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新緑の結晶.Ⅱ

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前回:新緑の結晶



・新緑の結晶Ⅱ


ー1ー 捜索

玄関の扉を誰かがノックする。
「シャウラ、準備出来た?」
「ああ」
聞きなれた声の主、ホゥカにそう返答する。
玄関の扉に手を掛けた時、俺は振り返って家を見回す。
もう、この我が家に帰れなくなるかもしれない……
だからこそ今の内に目にこの我が家を焼き付ける。
そして、俺は再度前に向き直り扉を開ける。
目の前には俺と同じく荷物入りの小さなバックを持ったホゥカとリミュウが待っていた。
「お前の姉には言ったのか?」
「大丈夫、事情は話してある。というか……もう時間が来たから帰ったわ」
「そうか……じゃ、行くか」
俺達は歩き始める……。俺は振り返り再度自分の家を目に焼き付ける。
「シャウラ、置いて行くわよ~」
「今、行く」
少し走り、すぐにホゥカ達に追いつく。

曇り空が続く中、俺達はリミュウを先頭に黙々と歩き続ける……
森の木々の間を歩いている内に空を雲が覆い、辺りはだんだん暗くなってきた……
今にも雨が降ってきそうだなと思ったその時であった。
急にリミュウが俺とホゥカを引っぱり、近くの藪へ引き摺りこんだ!
何をするんだと大声を上げようとしたがリミュウが俺とホゥカの口を手で塞ぐ……
直後に上空をオニドリルとドンカラスが横切る。
やがて二匹の姿が見えなくなるとリミュウは緊張を解いて藪から出る。
俺達もそれに倣う。
「今のは?」
「追っ手でしょう……」
「もう此処まで来ているの?!」
「そうみたいです……急ぎましょう」
リミュウはそう言って走り始めた。
「ところで何処に向かっているんだ?リミュウ」
「一族の隠れ家です。彼処なら安全です……あまり長居出来ませんが」
そうリミュウが答えた時だった!
「居たぞ!」
突如、背後から声が聞こえ、振り替えると
此方へ向かって来るザングースとジュカインが見えた!
「逃げて!」
リミュウの一言で俺達は全力で走り始めた。

ー2ー  血筋

地に落ちた枯葉を潰し、追跡してくる2人の足音を聴きつつ俺達は森の木々の間を走り抜ける。
見失わない限り、ずっと追いかけて来るであろうザングースとジュカインとの距離が徐々に迫る。
どうやら振り切れそうに無い……そう俺が考えた矢先、目の前に壁が立ちはだかる……
そう簡単にこの崖を登れそうには無い……崖に沿って走ろうかと思ったが
既に退路はジュカインのリーフブレードで倒れた大木で塞がれる!
「やるしか無いみたいね……」
ホゥカの言葉に頷いて俺は同意を示す。
木々の中からザングースとジュカインが姿を現した。
「ジュカインを頼む……」
「了解したわ」
「リミュウ」
「あ、はい!」
俺の言葉にリミュウは反応し、後ろへ下がる……
ホゥカと俺は戦闘に備えて構える……。
しばらく沈黙が続き、辺りに風の音しか響かなくなり、やがて、雨が振り始めた……
両者共に睨み合う……雨が地面に水溜りを作り出す。
……静かな時間が続いたがそれも攻撃によって崩壊する。
ジュカインがリーフブレードを発動して踏み込み、ホゥカに攻撃を仕掛けた事で戦闘が始まった。
ホゥカは攻撃を直前で避けてジュカインの背後に廻り込み、大文字を放つ!
それと同時にザングースが腕を振り上げ、鋭い爪を振り下ろす!
だが、それよりも早くザングースの腕に辻斬りを決める!
腕を攻撃され、上手く技を決められなかったザングースは腹立たしいのか唸り声を上げる。
俺はザングースに急接近し、辻斬りを発動する。
ザングースは俺の攻撃を狙い通り爪で受け止める。俺は空かさず十万ボルトを発動する!
攻撃を受け止めた為に無防備なザングースはまともにダメージを負い、後退る。
もう一度十万ボルトで追撃しようとするがサッと避けられザングースの接近を許してしまうが
相手のシャドークローを守るで弾き、体当りをする!
受け身をとれずザングースは派手に吹っ飛ぶ。だが、着地と同時にザングースが消えた!
影分身だったようだ!
直後、背後からヒュッという風を斬る様な音が響き、俺の右頬に浅い切り傷が出来る……
反射的に体を捩らせてなければ大きな傷を負っていただろう……
すぐに体勢を立て直し、身構える……
ザングースは木々の中に潜んでいる様だ……姿が見えない。
何時しか雨は強くなっていて地面が濡れて柔らかくなっていて足を取られてしまうかもしれない……
耳をすますと雨の音と何処からか爆発音が聞こえて来る……きっとホゥカが派手にやっているのだろう……
辺りに警戒し、耳をすます……
水溜りを通して足音が聞こえ、直後、ザングースが木々の間から現れて襲い掛かって来た!
俺は十万ボルトを発動するが分身だったらしく、姿が消えた!
何処からかシャドーボールが飛んで来て俺は避けきれず攻撃を受ける……
間を開けずに分身と思われるザングースが再び飛び出して来るが辻斬りで破壊。
直後、シャドーボールを守るで防ぎ、耳をすます……
本体の位置を足音で確認し、俺の全身の体毛に電気が走り、毛が逆立つ。
そして、辺りに轟音を響かせてザングースに雷が直撃する!
相手は力無くその場に倒れた……
「もう大丈夫だ。リミュウ」
「は、はい……」
「怪我は無いか?」
「大丈夫です。私の事よりもシャウラさんとホゥカさんは……」
「問題無い」
「私もよ」
不意に後ろから体の彼方此方に付いた泥を落としながらホゥカが現れる。
「先を急ごう、追っ手が来る前に」
そして、俺達は再び木々の間を走り始めた。
雨は更に強くなり森の木々は葉から沢山の水滴を落としている。
先程の闘いはリミュウの力で敵の眼を誤魔化し、増援を防いだのだが……
リミュウの力にも限界が有り、誤魔化しが解けてしまった。
結果的に先程の闘いの最中は敵の増援の眼を誤魔化せたが戦闘終了と同時にリミュウは力を出し切り……
爆炎を隠す事が出来なくなり再び敵に追われている。
力を出し切ったリミュウは木々の間を走り抜ける俺に背負われて力無く身を任せている。
「其処の藪へ……」
そう言ってリミュウは指差す。
リミュウの言う通りその藪にホゥカと飛び込む。
直後に頭上を二匹のドンカラスが通り過ぎる。
ドンカラスが見えなくなったのを確認すると藪から出てリミュウの指差す通りに木々の間を走り抜ける。
途中、何箇所か藪の中に隠された小さな新緑の結晶にリミュウが触れる。
一族の隠れ家の入り口を開けるのに必要な行動らしい…… 
「これで……最後です……」
俺が身を屈めてリミュウが結晶に触れると結晶が輝く……
そしてリミュウは瞼を閉じて聞き取れない小さな声で何か喋り始める。
恐らく例のリクスという先祖と話しているのだろう……
しばらくして会話が終わったらしくリミュウの瞼が開く……
「二人共、瞼を閉じて下さい……」
辺りを警戒していたホゥカが近付いて来たのを確認し、リミュウがそう指示する。
言われるまま俺達は瞼を閉じる……
「瞼は開かないで下さい……」
直後、浮遊感を感じて一瞬足の感覚が無くなるが直ぐに感覚は戻る。
今度は落下。ガサガサと音を立てて葉や枝が体に当たる。痛みに顔を(しか)めるが
10秒も立たない内に「着地して下さい!」というリミュウの叫びに
俺は反射的に足を伸ばし、地面が触れた瞬間膝を曲げて衝撃を弱める。
着地は上手くいった。リミュウの許可を得て瞼を開く……と……
「ホゥカ……」
俺の視界に真っ先に映ったのは着地に失敗したホゥカが大の字で
地面にうつ伏せに倒れている光景だった……
「し、しょうがないじゃない……」
ホゥカは頬を赤く染めてぶつっと言い放つ……
「大丈夫ですか……?」
リミュウが心配そうにホゥカに近寄る。
「有り難う、大丈夫よ」
彼女の手を借りてホゥカは起き上がる……
どうやら俺達は暗い洞窟の中にいる様で背後は壁。
足元もよく見えない中、俺達は互いを手探りで見つける。
と、急に壁や地面、天井の彼方此方から緑の光が漏れ始める……
光の正体は小さな結晶によるもの……というのは直ぐに分かった。
リミュウの体も輝いて共鳴し、体力が戻ったらしく元気そうに体を動かして見せる。
……洞窟を抜けると眼前に広がる光景を見て俺達は思わず眼を疑った。
広い空間が姿を現し、草や森林が広がり湖、川も流れている……
天井はドーム状になっており中心部に近くなる程高くなり、中心部にはぽっかり穴が開いている。
そこから雨が降り注いでいる。此処に住みついていると思われる鳥ポケモン達が
森林を行き来しているのも見て取れる。
「本当に此処は地下なの……?」
「はい、そうですがそんなに深くはありません。
山の中にこの空間が広がっているので」
此処がリミュウの言う一族の隠れ家なのだろう……
「連いて来て下さい……」
リミュウに従い、俺とホゥカは歩き始める。
黙々と歩き始めてからしばらくして、平原から森林に入りかけたその時。
「どうした?」
急に立ち止まったリミュウにそう俺は話し掛ける。
「シャウラさんは知っていますか?」
「何がだ?」
「自分の血筋、一族……」
辺りは静まり返り、風音が響く……
「どうやらシャウラさんは私の一族の血を引いているみたいです……」
「なっ……!?」
風が吹き付けていたがハッキリ聞こえた。

俺がリミュウの一族の血を引いている……

「確か、か……?」
「はい……リクスさんが言っているので確実です」
「何か影響ってあるか?」
「いえ、例の組織は知らない筈です。
私も今、知ったのですから……なので影響は特に無いと思います」
そして俺達は再び歩き始めるのだが血を引いている一人と聞いても実感が沸かないのである。
「ところで私達、これからどうするの?目的の隠れ家には着いたけど……」
「しばらく此処に居るつもりです。外に出るのは危険かと思いますので……」
リミュウはそう返事を返す……
やがて川を超え、森を抜けると信じられない程大きな大木が姿を現した。
高い天井までそびえ立つ様に生え、幹は太くたくましく……
その巨木は堂々と構え、太い根を地に張り巡らせ、年代を感じさせる風格を放っていた。
あまりの大きさに驚く俺とホゥカを他所にリミュウは辺りに広がる大木の太い根を超えて幹に近づく。
「此方から中に入れますよ」
リミュウが手招きする。
俺とホゥカはそれに従い同じ様に太い根をよじ登ったりくぐったりして連いて行く。
リミュウの元に着くと大木の根本に小さな穴が開いているのに気が付いた。
此処から中に入れるらしい……俺達は身を屈めて中に入る……
すると吸い込まれる様に体が……というより吸い込まれた。
穴は上まで続いていて上から吸い込まれる様に引き上げられ、俺達は上へ上へと上昇する。
大木の中を通っている為、木の優しい匂いを感じつつ気が付けば出口に着いたらしく
放り出される様に穴から飛び出して、勢い余ってホゥカにぶつかるがホゥカの尻尾が衝撃を吸収する。
「大丈夫?シャウラ」
「……まぁな」
返事をしつつ立ち上がると俺達は家具から屋根まで木造の小さな家の中に居た。
窓から外を覗くと此処が大木のてっぺん辺りだと分かった。
眼下には大きくしっかりした枝が数えきれない程生え、その先には沢山の葉が生い茂っている……
辺りが隅々まで見渡せる。それ程高い大木なのだろう……
「こんな高い所によく建てられたわね……」
ホゥカはそう呟く。
「……ところで、しばらく此処に泊まるわけだよな?」
「そうなりますね、一族の隠れ家でもあり、私の家でもありますので……」
「じゃあ食糧調達が必要になるな」
「私も手伝うわ」
俺とホゥカは立ち上がる。
「私も行きます。お二人ばかりやらせるのは気が引けますし……」
こうして俺達は食糧を集めるため、先程の穴を使って外に出た。
話し合いの結果、各自、分かれて集める事になった。
効率を上げる為である。俺は森林の方へ歩を進め始めた……
リミュウに聞いた話だとこれから住む事になる家(大木)は大水晶木と言うらしい……
その名の通り大水晶木は幹から枝まで彼方此方から新緑の結晶が生えているのが確認出来る。
晴れた日には粉末状の結晶の欠片を含んだ葉が光合成を行い、一つ一つの葉が光り輝き
何とも言えない美しい光景を目に出来るらしい……
今はあいにくの雨だがそれでも大水晶木は仄かに淡い光を放っていて何だか神秘的だ。
そう考えている内に木の実が成っている木々を見つけ、俺は背中の籠を下ろす。
弱い電気を放ち、木の実を落として籠に入れて回収する。
それだけの作業だ。……だと思っていたのだが

ー3ー  葉と電気

「これ位集めれば十分かな……?」
私は籠一杯に集めた木の実を見て一息付く、以前此処で暮らしていた事もあり
木の実が採れるポイントは幾つか知っている。
勿論、シャウラさん達にも教えてあげたんだけど……
上手くいっているのかな……?
いや、少なくともドジな私が出来ているのだから大丈夫だよね。
シャウラさん達の前ではしっかり者の様に振舞っているけど……
組織から逃げるのも辛うじて運が良くて逃げ切れたのだし……
気を失った私を助けてくれたのはシャウラさん達……
ジュカイン達に襲われた時もシャウラさん達が倒してくれたのだし……
思えば助けられてばかりだなぁ……
そう思うと私って無力だなとしんみりと感じる……
ハッ!何を内気になっているんだ私。
シャウラさん達の足を引っ張らない様に頑張んなきゃ……!
私は大水晶木に引き返そうと立ち上がり、振り返り際に歩き始めたが木に顔からぶつかった……
「痛ぁ~い……」
あまりの痛さに鼻を押さえて涙声になる私。まさか真後ろに木があるだなんて……
溢れ出そうになった涙を抑えつつ私は再び歩を進める。

「此処で良い筈なんだけどな……」
リミュウさんが教えてくれた木の実が成っているという場所に着いたのは良いのだけれど……
肝心の木の実が成って無い……間違えたのかな?
とりあえず辺りを探してみようと思い、歩き始めた。
私だけ手ぶらって言うのも嫌だし……

「えっと……こっちだよね……?」
来た道を引き返している筈なのに途中から見知らない所に来ちゃったみたい……
慌てている私とそれを落ち着かせようとしている私。
何方が勝つかは勿論……
「どうしよう……迷っちゃったよぉ……」
そわそわする私、落ち着こうにも落ち着けない。
昔からこうだ。自然に涙が込み上げてくる……
でも良く考えてみれば大水晶木を目指せば良いという事に気がつく。
とりあえず向かっている方向と逆の方向に大水晶木が見えて私は歩き始める。
内心ホッとする私だがそれもつかの間、また問題が起こる。
先程渡った川が雨で増水し、川の流れが増している。
でも向こう側に行かないと大水晶木まで辿り着けない……
何か超える方法は無いかなと辺りを見渡すが役に立ちそうな物は無い……
追い詰められた私は最後の手段に行動を移した。
守るを発動し、周りにバリアを作り出して川の中に入る。
バリアのおかげで川の水は私を避けて流れて行く……
「うん、大丈夫そう……」
私は歩を進めて更に深くまで入って行く……遂には頭まで川に浸かる。
川の激流が横切るのを見ながら進み続ける。
順調に歩は進み、もう少しで渡り切れる……が、しかし……
「ひゃっ……!」
うっかり私は川底の苔に足を取られて転び、バリアへの集中が途切れた……!
勿論、バリアへの集中が途切れてどうなるかは分っていた……
私を避けていた川の激流が一気に壁となって私に襲い掛かる。
そして、冷たい水の感触が体を包み込み私の意識は遠ざかった……

……。
「けほっ、けほっ……」
「目が覚めたか?リミュウ」
「こ、此処は……?」
「大水晶木の根元だ」
俺の背中で目覚めたリミュウは自分の背中を探る。
「籠なら流されて行った。お前を助ける方が大事だったから……」
「そ、そうですか……」
「それにしても無茶するなぁ……川を横断しようとするなんて」
「シャウラさん達を待たせたくなくて……」
「だからって危ない事するな」
少し強い口調で言うとリミュウは「はい……」と落ち込み気味に返事をする。
それにしてもホゥカはどうしたのだろうか?
リミュウを此処まで運んで来るのに結構時間が経った筈なのに姿が無い……
「ごめんね、待たせちゃったね」
やっと帰ってきた様だ。振り替えるとホゥカが息を切らして立っていた……
「?、どうしたのリミュウちゃんは……全身水浸しで……」
「川で溺れまして……」
「だ、大丈夫?!怪我は無い……?」
ホゥカは心配そうに声を掛ける。
「はい、シャウラさんが助けてくれましたので……」
「そう……無事で何よりね」
俺達は穴を通り、家に戻る……
「ホゥカは木の実取れたか?」
そう言いつつ俺は籠一杯の木の実を見せる。
「ええ、私も採れたわ」
ホゥカは左右に尻尾を揺らす……綺麗な毛並みの尻尾からは揺らす度に木の実が出てくる。
やがて木の実が出なくなるとホゥカは尻尾を揺らすのを止める。
俺の集めた量より少し多い。これでしばらくは持つだろう……
「結構集まったわね」
「ああ、そうだな……」

ー4ー 深い闇

辺りはすっかり闇に沈み、雨も激しくなっていた……
風は吹き荒れて森林がざわざわと揺れて葉と葉が擦り、音を出す。
大水晶木のてっぺん近くに建てられた家の中には風と雨が吹き付ける音が響く……
まるで嵐の様だ……いや、嵐と言って良いだろう。
「凄い雨だな」
「そうね……大丈夫かしら、崩れたりしないわよね?」
「ええ、先祖様が建てたこの家はこう見えても頑丈なので……」
俺達は中々寝静まれず床に敷いた布団で寝たままの体勢で会話をする。
「シャウラさん……?」
「何だ?」
「もしかして私がしっかりして無い……というか、ドジって言うのに気付いてましたか?」
「ああ、だからこそ俺はお前の様子を見に行った……」
「……」
「それがどうかしたか?」
「あっ、いえ、別に……」
リミュウは誤魔化すようにそう返事をする。
そして沈黙が訪れる……俺は瞼を閉じて眠ろうとする……
だが突然……
家全体が揺れて壁の一部分が何者かに破壊される!
壁は爆炎混じりにぽっかり穴が開いていた……
俺達が何事かと身を起こした瞬間だった!
爆煙の中からザングースが現れて両腕を振り上げて攻撃してくる!
「ホゥカ!」
ザングースの攻撃を俺とホゥカは避けて逆に火炎放射と十万ボルトで反撃する。
攻撃は当たるが……
「きゃあ……!」
突如爆煙の中から現れたジュカインがリミュウを捕まえて再び爆煙の中へ戻って行った!
リミュウを助けるべく追いかけようとする俺達の前にザングースが立ち塞がる。
俺はザングースに体当りして怯ませ、ホゥカが更に大文字で追撃する。
だがザングースは直ぐに体勢を立て直しシャドーボールを放つ!
攻撃はホゥカに当たり、爆炎を起こすかと思われたがシャドーボールはホゥカの体をすり抜ける。
「それは分身よ!」
声に反応し、振り返ったザングースの顔面にギガインパクトが炸裂する!
此方へ向かって吹き飛ばされたザングースに止めと更に俺はギガインパクトをぶつけて勝負は付いた。
俺達は壁に開いた穴から外を覗く。
ジュカインはもはや追いかけても追いつけない距離まで逃げていた……
「逃がしちゃったわね……」
「大丈夫だ場所なら分かるだろう」
そう言って俺は振り返り、後ろで倒れているザングースに視線をやる。
リミュウを助け無ければ……


続き:新緑の結晶.Ⅲ


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Last-modified: 2011-04-02 (土) 00:00:00
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