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名無しの4∨クリムガン 人間とポケモンの非構成的証明の法則

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名無しの4∨クリムガン プロローグ】 
名無しの4∨クリムガン ヤグルマの森で】  
名無しの4∨クリムガン シッポウシティのムーランド
名無しの4∨クリムガン 夕陽の色の生存戦略テロル




 夏のにおいがする。
 夏は焼けた金属のにおいがするように思う。鉄か、真鍮か、それとも鈴か。どことなく強烈な主張が鼻の奥にまで届いてくる。おれの中に流れる血が太陽に熱せられてそういうふうに感じるのかもしれない。
 夏はほかの季節と違って、過ごしにくいという意味で厳しい季節ではあるけれど、逆に、金属のような輝かしさも備えているように思う。明るいのも、眩しいのも、悪くない。
 いろんな存在がそれぞれ、自分をせいいっぱいに主張してくる。ここにいる、と叫んでいる。たとえば夏の虫なんかはわかりやすい例だ。それだけじゃない、空気や、水や、あるいは木々も同じように声をあげている。
 感覚的なことを言っているから誰かに伝わるとも思わないし、誰かに伝える意図もない。けれど、おれの心の中の真実としては、そういう肌で感じる微妙な違いがある。
 夏の始まり、ヤグルマの森だった。
 虫たちの鳴き声が木々の間を幾度となく反響している。うるさい。けれどセミの声も遠くのほうから聞こえてくるような感覚があって、虫の声を除けばむしろ静寂があたりを包んでいる。夏の強烈な日差しも、森の中にまでは届かない。
 石炭のように濃い陰影で覆われている彩度の高い風景。かろうじて見える道。誰かが通ったあとが、獣道よりは多少マシな程度に草を切り開いている。それにしたって人間がそこを歩くには、いささか骨が折れただろう。
 けれど、おれは野生のポケモンだ。そういう道を歩くのには慣れていた。人間がつくったアスファルトも歩きやすくていいけれど、なんとはなしに、おれにはこっちのほうが合っている気がした。
 おれはクリムガン。ドラゴンタイプのポケモンだ。もっとも、それは種族としての分類上はそうなるということで、おれという個体を識別するための名前は、まだない。これからも、たぶんないままだろう。
 まあ、この場合それもあまり関係ない。おれは野生のポケモンで、どこにでもいるポケモンのうちの一匹だ。野生のクリムガンがヤグルマの森を歩いている。ただそれだけの事実がある。
 もちろん危険なことだ。森の中では縄張り意識の強いポケモンたちが、しきりに戦闘的な視線をおれに浴びせてくる。おれも痛い目にあうのは嫌なので、どうしてもそういう場所を通らなくてはならなくなったときには、いつも細心の注意を払いながら進むようにしている。
 けれど、見つかるときは見つかる。バトルになるときはバトルになるだろう。
 野生のポケモンたちは大抵の場合、おれよりも力が強くて勝ち目は薄いし、逃げようと思っても逃げられるものではなかった。彼らはおれよりもはるかに強い――という表現が自己弁護がましいというならば、つまりおれのほうが弱いのだ。このときのおれはタマゴから孵ったばかりだったのだから、しかたない。これだけは弁明させていただく。
 けれど、これから先をずっと野生のポケモンに襲われるがままに任せるというわけにもいかない。おれは、このイッシュの地を旅してまわりたいのだ。そんなことをしていたら命がいくつあっても足りない。
 旅の目的は探しものだ。おれが生まれた場所。それは大きな橋だった。雄大な夕陽を眺めることのできる、とても大きな橋。名前は知らない。どこにあるのかもわからない。けれど、おれはその場所を探しあてたいと思っていた。あのとき眺めた夕陽を、もう一度見てみたかった。
 だから、おれは強くならなければならない。せめて、おれがおれを守れるくらいに。
 そのためにおれは、ほとんど獣の道に等しい道を歩いて森の中にいた。野生のポケモンと闘って、ポケモン・バトルの腕を磨くためだ。話のわかりそうなやつを見つけて「稽古をつけてくれ」と頼むのでもいいし、血気盛んな視線を睨み返して喧嘩を買うのでもいい。とにかく闘ってみることだ。野生のポケモンが力をつけるには、それしかない。
 危険はあった。痛い目を見ることもあった。野生のポケモンというのは牙を隠すのも上手で、相手を見て喧嘩を売るということができないおれは、とうてい太刀打ちできないランクのポケモンに何度もでくわして、そのたびに危ない目にあってきた。そういうとき、おれには得意技がいくつかあって、それを駆使してひたすら逃げる。森を抜け、街道を目指して一目散に。森を出てしまえば、野生のポケモンは無理におれを追ってはこない。ひとけのある場所で暴れると人間に目をつけられてしまうし、それは彼らにとっても面倒で、面白くないことだから。
 そんなことを繰り返しているうちに、敵わない相手から逃げる術だけは着実に身についていった。あいかわらずバトルの腕はさっぱりで、それは当初の趣旨とは若干異なるけれど、それはそれでいい。なにも百戦錬磨の力がほしいわけじゃない。要は、危機的状況から自力で抜け出すことができればいいのだ。
 恐怖がないわけではない。けれど、どこかその恐怖も夏の暑さに溶かされているような気がした。鈍感なだけだろうか。恐怖というものがイマイチわからない。死にたくはないし、痛いことも嫌だという気持ちはあるにはある。けれど、その気持ちを他者の視点で見ているようなどこか遠い感覚がある。夏にはそういった感覚を許容するような幻覚作用があるのかもしれない。
 愚かだと思うだろうか。
 人間や、共同体に生きるポケモンとってはそうだろう。野生のポケモンなのだから、分相応にして静かに暮らしていればいいのだ。
 おれはそうは思わない。なぜって、そうする理由があるからだ。寄る辺のないポケモンが綱渡りをして毎日を生きるだけの意味が、たしかにある。
 ――また、あの夕陽を見たい。
 そのことにどれほどの価値があるのかと、そう言われてしまってはおしまいだ。だけど、何度も言うようにおれは野生のポケモンだ。主人だった少年のもとから“自由になった”のだ。誰かがおれの面倒を見てくれるわけではない。だからこそ、おれのやることには口を挟まないでもらいたい。おれが、誰かの目に余るほどの迷惑をかけているというのでない限り。自由と不自由。正義とは計算のことであるとおれは思う。
 それに、これは完全に余談ではあるが、静かな森の中を歩いてまわるのは気持ちがいい。やがて、おれが周囲の視線や敵意といったものの中を、ある程度緊張を緩めて悠々と歩くことができるようになったときは、このヤグルマの森を散策してみてもいいと思っていた。
 あの日見た夕陽は美しかった。おれの最初の記憶。青と橙のコントラストをはらんだピンク色の夕空。あの光景をまた見てみたい。
 だけど、それと同じくらい――あるいはそれ以上に美しいものが、この世界には存在するのかもしれない。そしてそれは、このヤグルマの森にあるのかもしれない。世界には美しいものが溢れていて、あの日おれが見た夕陽など、鼻で笑ってしまえる程度のものでしかないのかもしれない。
 おれのかかげる「理由」など、所詮はそんなものなのかもしれない。
 それならそれでいい。
 あの日の夕陽が瑣末でしかないのならば、それでもいい。そうして、あのときと同じ感動をもってあの夕陽を見ることができなくなったとしても、ぜんぜんかまわない。
 なぜって、おれはそのとき、こう思うだろうから。
 おれは、こんなものよりももっと美しいものを見てきた。
 それは、おれが自由だからだ。野生のポケモンになったからだ。
“おれは野生でよかった”。
 だから、おれが旅をする意味がある。愚かな道筋にも意味がある。漠然としているけれど、そうした大局的なビジョンがあれば、それだけでおれが生きる理由になる。
 それをゴミだと呼ばれても――
 それは、人間と生きるポケモンには不可能なことだから。





    人間とポケモンの非構成証明




 空想に似たとりとめのないことを思いながら進んでいると、背の高い草むらに行き当たった。道と呼べるのか疑わしい程度の道。かまわず進んだ。ヤグルマの森をうろつくようになって、少しは詳しくなっていた。この草むらを抜けると、急に視界が開けることを知っている。
 はたして、瞼の裏が熱線で焦げたように熱くなった。
 木の間を抜けた明るさ。もちろんそれもあった。だけど、本当のところはすこし違っていた。目に痛いぐらいの銀糸のような毛並みをしたポケモンがそこにいたから、そんなふうに感じたのだろう。
 それぐらい強烈な刺激。それぐらい鮮烈な色彩だった。
 そのポケモンは草むらの下、大きな木の陰に座っていた。かたわらには人間の男の子が仰向けに寝ている。
 おれは呆気にとられ、しばらく二の句が告げなかった。そのポケモンは、オレンの実のようなくりくりと丸い大きな目と、ユーモラスな曲線で楕円をつくる大きな耳をこちらに向け、むすっとした表情でおれを見ていた。
 明らかに不審の表情。いや、もしかすると不満の表情か。
 それにしても目につくのは、その見事な毛並みだった。薄いグレーをした毛足の短い部分は見た目にすらなめらかで、なによりも特徴的なのは、白銀の光沢を放つふさふさと豊かな柔毛だ。そのすばらしさは、どんなに言葉を尽くしても表現できそうになかった。
 大きさはそれほどでもない。おれの半分よりもさらに小さいくらいだ。そばに寝ている男の子のポケモンなのだろう。
 人間の、ポケモン。
 つまり、おれは今とても危うい場所に立っているということだった。ポケモン・トレーナーが野生のポケモンと闘って特訓することがあるのは知っているし、それでなくとも目の前のポケモンは、無防備な主人を守るために、野生のおれを退治してしまおうと考えるかもしれない。
 逃げるべきか。そう考えられるようになるまですこしのラグがあった。そのラグは野生のポケモンとして致命的な思考の空白だった。これはまずいかもしれないと、おれがネガティブな展開を想像したとき、
「野生のポケモンだね」
 そのポケモン――チラチーノは言った。それは蔑視とも侮蔑ともつかない、ただの事実の提示のような言葉だった。
 チラチーノの言うとおりだ。おれは野生であり、向こうはトレーナーのポケモン。
「そうだ。その人間は、おまえの主人か」
 おれはつとめて冷静な調子で言った。
 会話ができるなら、バトルにはならないかもしれない。人間とともにいるポケモンはバトルに慣れていて手強い場合が多い。ただ、そうしたポケモンにとっては野生をやっつけることがあたりまえだから、あたりまえのようにバトルになるかもしれない。そのあたりは五分五分の確率だった。そんな危険な状況でも、おれは恐怖を感じてはいなかった。敵意を感じなかったからだ。普通、これから倒そうという相手に話しかけたりはしない。
 じっと観察するような視線を感じ、それから表情と同じような不機嫌そうな声が届いた。
「そうだよ。ぼくのご主人」このチラチーノはオスのようだった。「なに? 襲うつもり?」
「そんなことはしない。共同体主義はすぐに定義づけようとするな」
「きみ、名前は?」
「ない。クリムガンというポケモンらしいことは知っているが」
 おれたちのような野生のポケモンは、お互いを呼ぶための名前を必要としない。意味がないからだ。だから、名前を知ろうとするのは人間といっしょに過ごしたことのあるポケモン特有の習性だ。名前という「意味」に囲まれて生きる、共同体の。
「そうだね。野生だものね。ぼくは――」
「いや、いい」
 チラチーノの自己紹介をおれはさえぎった。主人をもつポケモンの名前なんて聞いてもしょうがない。興味もない。
「おれはもう行く」
 背を向けて、なんでもないように立ち去るつもりだった。
 けれど、「待って」とチラチーノが言って、呼び止められた。
「なんだ?」
「きみ、ご主人を助けてよ」
 チラチーノは尊大に、偉そうに、まったく悪びれずに言った。
「助ける?」おれは拍子抜けして、すっとんきょうな声になった。「野生のポケモンが、人間を助けることなんてあるのか?」
「たぶん熱中症なんだよ。具合が悪くなって倒れた」
 見ると、チラチーノの主人という男の子は汗だくで、顔色も赤みがかっていた。苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。今は気を失っているようだ。
 おれの主人だった少年より、すこし幼そうに見えた。体つきも、大人になるにはまだまだ時間が要りそうな感じだ。手足は細く華奢で、ほんのり日焼けした濃い肌色をしている。汗で額に張りついている髪は短く切りそろえていて、活発そうな印象を受ける。
 チラチーノは憎々しげに天頂近くにのぼっている太陽に視線をやった。夏の陽光のせいで、森の中はじめじめと湿っぽいが気温はどこも同じように高かった。たしかに、この暑さでは人間の子供の体力を奪ってしまうかもしれない。
「どうすればいい」と、おれはきいた。
「殊勝な態度だね」
「断るとなにをされるかわからないからな」
 おれはバトルが得意じゃない。
「ご主人をおぶって連れてって。ぼくじゃ運べない」
「どこまで連れていけばいい」
「そうだなあ……。とりあえず北に向かってほしい」
「方角なんて言われてもわからない。シッポウシティという街ならわかるが」
「じゃあ、そこでもいいよ」
 おれは怪訝に思った。「おまえ、なにがしたいんだ?」
「主人の具合が悪いから休ませたいんだよ。当然だろ」チラチーノは怒気をはらませながら言った。「さっさと連れてく!」
 チラチーノはとても短気な性格らしい。そんなところに少しおかしさを感じながら、おれは言われるがまま彼の主人を背負った。少年の着ているシャツが汗に湿っていて、その向こうに感じる素肌はやけに熱っぽかった。
「軽いな」
 言うと、ぺしりと尻尾でとはたかれた。非難の目で振り向くと、チラチーノはもっと怒っていた。
「なんだ」
「野生風情がご主人を軽く扱うことは許されない」
 意味が違うと思うんだが……。




 それからしばらく森の中を歩いた。
 チラチーノの主人のことを軽いとは言ったけれど、人間ひとりを背負って森の中を歩くのはさすがに堪えた。クリムガンは割に力の強いポケモンだが、勘違いされたくないのは、それでも重さを感じないわけではないし、無尽蔵の体力があるわけでもないということだ。加えて歩きにくい獣道だった。やがて息があがってきた。おれは体も大きいし、いかついなりをしているのだから、こんなことでなさけない姿を小さなチラチーノに見せたくはなかったけれど、身体的な状況がそんな精神論で変わるわけもなく、どうしようもなかった。
 腕はなまりのように重くなって、チラチーノの主人の身体も金属の塊のように感じた。
「ねえ。きみ……」
 後ろから、チラチーノの遠慮がちな声がかかる。
「なんだ?」
 おれは普通の調子で答えた。
「苦しそうだよ。どうしたの?」
「ただの体力不足だよ」
「汗もすごいし」
「夏だから当然だ」
「そうだね……。夏は嫌な季節だと思う」
「どうしてそう思う?」
「体毛のせいで、体に熱がこもってしかたない」
「おれにはそういうことはないからわからないな」
「夏の前には毛が抜けて部屋が散らかるし。暑くて、面倒くさい」
「考え方によるな。おれは寒いのは苦手だから、暑いのは嫌いじゃない。人間はどうなんだ?」
「そうだね……」それまでテンポよく返していたチラチーノが、すこし言葉を詰まらせた。答えを考えているようだった。人間と暮らしているといっても、自分と違う生き物のことなのだから、すぐには答えられなかったのかもしれない。
「人間は季節にあわせて自分を変えることができるみたい。便利だよね。でも、総じて人間は弱い」
 心配そうに。チラチーノは主人を見やった。
 話しながら歩いていると、すこし先に樹洞が見えた。以前、おれが草にくるまって夜を明かしたあの樹洞だった。
「あそこですこし休憩しよう」と、チラチーノが言った。
「いいのか?」
「なにが?」
「急がなくていいのか」
「そこに川が流れてる」と言って、チラチーノは樹洞のすぐ下に流れている川に目を向けた。「ご主人に水を飲ませてあげないと」
 チラチーノがそう言うので、まずは川辺までおりて背中から少年をおろした。少年はシャツに短パン姿で手足はむき出しの素肌だったので、砂利や樹の枝なんかで傷つけないように注意しろとチラチーノに言われた。
 それから、川の水を飲ませるのにも苦労した。器のかわりになるようなものがなにもなかったから、両手ですくって、すこしずつ何度も飲ませてやらなくてはならなかった。チラチーノの小さな手ではうまくいかないし、おれがやるしかなかったのだが、これが難しい。誰かに水を飲ませてやるのなんてはじめてだし、相手は気絶しているのだからなおさらだった。どうにもうまくいかず、少年の顔をびしょ濡れにしてしまって怒鳴られた。口元に水を垂らそうと思っても、鼻に入って咳きこんだりして吐きだしてしまうのだ。おれは不器用なんだな、とこのとき思った。そうやっておれが難儀しているあいだ、チラチーノは主人の体を冷やすといって、手頃な大きさの石を探してきて、川の水で冷やしたのを腋や足のつけねに挟ませていた。
 時間をかけて少年に水を飲ませることができてから、おれは彼を背負いなおし、樹洞の中に寝かせた。それでようやくひと心地つくことができて、おれはチラチーノに聞こえないように小さく息を吐いた。
 弱っている主人に野生のポケモンが近づかないように、おれとチラチーノは腰を落ち着けながら周囲に気を配る。
「それにしても」と、不意にチラチーノが言った。「変なポケモンだね。きみ」
「どうして」
「ふつう野生のポケモンが、ぼくみたいなトレーナー持ちのポケモンを見たら、逃げるか襲ってくるかのどっちかだよ。きみはそのどちらでもなかった。ねえ、どうして?」
「先に話しかけてきたのはそっちだ」
「きみがぼうっとしてたからだよ。それに、そもそもこんなところにきみみたいなポケモンがうろついていること自体がおかしい。クリムガンだっけ? そんなポケモンがこのあたりにいるなんて、聞いたことがない」
「それは、おれがここに捨てられたからだ」
「捨てられた?」
「トレーナーに」
 チラチーノはおかしな表情になった。体力を回復する木の実といえばオレンの実のことだと思っていたのに、それとよく似たオボンの実というものを知ったみたいな表情だ。これは逆でもいい。オボンの実しか知らなかったのに、オレンの実という木の実があった。
「どうして、そのトレーナーはきみを捨てたの?」
「さあ。そうするメリットがあったんだろう」
「きみは悲しくないの?」
「別に。親しかったわけでもないし、野生で生きていてもそんなに苦じゃない」
「……やっぱり、きみってすこし変」
 きっとこのチラチーノは、主人に大切にされて暮らしていたのだろうと思った。だからどうということでもない。ただ、そういうポケモンにおれの考えは伝わるものでもない。
 野生は野生。共同体は共同体。原則的には相容れない。彼と夏の季節が相容れないように。
「もしかして、トレーナーのいるポケモンをバカにしてる?」
「いや、そんなことはない。ただ、誰かと生きるという感覚はよくわからない」
 なにしろ、おれは生まれてすぐに捨てられたのだ。知らないものをわかりようがないのは当然だと思う。
「想像することくらいはできるだろ」
「想像くらいはな。でも、それはやっぱり実際とは違う可能性があるから、それが答えだという確信はもてないな」
「誰かに――いいトレーナーに出会ってゲットされたいって、思う?」
「思わない」おれは即答した。「すくなくとも、今のところは」
 チラチーノが小さく息を吐く音が聞こえた。
「野生で生きるのって、大変じゃない?」
「そうでもない。要は慣れだ」
「だけど、たとえば大怪我をしたとして、ぼくなんかだったらポケモンセンターに連れていってもらえば治療してもらえるけど、野生だとそうはいかないだろ?」
「そうだな。おれは今まで大きな怪我をしたことはないが」
「もしそうなったとき、野生のポケモンなんて誰も助けてはくれない」
「いや、そうでもない」
 チラチーノの言葉におれは、ずっと前に使ってなくなってしまったオレンの実を思い出した。それをおれにをくれたポケモンのことを。
 ――持っていって。
「野生のポケモンも、案外と助けあって生きてるんだ」
 チラチーノのまん丸な目が、うっすらと翳りを帯びたように見えた。機嫌を損ねてしまったようで、少し怒ったような表情でぷいと横を向いた。
「ありがとう」と、おれは言った。
「唐突になに」
「心配してくれてるんだろう」
「ただの気まぐれだよ」
 そうだとしても、おれにわかりえるチラチーノのことは、外側から見える部分だけだ。
 けれど、野生であるおれになにがわかるというのだろう。出会った相手のことを判断するには、外側を見るしかない。誰かの心を読めるわけでもないし、心の中でどんな残酷なことを考えていても、考えるだけじゃ伝わらない。
 だからおれは言った。
「あまりうまく言えないが、おれは、つまりおまえのことを信じようとしているのかもしれない」
 ――あなたがもし誰かが困っているのを見かけたら、わたしと同じようにしてあげて。
 チラチーノは一瞬、面食らったように表情を硬直させた。
「出会って一日も経ってないのに、信じるほうがどうかしてる」
「じゃあ、もっとおまえのことを聞かせてくれ」
「なにを聞きたいっていうの」
 今度は、いくぶん呆れ顔。彼の表情はくるくると変化して、おもしろい。
「おまえとおまえの主人が、どうしてここにいるのか」
 ひゅっ、と息を吸いこむような鋭い音がして、おれの顔のすぐそばをなにかがとんでもない速さで通過していった。瞬間、背後で、ごすっ、と鈍い音。
 振り返ると、幹がごっそりと削り取られている木が見えた。いや、陥没しているのだ。大木の幹にクレーターができていた。中心から放射線状に裂け目が入っている。
 おれはひと言も喋ることができなかった。喋ったらその瞬間に、あのクレーターをつくったなにか(ロックブラストという技らしい)が、今度はおれに向かって飛んでくるかもしれない。
 水を浴びせかけられたかのように、どっと汗が噴きだす。いよいよもっておれの立場は危ういものになった。
 そう思ったのも束の間、チラチーノはじっとおれのことを見ていたが、やがて大きな目を閉じて、長い溜め息をついた。
「ご主人とご主人の家族が、喧嘩したんだよ」
「喧嘩?」チラチーノが話してくれたので、おれは緊張を解いてたずねた。「食いものの取りあいでもしたのか」
「そういうのじゃない。なんというか、もっと精神的な喧嘩。さすがに殴りあいはしなかったけど、喧嘩別れして家から飛びだしてきたわけ」
「仲良くしたほうがいいんじゃないか。家族なんだろう」
「うるさいな。ご主人もそんなのわかってるんだよ」
 チラチーノは声を尖らせる。また怒鳴られるかと思ったが、声自体は落ちついていて静かだった。
「でも、ときどき許せないときってあるだろ。家族だって」
「そうかもしれない」
「ご主人のお父さんは、きっと自分が世界で一番偉いとか思ってるんだよ」
「おまえだって同じように思ってるんじゃないか」
「なんだって」
 一見してわかるほどの怒りが見てとれた。
「似たものどうしなんじゃないか。おまえも、おまえのご主人も、その父親も」
「……そうかもね」
 驚くべきことに、チラチーノは少し間を置いて認めた。
「だから嫌になるのかな」
「仲直りさせたらどうだ」
「いやだよ。あっちが謝ってくるならわかるけど、ご主人のほうから仲直りさせるなんて、ぼくはいやだ」
「わがままだな」
「お父さんのほうがずっとわがままなんだよ!」
 それから、チラチーノは岩のように頑なになった。こういうことは、おれのような野良ポケモンがどうこう言っても無駄なのかもしれない。
 おれにできることは目下のところ、彼と彼の主人をシッポウシティへ送り届けることだけだ。




 再び歩きだし、おれたちは街道を目指して森の深いところへ立ち入っていた。
 陰が濃い。黒い平坦に伸ばされた影が、森を極端に暗くしていた。
「こういう場所は、あまり好きじゃないな」
 どこに野生のポケモンが潜んでいて、どこから襲ってくるかわからない。おれはポケモン・バトルの特訓をするときも、こういう場所だけは立ち入らないようにしている。
「きみね。きみが背負ってる人間が、野生のポケモンから見れば敵なんだよ。そのこと忘れてない?」
「別に忘れてないが、今は考えないことにした」
 ふん、とチラチーノは鼻を鳴らした。
「さっき言ってたことだけど、きみだってぼくらのこと言えないよね」
「どういうことだ?」
「きみだって、元のトレーナーのこと諦めたんでしょ。仲良くできなかったから。だから捨てられた」
 チラチーノのその言葉は、実際にはすこし当たっていて、けれどすこし違っている。
 あの少年がおれを捨てたのは、仲が良いとか悪いとか、そういう次元の話ではなかった。少年はおれを“諦めていた”。ジャッジという男におれを会わせた彼は、とても複雑な表情をしていて、おれはそれをなんとかしてやりたいと思ったけれど、どうしようもなかった。捨てられるのだという予感がありながら、おれはどうすることもできなかった。少年に対して、なにもしなかった。
 彼はおれを諦めていた。同時に、おれも彼を諦めていた。
「おまえの言うとおりだよ」
 ここで下手に言いわけしても無駄だろう。チラチーノの言ったことはまさにそのとおりで、おれが思っているとおりのことだったから。言いわけのしようもなかった。いや、なにかしらの嘘を言いたくなかったのかもしれない。そのことを誰かに話すのははじめてだ。チラチーノが見ず知らずのポケモンで、まして人間のポケモンだからこそ、おれはすんなりと答えることができた。
「おまえの主人も、そうなのか?」
 おれは言った。チラチーノは、それを遮るみたいに返してきた。
「お父さんに嫌われるのが怖かったんだよ」
「嫌われるのが怖かったから、家を飛びだしてここに来たのか?」
「そうだよ」
「危ない場所に、あえて」
「ご主人のお父さんはたぶん、ご主人がどうなっても、どうも思わない」
「どうしてそう思う」
 ちらりと振り向くと、チラチーノは能面のように無表情だった。
「ぼく、元はご主人のお母さんのポケモンだった。ご主人が生まれるとほとんど同時にね、お母さんは死んだんだ。ちょうど今のような夏の始まりだった。で、それから十年と少し経って、お父さんは再婚した。あとは言わないでもわかるだろ?」
「わからないな。最後まで言ってくれ」
「ご主人は邪魔になったってこと」
「おまえが勝手にそう思ってるだけじゃないのか」
「そうかもしれないけどね。ぼくだって再婚したお父さんのことを悪く言うつもりはないよ。人間のオトコには、どうやらオンナが必要らしい。そうらしいということぐらいは、ご主人も理解してる。でも――」
 チラチーノは声を荒げた。「あいつは、あの女といっしょになってご主人をここに追いやったんだ!」
「つまり、おまえは――あるいはおまえの主人は――父親も再婚相手も、主人のことを死ねばいいと思ってると考えたんだな」
「そう」
「だから、自棄になって、野生のポケモンに襲われてもいいと思った」
「違うよ」
 チラチーノはかぶりを振った。
「旅に出るって、ご主人は言った」
「旅?」
「そう。ぼくといっしょに、ポケモン・トレーナーとして。ヒウンシティのジムリーダーには……アーティには勝った。ぼくがバトルに出て、アーティのポケモンをみんな倒した。だから今度は別の街を目指しながら、ジム戦に向けて特訓してて……」
 そこで主人が倒れた、というわけだ。
「悲しいな」
 チラチーノは、気のないそぶりで応えた。
「普通だよ」
「普通ってなんだ。それか人間の普通なのか?」
「そうだよ。それが人間の普通」
「嘘だな」
 自分でも思いがけない、やさしげな声が出ていた。
 おかしい。どうしてそんなふうに言ってしまったのだろう。野生のポケモンであるおれに、共同体に生きる人間のことがわかるはずもないのに。いや、そうした人間という一般化した概念によらなくたって、彼らのことは彼らにしかわかりえないのだし、それだけは揺るがないはずだ。
 しかし、おれは思う。
「止めてほしかったんじゃないのか? おまえのご主人は、本当は父親に引き止めてもらいたかった」
「なんで?」
「いくらなんでも、身ひとつで旅に出るなんて、うまくいくわけがない。人間はポケモンとは違うんだ。ちょっと暑かったりするだけで、こんなふうになってしまう」
 おれは、まだぐったりしている背中の少年を背負いなおした。
「お父さんはご主人が出ていくのを止めなかったよ」
「だけど、おかしいと思わないか?」
「なにが」
「本当にどうなってもいいというなら、どうしておまえをついてこさせたんだ」
「建前だよ。人間には建前が必要だ」
 まあ、人間は弱い生き物だから、いろいろと形式を必要とするのはわかる。
「ご主人をうまく消すには、そういう建前が必要だったんだよ。理由なんてなんでもよかったんだ。ただ、より確実にご主人が消えるためには、じゅうぶん強いポケモンといっしょに旅に出してしまうのがいちばん都合がよかったんだよ」
 チラチーノは淡々と考えを述べた。
「おまえ、やっぱりわがままだな」
「だからなんだって言うんだよ」
「気づいてるのかもしれないが、おまえも主人も、心の底ではやっぱり家族を信じたいって思ってるんじゃないか」
「さあね」
「おれみたいなポケモンを信じておいて、家族を信じないのは、変だろう」
「ぼくはきみを信じるなんて言ってない!」
「だけど、助けを求めただろう」
 おれは、うまく言葉を続けられなかった。
 当のおれ自身はどうなのだろう。どうして、おれは彼らのことを信じようとしたのか。
 そうしたかったからとしか言いようがない。そういう気持ちは自然と湧き出るものだから、自分自身でも説明がつかないところではある。
「わからないよ」
 チラチーノはぽつりとつぶやいた。
 そう。結局、わかりようもない。自分の心も他人の心も。限定的な視点しか持たない生き物には、なにもかもが不確定で、五分五分の確率で起こりうる。
「おまえの主人の家族は、おまえたちの帰りを今か今かと待ちわびてるかもしれない」と、おれは言った。
「早く死んでほしいと願ってるかもしれない」と、チラチーノは言った。
「おまえたちの幸せを願ってるかもしれない」
「ぼくたちの不幸を願ってるんだよ」
「そういうふうに鬱屈しているから、状況を打開しようとしたんだろ」
「だとしてもやりようがあるだろ。こんな危険なところに子どもひとりで行かせるなんて、どうかしている」
「考えが浅いのは、たしかにそのとおりかもしれないな。そうやってヤケを起こした人間の子供なんて、野生ポケモンのいい餌食だ」
「そうだよ」
「けれど、おまえの主人は母親のいのちと引き換えに生まれてきたんだ。それは――なんて言えばいいか。原罪みたいなものを負ってると自分でも知らないうちに感じてるんじゃないか。家族としては、どうにかしてやりたいと思うのも無理はない。彼らにとっては賭けだったのかもしれないな。一種の荒療治だ」
「ぜんぶ推測じゃないか」
 そう。ぜんぶおれの推測だ。けれど、確率的には五割程度。そんなに分の悪い賭けでもないといえる。生きるか死ぬかも、所詮は確率的には五割なのだから。
「排中律か」と、チラチーノは言った。「人間には生きているか死んでいるかのどちらかの状態しかない。でも――」
 チラチーノは少し間を置いた。
「ずいぶんと極論だね」
 いつのまにか、チラチーノはすこし笑っていた。おれも釣られて笑った。
「極論だ。でも、現におまえの主人は生きてる。つまり、おまえたちは賭けに勝ち続けてる。まだ負けてない」
 おれの言葉は、意識せず力強く放たれた。チラチーノはすこし笑顔を凍りつかせたけれど、それで怒りだすことはなかった。静かに、おれの言葉を受け入れた。
 光が見えてきた。
 獣道を抜けた最後に、シッポウシティへ続く街道が見えた。
「もうすぐだ」
「さすがに、また休憩したほうがよさそうだね」
「頑張ればなんとかなる」
「よわっちいポケモンのくせに」
「そのポケモンに頼ってきたくせに」
 道が歩きやすくなって、ぐんと進みは早くなった。もうそろそろ陽が傾きだしている。気温もいくらか下がってきたようだ。けれど、倒れた人間を長いこと外に出しておくのはまずいだろう。早く休ませてやらなくては。
 そこで、ふと気づいた。
「さっきの話の続きなんだが、街に着いたらどうするつもりなんだ」
「ずいぶんと親身になってくれるね。人間風情のことに」
「興味が湧いた」
「とりあえず、ポケモンセンターで休ませてもらうよ。ご主人が良くなったら、そうだな……。ジムリーダーに挑戦するのかな」
「それからあとは?」
「それからあとは――たぶん」
 言い終わらないうちに、チラチーノが唐突に叫んだ。
「あっ!」
 視線の先には、空。なにかポケモンが、夏の日差しのもとに浮揚していた。チラチーノの仲間なのだろうか。
 やがて、そのポケモンはチラチーノに気づいたようで、風を切るような速度で近づいてきた。
 決して優雅な着地じゃなかった。一見して明らかな焦燥感の漂う動きで、おれたちの前に降り立ったのは、エモンガというポケモンだ。
「心配したんだよ。あんたたちがいつまで経っても帰ってこないから」
 そう言って、エモンガはおれを見て、おれに背負われている少年を見て、青ざめた。
「ご主人、怪我したの?」
「ううん……。熱中症で倒れちゃった」
「もう……。本当に、あんたたちは後先考えないから!」
「そっちだって」
 チラチーノの口調がにわかに崩れる。表情も同じように崩れた。透明なしずくが頬を伝った。泣いていた。
「そっちだって、ずっとぼくらを探して、無茶したんだろ」
「家族を心配するのは当然のことじゃない」
 そう言って、エモンガはチラチーノに小さな体をすり寄せた。

 


 とりあえず、事後の経過について。
 おれたちは無事にシッポウシティに辿りついた。ポケモンセンターに少年を運びこむと、ジョーイはすっかり馴染みのおれが人間の男の子を背負っているのを見てはっとしたが、手早く少年を手当てした。ついでに、体のあちこちに生傷をこしらえていたおれのことも診てくれた。
 少年の症状は深刻なものではなく、トレーナー用の仮眠室のベッドで休ませてやると、二時間ほどあって目を覚ました。チラチーノは少年の無事を泣いて喜び、ずっとくっついていたままだった。少年が最初に体を起こしたときにはまだふらついていたものの、子供の回復力のおかげかすぐに体力を取り戻して、たんと飯を食ってからはすっかり元気になっていた。
 そして今、少年はジムリーダーに挑戦すると言って、チラチーノを連れてシッポウジムに出かけている。もうすっかり夜になっていたが、ポケモン・ジムというのには昼も夜もないらしい。ジョーイと、それからおれにひとしきり礼を言うと、少年は腕まくりして出ていった。チラチーノもやる気満々だった。
 おれはエモンガとポケモンセンターに残って、あの少年についてつれづれと話した。
 エモンガが最初に言ったのは、あの子には会話が足りないんじゃないかということだ。
 ヤグルマの森を彷徨うことになったのは必然といえば必然で、彼はあまり父親とも、再婚相手とも会話をかわしてこなかったから、そうなったのだろう、ということだった。なぜ話しあわなかったのかというと、そうするのが恥ずかしかったというのもあるし、そうするのが怖くもあったからだと、エモンガは言った。自分が生きてることが申し訳ないようにも思っていたと。
「言葉にできるほど意識していたわけじゃないと思う。でもね、あなたの話を聞いて、ぎょっとしたの。『原罪』。そうか、そうだったのか、って」
 そんなことを考えるには、あの少年はまだ幼い。さすがに言葉の意味も知らないだろう。そして、無意識にしろそう思っていたということを認めるにも、時間がかかりそうだ。
「だから、もうすこし会話を交わしてたらどうかって思う。それぐらいしか、たぶん今の状況を改善する方法はないから」
「そうだな」
 人間にもポケモンにも、出会った相手やこれから出会う相手が、破壊の限りを尽くす敵か、それともちょっと怒りっぽい仲間かを区別する術はない。いつだって、おれたちには賭けてみるしか手段はない。
 チラチーノも、それは理解していたのだろう。
「だからまずは、『ただいま』から始めなきゃね」
 困り顔で、けれど明るい声でエモンガは言った。
 あの子は、信じて生きてみるべきだ。
 関係はいつだって、なにもないところから始まる。
 おれはうなずいた。なぜって、野生のポケモンにだって誰かを助けることができるのだから。誰かを信じてみようと思うことができたのだから。家族を信じることができないはずがない。
「だけど」と、おれは言った。「それで、本当に父親があの子を憎んでいたら、どうするんだ?」
「そのときはね」
 エモンガは、チラチーノにしたように、小さな体をおれにすり寄せてきた。
「何度でもこうしてあげる」
 ふとおれは、ヤグルマの森で出会ったドレディアのことを思い出した。こんなおれに、まごころから笑ってくれたドレディア。不公平なことは山ほどあるけど、たまにはこういうこともあるでしょ? あいつなら、そんなふうに言う気がする。
 気づけばおれは、妙にさわやかな気分で笑っていた。



 
【名無しのクリムガン】

じょうたい:Lv.6 健康 4V
とくせい :?
せいかく :?
もちもの :なし
わざをみる:??? ??? ??? ???

基本行動方針:きれいな夕陽が見たい
第一行動方針:レベルを上げる
第二行動方針:自分が生まれた橋を探す
現在位置  :シッポウシティ・ポケモンセンター

 前回から若干、時系列が戻ります。
 今回はすこしオーソドックスな人間批判をしてみました。


 


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Last-modified: 2015-05-22 (金) 20:05:02
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