ポケモン小説wiki
Luna-2

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泥濘。



汚泥。



腐臭。



ぐちゃぐちゃの大地。内蔵を撒き散らしたかのように渦巻く紅い空、浮かぶ雲。
同時に咲き乱れるのは白い花。貝殻から削り出したかのように薄く砕けそうな花、花、花に溢れたなだらかな丘。
腐乱臭と共に風が舞い、花が揺れに揺れ、多くの花弁が吹き飛ばされて崩れて消える。
ガラスが粉々になる時の音によく似た響きが木霊して、空の一部が欠けて落ちてくる。

――呼ばれている感覚。誰に?何に?
此処は何処で、僕は誰で、そうして何故僕は此処にいる?
現状に対する分析を纏めようとして、そう思った傍から蕩けて流れ出す思考。
だから僕は漂う。崩れては持ち直し、散っては生じる花弁の様に。
ああ、これは夢だ。そう気がつくと同時に世界が暗転して――


――穏やかな目覚め。
眼を開く。白い天井、視界は良好。
意識を収束する。聞きなれた無数の雑音、まだ本調子では無い物の耳に異常はない。
後脚に力を込める。ぐりん、と回転する視界、シーツをはだけて立ち上がる。
見まわせばベッドの上、ぼやけた陽光が窓から僕の毛皮に降り注いで、質素な備品にはポケモンセンターの印、
耳の動脈に違和感なく接続された点滴らしきもの、台の上に置かれた何らかの測定器具、薄いカーテンで仕切られた部屋。
軽く首を回し、頭を振って未だ微睡んでいる思考を揺り起こす。頭の奥に残留する不快感はあるけれど、しかしこの状況は要するに。

「助かった、でいいのかな」

連日の肉体酷使に加えて、あんな状態でのアレの使用。
異常に高揚した精神状態だったからこそ気にも留めなかったが、本当は凄く捨て鉢な行為だ。
冷静になった考えてみると本当によく生きているものだと思う。
死ねば何も出来ない。生きているという事は、すなわち変われるという事だと、そう言ったのは誰だったか。
結局はただ寂しかっただけ、あるいは単に自暴自棄故の狂気か、自殺同然の行動の果てに何かを見つけた気がする。

……狂気、か。
……あるいはそれも僕が「彼」に捨てられた原因か。

単純な話、人間とポケモンでは脳の構造が違う。
其処において培われる精神は互いに近づき合う事が出来るかも知れない。ポケモンが人間のように思考する事が出来るかも知れない。
しかし其処には確固とした溝が存在する。ポケモンにはポケモンとしての基本が、人間には人間としての基本がある。
ではそれを学べなければどうなるのか。人間として育てられたポケモンや、ポケモンとして育てられた人間はどうなるのか。
人がポケモンとして育てられた場合は簡単だ。人はいわゆる技を習得できない。人は素肌で外気の変化に耐え続ける事は出来ない。
人は肉体的には脆いのだ、何故ならば自分を環境に合わせる事をせず、環境を自分に合わせるために進化した生物だから。
数年も、それどころか親役であるポケモンがどれだけ努力しても数ヶ月程度で死に至るだろう。

対して、ポケモンが人間として育てられた場合どうなるか。
人の言語はポケモンにも十分習得可能だ。音の組み合わせでしか無いのだから意味を理解する事は出来る。
人としての行動も不可能では無い、二足歩行タイプのポケモンならなおさらだ。加えてポケモンは成長が早い。
もちろん全て仮定の話だ、実際にポケモンを人間として育てようなどと思っている者など存在しないだろう。

だが。

卵より孵った状態から人間に囲まれて育ち。
人に連れられて、あるいは母親も父親も知らず預け屋と呼ばれる職業の人間の下で戦闘経験を積み。
あるいはトレーナー志願の子供に誕生日プレゼントとして父親が買ってやる、プレゼント用のポケモンとして躾けられ。
そうしてそれでも獣の適応性、幼少時代を人まみれで過ごしたとしてもまだ野性を失わず、自己をポケモンと認識できる者が圧倒的多数であっても。
それでも人の欲望、人の性、そうやって工業的に生産された圧倒的な量のポケモンの中には、しかし大数の法則にしたがって。
精神的な意味での「粗悪品」が、確かにそこには存在する。

あるものは閉じた世界に籠り外部からの入力に反応せず、結果生産段階で廃棄され。
あるものは閉じる方法を知らず外部からの情報の奔流に流されて精神を失い、結果命を保つ事が出来なくなり。
あるものは自分を定義できず、脈絡のない行動しかなさず、結果人間に対して危険と判断されて除去される。
そうしてまたあるものは、外から見ればまったく完璧、しかしその内部には致命的なバグが。
人とポケモンの精神構造の違いから生じる、取り除く事の不可能なバグが。

論理では無い。
世界の殆ど全てがAと答えるような単純な問題に、しかしBだと一人で嘯き。
沈む船、死が迫る中、ボートに向かう乗客の流れに逆らって、一人でタキシードを着こなして踊るような。
そこまで美しく劇的な譬えは似合わないけれど、僕には確かにそういう側面がある。
野生のポケモン以上に「人間から見れば」異常で、同時に野生のポケモンから見れば人間にあまりにも近すぎる。
感情が無いわけでは無いのだけれど、僕にはその感覚が理解できない、理解できない故に容易くその壁を乗り越える。
殺す、のがいけないのでは無く、その状況に依存するのだという事が良く分からない。
Aはいけない、ただしBの時はAしていい、というのが僕にはよく分からない。
人間社会の常識は理解している。他のポケモンがどう考えて行動するかも予測する事は出来る。
凡例を覚える事はできる、だけどそれが悪い事だとかいい事だとか、そういう気持ちが湧き上がってきた事は一度も無い。
してみると、やはり感情が無い、と言った方がいいのだろうか。それとも善悪に関しての規範が欠如しているとでも言えばいいのか。
……客観的に見て危険極まりない。自分でも理解している。理解していると思っている。

……しかし自覚がある故に「狂気」が赦される訳でもなく。
……だからこそ、冷静に考えればそれゆえに捨てられたのだろう。

本来ならそれすらも与えられた倫理感で。
野生のポケモンの世界には善の定義も悪の定義も存在せず、ただ親しさの度合いで区別が生じるだけのものなのに。
オドシシやギャロップの群れの一匹が捕食されてる最中に、しかし他の者は平然とそれを眺めているなんてよく聞く事だ。
そうやって本来はただただ結果だけが全て、自分の持てる全力で今日を生きるだけの事なのだろうが、
ならばいつまでもぐだぐだと無意味な思索に耽る僕はやはりそういう意味でも人間に近いのだろうかと、
其処まで考えて、ふと結果としては助ける形になってしまったトレーナーとグラエナの事を思い出す。
僕がポケモンセンターにいる以上はあの後グラエナはきちんと言った通りにしてくれたみたいだけど。
入院患者、と言うカテゴリに含まれるであろう僕が勝手に動き回ってもいいものかどうか。
野生ポケモン用の簡易ケージではなく、一般の小型-中型ポケモン用の個室を与えられているという事は、
トレーナーのポケモンとして扱われている証拠で、それならば僕が覚醒した時点で何らかの連絡が行くはずだと思うのだが。


…………

………………

………………………………。


ゆっくりと沈む太陽。茜色から薄闇に変わっていく外の風景。
いくら待っても何の反応も無い。というか巡回もしていないのだろうか?
安定した病状のポケモンに休息を与えるための個室だとは思うけれど、それにしてもどこか抜けているというか、
点滴が抜けたり症状が急変した場合どうするんだろうか。せめて一時間に一回程度は見回りに来るべきだと思う、うん。
仕方が無いから自分で外に出ようと決心し、人間用に設計されたドアノブを耳で掴み回転させて扉を開きかけた所で気が付く。
僕は僕をゲットしたであろうトレーナーの顔も、それどころか性別すら知らない事に。これでは探し様も無い。
別に今すぐ逃亡しても何ら問題は無いのだけれど、洞穴に入って行った時と同じほんの少しの好奇心がそれを阻む。
あのグラエナへの好奇心。かつての僕と同じ、すぐに壊れてしまうモノを唯一絶対と信じているような、
自らの主人への心酔、「彼」に対する僕の感情と同じようでいて絶対的にどこか異なるそれに対する興味。
魅かれている、と言ってもいいのかもしれない。性的な意味ではなくその内側に垣間見えたなにか、魂の様な物に。
しかし耳でドアノブを掴んだまま固まってるミミロップというのは、傍目から見るとどうなんだろうと、

――――――――がちゃり。

其処まで思考を進めた瞬間、計ったように想いきり外開きになる扉、耳でノブはしっかりと握ったまま。
完全に不意打ち、誰かが近づく音は聞こえていたはずだけど、それを処理する精神が別の方向に向いていたら意味はない。
結果驚愕で筋肉が収縮する。耳を放す間もなくノブの円運動に身体が追従して…………
…………僕は廊下に投げ出されて壁にぶち当たった。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

バッジを一つ手に入れて気分上々。
調子に乗って酒を飲んでたら財布を落とし、次の町まで徒歩で夜歩き。
流石にナッヘ一匹じゃこれからまずいだろうと手持ちを増やすためにモンスターボールを投げれば全部外れる。
おまけに不快な雨を避けようと都合のいい岩場というか洞穴見つけたと思ったら先客4名。全員ポケモン。
1対4では勝てるはずも無く、目の前が真っ白になるほどの殴打をゴーリキーにぶちかまされる。死ぬかと思った。
ところが眼が覚めたら死んでるのはあちら様方。しかも惨事とかそう言うレベルの死に方。理解不能理解不能。
おまけに見た事も無いポケモン、ミミロップって言うんだったがが倒れてて、ナッヘがなんかがうがう言ってた。
奇跡的にポーチの奥底に眠ってたスーパーボールでミミロップを捕獲、いやなんか助けて貰ったっぽいから保護って名目で。
雨もそこそこ収まって来たので徹夜でウォーキング。自転車の値段はあり得ないと思う。いやそれでも欲しいけど。
そんなこんなでやってきましたハクタイシティ。ナッヘとミミロップをポケモンセンターに預けてそのまま自分も簡易入院。
内臓に損傷が見られたとかなんとか。さすがゴーリキー歪み無いパンチ力、死ななかったのは幸運か。

到着した翌日には私の身体は一応元通り。科学の力ってすげぇ。
とりあえずナッヘの方も何とかなったけど、ミミロップの方はまだ意識が戻らないとの事なので仕事を進める。
というか既に気力が尽きそう。突撃レポーターって何。こんな企画通した編集長はきっと頭が沸いてるに違いない。いや承諾したの私だけど。
三文記事書いて、それなりに生活していければそれで良かったのに、破格の報酬と子供時代の儚い夢、
「もしかしたら私もポケモンマスターになれるかも!」とか、そういう下らない憧憬に突き動かされてしまったのが間違いか。
私はトレーナーどころかブリーダーでもコーディネーターでもない、唯の弱小週刊誌のライターに過ぎないのに。

「あー、煙草煙草ー、ナッヘ煙草ー、壁にかけてるコートの右ポケットから箱二個持って来て」

それなりに落ち着いた雰囲気の宿、草臥れたストーブが燃えて熱を吐き出して全体を温めているその片隅の、
二階の東の小部屋から、古い机に向かって何やらカタカタとキーボードを叩く音と共に間延びした声が響く。というか私の声だ。
素直に従う灰色と黒の獣。爪を丸めて傷をつけないようにボタンを開けて口で器用に煙草を二箱此方に放り投げる。
我ながら酷い主人だと思う。傲慢で自堕落、自分勝手にポケモンでストレスを発散する私をなんで此処まで慕ってくれてるのかよく分からない。
あれか、幼少期の刷り込みか。それにしたってただ飢えて弱ってたのをきまぐれで世話した、ただそれだけの事なのに、
いつの間にか安アパートに居座っていて、気がつけば私のポケモン、と言えるほどに懐いていた。
右手はそのまま、パソコンのキーを叩き続けながら左手でマッチを擦り火を。そのまま二本の煙草を箱より取り出して火を灯す。
いつの間にか出来るようになっていた特技の一つでもある。あんまり役に立たないけど。


吸殻は堆く、煙は明らかに健康に悪い色、充満する微粒子は呼吸器だけでなく粘膜も犯しそうな濃度、
しかしその中で女はかたかたかたかた文章を、物語を、7割の真実と3割の真実でもって紡ぎ出していく。
煙を吐く。灰皿に灰を落とす。流れるように片手でその二つを繰り返し、ノートパソコンの画面に文字が刻まれていく。
暫くその作業は続き、後方で主人を見守るグラエナがつまらなそうに尾を振り回し始めた頃に、ようやく彼女は大きく息を吐いて。
だらしなく伸ばした手入れされていない髪と脂ぎった眼鏡、美しいとは言えない、かといって醜い故に記憶に残る事も無い平凡な顔に、
画面に映る文字の照り返しがぼんやりと輝き。とりあえず今週分の送信を終え、重圧から解放された女がする事は唯一つ。
立ち上がってグラエナに近づき、ぐわしと全身を抱きしめると。


もふもふ。

もふもふもふもふ。

もふもふもふもふもふもふもふもふ。

「アロマだとか、スイーツだとか、世の中に『癒し』はいっぱいあるけどね……」

わしゃわしゃと毛並みを掻き回し地肌の柔らかさを楽しみつつ。
同時に尾を先端から腰方向まで逆撫でして。肉球をぷにぷにして。
年相応の行動をするべきだとは思うが、これだけはやめられない。だってもうこれは天国だもの。

「ポケモンセラピーが一番だと私は考えるよ、ナッヘ」

満更でもなさそうな表情に見えるナッヘ。
黄色い瞳は恍惚に潤んで、半開きになった口からは舌がだらりと垂れ。
ああもう可愛いなぁ。食べちゃいたいなぁ。
うん、我ながら気持ち悪い。気持ち悪いが止めるわけにはいかない。
ああもう写真も取るか。うひ、うひひひひひひひひひ。喉元がふさふさでもう堪らない。
が、携帯端末を取り出して画面を開いたところで不在着信が1件ある事に気が付く。
ポケモンセンターからだ。どうやらミミロップが意識を取り戻したとの事で、受け取りに来いとかなんとか。
監視カメラ云々で覚醒を確認したが、条例によりマスターたる貴方がいないとなんとかかんとか、難しい話ばかり。
そんな下らない用事で私のもふもふタイムを邪魔するつもりかと一瞬はらわたが煮えくりかえりかけたが、
しかし連絡より既に2時間ほどが経過、流石にこれ以上引き伸ばすのは不味いだろう。
枯草色のロングコートを引っ掴んで支度する。元々衣服に金も気も使わない。化粧?何それ美味しいの?少なくとも今は必要ないだろ。
ナッヘを出したまま街中を進む。南東のポケモンセンターまでそんなに距離は無いが、寒いのでコートを羽織って正解だった。

秋風が咽ぶ季節に灰色のビルの海を枯草色の女が進む――――色に頼り過ぎた駄文だな。
少なくとも編集長はそう言って退けるだろう。というか結構寒い。コート下に重ね着すべきだったか。
なんてつらつら考えながら歩いているとすぐに目的地に到着する。ああもう寒い。もふもふしたい。シンオウ寒すぎなんだよ。
なんでこんな寒いのに施設内部に暖房効いてないんだよ。あれか、いやがらせか。無性にイライラしてくる。
23番になりますとどの町でも同じ顔の従業員が教えてくれる。なんでも個室で寝てるとか。まったく。
至福のもふもふタイムを邪魔されて腹が立ってるって言うのにもうなんだよ。いや八つ当たりだけどさ。
とりあえず指し示された部屋の前に立って思いっきり扉を開けた。それはもう本気で開けたよ、やるせなさの全てを込めて。

――――そしたら凄い勢いで茶色い物体が壁にぶち当たった。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ずどむ、と重い漫画のような音。受け身など取れる筈も無い。
だが幸運な事に後脚から壁に激突したようで、別段これと言って怪我は見当たらないのが幸いかな。
せいぜいが痺れる程度の痛みと跳ねて廊下を転がってる事が問題だろうなぁ、と思いながら。
慣性で動いていた身体が停止し、毛皮に付着した埃を落としつつ立ち上がる。掃除が行き届いているのかあまり汚れてはいない。
見上げれば唖然とした……というよりは呆れたような表情の人間と、黄色い瞳の四足獣、グラエナが其処に。
……ヤニ臭いな。

「えーと、あーうん…………うん、とりあえず助けてくれてありがとう、でいいのかな」
「……普通、私とマスターが礼を言うべき立場にあると思うのですけれど」
「うんところで君私のポケモンになる気はないかな?」
「「いきなりっ!?」」

あまりに唐突過ぎて思わず大声を出してしまった。人間の隣にいたグラエナも同じく驚いたらしく女の方を振り返っている。
いけないいけない、すっかり相手のペース……だけど別に構わないのではないだろうか。
目的など無いに等しい今の状態で僕に何が出来るのか。何を生きる縁とするのか。
それが見つかるまでは別に彼女たちに同行してもいいのではないだろうか、と。
把握している限り手持ちはグラエナ一体だけ、おまけに低レベル、これならいつでも逃げ出せるという打算と一緒に、
既にモンスターボールで捕まえているにも拘らずあの態度、一般的に言う悪い人間では無いだろうという推測に後押しされて。
どんな人間なのか、何を目的としているのか、その一切を知らないままに僕は言葉を放つ。

「別にいいけど」
「「なん……だと……」」
「……なんで二人とも驚くのさ」
「いやまさかOKされるとは想定の範囲外、ナッヘが相当強いポケモンだって言うからさぁ」
「私一人でもマスターは守れる、と意気込んでいた矢先にあの有様だったので、非常にありがたいのですが」

ナッヘと呼ばれたグラエナにずずい、と真剣な目で迫られる。何処までも真っ直ぐな瞳。人間に染まった瞳。
それがいい事なのかどうか、いや「誰にとっていい事」なのか。その時点から僕には測りきれなかったが。
だけどまぁ、その。他人から頼られるなんて事を経験した事が無かった僕にとっては、誰かに必要とされるというのはとても心地よく。
なんだかんだ言って人を捨てきれないのは僕の方か、と。ただ寂しがっていただけかという諦めに似た感情と共に、
きっと大きな流れ、なるようになるという楽天的な考えと、年甲斐も無く胸の高鳴り、冒険の始まる予感がしたからこそ。

「まぁそういう事なら願ってもないし…………ミミロップ、ゲットだぜ?」
「ノハルって呼んでくれると嬉しいんだけど」
「なんというか……拍子抜けというか、あっさりしてるんですね」
「ちなみに私の名前はナツハだ、ナッヘと間違えると凹むからそのつもりで」

コンゴトモヨロシク、とは言わなかったけど、わりかしすんなりと溶け込んだというかなんというか。
ナツハはトレーナーでもなんでもないライターとか言う職業の人間で、その道行きは「彼」と旅していた時よりもよっぽど色々な意味で酷く、
柔らかく言っても頭が沸いてるとしか思えないような行動をするタイプの人種だと理解するのは、もう少し後の話。


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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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