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僕ら、砂の箱庭で

/僕ら、砂の箱庭で

♂×♂要素あり
一方的な陵辱。間接的な残虐描写あり

僕ら、砂の箱庭で 作:群々


 恰幅のいいワルビアルがホクホクとした表情をしてこちらへやって来るのが見えた。起伏のある砂丘を愉快そうに駆け上がっては息をつき、急な斜面を下る時にはふんぞり返った姿勢で小股に歩く。伝令へやって来るというよりは、ピクニックに興じているかのようで、砂音混じりに吹き鳴らす鼻歌のメロディーまで聞こえてくるかのようだった。さっき孤児のフカマルたちを生きたまま食い散らかしたばかりなのだから流石だ、とフライゴンは感心した。
 ようやく寝ぐらにしている岩陰にそいつがやって来るまで、砂漠の精霊たる彼はほとんど瞬きもせずにその姿の一挙一動を見ていたのだった。
「うっす」
 ワルビアルは陽気に片手をあげて挨拶した。
「呼んでるっすよ」
 そう言ってワルビアルは両爪をしきりに擦り合わせる。フライゴンは目を覆う赤いカバー越しから、ほくそ笑むワニの顔を見つめた。細長い口吻の先端の鼻の孔がピクリと膨らんで、荒い噴出音を立てながら呼吸している生温かい息吹がこちらの顔にも届いた。太鼓の革のような丸い腹はフカマルたちの血肉で膨れ上がって、ワルビアルが細かな動作をするたびに少し遅れてたぷん、と上下に揺れる。
「わかった」
 そう応じると、フライゴンは紅色に縁取られた翼を重たげにはためかせた。ダイヤ型の翼を何度か仰いだだけで、煽られた砂が砂塵となり、砂塵が寄り集まって砂嵐となり、瞬く間に二匹を取り囲むように吹き荒れた。
「行こう」
「うっす」
 目的地へ向かう間、フライゴンは一言も話さなかった。ワルビアルもどすどすと足元に砂を踏み潰すだけだった。小太りなワニの悠長な歩みに合わせるために、フライゴンはたびたび浮遊したままその場にしばらく留まらなければならなかった。別に着地して歩いても良かったが、そのまま飛び続けることにした。
 砂漠のあちこちに点在するナックラーたちの巣の一つに二匹は到着した。うっかり足を踏み入れて切羽詰まった連中を、砂の底に潜む彼らは流砂の速度を速めたり緩めたりしてひとしきり弄んでから、疲れ切って抵抗する体力を無くしたターゲットを地中へと一気に引き摺り込んでいくのだった。
「あ、あれっすね」
 ワルビアルは笑顔を湛えたまま報告した。フライゴンは相手の視線の方へ首を向けて、あり地獄の底を見下ろした。砂漠には珍しいルビーが見えた。しかし目を凝らせば、それは別に宝石でも何でもないし、そもそもきらめいてすらいないことがすぐにわかった。砂に溺れて上半身だけを晒したクリムガンが暴れているだけだった。
「た、助けてえ! ちょっと、ちょっと、待って、待って!……」
 殺風景な砂漠には目立ちすぎるほど赤い不細工な顔を汗で湿らせながら、クリムガンは群青色の骨張った腕を精一杯高く掲げて、助けを求める仕草をしている。声はうわずって、サンドの鳴き声のようだった。飛べもしない翼がバサバサと空を切っていた。
「クリムガンっすね」
「うん」
 ワルビアルは物知り顔に言った。フライゴンは上の空であり地獄の様子を見つめていた。胃液のように流れていく砂の粒がやけに細部まで見えるような気がした。クリムガンはようやくこちらの存在に気がついたようだった。絶望の表情に光が射したように、安堵の表情をした。
「おおおい!」
 渾身の力を振り絞って、真っ赤な顔のクリムガンが叫んだ。万歳するように両腕を力いっぱい掲げて、自分の存在を知らしめようとしていた。
「助けて! 助けてえ!」
「どうするっすか?」
「ああ」
 フライゴンは曖昧に頷いた。
「好きにすれば」
「そっすか」
 ワルビアルは大きく息を吸うと、のっそりと糞をするような姿勢でしゃがみ込んだ。一瞬、砂の動きが止まったので、クリムガンは渾身の力で下半身を抜き出して、ほうぼうの体でフライゴンたちの方へと駆け上ろうとした。
「食うでも殺すでも、何でもいいとよ!」
 えっ、とクリムガンが呆気に取られた瞬間、あり地獄は滝のように底へと流れ始めた。フライゴンたちの足元に爪を伸ばしかけたクリムガンはなすすべなく元の場所まで押し流され、全身がゆっくりと砂の海に沈み、瞬く間に晒し首同然の姿になった。
「そんな! ちょっと! 待って! 待てって! 助けて! 助けて! 俺の話を聞いてくれよ! ああっ! 助けて! 助けて! やだ、やだあ!」
 地底のナックラーたちが面白がって、哀れな紅顔のドラゴンの頭をどっぷりと沈めては、また浮き上がらせることを繰り返していた。幾重にも渦を巻く砂の流れはシワのような模様を描き、その中心の暗い穴の中でクリムガンは何度も浮き沈みしていた。
「おい! おいってえ! いあああああっ!」
 首だけのクリムガンが、裂けたような口に砂が入り込んでくるのも構わずに助けを求め続けている。
「おい、せ、せめて話を! 俺は、俺はあ……あ゛あっ、ぐぼ、ごぼ! にゃあ」
 やがてその真っ赤な頭も押し寄せる砂粒に呑み込まれて見えなくなった。吹き荒れる砂塵のほか何も聞こえなくなったあり地獄を、フライゴンとワルビアルは見るともなく見つめていた。
「食うっすかね」
 ワルビアルは両爪をしきりに研ぐ仕草をしながら訊ねた。フライゴンは翼を一振りして、まとわりついた砂塵を振り払ったが、じっとしていればまたそのうちしっとりと細かな砂がくっついて不快になるだけだった。ワルビアルは返事を待たずにつぶやいた。
「固そうすけどねえ」
 意味ありげな沈黙をして、ワルビアルは下顎を撫でさすった。フライゴンはぼんやりと流れ落ちる砂の粒を見つめていた。ユレイドルののろのろとした歩みを観察している気分だった。
「東のガブリアスが殺られたそうっすね」
 白いお腹を爪で揉んで溜まった脂肪を引っ張っては離してを繰り返しながら、唐突にワルビアルはそんな話を切り出した。フライゴンは相手の顔も見ずに頷いた。
「ああ」
「いっちょやっちゃうっすか」
「ううん」
 フライゴンは空を見上げた。といっても、自分の羽ばたきのおかげで辺りはすっかり砂煙に覆われていたのだった。
「そろそろっすかね」
 フライゴンはワルビアルに目配せをした。再びワルビアルはしゃがみ込んで、腹いっぱいに溜め込んだ空気を吐き出しながらナックラーたちに指示を送った。流砂の動きが止まり、底の辺りが逆流してぶくぶくと泡を立てるように盛り上がった。クリムガンの顔面がゆっくりと現れた。
「ぷはああっ! はあっ……ふはあ……げふっ!……ああっ……」
「ありゃりゃ」
 ワルビアルは白い腹をぽん、と叩いた。
「生きてるっすね」
「ああ」
 フライゴンは反射的に答えた。
「げほっ……げほっ……がはっ……あっ! 助けて! 助けてって! 俺は別にここを荒らしにきたわけじゃ! なあ! 話を聞いてくれえ!」
 口から大量の土砂を吐きながら、クリムガンはまたぞろ叫びを上げた。
「どうするっすか?」
 ワルビアルは腕組みをして砂地からの絶叫を聴いていた。
「もう一回沈めてみるっすか?」
 心から楽しそうにワルビアルが提案した。フライゴンは間を置いて答えた。
「そうだな」
「おおい! もっかいやっていいぞお!」
「い、嫌だあっ!」
 クリムガンは懇願するように喚いた。涙まじりの声はすっかり震え上がって、弱々しいピチューを思わせた。
「お、お願いだからあっ! やだ、やぎゃっ! た、頼むから、話を゛っ……! ぐぷっ! んううううううっ! うぶ」
 再び砂がクリムガンを呑み込んだ。地中に吸い込まれてからも激しく身を捩らせて抵抗したために、泡のような模様が地表に浮かんでいたが、それも次第に弱々しくなってやがて消えてしまう。
 フライゴンはふと口を大きく開いて、緩慢な欠伸をした。意味もなく宙を見上げるために傾けた首がなかなか元に戻らなかった。
「あのさ」
 相変わらず横でニコニコと佇んでいるワルビアルに夢見心地で声をかけた。砂塵に覆われた空はミカルゲのまとう怨念のように茫漠としていた。
「寝たい」
「寝たいっすか」
「ずっと寝てたい」
「いっすね」
 ワルビアルは笑みを絶やさずに頷いた。フライゴンは幻のような空に覚めたような視線を送り続けた。円を描きながら滑空するバルジーナの影があった。
 あり地獄は水を打ったように静かだった。自分の翼が巻きおこした砂嵐の騒めきがずっと耳鳴りのように聞こえる。遠目に見える砂丘の傾斜に顔を出したスコルピが、激しい風に容易く煽られて転げ落ちながらも、あくせくと頂上まで辿り着いたところで砂嵐に巻き込まれ天高く舞い上がっていった。スコルピと他に舞い飛んだ小石がぐちゃぐちゃになって見分けがつかなくなったところで、フライゴンたちは目線を下へ落とした。
「そろそろいいんじゃない」
「食いましたかね」
「もう少し待つ?」
「いや、大丈夫じゃないっすか」
 ワルビアルが声を張り上げると、砂の中からゆっくりとクリムガンのカラダが浮き上がってきた。さっきまでとは打って変わって、大の字で仰向けに伸びていた。砂のみっちり詰まった口がぱっかりと開いて、かち割られて穴の空いた頭蓋のように見えた。青い鱗に覆われたカラダにはいくつか歯型がついているものの、囓り取られた形跡はちっともなかった。
「ダメみたいっすね」
 ひょいと流砂の中へと飛び込んだワルビアルが、伸びたクリムガンの尻尾を掴んで、ぷふう、とげっぷを漏らしながらあり地獄の外へと引き上げてくる。一丁上がり、とでも言わんばかりにスイングして哀れな慰み者を放り投げるとワルビアルは両手の砂埃をぱんぱんと払った。フライゴンはだらしなく四肢を投げたクリムガンをまじまじと眺めた。鮮やかすぎる紅顔も群青に染まった体躯も、この辺りでは長らく見なかった色のせいでひどく目をチカチカさせた。
「不味そうな見た目っすもんね、やっぱ」
 ゴツゴツとした顔面を踏みつけながら、ワルビアルは言う。
「これいいすね。足のツボに効くかも」
「そうかな」
 二匹は砂嵐の吹き荒ぶ中で黙り込んだ。ワルビアルはクリムガンの脇腹を力一杯踏みしめていた。意外と柔らかいっすね、と小声でつぶやきながらしばらくカラダのあちこちを踏んで暇を潰した。自分達以外、気配の失せた砂漠をフライゴンは眺めていた。
「ぐはあっ……」
 二匹の足元でえずくような声が上がった。クリムガンは苦しげにすなはきしていた。顔の周りに砂煙が舞って、それが鼻や目に入りこんで余計に悶絶させた。発作的にくしゃみをしようとすれば、口いっぱいの砂が喉奥に入り込んで呼吸をいっそう苦しくさせる。
「へえっ」
 ワルビアルの声には何か珍しいものを見物したような純粋な驚きがこもっていた。
「がんじょう、っすね」
 胸から腹を覆う黄土色の鱗を力一杯踏み締めると、クリムガンの口は潮のように砂を噴いた。ワルビアルは腹を抱えて笑った。
「へへへっ! ほんとコイツ、おもろいっす」
 フライゴンはしばらくワルビアルに好き勝手させておいた。噴き出した砂が細かな飛沫となってパラパラと自分たちに降り注ぐと、薄紅色のカバーに小石がパチパチと弾けるようにはねた。薄緑色の湿った肌に貼り付いた細々とした粒の感触は不愉快だった。どれだけオアシスの水辺で洗い流したとしても、この気味の悪さはずっと付きまとうものなのだなと、フライゴンは考えた。そのことについて、ワルビアルと協力して得た獲物の肉を食らったのと同じ回数考えてきたせいで、言葉からは意味内容が剥ぎ取られて単なる音と化していた。
「ぐはっ! がっはっ! がひゃはっ!」
 電撃で丸焦げにされたゲコガシラのように、四肢を敏感に痙攣させながらクリムガンは絞り出すような呻き声を上げ続けていた。
「どうするっすか? 一応、殺っときます?」
 ワルビアルは大口を開いた。口腔とともに迫り上がる粘り気のあるヨダレを撒き散らして、クリムガンの首元に牙をあてた。
「ひひぃっ」
 喉仏に牙の先端があてがわれたのを本能的に察して、クリムガンは口いっぱいに詰まった砂粒の隙間から言葉のようなものを漏らした。
「ひぎっ、はふ、はひっ!」
 クリムガンの首を食いちぎろうとしたワルビアルをフライゴンは制止した。
「こいつは僕が何とかするよ」
「そっすか」
 ワルビアルは意外そうな目つきをして顔を上げた。フライゴンはその背後の何もない砂漠の広がりを見つめていた。
「いつもの岩場まで持ってきやすか」
「ここでいい、大丈夫」
 ワルビアルは一瞬目を丸くしてフライゴンをまじまじと見つめたが、すぐに持ち前の作ったようなニタニタとした笑顔を取り戻した。
「了解っす」
 じゃ、ウチはここで。片手でぞんざいに敬礼するような仕草をすると、ひゅうと息を吸い込んでから手慣れた動作で砂を掻き、瞬く間に地中へと潜っていった。その瞬間から世界には朧げに砂に溺れるクリムガンと、ぼんやりと佇むフライゴンしかいなくなった。
「がはっ、がはっ」
 悶絶を音楽のように聴きながら、フライゴンは糸が切れたようにその場に寝転がった。化けたサニーゴに取り憑かれたように頭が重かった。瞼を開いたままにするのも辛かったが、閉じることさえ億劫だった。はねやすめをしたことで周囲の砂嵐は徐々に凪いでいき、烟っていた空が仄かに垣間見えるようになったが、天候は曇りだった。何も見えず、何も動きはしなかった。クリムガンは相変わらずえずき続けていた。
「……ぐふあっ!」
 隣のクリムガンが意識を取り戻したようだった。砂に窒息しそうな状況に気づいてパニックを起こし、蛇腹のような胴体を突き出し、ひっくり返ったコータスのように全身を力なくジタバタさせている。フライゴンは身を起こした。クリムガンの三白眼がこちらへと向いた。
「がはっ! はほっ! へへっ! お゛お゛ひゅ!」
 その目元から涙が滲んで、溢れた涙が糞詰まりのようにむずむずと時間をかけて赤く渇き切った鱗を黒く濡らしながら流れていくが、そのシミにしてもまもなく乾いて消えてしまった。
 フライゴンは緑の濃淡の縞模様が走る尻尾を何度か振り回して勢いをつけてから、クリムガンの横腹から薙ぎ倒した。苦悶に砂を吐きながらなす術なくうつ伏せに転がったクリムガンの首根っこを両爪で掴んで流砂の淵へと引き摺ると、乱暴に頭を揺さぶった。
「ほへっ! おげっ……!」
 サラサラとした砂に続いて、唾液で固まった分が吐瀉物のようにぼとぼとと流砂へと落ちていった。桃色の分厚い舌を反り立たせて、粘膜にまとわりついた砂粒も唾液とともに落とそうとクリムガンは頑張っていたが、口の中が綺麗にならないうちにフライゴンは赤い突起物が斑点のように広がる青い背中を蹴飛ばした。
「げっ! うがっ! お、おいっ」
 流砂に転げ落ちたクリムガンは恐れ慄きながらあり地獄をよじ登った。逸る意識に体が追いつかなかったせいで、あり地獄が動いていないのに勝手に下へと流されては冷や汗をかいていた。
「た、頼むからっ!」
 生きた心地のないクリムガンは涙声をあげながら懇願した。
「殺さないで……何も知らなかったんだ。見逃してくれたらすぐ出ていくから……!」
「だったら上ってくれば」
 有無を言わせぬ口調で言い放つと、クリムガンは腹這いの姿勢で恐る恐る傾斜を上ってくる。ナックラーたちがまた動き出したと勝手に思い込んでは、怯んだように動きを止めてまたずるずると下へ落ちていく。フライゴンはゆっくりと首を回すとポキ、ポキと鈍い響きがした。ようやくあり地獄を逃れようとするクリムガンの手を踏みつけて、もう一度底へと落とした。
「ど、どうして」
「上ってきなよ」
「うぅっ……」
 赤ら顔に嗚咽を上げながらクリムガンはもう一度さっきと同じことを繰り返した。フライゴンもまた同じことを繰り返した。砂漠には影が落ち始めていた。
 息を荒げ泣くことも忘れたクリムガンは、胸を激しく収縮させながらフライゴンのそばにへたり込んだ。亡者のように黄緑色の足首に縋りながら許しを請おうとして、そのくせ何の許しなのかも説明できずに同じ言葉を繰り返してばかりいた。
「死に、たく、ない」
 そんな言葉を振り絞ったクリムガンの弱々しい手を一蹴りして振り払った。空を切ったクリムガンの両爪は虚しく砂の表面を力なく引っ掻いたが、その跡はたちまち吹き荒ぶ風によって跡形もなく消えてしまう。見掛け倒しの翼が触角のように揺れていた。フライゴンは影のように地にへばりついたクリムガンの前にしゃがみこんだ。鮮血色の鼻先が黄緑色の腹の中に浅く沈み込んだ。
「え゛……」
 素っ頓狂な声を漏らすクリムガンを尻目に、プテラの牙のような角を掴んでぐいと手前へ引き寄せた。弱り切ったクリムガンのカラダは空洞であるかのように軽かった。
「なあ」
 フライゴンは淡々と言った。
「しろよ」
「な゛、なんぢぇ」
 慌てたようにクリムガンは馬鹿力を発揮して腕立て伏せで立ち上がると、前傾姿勢で一歩一歩を踏みしめながらその場を離れようとした。フライゴンは追いかけなかった。ただ、翼を何度か羽ばたかせていればよかった。たちまち辺りは砂嵐に覆われ、さばきのつぶてのように襲い掛かった砂が、逃げるクリムガンの鱗を引き裂きドス黒い血を飛び散らせるのだった。
「も、もういやだ! 助けて! 助けでっで!……」
 地団駄を踏むクリムガンの前へとふわりと着地した。有無を言わさぬ動作で、もう一度顔面を下腹へ押しつけた。しゃにむに顔を背けようとしたので、しならせた尻尾の先端で脇腹を鞭打ちながら、無理やり面と向かわせた。
「逆らうなよ」
「……どうして、こんな」
 目を伏せながらクリムガンは掠れた声でつぶやいた。フライゴンは促すようにさらに背中を打ち据えた。真っ青な全身が小刻みに震えていた。砂漠に落ちた影があまりにものろのろとしたペースで傾いでいくのをフライゴンは見ていた。
「うっ……」
 消え入りそうな声量で毒づきながら、クリムガンが舌を出し、あてがわれたところを掃除するように舐め始める。水を飲むイワンコのような舌遣いだと思いながらフライゴンは吐息をついて暮れかけた砂漠の空を見上げた。自分が巻き起こした砂嵐の余波が残っていて、結局のところ曇天は些かも晴れてはいなかった。
 肌の裂け目からせり出てきた肉が柔らかく生ぬるい舌に包まれ、仄かなこそばゆさに身を捩らせながらフライゴンは先ほどワルビアルの言ったことについて考えを巡らせていた。砂漠に生じた空白地帯をこの隙にくすねてしまうか。ワルビアルと他に好戦的な連中にひと暴れさせようか。だがそうした思考はまるで他者にモノを考えてもらっているかのように空虚に流れ、その前に考えたことをヤドランのように失念してしまった。
 クリムガンがモノを喉奥まで咥え込まされて嗚咽混じりにえずいた。岩よりも硬い頭を押さえつけて上下に大きく揺さぶり、口いっぱいに塩辛い肉の味を味わわせてやる。
「うっうっうぅうっぅ……!」
 クリムガンが恨めしそうな視線を送る。潤んだ瞳には覇気も矜持も見当たらない。そのくせ尻尾で背中や翼をピシャリと打つとクリムガンはやむなく頭を揺り動かしてモノをしゃぶり続けている。
「そうだ」
 頭の真ん中の扁平な辺りを爪の腹で捏ねくり回しながらフライゴンは下半身の昂り感じていた。このあいだ死んだという東のガブリアスのことが頭によぎった。一体どんな無様な死に様を晒したのだろう。それは自分たちにどのような地政学的影響を及ぼすだろうか。まるで遥か遠くの世界の話をしているみたいだと、フライゴンは思った。
「死にたくないんだろ」
 しっかりと硬くなった雄を引き抜くと、クリムガンは激しく咳き込んだ。急速に下がった砂漠の冷たさが今更身に染みて、全身が震え上がり立ち上がる気力も失せていた。勃ち上がった自分のモノと息せくクリムガンをフライゴンは交互に見つめた。
「尻尾、向けろよ」
「え゛っ!」
「早くしろって」
「ぐっ……」
 クリムガンはがうずくまってグズグズしているうちに肉棒は萎えてしまった。フライゴンはもう一度そのギザギザとした口の中に性器を突っ込み、相手が抗い悶えるのも構わずにめちゃくちゃに口腔を掻き回した。
「んうぅぅぅぅぅぅぅぅ! んうっっっ! ん゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!」
 クリムガンの絶叫は砂嵐の騒音と混ざり合った。フライゴンはしきりに首を振ると、二股に分かれた触角がたわわにしなった。
 硬くなり直したペニスでクリムガンの顔面を叩きながら、フライゴンは同じ命令を繰り返した。なおもグズっている相手を急かすように尾羽で脇腹を鞭打つ、クリムガンはゆっくりと全身を回転させて、四つん這いに尻を突き出す姿勢を取った。尻尾を捲り上げて、付け根の辺りに真横に走る孔を確かめると、フライゴンは唾をつけた爪で内壁をぐるりと掻き回した。
「ま゛、待ってくれ!」
 尻尾を振りながらクリムガンは虚空に向かって叫んだ。
「どうしてこんなことしなきゃならないんだよ!」
「僕に聞くなよ」
「イヤだ、やめ、やめてくれっでええ!……」
 付け根の窄みに肉棒の先っぽをあてがいながら、フライゴンは爪を二本突き立てて喚くクリムガンの臀肉にしっぺを喰らわせた。案外柔らかなそこは爆ぜるような音を立てて、じわじわと赤黒い腫れが滲んだ。短い悲鳴に続いてぐずるような呻めきが長く漏れた。尻がガクガクとわなないていた。
「どうして死にたくないんだよ」
 フライゴンはふと訊ねた。訊ねているのか、自分自身に問いただしているのかあやふやな言い方だった。
「そ、そんなの」
 クリムガンは決然と言い返したが、声は次第に先細った。言葉にできない悔しさに腰がガタガタと震えている。
 くぐもった笑い声を上げると、太くでっぷりとした尻尾を根本から撫でさすりながらフライゴンは腰を押し出した。クリムガンが反射的に前のめりになるのを両爪で掴んだ腿を引き寄せて、互いの下半身を密着させる。ペニスの先端がぐにゅりと中へ潜り込むと後は楽に収まった。尻肉に爪をキツく食い込ませるたび、クリムガンの腰が跳ねた。
「あっ! あっ!……んぐっ……あーっ! あああっ……!」
 クリムガンは泣き叫んでいた。
「バカだな」
「あっ、あ゛はっ……ああっ! あがああんっ……! ぎゃめ、ぎゃめれえっ……」
「こんなことがイヤなら死ねば良いのに」
「んううっ……にゃだっ……んにゃ……」
「どうせ生きてたって何にもならないんだし」
 ブルブルと縮み上がるクリムガンの尻に刻まれた傷跡を爪で優しくなぞってから、激しく打った。に゛ゃん、とクリムガンは喘いだ。レパルダスの媚びた鳴き声とはこういうものなのだろうかとフライゴンは考えるだけ考えておいた。
「ほら」
 腸の突き当たりにごりごりと切っ先をぶつけながら、鋭利な爪を臀部へと刺した。じゅわっと滲み出た血が青い表皮と混じりあって紫色に映った。クリムガンは尻尾から持ち上げられたように下半身をふわりと浮き上がらせた。
「しろ」
「わはっだ! ばはが、だだ……」
 乱れた呼吸を必死に整えながら、恥じらう声を響かせて恐る恐る無骨な腰を動かし始めた。顔を砂地に擦り付けながらガチャガチャとぎこちなくカラダを振っては、腑抜けた声とともに内蔵がキュッと引き締まって、フライゴンのペニスが捻るように扱き上げられた。
「ううんっ……おお゛ぅ……んあ、あ゛っ」
 フライゴンは頬を緩ませながら、爪と尾羽で傷だらけの尻や脇腹を張り飛ばした。クリムガンはゆっくりと深呼吸を繰り返しつつ、地を這うスナヘビのように腰を振り続けた。
「ほら、もっと」
「ひぐっ!……あ゛あっ……んいい゛っ!」
 急かすように肉体をキツくつねると、クリムガンは泣きながら腰をいっそうとくねらせた。窮屈な肉の襞がフライゴンの性器をすっぽりと咥えては、根本から啜るように舐め上げていくと、さらに硬さを増した肉塊が一回り膨れ上がった。クリムガンは大口を開けて絶句した。
「んぬゅう゛、うっ!」
 腰を引き攣らせてクリムガンが不本意な嬌声を漏らして息むと、フライゴンの熱棒がぶりと放り出された。粘液をまといながらも硬さを保ったそれをフライゴンは間髪入れずに突き直した。尻肉に爪を食い込ませながら、滾ったペニスを根本まで捻じ込んでクリムガンの肛門を犯すと一気に引き抜き、漏らしたような気恥ずかしい感触を引き起こさせながら同じことを繰り返す。
「どうせこんなことばかりだったんだろ?」
「や゛っ! やあっ! やっやっ……やっ、やっ! に゛ゃっ」
「何もうまくいかなくてさ」
 クリムガンは忍ぶようにくぐもった声を意固地にも閉じた口から響かせていたが、乱暴な一突きが敏感な雄の弱みに触れると、理性がフワライドのように舞い上がって、この無骨な雄には似つかわしくない猫撫で声を上げさせた。
「あああっ!……あーっ……にあーっ」
「可哀想なヤツ」
「あっ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ……ひぎいいうっ!」
 怒りに駆られたように腰の振りを早めた。しかし、何に対して苛立っているのかフライゴンにはわからず、ギャロップの跳躍のように跳ね上がった欲望に身を委ねた。
「早く楽になればいいだろ、馬鹿なヤツ」
「ん゛ーっ! んぐううううっ!」
 クリムガンの後頭部を掴んで火を揉み消すように力の限り砂地に押し付けると、地底に潜むナックラーたちが寄り集まって、真っ赤な顔面がみるみるうちに砂の中に吸い込まれた。クリムガンは息も出来ず両手と翼を暴れさせても虚しかった。フライゴンはその青褪めた尻たぶを鷲掴みにしながら、肉棒をごり、ごりと中に擦り付けた。燃え上がりそうなその昂りがカラダを動かすたびにいっそう怒張した。
「!!!!!!!……!!!!!!!……!!!!!!!……」
「くっ!」
 舞い上がる砂煙をきっと睨みつけながら、フライゴンは歯を食いしばって下腹を杭のように打ち付けた。絶頂が近づくに連れて、オアシスでカラダを清めないといけないことを思って一瞬億劫な気分になった。理性がふやけた。あまりにも溜め込んできたものが堰を切ったように解き放たれた。どぷ、とクリムガンのカラダの奥底にドロドロとした精液の着床する音が聞こえ、その音はガラガラの叩き鳴らす骨のように、フライゴンの脳裏でしばらく響き続ける。
 クリムガンは腰を突き出したまま、翼と両腕を地にべたりと垂らした姿勢で動かなくなっていた。
 砂から頭を引き抜いて仰向けに寝かせると、驚くほど安らかな顔をしていた。そっと目を閉じて、力なく垂れた二の腕は自分よりも細く脆弱に見えた。皮膚に刻まれた乾いた血の黒ずんだ傷跡は痛々しかったが、それはクリムガンの惨めさではなく、何か目も眩むようなものを暗示しているかのように見えた。汚れた肉体を清めなければならない、という先ほどまでの考えがフライゴンの頭から失せた。
 砂漠の精霊などと呼ばれる蜻蛉は陰影の濃く際立った砂の箱庭に立ち尽くしていた。
「なあ」
 フライゴンは言った。
「こう考えるようにしていたんだ」
 フライゴンはクリムガンのカラダに語りかけていた。
「世界の果てに来てしまったからにはもう語ることは何もない。永遠みたいな時間だって結局は過ぎ去って、呆気なく記憶から消えてしまう。明日になったら、ほんの数秒くらいの印象を引き出すことすら困難になってしまう、って」
 フライゴンは黙った。しかし、誰かが返事してくれるわけではもちろんなかった。
「僕は何も見ず、何も考えないことにした。何かしたり、ものを考えたりしているときも、僕は何もかもを他人事のように見なした。全てに意味はない、とせせら笑うことで自分を守ろうとしていたんだと思う」
 砂漠の向こうがゆっくりと実体のある瀝青みたいな闇に飲み込まれていく。
「そんなことをすること自体が無意味だと気づくのに、さほど時間はかからなかったんだと思う。けど、僕はそれすら見て見ぬふりをしてた。おかげで、何が本当で何が嘘っぱちかもわからなくなってしまったよ」
 クリムガンは動かなかった。
「死にたいなあ、とは思ってる。けど、僕は生きてる。じゃあ僕は死にたくないってことなのかな? そのくせ、僕は生きることにウンザリしてる。そんな堂々巡りをしてるうちにどっちも本当じゃないように思えてくるんだ。バカみたいだろ? そうだよ、僕はバカなんだ。ただのバカ。思わせぶりで、何もわからない、何にもなれない、どこへも行けない……」
 皮膚に張り付いた精液が乾いて死んだプルリルのようになっていた。フライゴンは長い時間をかけて深呼吸した。
「だからどうして僕がこんなことをしたのか、全然説明できないんだよ。お前があんな目に遭ってまで死ななかったし、あんなことをされてもまだ生きたがってたのを見て僕の心のどこかにある何かが癪に障ったのかもしれない。なんだろうな、僕が欲しいと思っていたものが、君にあったからなのかもしれない。わかんないや。悪かったよ、でも」
 フライゴンは黙り込んだ。自分の言い出そうとしたことがあまりにも突飛に思われて口を噤んだが、それが久々に心から湧き上がった言葉であると認めないわけにはいかなかった。
「お前のことが羨ましいよ」
 フライゴンは足元に目を落とした。クリムガンが目を瞬いていた。
「……」
「え、えっと」
「……」
「すんません」
 尻尾の付け根から汚い音を立てて白い泡が噴き出し、クリムガンは気まずそうにカラダを縮み上がらせた。
「生きてました」
「……」
「その、どこで目を開ければいいのかわからなくって」
「聞いてたのか?」
「うん……」
「……」
「し、死んでなくてすんませんっ」
「馬鹿なヤツ」
 フライゴンは苦笑しながらなおも戦々恐々とするクリムガンを尾羽で軽く叩いた。1、2の、ポカン。何かを綺麗に忘れる代わりに、新しい何かを得る音がした。



後書き

本作は2022年春のけもケで配布した「ポケモン小説wiki 展覧会—2022 春—♂×♂版」に寄稿した作品です。
その前年の秋に管理人さんから依頼を受けて、初めてこういうのに臨むというワクワク感もあり、すぐに承諾して書き上げたものです。

クリムガンとフライゴン、という組み合わせはあるようでないな、と結構昔から思っていたのである。ドラゴンタイプでありながら二匹ともどこか弱さを抱えている(不遇とまでは言わないけれど)、というところで接点があるんじゃないか——と思っているんだけれど、それが創作に結びついたものをほとんど知らなかった。要は、だから、これを書くことにしたのでした。

先日朱烏さんからweb再録していいよと許可を受けたので、いつ公開しようかなーと迷ってたんですが、ちょうど新作 ができたので、じゃあそのついでに出しとこうと思い立ちました。それでもって、じゃあいままでのクリムガンネタまとめてみよう! ということでキモチいいかんぜんちょうあくもwikiにアップすることにしたのでした。

作品そのものについて、詳しいことは昨年ブログの方に書いたので何度も繰り返しはしません。とりあえず、原稿を送るときに一緒に送った企画書(?)をコピペして公開しておくことにします。なんかの参考に……なりますかね。


※ 本文と挿絵のイメージを膨らませるのにご参照ください。念のため本文を一読してから確認していただければ幸いです。

プロット・挿絵のシチュについて

・タイトル

【フライゴン♂×クリムガン♂】僕ら、砂の箱庭で(仮)

・ざっくりとしたあらすじ

希死念慮を抱えたフライゴンが、罠にかかった哀れなクリムガンを犯す話。ケモホモ。

・キャラクターについて

フライゴン(♂)
世界のどこかに広がっている砂漠に住む「精霊」。一帯の縄張りを取り仕切る主だが、血生臭い争いが続く単調な日々に倦み、ぼんやりとした希死念慮と空虚感に囚われている。一方で、そうした自己の感情は浅いのではないかとも疑っている。クリムガンに対する態度は侮蔑と羨望がないまぜになったアンビヴァレントなものであった。

クリムガン(♂)
フライゴンの羽ばたきに誘われて砂漠に迷い込みナックラーの巣に嵌ったが、不味そうだからと相手にされず、フライゴンにその身を一任された。「一応」ドラゴンタイプだが、気弱で臆病な性格ゆえ慰み者にされてきた。だが、生への執着は強い。要するにナイーブなヤツである。

ワルビアル(♂)
フライゴンの子分。共存関係にあるという図鑑説明の通りである。やや中肉の個体で、上の身分には常に媚びるようなニタニタ笑いを隠さないが、この頃何かとぼんやりとするようになったフライゴンのことを内心軽蔑もしている。

・CPの関係性

フライゴンサイドの一方的な執着(のうのうと生きがってるクリムガンが妬ましいが羨ましくもある)

・シチュについて

「そんな言葉を振り絞ったクリムガンの弱々しい手を一蹴りして振り払った」以下から官能パート(判別しやすいように行を空けてあります)。ざっくり行為を整理すると、

1:前戯(フェラチオ、イラマチオ)
「そんな言葉を振り絞ったクリムガンの弱々しい手を一蹴りして振り払った」〜「フライゴンはしきりに首を振ると、二股に分かれた触角がたわわにしなった」まで

2:本番(軽めのソフトSM織り混ぜながら、クリムガンに腰を動かさせる)
「硬くなり直したペニスでクリムガンの顔面を叩きながら、フライゴンは同じ命令を繰り返した」〜「クリムガンは大口を開けて絶句した」まで

3:本番II〜絶頂(途中からクリムガンの顔を砂に埋もれさせながら)
『「んぬゅう゛、うっ!」
 腰を引き攣らせてクリムガンが不本意な嬌声を漏らして息むと、フライゴンの熱棒がぶりと放り出された』〜「その音はガラガラの叩き鳴らす骨のように、フライゴンの脳裏でしばらく響き続ける」まで

挿絵は「3」の場面を想定しています。いわゆる窒息プレイをさせる前の、フライゴンが夕暮れの砂漠で言葉責めをしながらクリムガンをバックで掘っているor掘らせている図になります。
本文だと

「んぬゅう゛、うっ!」
 腰を引き攣らせてクリムガンが不本意な嬌声を漏らして息むと、フライゴンの熱棒がぶりと放り出された。粘液をまといながらも硬さを保ったそれをフライゴンは間髪入れずに、一気に突き直した。尻肉に爪を食い込ませながら、滾ったペニスを根本まで捻じ込んでクリムガンの肛門を犯すと一気に引き抜き、漏らしたような気恥ずかしい感触を引き起こさせながら同じことを繰り返す。
「どうせこんなことばかりだったんだろ?」
「や゛っ! やあっ! やっやっ……やっ、やっ! に゛ゃっ」
 クリムガンは忍ぶようにくぐもった声を意固地にも閉じた口から響かせていたが、乱暴な一突きが敏感な雄の弱みに触れると、理性がフワライドのように舞い上がって、この無骨な雄には似つかわしくない猫撫で声を上げさせた。
「あああっ!……あーっ……にあーっ」
「可哀想なヤツ」
「あっ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ……ひぎいいうっ!」
 怒りに駆られたように腰の振りを早めた。しかし、何に対して苛立っているのかフライゴンにはわからず、ギャロップの跳躍のように跳ね上がった欲望に身を委ねた。
「早く楽になればいいのに」

が該当箇所です。

「赤黒い腫れ」「尻肉に爪をキツく食い込ませ」たことでできた傷跡、「鋭利な爪を臀部へと刺した。じゅわっと滲み出た血が青い表皮と混じりあって紫色に映った」辺りの描写は反映させてほしいです。

クリムガンの表情は泣き喚きながらも、逃れ難い快楽に腰を震わせているテイで。
フライゴンは対照的に無表情で。ただし行為そのものは激しく、エゲツなく。

……あと、本誌には挿絵が掲載されているんだけれども、その辺の掲載許可を改めて取るのが面倒なのと、第一見たいのであれば実際に本を買ってご覧いただければいいんじゃないかと思います。同人界にお布施、しよう!

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Last-modified: 2023-07-25 (火) 01:07:29
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