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ストラグル ~荒廃した土地~3

/ストラグル ~荒廃した土地~3

オーブ

初めて書くので、ヘタですがよろしくお願いします…
あと、用語が出てきても、分かんない部分があると思うので解説のとこを参照してください
流血シーンもあるので苦手な方は読まないことをオススメします
アドバイスなど歓迎です

前巻はストラグル ~荒廃した土地~2


キャラなどの解説はストラグル ‘狩り’LOG

コメントはコチラへ・・・ストラグル ‘狩り’の噂



世界は滅びようとしていた…
とある組織がポケモンを悪く扱って、遺伝子を組み替えて強力なポケモン生み出そうとした

しかし実験は失敗して、何もかも暴れ狂う凶悪な怪物、ダークポケモンを生み出してしまった
ダークポケモンになってしまったポケモンは殺す以外直す方法は今の所不明…
しかも、他のポケモンや人を無差別に殺して、捕食をする。
世界はこのままだと滅びると思ったポケモン安全保障局が特殊部隊、~PGS~を設立。

邪悪化したポケモンを無事に‘狩り’、世界を元に戻す日が来るだろうか…




目次 


第七章   ~反乱の始まり~ 




PGS各国首脳サミット―――

「そうですか・・・ならあなたの計画もうまく行くと信じていいのですね?」
「もちろん、ですが厄介な奴らがいる」
「厄介?」
「ああ、我が国・・・アメリカ支部の第一部隊です」
「フウマがいた部隊か?」
「その通り、実力などが他の部隊より桁違いなのです」
「それならニホンの部隊と比べたら?」
「おそらく、ニホンは負ける」
「Mr,アイク、あなたの国にはリグレが向かったはず」
「リグレ?ああ、あのイカれた科学者か」
「ヤツのP-Vは私は気に入っている、他の皆様はどうかな?」
「「「・・・」」」
「それではワルダックさんはあの薬をどう扱うつもりで?」
「なに、大した事じゃありませんよ・・・」
「・・・私は気に入らない」
「オレもだ」
「私もだ」
「私も」
「おや?サカキさん、アオギリさん、マツブサさん、アカギさんたちはどうして?」
「私はミュウのデータをもとに、やりたいことがあるので」
「オレはちょっと追いたい獲物に夢中だからパスだ」
「私もアオギリさんと同意見です」
「私は3つのあるエネルギーをもとに3体のポケモンを捕獲したいからです」
「なるほど、それでは今回の会議はこれで終わりにしましょう、私のほうも今回大変なので・・・」
「Mr,アイク、何かあるので?」
「今回は第一部隊中心にカイオーガを護衛する任務なのですよ」
「!なんだと・・・」
「どうしたのですか?アオギリさん?」
「いや・・・別に・・・」
「それでは終わりにしましょう・・・」

※ ※ ※

「・・・ん・・・・」
ここはどこだ・・・?
ボクは・・・・・・いったい・・・
確かボクは、ファガにフウマの事を話した後、部屋から出て外の空気が吸いたいから外に行って・・・
外でボーッとしていたら何かに殴られて、そのまま倒れてしまって・・・。

「よう・・・新入り・・・起きな」
「ん・・・うっ・・・ここは?」
「ここは『最期の部屋』さ・・・」
目を開けてボクに話しかけてくるヤツを見たら、ヘルガーだった。
それにしてもひどい臭いだ・・・
なんだか血の匂いが・・・血?

「新入り、手錠を壊してやろう」
「ホン・・・ト?」
「そのかわり、ここからの脱出に協力しろ・・・無論、手当もする」
よく見たら腕が手錠により自由に動けなくなっていた。
それにあちこち体が痛い・・・それにどうしてこんなとこにいるんだ・・・?

「分かった・・・協力しよう・・・いつまでもいたら頭がおかしくなりそうだ」
「よし・・・フン!!!」
ヘルガーが、かみくだくで手錠を壊してくれた。
しかし、全然体が動いてくれない・・・

「ぐっ・・・」
「よし、手当だな・・・おいっ!!」
ヘルガーが誰かを呼んだらしい・・・
すぐに誰かが来た

「こいつが新入りか・・・?ひどくやられているな」
「さぁ、治してやるぞ・・・頼む」
ハッサムが回復剤か何かをこっちに向けてプシュッと発射した。
かなり体が楽になってきた。

「よかったな・・・ヘルガー、オレはあっちに行ってるぞ」
「分かった、新入り立てるか?」
「うん・・・あとボクはデンリュウだから」
体を起こした状態から自分の足で立ってみる。
改めて自分の周りを見てみる。
ボクは刑務所みたいなとこにある牢獄の一室にいる。
ボクの前にある一室の入り口のドアは壊されていた。
他にも汚いベッド、机があった。

「今から仲間達と共にこの地獄城からの脱出作戦を決行する」
「分かった・・・・でもここがどういうとこだか分からないんだけど?」
「ここはPGSが管理している監禁島にある建物だ。作りは刑務所みたいなとこだがな」
囚人収容所みたいなとこかな?
とりあえずヘルガーと話ながら一室から出ると、大きく細長い道がある場所にでた。
周りは一室と同じ風な部屋が数十個あった。
おまけに壁もすごく古風な感じがする。
それにしても・・・どうしてボクはここへ・・・?

※ ※ ※

「おお、遅かったなヘルガー」
「悪い、我らの同胞を手当していた」
集合場所に着いたらカラカラがヘルガーに近づいて話かけてきた。
仲間の数は1・・・2・・・いや100体以上はいる。
ここにいる皆は地獄島に運ばれてきたポケモンなんだ・・・。
そう思っていたら話を終えたと思われるヘルガーがこっちに来た。

「これから作戦を始める・・・準備はいいか?」
「うん・・・分かった、でもここにいる皆について聞かせてもらいたいんだ」
ボクはそう聞くとヘルガーは、少しの間目を瞑った。
そして目を開けたら、皆の事を語り始めた。

「ここにいる同胞は、無実の罪で囚われたもの達だ」
「え・・・?ということは皆知らない罪で捕まった人って事?」
「ああ・・・だがオマエだけは違うみたいだな」
「え?」
「ここに運ばれて来たとき、明らかに連れてきたヤツの様子が変だった・・・そうだな、隠しごとを知られてしまったから処分しようとした・・・というところか」
どういう事だ?ボクはだれに捕まったんだ・・・?
それに、ボクを殴った相手・・・それにここはPGSの管理島・・・まさか・・・?

「ボクを殴って、ここに運んだヤツって・・・」
「さしずめ、PGSの連中だろうな。例え他のヤツがいたとしてもPGSの協力者だ」
「そんな・・・でもどうして・・・?」
「言っただろう?知られたくないことを知られてしまったんじゃないかと・・・」
ボクは何も言えなかった・・・
ただ一つPGSが知られたくないことが気になった・・・。
しばらく考えてたらヘルガーとボクを中心に他のポケモンたちが集まってきた
やがて集まったらヘルガーは周りを見回したらドンッと自分の足を地面に踏みつけた。
その時なにかが始まる気がしてたまらなかった。

「集まったな・・・よし」
ヘルガーが皆集まったことを確認して目を瞑り一呼吸を始めた。
その一呼吸する姿だけでボクは唾を飲み込んだ。
そしてハァ~と吐いたらいきなり目を開け始めそして・・・言った。

「同胞の諸君!!ついに時は来た!我らを無実な罪でここに閉じ込められて以来
つらい日々を送った・・・だが!!!オレとカラカラはついに脱出口を見つけ、
作戦を考え、完成した!!!そしてオレは今一度問う。
この地獄を抜け出し、PGSと戦う意志のあるヤツはついてこい!!!
イヤなら来なくていい!!オレは皆の意見を聞く!!!さぁ・・・どうする!!!!!」
「「「脱出してやる!!!!!そしてこの恨みを晴らす!!!!!!」
「満場一致だな、ヘルガー」
「ああ・・・よし、オレはここに宣言する!!!!これがオレたちの反乱の始まり・・・
オレたちの一歩目だッッッッ!!!!!!!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」」」
「オレたちの反乱軍・・・『サーガ』の始まりだッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
この時、ボクはこのサーガの一員としてPGSを・・・ファガ達を倒すことに戸惑っていた・・・


第八章   ~海王 前編1~ 



「よし、船は心配無いな」
「おいこっち手伝ってくれ」
船の団員達は『サクラ』の整備や荷物運びでざわついていた。
無論、バーゴ港は広く大きい港町で防壁などもあるが、時々ダークポケモンが防壁を破ってきたり、
海から攻撃して来たりするが、PGSの一部の人が住んでいるため、漁をしたりするときや町を守るときはその人達が撃退してくれる。

「そういえばカイオーガは?」
「分からん、というかデカイからすぐ見つからないか?」
ボクとルードは港のそばにある広がっている海の周りを探してもカイオーガを見つけようとしたが、全然いなかった。
おかしい。めちゃめちゃデカイのに見つからない・・・
まさか・・・

「ルード、そういえばキーアは?」
「さぁ・・・?ノリカはあそこで魚食ってるけどなー」
言われた通り、市場の方を見たらノリカが魚をバク食いしてた。
どんなスピードで食べてるんだ・・・?
瞬きする度に2・3匹の魚の骨が宙を舞っていた・・・。

「ま、とりあえずスタミナをつけてもらわないとな。食べることは良いことだ」
「それでもアレは・・・」
話していたら船の所からキーアの声がした。

「2人ともーカイオーガはもう少しで到着ですー」
「キーア!そこで何してんだー!」
「電話ですよーそれじゃ船の整備に戻るんでー」
そう言ったらキーアは、船の中に戻っていった。
あ、そうだ

「ルード、ボクあまりキーアの事を知らないんだけど、キーアってホントに何者?」
「ん?いきなりどうした?」
「だってあの年でヘリや船の整備もできるんだよ?天才以上としか・・・」
「んー・・・皆からオレたちの事を親子コンビと言われるほど長い付き合い、
相性だが、アイツの過去の事は一切知られていないぜ?」
「ルードでも知らないなんて・・・」
「事実、最近のアイツは電話ばっかしてるし電話の相手の事を聞いても内緒とか言うし・・・さっきの相手はきっとまた同じ相手だろうが・・・」
確かにルードの言うとおり、最近のキーアはこつぜんと消えて誰かと電話しているらしい姿が見えるようになった。
でも考えていてもしょうがな・・・・・・ん?

『カイオーガが来たぞーーー!!!』
「マジで!?行こうぜファガ!!」
「うん、でもどうやって来たんだろう?」
「とりあえず行けば分かるって!」
ルードがはしゃぎながらカイオーガのいる方へダッシュした。
ボクも早くいこっと。



※ ※  ※


「着いたな!!!ルード!!!!」
「マキシ!?お前も来ていたのか!?」
「オレさまは第二部隊の隊長だぞ?忘れたか?」
「そうだっけ?まぁいい、それよりカイオーガは?」
「あそこだ」
マキシさんの指した方を見たら確かにいた・・・
海の王にふさわしきポケモンが・・・
なんだか見てるだけでもいろいろな感情が込み上げてきた。

「アナタ達が私を護衛してくれる者たちですか?」
「え・・?あっはい!」
「よろしく頼みます、何かあったら私も戦います。皆さんを放って置けませんから」
カイオーガからのまさかの言葉
護衛される身は普通、高台から護衛する者達を見ているハズなのだ。
しかし、カイオーガは自分を守ってくれる者達と戦おうと言っている。
これほどうれしい言葉は無い・・・が

「アナタには戦わせません」
「?どうして?」
なぜ?決まっている。

「敵はボクたちが早く倒しますから」
「・・・頼もしい限りです。しかし、私も皆さんに守られ続けられたら失礼なので戦いますよ?」
「上等ですよ」
ボクとカイオーガは普通に笑いながら会話をしていた。
伝説のポケモンと普通に会話なんて滅多に無いからこれは貴重だ。

『ファガのヤツ~羨ましすぎるぜーーー!!!!!』
『カイオーガと普通に話してるんなんて・・・!!!』
後ろのハンカチを噛みながら嫉妬している人達はほっとこっと・・・



※  ※  ※


「よし、準備はいいなっ!!それでは出航!!!!!」
「いよいよですね・・・」
「ノリカ、表情硬いよもっとリラックス」
「うぅ・・・だって~・・・」
緊張しているノリカを和らげていると船はとうとう動きだした。
これから難易度が難しい任務が始まる・・・。

「そういえばファガさん、カイオーガはどうやってここまで来たんですか?」
「普通の水タイプポケモンが潜れないような場所まで潜って来たらしいよ?」
「え・・・?それなら潜りながら行った方がいいんじゃ・・・?」
「途中のルートで関門があるらしい、しかも潜りたくても潜れない浅い場所なんだって。
潜れる場所を作りたくてなんらかの方法をやっても、関門が壊れてしまうかもしれないからね。
水タイプのダークポケモンが何重に攻撃してもビクともしないらしいけど、
カイオーガとなれば別。攻撃したら粉々のハズだよ」
「なるほど・・・」
ボクはノリカの納得した顔を見ると、イスに座った。
・・・デンリュウのことを心配しながら。


第八章   ~海王 前編2~ 


ボク達はカイオーガの護衛で『サクラ』に乗り、目的地のアーロン港まで向かっている。
今日の一日目は特に敵も出現しなかったので、今日は『第一部隊の休日』と仮名して一日を過ごした。
最近戦闘くらいしかやっていなかったのでボク達にとってはとてもうれしい一日になった。
だから今ボクは・・・・・・

「あっ・・・ミスった。消さないと・・・」
『子供のための絵日記』に絵を書いていた・・・。
いえ別にボクは絵日記が好きで書いている訳でも無いんですよ?
ただ、ノリカとルードにこの『子供のための絵日記』をいきなり手渡されたんですよ?


※ ※ ※


「は?絵日記?なんでボクが?」
「いいですから♪」
「そうだぞファガ・・・オマエのせいでカイオーガと話せなかったんだからな・・・バツとして絵日記書け」
「いや・・・だから・・・なんで?」
「だって、デンリュウさんがいない状態でのこのミッションなんですよ?こういう事があったって報告するためにも・・・ね?」
「でもなんで・・・絵日記?」
「普通の日記が無かったからだ」
「・・・あら・・・そうスか・・・」
「いいか?ちゃんと書かなかったら、支部の会議室にある大型スクリーンで『ゴーリキー、カイリキー ~オス同士の禁断の愛の熱帯天国特集~』を見せるからな!!」
「なんで、んな気色悪いもん持ってるんだよーーー!!!」
「・・・(ルードさんってやっぱBLなのかな・・・?)」


※ ※ ※


そんな事があって今ボクは日記をつけているんです・・・。
ちなみにキーアは船のことがあって忙しいみたいなんです・・・。
こんな姿を毒舌キーアやデンリュウに見せたらOUTになりかねないから黙っておくとして(デンリュウが見た瞬間、殴って記憶を無くす)、そろそろ詰まってきたな~・・・
よーく思い出さないと・・・絵は描けたけど文章のほうが・・・ねぇ?
確か・・・最初から思い出していくか・・・あっそうか、なんとなくだけど思い出してきた。


※ ※ ※


「いやっはぁぁーーー!!!!」
「いい天気ですね~!!」
「うん、晴れてよかった」
ボク達は『サクラ』から小さい船に乗り換えて、ボク達は船の先端部分で、ノリカは操縦室で水着に着替えて、海で泳ぐことにした。
幸い天気も晴れて、溺れてもカイオーガが助けてくれて、休む時もカイオーガの上で休める。
ボク達は他の部隊との交代時間がやってきたので、暫くはカイオーガの上でバカンスだ。

「水着作ってくれてありがとうございます!エルさん」
「素材がたまたまあったからですよ、それではボクはキーアのとこに戻りますね。」
そう言ったらエルはスタスタ行ってしまった。
キーアも船のことで忙しいみたいだ。
残念だなぁ・・・せっかくカイオーガが自分の体の上で休んでいいから、ゆっくり遊んでほしいって言ってくれたのに・・・。

「それにしても・・・ノリカええルックスしとるなぁ~♪」
「!!どこ見てるんですか!!!」
「・・・ルード、ヘンタイっぽいからやめなよ・・・」
まぁでも確かにノリカはよく水着が似合っているなぁ・・・
なんかグラビアやってそうな人に見える。

「きゃっ、ファガさん鼻血鼻血!!!」
「んえ?」
「それでこそ男の反応だっ!!!」
ルードが手を握って親指だけ立てて言ってきた。
失礼な、ボクはヘンタイではないぞ。・・・てか、ノリカとの距離が近いんですが・・・!(ブショアアァァァァァ)

「ファガさんとりあえずティッシュ!!」
いかん、鼻血がスプラッシュしてる。
ノリカからティッシュを受け取ってる間、ルードはカイオーガとなんか話をしてた。

「あの~皆さん、大丈夫ですか?」
「カイオーガ・・・ファガは男になったぞ・・・」
「えっ!?ファガさんって男じゃなかったんですか!!??」
いかん、いらぬ誤解が発生してる。

「ふぉら!ふーふぉ!ひゃんなこかいをふぁいふぉーふぁにふぁうな!!ふぃんなふぃふぃにふぃえふふぁふぉ!(こら!ルード!へんな誤解をカイオーガに言うな!!変な人に見えるだろ!)」
「今のオマエは十分変だよ・・・」
仕方無いだろ、鼻血出てるんだから

「ブショア!ブショア!(そうだ!そうだ!)」
「鼻血まで否定するのか・・・」
さすがはボクの鼻血、ナイスツッコミだ。

「とりあえず、鼻にティッシュを・・・」
「ああ、ゴメン・・・ってピチュー?」
「着いてきちゃいました~」
「それはいいけど・・・どうやって?」
ピチューはリーンブルフの一件以来、支部の食堂で働いてる。
若い人たちにはちやほやされて、あ~助けて~って言ってたっけ・・・
でもなんでここにいるんだろ・・・?

「私が連れて来たんです」
「え?ノリカが?」
「はい。食堂の人から許可も貰いましたし、一応第一部隊の仲間ですからね」
「でも今回の任務は危険だから・・・その・・・」
「大丈夫です。戦わせませんから」
ノリカとピチューはよほど強い信頼関係なんだなぁ・・・
なんか羨ましい。

「よしカイリキー!!シンクロだっ!!」
「おうよ!!オレは人魚~♪」
「動きあってますよ・・・あの人たち」
ある意味あの人たちも羨ましい・・・


※ ※ ※


「今日はこういう感じの休暇が久々にできて良かったです・・・これで良し」
ボクは日記を書き終えると溜息を漏らした。
あのあとノリカにセクハラしようとしたルードとカイリキーは、ノリカに吹っ飛ばされながらヘヴーン!!!って叫びながら海にドボン。
それで二人は夜食の時間が来るまで眠ってたんだよな。
ノリカはピチューと寝ますって言ってたし・・・。
こういう平和がいつまでも続けばいいのに・・・。


※ ※ ※


            ~とある場所~


「これより我らサーガはアメリカ支部を破壊する、野郎共準備はいいな!!」
「へい!!!ヘルガーの旦那!!」
「一発かましやしょうや!!」
「ハッサム!荷物は!」
「すでに完了だ」
「カラカラ!進行ルートに問題は!」
「特には無いが・・・もし何かあった時のための作戦は考えている」
「すげえ・・・これが『炎無鋼雷(えんぶこうらい)』なのか・・・」
「そうだぜ新入り・・・サーガの四傑大将だ」
「オレももっとあの人たちみたいに強くならないとなぁ・・・」
「ヘルガー・・・」
「分かってる、行くぞデンリュウ・・・これで8件目の破壊だ」
「・・・ああ」

第八章   ~海王 中編1~ 

「うう・・・どうしてアナタが・・・」
「悪く思うな、これはキミらの運命なんだ」
「どうして・・・どうして分かってくれないんですか!!」
「もうやめろ・・・おまえだけでも逃げるんだ・・・!!」
「しっかりしてください!!アナタと一緒に・・・皆さんと一緒に・・・」
「・・・・ュー、よ・・・いてくれ・・・このま・・・・全滅・・早く・・・!!」
「それじゃあね・・・ファガ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グチャッッッ!!!!



※ ※ ※



~2時間前~

ボクは昨日、久々の休暇を楽しんだ。
何事もない、普通の休暇をまるで学校の友人達と海に出かけたみたいな感覚だった。
しかし、そんな休暇がいつまでも続くハズが無い。
それが今の・・・自分達の普通なんだ・・・。
そして、ボクは今ピチューと一緒に荷物を運んでいた。
必要が無くなった物や空き箱の整理というわけだ。

「あ、ピチューそのダンボールはこっちに置いといて」
「ハイです、よいしょっと・・・」
「あー、しかしこんなに荷物あるとか・・・ホントに困るなぁ」
「仕方ないですよ。カイオーガさんを護衛するには最善の注意を払っておかないと」
しかし、いくらなんでもこれはキツイ。
荷物の重さを全部合わしたら、マンムーが20匹くらいになるんじゃないか・・・?
肝心のルード、カイリキー、マキシさんのマッスルトリオはまた勝負して遊んでるし・・・
とりあえず重い物はボク、軽いものはピチューにやらせてるけど、かなりキツイ・・・そろそろ手の感覚が無くなってきた・・・。

「あうっ」
「あ、大丈夫?」
「平気です。ただちょっとくじいてしまっただけです」
そろそろ休憩にしとこうかな・・・
ピチューも疲れているだろうし・・・うんそうしよう。

「そろそろ休もうか。ちょうどゴハンの時間だし」
「えっ・・・でもまだ」
「大丈夫、そんなに慌てなくてもゆっくりやればいいんだし、キリのいいとこで休憩もしとかないと倒れちゃうでしょ?」
「うーん・・・そうですね。それじゃ休憩にしましょうか!」



※ ※ ※



「艦長、北東に何も無し、異常ありません」
「北西、同じく」
「ウム・・・しかし嫌な予感がするのだ・・・諸君、持ち場に戻れ警戒を怠るな」
「「了解」」
「しかし・・・あの小僧・・・どういうつもりだ・・・?」
「小僧ってのはオレのことか?艦・長・さ・ん」
「なっ・・・!いつの間に・・・」
「別に?今来たトコだし」
「ぐ・・・しかし、どういうつもりだ?カイオーガの護衛を依頼したのはカイオーガ自身では無いアンタっていうのは・・・」
「理解しなくてもいい、ただ時が来れば分かるよ?」
「・・・さすが支部長のご子息、先が全く読めないトコは父親と一緒か」
「親父は関係無いね、それにオレの親父は死んだことになっているんだ」
「しかし教えてくれ、今回の任務はカイオーガとグルなのか?」
「いや、カイオーガは関係ないからね?」
「どういうことだ・・・?カイオーガは自分の護衛を依頼してきたのが表の事実。しかし、それは支部長とアンタが考えたニセの事実だ。
しかし、どうしてカイオーガがいる?アンタと支部長が任務を考えてニセの依頼を作った。
あくまでもカイオーガが依頼したことはニセなんだ。
でも、カイオーガは関係無い・・・それは今回の計画にカイオーガは元々存在していないということだ。
しかし、今この船のそばで泳いでいるあれは何だ!!」
「ふーん・・・色々なことは教えられないけど、この作戦には様々な背景を想定して作ったんだ。」
「背景・・・?」
「そう・・・確かにアナタの言うとおり今回の計画は支部長とボクが作った。
そして、この任務はカイオーガが依頼した事になっている。でも、カイオーガは関係無い・・・つまりカイオーガは何も知らないし、ここにいること自体おかしい。
しかし、そこにいる・・・これでもう分かったろ?」
「まさか・・・あそこにいるカイオーガは・・・!!!」
「そう・・・カイオーガじゃないよ」



※ ※ ※



「うーん・・・おいしいでひゅ~」
「おいしい?ピチュー」
「はいです!このデザート作った人はすごいです~」
ボクとピチューは食堂にてゴハンを食べている。
さすがに働いたあとのゴハンはおいしいなぁ
ちなみに、ピチューはオボンの実やモモンの実などの実が入った特製のパフェだ。
ボクはしょうが焼き定食だけど・・・。

「ん・・・はぁっ~おいしかったです~」
「それは良かった。少ししてから仕事に戻ろうか」
「はい、しかし誰が作ったんでしょう・・・?」
「えーと、どうやらノリカがデザートを作ったみたいだよ。ほら」
厨房の方に指を指すとノリカがデザートをトッピングさせながら作っていた
でもあれはホントにおいしそうだなぁ・・・

「それじゃ、戻ろうか」
「はい」
ピチューと一緒に貨物室に戻ろうとしたらノリカがこっちに気付いて手を振ってくれた。
ボクとピチューは手を振って戻ろうとしたときだった。

ブーブーブーブー!!!!!!!!!!!!!!!!!

「警報・・・?」
「ファガさん!!一体何が・・・・?」
「分からない・・・ノリカ!!」
突然の警報にボクとピチューは戸惑いながら、ブクはノリカを呼んだ。
ノリカも戸惑いの表情を隠しきれないようで、こっちに不安の表情のまま向かってきた。

「ちょっとこの原因を調べてくる。ピチューを頼んだよ!!」
「はい!気を付けて!!」
ボクはノリカにピチューを預けて、原因を探るためにとにかく走った。
まずは甲板に出てみようかな・・・



※ ※ ※



「あのカイオーガが・・・偽物?」
「ああ、正確にはカイオーガの幻覚だ」
「バカな!!昨日、部隊の諸君らはカイオーガに触れていたが全く疑問の顔をしていなかった!!」
「・・・ラフレシア」
「え?」
「ラフレシア・・・正確にはダークラフレシアの体内で構成された粉末。その粉末は人の脳に侵入すると幻覚作用を起こす」
「だが・・・それだけではカイオーガの幻覚作用を起こせるわけがない!!」
「そこで・・・ためしにサンドパンの血液・・・DNAを粉末に混ぜてみたら、その粉末を吸った人、その人が思っているサンドパンの性格や外見が幻覚で出てきた。」
「・・・サンドパン・・・」
「そして、今この戦艦に乗っている彼らが思っているカイオーガの価値観や思いは同じ・・・今回の計画には欠かせない粉、そしてたまたま持っていたカイオーガのDNAと合わせ、粉を撒いた」
「いつ撒いた?」
「もちろんバーゴ港のときだよ。あの港に安全確認のために張り付いてもらっていたPGSの隊員がオニドリルを使って港中に広めてくれた。
幸いな事に粉は『しびれごな』とかみたいな色つきではない無色やキラキラ光らないでバレなかったし、風もあまり吹いてなかった」
「ぐ・・・確かに出発する前に船着き場に全員外で待機していたからな・・・」
「理解したかい?」
「ああ・・・だが一つ聞かせてくれ。どうしてこんな意味の無い計画を立て、実行した?どう考えてもメリットもデメリットも無い・・・」
「ん?意味ならあるよ?」
「それは?」
「実は他のPGSの支部がことごとく潰されている情報をキャッチしたんだ」
「支部が・・・?どうしてだ」
「艦長・・・アナタも知っているハズだ。PGSは組織内のごく一部の人間にしか知られてはいけないトップシークレットがあると・・・」
「ああ・・・だが反対した!!あれは酷い・・・しかし」
「しかし・・・娘を人質にされてしまった・・・だろ?」
「キサマらのせいでな・・・だから私は仕方なく協力している・・・」
「ああ、おかげでこっちは正方法で輸出が出来ない商品を輸出してもらっている・・・」
「P-Vだったな・・・?あれをどうする気だ?」
「・・・正直しゃべりすぎた、ここまでだ」
「・・・!最後に、この作戦が終わったら娘と・・・ノリカと共に解放してくれるだろうな!?」
「ええ・・・それが叶えれればの話だけどね・・・」
「なっ・・・どういうことだっ!!」
「艦長・・・アンタにはこの戦艦ごと海に沈んでもらう」
「キサ・・・」
「艦長!!!大変です!!」
「どうした?」
「南アフリカ支部の戦艦・・・『ダイダロス』がこっちに向かって突進してきます!!!」
「何っ!!警報を鳴らせ!!!隊員達に援護をしてもらう!!!」
「それでは艦長・・・さようなら・・・共にパニックに陥ろう・・・」
「ぐっっ・・・・」



※ ※ ※



警報がまだ鳴り止まないところを考えると・・・
内部ではなく外部からの問題かな・・・?
とにかく甲板に行く前にルード達と合流を・・・

「ファガ!」
「ルード!カイリキー!」
ルード達の部屋に行こうとしたらルード達が前から走ってきた。
ちょうどよく合流できて良かった・・・

「ファガ、この警報は一体・・・?」
「たぶん外部からの攻撃だと思う・・・とにかく甲板に向かおう」
「「了解!」」
甲板に行く途中、放送で外からの襲撃だとアナウンスしてきた。
やっぱりこっちで良かったか・・・!

ドゴォォォォン!!!!!!!!!!

「うわっ、向こうの船こっちに接触してきやがったな・・・!!」
「2人共!甲板はすぐそこだよっ!」
出口が見えてきた。甲板への・・・
しかしそこは出口ではなかったんだ。

「甲板に出た!!・・・なっ・・・」
「おいおい・・・」
「なんだ・・・アイツらは・・・?」
甲板に出て左を見たら、『サクラ』と同じくらいの大きさを持った戦艦、『ダイダロス』があった。
しかし、問題はそこでは無かった・・・
『ダイダロス』に乗っているポケモン達が問題だった・・・
「キミたちは一体・・・?」
『ダイダロス』に乗っているポケモン達に何者か尋ねようとした瞬間

「変わらないな・・・ファガ」
口調は変わったが、声の質だけは変わらない・・・だが、たくさんのポケモンの船頭に立った4匹の内1匹が自分の大事な相棒だとすぐに気付いた。

「デンリ・・・」
相棒を呼ぼうとしたら気付かないうちに目の前に立っていて、いきなりボクの腹を殴ってきた・・・


第八章   ~海王 中編2~ 



以前の仲間と敵対する。
それはどんな物語においても邪道でもあり、悲しい結末が待っている。
そういう本を何回かは読んだことがある。
まさか・・・ボクの仲間はそういう事にならないと思っていたけど、一番の信頼できる仲間・・・相棒が

「・・・っかは・・・・!」
「・・・かみなりパンチ」


ボクの前に立ちはだかり、攻撃という形で敵対するとは思ってもみなかった・・・。


「ぐっ・・・っげほっげほっ!!」
「・・・」
「おい・・・デンリュウ!どういうつもりだ!」
「カイリキー!近づくな!」
ボクは苦しみながらもなんとか顔を上げてデンリュウの顔を見ようとした瞬間、カイリキーの頭にアイアンテールをかましてたかつての相棒がいた。
アイアンテールをカイリキーにかましたデンリュウの顔は・・・笑っていた。

「カイリキー!」
「あ・・・・あ・・・」
「・・・フン」
どうやらカイリキーは頭に思いっきりアイアンテールを喰らったせいで気絶間近のダメージを喰らったようだ。
・・・くそっ!意識が擦れてきた!

「皆さん!探しました・・・よ?」
後ろからノリカの声がした。
ボクもそっちの方へ顔を向けると、驚愕したノリカ、ピチュー・・・そして睨みつけているキーアとエルレイドがいた。
無理もない・・・この状況を見たら、誰だってしてしまう顔だ。
だが・・・この場でありえない顔をしたやつならいる。
目の前にいる。かつての仲間を思いっきり攻撃し、笑ったやつなら・・・いた。

「え・・・何?これ・・・」
「デン・・・あなたは一体何をしたのですか!!」
「おっとおまえらの相手は・・・このハッサムと」
「カラカラが相手する・・・」
確か・・・アイツら、『ダイダロス』にデンリュウと同じ列で立っていた奴ら・・・。
武器もないボク達に勝ち目は・・・ない。

「デンリュウ・・・あとはまかせろ」
「・・・ああ」
どうやらリーダー格のヤツが登場してきたようだ。
気高き炎の番犬・・・ヘルガー!!!
くっ・・・やっと立てるようになれたか・・・

「待てっ・・・!デンリュウ・・・!」
「・・・カイリキー・・・」
カイリキーが持ち直したみたいだ。
ルードに肩を貸してもらいながら立ち上がっている。

「ちくしょう・・・!デンリュウ!どうしてこんな事をしやがる!!!」
「・・・」
デンリュウは喋らない。

「答えろ!!」
「その質問はオレが答えるとしよう・・・」
ヘルガー・・・顔には幾戦もの戦いをしてきたみたいな傷がある顔をしていた。
だが・・・その目は憎しみに溢れていた。
さらに、歩くたびに足元から火花が散っていた。

「こいつはな、PGSという組織の身分でありながらPGSを裏切り、破壊活動を共にしてきたヤツだ」
「どうしてだ・・・?」
「こいつはある記録の映像を見た瞬間、オレ達とともに戦う決意と組織に対して冷酷な性格を手に入れた」
「ある映像?」
「PGSの本当の姿だ」
本当の姿・・・?
まさか・・・『p-v』の事か・・・?
確かにあの映像を見たら誰だって・・・

「そろそろおしゃべりは終わりだ・・・カラカラ!ハッサム!」
「おう!」
「・・・撤退する」
「あっ・・・待て!!!」
「くそっ・・・デン・・・リュウ・・・!」
ボクはよろめきながらも相棒の後を追う。
しかし、どうしても越えられない壁が前に立ちふさがった。

「感謝しろ・・・オレが直々にキサマらを葬ってやる」
「随分舐められましたね・・・キーア」
「逆にやっつけまーす」
「ピチュー・・・下がってて」
「ノリカさん・・・皆さん気を付けて!」
「カイリキー!Are you ready?」
「OKだぜ!」
「ボクも・・・なんとかやってやる!!デンリュウと話をしなければならないから!!」
そうだ・・・このまま誤解を生んだままの状態は冗談じゃない・・・!
デンリュウ・・・行くな!!またキミとのすごした日々を取り戻す・・・!

「だから行かせないと行ったろ?・・・『アイアンテール』!!」
「ぐわっ!」
「ファガさん!!」
「カイリキー!!クロスチョップ!」
「うおらーー!!」
「『かげぶんしん』・・・」
カイリキーがヘルガーにクロスチョップを当てようとしたが、ヘルガーが『かけぶんしん』を使用したせいで、当てれずにそのままこけてしまった

「ちくし・・・」
「甘い・・・『かえんほうしゃ』!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
ゼロ距離からの『かえんほうしゃ』をカイリキーに発射した。
しかし、ただの『かえんほうしゃ』じゃない・・・!威力が桁違いだ!

「エル・・・『リーフブレード』!」
「おおおお!!!」
続いてエルも『リーフブレード』で応戦する

「おそい・・・『アイアンテール』!」
「ぐわっ早い!」
しかし、ただのスピードでかわされた挙句に思いきりエルの背中に『アイアンテール』をかました。
強すぎる・・・!今の状態だと勝てない・・・!

「そろそろ『わざマシン』でおぼえた技でジ・エンドにするか・・・『アイアンテール』!」
「ぐわっ!」
「おらっ!!」
「きゃああ!」
最初にボク、続いてノリカ達も『アイアンテール』でまとめて一か所に吹っ飛ばされた。
皆苦しそうに体を丸めている・・・くそっ、ここまでなのか・・・

「『にほんばれ』・・・」
「やばい・・・あのコンボだ・・・」
ヘルガーが天に目掛けて『にほんばれ』を出した。
まずい・・・あのコンボは・・・・!

「それじゃあな・・・『ソーラービーム』!!!」
ヘルガーがそう言うと口のあたりが光り始めた。
ボク達はここまでなのか・・・?

「ジ・エンドだ・・・ファイヤー!!」
巨大な光のレーザーがこっちに目掛けて発射してきた。
うう・・・あれを喰らったら・・・終わる!!
なんとか皆だけでも・・・

「くそっ・・・」
「ピチューちゃん・・・逃げて・・・!」
「はぁ・・・うっ」
もう皆は動けそうにないな・・・
ああ・・・終わるのか・・・
くそっ・・・

「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドガーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!


「この程度だったか・・・ん?」
「ヘルガー、後始末は任せろ」
「デンリュウ・・・どういうつもりだ?」
ボク達は確実に死んだハズだ。
しかし、相棒の『かみなり』によって救われていた。
どういうつもりだ・・・?

「ヘルガー、オレがコイツらを始末する。後は任せな」
「・・・・分かった。先に船を出しとくぞ」
ヘルガーはデンリュウにそう告げると船に戻って行った・・・
でも、まだ助かってはいない・・・

「デンリュウ・・・」
「・・・ごめん」
デンリュウは昔の口調でそう言うと、ボクをボロボロにするまで殴り、蹴ってきた。
口から血が出て、顔や頭からも血が出てきた。
意識はもう無くなりそうなレベルまで来た。
でもそこに、ピチューが来た。
何を言っているかは分からない。
おそらくやめてとか言っているんだろう。
だけどデンリュウはボクを殺すことをやめない。
笑いながら殴っていた。
さっきのごめんという言葉は一体何を意味していたのかボクには分からない。
痛覚がどんどんひどくなってきた。
普通は殴られ続けると、痛みも感じ無くなってくるみたいだが、ボクは普通じゃないらしい・・・。
どうやら、まだ相棒に殴られ、殺される事を認めないつもりらしい・・・。
ボクも往生際が悪いな・・・。
いいかげん認めてラクになればいいのに・・・。

「うう・・・デンリュウさん、どうしてアナタが・・・」
デンリュウがボクを殴る事をやめた。
顔も冷酷な目をしていた。

「うう・・・どうしてアナタが・・・」
「悪く思うな、これはキミらの運命なんだ」
「どうして・・・どうして分かってくれないんですか!!」
ピチューが泣きながらデンリュウに何か話している。
気持ちは分かるけど・・・もうそいつはデンリュウの顔をした悪魔なんだ・・・!
これだけでも伝えないと・・・

「もうやめろ・・・おまえだけでも逃げるんだ・・・!!」
「しっかりしてください!!アナタと一緒に・・・皆さんと一緒に・・・」
意識が無くなってきた・・・・・・でも・・・!!!

「・・・・ュー、よ・・・いてくれ・・・このま・・・・全滅・・早く・・・!!」
目が・・・勝ってに閉じていく・・・・だめだ・・・言葉が・・・途切れ・・・・て・・・・・。

「それじゃあね・・・ファガ」
デンリュウがボクに別れ告げて地面に叩きつけた後、足でボクの腕を思いきり踏みつけてきた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グチャッッッ!!!!


まるでトマトが潰れたような音がした。
閉じていた目を開けると、ボクの腕が・・・左腕が無くなっていた。
そこに転がっていたんだ。
でも痛みは全然ない・・・。
夢だと思いたかった。
痛みが無いから夢だと思いたかった。
夢にしたかった。
かつての相棒が相棒だった自分の腕を切断するなんて・・・。
途切れ行く意識の中、ボクは温かい光に包まれていた・・・・。



※ ※ ※



「ファガさん!!!」
「ちくしょう・・・・!!!!」
「じゃあな・・・皆」
「くっ・・・船が移動していく・・・デンを乗せた船が・・・」
「ピチューちゃん・・・どいて・・・なんとか治療を・・・・」
「やばいな・・・このままじゃ失血死する・・・!」
「早く・・・医務室に!・・・腕も持って・・・」
「死なないで・・・アインと同じ末路を辿らないでください・・・」

第八章   ~海王 後編~ 


ボクはどうなったのだろう・・・
相棒だったデンに半殺しにされた後、そのあと何を言ってたか覚えていない。
何をされたのかも分からないまま気を失ったのだから。
そして、今自分の意識がどこに居るのかすらも分かって無い。
周りは暗闇。しかし、自分の体は肉眼でちゃんとはっきりと見えている。
まるで、コンサートホールが暗くなり自分にだけスポットライトが当てられているみたいだった。
手足は動ける。顔を下に向けながら歩いた。しかし、前に進んでみても全く感覚がしない。
ここでボクは何をしているのだろう・・・。
分からない。怖い。辛い。寒い。寂しい。いやだ、一人で居たくない。
苦しい。誰かが居てくれないと苦しくて死にそうだ。
誰か助けて・・・・・・・誰か・・・・・。

「またキミに会えたね。こんな所で何をしているの?」
「しーっ。今ファガっちは寝ているんだから静かに寝させてあげようよ。」
「・・・キミ達は?」
「あ、起きてた」
ボクが顔を上げると、そこには2匹のポケモンらしき物体が宙に浮かんでいた。
一匹は黄色で、お腹に目蓋が閉じているような模様があり、ボクを呼んだ方は少し黄緑色で、目の周りが黒いのが印象に残った。

「ボクはジラーチ。こっちはセレビィだよ」
「ジラーチ・・・。セレビィ・・・噂に聞いたことがある。確か、願いを叶えてくれるジラーチ、時渡りのセレビィがいるって。」
「ちなみにボクは以前キミの夢に遊びに行ったんだよ?」
ジラーチが一度ボクの夢の中に遊びに来たことがあるという。
え・・・?

「遊びに来たって・・・いつ?」
「フウマが居なくなった日、バンギラスがリーンブルフの森に来た日だよ。」
「あー・・・あの時か」
確かに誰かの声は聞こえたけど、まさかこいつらだったとは・・・。

「今日はキミの運命、そして過去について話そうと思ってね」
「ボクの運命・・・?過去・・・?」
突然の事を言われて戸惑うボク。
運命?過去?
過去はともかく運命って・・・。

「まず過去に行ってみようか。」
「ちょ・・・ちょっと待ってよ・・・。過去と運命ってなんだよ・・・」
「実はファガっちにはとても大切な事を知ってもらわなければならない事があるんだ。」
「その為にはまず過去に行かないと説明がつかないんだ」
過去・・・一体いつの過去だ・・・?
・・・あれ?

「ボクの過去・・・?ナニそれ・・・?」
「やっぱり・・・キミは記憶が・・・あの運命の記憶しか無いんだ・・・」
「な・・・んだよ・・・それ・・・どう・・・いう・・・」
突然身体が震え始めた。
確かにボクはあの日の・・・ピジョットがダーク化した記憶とフウマがまだ生きていた時に行ったベリオンでのグラエナ3体の討伐任務以降の記憶しか・・・無い。
それじゃあボクの記憶は・・・ピジョットとの記憶以前の記憶は・・・?
ピジョットがダーク化して逃げた時以降の記憶は・・・?
頭が痛い・・・!!

「とにかく過去に行こう。セレビィお願い。」
「うん。あの日に時渡りするよ!」
セレビィが光り、ボク達はその光に包まれた。
気が付くと、ボクはあの日の・・・ピジョットに襲われたあの場所に立っていた。
ボクは・・・怖くなった。
セレビィとジラーチは後ろでボクの事をとても悲しいと思わせるような目で見ていた。
やめてくれ・・・!そんな目でボクを・・・・!

「わーい!!ピジョットだ!」
「!!!!!!」
ジラーチ達の後ろから子供の声が聞こえた。
とても・・・とても懐かしい声が・・・。
自分が走ってきた。元気よく。
この後に何が起きるか分からないのに・・・ただ・・・無邪気に・・・。
小さいボクはボクの身体をすり抜けてピジョットの元に行った。
そうか・・・時間的にボクはこの時代にいない人だから、すり抜けてもおかしくはないか・・・

「ねぇねぇピジョット!今日のゴハンなに?」
「ギャャャャァァァァァァァアアアアアア!!!!!!!!」
小さいボクはピジョットが吠えたあと、『かぜおこし』をくらい、吹き飛ばされた後逃げた。
泣きながら。ただ走って行った。
ボクは何も感じなかった。辛さや苦しさとかも全然・・・。

「キミはこの後の記憶があるかい?」
「・・・正直言って無い。」
「それじゃあ追ってみようか」
この後、何が起こったんだっけ・・・?
セレビィがその答えを教えてくれる場所にワープしてくれた。
そこは・・・

「滝・・・?」
「うん・・・キミは森の中を走り逃げている最中、川に気付かず落ちて、そのまま流れて滝に落ちてしまったんだ。」
「そ・・・それで?助かったんだよ・・・な?」
「「・・・」」
ジラーチは説明をしてくれない。
セレビィにも顔を向けたが、逸らした。
二匹共は顔を下に向けた状態で悲しそうな顔をしていた。
まさか・・・

「あっ・・・セレビィ・・・」
この時代のこの時のセレビィが来た。
そばにいるセレビィとは関係ないこの時のセレビィが。
少し経ったらボクが流れてきて・・・落ちた
すると、この時のセレビィは早く過去のボクを・・・落ちた過去のボクを消した。

「え・・・なんだよこれ・・・!!!」
「実はあの時キミを時渡りさせたんだ。5年後の未来に。」
「そう・・・ちょうどキミを未来に飛ばした時間はノリカと同じ年ぐらいだったかな?」
ボクは何もかもが止まったように感じた。
あの時のボクは時渡りをしなかったから・・・死んで・・・。

「でも・・・なんであの日から5年後に・・・?」
「キミと今の仲間達が集まるには5年後じゃないとダメだったんだ。ノリカ、キーアもこの時は幼かったし。」
「運命を変える仲間が揃うには5年後じゃないと集まらなかった・・・」
「他じゃ・・・ダメだったのか?」
「他の未来は・・・ダメだった。」
ボクは何の運命を変える為にいるんだ・・・。
運命運命・・・。
こんなのおかしいよ・・・。

「キミは過去から来た人。変えることのできなかった運命を変えるためのね。」
「一体・・・一体ボクは何の運命を・・・?」
「PGSやダークポケモンを無くし、この世界を平和にする運命だよ。」
「でも・・・」
「それにこれはピジョットの願いでもあるんだ。」
「ピジョットの?」
色々動き始めた運命。
与えられた使命。
もうメチャクチャだな・・・。
今度は何だってんだ・・・。

「次はキミの出生の秘密について語る時が来たかな・・・。」
「ボクの・・・?」
「そう・・・ついに過去の・・・キミが何者かの真実を聞かせる時が来たね・・・」


※  ※  ※


「何っ!?ミッション失敗!?」
「はい・・・どうやら私たちは騙されていたみたいです・・・。」
「カイオーガの存在・・・オレ達が共に行動してたカイオーガは偽物だったってのか!?」
「艦長室に置いてあった資料に書いてあったんです!間違いありません!!!」
「クソッ・・・キーアもどっかに行っちまったし、ファガもなんとか腕を切断された前の状態に戻っても眠ったままだってのに・・・どうなっちまうんだ・・・?」
「PGS・・・私たちの組織は一体何を考えて・・・?」
「おい大変だぞ!!!」
「どうしたんだマキシ・・・少し落ち着け・・・」
「どうしたこうしたもあるかっ!!!!本部からFAXが届いた内容を見ろ!!」
「・・・!?んじゃこりゃぁぁぁ!!!???」
「抹殺処分書・・・えっ!ここにある名前って・・・!!!」
「オレたち第四部隊とオマエ達第一部隊のメンバーの名前だ」
「そんな・・・っ!!!私達が殺される・・・どうして・・・」
「実はまだオレ達以外には知られていない。FAXはこの一通だけみたいだったからな」
「オマエどうやってこれを・・・?」
「通信室からくすねてきたもんだ。幸い誰もいなかったしな。」
「もう・・・訳が分からないぜ・・・」
「ファガさん・・・早く目を覚まして・・・」


第九章   ~巡リ合ウ過去ト希望ト真実~ 


「ボクの・・・出生の秘密・・・?」
ボクは唖然としていた。
ボクは捨てられた子供で、親代わりとなっていたピジョットに育てられた人間。
でも、それはボクの思い込んでいた想像だ。
どこに。どんな場所に。いつ。ボクが捨てられていた事をピジョットは教えてくれなかった。
それは親が捨てたから・・・ボクの本当の親が捨てたから、その事実が残酷だから黙っていた。
そう思い込んでいた。そう思い込んでいたかった。

「しかし、キミの過去にこの腐敗した世界を変える手がかりがあるんだ。」
「それ・・・は?」
「だからその為にキミの出生を明かさなきゃいけない。ある意味キミがこの世界の絶望を終わらせなきゃいけない事なんだ。」
「・・・分かった。連れて行ってくれ。」
ボクの存在が世界と関わっている・・・?
一体何なんだ・・・。

「さぁ着いたよ・・・。キミの出生の秘密だ」
「・・・」
その場所は嵐のせいで森が騒いでいた。
そしてボクの見ている先には・・・愛していた親、ピジョットがいた。
しかし、泣いていた。
何かを翼で包みながら。

「実はこの嵐の日に、彼女の子供が木から落ちて、頭を打ったんだ。」
「え・・・?」
「かわいそうに・・・まだ生まれて三日だった。そしてボクたちはこの日に・・・。」
聞きながらピジョットの方を見てたら、ジラーチが現れた。
ボクはもうちょっと二匹の元に近づいてみた。

『ピジョット・・・』
『うっ・・・うっ・・・。』
ピジョットは泣いていた。
無理もない。自分の子供が死んでしまったのだから。

『あの・・・』
『どうして・・・どうして私の子供がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
『・・・・・・・・・・・。』
ピジョットは顔を上に向けてより大きく泣いた。
しかし、鳴き声はほとんどが嵐によって消されていた。
雷が鳴っている。大きく・・・ただ大きく・・・。

『分かった。ピジョット、キミの望む事を・・・子供を生き返らせる事を叶えてあげよう。』
『そんなことをしても私の子供は・・・!』
『分かってる。でもね、生きるものには魂は皆あるんだ。その魂をキミの望む形にして生き返らせてあげようという事さ。』
『それならこの状態で・・・!』
『それはできないんだ・・・』
『どうして・・・っ!』
『いくらなんでもそのままでは生き返らせる力なんかないんだよ・・・。でも魂を別の形にして生きる力を与える事はできる。』
ジラーチが言うには、死んだ者をそのまま生き返らせることはできないけど、その者の魂を別の形にして生きる力を与えるのは可能ということらしい。
でも、ピジョットにそういうモノは無かったハズ・・・。

『・・・私には夢がありました。』
『どんなの?』
『いつか私の子供がお互い信頼できるパートナーの元に行ける夢でした。でも・・・』
『・・・』
『そこで今、私は考えました。私がそのパートナーになればいいと。』
『と・・・言うと?』
『私の子供を・・・子供の魂を人間にしてください・・・。』
『・・・人に?』
『そして、私がこの子のパートナーになります。』
『本当に・・・良いのかい?』
『・・・はい。』
ジラーチがピジョットの願いを聞くと、ジラーチが光り始めた。
すると、ピジョットの子供であるポッポから青い玉が出てきた。
恐らくポッポの魂だろう。
でも・・・身震いがした。
震えが止まらなかった。
どうやっても。身体が震え続けて、涙が出そうになった。
イヤな予感しかしなかったから。
魂がその形を変え、人の姿になった時その予感は的中した。
小さい5歳くらいの男の子だった。
その子が誕生したら、ピジョットが優しく翼で支えた。
そしてこの時のジラーチは瞬時にその場から消えた。

「まさか・・・そんな・・・」
気付いたら涙声になっていた。
あの子供は・・・過去の自分だった。
自分が生まれたのがこのような形だったなんて・・・。
涙が流れてきた。震えがさらに酷くなってきた。
寒さが増してきたように感じた。
後ろからジラーチがゴメンと言いながら謝ってくる。
もう何も考えたくなかった・・・。

「キミはピジョットの願い・・・夢から生まれた存在だったんだよ・・・。」
「あ・・・・・・あ・・・・。」
「でもその夢は終わる。」
「・・・どう・・・して・・・・・?」
「ピジョットの夢はキミの存在。キミの存在はピジョットの夢。しかし、もう夢は覚めないといけない。」
「・・・・・・」
「いいかい?キミの命とピジョットの夢、つまりピジョットの命はキミとリンクしているんだ。今でも夢を見続けているピジョットが夢から覚めたら終わり。つまりピジョットが死ねばキミは死ぬ。」
「・・・先にボクが死んだら?」
「この世界を変える事ができなくなり、ゲームオーバー。」
こんなこと聞かされて平然としてろなんて方が無理な話だ・・・。
ボクの存在はピジョットの夢から生まれた存在?
ピジョットの夢はボクの命と繋がっている?
ピジョットが死ねばボクは死ぬ?

「そんなふざけたことがあるかよっっっ!!!!!!ボクが夢から生まれた存在?ふざけんな!!!!第一なんで生きてるか分からないピジョットがここで出て来るんだ!!!!???」
「「・・・」」
「黙ってんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!答えろ!!ジラーチ!セレビィ!!」
ボクがこんなにも言っているのに答えてくれない。
ふざけるな!どうして答えてくれない・・・。

「・・・ピジョットがダーク化したのは分かるね?」
「・・・」
ジラーチが口を開け始めたと思ったら、ピジョットがダーク化したときの話だった。
ボクは黙ったままうなずいた。

「実はPGSが最初にダーク化させたポケモンがピジョットだったんだ。」
「・・・え?」
PGSが初めてダーク化させたのはピジョット・・・?
初めて聞く事実だ。本部のデータベースにはどこから現れて増殖したのか不明って書いてあったのに・・・・。

「あの日、キミがピジョットから逃げ出した時にPGSはプロトタイプのヴェスタを打っていたんだ。」
「ヴェスタ・・・ダーク化の元になった薬・・・」
「結果は成功。そして全てのダークポケモンの生みの親になったんだ。」
「どういう事だ?」
「今何故ダークポケモンが生まれているか・・・それは全てピジョットのダークオーラに感染したからなんだ。」
「・・・え?」
「そして、いつまでも発するそのダークオーラは少し回収して全世界のPGSに配られ、地下から地上に物質状にして送っているんだ。」
ピジョットのダークオーラは全世界のポケモンに対して影響を与えているのか・・・。
ん?

「デンリュウ達はどうなっているの?」
「定期的に何かのワクチンを打たれたろう?あのヘルガー達やピチューたちもそうだよ。」
「・・・つまりこの世界を救うにはピジョットとPGSを倒さなければならない。しかし・・・」
「しかし、倒したらキミは消えてしまう。という事だよ。」
倒せるのか・・・?
PGSなら遠慮無く攻撃できる。
しかし・・・

「ピジョットを倒すのは・・・!!」
「・・・」
「確かにこれは最悪かもしれない。しかし、ピジョットはキミに止めてもらいたがっている。」
だけどできるのか・・・?
実の親・・・ボクが存在できてるのはピジョットのおかげだって事を知った上で・・・!
でも、ボクがやらなかったらノリカ達に平和な世界が来ない・・・!!!
だったら・・・やるしかない・・・よな・・・。

「分かった・・・ボクがやる・・・!。」
「!ホントかい?」
「ファガっち・・・」
セレビィが心配そうな目で見てくる。
もうここまで知った上でやらない訳にはいかない・・・!!

「ボクがやるよ。だから安心して!」
「・・・ピジョットも喜ぶよ。」
「絶対に終わらせる・・・こんな事を絶対に・・・・!」
「頼んだよ・・・ファガ・・・いや、ファガ・スティール・・・」

その瞬間に辺りが光り、ボクの意識は遠のいて行った・・・。



※  ※  ※



「う・・・うん・・・?」
気付いたらボクは横になって寝ていた。
左腕がギプスで包まれていた。感覚はあるから一応大丈夫みたいだ。
そうか・・・ボクはデンリュウにやられて・・・ここはどうやら病室みたいだった。
白い部屋にシーツ、ベッドに置き物台くらいしかないけど、今は別に必要は無い。
しかし・・・どうして今までの記憶は消えていたんだ・・・?
それに、あの話・・・消える内容だけはノリカ達には黙っておこう・・・。
そう思っていたらドアを開けて誰かが入ってきた。

「あ・・・」
「ノリカ・・・かい?」
「ファガ・・・さん・・・」
「あっファガさん!元気になったんですね!!」
ノリカとピチューがお見舞いに来てくれたみたいだ。
ノリカは泣きながらボクに抱き着いてきた。ピチューもそこに飛び込んで、笑顔で喜んだ。
そうだよ・・・。ボクはこの大雪な仲間を死なせるわけにはいかない・・・!
絶対に全部止めてやるッッ!!!



※  ※  ※



<一方、PGSアメリカ支部前>



「・・・懐かしいな・・・皆元気にしてたかな・・・。第一部隊の前リーダーのオレが皆にPGSの闇の真実を届けに来たんだ・・・・・・。一人でも死んでいたらタダじゃおかないからな・・・」








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Last-modified: 2012-04-04 (水) 00:00:00
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