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【23】派遣家政婦のカイリュー

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【23】派遣家政婦のカイリュー

たつおか




 この作品には以下の要素が含まれます。


【登場ポケモン】  
カイリュー(♀)
【ジャンル】    
爆乳・パイズリ・家政婦
【カップリング】  
人間(♂) × カイリュー(♀)
【話のノリ】    
ノーマル







目次




第1話・ポケモン家政婦 



 昔から掃除は得意じゃなかった。
 そして一人暮らしをするようになってからは、さらに洗濯や食事の支度もままならないことが分かった。
 要は家事全般の処理能力が、俺は皆無に等しかった訳である。
 ゆえに家事を執り行ってくれる家政婦を雇うという結論に辿り着くのは、俺的に至極自然な流れであると言えた。……彼女を作るという発想に至れないのが悲しい所であるが。

 ネットで少し調べると、星の数ほどの代行業者がリストに上がった。
 しかしながら見ていておかしいのは、本質は『家事代行』というのに、斡旋される家政婦は実に事細かなプロフィールや写真の添付と共に紹介されていて、さながら風俗やキャバクラ嬢の御指名にも等しいそれだ。

 眺めていて可愛いと思う子は幾人かいたが、そういう家政婦に限って金額がバカ高いところまで一緒とあっては、もはや苦笑しか浮かばない。
 ともあれ俺は実力重視だ。……というか正確には金額だ。
 とにかく安い紹介所は無いものかと探し続けていると、とある代行業者のホームぺージにて俺の目は止まることとなる。

 そこにて提示されていた金額は、他の会社の平均よりもさらに三分の一を下回る金額であった。
 こういった人件費がメインとなる稼業においては2割引きであったって破格だろうに、それが通常価格の三分の一……さすがに安すぎる。

 しかしながら結果として俺はそこに決めた。
 値段の安さも然ることながら、個人的な興味をそそられたことも大きかったからだ。
 とはいえまったくの打算が無かった訳じゃない。その彼女の働きこそが今後、他の業者を選ぶ際の選定基準になるかもしれないとも内心では思ったからだ。

 果たしてどんな家政婦が来てどんな仕事をするものやら……そして今日、そこより派遣された家政婦と俺は玄関で対面を果たした。
 そしてその『彼女』を見た瞬間に、一連の破格の理由もまた悟ることとなる。

 目の前に居たのはメスのカイリュー……ポケモンであった。

 見れば他のカイリューと違い、彼女には大きな乳房がたわわに実っていた。なるほど、確かに『婦』ではある。
 そんなことを考えては感慨深くなる俺を、目の前のカイリューは小首をかしげては覗き込んだ。
 そんな彼女の仕草に俺もまた我に返ると、

「あぁ、ゴメン。それじゃ……上がって」

 とりあえず、俺はカイリューを自宅へと招き入れた。
 持参したブラシと布巾とで丁寧に足裏の汚れを落とすと、カイリューは玄関の上がり框を跨いでは入室し──その第一歩で歩みを止めた。
 そこから山でも眺めるかのよう遠い視線を室内へと投げやる。

 そんな彼女の反応に、我が事ながら俺は気まずげに苦笑で場を繕った。
 カイリューを半ば唖然ともさせた理由こそは、俺の部屋の散らかり様にあった。
 2LDKの社宅は玄関を上がってすぐにリビングとなる造りではあったが、そこは見渡す限りに使用未使用を問わぬ洗濯物や日常品、さらには引っ越して以降数年来まだ荷解きをしていない段ボールがパズルゲームよろしくに積み重ねられてと、それは悲惨な様相をそこに呈していた。

 唯一料理をしていなかったことからキッチン周りの汚れこそは目立たなかったものの、そこにもやはり季節ものの衣類をぶち込んだカラーボックスが積み上げられては本来の使用が出来ない状態となっていた。

「まずはここの掃除をしてほしいんだけど……どうかな?」

 思わず訊ねてしまう。
 そのために雇ったのだから丸投げしてしまってもいいようなものだが、それでもしかし今日まで身勝手に散らかし続けた恥部の処理を他人に押し付ける申し訳なさから、ついそんな言葉が口を突いて出た。

 しかしながらこれらを受け止めるカイリューもまたタフだった。
 瞬きの後にはすぐに気持ちを切り替えると、訊ねる俺に振り返っては満面の笑顔を返してみせる。その頼もしさと、さらにはポケモン特有の愛らしさに少しばかり胸がときめいた。
 やがては肩掛けカバンからエプロンと三角巾とを取り出したかと思うと、瞬く間に持参したそれらを装着しては、なるほど家政婦らしい姿へとカイリューは変身を遂げた。

「それじゃ、俺は邪魔になるから自室にいるよ。分からないことがあったら呼んで。すぐに来るから」

 後はプロに任せようと、購入以来使ったことのなかった掃除機や、はたまた洗濯機の場所を教えると俺を自室へと籠った。
 笑顔でそれを見送ってくれるカイリューへ、肩越しに苦笑を送って会釈をすると俺は後ろ手に自室のドアを閉める。
 それから手持無沙汰に室内をうろついた後にベッドへ腰かける俺の耳に、さっそく壁の向こうから彼女が室内を歩き回る足音が聞こえてきた。

 しばしそんなカイリューの働く音に聞き耳を立てていた俺はやがてベッドの上に寝転がる。
 一人暮らしとあっては生活の拠点はすべてリビングに集中していて、文字通りの寝室はまさにベッドに寝転がる以外の何の娯楽も無かった。
 当然のごとくスマホもリビングで充電中とあってはなおさらに退屈で、ならばそれを取りに出ていこうかとも考えたが、俺はそれを踏み止まる。

 彼女の仕事の邪魔をしたくないという思いも確かにあったが、それ以前にまだ心の中ではあのカイリューを受け入れられていない部分もあったからだ。
 要は顔を合わせて、その言い訳の為に会話を交わすのが面倒でしょうがない。
 どうしたものかと天井に両手を伸ばしてはぶらつかせるそれを眺めるうちに──いつしか俺は眠りに落ちていた。

 しばしして目覚めると、俺は依然として枕に頭を預けたまま視線だけを室内に巡らせる。
 その先で壁掛け時計を確認すれば、時間は既に午後6時半を回っていた。
 カイリューがやってきたのが正午の1時過ぎ頃であったから、正味5時間以上も彼女を放置してしまったことになる。

「さすがにこんなに放っておいては悪いか……やれやれ」

 自分で呼んでおきながら、再びカイリューと相まみえることにため息をついてベッドを下りた俺は、ドアを開けて廊下へと歩み出るや──その目に映る光景に絶句した。

 我が目を疑うとはまさにこのことだ……。
 大小を問わぬ荷物を放置していたことで人一人が歩くだけのスペースしか残されていなかった廊下は、今やその全ては取り除かれては、昼光色の室内灯を磨かれたフローリングや壁紙へ柔らかく返していた。
 この社宅に訪れて以来、久しく目にすることもなかった輝かしい廊下がリビングへと向かって真っすぐに伸びている光景に俺は目を奪われる。

 そしてそれに誘われるよう廊下を辿ると、その先にて俺はリビングへと通じるドアを開け──さらなる新世界の展開に、今度は見開いていた瞼を細めてしまうのだった。




第2話・AVパッケージ 



 開けた視界を遮るものは何一つなく、容易に俺は対面の壁紙やカウンターキッチンの全貌までを見渡しては感嘆した。

 ──というかそもそもはこれが当たり前の光景ではあるのだろうが、つい数時間前までの積み重なる段ボールや無造作に床に投げ捨てられた衣類の山で埋め尽くされた『腐海』さながらの光景を知るだけに、今の眺めたるやさながら別天地へと瞬間移動させられたが如き心地だった。

 入居以来久方ぶりに見る壁紙やフローリングの姿はもはや記憶に遠く、もはや他人の家に来訪したかのよう落ちつかなくリビングを進む俺を見つけ──カウンター越しに顔を上げたカイリューが声を掛けてきた。

 そうしてそこから歩み出してはエプロンの裾で両手を拭きながら微笑んでくる彼女は、この成果を問い訊ねるように小首をかしげた。
 そんなカイリューに対する俺の第一声は……

「すごいよコレ!」

 礼でも感嘆でもない、そんな語彙に貧しい子供のような賛辞だった。

「本当に見違えた……っていうかもう、新しい家に引っ越したみたいな感じだよ。俺の家ってこんなに広かったんだなって実感するよ」

 言いながら興奮も露わにリビング全体を見渡すよう身を翻しては舞う俺に、それを見守るカイリューも心底嬉しそうに笑顔をほころばせてはクスクスと笑う。
 そんなあどけない彼女の笑顔にその一瞬、俺は得も言えぬときめきを感じては胸を詰まらせた。
 思わぬ不整脈が胸の内を叩いては、目の前のカイリューを愛おしく、そして可憐に捉えてしまう。

 そうしてすっかり片付けられたリビングを進みながら多幸感に満たされる俺であったが……ふとテーブルへと目を落とした俺は──そこに思わぬものを確認しては、途端に現実へと引き戻されることとなる。

 ソファと対になるローテーブルもまたその表面が輝くほどに磨き抜かれていたが、その上に几帳面に積み上げられたものを確認して絶句する。
 俺の目に真っ先に飛び込んできたものは──『絶頂! 豊満淑女 魅惑のパイズリ‼』のおどろおどろしい原色のタイトル。
 そしてそのレタリングの下には、たわわな巨乳の下乳房を両手ですくい上げては谷間を凝縮させた美熟女の妖艶な笑み……言わずもがなそれはアダルトビデオのパッケージ群であった。

 それを発見すると同時、俺は掃除前にここで過ごしていた自分の生活もまた思い出す。
 リビングが生活の拠点になっていた俺は、当然の如くプライベートな時間もまたここで過ごしていた。
 彼女もいない男やもめが己を慰める方法など一つしかない……そして本来なら客などけっして招き入れぬでろう油断がこのAVと、そして処理後の残滓が包まれたティッシュ屑満載のゴミ箱をすっかり俺に忘れさせていた。

 そして今そのことに気付き傍らのテレビ台に目を走らせれば──そこには整然と整理されたティッシュ箱と、そしてすっかり中身が攫われたゴミ箱がこれまた整然とテレビ台の脇に置かれているのだった。
 こうまで整理されてはこれらの存在など既にカイリューには周知のことであろうに、それでも俺は慌ててテーブル上のパッケージを取り上げるとそれを尻の下に敷いては隠す。

 そんな俺の突飛な行動に気付いてか、覗き込むように小首をかしげてはこちらを見遣ってくるカイリューの視線を受けながら、俺は依然として尻の後ろにDVDパッケージの束を隠し持ったまま立ち上がった。

「せ……せっかくキレイになったし、お、俺も風呂に入ってこようかなーッ」

 わざとらしくも上ずる声で説明調にそんなことを嘯いて、俺はカニの移動よろしくに彼女へ前面を見せたままリビングの壁沿いに入口へと急いだ。

「き、今日はありがとうッ! ここまでしてくれればもう十分だ。俺は風呂に入っちゃうけど、好きなタイミングで帰っちゃっていいからねー。……それじゃ!」

 ようやくリビングの入り口まで辿り着くと、俺はカイリューへの労いもそこそこにその部屋を飛び出した。
 廊下に出て、曇りガラスが格子状にはめ込まれたドア越しにカイリューの視線が途切れると、ようやくに俺も両肩を落としては大きくため息をついた。
 ……こうあからさまなまでに自身の見栄や外聞を気に取られる俺ではあっても、結局は掃除の時に全ては見られては入る訳なのだが。
 とはいえ向こうもプロだ。
 そこは職人としてクールに割り切ってくれたのだと信じたい。
 
 おかしな汗もかいたせいか、俺の足は自然と風呂へと向かった。まんざらでもなく、このままひと汗流そうと思ったのだ。
 それに俺がシャワーを浴びている間にカイリューも帰宅することだろうことを考えると、時間稼ぎにもちょうど良いと思えた。

 替えの下着も持たずに浴室に入ると、そこでもその室内が一切のくすみや黒カビのひとつとして残らずに磨き上げられている様子を確認して息を飲んだ。
 あの短時間でこうまで完璧に掃除をこなす彼女の有能ぶりはもはや、人間(ヒト)ですら太刀打ちできぬ才能だ。
 それだけにこれで関係を終わらせてしまうことを惜しみつつも手にしていたAVパッケージを、これまた整然と整理されたラックのタオルの上に置くと、俺は服を脱いで浴室に入っていった。

 シャワーがひとつに小振りな浴槽のついたユニットバスの室内で、俺は滝のように水流を強めたシャワーを顔面から浴びた。
 こうまで綺麗な風呂だと爽快感も一入だ。
 しばし湯に打たれていた俺ではあったが、激しい水流の中に居たこともあってかその時、俺は自分のすぐ身近で起きている新たなハプニングの種に気付けずにいた。
 
 一頻り頭からシャワーを浴びた俺は、その水流を止め両手で顔面をぬぐう。
 そうして激しく顔全体を両掌で拭っている俺へとすぐ脇から何かが差し出された。
 おそらくはバスタオルと思しきそれを、

「お、サンキュー」

 そのあまりにタイミングの良さから俺も微塵の疑いもなく受け取り、しばしそれで顔面をぬぐいながら……そのタオルに顔を埋めたまま硬直した。

──……これ、誰が出してくれたんだ?

 そうして恐る恐る、ゆっくりとタオルから顔を上げた俺は──目の前の光景にまた度肝を抜かれることとなる。
 その衝撃的な光景に、しゃっくりのような悲鳴を上げては浴室の壁面へと背をへばり着かせてしまう俺の目の前には……──


 胸元に巻いたバスタオルから乳房の谷間を凝縮させたカイリューが、満面の笑顔を俺へと咲き綻ばせていたのだった。




第3話・陥没乳首 



 突然のカイリューの登場……さらには狭所のバスルームで巨体の圧を受けて、俺は傍らにある湯船の淵へと腰を下ろしてしまった。

 そうして何故すらも問えぬままただそこから見上げるばかりの俺へとあどけなく微笑んだかと思いきや、カイリューは胸元を覆っていたバスタオルを解いた。
 途端、それに緊縛されていた巨大な乳房が解放され、その一瞬重力で大きく沈み込んだ後、再び弾力を以て復元してはその形の良いカップラインを釣り上げた。

 そこから片腕で両乳房を抱き上げると、残る右手でその先端に爪を這わせるカイリュー。
 蛇腹に幾層にも皺の折り重ねた前面の中、ちょうど乳首の上を走る皺の溝へと鋭い爪を挿入し、溝の掃除でもするかのようそこを掻き穿いていると──やがてはその溝だけが瞼のよう開きだしては、その下にある何かを浮き上がらせ始めた。

 見守る間にそれは表面へと表れ出し、やがてはそこへ俺の親指ほどあろう巨乳に負けぬ立派な乳首を屹立させた。
 陥没乳首ゆえに普段はその全体が乳内に収納されているようだ。

 その一連のカイリューの動作を見守りながら俺はというと……痛いくらいに勃起を果たしてしまっていた。
 元より肉付きの良い体つきや、爆乳・超乳の類に弱い俺である。当然のことながら陥没乳首やさらに巨大なそれもまた大好物で、いかにポケモンとはいえ目の前のカイリューの恵体に俺の体も反応せずにはいられなかった。
 
 依然として湯船のへりに座り込んだまま、大きく天を突いて屹立する俺のペニスを確認するや、見下ろすカイリューの下瞼もあからさまな喜びを湛えては大きく上ずった。
 
 そして身を屈めては俺の眼前にあの巨乳をぶら下げるや、まだ乳首の掘り出されていない右乳房の先端を俺の鼻先へと突き付ける。
 それを前にして、もはや俺の行動は決まっていた。
 考えるまでもなくその巨乳を両手で包み込んで持ち上げるや、ハンバーガーにでもかぶりつくかのような仕草で、俺はその先端を口の中に咥え込んでしまうのだった。

 口中において、先ほどカイリューがしたことをなぞって俺は乳首の潜む皺の一本へと舌先を穿ち立てた。
 細かく左右によじりながら硬くさせた舌先を溝の中へ埋めていくと、舌先には突如として濃厚な味わいが満ちて俺の唾液腺を崩壊させる。
 強い塩味を感じた直後、ミルク特有の柔らかい香りが鼻先に突き抜けるや舌先にはほのかに甘い味わいもまた広がった。
 
 性的興奮も伴ってか、それら乳首の味わいは脳を痺れさせるほどの美味として感じられ、俺も夢中になって彼女の乳首を舐め穿つ行為にのめり込んでいく。
 口中で泳がせつつも舌先を突き立てる動きに解されて、徐々に埋没していたカイリューの乳首が浮き上がる。
 それを力づくで引き上げようと、俺もまた無遠慮に頬を窄めては強くそこへ吸い付けさせると、それを受けてカイリューも大きな鳴き声を上げた。
 
 いま彼女の身を走る感覚は、敏感な乳首への痺れるような痛みにも間違いはないだろうが、頬を蒸気させたその顔からは、俺の愛撫に対する強い興奮と快感もまた見て取れた。
 それを証明するかのようカイリューは俺の頭を搔い繰ると行為の続きと、そしてさらなる刺激を求めては頬を擦り寄せてくるのだった。

 それを受けて俺の責めはさらに激しさを増していく。もはや彼女の身を案ずるなどという余裕も情もその時の俺には微塵も無かった。
 残る左乳房もまたワシ掴んでは、そこに屹立する乳首をひねり上げながら新たな愛撫を展開する。
 同時に口中においても右乳房の乳首を吸い上げ続ける行為をより強くさらに執拗とさせた。

 そんな両乳房への愛撫のなか、カイリューの呼吸が短く弾んだものへと変化する。
 それこそは絶頂を予期した肉体が、脳で受容する快感を同調させるための調整に他ならない。
 俺もまたそれを察し、その絶頂を助長させてやるかのよう両乳房への愛撫をさらに強めた。
 左手の中ではもはや握りしめるようにして乳首への刺激を促し、そして口中においては更なる吸引で起き上がりつつある乳首へと頬を吸い付かせる。

 そして口中において乳首の先端へ前歯を立てて噛み挟むや、最後はその乳首を噛みしめて強引に引きずり上げた。
 それを受けてカイリューは明らかに性とは別物の悲鳴を上げる。呼吸を詰めて、低く呻るようなそれは明らかに痛みや苦しみに耐える声ではあったが、同時に身を仰け反らせる彼女は強く体を硬直させては身を痙攣させた。

 そして一度息を吸い込んで胸に溜め、それを鳥類を思わせる甲高い声と共に吐き出すや──ついにこの日最初の深い絶頂を迎え、カイリューは快感にうち震えた。

 どうやら乳首を噛み締めた痛みこそが彼女を強いエクスタシーへと導く最後の一鞭となったようだ。
 ようやく口中から乳首を開放すると、そこにはさんざんに吸い上げられたことによる内出血で、左の物とは明らかに色合いの異なってしまったダークチェリーの乳首が屹立した。
 加えてその先端へリング状に刻まれた俺の歯跡もまた痛々しかったが、むしろ俺は謎の達成感をそこに感じては、更なる興奮を胸の内で昂らせていくのだった。

 依然として背を反らせては震え続けるカイリューの前面を見守り続けていると、俺の視線はそんな彼女の体のある一点で止まった。
 ちょうど股間部分に当たる蛇腹の節の一本から、分かるほどに液体を滲ませては滴らせている筋があることに気付く。
 あきらかにシャワーの物とは違う、粘着感を思わせるその透明な雫を拭うべくにそこへ指先を這わせた瞬間──ようやく肉体の鎮静化がしつつあったカイリューが、再び短い悲鳴と共に身を痙攣させた。

 同時にその筋が激しく蠕動したかと思うと、その上に宛がわれた俺の指先は見る間にそこへと飲み込まれていった。
 中指の先に感じる焼けるほどの熱い体温と、そして咥え込むかのよう締めつけつつも潤沢に体液を漏らし続けるその場所が何であるのかを既に俺は理解していた。
 そしてそれを確認するかのよう、手の平を上にすると掌をカイリューの下腹へ付けるようにして、更なる中指の挿入を果たす。

 紛う方なく、そこはカイリューの膣だった。
 先の乳首への愛撫もあって身の昂っていたカイリューの秘所は、すでに溢れんばかりに濡れ綻んでは指もペニスも問わずいかようにも受け入れられる状態に熱し上げられていた。
 それを前にして、もはや俺の忍耐も限界を迎える。

「ここから出よう。もっと広い所で続きを………いいかい?」

 依然として腰かけた状態からカイリューを見上げて伺う俺に、彼女もまた快感に疲れた視線を微笑ませると小さく頷いた。
 そして互いに引き寄せられるよう俺達は互いの鼻先を近づかせると──示し合わせたように唇を重ねては、濃厚にその舌同士を絡ませ唾液を交換するようなキスを交わすのだった。




第4話・パイズリ 



 熱に浮かされた俺達が戻った場所は、何処でもないあのリビングだった。
 そしてもう一度の濃厚なキスの後、カイリューはソファへと俺を座らせた。

 大股を開いて背もたれに沈み込む俺の前に跪くと、カイリューは改めて怒張した俺のペニスを眼前に捕らえる。
 痛いほどに勃起しては屹立するペニスを見つめるカイリューの表情は、さながら好物を目にした時のようあどけなく、そして純粋な喜びを湛えた笑顔に満たされていた。
 そして不安になるくらいに大きく口を開けると次の瞬間──カイリューは躊躇いもなく俺のペニスを口中へと咥え込んでしまう。

 瞳を伏せ、しばし舌上で転がしたり吸い付けたりしてはペニスを味わうかのよう吟味してみせるカイリュー。やがてゆっくりと頭を上げると、そこから頬を吸い付かせたまま口中でのピストンを開始した。

 久方ぶりのフェラチオの感触に思わず俺も呻き声を上げる。
 裏筋を圧迫してくる舌の柔らかい感触と、一方で亀頭が口中の甲に擦られては感じる凹凸の硬さ……その硬軟織り交ぜた感触を吸い付けさせた内頬が大量の唾液と共に包み込んでは締め上げる快感は、女性器には無い感触でありそして力強さだ。

 瞬く間に鈴口からは腺液が溢れ出し、あっけなくこのまま達してしまうかと思われた矢先、まるでそんな俺の心中を読んだかの如くカイリューは窄めた口先から軽快な音を立てては、俺のペニスを解放してしまうのだった。

 奉仕の中断に無言でありながらも不満気な表情を向けてしまう俺の視線を受けるカイリューは依然として俺のペニスをしごきつつも、更なるサービスを予期させるかのようイタズラっぽくウィンクもひとつに微笑んでみせた。

 そして見守り続ける中カイリューは両手で自身の豊満な乳房をすくい上げると、しばし上下に揺らしてはその肉が隆起する様子を俺に見せつける。
 自身で極太の乳首をひねり上げては乳房を左右へと展開させて胸元を開き、そしてその谷間を再び閉じた次の瞬間には──

「うおッ? こ、これはぁ……ッ」

 カイリューはその爆乳の間に俺のペニスを挟み込んで、強く圧迫してしまうのだった。

 決して小さくはないと自負している俺のペニスではあるが、カイリューのこの爆乳の中とあってはすっかり飲み込まれてその姿が見えなくなってしまった。
 それでもしかし、確かに俺は彼女の巨乳の中に自分のペニスが飲み込まれているのを実感していた。

 先のフェラチオでたっぷりの唾液と腺液にまみれたペニスは、それらを天然のローションとして乳間の中でさえも滑らかに潤滑していた。
 脂肪質の液体めいた肉塊が、皮膚一枚越しに俺のペニスを挟み込んで圧迫してくる刺激は、口や膣ともまた違った新たな快感の感触だった。

 その余韻に浸っているとそれを打ち消さんばかりにカイリューは能動的に次なる奉仕を開始した。

 両肘を折り、その間に挟み込んだ乳房を凝縮させると乳房の内部にある俺のペニスへと更なる圧を掛ける。
 斯様な圧迫そのままにさらに上体を揺り動かすと、そこから乳房を使ってペニスを扱き上げる動きを展開させていった。

「おぉ……! すげぇ……ッ、うおぉ……!」

 巨体に任せ、体全体を使って奉仕をしてくるそのダイナミックなピストンに俺も背もたれへ頭を仰け反らせては快感に震える。
 波を打って持ち上がった乳房が俺の腰元に打ち落とされては歪に輪郭をひしゃげさせる──その衝撃と、さながら袋に詰め込まれた油の如き重さの感触が心地良く、もはや俺の性癖とも相成ってこれは、従来の性交以上の興奮と快感とをもたらせてくれていた。

 その奉仕を叶えるべくに全身を律動させるカイリューの姿もまた蠱惑的だった。
 激しい上下運動に伴って、乳房だけではない腹部や太腿、さらには二の腕といったあらゆる彼女のぜい肉が躍動してはその柔らかさを見る俺へと伝えてくれる。
 その様は得も言えぬ艶めかしさと同時、やっている行為のえげつなさとは似つかわしくもない愛らしさもまた感じさせては更なる発奮を俺に促した。

 そして無意識に両手が伸びたかと思うと、俺はそんな彼女の乳房を両脇から支えるように包みこんだ。
 欲望の追及はそれだけにとどまらず、さらに内側へと圧縮してはよりペニスへと負荷が掛かる様に圧迫して、俺自身も腰を突き上げるピストンを開始する。

 もはやこの時の俺は完全にカイリューの爆乳を、ペニスへ快感を与える為の道具としかとらえてはいなかった。
 そのことに対し強い罪悪感を確かに抱くもしかし、そんな葛藤以上にペニスへと与えられる快感と興奮は度し難く、以降も俺は本能の赴くままに彼女の爆乳を使ったパイズリを敢行した。

 一方でカイリューもまた、自分の体が俺に強い刺激を与えられている事が嬉しいようで、包み込む俺の手の上に自身の掌もまた重ねると、共になってはペニスを揉み扱く勢いを強くさせていった。
 そんな快感の最大瞬間風速の中、遂には俺も限界を迎える。

「で、出る……出るぞ! このオッパイの中で出すからな!」

 己でも恥ずかしくなるようなセリフを吐き捨てつつもしかし、飾りも衒いもないその事実の確認はむしろ、なおさらに俺を興奮させた。
 カイリューの爆乳の中で果てることの欲望に突き動かされ、その胸元を激しく亀頭で殴打する俺のピストンはついに──より深くペニスを差し入れたその奥底でついに射精へと至った。

「あ、ああぁ……! くうぅぅ……出るッ……出る……ッッ!」

 亀頭の先から精液が溢れて肉の中に満ちると、粘度を伴った体液は乳房の中に浸透し、その熱を以て俺のペニスの輪郭をハッキリと感じさせるようだった。
 そしてそれはまた彼女も同じようで、幾度となく挟み込む左右の乳房を互い違いにすり合わせては、より多くの精液を絞り出そうと次なる射精を促す。

 おおよそ俺の人生における最大量の射精を果たし──いつしか俺は前のめりになっていた上体を再びソファの背もたれへと沈めた。
 身を包みこむ疲労と快感……依然としてカイリューの中に留まり続けるペニスにはその胸板越しに彼女の鼓動もまた伝わってきて、射精後の余韻を何とも幸せな気分にしてくれた。

 やがてした乳房をすくい上げた姿勢のままゆっくりとカイリューが上体を持ち上げる。
束縛から解放されたペニスが酸欠の魚よろしくに俺の腹の上に横たわっては二度三度と痙攣をする。
 一方でカイリューはと言えば、俺のペニスが抜け落ちた谷間の隙間を埋めるようさらに左右から挟み込んでは乳間の圧を強めていく。
 そうして見守る彼女の胸の谷間から、圧に押し上げられた俺の精液が純白の玉となって浮き上がりさらには泉のように湧き上がり出した。

 そんな精液の雫をカイリューは自身の胸の谷間に鼻先を埋めては強くすすり上げる。
 吸い上げるカイリューの吸引により、乳房の肉の隙間は真空状態と化しては放屁にも似た空気と液体の撹拌される下品な音を響かせる。
 やがては斯様に自分の乳房で作った肉ストローを通じて乳間の精液を全て吸い上げると──カイリューは左右の乳首を摘まみ上げては爆乳を左右に展開し、精液の残滓でてかりのついた胸元を披露しては自慢げに鼻を鳴らすのだった。

 あどけなく微笑むカイリューの鼻先や口の周りには、本人でも気付かずに多くの精液の珠がこびり付いていた。
 そんなザーメンまみれのカイリューの笑顔を見つめる俺は……いつしか再びペニスに血流が巡るのを感じた。

 そして再度の勃起を確認するカイリューもまた、最後の一線を越えるべく俺の隣へと腰掛ける。
 ソファのひじ掛けに頭を預けて寝そべると、大きく足を開いては片足を背もたれに掛け、ソファ上で俺に膣を晒すよう体を開いた。

 陥没乳首の時同様、膣上に走る蛇腹の皺の一本が大きく開いては、そこから大小の陰唇をはみ出させた膣口を開花させるカイリュー……。
 そして見せつけるようそこへと指先を這わせ、添えた指々の二本を用いて左右にそれを押し開いた瞬間──

 俺もまた、襲い掛かるよう正常位に覆い被さっては……カイリューの膣へと、一息にペニスの挿入を果たしてしまうのだった。




第5話・騎乗位と百面相 



 本能の赴くままに──とはまさにこのことだったと、後に顧みる。
 この時の俺はカイリューの膣へペニスを挿入すると同時、彼女の溢れんばかりの爆乳の中に飛び込んでは、ただひたすらに両手にしたそれを揉み、そして蹂躙した。

 掌の中に収めては無遠慮に握りつぶし、さらには乳首を口に含んでは強く噛みしめる。乳房の左右を問わず、自分の鼻先が跡になって残るほどに強く顔面を押し付け、ひたすらに俺はその淫乳に溺れたのだった。

 一方でカイリューもまたそんな俺を全身を以て受け入れてくれた。
 自分の乳房へとむしゃぶりつく俺を彼女もまた抱きしめては、より深く自分の体に溺れさせようと取り込む。
 その巨大な乳房を左右へ展開させて胸元を開くと、その間に陥った俺の顔面を再び乳房を閉じては取り込んでしまうのだった。

 その頭の丸々を乳房に飲み込まれては暗闇と酸欠に陥る俺ではあったが、それでもそこに恐怖や不安などは無い。
 頬や耳元の顔面全体で感じる乳房の感覚は、言わずもがな巨乳好きの俺にとっては至福の瞬間でもあった。
 その温もりと興奮に身を焦がされては、カイリューの爆乳に囚われたまま死に物狂いでペニスの挿入された腰を振った。
 斯様にしてさながら虫の交尾のような浅ましさで腰を打ち続けていると、

「おぉッ! ん、ぐうう……ッ」

 あっけなく俺は達してしまった。
 両足を伸ばしては体を硬直させ、これ以上にないほど彼女の股座へ腰を押し付けたまま、先の射精にも負けない量の精液を俺はカイリューの胎内へと放出した。

 それを受け、一拍子遅れてはカイリューも絶頂する。
 上目を剥き、牛のような野太い声を短く吐き洩らしながら絶頂の波に合わせては小刻みに肉体を痙攣させるカイリューは、同時に胸の中の俺もまた強く抱きしめた。

 そうして俺の射精の勢いが弱まると共にカイリューからも絶頂の波が過ぎ去り──俺達は同時にため息をついては脱力した。
 抱き包みこんでいた力が緩み、ようやくカイリューの乳房から解放される。
 重力に引かれて左右に垂れる乳房の間から顔を上げると、そこに疲れた表情のカイリューと目が合った。
 
 そうして俺の顔を確認するや、カイリューの朗らかな笑顔が大きく咲き綻ぶ。
 改めて俺を抱き寄せては顔を寄せると、次には箇所を問わぬキスや舌で舐める愛撫を幾度となくカイリューは俺に施してくれた。
 
 一方で俺も舌を伸ばしては愛撫に応えると、カイリューもまた舌先を俺の口元に這わせてそれに返す。
 伸ばされる互いの舌先を咥え込んでは窄めた唇でしゃぶりあげ、さらに相手の口中に舌を侵入させては舌上や歯の裏の境も無しに舐め尽くしては自身の唾液を送り込んだ。
 もはや慈しむことよりも、互いの唾液を味わいたいだけの浅ましい欲望に駆られて交わされる舐り合いは、互いの顔面を唾液だらけにしてはカエルの鳴き声さながらの舌鼓を打つただただ汚らしいものであった。

 それでもしかし、俺達はそれに興奮しては夢中になっていく。
 強くそれを求めるあまり、下に敷かれていたカイリューもまた身を起こしてはいつしかその巨体で俺へ覆い被さるかのように身を乗り出した。
 依然として舐り合いを続けながら完全にカイリューが俺に乗り上がるような形となると、二人の体位は前戯(フェラチオ)の時同様に、俺がソファに座らせられる形となった。

 そうして対面する中、いつしか再びに勃起しては回復していた俺のペニスに手を添えると、今度はカイリューが騎乗位に跨ぐようその上で腰を浮かせた。
 次なる交尾に期待して体を見下ろせば、その先ではカイリューがペニスの根元に手を添え、その先端を小刻みに揺らしながら自身の膣口に擦り付ける様子が窺えた。

 亀頭の先端やそこの鈴口が、はみ出した大小の陰唇をかき混ぜている。
 粘膜と肉同士の触れ合う感触が心地良いと思っていると、それはカイリューも同じであったらしく膣からは先に放出した俺の精液を押し出すほどの夥しい愛液が俺のぺニスを濡らしていた。

 やがては存分に焦らして肉体を馴染ませた後──ついにカイリューは腰を落とし、再び互いの性器は結合を果たす。
 重力と彼女の自重に任せて挿入が果たされると、

「うおッ………効く……!」

 ペニスの背に感じる膣壁の感触に俺も身を仰け反らせる。
 同じ膣内でありながらも先の正常位とはまた違った快感が不思議であり、そして愉しかった。

 その挿入で浅く絶頂を感じてしまったのかカイリューもまたしばし動きを止めては余韻に打ち震える。
 眉元をしかめ、さながら痛みでも堪えているかのような表情で快感へ耐える彼女を愛しく思っていると、やがては俺の視線に気付いたカイリューもまたどこか照れ臭そうに笑った。
 そしてそれを誤魔化すかのよう小首をかしげてキスをしてくると──その濃厚な舐り合いのまま、カイリューが腰の律動を開始した。

 俺の上にまたがりながらソファの背もたれに両手を掛けてバランスを取ると、上背のあるカイリューは首をうなだらせるように俺とキスを交わしながら腰をしならせる。
 そんなカイリューのリズムと二人の体重に音を鳴らすソファの軋みがひどく艶めかしく俺には聞こえていた。

 最初の正常位の時のよう互いの本能が解放された交尾とは違い、今のこれはより快感と互いの存在感とを確かめるまぐわいであった。
 勢い任せで腰を打ち付けるのではなく、時折り尻をくねらせてはより大きくそして角度を変えてペニスが膣壁を刮ぐようにカイリューもピストンに変化を与える。
 そうして互いの粘膜が様々な感触を味わう快感に再び俺達の感覚もまた熱せられていった。

 同時に俺もまた目の前にあるカイリューの巨乳を両手で掻き寄せては、凝縮させた肉の谷間に顔を埋める。
 乳房の個所を問わずに唇を吸い付けさせては舌で舐め、さらにあの規格外の乳首もまた左右交互に咥え込んでは彼女の爆乳を堪能した。

 膣と乳房による同時の快感にカイリューもまた下唇を噛みしめては喉を反らせて快感に打ち震える。
 仰け反らせた背の後ろで、小さな羽根が目一杯に広げられては羽ばたきを繰り返す様からも、いかのこの瞬間をカイリューが愉しんでいるのかが窺えて、俺の中にあるオスの本能にも火が付いた。

 そうして乗馬の手綱よろしくに彼女の乳首を左右に握りしめると、打ち下ろされるピストンに合わせ俺からも下から腰を打ち上げた。
 より相乗的に打ち据えられることで膣の深部を刺激されてはその感触にカイリューも目を剥く。──そこからは動物同士の『交尾』ではない、人の『セックス』の始まりだった。

 数度の突き上げでカイリューの反応を窺いながら、彼女がどのポイントで強い刺激を感じるのかを見定めると、以降はそこを責めるように突き上げ続けた。
 その一点集中の責めを受けてはカイリューもまた目を見開き、大きく口中を開いて息を殺す。
 漏れ出す喘ぎ声も今までの叫ぶようなものから、小刻みに押し殺すようなものへと変わったことからも、彼女が絶頂へと感覚をコントロールしている様が窺えた。

 ならば一気にそこまで達せさせようと俺もまた責めの手を強めていく。
 快感ゆえに腰を浮かせたまま身動きの取れなくなったカイリューのGスポットへと無遠慮に突きを繰り出していると、それを受け止めるカイリューの表情もまた次々と変化していった。

 眉を強めては歯ぎしりをする表情から一変し、今度は鼻の下を伸ばしては脱力し、目を天に向けて呆然としながら呻きを漏らし続ける顔を晒してと、その百面相からは窺い知れるのはカイリューの中にある快感の波の変位であった。

 斯様に呆然自失と為されるがままであったカイリューがやがては幼子のワガママのよう小さく頭を振りだす。
 最初こそは小刻みに左右へ振っていたそれも、その表情がきつく瞼を閉じて歯を食いしばるものへと変化する頃には、縦横無尽に額の触角を振り乱すヘッドバンキングへと豹変していた。

 もはやカイリューの限界が近いのは疑いようもない。
 そしてそれを知ることは、同時に俺の射精感もまた刺激した。
 
──一緒にイキたい……ッ

 そんな想いにかられて俺はカイリューの胴回りを両腕で抱き締めると、そこからさらに突き上げるピルトンを強める。
 それを受けカイリューもまた俺の頭を胸の中に抱き込んだ。……想いは一緒らしい。

 それを受けラストスパートをかける俺のハードファックについにカイリューは完全に呼吸を止めてしまう。
 口の端に泡すら浮かべ、もはや快楽とも苦痛ともつかない感覚に晒されながら、ついには胸にとどめていた快感を解放し、断末魔さながらの咆哮と共に全てが昇華された瞬間──カイリューはこの日最大級の絶頂を迎え入れるに至った。

 連動して膣壁が沸き上がるよう蠕動して内包するぺニスを締め上げると──

「か、カイリュー……俺も、イクぞぉ! お、おぉ………ッッ」

 その刺激に絞り上げられて、俺もまた一気に絶頂にまで引き上げられては射精を果たした。
 
 毎回放出する度に前回以上の量を吐き出している俺の射精は、この日最大量の精液をカイリューの膣内へと放出していた。
 そしてそれを受けとめるカイリューにしても、胎内で破裂するかのごときその勢いと熱とを強く感じたことだろう。
 もはや見上げる俺からは表情すら窺えない程に身を反らせ、そして顎先を天に突き上げたカイリューの絶頂はもはや声すらも上げられないほどに強力なものだった。

 やがてはその直立していた上体がぐらつき、雪崩れるように俺へもたれてきたかと思うと──カイリューは俺へ身を預けたまま意識を失った。

「お、おい……大丈夫か?」

 こちらからの声掛けにもただ洗い呼吸を繰り返すばかりで一向に彼女が反応を返す様子は見られない。
 俺よりも上背の高い巨体とあっては、こうしてもたれ掛かられるだけでもそれなりに重く息苦しくあったが……それでも不思議と、そこに不快感やストレスなどは感じなかった。
 むしろこんな彼女の柔からさと重みは、得も言えぬ癒しとなっては俺を包み込んでくれていた。

「いいさ………このままおやすみ」

 言って、カイリューの背へ慈しむよう両腕を回すと、俺もまたしがみつくようにしてその巨体を抱き締めてやる。
 そしてその頬などにキスなどしていると──……いつしか俺もまた、彼女を抱いたまま深い眠りへと落ちていくのだった。



エピローグ 



「こういうサービスがある訳じゃないのか!?」

 事後、ようやく落ち着きを取り戻した俺は同じくリビングのソファにて驚愕の声を上げた。
 隣で両膝を揃えて折り目正しく座ったカイリューはどこか照れ臭そうに微笑んでは小さく頷く。

 当初、一連のカイリューの行為はいわば派遣会社側の裏メニュー的なサービスであると思っていた。
 ゆえにその代金の支払いは元より、個人的な追加のチップも弾んでやりたくて詳細を訊ねた俺に返された答えこそは──全てはカイリューの個人的なサービスであったという事実だった。

「ど、どうしてそんな真似を……?」

 当然の如くそう訊ねる俺に対し、カイリューは何やら取り出してはそれを俺に手渡した。
 薄いプラスチック製のケースらしきそれは、チラリと目の端に留めただけでもケバケバしい色彩が印象深い代物だった。
 そして手にしたそれを改めて確認し──俺は絶句する。
 目の前には『チ●ポ掃除代行! 陥没乳首の淫乱家政婦』のタイトルと、そこに写る三角巾を被った全裸巨乳女性のパッケージ……言わずもがな、俺のエロDVDコレクションの一本であった。

 聞くにリビングの掃除中にこれを発見したカイリューは、『家政婦』という自分の職業とも通じるその内容に興味を覚え、こっそりとコレの視聴をしてしまったのだという。
 内容は家事代行で派遣されてきた家政婦が同時に依頼主の男を性的にも満足させるという物語ではあるのだが、生真面目なカイリューは『家政婦のサービスにはこういった側面もあるのだ』と感嘆してしまったそうな。

 そしてさっそくにそれを試みるべく、再度現れた俺に対してビデオの内容をなぞった行為を実践した──というのが事の真相であった。

 確かに一連の流れには所々で既知感を覚える瞬間が幾度となくあった。
 そもそもがああまで我を忘れて発奮したこと自体、あの展開が俺の性癖に合致していたからに他ならない。
 しかしこの時、事実を知った俺の胸中には納得とはまた別の違う感情もまた湧き上がっていた。
 それこそは……──

「その……今後は他のお客さんに対してもこういうサービスをするのかい?」

 訊ねる質問の意図を測りかねてはカイリューも小首をかしげる。

「いや、だからその……君が他の誰とでもセックスするようになるのかなって……」

 一向に要領を得ないその遠回しな台詞に、我ながら自身へ歯がゆさを覚えずにはいられない。
 この時の俺は既に──目の前のカイリューに恋心を抱いていた。
 有体に言えば彼女のことを一人の女性として意識し始めてしまったのだ。
 ゆえに、今後も彼女がサービスの一環として他の客と体を交わすような状況を想像した時、俺は胸かきむしらんばかりの嫉妬や焦りをそこに覚えたのだった。

「……君のことが好きなんだ。他の客とはこういうことをしてほしくない」

 もはやどう言葉を繕ったらいいものか考えあぐね、俺はストレートにそれを伝えた。
 10代の子供でもあるまいし、斯様な告白などはまさに顔から火が出る思いだ。
 ……というか、こうまで真摯に好意を相手に伝えること自体が初めてであったことにも気付き、俺はさらに恥ずかしくなっては視線をそらせてしまうのだった。

 しかし次の瞬間、そんな俺を思わぬ衝撃が包み込んだ。
 体全体が揺すぶられるかのごときそれに驚く俺であったが、それこそは突如としてカイリューが俺を抱きしめたからに他ならなかった。
 あの巨乳で包み込むよう正面から抱きしめられると、俺はカイリューの乳房の間に挟まれては拘束される形となった。

 そこからカイリューは胸の中の俺へと何度もキスの嵐を見舞っては、さらに愛おし気に舌を這わせ顔の箇所を問わずに舐め上げた。
 この時の彼女は自分でも制御の利かない強い愛情に心駆られた状態であったのだ。

 最初こそは思い付きで肉体を交わした関係ではあったが、想像をはるかに超える快感とそして初めての交尾相手であった俺に対し、カイリューもまた強い恋心を抱いていたのだ。
 そんな俺から改めて告白されるに至り、カイリューは胸に生じる強い悦びと愛情を持て余しては衝動的に俺を抱きしめてしまったのだった。

 その後も激しく施されるキスの合間を縫って、

「カイリュー……もし君さえ良ければここに住み込みで働いてくれないか? これからも俺の世話を焼いてほしいんだ」
 
 そう告げる俺に対し、更にカイリューは激しく頬をすり寄せてはもはや噛みつく様なキスを返した。
 ……どうやら返事はOKのようだ。

 そうして感情の赴くのままにキスを交わしていると──当然の如くに、俺達は再び昂っていった。
 依然としてキスを続けながらカイリューの乳房に手を這わせると、熱に潤んだ視線が俺を捉える。
 そして彼女の手もまた俺のペニスへと伸び……そこから俺達は、寝食も忘れては再度の交尾へと移行していった。


 かくして俺は、専属の家政婦を迎え入れるに至った。
 金額はそれなりのものではあったが、『無期限』の長期契約を結ぶことを条件にかなりの減額を代行会社側は提示してくれた。

 後に知ることではあるが、契約書の一文に『弊社有事の際には、派遣する家政婦の身元は、本人の希望の下で契約主に帰属するもの』……とあった。
 つまりは彼女の身元引受人としての責もまた顧客に押し付けるような内容ではあった訳だが、むしろ俺はそれを『娘の嫁入り』の如くに感じては見えない派遣会社の情を感じたようにすら思った。

 
 ともあれ、俺と彼女の生活は恙無く続いている。
 やもめ暮らしの時とは打って変わった清潔な室内と、そしてこれまた玄人はだしの腕前を披露するカイリューの手料理に舌鼓を打つ俺はふと気付くのだった。

 それは念願の『恋人』が出来たということ。
 相手はポケモンであるが、もはや気にすることもあるまい。
 そんなことを考えながら傍らで洗濯物を畳んでいるカイリューを見つめていると──

 それに気付いた彼女もまた、優しく微笑んでは俺を受けとめてくれるのだった。









【 派遣家政婦のカイリュー・完 】


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Last-modified: 2024-04-14 (日) 21:29:18
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