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You/I 14

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       「You/I 14」
                  作者かまぼこ

黒い石 

 その男――ミサキが、『宝』をこの手にしたのは、今から約46年前に遡る。
「出土物の調査……ですか?」
 研究用のコンピュータから目を離して、研究員――まだ若かったミサキは応えた。
 カントー地方のグレン島。
 かつてここに存在したポケモン研究所。ここで数多くの研究員達が、ポケモンの
謎を解明するために日夜奮闘していた。
「そうじゃ。ワシの代わりにイッシュまで行ってほしくての」
 ミサキ研究員の目の前で老人研究者が、言った。
「ワシは、すこし都合がな……」
「ああ、『ジュニア』の……」
 ミサキは、その老人の言う「都合」を察して呟いた。
「そうなんじゃ。産卵が初めてなのか、あいつは苦しそうにしておってな。
伝説のドラゴンのことも気にはなるが……あいつが心配での」
 老人研究者は、そういうと老人は少し悲しそうな顔をした。

 少し前に南の国で、とある希少なポケモンの捕獲に成功し、この研究所に
連れ帰って調査が進められていた。そのポケモンは、すべてのポケモンの始祖と
されており、目撃例もあまりない幻と呼ばれていた種族であった。
 それから暫くたったある時、突然そのポケモンが子供を授かったのだ。
 交尾をした様子もなかったので驚いたが、これでまたポケモンの謎を
知ることが出来ると研究員達は沸き立った。しかしその新たな命は、
未だ母体から生まれてくる様子がなく、老人や研究員たちはやきもきしていた。
 今この老人がカントーを離れれば、産卵という貴重な瞬間に立ち会うことが出来ない。
 それにそのポケモンはこの老人に良く懐いていた。心配で仕方ない気持ちは、よくわかる。
「アララギ博士も早く現物を調べに来てほしいと、催促してきておるんじゃ。
ミサキ君、頼まれてくれんか?」
 ミサキ自身もそのポケモンの産卵を見てみたかったが、恩師の頼みなら仕方がない。
 それにここ最近はずっと研究所詰めだったし、外の空気も吸って気分転換をしたかったから、
ミサキは老人研究者の申し出を受け入れることにして、その数日後、彼はイッシュ行きの飛行機に
相棒のポケモンと共に乗り込んだ。


 イッシュ地方のヒウン空港に着いてから地下鉄を乗り継ぎ、シッポウシティへと向かった。
 この町一番の大きな建物である博物館に、その出土物は保管されているという。
「ミサキ研究員ですね? お話は伺っております。こちらへどうぞ」
 受付嬢に案内され、フロアの中央に置かれたカイリューの骨格標本を
見やりつつ奥へと進むと、会議室であろう広い部屋があった。
 室内には一人の中年男が、ソファに座っていた。
「ああ、待っていたよ。私がアララギだ」
 そういって、細目の中年男性――アララギ博士は会釈した。
「はじめまして。私がフジ博士の代理のミサキです。どうぞよろしく」
「どうも。しかし事情は聞いているが、フジ博士は大事な研究の最中だったのかね。
そんな時期に呼びつけてしまって、申し訳ない」
 そういってアララギ博士はこちらに頭を下げ謝罪した。本人に会えなかったのが
非常に残念そうだ。何となく、こちらも申し訳ない気分になったので、
「あ……ですが、ラボから解析機を持ってきたので、アララギ博士の要望には
応えられますよ。それで、その例のものというのは……」
 気まずい空気を変えようと、ミサキは早速本題に入ることにした。
「ああ、これなんだが……」
 応えてから、アララギ博士はテーブルの脇に置かれていたケースを
卓状に置いた。ジュラルミン製の頑丈そうなそれからは、かなりの重厚さを感じる。
「……先日ヒウンシティ北の砂漠地帯にある工事現場で発見されたものだ」
 言いながら、博士はケースのロックを解いていく。
 ケースはパスワード入力に加え、専用の鍵、更に指紋認証と複数のロックがかかっていた。
その厳重さから察するに、中身はとても貴重なものなのだろう。
 パチンパチン、と博士は最後にケースの物理ロックを解除すると、
その蓋をゆっくりと開いた。
「これは……」
 ケースの中には、漆黒の丸い石が収まっていた。
 ボーリングの玉よりも少し小さめなその石は、出土後にしっかりと磨かれたのか
表面に己の顔が映るほど光沢を放っている。
「これが……ですか」
「ああ。伝承ではポケモンそのものだと言われているがね」
「これが……生きている……ポケモン?」
 一見しただけでは、このような石がポケモンであるとはとても思えなかった。
 イシツブテやダンゴロ系、メレシーといった無機物ポケモンもいるにはいるが、
目の前にある石は、生物の特徴――たとえば、顔や手足のようなものがまったく
見当たらない。
「繭のようなものなのか……?」
 ミサキは呟いた。前に『ジラーチ』と呼ばれる千年に一度、数日間だけ目覚め、
願いをかなえるというポケモンの伝承を聞いたことがあった。
 そのポケモンは、眠りについている間は繭のような姿になり、地中に埋まって時を越す
といわれていた。
 この石も、そのようなものなのだろうか?
「……発見した工事現場の人たちも訝しんでおったよ。『なにか変な感じがする』とね」
 そういって、アララギ博士はその黒い石に目をやった。
「ん……」
 つられて、ミサキも石を見つめた。言われてみれば、確かに変な感じがする。
何の変哲もない石の塊だが、そこに何かが存在しているような――
「!!」
 その瞬間、ぶわっ! とミサキは石に吸い込まれるような錯覚を覚え、
反射的にソファから立ち上がった。
「キミも感じたかね。この石から発せられている何かを」
「え……ええ」
 吸い込まれる感覚もそうだが、それとは別に何か巨大なものに
睨みつけられたような、威嚇されたような。そんな感じもした。
「……今日キミをここに呼んだのは、この石の成分を分析し、
本当に生命体であるかどうかをはっきりさせてほしかったからなんだ」
「なるほど……」
 それを聞いて、ミサキは納得した。確かにこの石がポケモンだというなら、
何らかの生命反応が出るはずなのだ。イシツブテやダンゴロといった無機物系の
ポケモンでも、体のエネルギーの流れはある。それを感知することが出来れば、
生物かどうかはハッキリする。
「ならば……」
 ミサキは、自分のトランクケースを開き、ラボから持ってきた小型解析機を取り出した。
 機械に聴診器のようなものを接続して電源をいれ、ゆっくりと聴診器を石に近づけ、触れさせた。
 すると。
 タブレット端末の画面に表示された心電図のようなグラフが、ゆっくりと波を描き始めた。
「おお……!」
 アララギ博士が、感嘆の声をあげる。
 同時に、エネルギー量も自動計測され、画面の隅に表示された赤いグラフがグンと上昇し、
 それは一気に測定限界値に達した。なんという膨大なエネルギーを量だろう。
「すごい……」
 そして、確信する。
 間違いない。この石は生きている。この石そのものが、伝説のポケモンなのだ。
 すごい。これは凄いものだ。こんなものを、自分は研究できるのか。 
 これはやりがいがありそうだ――ミサキは久しぶりに心が躍り、笑みを浮かべた。

襲撃 

『そして、ワシはこの黒い石を研究することになったのじゃ』
 画面の中の老人は、ゆっくりと目を見開いた。
『最初は、こんなすごいポケモンの研究に携われると浮かれておった。
じゃが……それがあんなことになろうとは』
 そういって、画面の中の老人、ミサキは俯き、片手で頭を抱えてて懊悩する。
「おじいさん……いったい何が起きたって言うの?」
 画面に向かってサクヤが問いかけるが、これは過去の映像であり、本人は
既にこの世にはいない。サクヤのその問いに答えることは出来ない。
 画面の中の老人は顔を上げて、ゆっくりと続けた。
『……すまぬな。ともかくワシは、黒い石のより詳しい調査を行うため、
カントーにサンプルを持ち帰ることにしたんじゃ。
それが、はじまりだったんじゃ……』

 数日ほどシッポウシティで過ごした後、ミサキは石を詳しく分析をするために、
カントー地方へ戻ることにした。
 この博物館では調査用の機器が揃っておらず、充分な調査研究が行えないためだった。
 黒い石そのものを持ち帰るわけにもいかなかったから、ミサキは石の表面からごく小さな
欠片を調査用サンプルとして持ち帰ることにした。
 アララギ博士と別れた後、ミサキは研究会が車でヒウン空港まで送って
くれるというので、それに同乗してヤグルマの森を進んでいた。
 道路の両脇は緑深い森で、あちらこちらに「野生ポケモン飛び出し注意!」
の標識が立てられていた。実際、道路を横切っていくフシデやクルミルなどの
野生ポケモンにも、よく遭遇した。
 そして、もう少しで森を抜けられるという時だった。
「何だ?」
 道路工事をしているのか、作業員とそのポケモン達が行く手を塞いでいた。
黄色いフードをした作業員は車に近寄ると、窓を叩いてから、
「いやぁ、すみませんね。この先でガス漏れが起きちまってんですよ」
 と告げた。
「ああ……」
 運転手であるガイドの男は納得したようであったが、ミサキは何か違和感を感じた。
 何かが変だった。ガス漏れ事故は大事だ。本当に起きているのなら、消防車等の
緊急車両が出てくるはずなのだ。だというのに、道の先には黄色い工事用トラックが
一台しかいない。
 それに、作業員の傍にいるポケモン達も妙だった。
 工事現場なら、ゴーリキーやモグリュー・ドッコラー等といった、
作業内容にあったポケモンがいるハズだ。
 目の前にいるのは、大きなバンギラスを筆頭に、ズルズキンやモロバレルなど
明らかに必要性を感じないポケモン達だった。そして、そんな彼らの目付きにも、
不審さを感じた。
「これは……」
 ミサキがそう口に出したとき、それは起こった。
 いきなり、ズルズキンが“跳び膝蹴り”で車のガラスを突き破って車内に押し入り、
ガイド兼ドライバーの男を組み伏せた。
 それに続いて、他のポケモン達も次々に車内へと侵入し、人間達に襲い掛かった。
「何!?」 
 身の危険を感じたミサキは、反対側のドアを蹴り開け車外に転がり出た。
 同時に白衣のポケットからモンスターボールを取り出し、相棒であるフシギソウ――ボウシュを
繰り出した。
「シャッ!!」
 そんな声を出して、ボウシュは戦闘態勢をとった。
 すると、こちらに気付いた数匹のポケモン達が、飛び掛ってきた。
「葉っぱカッター!」
 即座に、迎撃の指示を出し、命令どおりにボウシュは攻撃を繰り出し、
それは見事に襲い掛かろうとしたポケモン全てに命中。ポケモン達はアスファルトに
ボタボタと落ちる。
「ほほお……なかなかにお強い」
 その様子を見ていた作業員の男達は、おもむろに作業服を脱ぎ捨てる。
「!?」
 ミサキは目を剥いた。
 その男達は、作業着の下に見慣れぬ服を着込んでいた。まるで民族衣装のような
スタイルで、肩にはPとZを模したと思われる特徴的なエンブレムがあった。
「デスクワークばかりの人間が、こうまでポケモンをうまく扱えるとは……
正直、嘗めてかかっていたようです。すいませんでした」
 そう告げたのは、一人の若い男だった。自分より10歳以上は若そうに見える。
 その男だけが、民族衣装のような服を着ておらず、自分と同じ白衣姿をしていた。
 そして何より特徴的だったのが、その髪型だった。金髪頭の周囲を囲むように、
青い帯状の何かがグルリと円を描いており、頭の回転の速さを窺わせる。
「突然の無礼、申し訳ありませんね……」
 言いながらその白衣男は、足早にミサキに近寄ると、口を開いた。
「さて、率直に申し上げます。あなたの持つ「黒い石」のサンプル……それをいただきたいのです。
そのためにミサキさん、あなたにも来ていただきます」
「なに……!?」
 ミサキは驚いた。黒い石のサンプルを持っていることは、アララギ博士と、数人の研究員達
しか知らないはずなのだ。
 この男はなんでそれを――
 そう思った瞬間、ミサキは察した。
「あの中に、お前達の仲間がいたのか……」
「ええ。何せ我々も、ある目的のためにイッシュの伝説のドラゴンを求めていますから。
あちらこちらの研究機関に、スパイを潜り込ませた甲斐があったというものですよ」
 笑顔を浮かべて、白衣の男は言った。
「そして、その目的のためには、あなた方の遺伝子操作技術がどうしても必要なんですよ。
あなた方がそれで生み出した、『ミュウツー』のようなポケモンを造るためには」
「なに……?」
 何を言っているのかさっぱりわからなかった。
 遺伝子改良? ミュウツー? 一体何の話をしているのだ――? 
 困惑するミサキに、白衣男は続ける。
「知らないはずがないと思いますがね。我々の情報網では、あなたがたはそうした
実験も行っていると聞いています。あなたの上司、フジ博士の命によって」
 バカな。そんなハズはない。そんな話は聞いたことがない。
 優しく、ポケモンを愛していた老人が――自分をポケモン研究の道に進めてくれた
あの恩師が、そんなことをするはずがない。
 ミサキは白衣からポケギアを取り出して、急いで研究所に電話をかけた。
 だが――電話は、通じなかった。
「通じない…?」
 ミサキは何度も研究所へかけてみるが、まったく通じない。
 額に嫌な汗が浮かぶ。うろたえるミサキの様子を見て、白衣男は告げた。
「それはそうでしょう。昨日、グレン島の研究所で爆発事故があったそうですから」
 そういって、その男は悲しげに瞑目してから、一つのタブレット端末を差し出した。
 ミサキはおずおずとそれを見やると、ニュースサイトが表示されており、
『グレン島ポケモン研究所で爆発事故』という記事が大きく載っていた。
 写真も添えられており、見知った研究所がもうもうと黒煙を噴き上げているのがわかる。
「――!!」
 ミサキは、硬直した。
 そんなまさか。
 研究所では今、爆発の危険性がある実験などやっていなかったはずだ。
 だとすれば、考えられるのは……
「お前達が、やったのか……!」
 肩を震わせ、ミサキは尋ねると、心外だといわんばかりに白衣男はかぶりを振って否定した。
「とんでもない! 私たちは何もしていませんよ。ここからカントーは遠すぎますし、
あなた方の研究施設を破壊する理由もありません。
我々が独自に得た情報では、例の遺伝子操作した個体の実験による事故だと、聞いていますよ?」
「く……」
 ミサキは焦った。男の言う遺伝子操作云々の真偽はともかく、研究所があんなことに
なったのは事実のようだ。
 急いでグレン島に戻らなければ。
 そう思うと、ミサキは駆け出していた。森の出口はもうすぐだし、スカイアローブリッジを
超えればヒウンシティはすぐだ。
「フジ博士……!」
 次の瞬間、行く手を塞ぐように頭上から3人の覆面男が、ミサキの眼前に降り立った。
「ミサキ研究員。我々と来てもらおう」
 その言葉に続いて、3人の背後からポケモンがゆらりと姿を現す。
 そのどれもが、人型をしており、全身に刃を持つポケモン『キリキザン』であった。
 3匹のキリキザンは、ミサキの周囲をしっかりと囲み、「少しでも動けば切り刻む」と
いわんばかりに、睨み付けた。
「シャー!」
 その様子を見たボウシュが、3匹を撃退しようと“葉っぱカッター”を飛ばしたが、
キリキザンたちはそれらを全て払い落とすと、ボウシュに“燕返し”を叩き込んだ。
数で圧倒され、ボウシュは戦闘不能となり倒れこんだ。
「ボウシュ!!」
 相棒の名を叫んだミサキはその瞬間、拳を鳩尾に叩き込まれ、意識を失った。

P2ラボ 

『そして、私はなすすべもなく、やつらに拉致されてしまった……』
「おじいさんに、そんなことが?」
 画面の老人が嘆息交じりに告げると、サクヤが呟く。
「……ワシらは、ヤツらのアジトへ連れて行かれた。そこでようやくワシらは、
その連中が40年前イッシュ地方で暗躍していた『プラズマ団』だということを知ったんじゃ」
 ボウシュがサクヤの問いかけに答える。
「プラズマ団……そういえば、昔聞いたことがあるな」
 ルギアは、その単語を聞いて思い出した。確か以前、世界のあちこちを
遊びまわっていたホウオウが言っていた。
 昔のことなので、断片的にしか思い出せないが――
「たしか、ポケモンの解放がどうのと……」
「そうじゃ。ヤツらは、人とポケモンは別々であるべきと唱え、人々にポケモンを
逃がすように呼びかけておった……実際、それに影響されて、逃がす人も結構おったんじゃ」
 言いながら、ボウシュは蔓で近くに置かれていたリモコンを操作し、立体スクリーンに
別のウィンドウを立ち上げて、例のプラズマ団に関する情報を表示させた。
『そして、私はヤツらのアジトへ連れて行かれた。
カノコタウンの外れにあった『P2ラボ』なる施設へと……』


 目を覚ましたミサキは、その場所の異常さに目を剥いた。
「なんだ……ここは」
 謎のカプセルが壁じゅうに並び、その中には色々なポケモンが浮いていた。
 ヨーテリーが、クルミルが。ハトーボーが、シママが。まるでホルマリン漬けにされた
標本のように浮いていた。どれもが目を閉じ、微動だにしない。生命活動を止めているのだ。
「このポケモンたちは……」
 呟いて、周囲を見回していると、一つのカプセルに目が留まった。
 そのカプセルには、見たこともないポケモンが入っていた。
 全身が紫色の、平べったい頭をした人型ポケモン。ポケモンというよりは、機械のような
見た目をしていた。その背中には、なにやら三角形の物体が付いている。
「それは、絶滅したポケモンを化石から復元し「改造」した、『ゲノセクト』です」
 部屋中に、あの白衣男の声が響いた。
「改造……?」
 その言葉に、ミサキは眉根を寄せた。改造。それは生物に対する冒涜。
 科学が発達した現在であっても、生物改造はご法度だ。
 いくら今は絶滅し、人の手によって現在に蘇った生物だとしても、人間が勝手に弄り回して
いいものではない。
「最も、我々の長が存在を否定してお蔵入りになったのですがね。あなた方の
ミュウツーと呼ばれるポケモンと同じですよ」
「だから私は知らない! 博士がそんなマネをするハズがない!」
 ミサキは、声を荒げた。自分の知らないことを言われ続けた事に加え、恩師を
侮辱するような発言に、腹が立った。
 そんなミサキに対して、白衣男は嘆息し肩をすくめた。
 やれやれ、この期に及んで認めないつもりか――と言うように。
 この白衣の金髪男は、こちらの主張は嘯きだと思っているようだ。
 そんな男の様子に、ミサキはますます腹が立った。
 自分は本当に、ミュウツーなどというポケモンのことは知らない。
 そもそもそんな実験をしていることすら、フジ博士からは聞かされていない。
 本当に自分は、何も知らない。
「まぁ、良いでしょう……あなたをここへ連れてきたのは、あなたにやってもらいたい
ことがあるからです」
 そういって白衣男は、近くのコンピュータ端末に近寄り、それを操作すると、
画面に何かを表示した。
「これです」
「……?」
 表示された画面には、見覚えのあるものが写っていた。
 ボーリングの玉よりも少し小めな、光沢を放っている石。アララギ博士から調査を頼まれた、
あの黒い石――それとよく似たものだった。
 ただ違うのは、その石は黒くなく、真っ白だった。
「これは黒い石と同じ……? いや、でも白い……?」
「ええそうです。この石はライトストーン。イッシュ地方の伝説にある、もう一頭の
ドラゴン、『レシラム』そのものです」
「こんなものを、どうやって……」
 手に入れたのだ――? と言い切る前に、白衣男が答えた。
「セッカシティにある『リュウラセンの塔』……そこを我々が密かに調査した際に
見つけたものです。本物は今、別の場所にありますが、しかし……」
 そういうと、白衣男は胸のポケットから、小さなカプセルを取り出した。
「サンプルは採取済みです」
 カプセルの中には、微細な白い石粒が僅かに入っていた。ミサキが、黒い石のサンプルを
貰ったのと同じように。
「あなたには、この2つのサンプルを用いて、レシラムとゼクロムを『複製』して、
もらいたいのです――我々の『戦力』として」
 こいつらは、なにかとても危険なことをやろうとしている――。
 ミサキの体に、悪寒が走った。

アサギシティ 

 ジョウト地方の港町、アサギシティ。
 港にある大きな灯台が町のシンボルにもなっていて、遠い地方からも
観光客が多く訪れるこの町に、アズサ達は訪れていた。
「ふゎあ……あらためてみると、大きい町なんですねぇ」
 周囲を見回しながら、バスから降り立ったベイリーフのリエラが言った。
「そうだね……こないだは、ゆっくり町を見て回ってられなかったからね」
 そう答えたアズサの声からは、あまり元気さが感じられない。
 ああ……今日もまたご主人は元気がない――と、リエラは少し悲しくなった。

 先日の騒動の後、アズサはこの町に訪れているが、そのときはここのレンジャー本部に
2日ほど保護されていたし、マスコミの相手や事情聴取をしなければならなかったから、
ゆっくり町を見て回っている暇などなかった。
 それら全てが済んだ後、アズサは疲れきりフラフラになってワカバタウンへと戻り、
体調を崩して数日間寝込むことになってしまった。
 タンバシティへ行ってジム戦を行うことも、この町のジムに挑戦することも出来なかった。

 しかし今日、アズサ達はあらためてタンバシティへ赴くことにした。
 昨日、タクヤからタンバシティの高級宿の宿泊券を急に渡されたからだ。
 
 あの騒動によってアズサの心は疲れきり、ずっと憂鬱な気分が続いていた。
 だからすこしでも気分を晴らしたかったし、高級宿の宿泊券なら使わないと勿体無い。
 それにタクヤから、「こんなときだからこそ、ポケモンと絆を深め、心を癒せ」
という助言もされていたので、アズサはとりあえず行くだけ行ってみようと考えた。
 まだ病み上がりだったので、出掛けた先で再び体調を崩さないか心配なので、
母のユキナにも相談した所、以外にもあっさりとOKをもらえた。
 身も心も癒すにはそれが良いだろうと、不測の事態に備え万全の
準備をしていくことを条件に許可してくれた。
 この町にも、ポケモンジムはあるのだが、今はバトルなどやりたい気分ではなかった。
 島での戦いで、多くのポケモン達の死を目の当たりにして、アズサは戦うことに
空しさを感じるようになって、以前から抱いていたバトルに対する抵抗感がより
強まってしまった。
 もちろん、人間が行う試合形式のポケモンバトルは、ポケモンの生死に関わるような
重い事態にはならない。だがそうであっても、アズサは割り切ることが出来なかった。
 ふと、近くにあった大型街頭テレビに目をやると、どこかの地方にあるバトル施設で、
連勝に喜ぶトレーナーのインタビューが放映されていた。
『いやぁ、ポケモンバトルは最高ですね。これだからやめられないんですよ』
 そういって心底楽しそうにしているトレーナーの笑顔が写ったところで、
アズサは画面から目を逸らした。
 こうしたトレーナーを見るたびに、アズサはポケモン達がオモチャ扱い
されているように思えて、嫌な気持ちになるのだ。
 今のアズサには、こうしたバトルに情熱を燃やすトレーナーの主張や行動は、
ひどく醜悪なことに思えた。
 それは一方的な思い込みだと頭ではわかっているが、こうした言葉を聴くたびに
苛立ってしまい、アズサの心は嫌悪で一杯となる。
 だから、今はバトルをやりたいと思えなかった。もちろん将来のために
ジム巡りをして、バッヂを集めなければならないのはわかっている。
 しかし、やる気が起きない。バトルが、全然楽しくないのだ。
 ただ、悲しく空しいだけなのだ。
(何が楽しいんだろう。この人たちは)
 そう胸中で呟くと、アズサは港の船着場へ向けて歩き始める。

 しばらくして、丁度大きな交差点に差し掛かったときだった。
「ぅおっと」
 曲がり角から、一匹のポケモンが現れて、アズサはぶつかりそうになってよろけた。
「あ、すいませんりむ……」
「いやいや……ん?」
 特徴的な語尾の口癖。その声には聞き覚えがあった。前を見やると、ピンク色の、
まるでポフレのような形をした体をしたポケモンがいた。口の端から僅かに出た舌が可愛らしい。
「あ~!」
 そのポケモンは、アズサと目が合うと素っ頓狂な声を上げた。
「アズサ君りむ!?」
「あっ……」
 アズサは思い出した。確か、自分を助けるためにタクヤと共に島へやってきた、
ポケモンレンジャーの手持ちだったペロリームだ。
 その直後、曲がり角から赤い服を来た女性――ポケモンレンジャー隊員が息を切らせてやってくる。
「ちょっとぷっち、そんなに急がなくても……」
「マスター! アズサ君りむよ!?」
 女性隊員はこちらを見るなり、笑顔を向けた。この女性も覚えている。
救出に来た2人のレンジャーの内の一人だ。確か名前はシミズだったか。
「あら、久しぶりじゃないアズサ君」
「あ……こんにちは」
 アズサは遠慮がちに挨拶した。彼女の声が割と大きく、人の多い交差点だったこともあり、
居合わせた人々が何事かとこちらに目を向けてきたからだ。
 はやくこの場を離れたかった。
「あ、ごめんなさいね……でも、ちょっとお話いいかしら? ここじゃあれだし、あそこで」
 そんなアズサの様子を察してか、シミズは場所を変えようと提案してきた。
 彼女が指差したのは、一軒の寂れた食堂だった。
「いや、あの……」
「いいから。あなたの言葉が事件解決の手がかりになるのよ」
 タンバシティに渡る船の時間も気になっていたので、断ろうとも思ったが、
 シミズはアズサの二の腕を掴んで強引にぐいぐいと引っ張っていこうとした。
 サバイバルに強いレンジャーらしく、結構力が強く、ひ弱なアズサの力では
抵抗などできなかった。(失礼なので元よりする気はなかったが)
 結局、強引に食堂へ連れ込まれてしまった。

シミズ 

 店内はお昼時にもかかわらず人が少なく、客はアズサとシミズの2人だけだった。
「なるほど……それは大変だったわね。あ、好きなの頼んで良いわよ」
 アズサが、救出されてから今日までのことをザっと話した後、シミズはそういって
アズサにお品書きをさしだした。
 彼女曰く、あの事件はまだ謎だらけらしく、首謀者であったヨノワールの
リオら否定派は、特殊部隊の攻撃で絶命し、決起に加わっていたキュウコンのミヤコも、
姿をくらましたままで、解決したとは言い切れないとのことだった。
 シミズは昼食がまだだったらしく、店員に色々と注文していたのだが……。
「あー……私はいつもの。味噌バターコーンラーメン大盛りにギョーザ、あと杏仁豆腐ね」
 この人、思ったより食べるんだなぁ……と思いつつ、アズサはレスカを注文した。
 すると、シミズは持っていた残り2つのモンスターボールから手持ちを開放し、
「さあ、あなた達も好きなもの頼んで良いわよ」
 その言葉に、ペロリーム、オンバーン、ブリガロンの3匹は次々に歓喜の声を上げ、
「ええっと、私は旨煮麺大盛りにキムチチャーハン大盛り。あとギョウザも二皿お願いしますりむ!」
「俺はラーメン大盛りに、グレン島風ハンバーグ付きオムライス。あとレバニラ」
「オイラは……キンセツチャンポン野菜多めのギョウザセット」
「あ、あとデザートにビッグ苺パフェもお願いしますりむ」
 彼らの言葉にアズサは唖然とした。そんなに頼んで、食べ切れるのだろうか?
 そして次の瞬間シミズが発した言葉に、アズサは耳を疑った。
「あと、オレン酒頂戴。冷で!」
「えええええっ!?」
 思わず、声を上げてしまった。今はまだお昼。それにシミズはレンジャーの制服を
着ているから、当然まだ仕事中であろう。だというのに……。
「い、いいんですか? まだ仕事中じゃ……」
「いいのよ! これが飲まずにやってられるかっての!」
 突如声を荒げたシミズに少し驚いていると、その傍らに座っていたペロリームの
ぷっちが少し身を乗り出して、告げた。
「マスター、上司に色々言って怒られちゃったりむ」
 シミズはトップレンジャー候補に選ばれるほどだと聞いていた。
そんな優秀な人間も、上司と対立することがあるのか――。
 意外に思っていると、シミズ本人がブスッとした顔で口を開いた。
「……あの事件がひと段落ついた後、私はまたあのデブ上司に講義したのよ。
なんで「あんな特殊部隊を動かしたんだ」って」
 ふとアズサは思い出した。青服の特殊部隊と一緒に来た、スーツ姿の太目の男。
 彼女の言う上司とは、たぶんその男のことであろう。
 シミズは続けた。彼女ともう一人の男性レンジャー、センザキは、
あの事件を解決したことで評価され、トップレンジャーへと昇格することになった。
 だが、シミズはぜんぜん嬉しくなかった。なぜあの特殊部隊を動かしたのかが、
ずっと不満だったから、表彰の席であの太った支部長、キリゼに問うた。
「したらあのヤロォ……「ポケモンなんて気にしてどうする」とか言い出すし……」
「え……ポケモンレンジャーのトップが、そんなことを?」
 アズサは思わず口に出した。
「レンジャーの偉いさんにも、そういう奴がたまにいるのよね……」
 ポケモンレンジャーは、ポケモンに関する事案を解決するのが仕事で、
ポケモンの救助や保護、災害救助や警察と連携しての捜査活動など任務内容は幅広い。
 しかし、中にはポケモンの駆除や排除など、心を痛めるような内容の仕事もあるが、
基本的にポケモンに対しては理解のある方だ。排除にしたって、保護して別の場所に移したりと、
ポケモンのことを考えて行動しているし、駆除は止むを得ない場合の最終手段である。
 だというのに、トップがそんなことを言うとは。
 ポケモンの保護団体などが聞いたら、憤慨しそうな言葉だ。
「上から命令するだけの連中は、ポケモンは人間に使われるだけの存在に思えてんのかしら……」
 呟いていると、店員が木の実酒を持ってきた。シミズはそれを受け取り、ぐっと呷る。
「……くっはァ~~! ったく、現場のことしらない癖してエラそうにすんじゃねーってのよ……」
 コン! とグラスが勢いよくテーブルに置かれて音を立てた。
 馴染みの店だからなのか、従業員とそのポケモン達は、シミズの飲酒行為を気にする様子がない。
「はぁ……」
 レンジャーの内情は良くわからないが、そんな考えを持つ人間が組織のトップにいるとは。
 ポケモンレンジャーという組織も、結構闇を抱えてるのかもしれない。
「でも、今のアズサ君の悩みも解るけど……」
 酒のせいで早くも顔を赤くしたシミズが、小さな声で呟いた。
「たぶん、アズサ君は命のやり取り……本当の戦いってものを、あの事件で知った。
だから、戦うことそのものに抵抗があるんでしょう?
……でも、あまり深く考えないほうが良いわよ? 公式バトルならポケモンが
死ぬようなことはないんだから」
「でも、事故だってありますよ……」
 ポケモンは瀕死になると、自動的にボールへ回収される。ボールには生命維持機能もあるし、
バトルの負傷によってポケモンが死んでしまうということは、あまりない。
 しかし、ポケモンの技は強力だ。
 打ち所が悪かったり、破壊光線を喰らって体が跡形もなく消し飛んだりすることはよくある。
試合とて、ポケモンが死に至る危険性は十分あるのだ。
(そうだよ……僕だって)
 アズサは初めてのポケモンを失ったときの事を回想する。あれもバトル中だった。
 相棒は、もはや治療が間に合わぬほど衰弱して……
(く……)
 アズサは、歯を噛み締める。あんな無念は、もうたくさんだ。
「まぁねぇ。でも、ジムを回ってバトルするだけなら大丈夫でしょ。
ジムリーダーはある意味先生みたいな人たちだもの。ちゃんと加減してるし、
あなたが特に嫌うバトル大好き人間みたいなのは少ないわ。ジムリーダーなら、
その辺はわかってるわよ」
「……」
 アズサは黙った。確かに、ジムリーダーは指導員的な役割もあるから、
これまでのジム戦でも、戦っていてあまり不快な感じはしなかった。
「だから、深刻にならないほうが良いわ。もっと気楽にやんなさいな。
でも、それでも出来ないって時は……コレよ」
 そういうと、シミズはゴソゴソとバッグから、小さなビンを取りだした。
 表面のラベルにはモモンの実の絵と『モモの舞』なる名前があった。
「これ……お酒ですよね」
「家帰って飲むつもりだったけど、あげるわ。嫌なことあった時は、これが一番よ」
 そう言いつつ、シミズは半開きになっていたアズサのカバンに瓶を突っ込んだ。
 一応アズサは二十歳を超えているが、これまであまり酒を飲んだことはなかった。
「いや……僕は――」
「おまちどうさまです」
 困惑しつつ断ろうとしたが、その直後に店員が注文していた大量の料理を運んできたため、
 アズサは口に出すタイミングを失ってしまった。
(ウッ……)
 ゴトゴトと、テーブル上に料理が並べられていく。その量の多さに、アズサは見ただけで
胸焼けしそうになる。
「さぁ、食べましょうみんな!!」
 心底嬉しそうなシミズの声に、3匹は応えてから、物凄い勢いで食事を始めた。
 5分と経たない間に、次々と、皿が空になっていく。
 彼らの豪快な食べっぷりに、アズサは唖然とした。

挑戦 

「じゃあ、僕はこれで……」
 食事を終え、ようやく開放されたアズサは、早くタンバシティに向かうべく、
シミズらと別れることとなった。
「ええ。頑張ってねぇ~……」
「ウゲップ……バイバイりむぅ」
 ほろ酔い状態のシミズが、気分よさげに手を振ると、ペロリームのぷっちが、
小さな手で満腹のお腹をさすりつつニンニクとキムチ臭いゲップをしながら言った。
 ペロリームは甘いものが好物だが、あれだけ豪快にラーメンを啜り、
数口で大盛りチャーハンを平らげる個体は、彼女だけだろうな……と思いながら、
アズサは港へと進んだ。そのあいだ、シミズに言われたことを反芻する。
(あまり気にしないように……か)
 確かに、気にして悩んでいてもはじまらない。
 このままではいけないのは、わかる。
(ここは踏ん張り所……なのかな)
 以前ジムスにも、立ち向かっていくことが重要だということを言われた。
 バトルは苦手……というかもはや嫌いになりつつあるが、ここで立ち止まるのは、
男として情けない気もする。まずは一歩、踏み出さなければ。
 ふと、俯いていた顔を、あげる。
 その先には、アサギシティのジムがあった。
「よし……」
 すこし、やってみるか――アズサは、拳を握り締めた。


「ようこそ。挑戦者さん。わたくしがジムリーダで……あら?」
 ジムリーダーの若い女性は、礼儀正しくお辞儀をすると怪訝な声をあげた。
「あなた確か、こないだニュースでやってた……」
「はい。連れ去られました」
 もう説明も否定も面倒だったので、開き直ってとりあえず肯定しておく。
「そう。でも、それでちゃんと生還できたんだから、実力もかなりのもの
でしょうね」
「……」
 別にそんなことはないよ……と胸中で否定しつつ、アズサは黙って、
ポケモンを出した。パカンと音を立てて、ガバイトのマトリと、
フローゼルのウィゼが現れる。
 アサギジムは、鋼タイプのジム。地面タイプを持つマトリと、
水タイプのウィゼなら、比較的有利に戦えるはずだ。
「ウィゼ、マトリ……ゴメン。バトルさせることになってさ」
 彼女たちは、捨てられたポケモンだ。更に言えば、バトルに適さないとされて
捨てられた者達だ。そんな彼女らを戦わせるのは、辛い思い出を蘇らせるようで、
悪い気がしていた。
「別に気にしなくていいわ。アタシは、アズサのためなら頑張るって言ったでしょ?」
「あのときだって、あたし、ちゃんと戦えたもの。アズサとなら、うまくやれると思う」
(お前達……)
 彼女たちの言葉に、こんな自分を認めてくれていることに、少しばかり感激して、
「ありがとうな……」
 と告げ、頭を撫でてやってからいったんボールに戻す。
「ルールは3対3です。では、お手並みを拝見させていただきますわ。」
 そういって、ジムリーダーの女性はバトルコートに手持ちの一体を繰り出した。
 巨大な鋼鉄の塊がいくつも連なった長い体をもつポケモン、ハガネール。
 鋼。地面タイプをもつ。イワークの進化系。これならば――
「ウィゼ、頼むぞ!」
「あたし、頑張るから!」
 そう告げて、ウィゼはシュッとコートへ飛び出し、ファイティングポーズをとった。
 やる気は十分。
『バトル・スタート』
 合成音声が、試合開始を告げると、ハガネールがいきなり突っ込んでくる。
「水技を受けるまえにカタをつけます。“噛み砕く”!」
 大口を開け、ウィゼを噛み砕こうとハガネールが迫る。
「顎下に“アクアテール”!」
 その言葉に、ウィゼは即座に行動する。急所を狙っての一撃だ。
 見事に指定ポイントへ攻撃を加えると、ハガネールはのけぞる。
 まだ戦闘不能になっていないものの、弱点技を受けてかなりのダメージが入ったはずだ。
「ガ……効いたぜクソッタレ……」
 ハガネールがうめいて起き上がると、ジムリーダーが指示を出した。
「く……“鈍い”!」
 防御と攻撃をあげてくるつもりだ。とアズサは思った。
 ジムの壁に表示されている大画面には、それぞれの体力ゲージが表示されている。
 ハガネールの体力は、今の一撃で半分以下となった。ここで受けに回るつもりか。
 これ以上能力を高められると厄介だ。素早くカタをつけねばならない。
「だったら……ウィゼ!」
 再び同じ箇所に攻撃を加えるつもりか、ひゅばっ! とウィゼは跳躍して、
腰をひねって攻撃を叩き込んだ。
「!!」
 防御が2段階上昇したといっても、弱点を突いた大ダメージには耐え切れない。
 再度、水の尾で顎下を打たれ、ハガネールは地面に沈んだ。まずは一勝。
「やりますわね。でも、次はどうかしら?」
 ジムリーダーは2体目を繰り出す。鎧鳥ポケモン『エアームド』だ。
「ウィゼ!「あれ」をやるぞ?」
 アズサは、ジムリーダーに悟られないよう、あえてそういう物言いをした。
「わかったわ!」
 ウィゼは身構えてから、頷く。
「じゃ……“鋼の翼”!」
 びゅん! とエアームドが鋼鉄の翼を広げて突っ込んでくる。
 鋼タイプによる鋼技、タイプ一致攻撃。
 これは、通常よりも僅だがに威力が上がる。
「今だ!」
 叫ぶと、ウィゼが目にも留まらぬ速さで、エアームドの横を駆け抜けた。
「!?」
 驚くジムリーダーとエアームド。ダメージを受けた様子もないため、
一人と2匹は困惑する。すると――
「アヂ! あぢぢぢッ!!」
 急に、エアームドが身悶えし始める。
 ジムリーダーが、何が起きたのか、エアームドの体を確認しようとした時、
エアームドの体から、ころりと何かが転がり出た。
 真っ赤な丸い玉。それからは、物凄い熱気を発している。
「これは『火炎玉』……じゃあ」
「ええ。“すり替え”させてもらいました」
 よく見れば、ウィゼと呼ばれたフロ-ゼルの手には、エアームドに持たせていた
はずのオボンの実があった。
“すり替え”は、目にも留まらぬ速さで、互いの持ち物を交換する技だ。
 しかし、わからないことがある。
「でも火炎玉を持っていたなら、このフローゼルだって火傷をする――」
 そこで、ジムリーダーははっとした。そう。火傷を無効にする方法はある。
「……『水のベール』ね?」
「はい。この子の特性です」
 ブイゼル・フローゼルは降雨のときに素早さが上昇する『すいすい』と呼ばれる
特性が有名である。しかし極稀に、この火傷を無効にする『水のベール』を持つ
所謂『隠れ特性』を持つ個体が存在する。
 アズサは、島で彼女の力を借りて戦ったとき、ポケギアのアプリでチェックをした。
覚えている技の中に、“すり替え”があったこと。そして隠れ特性であったこと
等から、彼女を捨てたトレーナーは、元々こういう戦法をさせたかったことが伺えた。
 でも、この戦い方をさせるのは、やはり悪いような気がしていたが、ウィゼ本人は、
許してくれた。ならばその力を、存分に発揮させようと思った。
 ポケモンのポテンシャルを引き出すのも、トレーナーの腕の見せ所である。
 火傷状態になったエアームドは、体力がじわじわと減っている。畳み掛けるなら今しかない。
 しかし、水技がメインのウィゼでは、若干パワー不足である。だからここは、
「交代! ルーミ!」
 ウィゼをボールに回収し、今度はデンリュウのルーミを繰り出す。
 電気タイプなら、飛行タイプを持つエアームドに愛称は有利である。
 電気技なら大打撃を与えられる。
「く……“鋼の翼”!!」
 少しでもダメージを与えようというのか、ジムリーダーは攻撃指示を出す。
 言葉の通り、エアームドはルーミに攻撃を仕掛ける。接近すると、エアームドは
ルーミの体をに硬質化した翼を打ちつけた。
「ウッ……!」
 ルーミは呻いた。体力が半分ほど持っていかれたが、まだまだいける。
「“10万ボルト”だ!」
 ルーミの体から、雷光が迸った。それは過たずエアームドに吸い込まれた。
 ギュバリッ! という耳障りな音がして、エアームドが身を震わせた。
「あばばばばば!!」
 渾身の電撃を見舞われ、画面に表示されているエアームドの体力ゲージが、
一気にゼロになる。火傷状態で、体力も少しずつ減っていたから、
特性「頑丈」も役に立たず、そのままエアームドはばたりと倒れこんだ。

メガメタグロス 

「ふぅ……」
 アズサは、僅かに緊張が解れて、息を吐いた。これで2体撃破だ。
 しかしまだ油断は禁物。最後に待ち構えているのは大抵、エースのポケモンだ。
(次は何が来る……? クチートか、ボスゴドラか……それともメタグロスか)
 あらかじめ予測を立てて、戦略を練る。
 どれがくるかは解らないが、おそらくはパワーのあるポケモンを出してくるだろう
ことは想像できる。ここは警戒して、守りを固めておこうと考えた。
「ルーミ! “コットンガード”しておけ!」
 指示に従い、ルーミはコットンガードを行う。左手に楕円形の綿の盾が出来上がり、
これで防御力は大分上昇した。
(さぁ、どう出てくる)
 ごくり……とアズサは唾を飲み込んだ。
「やるわね……でも、これはどうかしらね!?」
 ジムリーダーは最後のボールを放り、ポケモンを繰り出す。
「あっ!」
 青色の平たい体に、4つの足。鋼タイプ最強クラスのポケモン『メタグロス』だ。
 やはり来たか! だとすれば、強力な技の“コメットパンチ”を警戒せねばならない。
「さぁて、あなたのデンリュウの防御を崩さないといけないけれど…見たところ
あなたのデンリュウはこっちよりもレベルは低めみたいね……だったら」
 するとジムリーダーは、ポケットから何かを取り出した。
 回復の薬だろうか……とおもってアズサは注視したが、どうも違う。
 なにやら、小さな丸い石だった。あれは、もしや……。
「まさか……あれって」
「ここはゴリ押しで生かせて貰います!」
 その声と同時に、ジムリーダーは石に触れると、メタグロスが赤く光り輝き出す。
「!!」
 その光が止んだ時、メタグロスの体は、別の形に変わっていた。
 四つの足が前方に揃い、背部には更に大小合わせて四つの足が増えている。
「メガシンカ……」
「ええ、『メガメタグロス』。本物を見るのは始めてかしら?」
 その名の通り、それはメタグロスのメガシンカした姿だった。
 メガシンカに必要なキーストーンやメガストーンは、希少でなかなか手に入らない。
 アズサ自身、メガシンカポケモンを生で見るのはこれで二度目だ。
 メガメタグロスは写真でしか見たことがなかったが、元の形態より
かなりパワーとスピードが増すという。速さで負けるルーミでは不利かもしれない。
 アズサの頬に、冷や汗が流れた。
「ルーミ、もう一度“コットンガード”!」
「“コメットパンチ”!」
 ぎゅわっ! とルーミの目の前に足をそろえて突進してきたメガメタグロスが、
ルーミの体にぶち当たる。
「ぐ……く……!」
 命中直前に、コットンガードで防御の強化に成功したが、レベル差があるせいか、
それでもかなり体力を削られた。それにメガシンカをしたことによって特性が
『硬い爪』に変化し、物理攻撃力がかなり上昇しているのもある。
 何発も喰らい続けるのはマズイ。 
「こっちもスピードを上げる! “高速……」
「“コメットパンチ”!!」
 指示は間に合わず、またも攻撃を受ける。今回も耐え、高速移動も成功したが、
それでもまだ素早さには劣る。綿の盾もボロボロだ。あと一撃耐えられるかどうか……。
(これなら、“高速移動”じゃなく“10万ボルト”で攻撃しとくべきだったか……?)
 アズサは己の失策を呪った。
「“10万ボルト”だ!」
 うまくルーミが耐えてくれることを望みつつ、攻撃指示を出した。
 予想通り、メタグロスはコメットパンチを撃つべく高速で突進してくる。
 ルーミは体に力を込め、再び防御姿勢をとり、メタグロスの攻撃に備える。
これで耐えれれば、こちらが攻撃を仕掛け――
 しかし、その期待は裏切られた。
 突っ込んできたメタグロスは、ルーミが構えていた綿の盾を、足の一つで打ち払った。
 ルーミの手から離れた綿の盾が宙を舞った。
「!!」
 驚愕の表情をしているルーミに、メタグロスはその場で、背部の足を使って
“地震”攻撃を繰りだした。
 ほんの数十センチ地面を走った衝撃波は、ルーミの足元で炸裂した。
 防御力を失い、更に弱点を突かれたルーミは、たまらずダウンした。
『デンリュウ戦闘不能』
 合成音声が、判定を下した。
「う……」
 アズサは呻いた。これで残りの手持ちはマトリとウィゼの2体。
 水技メインのウィゼでは、メタグロスに対して決定打は与えられない。
 となれば――
「マトリ! 頼むぞ!」
「まっかせなさいっ!」
 ルーミを回収し、マトリを繰り出すと、彼女は元気よくコートに立つ。
 ガバイトのマトリは素早さが高いほうだが、それでも、メガシンカを遂げた
メタグロスを相手にするには、不安がある。
 マトリも“地震”を覚えているから、弱点は突ける。が、それ以上に無効は高速かつ
強力な攻撃を放ってくる。
「ガバイトねぇ……相性では有利だけどこっちはまだノーダメージ。それにメガシンカよ!」
 そんな不利は覆してみせる――と余裕の表情でジムリーダーは言った。
 だが、それでも、やってみる価値はある。
「マトリ! フィールドを走り回りながら、“地震”を撃て!」
「オッケーよ!」
 言われたとおりに素早くマトリは駆け出した。その間に、対処を考えなければならない。
「逃がさないわ! “コメットパンチ”!」
 足をそろえて、メタグロスはマトリを追い回す。やはり速さは向こうが上だ。
 やはり命中は避けられない。
 と、その時、アズサははっとした。
 さっき、ルーミを倒したときの行動だ。メタグロスは綿の盾を打ち払い、相手の防御を
物理的に無効化してしまった。
 ならば相手の技を相殺し無効にするか、少しでもダメージを軽減することもできるのでは?
「マトリ! メタグロスに“アイアンヘッド”!」
 するとマトリは、ズサッとその場で方向転換をかけると、メタグロスに向かって思い切り
“アイアンヘッド”を繰り出す。
 ギュワッ! ゴッギィィィィン!!
 互いの鋼技がぶつかり合う。予想通り攻撃は相殺され、衝撃で双方共に後ろへ弾け跳んだ。
 マトリは足を踏ん張って、転倒を避けたが、衝撃でフラフラしている。
 それは相手も同じだった。メタグロスも、体が左右に揺れ、安定していない。
 チャンスだ。
「マトリ! “地震”!」
「う……くぅ!」
 フラフラながらも、マトリは攻撃を放ってくれた。衝撃波が地面をメタグロスめがけて
走り――見事、その下で炸裂。効果は抜群だ。
 今の攻撃で、メタグロスの体力は半分以上削れた。急所に当たったのだろう。
 だが、マトリの脳震盪を起こすくらいダメージは入ってしまった。
 この相殺戦法は何度も使えない。
「マトリ! よくやったな!」
「うん……ア・ズ……」
 まだ脳震盪が引いていないマトリが、そう返事をしたときだった。
 バチリ! という音がして、マトリの体が光り始める! 進化の光だ。
 マトリの体は見る見る変貌を遂げていく。体は一回り大きくなり、
前腕部には大きなヒレが出来上がる。さらに二の腕と太股にはトゲが生える。
 マトリは、ガバイトから最終進化型の『ガブリアス』へと進化したのだ。
 ポケギアの画面にも、進化を祝う言葉が表示される。
「アタシ……進化できた……の?」
「ああ、そうだよ。ガブリアスに進化したんだ」
 まだよく状況がわからないマトリに、事実を伝えてやると、その表情は綻んだ。
「アタシ……これでまたアナタの力になれるのね」
 そう呟くと、マトリはメガメタグロスに向き直った。
 ジムリーダーは告げる。
「進化おめでとう挑戦者さん。でもまだ終わってないわよ!」
 叫ぶと、メタグロスは再び“コメットパンチ”を当てようとしてくる。
 マトリにとって、鋼技は弱点ではないものの、メガシンカによって
強化されているコメットパンチを受ければ、防御力強化などしていない
マトリには、大ダメージとなってしまう。
 どうする――?
 すると、マトリが叫んだ。
「アズサ! アタシやるわ!」
「!?」
 アズサには何をする気なのか、まったくわからなかった。
 マトリは、その場に仁王立ちになって、グっと姿勢を低くした。
 まさか、受けに回るつもりだろうか。そんなことをすれば、大ダメージを
喰らってしまうというのに。
「よ――」
 よせ、と叫んだが、メタグロスは既にマトリの顔面数センチの所まで迫っていた。
 その時であった。
 マトリの体が、右に傾いた。コメットパンチはマトリの横顔を掠め、命中はしなかった。
 そしてマトリは、空いているほうの左腕を、メタフロスに伸ばした。
 その爪が、メタグロスの足の一つに引っかかる。
 全ては、一瞬の出来事だった。
 マトリは引っ掛けた爪の先から、“地震”の衝撃波を直接メタグロスの体に打ち込んだ。
 ばわんっ!!
 メガメタグロスの体が、錐揉み回転しながら宙を舞い、大きな音をたてて
フィールドに墜落した。
 メガシンカが解けて、元の姿に戻ったメタグロスは、そのまま沈黙した。
『挑戦者の、勝利です』
 フィールドに判定ブザーが響き、その音声と共に、バトルは終了した。


「やった……やったわ……やったわぁぁぁ!!」
 歓喜したマトリは、アズサのもとへ跳躍すると、思い切り抱きついた。
「あたたた! 痛いよ!」
 ギュウと力一杯抱きしめられる。ガバイトの時に比べて力があがっているため、
アズサは悶絶した。痛かったが、今は勝利できた喜びのほうが上回っていた。
「でも……よくやってくれたな。ありがとう」
 その言葉の直後、マトリはぺたとその場に座り込んで、ぽろぽろと涙を流した。
「こ、怖かったわよぉぉぉ……」
 体を震わせ、むせび泣くマトリ。
 強面な種族だが、やっぱり女の子なのだな、とアズサは思った。
「あ……ゴメン。怖かったね」
 あらためて、アズサは頭を撫でてやった。
「うう……でもアタシ、勝ったわ。アズサに勝利をあげられたのよね?」
「うん。それもメガシンカポケモンを相手にな。ホントすごいよ」
「……」
 マトリは、アズサの左腕を引いて、抱き寄せた。
 さっきよりかは力は弱いが、ポカポカとして心地が良かった。
(僕のために、こんなに頑張ってくれる。マトリも本気で、僕と一緒にいたいのか)
 今までは、ルーミたちをからかうような言動をして、楽しんでいるような
感じがしていたが、あらためて、マトリの自分に対する想いの本気さを知った。
 だがやはり、まだ迷いがある。彼女たちの思いにどう応えるべきなのか。
 リエラもルーミもマトリも、アズサへの想いは本物だ。本物なのだが……。
(どうすればいいんだろう)
 彼女たちは、種族も正確も違うが、良い所も多くある。
 トレーナーとして、一人の男として、誰か一人を選ぶなんて、出来ない。
(こんなに僕のことを想ってくれているのに、僕ときたら……)
 何もしてやれない今の自分に、アズサは情けなくなった。

 バッヂを受け取り、ジムを後にしてポケモンセンターで手持ちを回復させた後、
アズサはまた港を目指して進んだ。
 日は傾きかけていて、早くしないと宿のチェックインの時間になってしまう。
 幸い、タンバシティに行く定期船の本数は多いので、どうにか間に合いそうではある。
 町を進むアズサの隣で、マトリはピッタリと体を密着しさせていた。
 少し歩きづらいが、悪い気はしない。
 そして、ふと気になっていたことを尋ねてみる。
「なぁ、どうしてマトリは、僕みたいなのがタイプなんだ?」
 するとマトリは、数秒の沈黙の後、口を開いた。
「……昔、アタシがまだフカマルで、捨てられたばかりの頃、人間に助けてもらったことが
あったのよ」
「そうだったのか」
「ええ。よく覚えてないんだけど、吹雪がひどくて、遠くに高い塔みたいなのが
見える所だったわ。アタシは凍傷で死にかけてたんだけど、アタシを助けて、
ポケモンセンターに運んでくれた人間の雄がいたの、まぁ、気付いたときには
もういなくなってたんだけど……なんというか、アズサみたいな暖かい人だったわ」
「じゃあ、僕とその人は、似てるのかい?」
「ええ。記憶がおぼろげだけど、よく似ているわ」
 なるほど。だから自分のことをこんなに……。
 アズサは合点がいった。
 おそらく、マトリがいた場所はカントーやジョウトではない。もっと別の地方であろう。
 それに、自分には雪の多い地方にいたことはないし、フカマルを助けた記憶もない。
 明らかに、自分のことではない。
「結局、お礼もいえなかったけど、おかげでアタシは、人間が好きになったの。
捨てられたことは悲しいけど、ずっと人が好きでいられたわ」
「そうか……」
 捨てられたポケモン達の中にあって、人間への希望を捨てずにいられたのは、
その出来事があったからなのか。
(ありがとう。名無しのトレーナーさん)
 名前はわからないが、おかげで、彼女はやさしい心を失わずにいる――。
 アズサは、マトリを救った人間に心で感謝しつつ、港へと進む足を、少し速める。
 少しだがマトリのことが理解できて、アズサは胸が僅かに軽くなった気がした。
                             ――続く――


 ようやく続きです。雌ポケモンが増えてきてハーレムと
化しつつある(笑)主人公パーティですが、今回と次回辺りで、
より交流を深めていく展開を予定しております。最近は少しペースを上げていますので、
もう少し早く次が仕上がるように頑張っていこうと思います。
キャラクター紹介ページも、作成中ですのでもう少しお待ちください。

指摘アドバイスなどありましたらお願いします↓

最新の5件を表示しています。 コメントページを参照

  • 助けてくれた人に試すような行為をし、寝不足疲れを与えるのがセレビィの恩返しなのかね……?伏線は回収されたものの結局何がしたかったんだよ……ジムスにもやっと春がきたんですね!よかった。するとあのリーフィアが6体目の可能性もあるのかな?やっぱパーティにイーブイ系一匹はいて欲しいものだと思いますから。 --
  • 助けてくれた人に試すような行為をし、寝不足疲れを与えるのがセレビィの恩返しなのかね……?伏線は回収されたものの結局何がしたかったんだよ……ジムスにもやっと春がきたんですね!よかった。するとあのリーフィアが6体目の可能性もあるのかな?やっぱパーティにイーブイ系一匹はいて欲しいものだと思いますから。 --
  •  セレビィは幻のポケモンなため色んな人間に狙われるので人間を信じられないため、
    仰るとおり主人公を試しただけで、その過程でガブリアスに関することが「偶然」判明したため、
    最後にああ言った……というわけなのです。
     ジムス君にもやっと恋の相手が出来ましたが、6匹目は果たしてどうなるのか……?
     コメントありがとうございました。これからも頑張ります。 -- かまぼこ
  • リエラアアアアアアアアアアどうしても死なないといけなかったんですか……なんかめちゃくちゃで先が読めない。なにがなんだか…… -- ?
  • 御三家キャラは重要で本来退場すべきキャラではないのですが、それだけ大事な者を
    失うという展開を入れることでインパクトを持たせつつ、この展開が後の展開に繋がる
    重要な出来事になるよう退場となりました。先が見えない展開になってしまいましたが、
    よかったらこの先も見てくれると嬉しいです。コメントありがとうございました。 -- かまぼこ
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Last-modified: 2015-04-27 (月) 21:02:34
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