!はぁん!ぁん!ぁぁん・・・ぁん!」
気付けばじゅぷじゅぷと淫猥な水音を立てて、グラエナとエーフィは激しく求めあう。エーフィは少しの痛みも、グラエナから与えられる大きな快楽に溺れて心のままに身体をグラエナに預ける。
「あぁっ!ぁぁっ・・・ぁんっ・・・ぁん・・・やんっ!」
全てを真っ白に洗う快楽から逃れるように、意識だけは離すまいとエーフィはグラエナの手を強く握って膣から揺さぶられる身体の動きにじっと耐えている。
「やぁぁぁん!ぁぁん!いいよぉっ!」
時折エーフィは背を浮かせるように曲げたり、首をぶんぶん振って快楽の疼きを身体に染み込ませていく。もう限界、とばかりにエーフィは首を横に傾けてシーツに大きな涎の染みを作っていた。
ぐちゅぐちゅと膣のナカをかき乱すグラエナのモノ・・・それを導くかのように締めつけるエーフィの膣。擦れる動きはますます速くなり、エーフィの身体を受け止めるシーツの皺はますます太く大きくなる。
「はぁぁっ!ぁぁん・・ぐあぇぁ・・・なんぁくぅよぉっ!」
身体をシーツに押し付けて快楽に乱れるエーフィ。グラエナも心配げにエーフィを見つめる。
けれどエーフィの膣は、じっくりとグラエナのモノを締め付けて、グラエナの脳を焦がす快楽を、エーフィの思考とは無関係に大きくさせていた。淫猥な水音が、2匹をさらに快楽へいざなう。
「ゃぁっ・・・ふぁぁ!・・・ぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁっ・・・」
その愛らしい耳もペタっと寝かせて、瞳も潤ませ、快楽にエーフィは乱れ、悶える。はぁはぁと息を漏らせば喘ぎ声しか出ず、グラエナの腰の動きに合わせてただシーツに汗にまみれた身体をいやらしくくねくね動かすだけだ。
「あん!やぁぁ!・・・ぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁっぁっ・・・」
愛液とグラエナのモノにエーフィは次第に熱く迸るモノが再び脳髄に達しそうになるのを感じている。後ろ脚はすでに力なく伸びており、意識が消えそうになるのを感じていた。
「ぐあぇぁぁっ・・・もぉ・・・イっちゃぃそぉ・・・」
「おれも・・・もうくるっ・・・」
自分の身体を、エーフィは襲いくる大きな快楽の前になすすべなくシーツに押し付けて這わせる。がしがしと動くグラエナの腰遣いは、もうエーフィを快楽から逃れることを出来なくしていた。
「やぁっ・・・イっちゃ・・・きゃぁぁぁぁん・・・やぁぁ!はぁぁぁんっ!」
エーフィの脳髄にとうとう疼きが達し、思考も、意識も全て吹き飛んでいく。びくびくと痙攣した身体はお腹を突きだすように跳ね上がる。
「やぁぁぁぁぁ!・・・・やぁぁん!あん!ぁん!あん!やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!・・・・はぁぁっ・・・ぁぁぁっ・・・ぁぁぁ・・・」
喘ぎ声が尽きて、快楽がおさまるまでエーフィはずっと身体を浮かし続ける。愛液が割れ目からあふれ出てお尻に達した。エーフィは消えそうになる意識の中でその温かい体液を感じることはできた。
イった快楽が無くなると、ドサッと身体をシーツに打ち付けるエーフィ。けれどまだナカを突くグラエナの腰の動きに、また興奮を隠せない。
「はぁぁ・・・ぁぁ・・・ぁっ・・・ぁっ・・・」
限界の近いグラエナの動きが少し速くなる。
「えーふぃ・・・うっ・・・で・・・でるっ・・・」
「なかに・・・わたし・・・ぐらえな・・・ほしいから・・・」
息も絶え絶えなエーフィの訴えを受け止めたグラエナは、うん、と大きく頷くとそのまま腰をガシガシと動かし続けて締めつけるエーフィのナカに精を放とうとする。
「うぅん・・・ぅうぅっ・・・うううっ・・・うううっ・・・」
グラエナも絶頂に達した途端、モノがびくびくと震え、エーフィの膣に精を放つ。どくどくと精をエーフィの膣に送り込むグラエナは、快楽の余韻からか、まだ腰を動かし続けている。
「ぁぁっ・・・ぁっ・・・なんぁ・・・あつぃのきたよぉ・・・あっ・・・」
エーフィはグラエナの精を感じて、喘ぎ声とともに身体をぴくぴくと小刻みに動かす。ちょっぴり恥ずかしかったけれど、エーフィはそれ以上に嬉しくて頬を赤らめる。
「はぁはぁはぁ・・・」
「あぁぁっ・・・ぐらえなの・・・きた・・・」
絶頂に達した快楽がおさまったグラエナは、息を荒くして腰の動きを止めた。まだ幼い身体を快楽に震わせるエーフィをじっと見つめて、1つになれた、という感触に浸っている。
「ぐらえなぁ・・・あったかいよぉ・・・」
グラエナはエーフィのセリフを聞いた途端、我に返って顔を真っ赤に紅潮させた。まだ繋がったままだ、というのに。
「恥ずいじゃんか・・・」
「うれしいくせにぃ・・・」
もう力の入らないエーフィ。グラエナはそっとまだ赤いエーフィの頬に指を触れて撫でる。
「ぐらえなぁ・・・きもちよかったよぉ?」
「・・・エーフィがいいなら・・・俺も気持ちよかったけどね。」
しばらくの温かい沈黙を経て、グラエナはそっと囁くように言う。
「抜いていい?」
「うん・・・」
じゅぷぷっと淫猥な音を立ててゆっくりと愛液まみれのモノをエーフィの膣から引き抜くグラエナ。ふとエーフィは自分の秘所の周囲がなにか温かい液体に触れたのに気付いた。
「あぁ・・・みぁいでよぉ・・・」
「漏らしてないって。」
「ふぇっ?」
グラエナの冷静な突っ込みに、エーフィは消えそうな意識をつないで、えっ?と驚く。
「見る?」
「いいよぉ・・・きゃんっ!」
無理やりグラエナはエーフィの下腹部を浮かせてエーフィにそれを見せつける。
「こっちのが恥ずかしいよぉ・・・」
エーフィの割れ目からは収まりきらなかったグラエナの精と愛液の混じった白濁が溢れるようにとろり、とろり、と白い1筋ラインを描き、エーフィのお尻に向けて流れ、尻尾からシーツに染みを付けていた。
最初は恥ずかしかったけれど、時間がたつにつれてエーフィの顔からは羞恥が次第に消えていく。
「恥ずかしい?」
「ぐらえながいやじゃないんだったら恥ずかしくなんてないもん。」
勝ち誇るようにいうエーフィ。グラエナはそっか、とエーフィに再び覆いかぶさる。そして静かに抱き合う。さすがに疲労も大きく、エーフィは首をうっつらうっつらとさせてしまう。
「もう寝るか?」
「汚いじゃん・・・シーツ・・・」
エーフィは自分の愛液とおしっこに塗れたシーツを汚い、と言った。けれど自分の割れ目から溢れる白濁を思いだして、そうも言ってられないことに気付く。
「汚くなんてないよ・・・」
「そぉ?」
グラエナの反応がちょっと嬉しいエーフィ。ぎゅっとグラエナの前肢を掴んで、抱きつく。
「ぐらえなぁ・・・ねみゅぃ・・・」
うとうとと、し始めたエーフィは疲労に打ち勝てず、大好きなグラエナの温かみを感じながら、そのグレーの毛並みの胸元でゆっくりと眠りに落ちた。
「すやすや・・・」
「ありゃりゃ・・・俺も寝るか・・・」
グラエナも求めるようにエーフィと身体をくっつけ合ってそのまま眠りに落ちた。まるで1つになる運命を・・・具現化したように。

数年後・・・
「グラエナ・・・行ってらっしゃい。」
「エーフィ・・・行ってくる。」
すっかり成長したグラエナとエーフィ。足元には幼いポチエナがいる。
「ポチもほら、お父さんにちゃんと行ってらっしゃいしないと。」
「やぁん。」
エーフィはにこっと笑ってポチエナを抱きかかえる。
「とうさん・・・いってらっしゃい・・・」
「うん・・・ポチ・・・行ってくるから。」
グラエナはポチエナの頭を撫でる。嬉しそうにつぶらな赤い瞳を細めるポチエナ。
「今日は・・・帰り早いの?」
「多分ね。父さんが余計な残業押し付けなかったら、早く帰ってこれる。」
ちょっと心配げなエーフィを諭すように言うグラエナに、エーフィも再び笑顔になる。それを見たグラエナはほほ笑むエーフィに軽くキスをした。少し頬を赤らめるエーフィ。
「じゃ、行ってくるから。」
「行ってらっしゃい。」
グラエナはカバンを首に提げてエーフィと暮らす家を飛び出た。エーフィも嬉しそうにそれを見送る・・・

エーフィとグラエナはこうして1つになれた・・・お互いの気持ちを・・・素直に見つめることで・・・何よりも得難い幸せを手にすることが・・・


おしまい



ようやく一通り終えることができました。このシリーズは多分これでおしまいになると思います。
書き始めた時はここまで長いシリーズになるとは思いませんでしたが、これもひとえに読者の皆様のおかげです。
更新に感覚が空いてしまって自分でもモチベーションの危機を感じましたが、何とか終えることができました。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。


誤植、指摘、コメント等は↓へお願いします。


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Last-modified: 2013-02-16 (土) 00:00:00
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