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Galaxy (story11~16)

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Galaxy story11~16 


著者 パウス


~story11~ ―覚醒― 



何が起こったか理解できない・・。
今、僕の前でキノガッサと対立しているのはアメシストではなく、まぎれも無くシャワーズだ。
進化したとしてもイーブイがシャワーズに進化するには「水の石」という石が必要のはず。
この洞窟に偶然あった水の石の力を浴びたのだろうか・・いや、違う。
僕がイーブイから進化するのに必要な炎の石、まだまだ雷の石や月の石など様々な種類の石があるけど直接触れなければ進化などするわけが無い。



「ふぅ・・やっと外にでれたぁ・・。やっぱり外の空気に触れるのもいいわね。」
シャワーズは両前後足で地面をしっかりと踏みしめ、首を上に向けてのびをしていた。
この声はさっき僕がアメシストを止めようとしたときにアメシストが発した声・・。
「なるほど・・本物らしい。やばいな、覚醒しちまった。」
ジェードの顔に初めて焦りが生まれた。
「覚醒・・?どういうことだ!?」
ご主人は相変わらず怖い顔をしている。
「お前には関係ないことだ。くそっ、どうする・・?」
ジェードの焦りの色はだんだん濃くなっていく。
「なんだかしらねぇが、とりあえずこのシャワーズを叩きのめして捕獲するぜ!」
先に動いたのはパイロープだった。拳を固め、一直線にシャワーズのところに駆け寄る。一瞬でその差は縮まった。
「はっ!?よせ!!パイロー・・」
一瞬の出来事だった。パイロープは力いっぱい拳を振り上げて〝スカイアッパー"を繰り出した。
しかし、キノガッサの拳には何も当たらず、ただ空に舞い上がっただけだった。
かわしたシャワーズは尻尾を光らせ、キノガッサ目掛けて飛び上がり、体を縦に回転させ、キノガッサの腹のあたりに尻尾が直撃する。
「〝アイアンテール"!!」
ジェオードは思わず口にしていた。シャワーズの動きが速すぎて僕も良く見ない。ジェオードも同じだったようだ。
キノガッサは真っ赤な血を吐きながら、地面に叩き落された。
その衝撃で舞い上がった砂煙が僕たちの視界をさえぎった。
何も見えない。隣にいるジェオードさえもよく見えない。
それほどまでに激しい衝撃だったのだろうか。叩きつけられたパイロープははして生きているのだろうか。



しばらく沈黙に包まれた。
そして空気を切り裂く音が聞こえた。おそらくどちらかが相手に向かって走りだしたのだろう。
すると砂煙の中に一筋の水色の光が見えた後、爆発音が聞こえた。
「もう何がなんだか・・。」
ジェオードの目が回っているように見えた。
砂煙はなかなか晴れない。
舞い上がった砂の小さな粒が体に入らないよう、口を押さえていた。



砂煙が晴れてきた・・。
最初に僕の目に入ったのは座り込んだシャワーズの姿。
次に見えたのは何と、拳を前につきだしたまま氷づけになったパイロープの姿だった。
さっき見えた水色の光は〝冷凍ビーム"だったらしい。
パイロープの体のまわりは少し赤色のかかった氷だった。
おそらく血を吐きながらも砂煙の中、シャワーズに一直線に殴りかかったところを〝冷凍ビーム"で返り討ちにあったのだろう。



「あのキノガッサが・・まったく・・歯が立たなかった・・。」
パイロープのトレーナーであるジェードよりもご主人の方が驚いていた。
「くそ!!あきらめんぞ!!次は・・ルベライト!!」
キノガッサをボールに戻し、次に出してきたのは黄緑色の体をしていて、両手が鎌になっている―――ストライク。名前はルベライトというらしい。
「俺はパイロープのようにはいかんぞ!!」
ルベライトは構えた。・・・がシャワーズは座り込んだままだった。
「わたし・・そんなに戦いは好きじゃありません。なので私はこれで。」
シャワーズの体が光りだした。さっきアメシストがシャワーズになったときにでた光と同じものだった。



やがて徐々に光が消え始める。
「あ~やっと外に出れたぁ。退屈だったのよねぇ!」
シャワーズの男性の本能をくすぐるような魅力的な声と違い、明るくて、元気な声が耳に入ってきた。
黄色い体毛、首周りは白い体毛で覆われていて、首周りと腰から尻尾の部分にかけて体毛がとがっているように見えた。
こんどはサンダースの姿だった。


~story12~ ―伝説のポケモン― 



いったい何者なの?あの子は。
あの子・・?そういえばイーブイの姿のときよりもシャワーズやサンダースの時の方が年齢が上のように感じるけど・・。
いったいどうなってるの?
「隙有り!!」
ジェードのルベライトは両腕の鎌でサンダースを切り裂いた・・・ように見えた。
「どこ狙ってんの?こっちだよ。」
いつの間にかサンダースは後ろに回りこんでいた。
ルベライトはまだ状況が判断できないままサンダースの後足蹴りをもろにくらった。
「がは・・・。」
ルベライトは吹っ飛んで壁に直撃し口から吐き出された真っ赤な鮮血が地面を汚した。
そしてそのまま血で汚れた地面の上に倒れた。
しかしすぐに起き上がった。さすがにこれだけ鍛えられたポケモン、すぐにはやられなかった。
「接近戦は・・不利か・・。ならば!!」
ルベライトは鎌を交差させ、目を閉じて集中した後、鎌を両方の鎌をそれぞれ左右に勢いよく振った。
すると鎌から衝撃波のようなものが一直線にサンダースの方へと飛んでいった。
〝鎌鼬"・・私の〝鎌鼬"の倍の威力はあるだろうか・・。
「だ~か~ら、遅いって。」
私は我が目を疑った。
サンダースはすでにルベライトの後ろへ回り込んでいた。
しかしルベライトもこれを予測していたようだ。
ルベライトは自分の後ろに振り向きざまに鎌を振った。
今度こそ当たったように思われたが、見事に空振ってしまう。
サンダースの姿はあるのだが、当たらなかった。
「残念、それ、〝影分身"」
本物のサンダースは上空に逃れていた。
「〝影分身"!?発動してるとこ見えた?ジェオード!?」
メノウはなんか興奮している。まぁ、すごい戦いをまじかで見れて興奮する気持ちはわかる。
「い・・いや・・。あのサンダース、ガーネットよりも速い・・。」
信じがたい事だがそうとしか言いようがなかった。
私たちの中で一番速いガーネットよりも速い。いくら見ても覆らなかった。



そのまま〝電光石火"をルベライトに直撃させ、ルベライトはまたもや血を吐き出し、その場に力なく倒れた。
「く・・くそ、ルベライトまで・・。」
ジェードは倒れて動かなくなったルベライトを急いでボールへと戻した。
「どうよ、あんたのボスの育てたポケモンにやられるのは!!」
「へ?」
「何!?」
「え!?」
私たちはほぼ同時に驚きの声をあげた。
あんたのボスに育てられた・・?どうゆうこと・・?
ジェードは黙り込んでしまった。その手は何故だろうか少し震えていた。
その時、さっきの無線機のようなものからまた声が聞こえた。
『言い忘・・ザ・・ていたがもし、イーブイが覚醒して・・ザザ・・まった場合、あれの使用許可を頭領から・・ザザ・・ただいた。
もし覚・・ザザ・・てしまった時は・・ザザ・使え、以上。』
この言葉を聴いたジェードの絶望的な表情とは一転し、また違うボールに手をかけた。
「まさか・・こいつを使う事になるとは・・。」
ジェードはボールを投げた。
ボールから出た光はだんだん大きくなっていく。
光の大きさが二メートルほどに達したとき、ようやくポケモンの姿が見えてきた。

眩いほど美しい容姿に水色の体。角は少し変わった六角形の形をしていてその裏の付け根の辺りからはマントのように背中を覆う紫色の長い毛のようなものが伸びていて、背中の後ろの方からは白くて長いリボンのようなものが二つ見えた。
これはまさか・・・。
伝説のポケモン、スイクン!?


~story13~ ―切り札「オニキス」― 



「な・・なんで伝説のポケモンが・・。」
ジェオードはかなり驚いているようだ。
当たり前か。
伝説や幻と呼ばれるポケモンは並のポケモンとはくらべものにならない。
あの反則的な強さをほこるシャワーズやサンダースだってなかなかの勝負はするものの、かなわないだろう。



「あ・・・。これはちょっとやばいかも・・。」
サンダースはスイクンの迫力に後ずさりする。
どうしよう・・なんとかしなければ・・・。



ふと俺の脳裏にあるポケモンの存在がよぎる。
ずっとボールの中に入ったままで一度も出してないポケモン・・。
あいつの存在を思い出した。
そいつは今、俺の腰のあたりについているモンスターボールを入れられるポケットのついたベルトのところにひっそりと存在している・・。
そうだ・・あいつなら・・・。相手のタイプは水か・・よし!!
こいつは人前に出る事を嫌う故に家の中でも外でもあまりボールから出なかった・・。
何故なら人を極端に嫌い、襲いかねないから・・。



「サンダース!!下がっててくれ。」
「へ・・?何で?」
「いいから早く!!」
サンダースは何故かわからなく、首を傾げながらこっちに戻ってきた。
「いけっ!オニキス!!」
俺はボールを投げた。そういえば旅に出てからボールを投げた事は一度も無い気がする。
中から出てきたのはテッカニンに似ているものの、羽は無く、体は茶色くて頭の上には輪がついている。
ツチニンが進化するときテッカニンともう一つの姿になる。
そう、ヌケニンだった。
「なんだ?あのポケモンは?・・・まぁいい、スイクン!!」
ジェードの声にすぐさま反応し、スイクンは真っ直ぐヌケニン・・いや、オニキスに向かってくる。
「私の攻撃を避けられるか?〝オーロラビーム"!」
スイクンは伝説のポケモンらしい威厳にあふれた声でヌケニンに言ったすぐ後に額の六角形の形をしてる角からオーロラのような美しい色の光線を放った。
オニキスはその場で中に浮いたまま動かない。
このままでは直撃してしまう・・・・が、心配は要らない。
何故なら〝オーロラビーム"はオニキスをすり抜けてしまい、壁に当たって爆発を起こしたからだ。
「な・・何!?」
スイクンとジェードは目を丸くしていた。
スイクンは何度も〝オーロラビーム"を放つが何度やっても結果は同じだった。



「私はジョウト出身が故、このようなポケモンは知らぬ。いったい何者だ?」
オニキスはその場から動かない。
「シンオウではあまり知られてないんだな・・ヌケニンは。」
俺がツチニンを捕まえたのは小さいころ、ホウエン地方に旅行に出かけたときだ。
シンオウでは珍しいポケモンらしく、あまり見る事は出来ないと聞いたことがある。
だからツチニンが二種類のポケモンに同時に進化する事はあまり知られてないらしい。
「ヌケニンっていうんだよこのポケモンは。
 ヌケニンは常に不思議な力で守られていて、弱点以外の攻撃はあたることはない。
 しかしそっちは伝説のポケモン。このサンダースたちのような鍛え上げられたポケモンならともかく、俺の ヌケニンじゃあ倒す事は出来ないだろうけどね。」
しかし、特性がかたやぶりのポケモンだと、この特性に邪魔されることなく弱点でなくてもヌケニンを倒すことができる。


ジェードはがっくりと肩を落とし、スイクンをボールに戻した。
「お前たちは何者だ!?どうしてイーブイを奪おうとした!?」
「[アンドロメダ銀河団]だよ俺らは。本当、ネーミングセンスねぇよな。」
俺の質問を無視し、突然ジェードは口を開いた。
そしてすぐさま洞窟から走っていってしまった。


~story14~ ―地獄の過去― 



「頭領、ジェードがやられたようです。」
シェルは椅子に深く腰を掛けている頭領の前で頭を下げた。
「なるほど。奴ほどの人物がやられるとは・・ついに覚醒したのだな?」
「はい。ジェードの所持していたスイクンもヌケニンと呼ばれるポケモンにやられたらしいです。」
頭領はしばらく考えた。
「・・・ジェードはどこにいる。」
「それが・・・本部にまだ帰還していなく、現在行方不明です。」
「そうか・・。」
頭領は小さく笑った。




僕たちはとりあえずグロガネゲートを出たすぐにあるクロガネシティのポケモンセンターへと入った。
アメシストはさっきからずっとサンダースの姿をしている。
いろいろ聞きたいことがあるんだけどガーネットの治療が先だ。
ガーネットの容態はそれほど重態ではないらしい。
明日には全快するとのことだった。
「あぁ・・よかったぁ・・。」
僕はホッと胸を撫で下ろした。
外はまだお昼時だけれど、明日はここのジム戦にそなえるのと、サンダースに話を聞くために206番道路の入り口付近で野宿することになった。
なぜ野宿かっていうと、ここにはホテルも旅館も無い小さな町だからだ。



「とりあえずここにテントを張るか。」
ご主人は小さく折りたたんだテントを取り出し、あっという間にテントを張ってしまった。
「さすがご主人、起きるのは遅いくせにこういうのは速いのね。」
ジェオードは笑っている。さっきまでの緊張の糸が切れたようだ。
ご主人は渋面でジェオードを睨んだ。
「・・・それはほめてるのか?」



テントの中は見た目より広く、床も壁と同じ素材で出来ている。
けっこうふかふかしていて気持ちがいい。
「さて・・・サンダース。説明してくれないか・・?お前が何者かを。」
急に緊張した空気になった。寝っころがっていた僕はすぐに起き上がった。



「私よりコーラルに聞いた方が分かりやすいよ。」
サンダースがそう言うと、突然サンダースの横にシャワーズ―――コーラルが現れた。
「うわぁ!!?」
驚いた僕とジェオードは思わず警戒態勢をとってしまった。
「フフ・・。そんなに驚かないでよ。今の私は見えても触れる事はできないわ。
 今の私は意識、いや、魂って言った方が分かりやすいかしらね。魂だけ外に出てる状態ってとこね。」
僕はためしにコーラル近寄って前足で肩に触れようとしたが、すり抜けてしまった。
次にサンダースの白い体毛に覆われている首の辺りに触れてみた。なるほど、こっちには触れられた。
気づいたらサンダースの体をべたべた触っていてすぐに謝って手を引いた。サンダースは何も言わなかった。やばい、怒らせちゃった・・?



「私は4年前、今日戦った奴の言っていた[アンドロメダ銀河団]・・だっけ?
 奴らに突然捕まえられた。それからは地獄のような生活だったわ・・。」
ご主人はいつになく真剣な顔だった。コーラルはまた話し出した。
「奴らが[頭領]って呼んでいた人の部屋に連れて行かれた。中にはこのカーネリアもいて、私も含めて全匹で7匹捕まっていたの・・。」
コーラルとサンダース―――カーネリアはお互いに見合って頷いた
「私たちは皆別々の部屋の中に入れられて、中には頭領のポケモンたちが待ち構えていて・・戦わされた  わ・・。
 毎日毎日、何時間もね・・。」
コーラルは小さく震えだした。それほど恐ろしかったのだろう。カーネリアも表情が曇っていた。
「そのときの私たちではかなうはずもなく、たたきのめされた。
 私たちが瀕死になるたびに頭領は傷を全快させて、また戦わされた。・・何度死にかけたことか・・。」
残酷・・すぎる・・。
死ぬ思いをして勝てない相手に立ち向かい、実際に死にそうになると治療される。そしてまた死ぬ思いをして・・・・っと延々と繰り返していたという。
何度も死にかけて苦しむならばいっそのこと死にたいと思うだろう。
「それからしばらくたって、皆別々の姿に進化していた・・。そして今から一ヶ月ほど前に、私たち七匹は一つの体に集った・・。
 そう、この子・・アメシストの体に・・。」
「え!?」
僕とジェオードは驚きを隠せなかった。それって・・・融合・・ってこと・・?
「・・・どういうことだ?」
それまで黙っていたご主人が口を開いた。
コーラルは頷いて話を続けた。


~story15~ ―カーネリアの本性― 



「私たち七匹は何やら研究所のようなところに連れて行かれたわ。
 そこには大きなカプセルのような機械があって、その中にアメシストがすでに入っていた。
 その機械はホースのようなもので別の七個のカプセルにつながっていたの。
 その七個のカプセルの中に私たちはそれぞれ入れられた・・。」
僕はこの緊張感漂った雰囲気に少し疲れてきた。
でもそんな事を言っている場合じゃないってことは分かってる。
何度も死にかけたような苦しみと共に地獄の過去を思い出して話してくれているのだ。
記憶から永遠に消し去りたいであろう過去だというのに・・・。
「研究員かなんかの人がスイッチを入れると、私たちの意識はどんどん薄れていって、やがて無くなった。
 気がついたらアメシストの心の中にいたの。」
コーラルは口を閉じた。どうやらここで話は終わりのようだ
「どうしてお前たちはアメシストに融合出来たんだ・・?」
ご主人は真剣な顔で言った。この質問に対してコーラルは首を横に振った。
「・・・さすがにそこまで分からないわ・・。」



「・・・・・・」
しばらく沈黙が続いた。
僕はついに耐えられなくなって、沈黙を破いた。
「ちょっと散歩してくる。」
僕は逃げるように外へ出た。これ以上緊張感にさらされると頭がおかしくなりそうだった。



………思い出したくない過去・・・か。



しばらく散歩していると目の前に川が流れていた。
僕は水は苦手だけれど、いつ見ても川の流れはきれいに見えた。
川のそぐそばにある大きな木の木陰で僕は寝っ転がった。
気持ちのいいところだ・・・。僕は夢の世界からの誘いを受け入れようとしていた。



誰かが突然、猛スピードで走ってきた。そしてそのまま川へとダイブ・・。
「冷たっ!!」
その水しぶきが僕のところまで飛んできた。そのせいで僕の眠気は吹っ飛んでしまった。
「あらっ?メノウ・・だっけ?ここで何してんの?」
川へとダイブしたのカーネリアだった。僕は体にかかった水を体を震わせて飛ばしていた。
「何って・・昼寝しようとしてたんですよ。カーネリアこそ何でここに?」
カーネリアは川から上がり、水を僕のように震わせて四散させた。
「別にタメ口でいいわよ。そんなに歳、離れてるわけでもないし。
 さっきの戦いで体が汚れちゃってねぇ。洗いにきたのよ。」
そう言うとカーネリアの頬のあたりについた赤い汚れを前足で指した
それはまさか・・・返り血?
「私たまに弱い相手だといたぶっちゃったりすることがあるのよねぇ・・。だから返り血とかよく付いたり・・・。」
カーネリアは小悪魔のように笑った。
ゾクッとするような感覚と共に僕の背中に寒気が・・。怖いって・・。



「あの・・・さっきはごめんなさい、体をべたべた触っちゃって。」
さっきはカーネリアの体を好奇心からかいろんなところを触ってしまった。
もちろん、変なところは触っていない。触ったのは肩とか腰とか足とか・・・・。
カーネリアと面と向かうと罪悪感がふつふつと浮かび上がってきた。
「あぁ、別に気にしてないわよ。うん・・・むしろ気持ちよかったりして・・。」
へっ?この人もしかして被虐愛好者(マゾヒスト)?
でもさっきは加虐愛好者(サディスト)って・・・。もしかして両方!?
「そんなことはどうでもいいわよ!」
自分で言ったんでしょうが・・・。
カーネリアは後ろに一歩下がった。
「ねぇ、私が特訓してあげようか?」
カーネリアは不適に笑う。・・・正直怖かった・・・。
でもこれからはずっと守ってもらうわけにもいかないし・・強くならなきゃ。
僕は勇気をだしてカーネリアと特訓を始めた。



僕がコテンパンにされたのは言うまでも無い。






いろいろと大変だなぁ・・・・僕も・・。


~story16~ ―クロガネジムへ― 


私たちは朝の9時ごろ起床した。
もちろんご主人は寝坊してたからコーラルに水をかけてもらって起こした。
それからセンターに行ってガーネットをセンターから引き取った。
もう傷口は完璧に塞がっていて元気ハツラツとしている。

「じゃあこれからジムに挑戦しに行くか。」
ご主人はあくびしながら言った。もっと気を引き締めたほうがいいんじゃないだろうか。
でもまぁ、日差しが気持ちのいい朝だからあくびぐらいしかたないか・・。
油断するとわたしもあくびしそうだ。

「あの~、私も戦ったほうがいいのでしょうか・・。」
この不安げな声はアメシスト。
カーネリアやコーラルとかはきっと過去のことで疲れているだろうから、普段はアメシストの中で休ませることにした。
ご主人はガーネットに昨日のコーラルたちのことを話していた。
ガーネットはびっくり仰天していて、いちいち声を上げて驚いていた。
するとついにジムの前についた。
茶色いドーム状の建物で回りに建っている建物より一回り大きい。

中に入るともうすでに何人かの挑戦者が戦っていた。
「あの~、ジムリーダーに挑戦したいんですけど・・。」
受付の人にご主人はそう言った。
すると何やら受付の人は書類を取り出してしばらく読んだ。
「運がいいね、今ちょうどリーダーは空いてるとこだよ。
 でもいいのかい?いきなりリーダーに挑戦なんて。普通はリーダーの前にジム員に挑戦するのに・・。」
「いいんです。そんなに長い間この町にとどまってるわけにもいかないし・・。」
ご主人の言う通りだ。
アンドロメダ銀河団だっけ?そいつらにアメシストが狙われている今、あまり同じ町にい続けると巻き込んでしまう。
ちゃんとそういうこと考えてるんだなご主人は。

ジムの中にはいくつか床に闘技場が作られていて、私たちは一番奥の闘技場に連れて行かれた。
私たちの向かい側にリーダーであろうか。めがねをかけていて、髪は赤みのかかった長髪。
名をヒョウタと言うそうだ。おそらく20代くらいだろう。
私たちが立っている闘技場の周りには観客席が設けられていて、すでに数十人は座っていた。

「よろしく、ぼくがリーダーのヒョウタだ。」
向こうがこっちに向かって挨拶をしてきたのでご主人も挨拶し返した。
「よろしくお願いします。」
しばらくすると青いTシャツを着た、赤と白の旗を持った人が現れた。どうやら審判らしい。
「では、リーダー、ヒョウタとフタバタウンのトレーナー、パールのジム戦を始めます!
 競技方法は3対3の勝ち抜き方式。では・・・始め!!」
「いけ!イワーク!!」
「たのんだ、ジェオード!」
私は張り切ってイワークに対立した。それにしてもでかい・・。
それでもやっぱり初めての公式戦、興奮してしょうがなかった。


コメントなど、あればどうぞ




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Last-modified: 2021-02-14 (日) 12:20:39
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