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深紅の鎌.六

/深紅の鎌.六

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・深紅の鎌.六



―1― 忍軍の気配

その後、俺達はトロッコに乗って上へと続く通路を進んで数分後には出口の明かりが見えてきた。
「ライ殿、出口だ」
「ああ、そうだな」
洞窟を抜けるとしばらく暗い所に居たので外が眩しく感じるがだんだん目が慣れてきて普通に見えるようになった。
トロッコは大きなあの黒い岩の前に着いた。俺達が洞窟に入った側と逆の方だが確かに地上に戻ったのだ。小雨が降っている……
俺達はトロッコから降りた。トロッコは独りでに洞窟の方に引き返していった。岩に開いた入り口は元通り閉まった。
「さぁ、陣営に戻ろうか」
ソラを俺は背中に乗せて少し重い木箱を持つ。ルチは木箱を持っては飛べないのでユメが代わりに持ってくれた。
そして俺達は羽ばたいて地面から離れる。小雨が降っているから、これから強くなるという事もあるかもしれない……
俺達はその事を考えて急いで飛ぶ……

「そうか、下がれ」
俺は城下を眺めながら伝言兵にそう言った。
これで我が国の防衛態勢は整った。あとは敵軍が攻めてくるのを待つだけだ……
城下は俺の兵士達が歩いているのが何所を見ても目に入る。
あいつ等も第一波、第二波とよくやる様だがこの国だけは絶対落とせんぞ……此方はあの薬を持っている。
その時、ガチャという音がしてユスカが入ってきた。
「ユスカか、趣味にハマるのは良いが少しは手伝え……」
俺は溜息を吐く。
「フュイとフュンに話があるから連れていくぞ?」
「ああ、構わん。というか、この二匹、俺の護衛ではなくお前の護衛にしろ」
「どうしてだ?」
「俺には必要ない……」
「そうさせて貰おう」
ユスカはそう言い、部屋から二匹のボーマンダ、フュイとフュンを連れ、出て行った。
俺は再び城下を眺める。小雨はだんだん強くなってきていた……
「雨か……」

ガチャ
地下実験室の扉を閉めて俺達は中央のテーブルに向かった。
「上手くいったのですか……ユスカ様?」
「ああ、上手く薬をライ達に渡せた」
俺は地下実験室の椅子に座りながら返事をした。
「それは良かったですね……」
フュイとフュンは向かい側の席に座る。
「ああ、全くだ。これで俺の良心が落ち着いた」
「でも、ルサ様にばれたりしないのですか……?」
「大丈夫だ。この実験室は俺の許可なしに立ち入りを禁じているし、ルサも俺が許可しない限り此処には入れん」
この地下実験室は防音加工もされているから外から話を盗み聞きされる心配も無い。
それにこの部屋に入るのは俺の力が必要だから此処では何でもできる。
「フュイ、フュン。良い友達を持ったな」
「有難う御座います……」
二人は頭を下げる。
「もうすぐ再会できるな」
「でも、フラッドガ国軍に勝てるのでしょうか……?」
「きっと出来るさ」
「ユスカ様が仰るのならきっと大丈夫ですね……」
フュンも黙って頷く。とは言ってもフュイの双子の妹のフュンは生まれつき声が出せないんだったな……
「さてと、ある実験をこれからするんだが付き合うか?」
「私達二人はユスカ様の護衛に先程なったのですから、勿論付き合います……」
「個人としての意見はどうなんだ?」
「興味津々です」
フュイとフュンは笑顔になる。
「それじゃ、早速取り掛かろう」
俺とフュイとフュンは立ち上がった。

「……という訳なんだが薬に関して詳しい奴は居るか分かるか?」
俺達は今、自分達のテントに戻っていた。雨はどしゃ降りになっていて、俺はさっき起こった事をユリに話した。
「フィカさんなら分かると思いますよ……あの方は薬に関して詳しいみたいですから……」
「よし、ユリ、フィカの元へテレポート出来るか?」
「出来ます。では皆さん……」
俺とルチが木箱を持ち、俺達がユリの腕に手を触れた時、木箱の隙間から一枚の紙がひらりと出てきた。
その紙を俺は拾って紙を広げる……そこには短い文が書かれていた。

くれぐれもライ・ソラ・ユリ・ルチ・ユメ以外に俺がこの薬を渡した事を言わないで欲しい……
                                             ユスカ

俺はこの文を読んだ。
「だとさ、皆、どうする?」
「もちろんユスカが渡した事は言わぬ」
ソラがそう言うと皆、頷く。
「そう言うと思った」
そしてユリの腕に掴まった。ユリは皆、腕を掴んでいるのを確認し、テレポートを使った。
ユリのテレポートのおかげで俺達は一瞬でフィカのテントの前に着いた。今は、雨が降っている。
俺は翼を広げて皆が濡れないようにする。
「フィカ、居るかー?!」
「どうした?」
テントの入り口が開いてフィカが出てきた。
「ちょっとこの木箱の中にある薬を見て欲しいんだ」
「まぁ、良いだろう……濡れるからテントの中に入れ」
フィカにそう言われて俺達はフィカのテントの中に入った。
「薬を出してくれ」
俺とルチはフィカに言われて木箱のロックを解除する。そして箱の蓋を取ると中には長さ数cmの細い試験管がびっしりと詰まっていた。
どの試験管の中にも蒼い液体が入っている……
「これは、まさか……」
蒼色の薬を見た瞬間、フィカは驚いた様子でそう言った。
「どうしたんだフィカ?」
「いや、何でも無い……とにかく確認しよう」
フィカは試験管を一本取り出した。フィカはその試験管を軽く振る……すると中の液体がキラキラと光る。
その薬の様子を見てフィカは期待に満ちた視線を薬に向ける。
フィカは自分のベットの横に置いてある黒いバックをサイコキネシスで引き寄せてバックを開く。
バックの中には沢山の実験器具や薬品がコンパクトに纏められていた。
その中から赤・青・緑・黄・銀・金・黒・翡翠・蒼・紅色の小さな紙を取り出した。
フィカはサイコキネシスで試験管の蓋を開けて中の薬から10滴取り出して一枚の紙に一滴ずつ垂らす。そして垂らすと10枚の紙を宙で扇ぐ。
扇いだ後、紙を地面に置くと赤・青・緑・金・翡翠・蒼・紅色の紙の液体を垂らした所が白色に変わっていた。
「信じられん……こんな……」
「どうかしたのかフィカ?」
「見ろこれを!」
フィカは反応があった紙を拾って俺達に見せる。
「この7枚の紙が反応したという事は……この薬は真・神境薬だ……」
「真・神境薬?」
ソラが首を傾げる。
「そうだ。真・神境薬だ……これほどの物を一体何所で貰ったんだ?!」
こんなに興奮した様子のフィカを見た事が無く、俺達はぽかーんとしてしまう。
「名前は言えない……それがこの薬を渡してくれた人の頼みだ」
「そうか……でも、こんな薬を作れるとはな……もうこの世には作れる奴が居ないはずだったのに全くすごい奴だな」
「フィカ、説明がまだなんだが?」
「すまんすまん、つい興奮してしまって……なにしろこの薬の作った人は作り方を他言せず亡くなってるからな……」
「そんなに凄い薬なのか?」
「そうだ」
フィカは紙を片付けながら言う。
「どんな効果があるんだ?」
「攻撃力・防御力・視力・運動能力が格段に上がり、どんな状況にも屈服しない精神。そして傷の治りが早くなったりするんだ」
「この薬にそんな効果が……」
「そうだ。この薬は作るのに1年は掛かるだけではなく決まった温度、湿度の中で作らないと出来ない薬だ。
材料だって貴重な鉱石を使ったりするから、この薬を作ってくれた奴は手間を掛けて、慎重に作り……そして高度な業で作ったんだな
この出来からして信じられない程、腕が良い奴だな……」
フィカは褒めている相手が敵国の女王であるのも知らずに薬の出来を褒め称える。
「で、何人分あるんだ?」
「300人分だ」
「でも、此処には3000個の試験管あるのだぞ……?」
「一人10本使うんだ。だから3000個で300人分だ」
「でも、どうして10本も?」
俺はそれが不思議でたまらないく聞いた。
「この薬は一気に入れるのが危険だからな……少しの分量を一回ずつ何秒か間を空けてからやっていくんだ。難しくは無い事だけどな」
「なるほどな……」
「ご丁寧にこんな物まであるのか……」
フィカは試験管に付いているガラスの筒のような物を試験管から外す……フィカがそれを引っ張るとガラスの筒が伸びて小型の注射器になった。
「携帯型注射器だ」
ユスカは親切に3000本の試験管一つに一本ずつ携帯型注射器を付けてくれていた。
「待て、これは……」
フィカはルチが持っていたほうの木箱の隅に紅色の液体が入った大きな試験管を見つけた。
「ふむ……これは神・治毒薬だな」
「まだ、何かあるのか?」
じっと神・治毒薬が入った試験管を見ながらフィカの目が輝いた。
「親切にも程があるだろうに……全く、良い奴だな」
「どうかしたのか?」
「この薬はどんな毒や有害な薬でも治せるんだ」
「それってつまり……」
「そうだ。この薬はかなり濃いから水で薄めて敵国の狂怖薬服用者達に撒けば薬の効果を失わせる事が出来る。匂いを吸うだけで効果があるからな」
「ざっと見て何人分位あるんだ?」
「2000人位だな」
つまりフラッドガ国を攻める時、4500人居る服用者をうまくいけば2500人程に減らせるわけだ。
ゼネラ国の兵士に持たせて、いざフラッドガ国と戦う時、上から撒けば結構良いかもな。
「早速、会議を行って話し合ったらどうだ?」
フィカの提案に皆、賛成した。
ユリがスラーとチャバにテレパシーで緊急会議を行う事を伝えるとOKとの返事が返ってきた。
「そうと決まれば……有難うフィカ、俺達は行くよ」
「ああ、じゃあな」
こうして俺達は木箱の蓋を閉めて俺とルチで箱を持ち、ユリのテレポートを使って会議用テントに向かった……

「そうか……別部隊は計画通り進行中か……」
「では、女王様」
報告兵はそう言って去っていった。俺は扉を閉めて鍵を掛ける……
「どうかしたのですか……?」
「別部隊が計画通り進行中でもうすぐライ達の軍に気づかれる所まで来てるらしい……」
「そうですか……」
フュイとフュンが暗い顔になる。
「大丈夫だ。あいつらは絶対やれる!」
俺は双子の肩を叩く。
「あきらめたら、そこで終わりだ」
「そうですね」
何とか俺は双子を励ます事が出来た。
「ライ達が勝った後にはフラッドガ国の住人はルサの催眠から目覚め、ずっと願っていた平和な世の中が来る」
そう……ルサが王になってから、この国はおかしくなった。だからこそライ達に勝ってもらわなければならない……
そして真の平和な時代を……
「ユスカ様、そろそろ時間が来ますよ?」
「ああ、分かった。フュン、そこの薬を取ってくれ、フュイはそこの砂が入った試験管を」
俺達三人はまた実験に取り掛かった……

「少し疲れたな~ライ殿……」
「ああ……ソラ」
俺達は今、会議用テントからの帰って来て自分達のテントに居た。
時刻は8時過ぎだ……辺りはすっかり暗く、どしゃ降りは止んだものの小雨が続いている。
会議が少し長引いたもので少し疲れた。結果的にフラッドガ国を攻め落とす時の作戦はこうだ。
初戦で大活躍だった岩石砲部隊は少し先に谷の上に出れる別の道を見つけたので谷の上に登らせて安全な所から攻撃させるという事になった。
フラッドガ国は谷を抜けるとすぐなので谷の上から岩石砲を放てば有利だ。もちろん今回も岩石砲隊を使い、ゴローニャを最前線に送る。
その他の戦術、例えば二人一組は同じだが真・神境薬が300人分ある為、薬は各国のエリート中のエリートに使うことが決まった。
そして、神・治毒薬は俺の考え通りゼネラ国の兵士に持たせて機械を使い、薬を噴出して撒くことが決まったが
兵士の負担を考えて200人の兵士に2000人分の神・治毒薬持たせる事になった。
その薬を撒く200人のゼネラ国の兵士には薬を撒く兵士一人に対して二人の護衛を付けることも決まった。
そして今回、炎で敵を焼き払う為にリザードンだけで編制された灼熱翼隊が結成された。
また、ラムパルドの突撃力を活かし、ラムパルド突撃部隊を結成して最前線でフラッドガ国に岩石砲隊に飛ばされてきたゴローニャと
共に強力な突進を喰らわす事になった。
「疲れたしゆっくりしたいのだ~……」
ソラがそう呟くとユメがその言葉に反応した。
実はですね……私、谷の上に天然の温泉を見つけまして……近いですし、案内しましょうか?
「やっほー!温泉、温泉!」
「ライ殿、どうだ?」
「まぁ、良いんじゃないか?」
「有難うライ殿、ユメ!」
あの、ソラ、私は何故褒められたのですか……?
ユメは首を傾げる。
「温泉を見つけてくれたからなのだ」
ソラがそう言うとユメは嬉しそうな顔をした。
温泉か、この陣営にも一応男女別の大きな風呂場はあるが軍で共有だからゆっくり出来ないし……
ユメが見つけてくれた天然の温泉ならゆっくり出来るだろう……
俺達は早速温泉に行く為、タオルを持った。
そして俺はソラを背中に乗せ、ルチはユリを背中に乗せたまま谷の上へと出た。
此方の方向です……
ユメはそう言ってある方向へ進み始めた。俺とルチもその後に続く……
すぐ下には森が続いているがこの景色、何処かで……?
そう思いながらユメの後に連いているとやがてその考えは合っていたことが分かった。
ユスカの地下実験室への遠い道のりの入り口となるあの大きな岩が視界に入り、同時に岩の傍を通る川も視界に映った。
相変わらず大きな岩だな……俺は内心思った。
ユメは方向転換して川に沿って進み始めた。この方向からすると川の上流に向かっている。
ソラを見ると俺の背中で楽しそうな顔をしていた。ルチ達も同じ表情を浮かべている……一体、どんな天然の温泉が姿を現すのかな?
といった顔だ。
そのまま数分飛んでいると、ある所でユメのスピードが落ちてきた。俺とルチもそれに合わせてスピードを下げる。
「此処です」
ユメはそう言って地面に着地した。俺達も着地して俺はソラを下ろす……目の前には白色の温泉がある。
辺りは森の木々に囲まれている。天然の温泉は川と崖に挟まれた所にあった。温泉は大小様々な岩が集まった所の中心から涌き出ていていた。
岩が温泉を逃さないようにして囲んでいて少し広く大きかった……これ以上入らずに溢れた湯は川へと流れている。
谷の少し先からは俺達の陣営の光が見える。
「早速、入ろうライ殿」
「ああ」
皆で湯気が立ち昇る白い色の温泉に入る。ユリは身に纏っているベールを脱いでから温泉に入った。もちろんその間は俺は視線を背けた。
湯加減は丁度良かった。戦いの疲れが抜けていくのを感じる……
小雨が涼しく感じ、心地が良い。
ユリ達は俺の傍に座る。
「ラ・イ・殿♪」
ソラが温泉に浸かるなり俺の傍に寄ってきた。
「どうした?」
俺がそう返事をするとソラは急に自分の背を俺の胸板に密着させた。
その為、俺がソラの後ろから抱きつくような体勢になった。
「ソラ?!」
「駄目……かの?」
ソラは頬を赤らめる。俺の心臓の鼓動が高鳴るのが分かった。
「特等席だわねソラ」
ルチ達は俺の傍で微笑む。
「まぁ、良いけどさ……」
「ライ殿、じゃあ……抱いてくれ……」
「あ、ああ……」
ソラの注文通り俺はソラに後ろから抱きつくような体勢から抱きついてやった。
腕はソラのお腹のところで抱いているがソラの胸が少し腕に当たっている……だからと言って下の方へ行っても不味いし……
仕方なく俺はその状態で居ることにした。
腕を通してソラの高鳴る心臓の鼓動が伝わってくる……
「うん、何度も言ったけどやっぱり私は思うね、この二人が良く似合う」
ルチは急にこんな事を言い、腕組みをして頷く。
「ふふ……そうですね……」
「……コクッ」
何だか物凄く恥ずかしい……ソラは喜んでいるようだが……
「そういえばユメって温泉入って大丈夫か?タイプがタイプだし……」
大丈夫ですライさん……確かに私は氷タイプですからのぼせやすいですが少しの間なら入れます……
「そうか、なら良いんだが」
お気遣い有難う御座いますライさん……
ユメはニコッと笑顔になる。
俺は岩に寄り掛かる。
今、思えばユスカは何故、薬を渡してくれたのか俺には分からない……良心が許さないと言っていたのは目を見て本当だという事は分かったが
まだ何か目的があるように俺には見えた。
一体何なのかと考えた所で何も思いつかなかった。
「ライ殿?どうかしたのか?」
「いや、何でもないよソラ」
「……?」
俺はソラの頭を撫でてやる。敵国を攻め落とす為の作戦を立てている時の事……
フィカはルサが民に催眠を掛けていてルサさえ倒せばフラッドガ国の民は正気に戻ると言っていたが
フラッドガ国女王……ユスカはどうなるのか?薬を渡してくれたり、俺達が目の前に居ながらも襲ってこなかったあのユスカは……
ルサを倒し、ユスカが主権を握れば平和な時代が来るかもしれない……
「大丈夫、信じて」
「ルチ?」
「長年の付き合いだからどういう事を考えているか位、目でだいだい分かるわよ」
「同じ様な事を何度も俺は考えてる気がするな」
「そうね、私もだけどね」
どうしてこの事ばかり考えてしまうのか不思議だなと内心俺は思う。
とりあえず今はゆっくりと温泉に浸かろう……
ユメはちょっと限界が近いのか湯から出て岩に座る。ユメは下半身だけ湯の中に入れ、小雨が降る中空を見上げる。
ルチは心地よい温泉で何だかウトウトし始めた。ユリは瞼を閉じて小さな声で何か歌っている……ソラは何だか落ち着かない様子だった。
「どうかしたのかソラ?落ち着かない様子だが」
「い、いや何でもない……」
ソラはそう言うと頭を振り、深呼吸した。その動作中俺の腕にソラの胸が強く当たり、俺は少し体が熱くなるのを感じた。
その為、小雨がいっそう心地よいものとなった。とうとう俺もルチの様にウトウトし始めた。
いかんいかんと頬を軽く叩く。……が、すぐに眠気が再び襲ってくる。だんだん思考も働かなくなってきて首と腕が自然に垂れてくる……
首が結構垂れたときだった。急に息苦しくなったかと思い瞼を開くと俺の顔は湯の中に入っていた!
「ゴホゴホッ……!」
俺はとっさに顔を温泉から出す。少し湯を飲み込んだらしく息苦しいが深呼吸をして自分を落ち着かせる。
「ライ殿どうかしたのか?!」
「ちょっと湯を飲んじまっただけだ大丈夫だ」
心配そうな視線をソラは俺に向ける。一瞬湯を飲んで死ぬかと思った……
?……、俺はいつの間にか手の平から伝わってくる柔らかい感触に首を傾げる。
探ってみると柔らかく球体を半分に切ったような形をしている……
ライ殿、ユリ達も近くに居るから慎重にな……?
「!」
俺が今、触れていたものはソラの胸だった!とっさに腕を引っ込める。
「ご、ごめんソラ……!ウトウトしていたかr……「妾は気にしてないぞ、ライ殿
「ソラ……ごめんな」
「良いのだ。ライ殿なら別に……」
ソラの頬は赤く染まっていたがソラは笑顔だった。
ルチの方へ目をやるとルチは寄りかかる岩に頭を乗せて眠っていた……
ユリは先程と同じく瞼を閉じて小さく何かおだやかな歌を歌っている。ユメは再び温泉に浸かっている……

しばらく俺達は温泉でゆっくりしていた……
「さて、そろそろ出るか?」
「うむ」
「そうですね……」
「……コクッ」
「Zzz……」
一人だけ静かな寝息で返事をする。
「俺が起こすよ」
「はい、分かりました……」
ユリとユメは温泉から出た。
「ライ殿、妾は一緒に居ていいか?」
「構わないよ」
ソラと共に俺は立ち上がりルチの元へ行く。
「ルチ起きろ」
「ん……」
俺はルチの頭を撫でる。
「起きてくれルチ」
目を擦りながらルチは目を覚ました。
「テントで寝るぞ」
「分かったわ」
ルチは立ち上がった。俺達は温泉を出てタオルで体を拭いた。
温泉から少し離れた所でユリとユメが待っていてくれた。
「温まったばかりですし、飛んでいくとお体が冷えてしまうので私のテレポートで行きましょう……」
「有難うユリ」
「どういたしまして……」
ユリは笑顔になる。
俺達はユリの腕に捕まり、テントへ向けユリはテレポートを使った……
シュン
ユリのテレポートで俺達は一瞬で自分達のテントの前に着いた。
「ふぁ~あ」
ルチは大きな欠伸をする。その表情は見ている此方も眠くなってきそうな表情だ。
よく見れば皆、眠そうな表情をしている……まぁしばらく温泉に入り、体の端から端までポカポカで夜10時過ぎとなれば眠いのも分かる。
皆、早く寝たいのか早足でテントに入る……俺もソラ達の後に続く。
テントの中に入ると俺達は布団に入るがソラは布団に入った俺の傍に来てこう言った。
「ライ殿、同じベットにそ、その……入って良いかの?」
「別に構わないよソラ」
「有難うライ殿」
礼なんていらないのにな……俺は内心そう思った。
ソラが入れるように俺はスペースを空けてやる……そしてソラが入り易いように掛け布団を捲る。
頬を赤く染めながらソラは布団に入ってきた。ソラが入ったのを確認し、掛け布団を掛けてやる……
俺は布団の中でソラの背中に腕を廻し、抱き寄せる。互いの顔が間近に迫る……
「ライ殿……!」
ソラの頬がカッーと赤くなる。
俺はニヤッと笑ってみせる。
「もう……、ライ殿の馬鹿……」
ソラは頬が赤く染まった笑顔で返す。そしてソラも俺の背中に腕を廻してくる……
ふとルチの方を見るとルチは早くも眠っていた……
「ライ殿……」
「何だ?ソラ」
「そ、その……」
「これが欲しいんだろ?」
俺はソラの唇に自分の唇を重ねて舌を進入させる……そして自分の舌をソラの舌と絡ませる。
突然の行動にソラは一瞬ビクッと体を震わせる……が、ソラも自ら舌を絡ませてくる……
数十秒間俺とソラの口と口はそうして繋がっていた。
やがて俺は口を離す……透明な橋が俺とソラの間に掛かる。
ソラはその透明な橋をじっと眺める……
「おやすみなさいライ殿……」
数秒して橋が途切れるとソラはそう言った。
「ああ、おやすみソラ……」
俺がそう返事をするとソラは瞼を閉じた……ソラの頭を数回撫でてやりソラを抱いたまま俺も瞼を閉じる。
自然に意識がだんだんと溶けて行き、小雨とソラ達の呼吸だけが聞こえるがやがてそれも消えて行き、俺は眠りについた。

―2― 空と雷の甘恋

…どうしても眠れぬ……。
妾は閉じていた瞼を開く……目の前にライ殿の顔が映り、心臓の鼓動が高まったのを感じる。
ライ殿が目の前で眠っている。それを考えると頬が熱くなるのを感じた……
時計を見ると日付が変わってから8分経っている……聞こえてくるのは小雨、目の前のライ殿の寝息、ユリ達の静かな寝息だけ……
ライ殿は気持ち良さそうに寝ている……
正直な話、ライ殿と彼氏と彼女の関係になれたのだが妾としてはそれ以上の関係になりたい……
「はぁ……」
妾は溜息をつく。そんな事を妾が言えるは無いのだ……理由は恥ずかしいからなのだが言わないとライ殿には伝わらない……
「どうかしたのかソラ……?」
「!」
いつの間にかライ殿の瞼が開き、妾を見つめていた……!
「い、いや何でもないぞライ殿」
「誤魔化すなよ、何か悩んでるって俺には分かるぞ?」
「ライ殿……」
「俺に出来る事なら手伝ってやるぞ?」
「……」
あんな事をしたいだなんて妾にはとても言えない……!ライ殿でもさすがにこれは恥ずかしい……
「ソラ?」
妾の頬がどんどん熱くなる。
考えてみればフラッドガ国との決戦は近い……何が起こるのか分からない……此処は思い切って!

ソラは頬を赤く染め、俺を見つめながら何か呟いている……
「おい、ソラ?」
「ぇ?」
「どうかしたのか?そんなに深刻な悩みなのか?」
「い、いや違うのだライ殿!」
「じゃあ、話してくれソラ、協力できるかもしれん」
「えっと……その、だな……」
緊張しているのかソラの腕に力が入る。
「妾と……その……」
「ソラと?」
「ぁ…ぅ…」
ソラの口が動くが緊張で声が出ないらしい……
「深呼吸した方が良いぞソラ、声が出ないじゃないか……落ち着くんだ」
「うぅ……ライ殿の馬鹿……」
何を伝えようとしているのだろうソラは……
ソラは深呼吸した。そしてもう一回言おうとするがやはり言葉が出ないらしく頬を膨らませる。
「声が出ないなら……こ、行動で……!」
そうソラは言うといきなり素早く俺の下半身を探り、普段隠れている俺のモノを掴み、引っ張り出した!!
「ソ、ソr…う!?」
ソラは俺の上に覆いかぶさり唇を俺の口に重ねてくる……!
「待て、ソラ…!」
俺はソラを退ける。退けられたソラは悲しそうな顔をする……
「いきなりどうしたんだよ……!?」
上半身を起こしつつそう聞く。
「だ、だって……ライ殿とヤ、ヤりたかったのだ……!」
「!?」
ソラはそう叫び俺の驚いた顔を見て、言ってしまった……という顔をして頬がどんどん赤くなる。
「ち、違う!ラ、ライ殿今のはっ……!!」
「そうなら、そうと言ってくれれば良かったのに……ごめんなソラ、君の気持ち、気が付けなくて」
「ラ、ライ殿が謝る事ではないのだぞ……!妾がハッキリ言わないから……」
俺はソラを抱き寄せる……ソラも腕を俺の背中に廻す。
「……妾と、ヤって……くれる…かの?」
ソラは俺と抱き合いながら途切れ途切れにそう言った……
「お前が望むなら……」
少し腕の力を緩め、俺とソラは見詰め合う……
「ライ殿の……痛くないのか?」
ソラは心配そうに俺の大きく、張りつめたモノを見つめる……
「ああ、痛くは無いぞ」
「本当なのか?」
「本当だ」
そしてまた俺とソラは見詰め合う……
「どっちから……ヤるのだ……?」
「もちろんソラから……だよ」
俺はソラを優しく押し倒す。
「ライ殿、妾は初めてだから……優しく頼むぞ……?」
ソラは頬を真っ赤に染めながらそう言った。
「分かってるよソラ、俺も初めてだけどな」
俺はソラの胸にそっと手を置く……
「んっ……」
ソラが小さく声を出した。
俺はソラの胸にゆっくり手を這わせる……そして掴んでみる。
「んぁ……」
胸は柔らかかった。そして柔らかい胸の中心には小さく鮮やかなピンク色の突起、乳首があった。
ソラの胸を揉んでいる内に乳首は立ってきた。
「綺麗なピンク色だな」
「ば、馬鹿……そんな事……」
ソラは恥ずかしそうにする。そんなソラの頭を俺は撫でてやる……
そして俺はソラの乳首を掴む。
「ひっ……」
ソラの体がピクッと反応する。
俺はソラの乳首を手で擦ってみたり爪で弾いてみたりする。
「んぁ……!ぁぅ……」
感じているのかソラは軽く身を捩る。
さらに俺は乳首を軽く引っ張り横から乳首を舐める。
「そんなぁ!…ぅっ…馬鹿ぁ、ライ殿…んぁ!……気持ちよすぎる……!」
ソラは身を捩り喘ぐ。
喘ぎまくるソラは途轍もなく可愛かった。その様子を見て俺のモノが限界まで大きくなっているのにも関わらずさらに大きくなった気がした。
尚も俺は乳首を軽く引っ張り、横から舐める……俺はそれをだんだん激しくしていく……それに合わせソラは喘ぎ声を上げる。
「ら、ライ殿ぉ……!ひゃうん!……あぁぁぁっ!」
次の瞬間、ソラは俺に強く抱きつき、下半身から透明な液体を大量に噴出しながら果てた。
この透明な液体は愛液であろう……ソラが俺に抱きついてイった為、俺の下半身はソラの愛液でびっしょりだ。
「はぁ……はぁ……」
抱きついているソラの荒い息遣いが間近で聞こえる。
「気持ちよかったか?」
ソラは腕の力を弱め、頷いた。
「まさか、胸でイくとはなソラ」
「だって、ライ殿が激しく……」
「もしかしてお前イった事、一度も無いのか?」
ソラは顔を真っ赤にして頷く。
「そうか……なら」
俺はソラの腕を解き、ソラの下半身の筋……秘所をなぞる。
「ひゃっ!?」
ソラは驚きの声を上げる。
「いけない娘だなソラは……こんなに秘所がびしょびしょだなんて」
「しょ、しょうがないではないか……」
ソラは物凄く恥ずかしそうにする。
俺はもう一度ソラの秘所の筋をなぞる。
「ひっ……!」
愛液でびしょびしょになっているソラの秘所に俺は指を2本入れる。
スプッという音がして秘所の中に俺の指が入る。
「うぁ……!?」
秘所の中で俺は指を出し入れする。
「うぁっ!?…んぁ、ん……!はぅ……ひゃっ!」
グチュグチュという水音がしてにびしょびしょのソラの秘所から愛液がさらに出てくる。
しばらくそのまま激しく指を出し入れをする。
やがて俺は指を秘所から引き抜き、どんどん溢れてくる愛液を啜る。
「ひゃぁっ!!」
ソラの秘所からどんどん愛液が出てくるのを俺は全て飲む。
愛液を尚も啜りつつ俺は舌を膣内に進入させる。
「んぁっ!!?」
舌を動かし、ソラの膣内を激しく舐め回す。すると、いやらしい水音が響く。
「んぁっ!あぁ……!ひぃ、あぁん!」
ソラは身を捩って感じるまくる。
「どうだソラ、もうイきそうか?」
「イくぅ!イきそうなのだ。ラぁイ殿!!」
「よし、仕上げと行こうか」
俺は微弱の電気を指に纏わせてソラの秘所にある小さな突起に触れ、微弱電流を流す。
「ひゃあああぁぁぁぁっ……!!!」
ソラはこの電流攻撃を受けて愛液を噴出し、喘ぎながらイった。
イったソラは、はぁはぁ……と荒い息遣いをする。余程気持ち良かったのか秘所が軽くヒクヒクしている……
俺はテント内を見渡すがユリ達が起きる気配は無い……と思う。
「……ライ殿」
「何だ?」
「気持ち良かっ……たのだ……」
「そうか、良かったなソラ」
「こ、今度は……妾のば、番で良いか……?」
「何がだ?」
俺はわざと惚ける。
「な、何がって……ライ殿がやってくれたから今度は妾が……その、……ぅ」
ソラは恥ずかしいのか目を逸らす。
「何をやるのか言ってみろ」
「ふぇ!?」
「じゃ、やらせないぞ?」
「ラ、ライ殿!そんなぁ……!」
上手く噛み付いたな。
「言ってみろ」
「うぅ……」
ソラは顔を真っ赤にする。
「ほら」
「ラ、ライ殿のモ、モモ…モノを……しゃ、しゃb……」
そこまで来てソラの言葉は詰まる。さすがに恥ずかしすぎるか……
「もう良いぞソラ、やってくれ」
俺はベットの上に横たわる。すると俺のかなり硬く、真っ直ぐになったモノが露になる……
ソラは俺に覆いかぶさり、抱きついた……ソラの秘所と俺のモノが触れ合い、その感触に互いに一瞬震えた。
「馬鹿……、何であんな事言わせようと……(!)」
ソラが言い切る前に俺はソラの唇に自らの口を重ね、すぐに離した。
「もう……っ」
「さて、喋るのも此処までにしようか……ソラ」
俺がそう言うとソラは抱きつくのを止め、俺のモノにそっと触れた。
ソラは俺のモノを両手で押さえ、興味深そうにじっくり眺める。モノは俺自身も驚くほど膨張し、張りつめている。
「硬いのだな……」
ソラはそう言うと裏筋をぺロッと一舐めする……その瞬間、俺の体がビクッと跳ねる。
さらにソラは舌を横からモノに絡ませ、上下に顔を動かす。その度に快感が俺の体を稲妻の様に駆け巡る。
自然に俺は荒い息遣いになってくる。ソラは上目遣いで俺のその様子を見て嬉しそうな顔をしている……
「ソラ、上手いな……」
そう俺が言うとソラはニコッとする。
「本当に初めてか……?」
「うむ」
ソラは俺のモノを咥えながらそう返事した。
そしてソラはモノを咥え、口内で舐め回しながら上下に動かす。
「くっ……」
今まで感じた事の無い快感が俺の体中を駆け巡る。
ソラは我慢できなくなったのか右前足で俺のモノを押さえつつ左前足で自分の秘所に指を出し入れする。
相変わらずソラの秘所からは沢山の愛液が出てくる。
その様子を見た俺は尻尾を秘所とは別のもう一つの穴の前に持っていく……
ソラは俺のモノを咥え上下に動かすのと自らの秘所に指を出し入れすることに夢中になり気が付かない。
俺は尻尾をソラのもう一つの穴にジュプッという音と共に一気に侵入させる!
「……ッ!!?」
ソラは下半身に走った感覚にビクッと反応する。
俺はグチュッグチュッという音を立て、尻尾を出し入れする。
「っあ!んぅ!?……あぅ!」
ソラは喘ぎ始め、ソラの動きが止まる。
「はぁ、はぁ……動きが止まってるぞソラ」
「ッ!馬鹿っ……!こんな状態で……!」
そう言いながらもソラはまた俺のモノを咥え上下に動かし、自らの秘所を弄る……さらに今度は右前足で俺のモノの下に付く袋を弄り始めた。
「くぅ……!ソラ、俺…もうイく……!」
「妾の口の中に……出してくれ、ライ殿……!」
俺はソラの両方の乳首に微弱電流を流しながら摘む。
「ひぐっ!!?ら、ライ殿ぉっ……!」
「ぐっ……!」
ソラがほんの少し先にイき、愛液を噴出する。
俺はイくと同時に尻尾を引き抜いた。俺のモノから放たれたものはソラの口の中に広がる。
ソラはモノから放たれた液体を口の端から少し漏らしながらも飲みきった。
そしてまたテントの中には俺達の荒い息遣いが響く……
「はぁ、はぁ……ライ殿っ……」
「また俺達イったな」
「うむ……」
ソラは頷く。
「ところでソラ、お前初めてにしては中々上手いじゃないか……どうしてだ?」
「ユリが色々と教えてくれたのだ」
「ユリが?!」
「うむ……」
ソラは返事をするとテント内を見渡す。
「ライ殿……その、本番……ヤるのは……ど、どうだ?妾の処女……受け取って欲しいのだ」
「ソラ……」
「良いかの……?」
俺とソラは数十秒見詰め合う……
「分かった……受け取ってやるよ」
「ライ殿……!」
ソラは安心したような表情をした。
俺はソラの唇にキスをする。
嬉しそうな表情を見せた後ソラは立ち上がり四つん這いになり、俺に愛液で濡れてキラキラと輝く秘所を向ける……
ソラのその秘所に俺はモノを宛がった……
「行くぞソラ……?」
「うむ、来てくれ……ライ殿……」
俺はソラの言葉を聞き、腰を前へ進め始める。
ズプズプッという小さな音を立てながら俺のモノはソラの中を進む……
「んっ……ぁ」
……やがて薄い壁にぶつかった。少しでも力を入れて進めば破れる壁だ……
「処女膜……」
「突き破ってくれライ殿……」
ソラは振り返り、頬が赤く染まった顔で俺を見つめる……
「分かったソラ」
「で、でも優しく……な?、妾……初めてだから……」
「そういうのは挿れる前に言うべき言葉じゃないのか?」
「う、うむ……」
「まぁ良いよ、さぁ行くぞ」
俺はソラの返事を聞き、少々力を入れてソラの膜を突き破る。
「……ッ!」
膜が破ける音と共にソラは痛かったのか体中に力を入れる。
「おい、大丈夫か……?」
「この程度、ライ殿と一つになる為なら大丈夫なのだ……」
ソラは無理やり笑顔をつくる……しかし、その瞳は痛みからか潤んでいた。秘所からは血が少し垂れてくる。
「ソラ……お前……」
「大丈夫なのだライ殿……」
ソラは瞼を擦る。
「さぁライ殿、痛みは引いてきたし奥まで……来て……」
「あ、ああ……」
俺は再び腰をゆっくり進める……
ソラの膣内は温かく、俺のモノに纏わり付いてくる。
「もう少しだソラ、頑張れ」
少し辛そうな表情をするソラを俺はそう励ます。
「こういう時でもライ殿は優しいのだな……」
ソラの表情が和らいだ。
「何言ってるんだ……お前は俺にとって大切な人なんだからな……」
「…ライ殿……!」
「ほら、もう大丈夫だ。奥に着いたぞ」
俺のモノがソラの最奥部に当たったのを感じ、俺はそう言った。
「ちょっと休ませてくれライ殿……」
「分かってるよ」
ソラは緊張を抑えようと深呼吸をする。
「そうだ……、ソラ」
「どうしたのだライ殿……?」
「お前さっき、『ユリが色々と教えてくれたのだ』って言っていたがどういう事だ?」
「そ、それはだな……えっと、妾が聞いたのだ」
「何を……?」
「こ、こう言えば良いかの?わ、妾がそういう事をユリに聞いたら答えてくれた……とな…」
「そうか……」
てっきり、ユリの方が勝手に……かと思ってた。
「ん……」
『!!』
その時、俺とソラ以外の声が聞こえた!俺はとっさにソラを押し倒し、俺も横になり、布団をさっと掛ける。
そしてソラと共に寝たふりをする。その直後、ユリが上半身を起こしてテント内を見渡す。
まさに危機一髪……が、ミスをした。とっさだったのでモノを抜き忘れた!
ソラと繋がったままだ!少しでも動けばソラが声を出してしまうかもしれない!
俺は後ろからソラに抱きついた。こうすれば下手に動く事も無かろう……
ソラは抱きつかれ、顔が赤くなっていた。
我慢だソラ
俺はソラの耳元で囁く。
ラ、ライ殿……!
気付かれないようにユリの方を向くといつの間にかベットから起きて、俺の方に歩いてきていた。
ソラ、瞼閉じろ!
とっさに俺とソラは瞼を閉じる。その為、音を頼りに状況をさぐる。
間近にユリの気配を感じる。ユリはベットにそっと腰掛けた……
不意に俺の額にユリの手が触れた。そして俺の額を撫でる……その撫で方は限りなく優しく、ゆっくりだった……
「ソラ様を幸せに出来るのはライさんだけ……」
そうユリの独り言が聞こえた。ソラの体がビクッと動いたのを感じたがユリには気付かれてないようだ……
「平和な時代が来ますように……」
ユリがそう言うと俺の口に柔らかい感触が伝わる。思わず瞼を開くと瞼を閉じたユリの顔が目の前に映った!
そう、俺はユリにキスをされていた……!
やがてユリが顔を離す。俺は素早く瞼を閉じる。
「ふふっ……」
ユリは静かに微笑み、自分のベットへ歩いて行き横になった……
やがて静かに寝息をたて始めた。
俺とソラはまた立ち上がった……。もちろん繋がったまま……
「どうなるかと思った……」
「うむ……」
テント内を見渡すと皆、眠っている……
「ライ殿……も、もう動かして良いぞ?」
「分かった」
俺達は行為を再開する。俺は腰を動かし始める……腰の動きに合わせ、ソラの膣内が俺のモノを締め付ける……それがたまらなく気持ち良い……
「んぁ……うぅっ……」
互いに今まで感じた中で一番の快感に俺達の息遣いは自然に荒くなる。
「ライ殿!んっ……もっと……!」
俺は腰の速度を上げる。それに合わせてソラの秘所から垂れてくる愛液の量や俺達の体を駆け巡る快感が増幅する。
「んんっ……あぁっ……!気持ち良い……!」
「はぁ……はぁ……」
ソラはかなり感じているようだ。ほぼ常に喘いでいる……
俺は腰を動かし、ソラの膣内を突きながらソラの秘所にある小さな突起を撫でる。
「ら、ライ殿……!?や、やめっ…ひゃぁっ!?」
俺はソラの体を繋がったまま持ち上げ、俺の胸板にソラの背中がぴったりくっ付いた状態になる。
そして両後ろ足を掴み開脚させる。
「ば、馬鹿……!この体勢……!」
ソラは顔を真っ赤にする。それもその筈、正面から見ると俺とソラの繋がっている様子が丸見えだなのだ……
その状態で俺はソラの膣内を突き上げ始める。
「ひうっ!?……ばかぁっ!強すぅぎる……!」
俺はモノを引く際にソラの体を少々持ち上げ、突き上げる際にソラの体を落とすという事をする為、より強くソラの中を突ける。
パンパンという皮膚と皮膚がぶつかる音とソラの喘ぎ声が俺の本能を刺激し、さらに俺は腰を振る。
「ばかぁ……んぁっ!らぁい殿、わ、妾……もぉう、イきそう…!」
「お、俺もだソラ……!」
「はぁはぁ……んっ、らぁイ殿……一緒にイこうぞ……!」
「あ、ああ……」
俺は思いっきりソラの膣内を突きまくる……!
ソラの膣内は限界を迎えていて俺のモノを逃さないようにがっちり俺のモノを締め付けてくる。
「あぅっ……!ら…ぁ……い殿っ!」
「もうっ……出るッ!」
「わ、妾の中にぃ!」
最後にソラの膣内を俺は思いっきり一突きした。
「らぁい殿ぉぉっ!!!」
「ソラっ……!」
俺達は同時にイき、ソラの膣内で俺は果てた。俺のモノからは大量の精が放たれる。
精をを搾り出すようにソラの膣は俺のモノを締め付け、逃さないようにする。膣に入りきらなかったのか俺の精が少しソラの秘所から溢れてくる……
十秒か二十秒か俺はそのままソラの膣内に精を放っていた。
『はぁはぁ……』
俺はソラと繋がったままベットに倒れこむ。不思議な事にソラと俺の荒い息遣いはぴったり合っている。
「これで妾達は……」
ソラは幸せそうな表情を見せる。
「気持ちよかったかソラ?」
「う、うむ……」
俺はモノを引き抜く。モノは精を放ち、小さくなってるがソラの処女膜から出た血が少しついている……
ソラの秘所からは俺の精がソラの処女膜を破った際に出た血と共に少し垂れてくる……
「馬鹿……抜いたらライ殿が出てくる……」
ソラは秘所から垂れてくる精を眺める。
「疲れただろソラ?もう寝よう」
俺は寝転がったままソラを横に下ろす。
すかさずソラは俺の腕に抱きつき、寄り添ってくる。
「おやすみ、ソラ……」
「おやすみなのだライ殿……」
最後に俺とソラはキスを交わした……これできっと俺とソラの間にはどんな障害でも壊せない絆が結ばれた。
俺とソラは抱き合い、瞼を閉じた。自然に意識が溶けて行き、俺達は眠りについた……

その夜、俺は深い眠りについたが一瞬で終わったかのように気が付くと雨の音が聞こえてきた……
誰かが俺の体を静かに揺らしている……ソラとの行為で少し疲れていたが俺は瞼を開く……瞼を開く直前に何か俺の口に柔らかい感触がしたような……
視界がぼんやりしている……しかし、やがて視界はハッキリとしてきて……
『!』
瞼を開いた俺の目の前にユメの顔が映り驚いた。ユメの方もビクッとして俺を見つめたまま硬直する。
状況を確認しようとテント内を見渡すと俺とユメ以外はまだ眠っている。外は雨が降っているようだ。
ユメは俺に覆いかぶさったまま俺を見つめ、硬直している。ユメの頬はほんのり赤みを帯びていた……
「ユ…メ……?」
さっとユメは俺から離れた。
す、すみません……
ユメの頬が赤くなる……俺がポカーンとしていると……
えっと、ライ……さん……あの、これは……その……
ユメは頬をさらに赤く染めながら俺の下半身を指差す……
俺は下半身に目をやると丸出しの俺のモノとそれにピッタリくっ付くソラの秘所……
俺とソラの……で一部分濡れた布団……反論出来ねぇ……
「み、見たまんまだ……」
自分の顔が赤くなるのを感じる。
ソ、ソラとヤ、ヤった……という事…ですよね……?
この事を言うのが恥ずかしいらしくユメは何度も詰まりながらそう言った。
俺はその質問に頷く。
で、では……すぐに処理しないとルチさん達が起きてしまいますよ……?
「ユ、ユメ?」
私は何も言いませんよ……つまり、見逃しますって事です
ユメはそう言って笑いかけてくる……
「い、良いのか?!」
はい……
その後、昨日のソラとの行為の後始末をした。ユメもその後始末を手伝ってくれた。
「有難うなユメ、手伝ってくれて」
自分のベットに腰掛けつつ俺はそう感謝の言葉をユメに言う。ユメは俺の隣に座る。
い、いえ……ライさんのお役に立てて嬉しいです……
ユメはいつもの様に振舞ってくれて俺は一安心する。
「うぅん~……」
不意に後ろから声が聞こえ、振り返るとソラが伸びをして大きな欠伸をして起きた所だった。
「ライ殿、おはよぅ~……なのだ」
ソラは眠そうに目を擦る。
「お早うソラ」
ユメもソラに挨拶をした。
(ユメ、さっきの事は出来れば……)
心配しないで下さいライさん……私は黙っていますから
(一応ユメが知ってしまった事はソラ本人に言わないでくれ)
分かっていますライさん……
俺とユメはそう小声で話した。その間にいつの間にかソラはベットから抜け出してルチとユリを起こしていた。
「お早う御座いますライさん……」
「ああ、お早うユリ」
ルチは眠そうだったが俺が挨拶をするとちゃんと返事を返した。
「ライ殿」
「何だソラ?」
「昨日は有難う、なのだ……」
ソラは頬を赤らめながら恥ずかしいらしく下を向く。
「俺の方こそ」
そう言って俺はソラを抱いて頭を撫でてやる。ソラは撫でられて嬉しそうにしていた。
「温かい……、ライ殿……」
ソラも俺の背中に腕を廻してきた。
「さては何かあったのかな~この二人の間に」
「ふふっ……」
ユリは小さく笑い、ルチはニヤニヤしている。
「ねぇよ……」
その考えは当たっているが本当にあったとは言えないし……な。
「そう……」
ルチは欠伸をした。
「ライ、起きてるか?」
突然、聞きなれた声がテントの外から聞こえてきた。
「起きてるけど誰だ?」
「ああ、すまん、フィカだ」
「フィカか、どうしたんだ?」
「ちょっと緊急の報告があってな」
「緊急の報告?とりあえず入ってくれフィカ」
フィカがテント内に入ってきた。
「実はだな、先程フラッドガ国の遣いがやってきてな。明日の夕方頃に最後の戦いを始めると伝言が来てな……」
「明日……」
「そうだ明日だ。フラッドガ国に向かい、陣営を張る為に各自で今から荷物を整えろとの事だ。因みに軍の兵にはこの事をもう伝えてある」
「何時、出発するんだ?」
「昼頃だ」
「分かった」
「では、私はこれで……」
フィカはそう言って雨が降る中テントから出て行った。
「聞いただろ皆、荷物を整理するぞ」
俺達は荷物の整理をし始めた……


続き:深紅の鎌.七


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Last-modified: 2011-08-26 (金) 00:00:00
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