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俺とあなたのイケナイ出逢い おまけ2

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おまけ2 ~俺だけの秘めたる兆しと欲望~ 




 ――あら? 何か追加されてるわね。投票期間も終わったことだし、別に加筆修正とかは構わないでしょうけど……ってメモが落ちてるわ。どれどれ……。

「これから書く内容には生々しい排泄、嘔吐及びそれに関する行き過ぎた行為、雄妊娠、雄産卵を含むから絶対誰かに読ませてはならない」

 ……って!? 何よこれ? こういうのこそ投稿期間内に書けばよかったじゃないの! だから作者は詰めが甘いのよ、ほんとに。





 ご主人や姐さん、仲間達と共にやって来たのは、今まで住んでいた所からは遠く離れたガラル地方だった。降り立った瞬間、身に沁みる冷たい空気。夏なのに秋のような肌寒さだ。体内時計とは狂った時間軸、そして昼間でも低い太陽。これら全てが、遠い北方の場所である事の何よりの証だと、ご主人が教えてくれた。庭を見回すと、モモンの木が生えて実っている。植生も前棲んでいた所より幾分乏しい感じ。加えて曇りがちで、荷物を出して整理している最中に俄雨も降った。


 これ程までの急激な環境変化に、俺を含め皆、体が付いていく筈がなかった。
 到着してから初めての夕飯を食べてすぐ、俺の腹に激痛が走った。腸が掻き回されるような感覚とギュルギュル立つ音。滲み出る脂汗。間違いない、久々に腹壊した。俺の尻が暴発を求めて内から頻りに催促を始める。苦悶に顔を歪めつつ、一直線にトイレへ向かう。誰もいない。ありがたく中へ入って扉を閉めた。
 四足でも用を足しやすいように出来た便器と呼ばれる白い窪み目掛けて腰を落とし、尻を向けた。踏ん張るまでもなく俺を苛める不定形が腸の中を移動して行く生々しい感覚。流石に目を光らせてその中身を見たいとは思わなかった。出口へと差し掛かろうとして、突如生まれた内圧によって、固く閉じられた尻の蕾が最も脆弱な窄まりから外へ向かって膨れるのを感じる。膨れた末に訪れるのは、解放を伴う開花だった。


 ブウゥゥ~~~~~~~ッ


 我ながら綺麗とは言い難い花弁を震わせて一気に放たれる俺の屁。肉食いである以上、腸でムクムク生まれる屁が臭いのも自覚して、野生の頃はふざけ合える住民の前でわざと屁をして奴が臭がるのを面白おかしく見ていたりもしたが、その時を凌駕する程の強烈な悪臭が一気に立ち込め、鼻に入っては顔を顰めて腹痛を促進させた。屁によって解放された出口に、待ってましたとばかりに雪崩れ込む不定形。脂汗を流しつつ、俺は腹に力を込めた。


 ――ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!! ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!


 生理的嫌悪を覚える不快音を伴い、水混じりのドロドロな糞が尻穴から噴き出した。便器に落ちてはビチャビチャと更なる水音を立て、先程の屁をも上回る悪臭に、思わず嘔吐(えず)きそうになる。途端に茶色く染まった便器の水。そして固形物混じりの排泄物が広がりながらもこんもり盛られていく。後ろ足で立ち上がれば、そこそこ背の高いご主人よりも遥かに目線が高くなる程の体躯。ひり出される量も、見事に比例していた。溜まり過ぎる前に流せと教えられたのを思い出す。便器の側にあるつまみの棒状に伸びた部分を前足で押して回すと、便器の中で水が流れ、悍ましい茶色が瞬く間に便器の白へと変わった。それでもまだギュルギュルと渋る腹。大体こんな場合は第二波がやって来る。腹を透視すると、案の定細い腸から太い腸へと軟便が流れ込んでいた。しばらくして、尻が催すままに第二波(ヘドロウェーブ・セカンド)を繰り出した。
 出し切ってようやく腹の痛みも治まってくる。再び便器に水を流してから、四足用に壁に掛けられた尻拭きのタオルってやつで汚れた尻を拭った。タオルに茶色が、少し染み付く。
「おーいまだかー!?」
 外から声が聞こえる。透視すると、仲間が苦痛の表情を浮かべて待っていた。
「すみません、今出ます!」
 慌てて扉を開け、待っている仲間にトイレを譲った。やはり調子が悪いのは俺だけではなかった。まずはこの環境に体を慣らさないとな……。
「おえっ! くっせー!」
 トイレの中から悪臭に悶絶する声が聞こえてきた。申し訳ない、我慢してくれ。



 初めの数日間は下痢をしたり風邪の症状が出たり、皆こんな感じだった。それだけでなく、昼間はおろか夜も冷えるため、空気を温める暖房って物や、薄い夏毛を補うために体に掛ける毛布も、寝る際には必須。一日二日で慣れるような代物ではなかった。
 それは無論、姐さんにとっても例外ではない。だが他の者とは症状が違う上に、少し重かった。
「……調子はどうですか?」
「だめ。すぐ気持ち悪くなるわ……」
 毛布の掛かった状態で、寝床から起き上がれない様子の姐さん。そのすぐ横に置かれた器に、ドロッとした物が混ざった酸っぱい臭いのする彼の粗相が入っていた。見ての通りの有様で、すっかり食も細く、それでもいつでも食べられるようにと置かれた木の実も、数回啄んだ跡しか残っていない。ずれた毛布を、口を巧みに使って姐さんの体に掛け直す。
「っぷ! ウエッ、エェッ! ゲエッ! ケホッ、ウエェッ!」
 突如姐さんがほぼ胃液しかないような物を器に吐く。あの鼻を突く臭いが強まった。
「ごめんね、やっぱりあなたのにおいも、だめだわ……」
「そうですか……。なるべく水浴びするように努めます」
「悪く思わないでね……」
 先の嘔吐で濡れた目が、俺に向けられる。申し訳なさそうな彼に対し、大丈夫です、と満面の笑みを浮かべた。粗相用の器を空の物に差し替え、木の実も新しい物にする。トイレに行って排泄するのが難しいために、寝床に敷かれたペットシーツと呼んでいる物。案の定糞便で汚れているため、それも新しいやつに交換した。今は俺に限らず大抵の仲間の体臭で気分が悪くなる姐さんだが、誰かが世話しないといけない。だからこそ、率先して番となった俺がやった。
「ありがとう、ほんと助かる……」
「これくらいお安い御用です。何度も言うようですけど、もし俺が臭かったら遠慮なく言ってください。すぐ水浴びしてから来ますから」
「気を遣わなくていいのよ。水を浴びたら寒いでしょ? 少しはあたしも我慢するから」
「いいえ、姐さんの体が最優先です。そのためなら汚れ仕事だって喜んでやりますよ」
 ごめんね、と詫びる姐さんに笑顔を見せつつ、粗相の入った器を咥えてバスルームへと運んで行った。姐さんの体から出た物とは言え、この臭いは耐え難い。運ぶ間は息を止めていたが、それでも鼻に感じるあの酸っぱさ。零さないようにしながら急ぎ足でバスルームへと入った。そして床面に器を置く。だがここで気を抜いてしまい、禍々しい空気を思いっきり鼻から吸い込んでしまった。
「ゲッホ! ゲホ、ゲホッ! ウウッ!」
 激しく咳き込み、それに触発されて胃の中からこみ上げる物を感じ、喉奥が酸っぱくなる。
「ゲホッ! ゲッ、ウエエエェェェェェェェッ!!! グボボボボッ!!!」
 やば、吐いちまった。繰り出されたヘドロばくだんは器に着弾し、周囲の床にも飛沫が撒き散らされる。ゲロは容赦なく鼻の中も通って蹂躙し、耐え難い刺激と息苦しさをもたらした。やがて器から溢れ、床にも広がっていく。
 反射的な衝動が治まり、鼻腔を埋めるゲロ混じりの鼻水を鼻息で飛ばす。胃の中に収まったのが、全て吐き出されてしまった。口内にしつこく残る不快な酸味と目に映る変わり果てた飯に、落胆する。


 ……待てよ。


 これって今は、姐さんと俺が、汚い一面でも混ざり合ってるって事だよな。ごくりと唾を飲む。発動すべきではない(M O T T A I N A I)精神が、ここで働いてしまう。


 ――俺の舌は、ドロドロした物を口の中へと運んでいた。


 顔を顰めながらも、それを止めなかった。吐き出された時とは異なる臭気、食感、酸味と風味……このような形で、姐さん(、、、)を体に取り込むなんて。考えるだけでも、何だかゾクゾクしてきた。
 ……だがそのゾクゾクは、途端に悪心に変わった。大事な事を忘れていた。姐さん、毒タイプだ! 口付けや交尾する分には問題ないが、どうやら吐瀉物は有毒らしい。残ったゲロを洗い流し、次第に朦朧となりながらも冷える外へと出て、モモンの木から電撃で実を一つ落とした。
 食べる寸前で耐え切れず嘔吐する。折角の姐さんが……なんて考えてる暇もない。モモンの実を少しずつ食べ、口内に甘味を充満させる。食べ終えて寒い中で少し横になると、段々症状が治まってきた。モモンの実の解毒作用は猛毒すらも打ち消すから、野生時代からありがたい存在ではあった。
 贅沢を言うと、姐さんを取り込みたかったが、健康を害するなら仕方ない。回復した体をやおら起こし、家へと歩き出す。全部吐いたから腹減ったな。姐さんの食べ残しでも食べて間接キスしよう……。


 姐さんの所へ行くと、既に眠っているのが判った。食べ残した木の実はそのまま置かれている。片付けるのをすっかり忘れていた。だがかえって好都合。その場でゆっくり咀嚼して味わい、違う形ではあるが姐さんを体に取り込む事に成功した。
 そしてゆっくり、音を立てずに寝ている姐さんに忍び寄る。爪を引っ込められる肉食いのレントラーならではの狩りの技術の応用だ。可能ならそのまま食べて(、、、)しまいたい、だがそんな欲を抑え、姐さんを見守る。今更ながら、姐さんをこうせしめている正体を、俺は既に掴んでいた。
 目を黄色く光らせる。姐さんの腹の中を見ると、これまで見られなかった物が目に入る。運命の日、俺が必死に快楽に耐えて突き抜けた最奥の空間の一部に芽生えた、小さな命。これだけだと所謂癌とか腫瘍、寄生虫も含まれるが、それとは明らかに異なる物。俺の口元が緩んだ。俺にしか見透かせないこの事実こそ、あの夜の願い事をジラーチが叶えてくれている、揺るぎない証なのだから!
 姐さんを起こさないよう、脇腹に触れる。あの心地よい温かさが前足に伝播してきた。これに包まれて卵として成長していくなんて、我が仔ながら幸せ者だな。喜びに隠れて、羨望と嫉妬の感情を持っている事も、ここでぶっちゃけてしまおう。行く行くこの仔が生まれたら、姐さんの愛情はそちらに向けられる事が多くなるのは確実だ。俺だってこの仔の父親である以前に一匹のオスだ。あの短期間で本気で惚れ込んで、真剣に考えた末に番えた愛しい存在が、長年過ごした幼馴染達やこれから生まれる我が仔と、既に俺だけの存在ではない事など承知の上ではあるが、それでも可能な限り、一分一秒でも長く俺の物にしたいという欲望を常に抱いている。これっておかしな事なのだろうか。こんな調子で果たして俺は親としてやっていけるのだろうか。そんなモヤモヤが、心に燻っていた。



 それから何日かの間に、姐さんの悪阻(つわり)と思われる症状も快復してきて食欲旺盛になる様を、日々笑顔で見守っていた。沢山食べる姐さんを見ると、俺も自ずと食が進む。俺のために作ってもらったとご主人が言う、カリカリした粒状の飯を平らげ、食べた分は思いっきり運動やバトルで体を動かして、涼しい気候の中で爽やかに汗を流した。そのお陰かこのガラルの気候にも次第に順応出来ていくのを、身を以て感じられる。これもある意味、姐さんのお陰。そして彼の胎内で、小さな命も順調に育っているのが確認出来る。それを見る度、表出させない喜びを噛み締めていた。


「あーあ、ちょっとリバウンドしちゃったかも」
 更に数日が経ち、溜息混じりに愚痴を零す姐さん。聞き慣れない言葉に首を傾げた。要は何らかの原因で痩せた後に体重が戻ったり、それ以上に増えたりするのをリバウンドって言うらしい。って言っても、見た目的にはさほど大きな変化はない。気にし過ぎではと言うと、そうかしらねえ、と麗しい仕草で首を傾げた。
 ――確かにさほど大きな変化は見られない。そう、あくまでも外見的には(、、、、、)。だが俺は言うまでもなく分かっている。姐さんの体の中で順調に小さな命が育ち続けている事を。彼が後ろを向いた隙に透視すると、命を育むために出来た肉袋の内側に沿って膜が張られ、その外側に薄いながらも殻が作られているのが確認出来た。真ん中に鎮座する黄身とそれを取り囲む透明な白身、黄身を固定するためのカラザもちゃんと見える。今の姐さんの体重には、この愛おしい存在も含まれているのだ。
 あの時チンポが名器の責めに耐えに耐えて膨れ上がった末に、渾身の一撃とばかりに最奥へと突き抜けて放ったスペルマの一つが、このような形で生を受けている事実はとても感慨深い。だから姐さんには余計な心配をせずに過ごしてほしい。故に姐さんに、別に気にしなくても大丈夫ですよ、と励ましの声を掛け続けるのだ。



 それからまた日を重ね、姐さんの精神状態も一層落ち着いてきた。彼も俺達と同様にガラルの環境に慣れてきたのもあるようだが、日々姐さんに大丈夫と声掛けしているのもあるだろう。少し腹がふっくらするのも、幸せ太りかしらと笑いを交えた姐さん。そう、それでいいんだ。意味合いこそ異なるが、「幸せ太り」である事には違いないのだから。
「最近ちょっとお腹が張るの。ガスでも溜まってるのかしらね?」
 そんな事を姐さんは時々零すようになった。それを聞いたご主人の計らいで、姐さんの飯には消化がよく、かつ胃腸の働きをよくする食材が増えた。お陰で増えた屁の回数。


 プーッ
「あら失礼♪」
 この日もまた俺の前で可愛らしい屁をする姐さん。以前の俺みたいな事をしていて、ちょっとシンパシーを感じてしまう。でも俺とは違って臭いは断然弱い。これも食性の違いが大きいのかもしれない。
「お返しですよ」
 と俺も豪快な音を立てて放屁。彼は途端に顔を顰め、黒と茶色の翼で俺の方へと風を起こす。
「あなたのは冗談抜きで臭いのよ!」
「そりゃあ、俺に限らず肉食いの屁は臭いですから」
 とにんまり。彼の元へと歩み寄り、少しふっくらした黒い腹を前足でそっと撫でる。柔らかな羽毛と張りのある皮膚、そこから伝わる体温が印象深く前足に残る。
「大丈夫ですよ、屁もちゃんと出てますし」
「そう? だといいわね」
 姐さんは寝床に座り込む。少しリラックスした感じだ。俺が頬を寄せると、彼も応える。あの心地よい香りが、ほわーんと漂ってきた。
「ありがとうね。そばにいてくれて」
 姐さんが突然俺に感謝した。笑顔で首を横に振って答えた。
「いえ、俺は伴侶としてできることをやっているだけです。あなたが元気で健康なら、その分俺もうれしくなりますから」
「もう、ほんとそういうところなんだから」
 と姐さんは上機嫌でバードキス。俺もお返しにそっと姐さんの頬を舐めた。しばらくこうしていると、彼はうとうとしてきてそのままぐっすり眠ってしまった。
 それを見届けるや、俺は目を光らせた。愛しい伴侶が知らぬ間に抱き続ける小さな生命。いや、実はもう感付いているかもしれないが、それを知る手立てはない。
 殻はちゃんと形成され、その周りは白身と同じねっとりした物で満たされ、肉袋を膨らませている。近頃訴える張りの正体でもあった。
 袋の出口は分厚い肉によって固く閉ざされていたが、時を追うにつれて薄くなっているのが目に見えて分かる。それに気付いた当時と比べても、格段に薄くなっていた。同時に、仔袋は粘液が溜まるのに合わせて大きく、姐さんの腹諸共膨らみ続けていた。このまま行けば、近い内に膨張に耐え切れずに開いて、産卵が始まるだろう。目前に迫る、通常ではあり得ない生命の神秘の瞬間に、俺の胸は高鳴る。だがそうさせているのは、後ろめたい感情だった。
 産卵が始まり、粘液が流れ出して膣内を濡らし、穴から粘り気をねっとり滴らせながら産卵に臨む姐さん。やがて顔を出したぬるぬるの卵が穴を押し開いて、大量の粘液と一緒に産み落とされる――
 その光景を妄想しただけで俺は息を荒げ、チンポが鞘から飛び出して臭いながら屹立する。透視すると、丁度そのタイミングで卵を包む肉袋がじわじわ膨らみ、姐さんの腹の張りを強めて出口がより脆弱になる。少し経てば元に戻るが、いつ破れるとも知れない今の状況は、殊更に俺の劣情を煽り立てる。今の胎内の様子を目に焼き付け、興奮の中で足音を立てずに姐さんの元を去った。
 やって来たのはとある一室。ここにはチンポを突っ込んで気持ちよくするオナホールってやつとか、尻に突っ込んで雌の快楽に酔い痴れるディルドやらバイブやらを始め、様々な成獣(おとな)の嗜みをサポートする道具が沢山置かれている。迷わず咥えたのは、俺くらいの体躯やチンポの大きさに最適な、大きいオナホールが入った袋。しかもスイッチを押すと適度な温度に温めてくれる便利な機能まで備わっている。独りで嗜む時のお気に入りの逸品だ。中の構造が、偶然姐さんのそれと少し似通っているのも好都合だった。
 袋から出し、滑りをよくするためにローションと呼ばれる粘液を中に注ぐ。四足だと結構難しく、零してしまったが仕方ない。注ぎ終えて器具に固定してから、既に硬くなったチンポを、零したローションで汚れた前足で可愛がる。以前だったらここで電撃バリバリだったが、姐さんのあの施術の日々のお陰で、今はそれがなくとも脳内に描いた妄想を足掛かりに十分気持ちよく我慢汁を漏らせるようになり、ローションと混ざって忽ち満遍なく濡れた。前足の汚れを舐め取ると、俺の粘りと塩気、臭いがこれから脳内で姐さんを汚すんだと、一層俺を昂らせてくれた。
 器具に固定したオナホールに触れると、程よい温かさになっている。いい頃合いだ。取り付けた器具に覆い被さり、実際の交尾の体勢でチンポを無機的な穴に押し付け、挿入する。肉穴とは少し異なる感触だが、気持ちいい刺激をもたらすには十分。
「ぐっ……!」
 声を出さないよう口を噛み締め、欲を満たすための無生物相手に根元まで突っ込み、犯し始める。ぐちゅんぐちゅんと中のローションが卑猥な音を立て、既に潤った受けの体内を掘るような気分を即座に味わえる。中の粘りに、俺が加わっていく気持ちよさ。
 頭の中で妄想を始める。気持ちよく膨れたチンポが、最奥の空間のもっと奥へと突き進む。大きさ的にあり得ないが、妄想なら何でも許される。刹那の快楽に先走りながら、どんどん、どんどん奥へ向かって膨らんで立派な姿になる。
 見えてきたのは、閉じられた肉の扉。その向こうの大きく膨れた仔袋の中に、愛しの我が仔が存在する。強まる快楽の中、我が仔に会いたい一心で、時を追うにつれて堅牢さを失う肉の扉を、先端でノックする。その刺激を受けてか、更に大きく膨らむ仔袋。その出口の窄まりも、皺が徐々に開くような変化を見せて、脆弱性が高まっているように見受けられる。もうすぐ会える、って事だよな。包み込まれる快感の中で、俺は胸を躍らせた。
 出口が徐々に、こちらへ向かって丸く膨れ始める。いよいよ姐さんの中で、俺の分身の目の前で、生命の始まりたる神秘的な破裂が差し迫る。胸は更に高鳴り、チンポは一層硬く張り詰めた。
 丸く膨れた窄まりの中心が、とうとう開いた。そこから俺が犯す空間内へと流れ込む温かな粘液。実際オナホールの中でそんな変化は起きていないものの、妄想だけでその感覚は十分味わえる。命を包む粘液の流れを受けながら、俺も雄によってもたらされる、新たな生命の始まりを予感する心地よいむず痒さを、硬く締まった金玉からチンポの根元に掛けて覚え始める。一秒でも早く会いたいと、流れに抗ってより雄々しく変貌しつつ、奥へとじわじわ伸びて行く。
 開いた出口に差し掛かって顔を出し、大きく拡げながら通り抜けようとする丸みのある存在。これこそ俺が会いたくて堪らなかった愛しい我が仔。次第に気持ちよく漏れる感覚が迫る中、その距離は徐々に縮まり、そしてとうとう、親子が触れ合う。待ちに待ったその瞬間に喜び、猛烈な快楽が脳天を突き抜けて、俺がお前の父親だと言わんばかりに、雄々しく、硬く、立派な姿を、産まれようとする卵に見せ付けた。
「ぐうっ……!!!」
 低く甘い唸り声を噛み締めた口から零し、卵に向けて白い無数の弟ないし妹たり得る種を含んだ濃厚な粘りを大量にぶちまけた。


 ……実際はそんな事はなく、オナホールの精液溜まりに噴射してあっと今に満たし、隙間から逆流して溢れ出し、つんと鼻を突く。はあっはあっと激しい呼吸の中で、床に滴る水音を耳で拾いながら欲の解放の反動に浸っていた。
 スペルマが搾り出されるに従い、火照りも合わせて搾り出されて茫然とし、やがて徐々に冷静さを取り戻す。賢者になんて、なりたくない。なった所で、残るのは自己嫌悪だけだって、分かってた。汗に濡れて強まる雄獣の体臭とスペルマの青臭さが、徒にそれを煽り立てるばかり。はぁーっと、俯いて大息を吐いた。


 ――なんど(なんだよ)、こんなんでわし、ほんまに父親になれんのんけ(なれるのか)? アホ臭いことしとんうぇーやあ(してるよなー)……。


 心の中の「わし」が呆れ返った。途端に不安に駆られてしまう。オナホールから抜かれ、萎み切らずに露出するチンポから滴る白。一層強く鼻に訴えてくるスペルマの臭い。見ると、オナホールのみならず床も吐き出された邪な情で汚れて大きく広がっていた。
 この部屋にある物は、俺だけではなく皆が使う。だから基本的には使った者が掃除をする事になっている。流石にオナホールとかは自力で洗えないためご主人にお願いするが、それ以外は自分で処理しなければいけない。広がった邪な情を、ぺろぺろ舐める。ローションは無味無臭で無害なため、一緒くたに舐め取ってしまう。鼻に突く臭いや絶妙な甘じょっぱさを孕んだ苦味。慣れている筈なのに、この時ばかりは吐きそうな程に気分を害していた。まあ、あんな妄想で致した罰には相応しいか。俺しか知らないであろう事が、まだ救いだろうか。舐め切るまでの時間が、無駄に長く引き延ばされていた。
 そして汚れたオナホールを袋に入れて咥え、ご主人の元へと持って行った。申し訳ないと思いつつ渡すが、ご主人は笑顔で受け取った。
「こうやって持ってきてくれるなんて、お前は偉いな」
 ご主人は俺の下顎、そして頭と、大きな手で撫で回した。その心地よさに、俺の喉が鳴る。
「そのまま汚しっぱなしの奴らだっているんだ。お前の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいさ」
 嘆息を零すご主人。彼も彼なりに苦労しているのが窺えた。そしてオナホールを手にバスルームへ入って行く。その後姿を、じっと凝視していた。どんな妄想で吐き出したスペルマか、彼は見当も付かないだろう。それでいい。俺以外には知られてはならない、汚れた一面なのだから……。


 ――それが、姐さんの産卵前夜にあった出来事。姐さんはこの翌日に卵を産む事になったが、ここで抜いていたお陰か、不思議と冷静に事に臨めたのはある意味幸運だったのかもしれない。こんな事、姐さんが知ったらどう思うだろうな――



 ――ここまで語ったならもう一つ、我が仔が生まれた後の事も、ここに留めておこう。
 お祭り騒ぎが終わり、静かになった俺達の部屋。我が仔はミルクで腹を満たし、ぐっすり眠っていた。
 突如耳に入る、ポリポリという音。目をやると、姐さん、いや、ママが、先程まで我が仔を包んでいた卵の殻を啄んでいた。
「何やってるんだ、ママ?」
 俺は首を傾げつつ問うた。ママも答えるのに少し困っているようだ。
「よくわからないけど、なんでか食べなきゃって思ったのよね」
 ここでふと俺も思い出す。俺達レントラー族も、卵を産んだメスは産卵の際に汚れた体液や、後産で出てきた羊膜を食べて処理していたし、孵った後の殻も同様に食べていた。大きな隙を晒す事になる産卵という行為や、格好の餌食が増える事を示す孵化を、周囲の敵から隠すためにやるんだと言っていた。ママが殻を食べるのも、本能的には恐らくそういう事なのだろう。そしてある事が頭に浮かぶ。
「……パパ!?」
 俺も食べ掛けの殻をポリポリ食べていた。余り味がしないが、殻の内側の膜に辛うじて肉感がある。
「子供の存在を知られないように本能が働くのかもな。俺も手伝うぞ」
「ふふ、言われてみればそうかもね。あたしたちが守らなきゃいけないもの」
 笑顔を交わしてふたり、殻を食べ尽くした。腹は膨れずとも、大いに心は満たされた。本能的な部分も嘘ではない。だが、俺が殻を食べたのは秘めたる欲望のためだった。この卵は、ママの体の中で作られた物だ。それを食べる事は即ち、間接的ながらママを物理的に(、、、、)食べたって事になるのだ。



 遡る事、奇妙な共同生活を始めて三日目、俺が食べ掛けの大きな獲物を棲み処に持ち込んで、今のママが仰天したあの場面。仰天したと言いつつ、その後はけろっとしていて、俺の肉食いの一面を晒しても動じない理由を尋ねた時に、ママは耳元でこう囁いていたのだ。


 ――あたし、毒を持ってるからね。食べたら苦しんで死ぬわよ♪


 妙に自信たっぷりに、煽るように告げたのである。仕方ないと思う一方で、何らかの形で一部でも姐さんを食べて自分の血肉にしたい、肉食いならではの欲望が、この日を境に芽生えたのである。
 それ以来、色々考えて試そうとした。排泄した糞を食べようとしたり(不味過ぎて失敗したが)、血が出た所を舐めて治すために、(直接手を出すのは憚られたので)ママが怪我しないか期待してみたり。ママが悪阻で苦しんでいた時に、吐瀉物を食べるという奇行に走ったのも、根底にその欲望があったからだった。そして辿り着いた、ママを一切この手で傷付けずに欲望を満たす手段。味気ないのは致し方ないものの、彼に怪しまれず、なおかつ彼と同じ時を共有出来て、予想以上の満足感を得られたのだ。一度きりのチャンスだったが、それでも十分に満たされた。ママを性的に(、、、)食う時間なら沢山あるのだから。



 ――ああ、振り返れば振り返る程、こんなどす黒い一面をママに知られたらどう思われるか。そんな不安はあれど、心に秘めて、上手く隠して新たな日々を送る。それが無難な選択だ。これからも何食わぬ顔で、ママや仔と一緒に同じ時を過ごすとするか。


「……筒抜けよ」
「マ、ママ!?」
「ここに書いたら嫌でも見えるに決まってるじゃない! それよりあなた、あたしが身籠ってるの知ってたら、どうして早く教えてくれなかったのよ!?」
「それは……ママが取り乱して、そのせいで流れるんじゃないかって不安になったから……」
「それを言われると困っちゃうけど……でもあたしだって、子供ができたってわかったら、びっくりしただろうけどもっと体を大事にしてたわ。こんな大事なこと、ちゃんと言わなきゃだめよ、パパ!」
「ご、ごめんなさい……って俺のあんな妄想やこんな妄想はお咎めなし、なのか?」
「そもそも透視で覗き見ながらオナニーするくらいの悪趣味な変態なんだから、身籠ったあたしをオカズにされても別に驚きもしないわ。ドスケベパパ」
「うぐ……さすが毒フェアリー……」




 ――さて、本当に長くなっちゃったけど、ここで〆るわ。長々と付き合ってくれて、ありがとうね。また一波乱起きそうな気配だけど、それは書ければまたの機会に。




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Last-modified: 2024-01-08 (月) 08:21:44
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