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ストラグル ~荒廃した土地~2

/ストラグル ~荒廃した土地~2

オーブ

初めて書くので、ヘタですがよろしくお願いします…
あと、用語が出てきても、分かんない部分があると思うので解説のとこを参照してください
流血シーンもあるので苦手な方は読まないことをオススメします
アドバイスなど歓迎です

前巻はストラグル ~荒廃した土地~


キャラなどの解説はストラグル ‘狩り’LOG

コメントはコチラへ・・・ストラグル ‘狩り’の噂



世界は滅びようとしていた…
とある組織がポケモンを悪く扱って、遺伝子を組み替えて強力なポケモン生み出そうとした

しかし実験は失敗して、何もかも暴れ狂う凶悪な怪物、ダークポケモンを生み出してしまった
ダークポケモンになってしまったポケモンは殺す以外直す方法は今の所不明…
しかも、他のポケモンや人を無差別に殺して、捕食をする。
世界はこのままだと滅びると思ったポケモン安全保障局が特殊部隊、~PGS~を設立。

邪悪化したポケモンを無事に‘狩り’、世界を元に戻す日が来るだろうか…




目次 



第三章   ~行方~ 



「おい!急げ!」
「分かっている!!!!」
PGSはかなり騒がしかった。
無理も無かった。フウマが行方不明になって2週間、隊員たちの必死な捜索をしていたからだ。
しかもフウマは組織の中で最強クラスの実力を持っているため、貴重な戦力でもある。

「リックさん、そっちは?」
「だめだ・・・武器に埋め込んでいた発信機の反応が完全に途絶えた!!」
「エレナさん、アルデロイトのほうを見てください」
「分かったわ」
オペレーター28人の必死な捜索でも見つからない。
もはや絶望的とも言えたこの状況の中でわずかな手がかりだけでも探そうと必死だった。


※ ※ ※


一方、ファガ達は第一会議室でくつろいでいた。
当然みんな無口のまま、席に座っていた。
ファガとデンリュウは暗い表情で、ルードとカイリキーはムスッとした表情、キーアとエルレイドは目を瞑っていた。

「みなさんそろっていますね」
いきなり薄暗い沈黙から破り、部屋に入ってきた人は第一部隊の担当責任者であるミズホだった。

「きょうはみなさんに3点ほどお知らせがあります。まず一つは」
ミズホはファガを見ながら

「ファガさん、あなたはこの第一部隊のリーダーになりました。おめでとう。」
にこやかにファガに祝福の言葉を言ったが、ファガは何も反応しないで暗い表情で椅子に座っていた。
ミズホは続けて言った。

「2点目はフウマくんの事だけど・・・まだ・・・」
何かがきれた音がファガには聞こえた。
ルードが怒るようなことをミズホが言ってしまったからである。

「それ以上言うんじゃねえよ・・・もう限界なんだ・・・」

ルードが今すぐにでも会議室をメチャクチャにしたい気分の様子をファガは悟った。

「そう・・・最後にフウマくんの代わり・・・って言ったらアレだから早く済ませますね。入って」

ミズホがそう言った時、かわいらしい女の子がドアを開けて入ってきた。
ファガ達はほんの少しの間、見とれてしまっていた。

「は、はじめ、初めまして!!わたわた、私はノリカと言います!!今日から第一ぶぶぶ、部隊に配属されることになりました!!よよ、よろしくお願いします!!!」
ノリカは慌てて自己紹介をしたと同時にミズホは落ち着いてとノリカに言った。
そんなノリカの調子といいテンションといい、ドジっ子丸出しな様子だった。
ファガはまたテーブルに顔を向けたまま暗い表情になってしまい、
ルードはフンと鼻でため息をし、キーアはポカンとした表情だった。
デンリュウはヘーと言い、カイリキーはやっとかと満足気に言った。
なぜやっとかと言うと実は、第一部隊には女子がいなかったという単純な理由だったからだ。

「以上で会議を終わります」
ミズホはそう言って部屋から立ち去った。
終わったと同時にルード、キーア、カイリキー、エルレイドの4人は会議室から出て行った。
部屋にはファガとデンリュウ、ノリカの3人だけになってしまった。

「あのー・・・」
「・・・・・・・・・・・・えっ?」
ノリカはいつまでも座っていたファガに声をかけたら、ファガ自身もやっと気が付いた。

「そんなに落ちこまないでくださいね」
「ああ、ありがとう」
そう言ってファガ達は会議室をでたら、男の声が廊下中に響いた。

「ルードォォォォォォォォォ!!!!俺と勝負しろーーーーーー!!!!!」
ルードは頭をポリポリとかきながら、ルードと同じくらい体格の男の話を聞いていた。

「えっと・・・彼は?」
「あの人はマキシ、ルードのライバル的な人で水タイプのポケモンの使い手」
「あ、私ホエルオーの使い手です」
ファガはノリカの話をへえーと聞いていたら、マキシはルードの胸倉をいきなりつかんだ。

「俺様が勝負してやるっつってんだから勝負しろーーーーーー!!!!!!俺様と・・・割り箸500本割り勝負をなーーーーー!!!!!」
皆は心の中でダッセー!と思ったのは言うまでもない。
当然ファガ達もである。
ファガはため息をしてルードのもとへ行って、

「ルード、任務・・・・」
と、棒読みでいったがファガは、
「いや、こいつは俺と勝負をしない限りどこまででも追ってくるヤツだから・・・」
ストーキングかよと皆様は思ったでしょうが、そこは長い目でおねがいします。

「仕方ない、今回はルード無しでもいける任務だから行こう」
「えっいいんですか?」
ノリカは不安そうに聞いたがファガの少し笑った顔を見て納得した。

「仕方ない・・・いってくらぁ」
「分かった、勝って来いよ」
マキシははしゃいでルードに話かけて、ルードはため息をした。

※ ※  ※


「次はマースト高原だから。ターゲットはフライゴン。」
「はい!!」
ファガはノリカ、キーア達と一緒に動いているヘリの中でミッションの確認をしていた。
敵はフライゴン1体である。
場所はもっとも広い土地であるマースト高原。フライゴン相手なら申し分ないフィールドだった。

「よし、キーア全速で行って」
「オーケーです~」
ファガは新人であるノリカを指導できるかどうか、フウマと同等の指揮ができるか不安だった。

第四章   ~勃発~ 



「よいしょっと」

青い空に、ヘリのプロペラ音が響いてた
ここ、マースト高原にてフライゴンを討伐すべくファガ達第一部隊はヘリからの
ファストローブ(ロープによる高速降下)をファガとノリカは準備していた。
マースト高原は特に何も特徴が無く、何も無い高原だがとてつもなく広い事で
有名で、広さの大きさが測定不能なほどである。

「そういえば、ノリカの武器ってどういうの?」
「ええと…ワイヤーです」
ノリカの武器は持ち手のところが鉄製のロッドで、先端部分が三つの竜の爪みたいな
構造で出来てる。
爪の先端の小さい穴の部分からワイヤーでるようになっている。
ロッドの一番下から光の粉を入れてセットし、ワイヤーを出すことで光るワイヤーが出て、武器としての効果が出る。

「ワイルドキャットかぁ…凄いな。初めて見た」
「ファガさーん、到着しましたー」
キーアが降下地点に着いたことをファガ達に知らせると、ファガ達はヘリからロープを使って降り始めた。
降り終わったら、キーアはファガ達が降りた事を確認したらヘリを側の着陸ポイントに
着陸し始めた。

キーアがヘリを着陸させている間、ファガ達は辺りを警戒した。
キーアがヘリを着陸し終えて、ファガ達のとこに向かってくるのをファガが確認したら
デンリュウをモンスターボールから出した。
キーアも走っているときにエルレイドを出し、ファガ達のとこに向かって到着した。


「辺りを警戒しろ。気を緩めるな」
「了解です!!」
「近くにフライゴンが飛んでるハズでーす。」

そういっている間に急に風が変わった。
優しく吹いていた風が少し荒々しくなった。
それと同時に…


「ギャァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!」
「来たか・・・・!」
突然の雄叫びと共に何かが高速接近してくるのが5人は分かった。
ファガ、キーア、ノリカはさっそうと武器を構い、デンリュウとエルレイドは身を構えた。
上空には一つの物体が飛んでいた。
バサッバサッと羽で飛んでいるような音が物体から聞こえた。
そしてその物体はファガ達の元へ急速接近してきた。
ファガ達の前まで来た物体はバサッと羽を広げてから体制を立て直し、ファガ達の前には突風が吹いた。
ファガ達の前に現れた物体は身体が黄緑色をしていて、赤い目をしているポケモンだった…

「現れたか…フライゴン!!」
ファガはそう言うと、フライゴンはファガ達に向けてはかいこうせんを放った。

「ちいぃぃぃぃ!」
「きゃっ・・!」
「・・・・・!!!!」

5人はなんとか避けたが、地面には大きなクレーターができていた。
食らっていたら、間違いなくお陀仏だっただろう。
ファガがガンブレードを構えて、普通の人には飛ぼうとしても無理なくらいの跳躍力でフライゴンに攻撃したが、相手は飛べるため、いとも簡単に斬撃をかわした。

「このっ」
「ファガさん!いくら攻撃しても相手にダメージを与えることは不可能です!」

ファガはノリカの言葉の意味を理解していた。
   ・・・・・・・・・
いや、あえて理解していた。
とにかく追い詰めて敵の行動力をよく知る事が一番だったのだ。
その間にノリカはワイルドキャットにひかりの粉を入れて、いつでも攻撃できるようタイミングを見計らっていた。
キーアはデンリュウ、エルレイドにPPエイダー(※ゲームと効果は違います)を使い、技の威力を高めるようにしていた。

このフライゴンはかなりの強者らしい

「決めてやるっっっ!!」
ファガは一撃いれようとしても、武器がポケモンに攻撃を当たることを拒む。
なら、おびき出させてやれば良い

「今だ!!」

言葉と同時にノリカは射出ボタンを押したと同時に武器を思いっきり振ったら、眩しいとまでは行かないが、綺麗な光を出すワイヤーが出た。
しかし網を作るためにかなりの技術が必要だが、ノリカは繊細な動きで網のトラップを作った。

「グギャァァァァ???!!!!」

フライゴンはファガの攻撃をかわしたと思ったら、ノリカのワイヤーにうまく引っ掛かった。
苦しいのか、断末魔をあげながらダークオーラが浄化していく。

「デンリュウ!」「・・・エル」
「かみなり!」「・・・パンチ」
「オッケ!」「ちょっと待って?!なんでボクだけ?!」

デンリュウはフライゴンにかみなりを放って、フライゴンは悲鳴を上げながら黒こげになり地面に落下した。

エルレイドはキーアの胸倉をつかみ上げて前後に突っ込み、キーアはそれにお構いなく、アッハッハと笑っていた。

その後、5人は今回の戦績を話しながら本部に戻るヘリの中で騒いでいた。
今日も助け合いながら、そしてフウマの代わりにリーダーシップを発揮できただろうかと反省していた。





一方、ルードとマキシは・・・・・・・・・

「あんた達!覚悟しなさい!!!」
「「ゴメリンコォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」」

と、いつも迷惑をかけている清掃員のオバちゃんにモップをブンブン振り回しながら追ってくるのに対し、2人は詫びながら逃げていた・・・・



第五章    ~情報の価値~ 


「それじゃおやすみデンリュウ」
「うん、おやすみ~」

ボクはデンリュウです。今日も無事に任務を終えて、帰ってきたらもう寝る時間だったからさっさと寝ようという事になって、今ふとんに入ろうとしていた。
ファガはさっさと入って目を閉じて寝ている、かわいい寝顔ですな~(にやにや)

「それじゃ、行きますか~」

ボクが布団から出てどこに行くかって?
それはこれから分かるよっ

※  ※  ※


「いいの入ってるかな・・・」

ピッピッと電子盤についてある数字のパスコードを入力をしながらそんな事を思っていた
入力し終えたらドアが開いた。
ドアが開いた先には階段があった。しかも深いから行き来するのが大変なんだよなぁ(オマケにうす暗いし)
トコトコと階段を下りた先にはズンズンという特定のリズム感がある音が聞こえてきた。
ドアとかそういう障害物が無い分、音のボリュームがでかく聞こえるような気がする。
・ ・・てかこれだけ響かせといて、よく上に届かないよなぁ
その部屋―――という割には大広間・・・簡単に言ったら、バーとダンスホールが合わさった通称ディスコホール(といったかな?)がボクの目的だった。
ボクはバーサイドのカウンターにある席に行こうとしたら―――

「おーいデン、こっちこっち」

ボクを呼ぶその声の先にいたのはエルレイドのエルだった。カイリキーのカイがいることから一緒に飲み物を飲んでいたみたいだ。
ボクはさっさと席に向かって、エルの隣に座った。
目の前には凄い数の木の実に、木の実をジュースにしてくれる『ジューシック』(だったかな?)が置いてあった。
ボクも一つ頼むかな

「マスター、オボンカクテルを一つ―――」

ボクがパチンと指を(原作では指が簡潔にされていたが気にしない)鳴らしてジュースを頼んだ相手はこのバーサイド『ハイドロ』のマスターことオーダイルを呼び出した。
身体の上半身には中に白いシャツ、あとはバーの店員さんが着ているような黒いベストに蝶ネクタイを着けて、余り大きくないグラサンをかけていた。ズボンは体格のせいで着れないらしい。

「かしこまりました、あとデンさん」

了承して作ると思いきやボクを呼んだ。
何かな?

「カッコつけたい気持ちは分かりますが、似合いませんよ―――」

なんだろう、急に悲しくなってきた。
エルとカイは腹を抱えて大笑いをしている。
ボクがかっこつけちゃダメなの?
と思っている間にマスターがジュースを持ってきてくれた。
どうぞと言ってテーブルの置かれたグラスの中の入っているジュースから甘い香りと少しすっぱい匂いが鼻に入ってきた。

ゴクリと飲むと、甘い味、苦い味が同時に来た。
ボクはマスターが作ってくれるこのジュースが大好きだ。
ちなみにディスコホールにいる皆はこのバーのジュースが大好きで踊ったりした後や、唄う前は必ず飲む。
つまり、ここのバーで飲み物を飲むのは当たり前だということだ。
さて、それじゃそろそろ聞くか

「マスター、いいの入ってる?」
「ええ、2つほど………」

ボクはマスターにいい情報が入ってるか聞きにきただけだ
このマスターは図体がデカイくせに早く仕事をこなせたり出来る。
実際に数々のミッションを難なくこなしていた時があったが、とある理由で引退して、今の職業らしい

「1つはこの支部に局長レベルの科学者が来る事です。ロシア支部からの観察人らしいです」
「観察人?何を観察するんだろう?」
「たぶんフウマの事だよ、すごく優秀な人材が失った事に対してどう対応を取るつもりだ―――とかじゃない?」
確かに最近いろいろありすぎた、特にあのミッションは少しおかしかった。
何故ならバンギラスがリーンブルフにいるなんて報告なんて無かった。
それを仕組んだかのように入隊したノリカとホエルオー……
まさか・・・フウマは最初から殺されるターゲットにされていた?

「もう一つは―――」
「あっエルさん、カラオケやりましょうよ!」

マスターが話そうとした瞬間、マイナン(♀)が来た
どうやらエルをカラオケに誘いに来たようだ。
ちくしょう!なんでアイツばっかモテるんだ!
あっマイク持ち始めた。

……ん?待てよ?なんか大切な事を忘れているような・・・
なぜかカイとマスターは耳栓しながら頭抱えてるし。
おまけにボクが座っている席の前にあるテーブルの上にはマスターがボクのために用意してくれたものだろうか?耳栓が置いてあった。
あっやばい!!早く・・・これでよし!!

「それでは歌います・・・『ルーズ』!すぅぅ・・・」
エルが曲名を言ったのか、周りが騒ぎ始めた
歓声は聞こえない、客の反応で分かった。
皆は知らないんだった・・・エルが・・・

「ボゲェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
音痴だって事が!!
あぁ、身体にはビリビリとなんか伝わってくる・・・怖い!
皆が耳を抑えながらの垂れ回っている姿や、グラスなどの割れ物はパリーンと割れたのを見ると怖い!!
このあとエルは1時間ほど歌った。
ちなみになぜ音痴だって知っていたかと言うと、第一部隊の皆でカラオケやった時に知ったから

「あぁ・・・ひどい目にあった、マスター、そろそろ帰るよ・・・カイ、また明日」
気絶しているカイにまた明日と言ってボクは席から離れようとしたらマスターがボクを呼んだ。ちなみにエルは一人で踊り狂っていた。パーティーっぽくなるといつもこれだ。
でもなんだろう、マスターいつもよりも真剣な顔だ。

「実はこれだけは知っておいて欲しいんです」
ボクは話は今度聞くよと言って席を離れたら出口に向かって歩こうとした瞬間


「フウマさんは生きています」

ボクは耳を疑ったが、そのあとのことはよく覚えていない、どうして生きている事を知っているのかぐらいしか覚えていなかった。

第六章    ~真の敵 前編~ 


「というわけで本日からこの支部で共に戦ってくれるリグレ中将だ」
「皆さん、よろしく」

今、ボクたちアメリカ支部の皆は大ホールで支部長の話を聞いていた。
だが、そんな事よりも今朝デンリュウが言った事に疑問を持っていた。

「ファガ、フウマは生きている」

こんな事を聞かれても最初に信じる奴は相当なバカだろう
デンリュウはセリフを言ったあと一人でどこかに行ってしまった。

「以上、解散」
どうやら話は終わったらしい。
さっさと任務に行きたい・・・
行って、フウマを探したい、しかし皆には言わないで置こう・・・
任務に支障が出るから・・・

「ファガ、支部長室まで来るように」
支部長が呼んでいる、さっさと探せに行かせろ・・・
ボクはこんな所で道草食っている場合じゃ無いんだ!!!

※  ※  ※

「ファガ、リグレさんは君に何か渡したいそうだ」
「ボクに・・・ですか?」
「ファガ君、噂はかねがね聞いている。君は優秀な人材だ。だからこれを飲んでくれ」

リグレさんからカプセル型のクスリらしきものを貰った、しかしなんだこれ?

「ちょっとした栄養剤だよ。大丈夫、こう見えても・・・科学者だからね」
「はぁ・・・」
とりあえずゴクリと飲んだが、栄養剤という割りにはクスリみたいに不味い味がした。
やはり変な物だったか・・・?
「どうだい?何か変化は無いかい?」
「別になんともありませんよ?」
「そうか・・・まだ改良しないとな・・・」
ホントに栄養剤か?
ボクを勝手に被験体にしないでほしいもんだ。

「支部長、すまない、研究室に戻らせてもらう」
リグレさんはさっさと研究室に戻って行ったか、さっさと任務に・・・ん?
このフロッピーはあの人が落としていったものか?
とりあえず支部長室から出て任務に行こう。これはあとで届けるとして

「支部長、任務に戻ります」
「ああ・・・わかった」
ボクが部屋から出るときに後ろから支部長の声が聞こえたような気がした

「ファガ・・・残念だが君には消えてもらう・・・」

※  ※  ※

「このデータは一体何だろう…?」
ボクは支部長の話を聞き終わったあと、任務の準備をするために自室に戻ろうと廊下を歩いていた

「?これは」
フロッピーには『P-V』と書かれていた
プロモーションビデオかなんかかな?

「……気は進まないけど、調べてみようかな」
ちょうど自室に戻ったボクはデータベースにフロッピーを入れた
画面には『極秘プロジェクトP―V』と出た
任務もあるため、そんなに時間は無いけど見てみよう

『ザザッ・・・ちゃんと映っているかい・・・?』
『ああ、完璧だ』
『よし・・・ではこれを見ているものへ伝えたい事がある。
誰でもいい、オレ達の研究の過ちを直す手助け・・・意志を継いで貰いたい。
オレ達はPGSという組織の研究員だ。
PGSはダークポケモンから人間を、ポケモンを守る・・・人類には欠かせない組織だ。
しかし、このオレ・・・ソルトとこの映像を撮っているレジャーはある重大な事を見てしまった・・・
そう、どうしてダークポケモンは生まれたか知ったんだ、見てしまったんだ
研究員には4つクラスがあり、えらい順に言うと極秘、生物、開発、研究生
という順だ。
オレ達は生物クラスだったんだが、極秘クラスの奴がイーブイの♀で妊娠しているヤツを持ってきてくれと言ってきた。
その時オレ達は妊娠しているイーブイの世話をしていたんだ
仕方ないと思いながらイーブイを二人で連れて行った。
極秘研究室に着いたら、防菌服を着た男が出てきたんだ。
そしたら普通はありえないのにイーブイがこれからどんな事をするか見たいだろう?
付いてきたまえと偉そうに言ってきた。
しかしオレ達はイーブイの保護者、見なきゃダメだろと思った。
オレ達は別室で待機させられた。
二階の傍観室で、ご丁寧に一階の部屋にオレ達に声が聞こえるようにマイクや、モニターも設置していた。
部屋は広く中央には少し大きいテーブル、二階のモニターに映像が届くようにカメラがあったり男の他に色々な人やラッキーが多数いた。
男はイーブイをテーブルに置き、少し離れたんだ。
そこから悪夢は始まったんだ・・・!』

セリフは一旦ここで終了みたいだ・・・次は、なんかの実験データの映像か?

※  ※  ※

「おい、一体何をするんだ?」
「見ていれば分かるよ・・・ニタァ」
カチカチと他の奴が機械をいじり出した。
そしたら注射器が出てきた、ラベルにはVESTA―――ヴェスタと書かれていた
さっきの男は注射器を取出し、イーブイに注射しようとした。
もちろんオレは――

「おいっ!イーブイに何をするつもりだ!」
「何かしたら許さない・・・!」 
男はオレ達の言葉を無視してイーブイに注射器の中に入っている何かを注射した。
――注射してから数分経ったが、オレとレジャーは緊張の網から抜け出せない状態だった。
するとイーブイは突然――

「ああああああああああ!!!!!!!!!」
「!?イーブイ!!!」
「生まれる!!赤ちゃんがあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「どういうことだ・・・?予定より3か月早い・・・!!」
イーブイはあまりの痛さのせいか動けずに、断末魔をあげていた
まさか!あのVESTAとかいう何かのせいか・・・??

「うあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「クク・・・生まれる・・・新たなダークポケモンが・・・」
オレにはあの男が言った言葉はイーブイの断末魔によって聞こえなかった。
レジゃーなら聞こえたかもしれないが・・・と思っていたらイーブイの性器から赤んぼらしき物体が出てきた

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし・・・それは赤ちゃんとは言えない物体だった――――


第六章    ~真の敵 後編~ 




「おい・・・なんの冗談だよこれ・・・」
赤んぼではない物体が出てきた時にはまさに絶句してしまった・・・
イーブイから出てきた物体は、原型はイーブイだったが顔は・・・

「・・・ミイラみたいに水分が抜けた顔をしている・・・?」
レジャーの言った通りだった。
まさに顔だけ水分を取られたみたいに・・・抜かされたみたいな顔をしていた。

「・・・・!!!うぉっ!かー・・・うぇっ!っはー・・・はー・・・」
思わず吐いてしまった・・・あまりに酷かった・・・あれは生物とは言わない・・・・!
レジャーも口に手を当てている。吐くのを堪えているのだろう。
無理もない・・・あれは・・・あれは・・・!!!

「あぁっ・・・!!私の赤ちゃん・・・私の・・・!!!!」
イーブイは泣いていた・・・無理もない、あのような姿で生まれてきたら誰だって・・・
しかし、オレ達の悲しみとは裏腹にあの男は

「くっ・・・ハハハハハハハハハハ!!!!!生まれた・・・クハッハハハハ!!!さぁ・・・母を喰らえ・・・喰らえ!!!!!!!」
あいつは何を言っているんだ?
喰う??
誰が何を???

「・・・おいソルト、赤んぼが・・・動いている・・・!」
「何っ!?まだ生きているのか!?なら水分補充と栄養を・・・!!」
オレはレジャーよりも早く赤んぼの所に行こうとすぐに後ろに振り向き、走った。
まだ間に合う!!まだ助かる!!!今助け・・・

ガシュッッ!!!・・・・・ブチブチ・・・・!!!!


え・・・?今のは・・・・?

「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「・・・・赤んぼがイーブイを喰っている・・・・・!!!!?????」
今の悲鳴は・・・?
そして何の冗談だ?レジャーが面白くない冗談を言うなんて・・・
オレはレジャーが見ている物が何なのか確かめる為、もう一度自分の立っていた場所に行った。
信じられない光景が目に写った・・・
信じたくない光景が・・・

「なんだよこれ・・・赤んぼがイーブイを・・・グチャグチャに噛みちぎっ・・・・!!!!」
夢なら覚めろ!!!こんなのはもうたくさんだ!!!
覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!!!!!!!!!!!!!

「・・・酷い・・・」
レジャーからただそれだけが聞こえてきた。
ああ・・・・・・そうか・・・・・・・夢じゃないのか・・・・・・・
下から男の笑い声が聞こえてくる・・・・・・
あいつのせいか・・・アイツの・・・・アイツノセイデェェェェェェェ!!!!!!!!

「・・・落ち着け!!!ソルト!!!」
「!!」
気づいた時には下唇から痛みと血が出ていた。
どうやら自分で自分の下唇を噛んでいたのか・・・
鉄の味がした・・・
そう・・・鉄の・・・

「今は逃げよう・・・このことを・・・証拠を持って誰かに助けを求めるんだ!!!」
「・・・・っぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

※  ※  ※



「これがオレ達が見た光景、悪夢だ・・・このデータはうまく盗めた、だからアンタに見せた・・・だから頼む、これを見ているアンタが奴らの仲間でないことを信じる。
だから・・・PGSを潰してくれ・・・全ては奴らなんだ・・・奴らのせいでオレ達のイーブイは・・・
オレ達の意志を継いでくれ・・・・・・」
「ソルト!!!そろそろ来るぞ!!!」
「分かった・・・オレ達は組織に追われて、今やられそうになっている。だから・・・あとのことは・・・ザァァァァァァァァァァ・・・・・・ブツン!」
映像はここで切れた・・・・・・が・・・・・・

「そんな・・・ダークポケモンはPGSが作っていたのか・・・?今までしてきた事って一体・・・」
頭の中がパンクしそうになっている。
整理がつかない、とにかくこの事はまだ誰にも言わないほうがいいな・・・

「とにかく、今は任務に行こう・・・でも」
それはPGSに協力しようとしているということになる。
ボクはどうすれば・・・

「ファガさん?」
「うわっっ!!???」
声をかけてきたのはノリカだった。
いきなり声をかけられてビックリした~・・・

「もう任務の時間ですよ?いつまで経っても来ないから皆怒ってますよ?」
「え・・・?」
時計を見たら集合時間をとっくにすぎた時間になっていた。

「ゴメン、今行くよ」
「早くしてくださいよ?」
とにかく今は自分にできることをしよう。
今のままじゃ自分が自分じゃなくなってしまいそうだ。

ボクは相棒のいない状態、衝撃の事を知ってしまったあとで任務がうまく行くか不安で仕方なかった。

※ ※ ※

「今回の任務緊張しますね。あのカイオーガを護衛するんですから!」
「ああ、くー!!!燃えて来た!!!!」
「ルードさーん、うざいので消えてくださーい」
「こらこらキーア、ルードの気持ちも分かってあげないと」
皆は今回の任務『海王の盾』作戦に燃えていた。
無理もない、あのカイオーガを安全区域まで護衛する任務だ。
ボクは今回の任務内容のファイルを見ながら、デンリュウの行方を心配していた・・・。



任務名
『海王の盾』

目標
・カイオーガをバーゴ港からアーロン港までの護衛
・なるべく迂回ルートでの進行を目的

備考
・バーゴ港からアーロン港までは約24㎞はある
・迂回ルートを選ぶので1日は掛かる予定
・なお、今回はポケモン達が守備の主役、人間は戦艦の操縦及び、設備の確認やライトシールドの起動担当

※ライトシールドは今回の搭乗戦艦である『サクラ』の防御壁の一つであり、海上、海中のダークポケモンのダークオーラを剥がす役割を持っている。
起動は各隊員の持つライトニングウェポンのエネルギーを送ることによって動く。
もちろん持ち主がその場からいなくなったら効果が消え、シールドは消える。
シールドは隊員15名のライトニングウェポンのエネルギーで動く。
武器の光のエネルギーは持ち主の意志で放つものなので、精神や体力には気を付けること

  

                                以上



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Last-modified: 2011-09-23 (金) 00:00:00
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