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それぞれの愛のカタチ

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それぞれの愛のカタチ 

青浪
この話は官能的表現・・・というかしょっぱなからそういうのがあります。
気を付けてください。
好きすぎて・・・好きすぎて・・・2の番外編みたいな話です。


10秒でわかるキャラ紹介
ヘルガー・・・グラエナのクラスメート兼親友。

ブラッキー・・・エーフィとグラエナのクラスメート。ヘルガーの恋人。

グラエナ・・・エーフィの恋人。エーフィの繰り出すエスパー技が苦手。

エーフィ・・・グラエナの恋人。グラエナのことが大好き。



近代の技術は夜の闇に光をもたらした。学生寮の窓から漏れる光が、その夜の闇に燦然と輝いている。

「ふぁぁっ・・・やめぇぇぇっ・・・」
黒に黄色のアクセントのある身体を持つブラッキーが赤い瞳を潤ませて、身体をぶるぶるふるわせている。
「これ以上逆らったら明日どうしようかな〜・・・」
地獄の番犬を思わせるような身体のヘルガーはいやらしく笑う。ヘルガーは前肢でスイッチを持っている。
そしてそのコードの行く先にははブラッキーの仰向け黒い身体の中から少し見える綺麗なピンクの割れ目に・・・小さな丸いものが挿さっていた。
「イく寸前まで止めないよ。」
「いあっ・・・」
スイッチを手にかけようとするヘルガーを必死で止めるブラッキー。ブラッキーの膣のピンクの柔肉に食い込む黄色い無機質なプラスチックのそれ、ローターは愛液に塗れて輝いている。
膣の入り口、割れ目からはすでに愛液がタラタラと垂れて、床に小さな水たまりを作っていた。ブラッキー自身も押し寄せる快感の波と疲労で汗にまみれ、いやらしく光っている。
「イったらだめだよ。」
ブラッキーは逃げたくて仕方がない。今日はヘルガーと一緒に晩御飯が食べたくて家を抜け出してきたのに、ヘルガーはブラッキーの身体を求めてきた。
当然逆らうが、身体を抑えつけられて、手淫で散々膣の柔肉を弄ばれた上に、ローターで拷問まがいの遊びを受けている。
「そんあおやあよぉっ!」
♀の匂いに塗れたブラッキーに、ヘルガーは欲情せざるを・・・いや、ヘルガー自身がこうなることを望んでいた。
「ブラッキーだよ?明日Wデートしようなんて言ってエーフィを誘ったのは。」
何をされるんだろう、と少しの恐怖と性的な期待で身体を震わすブラッキー。ニヤッと笑ったヘルガーはローターのスイッチを入れた。
「きゃぁぁぁぁぁ!やあぁぁああああん!・・・あぁぁぁっ!ふぁぁぁぁぁぁぁん!」
ローターがブルブルとブラッキーの柔肉を貪るように刺激し、割れ目からはとめどなく愛液がピュッピュと噴き出す。
喘ぎ、悶えるブラッキーを見てヘルガーはスイッチを止めた。
「イっちゃったら面白くないから。」
瞳からぽろぽろ涙を流すブラッキー。
「なに?もっとしてほしいの?」
笑みを浮かべて聞いてくるヘルガー。まだローターのスイッチに指はかかったまま。
「そんなわっ!いぁぁぁぁぁぁぁん!」
答える前に、スイッチを入れてブラッキーの反応を面白がるヘルガー。また、綺麗な割れ目から愛液が噴き出した。そしてまたヘルガーはローターのスイッチを止める。
この快楽の波で、意識がもうろうとしているブラッキーだったけれど、それでも、虚ろな瞳でヘルガーのことをじっと見つめている。
「もしイったら、明日ローター入れたままでデート行ってもらうから。」
「やだっ・・・」
ヘラヘラと笑うヘルガーに、ブラッキーは涙を流す。けれどブラッキーの身体は熱く火照り、今以上の性的快感を欲してくるようになっていた。
「さてと、疲れたろ・・・もう寝よっか。明日はデートだし。」
途端に普段の顔に戻ったヘルガーは割れ目のローターに前肢を伸ばす。
「やあっ!」
引き抜こうと前肢をローターにかけた瞬間、ブラッキーの手で前肢は弾かれた。
「なにすんだよ。もう終わりだって。」
不満げなブラッキーの顔を見て、ああやりすぎた、と深く反省するヘルガーだった。
「・・・もっとやってよ。」
ヘルガーは、はあ、とため息をついて、ローターのスイッチを入れた。
「やぁぁぁあ!あぁぁぁぁぁっ!ひゃあああぁぁぁん!きもちいいよおっ!いぁぁぁぁぁぁっ!」
ローターの動きに合わせるように身体をがくがく震わせるブラッキー。割れ目からの愛液の量はますます増え、大きな水たまりを作っていた。
「やぁぁぁぁっ!へるがぁぁっ!きもひいいよぉ・・・きゃぁぁぁぁあっ!」
ブラッキーはもう限界なのか、口からよだれをポトポト垂らして悶えている。ヘルガーがもう止めないと、と思った瞬間、ブラッキーの身体はびくびくと大きく痙攣した。
「いぁぁぁぁっ!もう・・・イ・・・やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!・・・・ぁぁっ・・・ぁぁぁ・・・ぁっ・・・ぁぁぁぁぁっ・・・」
求めていた大きな快感に、身体を震わせて力のない喘ぎ声を出すブラッキー。その身体は痙攣したあと、入っていた力が抜けて、ガクッと倒れた。
イったブラッキーはローターを弾かんばかりの勢いで割れ目からぷしゅぅっと大量の潮を吹いたのだった。とめどなく溢れだす愛液。
水たまりはさらに大きくなり、ヘルガーはあわててティッシュで水たまりを拭く。
「ぁぁっ・・・きもちよはっあ・・・はぁはぁ・・・」
息も荒く、まだ喘いで虚ろに現実を見ていない、といった感じのブラッキーはうわごとのように気持ちいい、と呟いた。
「明日、ローター付けたままでデート行ってもらうからな。」
恨み事を言うようにブラッキーに言うヘルガー。それでもローターを付けたままのブラッキーは嬉しそうにうん、と答えた。ヘルガーは頭を抱える。


同時刻、グラエナの部屋。
「気持ちいい?」
「うん。エーフィのはいつも気持ちいいよ。」
「でもカチンコチンじゃん。」
「なんでだろうね。」
ぐてーっと伏せたグラエナの上にエーフィが乗っかって背中の肉を揉んでいる。グラエナはとても気持ちよさそうだ。エーフィはそんなグラエナを見て微笑んでマッサージをしている。
「にしても、夏休みに学校でアルバイトするとは思わなかったなぁ・・・」
エーフィはぼそっと呟く。
「アルバイトっていうより、ただカメックス先生にいいように使われてるだけだけどね。」
グラエナもエーフィに聞こえるように言う。
2匹は5日前、ラッキーさんのところに行って、帰る途中にプール指導をしていたカメックス先生に倉庫の整理をするから、と言われて手伝っていた。
そこから5日連続でプールの倉庫の整理や、シャワーの掃除など、2匹はハードに身体を動かしていた。
「日当はかなりいいけどね。」
グラエナが経緯を思い出してぼそっと呟いた。
「だよね〜。」
うれしそうなエーフィもずっとグラエナの背中の筋肉をモミモミ、と揉んでいる。
「倉庫の整理とか、エスパーの私にしてみればちょろいもんだよね〜。」
「羨ましいなぁ。」
眠そうな声で言うグラエナ。エーフィはグラエナが寝ないように可愛い三角の耳を数回引っ張る。グラエナもごめんごめん、と言ってエーフィの頭を前肢で撫でた。
エーフィは薄紫の身体をふるふると震わせてすごくうれしそうだ。
「こんなもんでいい?」
「エーフィ。ありがと。」
グラエナはエーフィの頭をまた何度か撫でて、身体を起こした。
「わっ!」
エーフィは身体を起こしたグラエナに抱きつく。突然のことに最初は驚いたグラエナもエーフィをギュッと抱き返す。
「あのさ・・・明日、デート行こうよ。」
小さな声で呟くように言うエーフィだったけれど、グラエナにはきちんと聞こえていた。
「え?いいね。行こう。」
突然の提案にも関わらず、グラエナは受け入れた。エーフィは嬉しくてまたギュッと抱きつく。
「でさ、ブラッキーと約束したんだよね・・・ブラッキー達とデートするって。」
「Wデートすんの?」
「うん・・・」
照れくさそうに言うグラエナに、エーフィは悪いこと言っちゃったかなぁ、と少し不安になった。
「いいけど・・・ヘルガー達は迷惑に感じないかな・・・俺がいて・・・」
不安げなグラエナの頭をエーフィはそっと撫でる。
「そんなことないよぉ。私たちは私たちで楽しんだらいいんじゃんか。」
にこっと笑うエーフィにグラエナは頬を軽くペロッと舐めた。エーフィも嬉しくて、グラエナの頬にキスをした。
「さ、シャワー浴びな。」
満足したのかお互い身体を離すと、グラエナが、先にエーフィにシャワーを浴びるように言う。
「一緒に浴びようよぉ。」
「うん。」
「いつまで照れてんのぉ?」
お互いの愛を自覚して、もう結構経つというのに、グラエナはいまだに少し恥ずかしいようで、エーフィも、まだまだウブだなぁ、と嬉しいながらも毎回思っている。
グラエナはタオルを取って洗面所に持っていった。エーフィはそのあとをトコトコと付いていく。
「そういえばさ、夏休みってあと何カ月あるの?」
「2。」
楽しげなエーフィの質問に作業をしながら無愛想に答えるグラエナ。少しむすっとしたエーフィはグラエナの身体に抱きついた。
「わぁっ・・・エーフィ・・・ごめん・・・別に適当に答えたんじゃなくて・・・」
エーフィのむすっとした顔に気付いたグラエナは必死に弁明をするも、エーフィはグラエナの体毛を掻きわけてこちょこちょくすぐった。
「やめっ・・・こらっ・・・エーフィ・・・ホントごめん。」
「いいよぉ。」
謝ったときに出る、いつものエーフィの返事にほっと胸をなでおろしたグラエナ。風呂場に入るとグラエナはシャワーの温度を確認して、エーフィにかけていく。
気持ちよさそうにバシャバシャとシャワーを浴びるエーフィに、にこにことほほ笑むグラエナ。
「どしたの?」
シャワーを浴びながら聞いてくるエーフィ。
「幸せだなって。」
素直に答えるグラエナに、エーフィは照れくさそうに、それ以上に嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「えへへ・・・」
一通りエーフィが濡れたのを確認するとグラエナは買ってきたシャンプーをタオルに出して、エーフィの身体を揉むように優しく洗っていく。
「やん!ぐらえなのえっち。」
すこし触れただけでもえっち、というエーフィ。でもその顔に悪意はない。実にいい笑顔だ。でもグラエナは気分を害したと思ったのか、一度動きを止める。
「ごめん・・・」
「なんで謝るのぉ?気持ちいいから言っただけなのに。」
エーフィの本心を掴みかねていたグラエナは、エーフィの率直なその言葉を聞いて、またエーフィを優しく泡だらけにしていく。
気持ちが伝わったエーフィは、嬉しそうに目を細めてグラエナに身体を洗ってもらう。エーフィはグラエナとの時間が一番幸せだった。だから夏休みの間全く自分の部屋に帰っていない。
「やぁん。」
「ごめん。」
グラエナが幼い割れ目を洗おうとすると、毎回エーフィは甘い声を出す。けれど、それが嫌なのではなくて、エーフィなりの照れ隠しだった。
2匹は、エーフィがグラエナに薬を使った一件以降、といっても2週間しかたっていないが、性的な行為をしていない。
エーフィは少し不満を持っていたが、グラエナの後悔と自己嫌悪に満ちた気持ちを思えば、エーフィが自分で思う不満はちっぽけで、自己満足でしかない、そうも感じていた。
「あのさ。」
泡だらけになったエーフィはグラエナに呼び掛ける。
「なに?」
優しい笑顔で答えるグラエナ。エーフィはその笑顔が大好きだ。
「ぐらえな・・・あいしてる・・・」
照れて上手く言えないけれど、グラエナには伝わった。
「エーフィ。俺も愛してる。だから、明日は楽しもうよ。」
明日のデートに乗り気なグラエナに、エーフィは安堵して、泡だらけの身体で抱きしめた。グラエナもエーフィの頭を撫でる。
「さ、流そうか。」
シャワーを出して真っ白なエーフィをまたもとの紫の身体に戻していく。エーフィが洗い終わると、今度はグラエナがエーフィにごしごしと洗ってもらう。
「きもちいい?」
笑顔でごしごしと泡を立てていくエーフィはグラエナの顔を覗く。
「うん・・・」
本当に気持ちよさそうで、寝てしまいそうな顔だった。いや・・・寝ていた。
「くぅくぅ・・・」
「寝てるし。・・・ほれ。」
可愛い寝顔のグラエナには申し訳ないな、と思ったけれど、エーフィはサイコキネシスでグラエナの尻尾をピン!と引っ張る。
「いだだだっ!」
案の定、痛かったみたいで、グラエナはすぐに目を覚ました。
「ごめん、エーフィ。」
「ちょっとくらいおきててよぉ。」
不満げなエーフィにごめんなぁ、と頭を撫でる泡で真っ白なグラエナ。エーフィはすこしむすっとしたままグラエナの泡をシャワーで流していく。
グラエナの身体を綺麗にすると、2匹そろって風呂場を出た。エーフィお気に入りのタオルで何度も優しく拭いていくグラエナに、いつもながらエーフィは嬉しそうにニコニコしている。
「拭いてあげる。」
「ありがとな。」
交代だ、と言わんばかりにエーフィも自分の身体が乾くとグラエナの身体をごしごしと拭いていく。ほんとうに眠そうなグラエナを何度かぽんぽんと軽く叩くエーフィ。
「お疲れじゃん。」
「ごめっ・・・ホントに眠い・・・」
よっぽど今日疲れたんだな、とエーフィは思って、あんまりグラエナが嫌な思いをしないように優しく拭いた。
「ありがと・・・エーフィ。」
お礼を言うグラエナに、ずっと笑顔で答えるエーフィ。グラエナはそっと背中を差し出す。エーフィはいつものように乗っかる。
「さぁ・・・ベッドまで・・・ふぁぁ・・・ぐらえな見てたら私まで眠くなってきた・・・」
グラエナの背中に乗ってるエーフィは眠そうに目を前肢で擦る。エーフィの口調は愚痴を言うように、というのではなく、幸せをかみしめている、そんな感じだ。
「よっと・・・」
エーフィが気持ちよさそうにゆられているので、落とさないようにと、グラエナは慎重にベッドに飛び乗った。もう眠気に勝てないのか、エーフィはベッドに、ではなくグラエナの背中に身体を崩した。
「おやふみ・・・うあえは・・・」
「言えてない言えてない・・・おやすみエーフィ。」
もう限界、と言わんばかりに背中の上で、すぐに眠ってしまったエーフィ。その寝顔はすごく幸せそうだ。グラエナも背中の違和感を落としたら大変だ、と気を使いつつ眠りに落ちた。


一方ヘルガーの部屋。
力なくぐったりと眠っているブラッキーの傍で、せっせと水たまりの掃除をして、寝よう寝ようとあわてているヘルガー。
「なんでこんなことしたんだろうな・・・最悪だぁ・・・」
悔いている、というよりも明日のデートのことが気になって仕方がないヘルガー。グラエナとエーフィも来るって・・・と、少し悩んでいた。
「どうしたらブラッキーの前でいい格好が出来るのかな・・・」
ヘルガーの生来の性格のせいか、素直になれずどうしてもみんなの前ではいい格好をしてしまう・・・それがヘルガーの悩みだった。
グラエナには何度かあんまりやりすぎるとメッキが剥がれるよ、と忠告を受けているけれど、そのヘルガーにとってグラエナとエーフィはある種の理想なわけで・・・
そんなグラエナは別にいい格好をしているわけではない。それがグラエナの性格なのだ。自分とグラエナは違う、と思いつつも、エーフィとの仲の良さは、かなり羨ましかった。
「どうしよう・・・」
ヘルガーのもう1つの悩み。それは目の前にいるローターを割れ目に挿れたままのブラッキー。あれからすぐにシャワーも浴びず眠ってしまって、なかなかすぐには外せない。
ブラッキーの前でも未熟な自分をさらしているヘルガー。その悩みは尽きることはない。
「グラエナ・・・どうすりゃいいんだ俺。」
そんな風に問いかけても、当のグラエナはエーフィと仲良く夢の中。♀の匂いを無くなったのを何度も嗅いで確認すると、落ち着けないヘルガーもなんとかブラッキーの傍で眠った。


翌早朝、グラエナの部屋。
「ふぁぁ・・・えーふぃ・・・まだ寝てるのか・・・」
グラエナが目を開けるとまだエーフィはグラエナの背中の上でくぅくぅ可愛い寝息を立てて寝ている。
「まだ寝てるんじゃないな、まだ5時半だ。」
ふと時計に目をやるとまだ5時半。グラエナはどうやら予想外に早く起きてしまったようだ。
「ぐあえあ・・・すやすや・・・」
「!」
エーフィの寝言にびっくりしてグラエナはビクン!と体毛を逆立ててしまう。落ち着いたグラエナは起こしてないかな?とそーっと背中のエーフィに視線を移す。
「よかった・・・」
またすやすや寝息を立てているエーフィにほっと胸をなでおろすグラエナ。2度寝もできないし・・・とグラエナは寝るに寝れない朝の時間を過ごしている。
その赤い瞳は、グラエナという種の特徴の獰猛さではなく、優しさや、エーフィを思う気持ちを湛えて輝いていた。
「うーん・・・トイレ行きたいぞ・・・どうしよう・・・」
難題が、また1つ。けれど解決する方法は簡単だ。グラエナには気が引けたが。結局起こさないようにそーっとトイレへ向かった。
「はぁ・・・」
トイレをすませて安堵して、台所で朝ごはんの準備をしているグラエナ。いつもエーフィがグラエナをねんりきで抑えつけてでも朝ごはんを作ってくれるが、今日くらいは・・・とグラエナも意気込む。
マトマの実をトントンとスライスして、葉物野菜を盛ったボウルに乗せて、サラダを彩る。エーフィは・・・相変わらず眠っている。
「オレンのジュースあったかな・・・エーフィが好きだもんな・・・」
冷蔵庫をグラエナが開けると、ふわ~っとオレンのジュースの紙パックが宙に浮いた。
「エーフィ!」
「おはよっ!」
えへへ、とまぶしい笑顔で朝の挨拶をしてくれるエーフィに、グラエナもおはよう、といつもの感じで挨拶を返した。
「ところで・・・なんで朝の準備してるの?」
「い・・・いや・・・たまにはいいかなって・・・」
少し不機嫌そうだったので、動揺してしどろもどろになるグラエナ。けれどエーフィは怒っているわけではなかった。オレンのジュースをサイコキネシスでコップに注いでぐいっと飲むエーフィ。
「グラエナはなんでもやってくれようとするから・・・私だって何かさせてくれてもいいじゃん・・・って・・・」
一転して悲しげに話すエーフィ。そういえば、一緒に住んでからグラエナが何かしようとすると、そのたびにエーフィに止められた。
独りの寮住まいがすっかり身についてるグラエナはその性格のせいか、すべて自分でやってしまうのだ。エーフィはそこがどうやら不満みたい。
「でも、たまにはグラエナの朝ごはんも食べたいなぁ。」
一息ついて明るい口調で話すエーフィ。グラエナはエーフィを背中に乗せたまませっせと朝ごはんを作る。
「うーん・・・こんなもんでどうかな・・・」
木の実をすりつぶしてドレッシングを作るグラエナ。エーフィは、本当にグラエナはすごいなぁ・・・と思ってついつい見とれるばかり。
「味どう?」
グラエナは前肢をちょいっとエーフィに差し出して味見をしてもらう。エーフィは前肢ごとしゃぶる。
「ひゃ・・・ちょ、エーフィ・・・」
「いいじゃん。おいしいよ。」
思った以上に前肢をしゃぶられたグラエナは照れて頬を赤らめる。そんなグラエナにエーフィの味の感想は、いつも以上に心に響いた。
「ベッドで待ってて。すぐ持っていくから。」
「うん!」
とてもうれしそうな表情を浮かべるエーフィに、グラエナは一層やる気を出して、朝ごはんを作る。
「ふぅ・・・出来た。」
グラエナは朝ごはんを何度かに分けてベッド脇のテーブルに持っていく。エーフィも待ってました、と言わんばかりの笑顔で出来たての朝ごはんを眺める。
「もう食べていいよ。」
台所でジュースをコップに注いでいるグラエナはエーフィに言うけれど、エーフィは一向に食べ始めない。何をしてるのかな?と台所からあわててテーブルに戻る。
「食べていいって言ったのに。」
「一緒に食べないと楽しくないじゃん。ご飯がおいしくても、グラエナと一緒に楽しく食べないと・・・なんかむなしいじゃんか。」
真剣なまなざしで言うエーフィに、グラエナは最近のエーフィが時折、寂しそうにしてたのを思い出した。
「ごめん・・・楽しくないと嫌だもんね・・・」
「グラエナ・・・いいの・・・自分勝手だよね・・・私・・・」
朝から少し重たいムードになったエーフィとグラエナ。けれど食べ始めるといつものように楽しく会話しながら食べていた。
「グラエナ?頬に木の実が付いてるよ。」
「ん?」
エーフィに指摘されて右の頬を探るグラエナ。けれどなにも付いてない。
「ち、違うよぉ・・・逆だよぉ。」
くすくす笑うエーフィを見て、木の実を粒を取ったグラエナは少し安堵していた。毎朝の光景、けれど最近、エーフィが独りぼっちの時に、強くグラエナを求めていることを、グラエナは知っていた。
だから、グラエナはエーフィのデートの約束をためらうことなく、受け入れたのだ。エーフィは愛しているもの、頼っているものを強く求めるところがある。
1週間前も、エーフィはグラエナの胸でずっと泣いていた。その数時間前に、グラエナは寝ていたエーフィを置いて、買い物に行っていたからだ。
時折、グラエナはエーフィの過去を覗いた気分になることがある。エーフィから語られる自身の過去は、普通のポケモンには堪えられるものではない。
「ぐらえなぁ?どうしたの?」
エーフィのつぶらな瞳がじっとグラエナを捉えている。グラエナは優しく微笑んで、眠たい、とだけ言うと、エーフィも早起きしたからでしょぉ、と笑顔で言った。
蒼いエーフィの瞳は、エーフィという種族特有のものではなくて、エーフィ自身の持つ色素の欠乏でもある。そう、ラッキーさんからグラエナは聞かされた。
「まだ6時半じゃん・・・早起き出来てよかったけどぉ・・・」
グラエナが自分のご飯の残りを食べている間、もう食べてしまったエーフィは独り言をぼそぼそと呟いている。
「グラエナ?」
「ん?」
呼ばれたグラエナは返事をしてエーフィの方を見た。エーフィはすごくうれしそうにグラエナを見ている。照れてうつむくグラエナ。
「なんで照れてるの?いいじゃん・・・ずっと見てて。」
「いやぁ・・・嬉しくて・・・」
エーフィの前では出来るだけ素直な気持ちを吐露するようにしているグラエナ。なぜならそれが一番エーフィを安堵させることができるから。
「グラエナぁ・・・」
エーフィも顔を真っ赤にしてグラエナを見つめる。しばらく温かい沈黙が2匹を包み込んだ。


ヘルガーの部屋。
「ご・・・ごめんなさい!」
赤い瞳に涙を浮かべて必死に謝るブラッキー。ヘルガーは独りぼっちのときの寂しい顔ではなくて、また嫌な笑みを浮かべてブラッキーに接する。
「約束したじゃん、今日は取れないって。」
「ふぁ・・・」
ちょんちょん、とブラッキーの膣に挿れられたローターをつっつくヘルガー。そのたびに嬌声を上げるブラッキー。
「ま、いいや。」
「ひゃぁっ!」
割れ目から無理やりローターを引き抜いたヘルガー。愛液をぴちょぴちょ垂らすローターを、ヘルガーはニヤニヤしながら舐めずる。自由になったブラッキーはほっと安堵の表情を浮かべた。
けれどヘルガーは嫌な笑みをまだやめてない。ガサゴソと後ろを漁って、また何か取り出した。
「言った通り、今日はこれ、ずっと入れてもらうから。」
そう言ってヘルガーがブラッキーに見せたのは、コードの付いてないプラスチックで出来た楕円形のモノ。ブラッキーはなんだろう?と興味ありげに見つめる。
ニヤッと口元をゆがませて、ヘルガーはすでに持っていたスイッチを入れた。
ぶいんぶいん・・・何か、鈍く動く音が響く。
「やぁ・・・」
なにかわかったブラッキーは恐怖で顔をひきつらせる。満足げにスイッチを切ると、ヘルガーはふふっと笑った。
「これは無線のローターだぞ。結構高かったんだからな。」
「いやぁっ!」
ブラッキーの黒い肢体を抑えつけて、ヘルガーは割れ目にローターを挿しこんだ。ぷるぷるとブラッキーの身体は震える。ブラッキーは潤む瞳でヘルガーをじっと見つめた。
「外そうとしたり、独りでどっかに行こうとしないことだな。あと、トイレもNGな。」
「えぇっ!」
よどみなくすらすら喋るヘルガーに、ブラッキーは質問の余地を挟むことすら許されない。喋り終わるとヘルガーはそのまま朝ごはんを食べ始めた。ブラッキーもしぶしぶ食べ始める。
満足だったけれど、ヘルガーはすこし良心が痛んだ。ブラッキーのことが好きなのに・・・いや好きだからこんなことをしてしまう自分に・・・
時計を見るともう8時半。グラエナたちとの待ち合わせの時間は9時。そうそうのんびりもしてられない。ブラッキーは少し涙ぐみながらご飯を食べている。
「へんな行動とらなきゃ何もしないって。・・・それに嫌だろ?勘付かれるの。」
ブラッキーはコクリ、と小さくうなずいた。ふぅ、とため息をついて、少し安堵するヘルガー。


9時、寮の前。
エーフィとグラエナが楽しそうに会話をしている。エーフィもグラエナも首から小さなカバンを提げている。
「今日何するんだろうね?」
エーフィが嬉しそうに言うけれど、何も知らされていないグラエナは少し驚く。
「何も決めてないの?」
「そうだよ~。みんな集まってから決めようって。」
まぁ、そっちの方が楽しいか、と思ってヘルガーたちが出てくるのをじっと待つグラエナ。エーフィは耳に付けたリボンの位置をガラスに映った自分を見て何度も気にしている。
「ねぇ、これでいいかな?」
えへへ、と笑顔でグラエナにリボンの位置を聞いてくるエーフィ。グラエナは考えながらじっとエーフィを見つめて、うん、いいよ、と言う。
「ありがと。」
エーフィはそう言うとグラエナの頬に軽くキスをした。照れて頬を赤く染めるグラエナとエーフィ。
「ごめん!待たせた?」
ヘルガーの相変わらずの元気な声が響く。待ってないよ、と笑顔で応えるグラエナ。ブラッキーはヘルガーの後ろから来るが、少しよそよそしい。
「どうしたの?ブラッキー。」
たまらず心配になったエーフィはブラッキーの身体を少し揺さぶる。
「なぁっ・・・なんでもない・・・ちょっと眠たくて・・・」
バレバレの作り笑いを浮かべるブラッキーだけれど、エーフィは首をかしげてグラエナの元に戻っていった。
ここで勘付かれたら面白くない、と思ってヘルガーはブラッキーの傍に立って、エーフィ達に見えないようにする。けれどエーフィはかなり怪しげにヘルガーを見つめている。
「さて、今日は何をしようか?」
「え~・・・映画かな?」
とりあえず話題を変えてみるヘルガー。エーフィもヘルガーの話に乗ってきた。グラエナも黙って話を聞いている。
「なんで?」
「ポップコーン食べたい。」
ヘルガーはエーフィの映画館でポップコーン食べたい、という単純な理由にずっこけた。けれど、グラエナもとくに異論はないようで、映画で決めることにした。
「何の映画が観たいの?」
「えっと・・・海賊の映画かな・・・」
恥ずかしいのか、照れくさそうに言うエーフィ。
「何の海賊の映画?」
何が恥ずかしいのかな?と思って話に首を突っ込むグラエナ。エーフィはすこしもじもじしている。
「えーっと・・・マシンガンをぶっぱなしてタンカーを・・・」
「ちょっと待ちなさい。」
エーフィの話を可笑しいと思って唐突に切るグラエナ。
「カリブ海の方じゃないのかよ。」
ヘルガーも突っ込む。
「あんなの面白くないじゃん・・・前、グラエナと観に行ったらグラエナが3D酔いしちゃってトイレで吐いたんだよね・・・」
「ああ・・・それ言わないで・・・」
楽しそうに言うエーフィに恥ずかしくて顔を真っ赤にするグラエナ。
実は結構な頻度でデートをしているグラエナとエーフィ。その内容は映画から、公園でランチなど非常に多岐にわたる。1日中ずっといても、エーフィもグラエナも退屈ではなかった。
「3D酔いか・・・それいいな。じゃあ、今日はカリブ海の海賊の映画な。」
「えーっ!インド洋のマシン・・・」
「やかましい。」
ブーイングするエーフィをスパッと切り捨てたヘルガー。けれどエーフィはすごくうれしそうにしている。
「じゃあ映画とメシにしようか。」
「さんせ~。」
グラエナの提案にみんな頷く。思考が上手く働かないブラッキーも何とか話題についてきている。4匹の団体は動きだした。映画館はそう遠くない。
「ご飯・・・あそこ連れて行ってよ。」
「あそこ?・・・ああ、いいよ。行こう。」
エーフィとグラエナの会話にヘルガーはさっぱりだ。エーフィはすごくニコニコして、グラエナに寄り添う。
「あそこってどこだよ。」
「ああ、ちょっと高いとこ。」
ヘルガーはそんな準備をしてなかったので、驚いた。
「え!ちょっと待って、そんなとこいけねぇって!」
「大丈夫だって。」
大丈夫じゃないって、とあわてるヘルガー。
「なんでそんなとこ行くんだよ?」
「前に行ったことがあるから。」
「前?」
グラエナの言葉に、疑問を持ったヘルガーは深く突っ込んでみる。
「先々週に、仕送りしてもらった時、銀行でシステムトラブル起きてお金引き出してたと思ってたら、無くて・・・エーフィがその週のお金を肩代わりしれくれて・・・」
「グラエナは変なところおっちょこちょいだから・・・」
くすくす笑ってるエーフィと恥ずかしそうにうつむいてるグラエナ。
「結局口座にそのまま残ってたんだけど・・・お詫び代わりに、いいところに連れて行ってあげようって。」
「おいしかったよぉ~。」
すごく嬉しそうに言うエーフィに、グラエナはまだ少し顔を赤くしてる。ヘルガーは羨ましいなぁ・・・とずっと思ってた。
「高いって言うのは、場所が高いってこと。確か、神社行く道の小高い丘のところにある。」
グラエナは寮から近い、小高い丘を指さす。ヘルガーは、なるほど・・・と、頷いた。
「言っとくけど、懐はあんまり痛くならないよ。」
「よかった・・・」
ほっと胸をなでおろすヘルガー。グラエナもエーフィもお互いを見つめあってずっとニコニコしてる。ブラッキーはしんどそうに3匹の後ろを付いてきていた。
「ブラッキー・・・大丈夫?しんどいんだったら・・・」
「わ、私は大丈夫だから!」
様子がおかしい、とずっと思っていたエーフィは、ブラッキーに話しかけるが、ブラッキーはぶんぶん頭を振って、大丈夫だって、と必死に訴える。
そんなブラッキーにエーフィははぁ、とため息をついてグラエナのところに戻った。
「ぐらえな!」
「なに?背中乗っけてほしい?」
声のかけ方でわかったのか、グラエナはひょいっとエーフィに背中を差し出す。エーフィは満足げにグラエナに乗っかる。
「えへへ・・・グラエナぁ・・・」
グラエナの黒い毛並みに前肢を通したり、エーフィはグラエナの背中の上で、甘えるように身体を動かす。それをずっとニコニコして受け止めるグラエナ。
「おい・・・見せつけるなよ・・・」
「へ?」
悔しそうに言うヘルガーに、グラエナは何が?と、いたって素の表情で答える。敵わないな・・・とヘルガーも諦めてしんどそうについてくるブラッキーを見た。
ヘルガーはグラエナとエーフィがなんでここまで仲がいいのか、ずっと疑問に思っていた。実は仲が悪いけど、いい振りをしているだけだ・・・とか、いろいろ思案を巡らせても、謎のままだ。
エーフィはまぶしいくらいの笑顔をしているし、グラエナもそれに気付いているかのように、本当に幸せそう。
「ブラッキー・・・乗れよ。」
少し悔しいヘルガーも対抗して言ってみるけれど、ブラッキーはしぶしぶ、と言う具合に頷いて、それでもヘルガーの背中に乗ってくれた。
「じゃ、走るぞ。」
憂さを晴らすようにグラエナに言ったけれど、グラエナははぁ?という、少し呆れた表情を浮かべていた。たまらずヘルガーは走り出す。
「ちょ・・・ヘルガー!はぁあ・・・あいつ・・・」
疾風のように去っていったヘルガーを心配げに見つめるグラエナ。
「追いかける?」
「嫌だけど・・・仕方ないよね・・・」
エーフィも甘えた表情をやめて、グラエナに追うように言った。じゃあ、とグラエナも得意の素早さを見せる。けれどそれは、種族として得意だ、ということであって、グラエナは種族の中ではそんなに速くない。
常々エーフィも気付いていたし、たびたびグラエナに突っ込んでいた。
「ちょぉぉぉぉ・・・ぐらえあぁぁぁ!はあぃぃぃ!」
遅い、とは言うものの、やっぱりグラエナなので、相当な速さだ。風のように速く駆け抜けるグラエナ。エーフィの悲鳴みたいな声が、風にかき消されていった。
「がまんしてぇぇぇ!」
あっという間に映画館前で息切れしていたヘルガーに追いついた。
「ぐらっ・・・ぐらえなぁ・・・」
「ごめん。」
怖かったのか、瞳を潤ませるエーフィを背中から降ろして謝りながら何度も頭を撫でるグラエナ。ヘルガーはそのグラエナたちの傍で、やらなきゃよかった、と少し後悔していた。
ブラッキーは無言になってしまったし、何よりエーフィが恨めしそうな目でヘルガーをじっと睨んでいたからだ。
「じゃ、映画のチケット買ってくるわ。」
グラエナはそう言うと、券売所に向かっていった。エーフィは笑顔でグラエナを見送ると、ブラッキーの傍に駆け寄る。
「大丈夫?」
「だぁっ・・・大丈夫だって。ほ、ほら元気じゃん!」
しどろもどろになって、それでもけなげに答えるブラッキー。エーフィには、ブラッキーのどこがどう元気なのかわからなかったけれど、深くは突っ込まないことにした。
ブラッキーは怯えていた。ヘルガーが持っているスイッチに。そして何より、親友のエーフィにそれを気付かれることに。
ばれないためには、近づいてこられなければいいんだ・・・と、とにかくヘルガー以外のポケモンを遠ざけていた。ブラッキーは身体が少し火照り、下腹部が少し熱く感じている・・・
少しして、グラエナがエーフィたちのところに戻ってきた。
「買ってきたよ。ほいヘルガー達の分。」
「え?」
まさか自分たちの分まで買ってくるとは思わなかったヘルガーは、すこし驚いたけれど、差し出された2枚のチケットを受け取った。
「はい、エーフィ。」
「ありがとぉー。」
えへへへ・・・と頬を少し赤らめてエーフィはグラエナからチケットを受け取った。グラエナもエーフィを見て、優しいほほ笑みを浮かべる。
「さぁ、入るよ。」
ヘルガー達にもそう促すと、グラエナとエーフィは映画館に入っていった。


3時間後・・・
「うぇっ・・・気分悪い・・・」
顔を真っ青にして嗚咽をもらすグラエナ。劇場から出てもふらふらと、前に進むのもおぼつかない。
「グラエナ!大丈夫!?」
隣に座っていたエーフィが、何度も背中をさすったりするけれど、一向に顔色は良くならない。ヘルガーと落ち着いたブラッキーは固唾をのんで、その様子を見守っている。
「ここまでひどい3D酔いも初めて見た。」
「ち・・・ちがう・・・」
ヘルガーに何とか釈明しようとするグラエナ。あわててヘルガーもグラエナの傍で聞きとろうとする。
「うみ・・・うみ・・・みず・・・だめ・・・」
「・・・グラエナ・・・ダメすぎだろさすがに・・・」
グラエナが水を苦手としているのは、周知の事実。けれど映画のCGまでダメとなると・・・もう救いようがないな、とヘルガーは思った。
「船もダメなのか・・・」
聞こえるか聞こえないかくらいのヘルガーの呟きに、グラエナは小さくうなずく。はぁっ、と大きくため息をつくヘルガー。
「ごはん・・・たべれそうにないよね・・・」
「ごめん・・・えーふぃ・・・」
心配そうなエーフィの言葉に、グラエナは謝る。けれどエーフィはううん、と首を横に振って、気持ち悪そうに伏せているグラエナを何度も優しく撫でた。
しばらくそんな状態が続いて、エーフィの看病のせいか、グラエナの顔色は良くなっていった。
「大丈夫?」
「もう・・・大丈夫かな?」
エーフィの声に、自信なさげに答えるグラエナ。
「むぅ~・・・いっつもそんなこと言うときは、大丈夫じゃ無いじゃんか。」
「・・・そう?」
不満そうに言うエーフィに、見抜かれたか・・・と思ったグラエナだったけれど、心配無用、とばかりにゆっくりと起き上がる。
「ご飯行こうか?」
ヘルガー達に聞いてみるグラエナ。ヘルガーは心配そうにああ、とだけ答えた。
「もう大丈夫だって。」
「そうか?」
「うん。」
大丈夫だ、とグラエナが何度言っても、ヘルガーとエーフィとブラッキーは信用してないみたいで、疑惑の瞳を向ける。はぁ、とため息をついてみんなが納得してくれるのをグラエナは待った。

数十分後。
「さて、ようやくご飯に行けるな。」
ヘルガーがすっかり顔色が良くなったグラエナの傍に駆け寄って頭を撫でる。
「ごめん。」
「謝ることないって。ちょうど昼飯のピークも過ぎたろ。」
とても満足げなヘルガーに、グラエナはほっと胸をなでおろして、エーフィの傍に行く。
「ありがとう・・・エーフィ。」
「これくらい当たり前じゃん。・・・いっつもグラエナだってしてくれるじゃんか。」
まぶしい笑顔に胸を張って、えっへん、と可愛く威張るエーフィ。グラエナはそっとエーフィの頬にキスをした。
「もぉ・・・」
頬を真っ赤に染めて、照れくさそうにエーフィは目を細めた。遠巻きにそれを見つめるヘルガー。
「うっ・・・羨ましくなんてないんだからねっ!」
ついついヘルガーの口から出てしまった言葉。ブラッキーは目を丸くして聞いていた・・・聞こえていた。
「あっ・・・ブラッキー・・・別にこれは・・・」
わかってるよ、とだけ言ってクスクス笑い出したブラッキー。不幸中の幸いか、エーフィ達には聞かれてなかったみたいだ。
「じゃじゃじゃ・・・ご飯行くぞ!ぐっ・・・グラエナ!ちゃんと案内しろよな!」
恥ずかしそうな物言いのヘルガーに、事情を知らないグラエナは首を傾げたけれど、まぁいいや、とヘルガー達をレストランに連れていくために、再び進み始めた。
エーフィは寄り添うようにグラエナの傍にいて、トコトコとついてくる。ヘルガーもブラッキーと、ローターのこともすっかり忘れて、楽しく過ごす。
しばらく進んでいると、また家の近くまで帰ってきたみたいだ。グラエナは一呼吸置いて、すぐ近くの小高い丘を目指す。
「ま・・・まだか?」
「もうそこだよ。」
なぜか疲れているヘルガー。他の3匹は元気なのに、ヘルガーだけ息も荒く、ふらふらしている。
「なんでそんな疲れてんの?」
「ちょっと・・・最近ずっと家にいたから・・・体力が落ちて・・・」
ヘルガーは夏休みに入ってから、ほとんど家から出ていないのだった。買い物すらブラッキー任せ。一方のエーフィとグラエナは一緒に住んでるから、買い物も一緒にするし、外出もよくする。
そんなヘトヘトのヘルガーに、ちょっとは家出ろよ、とあきれるグラエナ。苦笑いのブラッキー。興味のないエーフィ。
ふとエーフィが顔を上げると、シックな色合いの建物が目に入った。
「あ!あれあれ!」
その建物を指さして、叫ぶエーフィ。4匹はそのレストランを見上げてその建物の前に立っていた。
「え!これ?高くない?」
ちょっと高級そうな感じのするレストランに、戸惑うヘルガー。グラエナは大丈夫だって、とだけ言うと、その建物のガラスで出来たドアをゆっくりと開いて中に入っていく。

ぎぃぃ・・・
「いらっしゃい。」
4匹が入るとすぐに、店主らしきザングースが出迎える。柔和な表情が非常に印象的だ。個人で営んでいる小さいレストランらしく、店員もそんなにいないみたいだ。
その店主らしきザングースが何かに気付いたのか、4匹の前にやってきた。
「あ、この前来てくれたグラエナくんとエーフィちゃんじゃん。」
「こんにちは!」
憶えていてくれたのが嬉しくて笑顔のエーフィとグラエナに、その柔和な表情のまま笑顔になるザングース。
「こちらへどうぞ。」
お堅い接客とは違う、年下のグラエナたちを気づかわせないような柔軟な接客術をそのザングースは見せる。4匹はザングースの案内した4匹用のテーブルに座った。
グラエナはメニューを開いて、エーフィに見せる。ヘルガーもそれを見習って、メニューをブラッキーに見せた。
「この前のおいしかったよねー。グラエナは何にするの?」
うーん・・・と少し悩んでいる様子のグラエナに、隣に座っているエーフィは思いっきり顔を近づけて瞳を覗く。
「・・・エーフィ?」
「なに?」
グラエナは目の前で瞳をキラキラ輝かせているエーフィに少し驚いた。
「びっくりした。」
「でしょ。」
エーフィはまだじーっとグラエナの瞳を覗いている。なんか付いてる?と聞いてみるグラエナに、エーフィはうれしそうに首を横に振った。
「よし、もう決めた。」
グラエナもエーフィももう注文するものを決めていたが、ヘルガーとブラッキーは迷っているのか、少し時間をかけている。
それに気付いたエーフィはブラッキーに、グラエナはヘルガーにそれぞれおすすめを教える。結局、ヘルガーもブラッキーも教えられたままのものを注文した。
ザングースはにっこりと笑ってかしこまりました、と言うと厨房へ向かっていった。

「ふい~・・・」
前肢をテーブルに伸ばすヘルガー。冷房がよく効いて、とっても涼しい。グラエナも耳を寝かせて、エーフィと楽しく喋っている。ヘルガーの隣にいるブラッキーは少し身体を震わせている。
「寒い?」
エーフィがふいに聞く。ブラッキーは首を横に振って、ううん、と答えた。
「お待たせしました。」
店員のザングースが、お皿を4つ持ってきた。つぎつぎに置かれていく料理を前に、エーフィとヘルガーはうわぁ、と嬉しそうにお皿を覗く。
「さぁ、召し上がれ。」
そう言うと、にっこりとザングースはほほ笑んでテーブルから離れていった。お腹がすいていたので、バクバクと勢いよく食べるヘルガーとブラッキー。一方のエーフィとグラエナはゆっくりとマイペースに食べていく。
「おいひいね・・・もしゃもしゃ・・・」
「うん。・・・食べ終わってから喋りなよ。」
食べて、口をモゴモゴ動かしながら喋るエーフィをいつもと同じように注意するグラエナ。
「えへへ・・・」
照れ笑いをするエーフィ。グラエナもちょん、とエーフィの頬を軽く突いた。
「なぁ・・・」
ふいにヘルガーがグラエナを呼ぶ。ん?と、食べるのを止めてグラエナも顔をあげた。
「おまえら喧嘩とかしねえの?」
ヘルガーは今日の朝からずっと疑問に思っていた。ここまで仲がいいのにはきっと裏がある・・・そう思わざるを得ない。
「しないよ。」
横からエーフィが口をはさむ。ちょっとヘルガーの聞き方が癪に障ったのか、グラエナと話す時と違ってエーフィの口調はとても険しい。
「喧嘩・・・喧嘩ねぇ・・・たとえばこんな風にか?」
「あ!」
グラエナはそう言うとエーフィの頬を軽くつねった。そんなことをするとは夢にも思わないヘルガーはびっくりして声を出す。エーフィもびっくりしてるみたいで、目を見開いていた。
もちろんグラエナは本気を出しているわけではない。あくまで例示としてそういう行動をとったまでで、すぐにエーフィの頬を離した。
「いひゃいよぉ・・・ぐらえなぁ・・・」
「ごめんごめん。」
目をうるうると潤ませてグラエナをじっと見つめるエーフィ。グラエナはそっと、あやすようにエーフィの頭を撫でる。エーフィはすぐにいつもの笑顔に戻った。
ヘルガーは気付いた。聞いてはならないことを聞いたみたいだ、と。グラエナもエーフィも少し怒っているようだ。
「なんでお前らそんなに仲がいいんだ?」
謝る代わりにヘルガーは、仲良く付き合うコツを尋ねる。
「なんでだろうね・・・」
「さぁ?」
ふふふっ、と笑うと、エーフィもグラエナもお互いの顔を見つめあう。なんだかうまいこと乗せられたな、とヘルガーは思った。
「ったく・・・」
羨ましい気持ちを隠すように、またヘルガーはバクバクと食べ始めた。
「いいなぁ・・・」
ふとブラッキーから漏れた言葉。ぴくっとヘルガーの身体が震えて、また食べるのをやめる。
「俺じゃ不満か?」
「そういうわけじゃないけど・・・」
すこしむっとしたヘルガー、ブラッキーの含みのある回答がさらに追い打ちをかける。
「なんだよ!」
「ごめん・・・」
ぷいっと横を向いてご飯を食べるヘルガー。ブラッキーは謝るけれど、ヘルガーは拗ねたままだ。
「ちょっとぉ!デートで喧嘩しないでよぉ!」
エーフィも怒った。けれどヘルガーは拗ねたままずっと外を向いている。いつしか食べ終わって空のお皿が並んだ。
「帰ろうか・・・」
グラエナが悪い空気を察して、ブラッキーとエーフィを先にレストランから出すと、清算を済ませる。もちろん、ヘルガーと割り勘で。
「また喧嘩した・・・」
ヘルガーは会計を済ませているグラエナに落ち込んだ声で言う。グラエナははぁ、とため息をついてうつむくヘルガーの角を慰めるようにちょんちょん、と数回触った。
「はぁ・・・なんでお前らそんなに仲がいいんだ?」
うつむいているうえにボソボソ喋っているヘルガーだったけれど、グラエナにはちゃんと聞こえていた。
「そんなの簡単だって。」
「えっ・・・」
簡単、その答えに、ヘルガーは唖然とする。グラエナはにこっと口元をほころばせると、また喋り出す。
「俺がエーフィを守りたいから。エーフィには自分で幸せを選択してほしいから・・・それを邪魔する奴から、エーフィを守りたいから。」
照れくさそうに喋るグラエナだが、その言葉はヘルガーには痛いほど伝わった。
「守る・・・」
「そう。エーフィが苦しんだり、悩んだりしてるのを見てるのは辛いから・・・」
グラエナの言葉には何よりも重みがある。グラエナとエーフィ・・・この2匹はいじめられる側といじめる側にあった。
けれど、エーフィも自分の気持ちの中のジレンマを解消して、グラエナと恋人以上の関係になっている。グラエナも自分の素直な気持ちを見つめ直して、エーフィとの関係を築き上げた。
「まま、多分店から出たらエーフィが頬でもつねってくれるんじゃないかな?」
「なんだそれ・・・」

エーフィとブラッキー、2匹でヘルガーとグラエナが会計を終わらせるのを外で待つ。
「また喧嘩しちゃった・・・」
ブラッキーがエーフィに涙声で言う。エーフィも少しうつむいてブラッキーの頭を何回か撫でた。
「なんで・・・なんでエーフィとグラエナはずっと仲がいいの・・・?」
涙でかすれる声を必死にエーフィは受け取る。
「好きだから・・・かなぁ・・・」
「えっ・・・」
至極当たり前の答えに、ブラッキーは困惑する。エーフィは間を置いて、頭をポリポリ掻いた。
「うぅん・・・好きなんじゃない・・・愛してるから・・・」
愛してる、その言葉にブラッキーもエーフィも顔を真っ赤にする。
「グラエナがいくら格好悪くても、守ってくれるし・・・グラエナが私のことを1番に考えてくれるから・・・」
エーフィの蒼い瞳には躊躇いなどなかった。素直な気持ちを淡々と述べている。ブラッキーは、普段の悪友としてのエーフィと全く違う表情に戸惑いつつも話を聞いていた。
「さっき、グラエナが私の頬をつねったとき・・・ブラッキーはどう思った?暴力的とか?」
「え・・・えっと・・・うん・・・」
逆に聞かれてたじろぐブラッキー。グラエナがエーフィの頬をつねったのは、私から見れば、ただの暴力・・・そうブラッキーは感じた。
「じゃあ、私がグラエナが出てきたら、グラエナの頬を思いっきりつねるよ、そしたらグラエナは怒ると思う?」
「うん。」
当たり前じゃん、とブラッキーは言う。いきなり叩かれたりすれば、誰だって怒る。
「見てて。」
ぎぃ、という音を立てて、ドアが開いた。グラエナとヘルガーがレストランから出てきた。エーフィはニコニコしてグラエナに近づく。
「ぐらえなぁ~?」
「んっ?」
ぎゅっ・・・
エーフィはブラッキーに予告した通り、力いっぱいグラエナの頬をつねった。
「いだだだだだ・・・」
グラエナの赤い瞳は涙でうるうると潤んでいるが、特に怒るような様子は見せない。エーフィはグラエナの頬を離した。
「あぁ・・・痛かった。エーフィ?」
赤らんだ頬を前肢で撫でて、エーフィの方を見たグラエナ。
「えへへ・・・ごめんグラエナ・・・ふぁっ!」
エーフィが謝ると、グラエナはにこっと笑って耳を甘く噛んだ。くすぐったいのか、ぷるぷると身体を震わせるエーフィ。グラエナもすぐに噛むのをやめた。
「俺が先につねったから、これでおあいこだよ?エーフィ。」
「うん・・・ぐらえなぁ。」
エーフィもグラエナに負けないくらい頬が赤くなっていた。見せつけられたブラッキーとヘルガーはただただその一部始終を黙って見ているしかなかった。
「なにやっても喧嘩しそうにないな・・・」
ヘルガーがぼそっと呟いた。ブラッキーもうん、と軽くうなずく。
「さ、帰るよ。」
グラエナがヘルガー達に言った。少し落ち着いたヘルガーとブラッキーは寮に向かってとことこ歩いていくグラエナとエーフィについていく。
後ろからエーフィとグラエナと見つめるヘルガー。エーフィとグラエナは身体を擦り合わせてずっと寄り添うように進んでいく。
「・・・」
ヘルガーは自分が恥ずかしくなった。ブラッキーのことを一番に考えているはずなのに、喧嘩して、それなのに自分からは謝れない・・・
目の前にいるグラエナは、エーフィのことを優先して考えて、エーフィもその気持ちに応えて・・・喧嘩もしなくて・・・ずっと仲がいい・・・
ヘルガーがずっと悩んでいるうちに、寮に着いてしまった。
「どうする?もう自分の部屋に帰る?」
「えーっ・・・もうちょっと何かしようよぉ。」
グラエナの部屋の前で話し込む4匹。みんなまだまだ遊び足りないみたいで、どうするか、なかなか話がまとまらない。
「んじゃ、俺の部屋で何かしよっか。」
「さんせー。」
グラエナの提案に、みんな頷く。3匹はグラエナが部屋のカギを開けると、次々にグラエナの部屋に入っていった。

「綺麗だな・・・」
片付いたグラエナの部屋を見て、ヘルガーもブラッキーも感心して見ている。
「ヘルガーの部屋は汚いからね・・・」
「んだとぉ!」
「やめろっ!」
また喧嘩しそうになる2匹を一喝するグラエナ。エーフィもそんなグラエナの声を聞いたことがなかったので、びっくりして軽く放心状態になっていた。
「お前らさ、喧嘩するのはいいけど、お互いの気持ちをどうとも思わないのか?」
急に説教じみた声で、ヘルガー達を叱るグラエナ。ヘルガーはしょんぼりして、グラエナの話に聞き入っている。
「ジュース持ってきたよ。」
エーフィが台所からトレーに乗ったコップを4つ持ってきた。ありがとう、とエーフィの頭を撫でるグラエナ。お互いを恥じたブラッキーとヘルガーは顔を少し赤くしてジュースを取る。
「ぐらえなぁ・・・ジュースがもうないよぉ・・・」
少し困った表情のエーフィに気付いたグラエナは、そっか・・・と間をおく。
「あとで一緒に買い物いこっか。」
「うん!」
一緒に、という言葉を聞いた途端にエーフィはまた笑顔になった。そのまぶしい笑顔を見たグラエナもつられて優しく微笑む。ヘルガーは、自分から謝ろうと思った。
「ごめん・・・ブラッキー・・・」
「え!?」
謝るヘルガーに、戸惑うブラッキー。なぜならブラッキーは今までヘルガーが謝ったところを見たことがなかったからだ。
「俺が悪かった・・・ごめん・・・」
「ヘルガー・・・」
ヘルガーは感じていた。自分の気持ちに素直になれないと、自分の理想形であるグラエナとエーフィみたいにはなれないんだ・・・と。
「いいの・・・私も少し、余計なこと言いすぎたから・・・」
「ブラッキー・・・」
仲良くジュースを飲んでいるエーフィとグラエナも、ヘルガーとブラッキーが仲直りしているのを見て、安堵した。
「じゃ・・・ちょっとジュース買い出しに行こっか?」
「行こう行こう!」
タイミング良く、エーフィとグラエナは部屋から出て行こうとする。
「じゃ、留守よろしく!」
「ちょっと待て!・・・待ってって。」
あわてて外出しようとするグラエナを、あわてて止めるヘルガー。なんだろう・・・とグラエナはヘルガーの方を振り向いた。
「なに?」
「いやぁ・・・俺も連れてってくれよ・・・力持ちの♂がいた方がいいだろ?」
ヘルガーにしては珍しいな・・・とグラエナは少し不審がる。一方のエーフィはかなり不満そう。
「エーフィ、どうしよっか?俺とヘルガーとで行こうか?」
「むぅ~・・・私たちはお留守番ってこと?」
頬を膨らませて、怒ったような口調で話すエーフィ。間をおいて、エーフィは目を瞑る。しばし、沈黙が流れた。
「わかった。」
目をゆっくりと開いて、再びエーフィは話す。
「グラエナとヘルガーで行ってきていいよ。」
「ごめんな。またゆっくり買い物行こう。」
不満げなエーフィを軽く抱くグラエナ。エーフィもうん、とかすかな声を発して頬を赤らめた。ぽんぽん、と抱いたまま軽くエーフィの背を叩くと、グラエナはヘルガーを連れて部屋から出ていった。

「暑いな・・・」
外に出て、すぐにヘルガーは暑い暑いと不満を漏らす。
「なんなら来なきゃよかったのに。」
グラエナはあきれてヘルガーに言った。ヘルガーもごめん、と軽く謝るとまた近所のスーパーに向けて進みだす。ヘルガーは今まで役立つ機会のなかったローターのスイッチをそっと取り出した。
「なにニヤニヤしてんだよ?」
気持ち悪そうにヘルガーに言うグラエナ。あわててヘルガーは平静を装う。
「いやいや、なんでもないって。」
「そうか?」
しばらくして、進んでいくグラエナの少し後ろで、ヘルガーはローターのスイッチに手をかける・・・

グラエナのベッドの傍で、エーフィとブラッキーは退屈そうに伏せている。
「涼しいね。エーフィ。」
「そーだね・・・」
2匹でのんびりと、床に四肢を伸ばす。エーフィは少し眠そうだ。ブラッキーは下腹部に違和感を覚えつつ、それでも次第に気にならなくなっていた。
「グラエナって、夜はどんなの?」
「へ?」
唐突なブラッキーの質問。♀同士でしかこんな会話は絶対にできない。
「夜だよ。せ・・・」
「わぁぁぁ!」
さすがにグラエナのことが大好きだからって、ここまでの自慢は・・・したくない。エーフィは話題をかき消すように、大声を出した。
「その様子だと・・・かなりお楽しみみたいだね・・・」
ヘルガーには見せない残酷な笑みを浮かべて、ブラッキーは言う。エーフィは、ふるふると首を横に振った。
「どうなの?」
「えっと・・・言えるわけないじゃんか。そんなの。」
恥ずかしさと、顔を真っ赤にしたエーフィに、ブラッキーはすっごく笑顔だ。でもエーフィはグラエナとの夜を言う気にはなれなかった。
「ぶ、ブラッキーこそどうなのよぉ・・・」
「へっ?」
エーフィに質問を返されたブラッキーは動揺して身体が固まる。別に聞きたいわけではないエーフィは、ブラッキーが固まるとお茶を汲みに台所へ向かう。
「おちゃー・・・お茶っと・・・グラエナ特製のモモンの葉で淹れたお茶。おいしいから・・・」
冷蔵庫をガサゴソと探りながら独り言をぶつぶつつぶやくエーフィ。
「あ、あった。」
お茶の入ったプラスチック容器を取って、冷蔵庫のドアを閉める。そしてお茶をなみなみとコップに注いでいった。
”ふぁぁぁっ!”
突然のブラッキーの悲鳴。びっくりしたエーフィは薄紫の身体をぴくっと震わせてコップを台所に置いたままベッドルームに戻ろうとする。
”ふぁっ!え、えーふぃ!こないでぇっ!”
必死のブラッキーの訴えに、エーフィは何だろう・・・と首をかしげる。
「どうしよう・・・」
エーフィは迷った。好奇心と友達を思う気持ちを優先して、すぐさまブラッキーのところに駆けつけるか、それともブラッキーの言葉の通り行かないべきか。
「こういう時、グラエナならすっごい怖いから・・・」
グラエナは、こんな状況の時は、威嚇しながらゆっくりと近づいていく。私は、グラエナほど、威嚇はできないし・・・と、エーフィは台所で独り頭を抱える。
”きちゃいやぁっ!ふぁぁぁっ!”
「そんなこといわれても・・・」
寝室から響く悲鳴に、エーフィはゆっくり近づいていくことにした。


カチッ・・・
ヘルガーはいったんローターのスイッチを止めて、紙パックのジュースをじっと見つめているグラエナの所へ行く。
「迷ってんの?」
「ああ。・・・エーフィはオレンのジュースが大好きなんだよな・・・でも来客時はモモンのジュースって決めてるし・・・」
グラエナはうーん・・・と唸っている。
「両方買えよ。」
ヘルガーはそう言ってグラエナの背中をポンポンと叩いた。
「あ・・・」
「なんだ?」
突然、動きを止めたグラエナ。何事かと、ヘルガーはグラエナの顔を覗き見る。
「両方買えばいいんだ・・・」
「・・・アホか。」
心配して損した、とヘルガーはグラエナの尻尾を軽くはたいた。グラエナもごめんごめん、と軽く謝りながら口に咥えているかごに紙パックのジュースを2本、入れた。

「ブラッキー?」
「きちゃいやぁっ!」
必死にエーフィを止めるけれど、エーフィはぐんぐんブラッキーに近づいてくる。
「ぶ・・・ぶらっきー・・・」
ブラッキーの姿を見たエーフィは言葉を失った。
「み、みないでぇっ・・・」
何度も訴えるブラッキー。黒い身体は汗にまみれ、割れ目からは何かの液体をちょろちょろと広げていた。こんな姿を見られたら羞恥で気が可笑しくなるだろう・・・きっと。
「どしたの?」
まったく事情を理解していないエーフィは不思議にブラッキーに聞く。トイレがわからなかったのかなぁ・・・とエーフィはブラッキーの姿を見て思った。
「トイレなら・・・あっちだけど・・・」
「うぅん・・・」
ぶんぶんと首を横に振るブラッキー。確かに、ブラッキーからする匂いはおしっこの匂いと言うよりは、♀の、ほんの少しの酸味を感じるようなモノだった。
「どうしたの?」
「ふあっ・・・そのっ・・・」
もじもじして、なかなか言おうとしないブラッキー。とりあえずエーフィはブラッキーをトイレに連れて行って、床に撒き散らされた液体を拭きとる。
「はぁっ・・・ぐらえなぁ・・・早く帰ってきてよね・・・」
不安なエーフィはふと呟いた。
”ふぁぁぁっっ!きゃぁぁん!やぁぁっ!”
トイレからブラッキーの悲鳴が聞こえる。エーフィは心配になって、トイレへ向かった。
「大丈夫?」
エーフィはトイレのドアをノックしながら何度も大丈夫?と聞いた。ブラッキーはそのたびに大丈夫、と言う。

「はぁぁっ・・・こんなのやだよぉっ・・・」
トイレの中のブラッキーはエーフィがいなくなるのを耳で確認すると独り言をつぶやく。便座に跨ることすら、今のブラッキーには苦しい。
なにしろ、四肢はプルプル震えているし、快楽の波がおさまったと思ったら、また自分の膣のローターが音を立てて柔肉を抉るように動くし。そのローターが蠢くたびに愛液がピュッピュと割れ目から噴き出す。
すでに便座にも、床にも愛液が飛び散っている。膣はすでに熱く感じ、ちょっとの刺激でもかなりの性的快感を催す。
「抜いちゃおう・・・ヘルガーに何て言われてもいいやもぉ・・・」
ブラッキーはそう呟くと、割れ目に前肢を伸ばす。前肢を近づけただけでも、下腹部は何かを求めるようにぴくぴくと律動した。
「ふぁぁぁ・・・」
触れただけで、甘い声が思わず漏れる。これでナカにゆっくりと指を入れないといけないのだから、その快感は相当なものになる、ブラッキーは少し恐怖を感じていた。
ピンクに輝く割れ目にそっと指を挿しこんでいくブラッキー。
「ふぁっ・・・」
後ろ脚も尻尾も快楽を欲しているのか、入れるたびにぴくぴくと気持ちよさそうに動く。
「いぁっ・・・イきそうだよぉ・・・」
散々快楽を沁みこまされた膣は指で触れるだけで絶頂に近づきつつある。ブラッキーは何とかそれを抑えようとするも・・・
「ひぁぁぁ・・・」
また割れ目から愛液がちょろちょろと湧き出る。ブラッキーもう便座に跨る気力がなかったので、トイレの壁に体重をかけて座る姿勢になった。
ヴヴヴヴヴ・・・
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
またローターが動きだし、割れ目からとめどなく愛液を噴き出させた。トイレの床もあっという間に愛液の水たまりが出来ていく。
「ふぁぁっ!やぁぁぁっ!やめぇぇぇっ!きゃぁぁぁん!」
混乱するブラッキーが下腹部に手を当ててみると、ブルブルとローターの振動がお腹越しに伝わった。
「イ・・・っちゃ・・・ふぁぁ・・・はぁはぁはぁ・・・」
見透かされているかのように、イく寸前でローターは動きを止めた。ブラッキーは四肢を力なく垂らして、ただ喘いでいるだけだ。

ギィ・・・
「ブラッキー?」
さっきの喘ぎ声で異常を察知したエーフィが鍵の掛かってないトイレのドアを開けて、ブラッキーの様子を見に来たのだ。
「いあっ・・・えーふぃ・・・みちゃいやぁっ・・・」
トイレには♀の匂いが充満し、愛液で出来た大きな水たまりはブラッキーの後ろ脚を濡らせていた。
「トイレで何してんのよぉ・・・」
エーフィはブラッキーがトイレの中で自慰でもしてたのかな・・・とよからぬ想像をしていた。
「みっ・・・見ないで・・・」
ブラッキーは必死に痴態を隠そうとするけれど、エーフィはため息をついて近づいてくる。
「ひとんちのトイレで変なことしないでよ。」
そういうとエーフィはトイレットペーパーで愛液を拭き始める。ブラッキーはイきたい欲求に次第にかられていった。エーフィがいるにもかかわらず、前肢で割れ目を何度か突く。
「ひぁぁ・・・」
喘ぐブラッキーを不審がってエーフィは顔を近づけてきた。ブラッキーはあわてて行為を中断する。
エーフィは混乱していた。親友がここまで乱れている姿を見て。そして、夜にヘルガーから与えられているだろう性的快楽を想像して。
グラエナは優しいし、あの事件の前はマイペースに夜の営みもしてたとは思うけれど・・・とエーフィは少し物思いにふける。あの夜以降、グラエナはエーフィに手を出したことはない。
「グラエナ・・・」
エーフィは呟く。物足りなさと、それでも自分の気持ちを最優先してくれるグラエナに。
「ちょぉっ・・・みないでぇ・・・」
「ふぅん。」
じろじろと舐めるようにブラッキーの身体を見つめるエーフィ。ブラッキーは前肢で割れ目を隠そうとする。
「はぁ。」
エーフィは上気してきたのを感じていた。たぶん原因は目の前の痴態。親友のブラッキー。
ヴヴヴ・・・
「ひゃぁぁぁぁぁ!やめぇぇっ!ふぁぁっ・・・」
エーフィにもはっきりと、ブラッキーの下腹部からする変な振動音を聞きとることができた。そして目の前で気持ちよさそうに悶えているブラッキー。その喘ぎ声はとっても淫猥なものだ。
「へっ・・・へるがぁ!やめっ・・・いいよぉ・・・ふぁぁ・・・イっちゃうよぉ!・・・」
ブラッキーのイっちゃう、という言葉にエーフィは耳を疑う。そんなこと絶対に言えない。そして自分も言ってないだろうか、と少し不安になる。
「イ・・・イっちゃう!やぁぁぁぁっ!いあぁぁぁっ!・・・あぁっ・・・あぁぁっ・・・」
ぷしゃぁぁぁ・・・
少し大きな声で喘いだ後、ブラッキーの身体は大きく痙攣し、割れ目から勢いよく潮を噴き出した。
「きゃぁっ!」
ブラッキーに顔を近づけていたエーフィに、その潮がびちゃびちゃとかかった。ブラッキーは放心状態で潮にぬれた親友の顔を見つめる。気付けばいつの間にか、ローターの動きは止まっていた。
「ふぁっ・・・」
「ひどいよぉ・・・ぶらっきぃ・・・」
目を潤ませてブラッキーをじっと見つめるエーフィ。快楽におぼれるブラッキーも正気ではいられない。これはとんでもなく恥ずかしいことだ、というのはブラッキーよりもむしろエーフィの方がよく感じていた。
意識を失うように、ブラッキーは瞳を閉じる。

ガチャ・・・
不意に玄関から音が聞こえた。
「あっ・・・グラエナかな・・・」
あわててエーフィは♀の匂いに塗れて、愛液に浸かっているブラッキーをそのままトイレに隠して洗面所で顔を洗う。
「ただいま~・・・あれ?誰もいない・・・」
「え?そんなわけないだろ・・・」
ヘルガーとグラエナの声が寝室の方から響く。エーフィは顔を拭くと、すぐさまグラエナのもとに向かった。
「眠いの?」
「えっ?」
グラエナがエーフィに聞いた。なんでだろう、とエーフィは首をかしげる。
「あー・・・いやいや。眠かったから顔洗ったのかなって・・・」
「グラエナぁ・・・」
エーフィのまだ少し濡れて冷たい頬を、グラエナは優しく撫でた。エーフィは嬉しくて、グラエナの差し出された前肢をギュッと握りしめる。
「エーフィ。ごめんな。一緒に行きたかったんだけど。」
「ううん・・・いいの。」
甘い時間が流れる。おいてけぼりのヘルガーはブラッキーを探すことにした。
「ブラッキーは?」
「え!?とっ・・・トイレにいるよ・・・」
エーフィがすごく動揺していたので、ローターの効果があったな、とヘルガーはほくそ笑む。ん?と何かに気付いたグラエナはヘルガーをじっと睨む。
「ヘルガー?」
グラエナの声に、ヘルガーは顔をあげてグラエナを見た。
「えっ・・・グラエナ・・・そんな怖い目でみるなよ・・・」
何かしたんだろう、と、そんな瞳でヘルガーを睨むままのグラエナ。グラエナの本気が怖いヘルガーは落ち着けよ、と必死に諭す。
「まぁいいや。エーフィ。冷蔵庫の整理するから、一緒に来てくれる?」
「うん。」
グラエナはエーフィを連れて台所に向かっていった。ヘルガーはブラッキーの”今”を探るために、トイレに向かった。

「モモンのジュースは今必要だから、すぐ届くところに置いとくね~。」
エーフィの可愛い声が狭い台所に響く。グラエナもありがと~、とスパイスの整理をしながら軽く振った尻尾でエーフィを撫でる。
台所はかなり狭い。奥に冷蔵庫があって、そのすぐ脇に調味料置きと、エーフィとグラエナの2匹が通るのがやっとのスペースがあって、流しがある。
だから背を向けあっているときに不用意に尻尾を振ったりすれば、すぐ傍の流しで作業をしているポケモンに当たってしまう。
「ぐらえなぁ・・・もぉ・・・」
けれどエーフィとグラエナ、この2匹はうまくそのスペースを活用している。作業中で四肢が離せないときに尻尾でリアクションをとったり、時にぎゅーっと抱きついたり。
「えっと・・・こんなもんか。」
グラエナは買ってきたスパイスを詰め替えてエーフィの手の届きやすいように整理すると、冷蔵庫の前で首をかしげているエーフィのところに向かう。
「どしたの?」
「あぁ・・・グラエナ・・・どうしよっかなって。」
エーフィの目の前には、紙パックのジュースが2本。
グラエナが大好きなさっきのと違う予備のモモンのジュースと、エーフィが大好きなオレンのジュース。どうにも、どっちを奥にするかでエーフィは悩んでるみたい。
「どっちが奥かってこと?」
「うん・・・」
「そんなのこうすりゃいいじゃん。」
そう言ってグラエナはオレンのジュースを手前に置いて、モモンのジュースを奥に置いた。
「グラエナが取りにくいじゃんか。私だったらサイコキネシスで奥にあっても取れるし・・・」
「俺だって身体を伸ばせば取れるよ。」
グラエナは冷蔵庫に身体を突っ込んでエーフィに言った。
「うふふっ・・・変なのぉ。」
クスクス笑うエーフィ。グラエナも冷蔵庫から身体を引っ張り出すと、だよね、と笑った。

コンコン・・・
トイレのドアを何度かノックしてみるヘルガー。けれど中にいるであろうブラッキーからの反応はない。
「おーい・・・ブラッキー?」
今度は嫌な笑みを浮かべて、声をかけるヘルガー。いけないと自分では思いつつもニヤニヤはなかなか止まらなかった。
ギィィ・・・
「ぶ・ら・っき・ぃ?」
ヘルガーは声を弾ませてトイレのドアを開けた。暗闇に、しくしくと悲しげな鳴き声が響いている。ヘルガーはトイレの電気を付けた。
「うっ・・・」
充満する♀の匂いに誘われそうになりつつも、目の前の愛液に下肢を浸らせるブラッキーを見つめる。
「ふぇっ・・・えっ・・・えっ・・・」
びしょびしょのブラッキーを見て、悪いことしちゃったなぁ・・・とヘルガーはようやく思った。
「ブラッキー?」
「ふぇっ・・・へっ・・・へるがぁ・・・えっえっ・・・」
泣いているブラッキーをあやすように頭を撫でるヘルガー。しばらくすると、ブラッキーは泣きやんだ。
「ブラッキー、気持ちよかっただろ?」
意地悪に聞くヘルガーに、ブラッキーは、うん、と素直に首を縦に振った。
「エーフィに・・・かけちゃった・・・」
「えっ・・・」
ヘルガーの背筋は凍えた。何をかけたのか・・・というのは、考えなくとも分かったからだ。潮を吹いた・・・そうに違いない、ヘルガーが確信するとともに、エーフィが少し羨ましかった。
そっと愛液の垂れる割れ目を触ったブラッキーに欲情しつつもヘルガーはトイレの床を拭き始める。
「綺麗にしないとな・・・」
ヘルガーの呟きとごしごしと床を拭く音だけがトイレに響いた。ブラッキーは再びしんどそうにウトウトしている。
「こんなもんでいっか・・・」
一通り綺麗になったトイレ。水道で前肢を洗うと、ヘルガーはいつの間にか眠ったブラッキーを背負って、グラエナたちのところに戻った。
「グラエナ?」
ヘルガーが声をかけると、グラエナが台所から出てきた。
「どした?」
「ブラッキーが寝ちゃったから、帰るわ。」
ヘルガーは珍しく優しい目つきで、ブラッキーを見たあと、グラエナの方を振り返った。
「そっか。あ、これ、持って帰れよ。」
グラエナはそう言ってモモンのジュースの紙パックを差し出す。そのグラエナがモモンのジュースが好きなことを知っていたヘルガーは少し驚く。
「これ・・・いいのか?」
「いいよ。」
笑顔のグラエナに、ヘルガーはありがとな、とだけ言ってグラエナの部屋を後にした。


ガチャ・・・
ヘルガーは自分の部屋の鍵を開けて、入った。ブラッキーはまだすやすやと眠っている。
「そりゃ疲れるよな・・・」
そうとだけ言って、ヘルガーも瞳を閉じた。けれど眠れるわけではない。ブラッキーの様子をうかがいつつゴロゴロしているだけだ。
「んっ・・・ん・・・」
気持ちよさそうにしているブラッキーを見て、ヘルガーは自分の欲望を馬鹿らしく思ったけれど、それでもそれを解消したいとも思った。
「よっと・・・」
ヘルガーはゆっくりと背中のブラッキーを床に降ろして、割れ目にまだ挿しこまれたままのローターを探ろうとする。
「んぁっ・・・」
指を割れ目に入れるか入れないかのところで、ブラッキーが喘ぐ。ヘルガーはそのたびにビクビクして、落ち着くのを待った。
じゅぷ・・・
すでに大量の愛液で濡れた割れ目は、指を入れるだけで溢れそうなくらい絡みついてくる。
「ぁぁっ・・・んふぁっ・・・」
寝ながらでも感じているみたいで、ヘルガーが柔肉に指を進めようと進めまいと、ブラッキーは喘ぐ。ヘルガーも嫌な汗をかきつつ、指をローターの近くまでぐいぐいと進める。
じゅぷぷ・・・
「これかな・・・」
ヘルガーの指先に硬いプラスチックの感覚が伝わる。掻き出そうと、指をくいくいと動かしてみるヘルガー。じゅぷじゅぷと音はするけれど、なかなかうまく取り出せない。
「ふぁぁっ・・・へっ・・・へるがぁ?」
「!」
ブラッキーが起きたみたいだ。ヘルガーは短い体毛を震わせて、そっとブラッキーの顔に目をやる。そして、再び身体を舐めまわすように見る。
♀の匂いを放って、その汗ばむ黒い肢体はプルプルと小刻みに震え、赤い澄んだ瞳は潤んで、今にも何かを求めてきそうな、そんな瞳だった。
「抜いちゃうか。な?」
ローターを抜くことに、ブラッキーの同意を求めた。ブラッキーも軽く縦に首を振って、受け入れる。ヘルガーは再び膣の柔肉に挿れたままの指を動かし始める。
じゅぷっ・・・
「ふぁぁぁっ・・・ぁぁっ・・・」
ヘルガーの指は、濡れた膣肉を掻きわけて再びローターを捉える。けれど締め付ける柔肉は、なかなかヘルガーの思い通りにはさせてくれない。
「おいっ・・・締めるなよ。」
「そぉっ・・・そにゃことし・・・あぁぁっ・・・してないよぉっ・・・ふぁぁっ・・」
顔を赤らめて必死に否定するブラッキー。ピクピク痙攣させるブラッキーの身体は、とっても欲しがっている、そうヘルガーは感じた。
じゅぷ・・・
「はぁっ・・・はゃくして・・・」
「わかったって。」
じゅぷぷっ・・・
「きゃはぁっ!」
急かされたヘルガーは一気にローターを引き抜いた。ヘルガーが手にしたローターはすでに愛液に塗れ、ブラッキーの割れ目と同じようにいやらしく光っている。
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」
「大丈夫?」
ヘルガーの問いにブラッキーはまた、うん、と軽くうなずいた。
「ヤろっか。」
「えっ!?」
ヘルガーの呟きに、ブラッキーは力の入らない身体を精いっぱいに起こして止めて、と訴える。
「大丈夫だって。」
「ひゃぁぁっ!」
ブラッキーが悲鳴を上げるも、ヘルガーはすでにブラッキーに跨り、割れ目をその瞳でしっかりと捉えている。
「やだって・・・やめてよ・・・」
「え?いいじゃん。」
へへへ、とヤな笑みを浮かべてヘルガーは勃った自分のモノをブラッキーに差し出した。
「しゃぶれよ。」
ヘルガーは常々言いたかったセリフを言ってみた。
「えーっ!?やろうよっ!・・・」
楽しそうに答えるブラッキーもなぜかノリノリだ。ヘルガーはその変わりようにびっくりして、一瞬放心状態になった。
「じゃ、よろしく。」
そう言ってヘルガーはブラッキーがやりやすいように、腰を落として姿勢を低くする。ブラッキーもそれに応えるようにヘルガーのモノを咥えた。
「んふぅっ・・・んふぁっ・・・」
ヘルガーは小刻みに感じる快感に脳を揺さぶられながらも、ブラッキーの割れ目に舌をそっと挿れていく。
「んぁぁっ!・・・」
舌が割れ目に入ったとたんに、ブラッキーは大きく喘いだ。ヘルガーは愛液の溢れる割れ目に、舌をずいずいと押し込んで進めていく。
「あぁっ・・・ぁっ・・・あっぁっ・・・」
ブラッキーが喘ぐたびに、ヘルガーのモノへの刺激が止まり、ヘルガーとってはじれったい。けれどブラッキーはそれでも懸命にヘルガーのモノをぬちょぬちょとしゃぶっている。
舌がブラッキーのよく感じるポイントを突いたのか、ブラッキーは愛液をピュッピュと噴き出す。
「ぁっ・・・いい・・・へるがぁっ・・・もっと・・・」
ヘルガーもブラッキーに応えるように舌の動きを活発にしてブラッキーを満足させていく。
「ふぁっ・・・もう・・・イきそぅ・・・はぁぁん!あぁぁん!」
ブラッキーが大きく喘いだとたん、その黒い肢体はぶるぶる痙攣し、ぷしゃぁぁ・・・とまた潮を吹いた。
「ぁぁっ・・・ふぁぁっ・・・ぁぁぁぁ・・・ぁぅ・・・」
ぐたっと力なくブラッキーは倒れた。
「ブラッキー?大丈夫か?」
心配するヘルガーにブラッキーは何も答えずすやすやと眠っているだけだ。
「わるいことしちゃったなぁ・・・」
一応反省の弁を述べるとヘルガーはブラッキーが途中で咥えるのを止めて、おさまりの効かない自分のモノを何度か扱いてどぴゅどぴゅと精を放った。
「あっ・・・」
周りを見ていなかったヘルガーの白い粘液はあっという間にブラッキーの黒い胸を汚していった。申し訳ないな、と思いつつもヘルガーも限界で、白い粘液を自ら浴びるようにブラッキーに倒れこんだ。
「好きだよ・・・ぶらっきー・・・」
そのセリフを言うには遅すぎたな、とヘルガーは思ったけれど、ブラッキーはそのセリフに反応するかのように、首を2,3度縦に振った。
「ブラッキー・・・」
前肢を後ろに回して、自分より少し小さなブラッキーを抱き上げる。自分のお腹の上で、ブラッキーが安定したのを確かめるとヘルガーは眠りに落ちた。
晩御飯を食べるのもすっかり忘れて・・・ヘルガーがそれに気付いたのは、お互いの体液がすっかり乾いてカピカピになってからだった。


一方、グラエナの部屋。
グラエナはヘルガーが帰ってからせわしなく掃除をしている。コップを洗って乾かして、晩御飯の準備をしていた。
「今日は何を作ろうかな・・・」
エーフィはさっきからベッドにうずくまって体調が良くないみたいだ。心配なグラエナはさっきからずっと寝室のエーフィを覗いては作業をし、というのを繰り返している。
さっき整理した冷蔵庫を覗いて木の実を探っては戻し、エーフィの大好きなものをずっと考えている。
「えーふぃ・・・」
ヘルガーが帰ってすぐに、エーフィは頭が痛いって言って、ベットに寝てしまった。グラエナは何度か声をかけたけれど、辛いみたいで、エーフィの反応もいまいち芳しくない。
「エーフィはオムライスが好きだったな・・・」
呟きながらグラエナは実家から送ってもらった米櫃に升を突っ込んで、3杯、掬った。そしてそのお米をじゃぶじゃぶと洗い、火にくべて炊いている。
米が炊けるまで休憩することにしたグラエナはそっと元気のないエーフィに近づいていく。
「ぐ・・・ぐらえな?」
近づく前にエーフィが身体をぴくっと動かしてグラエナの方を見た。すこしドキッとしたグラエナ。
「エーフィ・・・大丈夫?」
グラエナの問いにエーフィはうん、と軽く首を縦に振る。優しいほほ笑みを浮かべたグラエナはそっと傍によってエーフィの頭を撫でた。
「無理しなくていいよ。」
「ぐらっ・・ぐらぇなぁ・・・ふぇっ・・・えっ・・・ふぇぇっ・・・」
よほど辛いのか、グラエナの身体をギュッと抱きしめて泣き始めたエーフィ。その薄紫の身体はぷるぷると震え、グラエナのグレーの毛並みにも、エーフィの涙が浸食してきた。
「ぇっぇっ・・・ぇっ・・・このままぇぉいぃ?」
ぽろぽろと溢れる涙でろれつが回らないエーフィだったけれど、グラエナは意味だけを受け取って、いいよ、とエーフィの望むように、ベッドに上った。
黒とグレーの毛並みのグラエナに、埋まるように強く抱きしめる薄紫の毛並みのエーフィ。グラエナもエーフィの涙がおさまるまで、いやおさまってからもずっと一緒にいる。
エーフィは自分がなんで泣いているのか、わからなかった。でも、いつもグラエナなら受け止めてくれる。
「ふぇぇぇん・・・ふえぇぇっ・・・ふぇぇっ・・・ぇっぇっ・・・」
グラエナの身体はエーフィには信じられないくらい温かい。自分がグラエナに思う気持ちに、グラエナが応えてくれる、エーフィはそんな温かさをずっと感じる。
震えるエーフィの身体を優しく抱きしめるグラエナ。
「ぇぐえぐ・・・ふぇぇぇっ・・・・」
グラエナはエーフィが朝から辛い思いをしてたんだな、と感じ、それを少し悔いて、でもエーフィの傍からはずっと離れない。

しゅぅぅぅ・・・
ずっと抱き合っていたグラエナとエーフィの耳に、ご飯の炊けた合図が伝わる。いつもならすぐに止めないといけないのに、グラエナもエーフィもじっと抱き合ったままだ。
「・・・焦げちゃうよ・・・ぐらえなぁ・・・」
「そう?」
グラエナが泣きやんだエーフィから離れようとすると、エーフィはグラエナの身体にしがみついて引き留める。
「いいじゃん・・・」
「まぁね。」
また2匹は身体をぴったりとくっつける。グラエナはエーフィの潤んだ瞳をじっと見ていた。エーフィは恥じらうようにグラエナの黒い前肢の先っちょの爪をじっと見つめている。
ぐぅぅぅ~・・・空腹をこらえきれない2匹。
「ご飯・・・食べよっか。」
「うん・・・」
グラエナの提案に、エーフィは静かにうなずく。いつもどおり、背中にエーフィを乗っけて、グラエナは台所へと戻った。

「うわ・・・ちょっと焦げてるわ・・・」
炊けたご飯を覗いて、がっくりと落ち込むグラエナ。
「ごめんな、エーフィ。」
「ううん・・・そんなことないよ。私だってグラエナを止めたんだから・・・私だって悪いよ。」
謝るグラエナの頭を何度も撫でて、エーフィはご飯をよそう。
「オムライス作れるかな・・・」
焦げの少ないご飯の山を見つめて、グラエナは呟く。
「グラエナ・・・」
「ん?あ・・・いやね、エーフィがオムライス好きだったから。」
エーフィはグラエナの気遣いが、いつも嬉しい。期待はずれだったことはほとんどないから。そんなグラエナに、エーフィは告白する・・・いじめる前のことを思い出していた。

その時は恋人ではなかったけれど・・・今、こうなってるのも不思議じゃない・・・そんな関係だったな・・・と、エーフィは思った。

じゅっ・・・フライパンが水をはじく音とともに、グラエナはせっせとチキンライスを作っていた。口にケチャップを咥えて、前肢でほいほいとご飯を炒める様は、エーフィが見ていて、いつも面白い。
「味・・・見てくれる?」
「いいよぉ~。」
火を止めたグラエナが、エーフィにスプーン1杯のチキンライスを差し出す。エーフィも嬉しくて、それをぱくっと食べた。
「もしゃもしゃ・・・おいひいよぉ・・・」
頬張るエーフィを見てふふっとグラエナもほほ笑む。
「ありがとうエーフィ。よし、次は卵だ。」
グラエナはフライパンの上で卵を炒めてほいほいっとオムライスを2つ、作り上げた。
「卵固いかな・・・柔らかいのは苦手だったから・・・」
テーブルの上にオムライスを2つならべて、グラエナは何やらぶつくさと独り言を言っている。エーフィも台所からケチャップを取ってきて、オムライスの上にかけた。
「ほら・・グラエナそっくり。」
「なんだこれ・・・ふふっ・・・」
エーフィに促されて、オムライスの上にケチャップで描かれた絵を見つめるグラエナ。エーフィの言葉通り、オムライスの上には赤いグラエナの似顔絵が描かれていた。
「上手いな・・・」
「でしょ?」
そっくり、ではあったけれど、オムライスにかけるケチャップの量としては多くて、黄色い卵が少し見えなくなっている。
「じゃあ、グラエナのに私の顔、描いたげる。」
グラエナが返事をする前に、エーフィはサイコキネシスでひょいひょいっと自分そっくりな絵を、グラエナのオムライスの上に描いた。
「もったいないな・・・食べちゃうのが・・・」
ふと漏れたグラエナの本音に、エーフィは顔を紅潮させた。
「しょ!しょんあことないよ!グラエナに食べてもらって、私の絵の意味があるんじゃんか。」
デレデレのエーフィにグラエナは頬に軽くキスをしてあげた。
「グラエナ、いただきます。」
「エーフィ、ありがと。いただきます。」
食事の挨拶をすると、2匹は勢いよくオムライスを食べ始める。もうオムライスの上の絵のことなど2匹ともすっかり忘れていた。
あっという間にオムライスの乗っていたお皿は、空っぽになった。
「ごちそうさまぁ~。」
「えーふぃ。」
「なに?」
「顔にケチャップ付いてるよ。」
エーフィはその薄紫の頬にまっかなケチャップを付けている。グラエナは注意深く食べたのか、ほとんどケチャップは付いていなかった。グラエナはそれを指摘するけれど・・・
「はい。」
顔を差し出すエーフィ。
「舐める?」
「うん、舐めてほしいな。」
仕方ないな、とケチャップの付いているエーフィに負けないくらい、頬を赤らめたグラエナはそっと舌をエーフィの頬に這わせる。
「んひゃぁ・・・」
くすぐったくて、いちいち反応するエーフィ。
「取れたよ。」
「ありがとぉ・・・」
エーフィは食事が終わるとすぐに、シャワーを浴びにいった。グラエナはその間に、食器の片づけやら何やら仕事をしていた。

「シャワー、浴びなよ。」
「ありがと。」
エーフィがまだ湿った身体で、ゴロゴロしているグラエナに言う。グラエナもすぐに身体を起こして、風呂場へ向かう。
「どしたのエーフィ?」
グラエナがエーフィの身体を見ると、何かを我慢しているのか、少し震えていた。
「なんでもないよぉ・・・」
とはいうものの、顔も少し赤いし、グラエナは気にはなったけれど、シャワー浴びてからでいいや、とさっさとシャワーを浴びることにした。
ぎゅっ・・・
「グラエナ!」
「え・・・エーフィ?」
唐突にグラエナに抱きつくエーフィ。
「どうしたの?」
心配になったグラエナは真剣なまなざしでエーフィをじっと見つめる。
「ぐらえな・・・わたしのこと・・・好き?」
潤む瞳でじっとグラエナを捉え続けるエーフィは、ためらうようにグラエナに聞いた。
「好きにきまってるじゃんか・・・」
即答するグラエナ。エーフィが少し艶やかな色香を放っていることに、グラエナは気付いた。
「グラエナは・・・好きなんでしょ・・・私のこと・・・」
涙をぽろぽろこぼすエーフィ。色っぽいエーフィに戸惑いを隠せないグラエナ。
「こんなことしても怒らない?」
「えっ?」
エーフィはそういうと台所へ走って何かをガサゴソと探り、そして何かを咥えたまま風呂場へ向かった。グラエナもそれを追っかける。
「エーフィ!」
心配してエーフィの名前を叫ぶグラエナ。グラエナが風呂場に着くとエーフィは何かを手に持って、普段は使わない浅いバスタブに立っていた。
風呂場にはシャワーと浴槽があり、4足のポケモンが使うときは、ほとんど意味のないくらい浅いバスタブが備え付けられている。グラエナは水が苦手なので、いつもシャワーだけで済ましていた。
「これ・・・グラエナが大好きなモモンのジュースだよ・・・」
エーフィはモモンのジュースの入った紙パックを開けると、そっと自分の身体に近づけた。
「こんなことしたら怒るよね・・・」
「やめっ・・・」
エーフィは仰向けに寝転がると、グラエナの制止も聞かず、ちょろちょろと、モモンのジュースを自分の身体に浴びせ始めた。
「んんっ・・・んっ・・・」
冷たいからか、可愛い嬌声を上げるエーフィ。モモンのジュースはほかの果実ジュースに比べて、粘度が比較的高い。桃色の粘液、と冗談めかしていうポケモンも少なくない。
その少しとろみのあるジュースを前肢・・・後ろ脚・・・胸・・・とかけてエーフィはゆっくりと自分の身体をジュース・・・桃色の粘液まみれにしていく。
甘い匂いに、エーフィ自身が少し興奮しそうになっていた。四肢もぴくぴくと軽く痙攣しているし。桃色の粘液に覆われていく自分の姿を、グラエナはどう思ってるんだろぉ・・・とエーフィは気にしていた。
「んっ・・・ぁっ・・・」
最後の仕上げとばかりに、幼い割れ目の周囲にもジュースをかけたエーフィ。ジュースまみれになった身体で、若干放心状態になっているグラエナを見た。
浴槽には栓がしてあり、身体に含まれなかったジュースが留まり、エーフィの身体を浮かべるような感じになっている。薄紫の毛並みも、ジュースの色でさらに薄くなっていた。
「これでも怒らない?」
頬を赤らめて挑発的に言うエーフィ。ぴちょぴちょと桃色の粘液が身体を垂れて、エーフィはすでに性的な感覚を目覚めさせられていた。
グラエナはエーフィの肢体を見て、また自分は何かやってしまうんではないか、という思いに駆られて、素直に自分の気持ちを吐きだすことができなくなっていた。
「怒らないよ・・・だって・・・エーフィが好きだから・・・」
そう答えるのが精いっぱいだった。
「好きだったら・・・どうするの?」
無邪気な笑顔で、エーフィはグラエナに聞く。グラエナは戸惑いつつも、エーフィに言う。
「でも・・・俺なんか・・・いだだだ!」
なかなか踏ん切りのつかないグラエナに、少しエーフィは怒っていっつもより強めに尻尾を引っ張った。
「いいじゃん!私のことが好きだったら・・・ぐらえなが好きなようにしたらいいんじゃんかぁ・・・」
頬を真っ赤にして求めるエーフィに、グラエナはうん、と小さくうなずいてバスタブの桃色のエーフィに覆いかぶさる。
「ぐらえなぁ・・・こういうのもいいじゃん・・・」
粘液に耳も、四肢も、尻尾も浸らせているエーフィを見て、グラエナはふふっと笑う。
「あんまりひどいとこのままほっとくよ。」
「でもグラエナはそんなことしないもん。だよね?ね?」
エーフィは甘い声でグラエナを誘う。エーフィもグラエナもクスクス笑うと、お互いを見つめあう。
「2Lの紙パック丸ごと使っちゃって・・・」
グラエナはぴちゃぴちゃと粘液を前肢で掬って、エーフィの身体に盛るように塗りこんでいく。エーフィはそのたびに身体を震わせる。
「やぁん。ぐらえなのえっちぃ。」
「俺がえっちなら、エーフィはなんなんだ?」
「えっ・・・ひゃぁん・・・わたしも・・・ううん・・・わたしはグラエナがほしいの。ひゃん・・・」
エーフィはすでに目が虚ろになるくらい、桃色の粘液のべとつく感覚に、五感を狂わされていた。甘い匂い、水とは違う粘る感触、そして目の前の大好きなグラエナ。
「あーあ・・・せっかくエーフィもシャワー浴びたばっかなのになぁ・・・」
残念そうに言うグラエナだったけれど、綺麗なエーフィとは違う、乱れた今の姿にも、魅力を感じていた。
「じゃあ・・・きれいにしてよぉ・・・ひゃっ・・・」
エーフィはそう言って顔をグラエナの方に向ける。グラエナもそれに応えるように、舌を出してエーフィの顔に近づける。
「ひゃん!ひゃっ・・・ぐらえぁ・・・ひゃぁん!」
グラエナはエーフィの身体に舌を這わせて、身体を舐めまわすように、ジュースを舐め取っていく。
「ひゃぅぅん!くすぐったいよぉ・・・ぐあえぁぁ・・・ひゃぁぁっ・・・」
エーフィはくすぐったさと、グラエナの身体をはいずり回る舌の感覚で頭が混乱し、目に涙を浮かべていた。身体も次第に熱く火照ってくるのを感じ取っていた。
グラエナが舐めども舐めども、エーフィの薄紫の体毛はすぐにまた桃色の粘液で覆われていく。ぴちょぴちょという音が、風呂場に響いていく。
「ぐらえなぁ・・・もっと・・・やってよぉ・・・」
「ひはもふかれるんはっえ・・・」
舌が疲れたみたいで、グラエナはべーっと舌を出してはぁはぁ、と息を荒くしている。エーフィは求めるように身体をくねくねとねじらせる。
グラエナは手で、エーフィが飽きないように身体を愛撫していく。そしてその手は、2つの突起を捉えた。
「ひゃぁぁっ!ぐらっ・・・ひゃぅ・・・いいよぉ・・・ふぁぁっ・・・」
エーフィのすっかり紅潮した顔をみたグラエナは、乳首をつまんだり、優しく転がしたりとエーフィの性的快楽を強めていく。
「ひゃっ・・・ひゃぁっ・・・ひゃぅっ・・・」
すでにエーフィの身体はぴくぴくと震え、熱を帯びた身体には、グラエナの刺激はとても気持ちのいいものだった。
「ぁっ・・・あぁぁっ・・・」
舌を乳首に近づけて、吸い始めるグラエナ。薄紫のエーフィの身体はぴくぴくと震えっぱなしだ。
「ひゃぅぅっ・・・きもひいいひょぉ・・・ぐらえなぁ・・・」
グラエナはジュースを吸い取るように・・・けれど胸もついでにぺろぺろと舐める。
「ひぁぁ・・・やぁぁっ・・・はぁはぁ・・・」
すっかり感じて息の荒くなったエーフィ。満足したグラエナはエーフィの顔に、自分の顔を近づける。エーフィも求めるように顔を上げる。
「んふぅ・・・んふぁっ・・・んっ・・・」
2匹は唇を重ねると同時に、手を握ってディープキスを始めた。エーフィもグラエナもお互いの舌を絡ませて、甘い唾液を送り込んでいく。
「んっ・・・んふっ・・・んぅ・・・」
グラエナの舌は、モモンのジュースの味がして、エーフィにはとっても心地がいい。普段のグラエナとのディープキスの方が心地いいのは確かだけれど・・・
ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てて、お互いの口腔を貪る2匹。エーフィは身体の芯がじんじんと熱くなるのを感じて、身体を桃色の粘液の中で這わせる。
「えーふぃ・・・」
「すきだよぉ・・・ぐらえぁ・・・ふぁぁ・・・」
汚れ、喘ぐエーフィを見て、グラエナはエーフィの手を強く握って、キスを続けた。
「ふぁぁっ・・・」
お互いの口腔に桃色の粘液の甘い味が広がったころ、2匹は唇を遠ざけた。
「ふあっ・・・糸できた・・・」
エーフィの言葉の通り、グラエナとエーフィの口の間に、透明な糸がかかっていた。エーフィはそれを切ったグラエナを残念そうに見つめる。
「あぁん・・・もったいないじゃんか・・・」
「いつでもキスはできるじゃん・・・」
グラエナの言葉の通りだと、エーフィは思った。キスくらいなら、グラエナならいつだってしてくれる。
「ひゃぁ・・・」
グラエナは一度エーフィの身体から遠ざかると、前肢でエーフィの後ろ脚を軽く押さえた。紫の毛並みの中から割れ目の中の膣の綺麗なピンクがよく見える・・・ナカはすでに愛液があふれるくらいに濡れて、やらしく光っている。
「エーフィ・・・」
「いいよぉ・・・やってよぉ・・・」
エーフィの身体を心配するけれど、エーフィは明らかに求めている。
「明日・・・動けなくなるよ・・・」
「いいの・・・グラエナがすきだから・・・」
にこっと微笑むエーフィ。グラエナも嬉しい気持ちを感じてうつむく。
「エーフィ・・・」
グラエナはエーフィの気持ちを確かめると、前肢で割れ目を少し突っつく。
「きゃぁん!」
割れ目を少し突っついただけでも、愛液が少し垂れてきた。グラエナは意地悪に2,3回突っついてみた。
「ひゃぁっ!ぐらえなぁっ!やぁぁん!」
エーフィは信じられないくらいに喘いで、とっても気持ちよさそうだ。桃色の粘液をぱしゃぱしゃと荒して悶えるエーフィ。愛液は桃色の粘液と混ざって、綺麗なグラデーションを織りなす。
「おあずけだったんだよぉ・・・」
「そういう言葉は使わないの。じゃ、挿れるから。」
グラエナはエーフィをたしなめると、指をゆっくりと愛液のあふれる割れ目に挿れていく。慣れないのか、ぶるぶるとエーフィが身体を震わせ、愛液がトロトロとあふれ出る。
「はぁぁん!はぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁっぁっ・・・いいよぉ・・・」
じゅぷじゅぷと淫猥な音を立てて、膣の柔肉はグラエナの指を呑み込み、締めつける。そのたびに愛液と蜜がピュッピュと吹き出て、エーフィの幼い膣を保護する。
エーフィはグラエナの指の感覚と快楽に、思考を焦がされつつあった。
「ふぁぁっ・・・ぐあえぁぁ・・・ぁぁっ・・・ふぁぁ・・・」
溢れる愛液は、桃色の粘液に塗れるお尻に1筋の紫のラインを描いていった。グラエナはゆっくり柔肉をほぐすように、指をずいずいと膣の奥へと進めていく。
「ふぁぁっ・・・」
「ナカはキツキツじゃん・・・指が・・・」
一度指の動きを止めたグラエナ。指は膣壁に少し締めつけられていた。乱れるエーフィは、バスタブの壁に脚を当てたり、桃色の粘液をかき乱すようにバシャバシャと激しく四肢と身体を悶えさせている。
次第にジュースの甘い匂いだけではなくて、甘酸っぱいような♀の匂いもエーフィから醸し出されていた。
「やらしいよね・・・わたし・・・」
割れ目から愛液が出ている感覚がわかるのか、自虐をするエーフィ。
「俺のことが好きだったら、やらしくはないよ。」
そう言ってグラエナが慰めると、安堵したエーフィはまた耳に粘液を浸すようにびしゃっと頭を粘液に打ち付けた。
「ゆび・・・うごかして・・・」
自ら求めるエーフィに、グラエナはいいよ、と応えてクチュクチュと膣の柔肉を掻きわけ、指を出し入れする動きを始めた。
「やぁん!ひゃぁぁっ!ぐあぇあぁっ!・・・ふぁぁっ!やぁぁん!」
とめどなく溢れる愛液と、エーフィの喘ぐ声。素早く動かされるグラエナの指は、次第に膣の収縮に捉えられていく。
エーフィはバシャバシャと桃色の粘液に四肢を狂ったように動かして快感に耐えているが、思考ははっきりせず、もはや絶頂を待つだけだった。
「ぁぁぁっ・・・ひゃぁぁ・・・ぐあえぁぁ・・・あ・・・ぁっ・・・ひゃぁん!・・・なんあ・・・くるよぉ・・・やぁぁ・・・」
絶頂が近いのは、グラエナもわかっていた。じゅぷじゅぷと動かせば収縮で膣の柔肉は締め付けがキツくなるし、それを逃そうと愛液は指に絡みつくとそのまま割れ目から小川のようにあふれてくるし。
「やぁ・・・くぅょぉっ・・・きぁっ・・・」
快感に身体を嬲られ、でもゆだねるしかないエーフィは、思考の回路が焼き切れてしまいそうになる。ぱっくり開いて、閉じれない口からはだらしなく涎をだらりと垂らす。
「きゃひゃぁぁっ!」
エーフィの脳を電撃のような快感が襲い、その電撃で思考は完全にショートしてしまった。
「ひゃぁぁっ!きぁっ!ふぁぁぁっ!やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぁぁぁぁっ・・・・ぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁぁ・・・ぁっ・・・」
大きな喘ぎ声とともに身体はぴくぴくと痙攣し、薄紫の割れ目からぷしゃぁぁぁと愛液を噴き出す。おもらしをしたように噴き出した大量の愛液は身体にまとわりつく桃色の粘液を薄めていった。
初めは甘い匂いの方がキツかったが、エーフィがイったあとは♀の匂いも濃厚になっている。
「ふぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁっ・・・ぐあえぁのっ・・・ゆびぃ・・・ぁぁ・・・ぁ・・・」
まだ膣のナカのグラエナの指に反応して喘ぎ続けるエーフィ。心配したグラエナは愛液に塗れる指を抜くに抜けない。エーフィが落ち着くのを待った。
「ぐらえなぁ・・・」
まだ虚ろな声でグラエナを呼ぶエーフィ。
「抜いていい?」
グラエナが聞くとエーフィは嬉しそうに、うん!と答えた。じゅぷぷっと音を立ててグラエナは自分の指を引き抜いた。それでも愛液は溢れんばかりに割れ目から出てくる。
「ひゃぁぁっ・・・」
指を引き抜いただけでもエーフィの薄紫の身体はびくびくと震え、まだ快感の余韻に浸っているのがグラエナにもわかった。エーフィはまだ肢体をぴちゃぴちゃと桃色の粘液に悶えさせている。
いつしかグラエナも桃色の粘液に塗れ、黒とグレーの体毛に甘い匂いをまとっていた。
「ねぇっ!」
嬉しそうなエーフィの声。グラエナはエーフィの顔をじっと見つめる。
「なに?」
「舐めてあげる。」
「え・・・」
何を・・・なのかすぐさま理解できたグラエナは顔から血の気が引くのがわかったけれど、もう身体をエーフィのねんりきで抑えつけられ抵抗は望めない。
ぱしゃぁぁん・・・
グラエナはエーフィのサイコキネシスであおむけにモモンのジュースの風呂にひっくり返された。エーフィもイった疲れからか、うまくは動けていない、けれどグラエナを思う気持ちで張り切っている。
「おっきくなってんじゃん・・・」
エーフィが見つめる先には、グラエナのすっかり勃って大きくなったモノ。グラエナは隠すように四肢をぱたぱた動かすが、エーフィは、えへへ・・・と笑うとゆっくりモノに顔を近づけていく。
もちろん、モノもすでにモモンのジュースがべっとりと付いている。それを同じようにモモンのジュースに塗れたエーフィがそっと・・・咥える。
「ひゃ・・・」
「かわいい・・・」
モノを舐められてついつい声をあげたグラエナに、エーフィはにこっと笑って可愛い、と言った。恥ずかしくて目を背けるグラエナ。
ちゅぱちゅぱ・・・
「えっ・・・えーふぃぃ・・・やめっ・・・やめぇ・・・」
一転して責められるグラエナは、気持ちよさとエーフィの技についついうっとり感じてしまう。エーフィは幸せそうにジュースが付いて甘くなったグラエナのモノをしゃぶる。
「んふぅ・・・んふぁっ・・・んっ・・・んっ・・・」
ねとねととねちっこっく舐めていくエーフィに、身体の力がすっかり抜けてしまったグラエナ。モノはどんどん大きくなるし、絶頂も近い。
「あっ・・・もうだめ・・・でる・・・」
グラエナが間の抜けたような声を出した瞬間、グラエナのモノはどくどくと脈打って、白濁をエーフィの口腔に放った。
「ん!んんんー!んっんっ・・・」
満足げに全てを舐めていくエーフィ。グラエナは全ての力が抜けて、エーフィと同じように桃色の粘液に塗れた。
「おいひかった・・・」
倒れこむグラエナを笑顔で見つめるエーフィ。
「エーフィ?タチの悪い悪戯はダメだよ。」
グラエナも悪戯っ気満面の笑みでエーフィを見つめる。
「ぐらえなぁ・・・」
エーフィの声に応えるように、グラエナは身体を起こす。そしてまたエーフィを倒した。
「ひゃぁん!ぐらえなぁ・・・」
「もうこれで最後だよ。」
またグラエナはエーフィの割れ目をじろじろと見つめる。お尻と下肢の付け根は桃色の粘液に塗れているが、割れ目は愛液が綺麗に掃除をしていた。
「きゃはぁっ!・・・ひゃぁぁん・・・」
グラエナは最後に、エーフィの割れ目の柔肉にそっと舌を滑り込ませる。ふと、グラエナの舌はまるっこい可愛いモノを捉えた。
「あんひゃほへ・・・」
かるくぺろっとその可愛いマメみたいなものを舐めてみるグラエナ。
「ひゃぁぁぁっ!だぁ・・・だめぇ・・・」
途端にエーフィの身体はびくびくと震え、聞いたことのないような甘い喘ぎ声を出した。膣からも愛液をピュッピュッピュと抑制が効かないように噴き出す。
「やぁっ・・・ぐあえ!ひゃぁぁっ・・・」
グラエナはエーフィがやめてよぉ・・・と必死に訴える傍らで、ぺろぺろと舐めていった。
「だめあっぇ!ひゃぁぁん!やぁぁぁぁ!ぁぁっ!」
エーフィは悶えて身体のあちこちをバスタブに打ち付ける。ゴンゴンと響く音にグラエナもさすがにやりすぎたと思ったので、いったん止めた。
「ふぁ・・・なんでやめたのぉ・・・」
「さっきからゴンゴン、バスタブに手とか脚とか打ち付けるから・・・」
止めたら止めたで、エーフィは止めないで、と訴えてくるし、グラエナはどうにも・・・思案に困る。
「そにゃことしにゃいからぁ・・・やっえよぉ・・・」
目を潤ませて訴えるエーフィ。エーフィは快感でもう思考がまとまらず、ただただ快楽を欲するだけだった。
「そんなこと言われてもね・・・ここ・・・どうなってるの?」
「ひゃぁぁぁん!」
グラエナはそっとエーフィの下腹部をエーフィに見せつける。愛液があふれ出る自分の割れ目を見たエーフィは恥ずかしくて頬だけでなく顔を真っ赤にする。
「いいじゃんかぁ・・・グラエナはわたしのこと・・・好きなんでしょ・・・」
「気絶しても知らないよ。」
「いいもん。」
純粋無垢な笑みでグラエナに、いいもん!というエーフィ。グラエナもまたエーフィの割れ目の柔肉に舌を挿れる。すぐにマメは見つかった。
「ひゃぁぁっ・・・いいよぉっ!・・・ぐあえぁぁっ!」
ぺろぺろと舐めるたびにピュッピュと噴き出す愛液に顔を濡らせながらグラエナは奮闘する。
「きゃぁっ!やあっ!だめあっえ・・・あ・・・あ・・・だめじゃあい・・・」
さっきの問答のせいか、いちいちうるさいエーフィの喘ぎ声にグラエナは苦笑いしつつ、プルプル震えるエーフィの身体を抑える。
ぺろっ・・・
「やぁん!ぐあえぁぁ・・・やぁっ・・・もう・・・だめぁっえ・・・」
エーフィは再び脳髄を焦がされるような快感に身体を再び大きく震わせていく。
噴き出す愛液に、羞恥と快楽を感じるエーフィ。グラエナはそんなエーフィの身体をそっと押さえて膣に侵入させた舌を器用に動かしていた。
「やぁぁっ・・・やめぇっ・・・ひゃぁぁん・・・」
グラエナはエーフィの本心を掴みかねていた。やだやだいう割に、止めると不満を言うし、やり続けても心が痛む。
いまの嫌がり方はヤってほしいんだろう、ともう勝手に解釈したグラエナはマメを逃さないようにぺろぺろと舐めずる。
「やぇぇよぉ!いぁぁん!ぁぁぁぁぁっ!」
「聞こえない聞こえない。」
どんどんエーフィの割れ目から溢れる愛液の量は多くなっているし、微妙な粘りも付いた蜜も、グラエナの顔に少しかかってきた。
エーフィの瞳はうるうると潤み、口数が少なくなってきた。身体の震えも、グラエナが感じる限りでは大きくなっている。
「やぁぁぁぁ!」
また大きく喘ぐと、エーフィの頭は真っ白に流されていった。
「やぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁっ・・・やぁぁ・・・やぁぁぁあっぁぁぁぁぁ!・・・ぁぁぁっ・・・ぁぁっ・・・ぁぁ・・・」
エーフィの身体をさっきよりも大きな快感が突き抜ける。ビクビクっと身体を大きく跳ねて、快楽を受け止めるように背は反らせ、快感の波が尽きるに従ってエーフィの身体は力なくぐたっと倒れた。
「エーフィ?ひゃっ・・・」
仕上げ、と言う具合にさっきよりも粘度の高い愛液・・・蜜が幼い割れ目からぴゅぴゅっと噴き出し、グラエナの顔にべっとりと付いた。
「はぁぁ・・・はぁぁ・・・ぐあぇぁぁ・・・ぁぁぁ・・・ぁぁっ・・・あぅ・・・」
喘ぎ続けるエーフィの身体を撫でたグラエナは、そのままエーフィに覆いかぶさる。
「大丈夫?」
「はぁはぁ・・・うんっ・・・はぁはぁ・・・」
エーフィはとても満足げにグラエナに応える。
「身体・・流そうか・・・」
愛液と白濁・・・はすべてエーフィが飲んだとして、それでもモモンのジュースに塗れた2匹は次第に身体がべとべとする感覚に襲われていた。
「いいじゃんか・・・このままで・・・」
エーフィは急ぐグラエナを引き留める。
「明日の朝にする?」
「ううん・・・気が済むまでずっと。」
にこっと笑うエーフィ。その無垢な笑顔はグラエナの心にも届いた。
「このままじゃ寝づらいだろ。」
「えっ?」
グラエナは仰向けで硬いバスタブに背を当てているエーフィを掴んだ。
「ひゃぁん・・・もお・・・」
エーフィは気付くとグラエナのグレーのお腹の上に乗っけられていた。温かく、柔らかいグラエナの毛並み・・・エーフィはうっとりとしてる。
「ぐらえなぁ・・・ありがと・・・」
「このまま寝てもいいよ。」
「じゃあさ、手、貸して?」
グラエナはエーフィが望むように前肢をエーフィのお腹の上に乗っけた。仰向けのエーフィはその前肢を自分の胸の前で組むと、グラエナの方に振りかえる。
「えへへ・・・久しぶりだよね・・・こんなふうにするの・・・」
頬を赤らめてエーフィはグラエナに言う。グラエナもうん、と頷いて温かい紫の毛玉を軽く抱きしめる。
「おやすみ・・・ぐらえな?起きたらちゃんと流してよぉ?」
「あたりまえじゃん。」
グラエナはエーフィの後頭部をペロッと舐めた。
「ひゃぁ・・・」
エーフィがくすぐったがって、身体をふるふると震わせると、そのままエーフィは眠りに着いた。
「おやすみ・・・エーフィ。」
くぅくぅと気持ちよさそうに寝息を立てているエーフィを見て、安堵するとグラエナもそのうちに・・・眠気に負けた。

幸せの形はどうあれさまざまなものだよ・・・とね。


この作品は、ヘルガーのカップルとグラエナのカップルを比較させて描きたかったのでどうにもまどろっこしい書きかたになっていると思います。
相変わらず詰めて詰めてで、いささか読みにくいとは思いますけれど、次からはちゃんとできたら・・・いいな。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。


・誤字、脱字、おかしなところ、メッセージ等あれば以下によろしくお願いします


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Last-modified: 2013-02-13 (水) 00:00:00
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