【21】蒼と白の争奪戦!
目次
俺には可愛い妹が二人いる。
一人はユキメノコ、そしてもう一人はオオニューラ……言わずもがなのポケモンだ。
この姉妹はまだそれぞれが第一進化の時に引き取られてきた。
そもそもは別々の場所で保護され、我が家において初めて顔を合わせた訳ではあったが、二人はまるで端からそうであったかのよう惹かれ合い、そして姉妹としてのちぎりを結んだ。
お互い、反社会組織の密漁に巻き込まれて生家や従来の家族を失った者同士というシンパシーもあったのかもしれない。
だからこそ引き取った俺もまた『トレーナー』などという他人行儀な関係は抜きにして、そんな彼女らの一家族として振舞うこととした。
そしてそんな家族の中で俺の役割は自然と、二人の『お兄ちゃん』という役どころで落ち着いた訳だ。
先にも述べた通り二人の関係は本当に仲睦まじく、何処へ行くにも一緒ならば、一枚のクッキーでさえ割って分け合うほどの親密さだ。
……しかしながらそんな姉妹であってもただひとつ、分かちがたいものがあった。
それこそは──俺こと『お兄ちゃん』の存在だった。
姉妹のどちらか一人が俺を独占しようものならば、たちどころにこの二人はケンカを勃発させた。
例を挙げるにそれは俺の膝の上の所有権であったり、一緒に寝る時に俺の体がどちらを向いているかや、抱っこや肩車の順番、果ては二人を呼ぶ際にどちらの名前が先にコールされるかに至るまで、とにかく俺が関わる全ての事柄で二人は自分の所有権を主張してやまなかった。
もっともこれは俺の頭を悩ませることの一つであると同時に幸せな状況でもあった。
所詮は些細な争いであり、すぐに二人は元通り仲の良い姉妹に戻ることもできていたから、俺自身もこのことに関してはあまり深刻にとらえようとはしなかった。
そう……あの事件が起こるまでは──。
その日、ユキメノコは定期の健康診断の為ポケモンセンターに預けられることとなり、家には俺とオオニューラだけが残される形となった。
どちらかと二人きりの状況は珍しいことであったが、今までにそんなパターンが無かったわけでもない。
別段特別なことをする訳でもなく、いつも通りに自室のベッドで雑誌など読んでくつろいでいると──ノックも無しにオオニューラが俺の部屋のドアを開けた。
音も無く控えめに開いたそのドアに半身を隠しては、こちらの様子を窺うように覗き込んでくるオオニューラと目が合い、俺は彼女が遊んでほしいのだと察する。
たしかに普段ならばユキメノコとの激しい争奪戦が繰り広げられるような場面である。こういう時にこそ俺を独占しておきたいと考えるのは自然な情というものだろう。
それを理解するからこそ俺も雑誌を閉じると、依然寝そべったままの状態で自分の胸元を二、三度叩いては彼女を受け入れるジェスチャーなど送ってみせる。
それを受けて途端、上目遣いに様子を伺っていたオオニューラの表情が輝いた。
ドアの陰から飛び出し、機敏に二歩でベッドまでの距離を詰めるとあとは猫のようなしなやかさで跳躍して俺の胸元に飛び込んだ。
それからは特に何をするでもなく、オオニューラは添い寝をする俺の胸元や腋の下に鼻先を潜らせてはただひたすらに喉を鳴らして甘えた。
「大きくなっても変わらないなー」
そんな彼女を俺もまた愛しく思いながら存分に撫でてやる。
オオニューラもまた頭を押し付けるがあまり身を丸くしては、俺の体の上で二転三転してみせるのだった。
とはいえしかし、斯様にしてニューラ時代と変わらぬコミュニケーションを取る彼女ではあるが、その肉体に関しては遥かに成長を遂げていた。
オオニューラ特有の長い爪は元より、流し髪のように伸びた片耳と切れ長の瞳の面相は、身内贔屓の欲目を抜きにしても美しいと俺は確信していた。
加えて僅かに乳房の膨らみが窺える胸元と、腰元のくびれとメリハリがついた臀部のプロポーションなどは、数ある人型ポケモンの中においても頭一つとびぬけた美人であると俺などは思う。
うちに引き取られた頃には、雄雌の区別すらもつかないニューラであったことを知る俺には、そんな彼女の成長がなんとも感慨深かった。
そんな想いに耽っていると、いつしか体の上のオオニューラが大人しくなっていることに気付く。
さては眠ってしまったかと胸の中を見下ろせば──そこから俺一点を見つめている彼女と目が合って俺はぎょっとした。
思わぬ視線の絡み合いに驚いたのではなく、普段身近なはずのオオニューラが、その時はひどく艶めかしく思えたからだ。
それこそは家族というよりは、男女の仲を彷彿とさせるときめきを感じてしまったことに俺は動じた。
そしてその感情は今もなお振り切れずにいる。
潤んだオオニューラの赤い瞳は俺を真っすぐに捕らえたまま、僅かに唇を開いては声にならぬ声を上げては俺に何か訴えているかのようだった。
おそらくは俺の名を呼んでいたのだろう。そんな空気の中で彼女が一層に身をすり寄せてくると、乳房や太腿の弾力といった肉の隆起がよりダイレクトにその形と温もりとを伝えた。
もはや一個の女性と変わらないオオニューラの肉体とアプローチに、俺はそれらの一切を拒むことも出来ず、ただ流されるがままに受け入れてしまう。
やがては徐々に彼女は俺の体を登り、そして互いの鼻先同士が限界まで近づくと遂には──俺達の唇は親密に結びあい、『家族』の一線を越えた触れ合いをそこに果たしてしまうのだった。
舌先同士が唾液を撹拌する粘着質な音が室内に響く中、斯様なキスを繰り返しながらも俺の手は自然とオオニューラの胸元に添えられる。
そうして掌に乳首の頂点を感じながら、僅かにそれを萎ませて乳房全体を覆うが如くに揉み上げると──オオニューラはキスを振り切っては喉を反らせ、強く眉元をしかめさせては身を内震わせる。
それを組み敷かれた下から見上げながら、よもや絶頂を迎えてしまったのかと俺も驚きを禁じ得ない。
しばしその姿勢のまま余韻に震えていたオオニューラであったが、大きなため息と共に脱力すると再び俺へと視線を結んだ。
赤く光彩の煌びやかな瞳が泣き潤んでいた。
美しい──本当に、美しい。
見惚れる俺はその頬に手を添えると、オオニューラもまた小首をかしげてはそれに頬ずりをして深い愛情を返した。
そうして見つめ合ううちに、いつしか俺達は再び口づけを交わしていた。
もはやこの時の俺は、完全に我を見失っていた。そしておそらくはオオニューラもそうだったのだろう。
後は本能の赴くまま、行きつく先まで過ちの逃避行を二人で辿ろうとしたその時──廊下から聞こえてくるけたたましい足音で俺達は我に返った。
その聞き覚えのあるリズム感に思わず寝室のドアを振り向くのと、そしてそのドアがけたたましく開け放たれたのは同時であった。
視線の先には──ユキメノコがいた。
診断が終わる時間を見計らい迎えに行くはずが、どうやら自分の足で帰って来たらしい。
そして帰宅するなり、家の中のいつにない不穏な空気に気付いたユキメノコは俺の部屋まで直行し……そしてその最悪の予想は当たってしまっていた。
ユキメノコの視界には俺の上に重なりながら今にも親密なキスを交わそうとしているオオニューラの姿が映っているはずだ。
同時にこれは過去最大のケンカの発端になることを察知した俺は急いで彼女に声も掛けようとしたが──……すべては手遅れであった。
ユキメノコはこれまでに聞いたこともないおどろおどろしい絶叫を発するや、その声の尾を長く引きながら俺達へと躍りかかるのであった。
宙空から俺達へと襲い来るユキメノコ──オオニューラとは対照的な青い瞳は、今までに見たこともないような凄まじい形相に歪められては俺一点を捉えていた。
しかしながら長年兄妹として過ごしてきた俺には、その表情が『怒り』などではない『悲しみ』に由来するものだとすぐ気づき、彼女への警戒を解く。
そしてその悲しみは、自分のあずかり知らぬ場所で密会されていたことを憤ってのものであることを俺は理解した。
それが分かると、俺の取るべき行動は一つしかなかった。
襲い来るユキメノコに対し、依然ベッドに横たわった姿勢のまま両腕を広げた。
「来い、ユキメノコ!」
それを受け、明らかに彼女の表情が変わる。
そして次の瞬間──衝撃に大きくベッドを軋ませて、ユキメノコは俺の腕の中へと飛び込んでいた。
怒ってはいても俺の肌の感触や香りに安らぎを覚えたのだろうか。しばしユキメノコは俺の胸に身を預けたまま鎮静化した。
しかし瞬きの次には本来の目的を思い出したのか、ユキメノコは腕の中から怨めし気に俺を見上げると、恨み節とも取れる呻り声をあげながら何度も俺の胸を両手で叩いた。
「ごめん、ごめんよ……二人きりでいたらそういう雰囲気になったんだ」
それに対し謝る俺も嘘はつかずにそう告げた。
こういう場面においては下手に取り繕ってしまうことこそが悪手である。そして何よりもそれは、今しがたまで想いを重ねていたオオニューラに対しても失礼だ。
そんな俺からの(出来得る限りの)真摯な謝罪を受け、ユキメノコも未だ全ての怒りは解けぬまでも、爪弾きにされた憤りは幾分和らいだようであった。
そして同じく俺の腕の中にいるオオニューラへと流し目に威嚇の視線を投げる。
それを受けるオオニューラも鼻を鳴らしては見下ろす様にそれを見返してと、先にキスを済ませたことの優越感と余裕とを見せつけるようであった。
しばしそうしたにらみ合いの後、ユキメノコはその視線を再び俺へと戻す。
そうして見上げてくる表情は……今度はすがるような涙目のそれだった。
それに中てられて俺も生唾を飲み下す。
オオニューラとは対照的に青い瞳を持ったユキメノコには、これまた彼女独自の美しさがあった。
透き通るような白い肌と振袖然とした両腕に赤帯の小柄な体躯は、野趣あふれるオオニューラには無い繊細で神秘的な魅力がある。
今もこうして抱き寄せて分かったことだが、小柄ゆえにずっと子供だとばかり思っていたユキメノコの体にも乳房のふくよかな触感が存在していて、間違いなく彼女が『女』であることを俺に伝えていた。
「こんな状況で伝えるのは不誠実かもしれないけど……お前だって同じくらい大切に思ってるよ。ちゃんと見てるから……」
自然とそんな台詞が口を突いて出た。
傍から見たら浮気男の体のいい言い訳なのだろうが、このとき場にいたのは俺達兄妹だけであり、そしてその台詞の持つ誠実さは誰よりもユキメノコに伝わっていたと思う。
それを受け、僅かに顔を伏せるとユキメノコは何処か恨めしそうに上目で俺を見遣った。
そして何かを納得させたのか、大きく息を吸ってそれを胸に留めると──ユキメノコはついと顎先を上げて瞳を閉じた。
その仕草が何を待つものであるのか、一心同体の俺には分かり過ぎるくらいに分かってしまう。
俺もまた瞳を閉じると顔を寄せ……ユキメノコの唇と自分のそれを触れ合わせた。
瞬間、互いの唇の温度に驚いて俺達は顔を離してしまう。
ユキメノコの唇は氷を思わせるような冷たさだったからだ。──ということは反面、ユキメノコに取って俺の唇はさぞ熱いものとして感じられただろう。
ファーストキスゆえの未知の感覚に驚く彼女ではあったが……そんなユキメノコは再び目を閉じて顎を上げると再度のキスをおねだりする。
その仕草を愛らしく思いながら再び唇を重ねた俺達は、今度はそれに驚くこともなく濃艶にそれを重ねていった。
小首をかしげながら、幾度となく顔の角度を変えて唇を擦り合わせていると、自然ユキメノコの唇が開いては俺の上唇を咥え込んだ。
それに応えるよう俺もまた彼女の下唇を嚙み返してやると、そこからはただ触れ合わせるばかりだったキスの性質ががらりと変わる。
先に一線を越えたのは俺だった。
僅かに舌先をユキメノコの口中へと忍ばせると、その未知の粘膜の感触に彼女は大きくひとつ背を痙攣させた。
なおもお構い無しに彼女の口の中へ舌を侵入させると、ユキメノコは口唇を窄めてはそんな暴れん坊をもて余して声をくぐもらせる。
侵入した口の中で俺の舌先はユキメノコの舌を探した。
歯の裏を舐め、唇を食み、やがて俺の舌先は彼女の舌の腹をなぞった。
唾液を介した粘膜同士の滑りの中に、舌の表面の凹凸を感じると、途端に俺は我を忘れユキメノコの舌を味わう行為に夢中となる。
そしてそれはユキメノコもまた同じだったようで、自らも舌を伸ばしては俺を迎え入れると、後はナメクジの交尾よろしく幾重にも上下を入れ換えながら互いの唾液を貪り続けた。
そんな中に突如、別の感触が割り込んでくるのを感じて俺は目を剥く。
螺旋に絡み合っていた舌同士を引き剥がすかのよう、別の舌先が絡んできては、ユキメノコのそれから俺の舌を奪ってしまった。
もはやそれが何者による乱入なのかは俺達には分かっていた。
視線を巡らせれば、ユキメノコと頬の形が変わるほどに身を寄せたオオニューラが、俺達のキスの間に自分が舌先を侵入させていた。
突然のそんな割り込みに憤慨するユキメノコはしかし、それを言葉にすることはなく態度でその意思を示した。
今度はユキメノコがオオニューラから奪い返すかの如く舌先を絡める。
そこから先はもう……収集のつかない状況となった。
ただひたすらに妹達の争奪戦に翻弄されながら、流し込まれてくる彼女達の大量の唾液を俺は一身に受け止めるばかりだった……。
俺の肉体の変化へ最初に気付いたのはユキメノコだった。
ちょうどユキメノコの体が俺の上に乗り上げていたことから、その部分が彼女を突き上げることで発見に至ったのだろう。
その変化に気付き、キスを中断してつと顔を上げると、その視線は寝そべる自分達の足元へと送られた。
やがてはその視線だけが動き交互に俺と、そして足元とを往復する。
ユキメノコが視軸を定める足元──その視線の先は俺の股間に結ばれており、そこにはスラックスを持ち上げて勃起したペニスが三角形に布地を張らせていた。
依然としてオオニューラは俺と舌同士を絡めたキスに夢中だ。そんな彼女を横目のこっそりとユキメノコは下方へ体をスライドさせていくと……今度は俺の両足の上へうつ伏せとなり、勃起のテントを至近距離に捕らえた。
静かにジッパーを下ろし、その下のパンツもやや苦戦しつつもずらしてはペニスを取り出すと──改めて顔前に屹立したそれを目の当たりにしては大きく生唾を飲み込んだ。
一連の二人からのキスによってすっかり反応してしまった肉体は、既に鈴口から夥しい量の腺液を溢れさせては濡れぼそっていた。
そんなペニスを最初は距離を取って恐る恐るに嗅いでいたユキメノコも、次第に顔を近づけるや裏筋の尿道へと顔を押し付け、そこから発せられる芳しさに夢中となっていった。
僅かながら人にもフェロモンが存在し、そして俺のそれがいよいよ以て彼女を発情へ至らしめてしまったらしい。
ユキメノコはしばし顔の中央へ横断させる様に置いたへペニスに頬ずりをした後、大きく口を開けては次の瞬間──その先端を丸々口の中へと咥え込んでしまうのだった。
先のキスにも感じた冷感が亀頭に走り思わず俺は呻き声を上げる。
さらにはその後も激しすぎるほどに吸い付けてくるユキメノコのフェラチオに、俺も呼吸を乱さずにはいられなかった。
一方でそんな俺の変化に気付くと同時、隣にユキメノコがいなくなっていることにも気付くオオニューラ。
依然としてキスを続けたまま視線だけを巡らせるや、その端に俺の股間にてペニスを貪っているユキメノコに気付き、オオニューラは体を起こして大きく声を上げた。
そんなオオニューラを、依然ペニスを咥えこんだまま独占していたユキメノコは、下瞼を上ずらせながら浅ましく笑って見返す。
途端、オオニューラもまた俺の股間へとつけると、再びユキメノコと肩を並べてはペニスの側面へと嚙みついた。
「つぅ! 優しくしてくれよ……ッ」
無遠慮に牙を突き立てられたことにより俺も痛みを訴えるが、そんな声も彼女達には遠い。
先のキス同様、オオニューラはその長い舌先をユキメノコの口角へねじ込むと、そこから侵入をしては彼女の口中において俺の亀頭へと舌を巻きつかせる。
舌の厚みが大きいオオニューラがやがては亀頭を奪い取り咥え込むも、すかさずユキメノコもまた同様に舌先を侵入させては取り返すという争奪戦が繰り返される。
そのつど亀頭に感じられる冷暖の繰り返しに、俺は得も言えぬ快感を感じてはただひたすらに背を震わせた。
しかしこのまま絶頂もやむなしと思えた次の瞬間──こともあろうか二人は俺のペニスを挟んで口喧嘩を始めた。
互いの口元を唾液と俺の腺液まみれにしながらペニスの所有権を言い争う二人は、大きく開かれた口中から鋭い牙が見え隠れしてと、それの巻き添えを亀頭に受けやしないかと俺も気が気でならない。
やがてはやむなしに……
「こんなことでケンカなんかするな。──ほら、攻守交代だ」
起き上がり、そんな二人の仲裁をすると今度は彼女達を並んでベッドに寝かしつけた。
仰向けに寝かされ、何が起きているやら分からない状況にもかかわらず依然として枕を並べた二人は歯茎を剥きだしてはいがみ合っている。
そんな二人の股間を確認するや、今度は俺がそこへと両手を這わせた。
左右の中指がそれぞれに彼女達の股間をなぞると、二人は途端にケンカを止めては俺の動きに反応した。
二人の股間は既にしとどと濡れていた。ならばその発生源を探るべくに指先で上下になぞり続けていると──不意にオオニューラの陰唇が咲いては、その膣口の中にするりと指先を飲み込んだ。
それに反応して大きく声を上げる彼女を隣にいるユキメノコも興味深く観察していたが……やがてはそんなユキメノコの膣もまた探り当てると、俺はそこにも指先を浅く挿入させては愛撫を開始した。
存分に濡れていても表面にほとんど変化が現れていなかったことから、二人の秘所がほとんど手つかずであったことが窺える。
ならば荒い扱いも出来まいと、俺は指先の第一関節までを挿入しては浅い出し入れを開始していく。
イタズラに速度を速めたり強く突き穿いたりしないよう彼女達の様子を窺いながら挿入を繰り返すと、やがては二人から艶やかな声が漏れだした。
口角を細めて小刻みに強く声を吐き出すオオニューラと、そして長く尾を引きながら抑揚ない声を上げ続けるユキメノコの嬌声は何とも対照的だ。
そしてそれが期せずして同調しては不思議な合唱として俺の耳には届いていた。
口の中同様、冷感の強いユキメノコの膣に埋めていた指先に僅かな痛みを覚えた。
さながら冷水の中に指を浸し続けていたようなその感覚に一度指を抜くと、俺はちょっとしたイタズラ心を起こす。
単純の冷えた指先に温もりと感じたいという発想ではあったのだが、俺は左右の手首を交差させると先ほどまでユキメノコの中で冷やされていた左中指をオオニューラへ──そしてオオニューラの中で熱い愛液を存分に染み込ませた右中指を、今度はユキメノコの中へと挿入した。
その瞬間──今まで以上の勢いで二人は強い声を上げた。
突然の体温の変化に戸惑うと同時、その感触は得も言えぬ快感として二人はとらえたからであった。
「気持ちいいか? 二人の中に入ってた指を交換したんだ。お互いによく味わえよ」
そんなことを教えてやると期せずして二人は互いへと視線を向け、そしてそのまま見つめあった。
決して険悪などではない、むしろ常日頃の互いを思いやるようなその見つめあいの後、どちらともなく二人は引かれ合い、互いに抱き締め合うとその唇を貪り始めた。
俺など眼中に無く愛し合い始めた二人を前に一抹の寂しさも感じないでもなかったが、こうして仲睦まじい様子を観察する充実感には得も言えぬ満足感もあった。
ならば俺は二人をより楽しませる為の道具に徹しようと、更なる愛撫の手を激しくしていく。
すっかり解れた二人の膣口は多少のハードな責めにも耐えられるようになっていた。
むしろ快感が先行している今とあってはそっちの方が彼女達にとっても喜ばしいことのようだ。
挿入する深さはそこそこにクリトリスの裏側をこそぐように突き上げていると、明らかに今までのものとは毛色の違った声をオオニューラが上げ始めた。
まるで子供が駄々をこねて泣き上げるような響きのそれは如実にオオニューラの絶頂が近いことを示している。
ならばそのまま果てさせようと、より反応の良かった指の動きを繰り返すとやがて──オオニューラは強くユキメノコに抱きついたまま絶頂を迎えた。
ユキメノコの胸元に顔を埋めて嬌声をくぐもらせるオオニューラを見届けて、俺は彼女への責めの手を止める。
そしてその直後、そんな姉妹の絶頂に触発されたユキメノコもまた果てた。
こちらは声などは上げること無く、ただ瞳を強く閉じては内に快感を籠らせるものであったが──それに連動し、膣からは大量の潮が吹き上がった。
膣口を塞ぐ俺の掌すらもお構い無しに吹き上がる冷たいそれは、宙に氷の結晶を結んではダイヤモンドダストさながらの煌めきをそこに放っていた。
かくして生涯初の性的絶頂を迎え、互いに抱き合ったまま事後の余韻に浸る二人……。
そんな二人を見下ろしながら、いよいよ以て収まりのつかなくなったぺニスを俺は握りしめた。
そうして強くそれをしごいては慰めながら──二人のどちらから先にこれを納めるものかを俺は思案した。
目の前に並ぶ陰唇の咲き濡れた二つの膣口──怒張した亀頭の先端を交互に向けてはしばし逡巡した後、俺はどちらの処女から貰い受けるかを決めた。
その間口へ亀頭の先端を埋め、ゆっくりと挿入を始めると──オオニューラが高い声を上げる。……俺は彼女から愛し始めることに決めた。
二人のどちらかに優劣をつけるつもりはないが、始まりがオオニューラであったからには、まず彼女から経験させてやるべきだと思ったからである。
そんな判断から挿入を果たした俺を、一方で傍らのユキメノコはチラリと一瞥してくる。
半閉じ瞼のそれに嫉妬や悲哀の色は無い。
どこか呆れたような気配さえ漂わせる視線が示すものはむしろ、俺と同様の考えからなる諦観の気配が感じられていた。
やがてはそんな視線も振り切ると、ユキメノコは衝撃にあえぐオオニューラを慰めてやるかのよう、再び彼女へとキスを施してやる。オオニューラもまたそんなユキメノコにしがみ付いては、自身からも舌を伸ばしてそれに応えるのだった。
そんなユキメノコのケアに感謝しながら俺はいよいよ以て動き出す。
互いの腰元が触れ合うまで挿入すると、亀頭は奥底の子宮口に当たって止まった。
そのまま強く腰を押し付けたまましばし俺達は快感の余韻に打ち震える。
ユキメノコより大きいとはいえ、人と比べたならば子供ほどに小柄なオオニューラの膣内は、痛いくらいに締め付けつつもさらには焼けるような灼熱感をペニスへと伝えていた。
そんな粘膜が潤沢な愛液と共に膣壁を蠕動させるに至っては、こうしているだけでも射精へと導かれそうになるほどだ。
しばししてオオニューラがその余韻を脱したのを見計らい、
「ゆっくり動くからな……」
そう声掛けして小さくひとつキスをすると、そのまま俺はゆっくりと腰を引いた。
密着のあまり真空状態となったその中で、膣壁を吸い付かせながらペニスが抜けていくその摩擦と喪失感にオオニューラは目を剥いて快感に打ち震える。
そうして半ばまで引き抜かれたそれが再挿入され、押し込まれる際に取り込んだ僅かな空気が愛液と撹拌されると、放屁さながらの卑猥な音がそこに奏でられる。
それを始まりに、以降は一定のリズムで俺はピストンを開始した。
押し込まれるペニスが子宮口をノックするたび、オオニューラはそれに反応して短く声を上げた。その様たるや、肉棒に打ち鳴らされる楽器さながらだ。
しかしながらそれが痛みや苦しみに起因するもかというとそうでもなく、オオニューラの反応は明らかに快感を享受しての反射に他ならなかった。
それが分かると俺もまたより彼女を悦ばせようと躍起になる。
つい先刻の愛撫時にオオニューラが一際反応していたポイントを思い出すと、ペニスを引き抜く際に亀頭のカリ首がそこを刺激する様に意識してピストンを繰り出す。
これがまたクリティカルヒットであったらしく、もはやオオニューラの挙げる喘ぎ声は初期の甲高いものから、野太く語尾を滲ませた単発のものへと変わっていた。
その様子に彼女の絶頂が近いことを知り、その最後の瞬間をどう迎えさせてやろうかと考えあぐねる俺の視界に──正常位に挿入されているオオニューラの体の上へ乗り出してくるユキメノコの姿が入った。
挿入が果たされているそこを至近距離で確認しに来たのかと思いきや、ユキメノコはそこから俺を見上げるとそのまま大きく口を開けた。
舌を吐き出し、上目遣いに俺一点を見つめてくるそのまなざしに、彼女が今開いている口中へとペニスを入れろという意図が見て取れた。
何を企んでいるのか分からず、その思惑通りに一旦オオニューラからペニスを引き抜くと、俺はそれをユキメノコの鼻先へと運ぶ。
すっかり濡れぼそっては湯気すら立てているそんな俺の亀頭を一息に咥え込んでしまうユキメノコ──同時、そこに感じられる冷感の温度差に俺は打ち震えた。
今まで灼熱の肉壺の中で温められていたペニスが一変してユキメノコの口中で氷結される感覚には得も言えぬ快感があった。
一方でユキメノコもまた激しく頭を前後させては、俺のペニス全体を万遍なく口中にて冷却し整えていく。
しばしそうしてしゃぶり続け、頬を窄めながら一際強く口唇を吸い付かせて引き抜くと、小さく空気音を弾けさせてはペニスを解放する。
そして冷たい粘液にまみれたそれを手で扱きながら再びユキメノコは俺を見上げると、小さく声を出してはそれをオオニューラの膣口へと誘導する。
促されるまま再び亀頭の先端を陰唇の割れ目に宛がうと、その時点において焼けた膣に感じるペニスの冷感にオオニューラは大きく声を上げた。
その反応を前にして俺の心も昂りを覚える。
氷さながらにクールジングされたペニスを再びこの焼けた肉壺の中に収めた時、二人にどんな快感の化学反応が起きるのかと思うと、俺の心は子供のように弾んだ。
そしてその逸る思いのまま、一息に根元まで再挿入を果たした瞬間──氷の槍さながらの亀頭が子宮口へ突き立てられる感触に、オオニューラは激しく身を仰け反らせた。
俺自身もまたその身に起きた衝撃に背を震わせる。
氷柱のようであったぺニスがオオニューラの膣壁にまとわりつかれるや、さながら水分が瞬時に蒸発させられるが如き音と感触をぺニス全体に感じた。
さらにそのままピストンを開始すれば、見る間にぺニスは溶け落ちて輪郭を無くし、いつしかオオニューラの膣内と一体化するかのような感覚を伴って俺の意識を朦朧とさせる。
文字通り、彼女の熱で溶け行く快感はユキメノコとオオニューラの二人がなくては成り立たない快感だった。
「ユキメノコ……気持ちいいよ、サイコーだ。オオニューラの中がいっそう熱く感じる……!」
快感に喘ぐばかりそんなことを口走る俺を前に、片眉を上げてはどこか蔑むように哂うユキメノコ……そんな彼女の視線もまた俺の感覚を刺激した。
やがてはその刺激と肉体の快感とが同調しつつある感覚に俺は絶頂を予期する。
もはやオオニューラを気遣う余裕もなく、ただ射精の欲望に走らされてはがむしゃらに腰を打ち続ける俺は、もはやエゴの化身でしかなかった。
そしてそんな身勝手な交尾のその果てに──……
「ああああッ! イク! 中に出すぞッ……おおぉ……ッッ!」
一際強く腰を打ち付けたその瞬間、遂に亀頭は完全にオオニューラの子宮口をこじ開けてはその内部へと侵入を果たした。
そうして最も清浄無垢な命の営みが為されるオオニューラの聖域へと……俺は欲望の滾りをこれでもかとぶちまけてしまうのだった。
そんな子宮内へと直に感じる熱と粘液の感触に身悶えてはオオニューラも絶頂を迎えるが、初体験にして子宮内部まで穢されるそのあまりの衝撃に呼吸すら止めて身を仰け反らせる。
見えない糸に引き上げられているかのようへそを天に突き上げては、頭がベッドの敷布に埋もれてしまうほどに喉を仰け反らせて痙攣する様は、もはや蟲の断末魔に通じる眺めですらあった。
しばしその体勢のまま声も無く喘ぎ続けやがては──そんな硬直が一気に解けるや、オオニューラは死体のように全身を弛緩させては気絶をした。
それでも荒い呼吸に上下する胸元の様子から彼女の生存を確認し、俺は安堵とも疲労ともつかないため幾を深く突く。
そうして依然として不規則な呼吸に隆起する彼女の体を見下ろしていると、その視界を遮るよう傍らからユキメノコが顔を覗かせた。
その登場にもはやどう反応して良いのか分からない俺へ、ユキメノコはオオニューラの膣からペニスを引き抜かせるや、ためらいもなく愛液と精液にまみれたそれを咥えた。
そして下瞼を上ずらせては妖艶に哂ったまま俺の目を見据え──自身の浅ましさを見せつける様、再び彼女はそれをしゃぶり始めるのだった。
事後のお掃除とばかりに尿道の残滓が吸い上げられると──俺はへその奥にむず痒さを感じて幾度も肛門を収縮させた。
腰元に鼻先が付いてしまうほどに深く飲み込むユキメノコのフェラチオは、その小柄な体と相成っては喉全体を使ってのオナホールのような印象すら覚えさせるようだ。
つい朝方までは可愛い妹として接していたユキメノコを、今は性処理の道具として扱っている事実はひどく後悔と罪悪感を刺激する一方で、しかしだからこその興奮と達成感もまた俺に覚えさせる。
ユキメノコもオオニューラも、もはや俺にとっては発情に値する一匹の雌であった。
彼女のフェラチオを受けながらそれを実感すると、自然と肉体にも変化が現れる。
海綿体は再び充血し、今度はこのユキメノコを犯したいという欲望の滾りをそこに巡らせる。
突如として口中で肥大化をし、そして硬度を以ては鋭く立ち上がってくるペニスに、それを咥えるユキメノコの顔に驚きが満ちる。
存分に唇を吸い付けさせて開放すると、その反動で大きく撓っては立ち上がるペニスを前に、ユキメノコは妖艶に微笑んでは舌なめずりをした。
そして依然として仰向けに寝そべったままのオオニューラの上に重なると──ユキメノコは肩越しに振り返りながら、突き付けた膣口を片手で引き広げてみせた。
割れ目の片側だけを歪に引き上げられた陰唇から僅かに膣口が覗くその眺めに俺の興奮は最高潮にまで熱し上げられる。
やがてはペニスの根元を押さえながら誘導すると、震えるその亀頭を膣口へと宛がった。
既に大洪水とばかりに愛液の滴り落ちる膣口は十分に俺を受け入れる準備は出来ているようだ。
そしてその間口へ僅かに亀頭を埋めると次の瞬間──俺は根元まで一気にペニスを挿入してしまうのだった。
一息に子宮口まで達したその衝撃に、ユキメノコは頭を振り上げるとそのまま硬直しては震える。
後背位から攻める体位ゆえにその表情は伺えないものの、逆に顔が見えないことでより一層に彼女の苦しみをそこに妄想しては俺の加虐心は刺激されてしまう。
彼女にとってはこれが初体験であることを思うと申し訳なくも感じたが、それでももはや今の自分を制することはできない。
ユキメノコの、初雪のよう柔らかくて冷たい膣内が堪らなく心地よくては、俺もそこを摩擦で溶かす勢いで突きえぐった。
それを一身に受けるユキメノコからの喘ぎ声は如実に苦しみを滲ませ、時折り問いかける様に語尾を上げては痛みとも快感ともつかずに、結合する尻を交互に激しく振る姿が最高に愛らしかった。
「可愛いよ……ユキメノコ、すごく可愛い……」
快感と愛情に忘我する俺の意思とは裏腹に、肉体は別個の生物のよう猛り狂ってはユキメノコを責め苛むピストンを激しくしていく。
ついには下に敷いたオオニューラの胸元に額を埋め、牛の鳴き声のような喘ぎをユキメノコが上げたその瞬間──突如としてペニスに灼熱の感触が走った。
「な、なんだッ……!?」
それに驚いて体を見下ろすや、そこには先の責め苦にすっかり疲弊したユキメノコの尻と……そしてなぜがその下にいたオオニューラの膣に挿入されている俺のペニスがあった。
一瞬にして入れ替わってしまったそれを前に困惑しきりの俺へと、再度の挿入をされたオオニューラは、依然仰向けの姿勢のまま陸の魚よろしくに腰を浮き上がらせては咥え込むペニスへ刺激を与えてくる。
斯様なオオニューラの動きに、瞬間入れ替えのトリックを俺は理解した。
なんてことは無い、俺のピストンが引き抜かれるのに合わせてオオニューラが大きく腰を突き上げたのであった。
なまじ勢いがついていただけにペニスはユキメノコの膣から外れ、再度押し込む際には座位の上がっていたオオニューラの膣に収まってしまったのだった。
しかしながら、何故にこんなマネをしたのか分かりかねて二人を見遣る俺は、まっすぐにこちらを見つめてくるオオニューラと目が合った。
依然として呼吸の上がっているユキメノコを大事そうに抱きしめながら送られてくるその視線は、僅かに眉をこわばらせた『俺を窘める』それだった。
そんなオオニューラの視線に我に返ると、改めて俺はユキメノコの身を案じることが出来た。
「ご、ごめんッ……あんまり気持ち良くなってつい……。だ、大丈夫か?」
身を倒し、ユキメノコの背へ覆い被さるようにしてその横顔に語り掛けると、涙をいっぱいに貯めた青い瞳でユキメノコは視線を返す。
その様子になおさら罪悪感を感じては再度の謝罪をする俺へと──ユキメノコは振り向きざまにキスをした。
上唇を僅かに噛む控えめなキスに俺が茫然としていると、ユキメノコは再び微笑んでくれた。
その笑顔に再び我に返ると改めて俺は自分の使命を思い出す。
「今度はちゃんと愛するよ……ごめんな、ユキメノコ」
そう誓い、互いの愛を確認し合う俺達を前に……一番下のオオニューラが尋ねかけるよう短く声を上げた。
見れば困惑に眉をしかめながらも、その口元は思惑ありげに吊り上がっている。
そんなオオニューラにも、
「ありがとう。もちろんお前のことだって愛してるさ」
俺は間に挟んだユキメノコ越しにオオニューラにもキスをする。
こちらは存分に舌を絡めてくる濃厚な物だった。
かくしてオオニューラの膣からペニスを引き抜くと──再び俺はそれをユキメノコへと挿入した。
「おぉ……この温度差が……!」
先ほど同様、オオニューラの膣(なか)で温められていたペニスがユキメノコに挿入されると、暖から冷へと移行する感触に俺は上ずった声を上げた。
そしてそれはユキメノコも同様で、胎内の深部の生じる灼熱を感じ取っては大きく声を震わせる。
そこから小刻みなピストンを俺は施していく。
膣道が長くハードファックを好むオオニューラとは違い、子宮口が間口から近いユキメノコはすぐにそこを亀頭で突き崩されては浅い絶頂を繰り返した。
緩急を付けながら幾度となくユキメノコを絶頂させると、その合間に休憩を挟むよう俺はペニスを完全に引き抜いてはそれをオオニューラへと挿入した。
そうやってユキメノコを休ませる間は、存分にオオニューラの膣を突きえぐってはペニスに熱を滾らせる。
後はひたすらにこれを繰り返した。
そして数度目の、オオニューラの膣で焼いたペニスでユキメノコの子宮口を突き上げた瞬間、一際大きく間口が開いたかと思うと、亀頭の先端は僅かにユキメノコの子宮内へとめり込んだ。
その感触にユキメノコは大きく声を上げる。
高く透き通った悲痛な響きではあるが、小さな腰は自ずから突き上かっては更なる挿入を俺へと求めている。
もはやユキメノコの絶頂も近いのだろう。
同時に俺も、今しがた味わった子宮口の締め付けに胸を昂らせる。
膣壁よりもさらに冷たいあの子宮の体温に晒された俺のペニスは、さらにそれを求めては子宮口を突き上げる圧を強めていく。
背後からオオニューラもろともにユキメノコを抱きしめると、俺はラストスパートとばかりに打ち付ける腰の速度を増した。
「ユキメノコ……ユキメノコぉ……オオニューラも、二人とも好きだ……ッ!」
無意識に漏れるそんな俺の声にこたえるようオオニューラも抱き返してくれると、ユキメノコもまたオオニューラを強く抱きしめた。
そうして互いが強く結び合い、そして抱きしめ合った次の瞬間──
「おぉ、おおおぉ……ぐうぅぅ……ッッ‼」
ついに子宮口を完全に突破した俺は、その最果てにて射精を果たした。
それを受け、子宮内に炸裂する灼熱の奔流にユキメノコは大きく口角を開いて哭いた。
快感とも苦しみともつかぬ、在りとあらゆる生の衝動を凝縮した感覚に晒されてはユキメノコも大きく目を剥く。
やがて糸が切れたようオオニューラの胸元に崩れ落ちるユキメノコを……オオニューラもまた優しく抱きとめては幾度となくキスをして愛撫した。
さらには疲労と射精による極度の虚脱感に上背を沈める俺の頬にも──オオニューラは身を起こしてきては労うようなキスをしてくれるのだった。
「はは……ははは…‥ついに、やっちゃったな……」
オオニューラのキスに応えると、俺はさらにユキメノコの横顔にもキスをした。
それを受け、荒い呼吸のままユキメノコも流し目で俺に一瞥をくれる。
そして互いの支援が結び合うと、期せずして俺達3人は笑いだしていた。
何がおかしいものやら、子供の時以来の大声で笑い合う3人──……
こんなに3人で笑うのも久しぶりだった。
隣合ってソファに腰かけるユキメノコとオオニューラが何かを話している。
座る体の向きが斜になるほどに身を寄せ、額も突き合わせて楽し気にお喋りをしている様子は俺と過ごす時以上に恋人然とした印象があった。
三人での交尾を経験して以来、もはやこの二人が俺を巡って争うことは無くなった。
よしんばどちらかが俺と親密な雰囲気になっていたとしても、片一方は自然にそこに入り込んでは参加するし、俺達からしてもそれを邪険にすることも無い。
そんな姉妹の変化を嬉しく思う反面、もう俺を取り合うケンカはしてくれないのだということにも気付くと、それはそれで少し寂しく思ってしまうのだから俺も大概だ。
今もそんなことを考えながら姉妹の様子を見守っていると、不意に俺の視線に気付いた二人は上目に俺を見返したままなにやらコソコソと内緒話をしてクスクスと笑った。
さては気色の悪い心の内を読まれてしまったか、と焦るやら恥ずかしくなるやらで視線を外してしまう俺をよそに、二人は揃ってソファから降り立つ。
そうして肩をならべ、歩調を揃えて俺の前へと歩み進んでくる二人は──依然としてフローリングの上に座り込んだ俺を見下ろす。
双方その顔には思惑ありげな薄笑いが浮かんでいて、その気配に何かイタズラを仕込んでいることを俺は察知する。
「……今度は何を企んでいるんだ?」
そんな笑顔の圧に押されて思わず訊ねてしまう俺を前に、二人は一瞬視線を外しては確認するよう互いに見つめ合うと、「せーの」と呼吸を合わせるように頷き合う。
そして次の瞬間、右回りへ同時に二人は体を翻すと、こちらに背を向けては俺の鼻先に尻を突き出した。
瞬間的にそれが何を企んでいたものか分からず呆気にとられる俺ではあったが……そうして突き出された二人の尻にあった『モノ』を確認しては、驚きと呆れるあまり俺は深く長いため息をついた。
目の前にある二人の尻……そこには、何処で購入したものやら樹脂製の双頭ディルドにて互いのアナル同士を連結した二人の尻があった。
そしてそんな二人のイタズラはまだ止まらない。
その状態からさらに呼吸を合わせたかと思うと次の瞬間には、二人は同時に息ばんでは直腸に収められたそれを勢いよく俺へと射出してみせるのだった。
息もぴったりのそんな排出に、蛍光ピンクのディルドは水平に飛び出してきては俺の顔面に打ち当たった。
痛みはないものの、それでも突然のそれに驚いては慌てふためく俺を前に、ユキメノコとオオニューラからは爆発するような笑い声が上がる。
……おそらくは、このイタズラの為に同時に射出するタイミングを練習していたのだろう。
そして同時にそれはアナルの拡張と洗浄も秘密裏に行っていたということでもある。
事実いまも、目の前に晒されている二人の肛門はディルドの形に穴を広げたまま埋まることは無かった。
そんなぽっかりと開いたアナルが笑い声に連動して引くつく様は、まるで肛門そのものに笑われているかのようで俺はそこに強い憤りと──そして新たな興奮とを胸に喚起せずにはいられなかった。
「こんな下品なイタズラなんて思いついて……二人ともおしおきだ! 分かってるだろうな?」
そう語り掛けてはわざとらしく怒気を露にする俺の演技に、二人もまた悲鳴を上げては突き出した尻を左右に振った。
肉付きの良い二つの臀部がたがいに押し合いへし合いをしてはその形を歪ませる様に、ついには俺も完全に勃起を果たしてしまう。
そして同時に突き出された俺の両手は、二人のアナルそれぞれへと左右の指々をそれぞれに挿入しては、その直腸をかき混ぜるよう愛撫を展開した。
それを受け、二人からは先の和気藹々とした雰囲気からは一変した艶っぽい声が上がる。
やはりアナルでの拡張は済ませていたようで、もはやそこを弄ばれることに強い快感を覚えられるほどに二人の開発は進んでいた。
おそらくは今日のこのイタズラの為に、二人で秘密裏にそれを行っていたのかと思うと、その妄想にも俺は股間を熱くしてしまう。
そんな俺からの愛撫に身悶えながら、オオニューラは傍らのユキメノコにキスをせがみ、一方で彼女もまた舌を絡めては濃厚にそれへと応える。
そこには仲睦まじさを超越して愛し合う二人の姿があった。
もはや俺の存在などはそんな二人の愛をさらに昂らせる為の道具でしかない。
少々寂しくもあるがそれこそは俺の望んだ未来でもある。……ならば、その役得に俺もあやかるとしよう。
二人のアナルから指を引き抜くと、広げた肛門の淵に肉厚のコブを浮き上がらせては引くつく二人のアナルが露となる。
すっかりと充血しては赤く煮え滾るような直腸を晒すオオニューラと、かたや透き通るような深く蒼い直腸を晒しながらも膣さながらに大量の腸液を滴らせるユキメノコ──
そんな並びあう二つの穴を前にしながら、今日はどちらから愛してやろうかと俺は思案に暮れるのだった。
【 蒼と白の争奪戦・完 】
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