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魂のエンカウント

/魂のエンカウント

大会は終了しました。このプラグインは外してくださって構いません。
ご参加ありがとうございました。

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大会投稿に合わせて一万文字に収めるためにカットしていた部分を入れ直しました。
それに伴い全体的な微調整も行いました。

官能表現がありますのでお気を付けください。
オレ=廃ネット




「おう、久しぶりに来たな!」

 バトルコート上で腕を組み、パーモットは現れたモトトカゲに声を掛ける。その背後には欄干の下、広大な海へと断崖が続いている。太陽に照らされて輝かしい波間、観光客であればそれだけでも楽しめそうな景色。地元で暮らす彼らにとってはもう見飽きたものでもあり、関心は目の前のバトルコートにばかり注がれているが。

「今日こそは一本取らせてもらうわ!」
「まだまだだな。まあ、この前言った事をやってきたか見せてもらうぜ?」

 周りには既にパーモットが相手をしたのがわかるポケモンたちが休んでいる。二度も進化を重ねただけの強さとは裏腹に、どこか年相応の幼さを残す瞳。バトルぶりを見なければ、挑戦してきたモトトカゲとも齢は変わらないように思える。年上の大人たちを相手にし続けても疲れ一つ見せない、それは天性とすら感じさせるものがある。

「始め!」

 ジャッジに立ったフタチマルの合図とともに、モトトカゲは大きく息を吸い込む。その目は真っ直ぐにパーモットを捉え、着実に詰めようとしている間合いに入られないように横に飛び退きながら。モトトカゲは動きが早い種族であるし、コートも狭くはない。だがパーモットの動きは更に速く、見る見るうちに両者の距離は近付いていく。

「やぁあああっ!」

 竜の波動。刹那、パーモットへと迸る衝撃波。竜のエネルギーは空間の色を変え、モトトカゲである彼女と比べるとどうしても小柄になってしまうパーモットの影を消し去る。躱そうとする様子も無く、正面から。渾身の一撃であるのを見ての行動だとは思えないであろうが。

「なっ!」

 衝撃波を突き破り飛び出したパーモット。拳や頭の毛先は派手に乱れたが、痛痒を感じさせるほどではなく。渾身の一撃であった衝撃波があっさりと消し飛ばされ、二発目を撃とうとするも間に合わない状態。モトトカゲの得意技は距離があっても戦える一方、半歩も無い距離は今度はパーモットの間合いである。着地で屈んだ動きを反動にそのまま体のバネで拳を突き出す。

「決まりだ!」

 パーモットの拳は真っ直ぐにモトトカゲの顔面に向かっており、身を反らし躱そうとするも間に合わない。捉えることもできない速度の拳がモトトカゲに刺さる、その瞬間。パーモットはその速度の拳を止めた。

「えっ? えっ?」

 拳が止まったのを見て、モトトカゲも身を反らす動きを止めた。寸止め。その拳を眺めた時間は、しかし傍から見ると一秒にも満たない。その刺さっていない拳はしかしモトトカゲの闘志を打ち砕き。一度止まった後はその場で力無く両手をつく。

「勝負あり!」

 フタチマルの声と共に、周りの大人たちは一様に声を漏らす。やっぱり勝利を見せてくれる安心感と、誰も勝てないことをまたも見せ付けられた無力感と。パーモットはへたり込んだモトトカゲに手を伸ばすと。

「『竜の波動』の重みに間合いの足捌き、俺が言った事以上にやって来たのが見えたな」

 モトトカゲはパーモットの手を取って立ち上がると、その余裕の顔を苦々しく見る。自分の動きを的確に分析する称賛は、しかし実力の差を明白に感じさせるばかりだ。一応タイプ相性が不利として圧し掛かってはいるが、それを越えたとしても勝てる気がしない相手。

「うーん……。私が近付いたと思っていた以上に進んでいるな……」

 全力をぶつけたモトトカゲに対し、パーモットの方も連戦でそろそろ休もうと思っていたのだろう。特段の意思疎通は無かったが、おもむろにコート脇の木陰へと寄る。木の根元で双り腰掛けると、周りの大人たちも悦に浸り軽く吹き出したりしている。パーモットの方は首を傾げてよくわからないといった様子であるが、モトトカゲは顔の鱗を少々逆立てている。もう一歩踏み込めていないが、その先に進めばお似合いだろうなと誰もが微笑む関係。バトルとは打って変わって穏やかな一瞬。

「ん?」

 その一瞬は放送のスピーカーから流れたチャイムの音で途切れた。何があったのかと大人たちも目を丸め顔を見合わせたりしていると。

『岬街区にて、強盗発生。犯人のポケモンが逃走中。周辺にいる方々は身の安全を第一に……』

 一転して場を覆う、緊張と当惑。一番最初に動いたのは、やはりパーモットだった。急いで立ち上がり欄干に寄りかかると、遠目で強盗の姿を確かに確認する。欄干から下へと続く急斜面の断崖は、舗装された道路で海からは区切られている。巨大な荷物を背負ったガブリアスはその道を、右手の街区から左手の船着き場に向けて疾走している。船着き場にある船を奪って逃走を図るつもりであろうか。正面真南には太陽が燦然としており、こんな白昼堂々と強盗を働くとは大した度胸である。

「足止めくらいは……できるか?」
「あっ!」

 大人たちが止めるよりも早く、パーモットは欄干から急斜面へと飛び降りる。あとはもう、下の道路まで滑り降りるまで止まらない。放送では「身の安全を第一に」と言われたその場だというのに、自ら強盗の、しかもタイプ相性の悪い相手の前に飛び込もうとするパーモットの蛮勇。

「私も……行くしかない!」
「ああ、もう! 飛べる方、お願いします!」

 放っておけず後に続くモトトカゲを見て、こういうところは子供だと呆れるフタチマルであった。とは言え徒歩の種族には追えないような断崖、フタチマルではもう見送ることしかできない。それでも流石に放ってはおけないと声を掛けると、タイカイデンとアオガラスが続いた。



 疾駆するガブリアスの目の前に、パーモットは上手く着地する。崖を下る速度を制御できなければ、路面に体を強く打ち付けるか勢い余って海まで落ちるかである。ここに着地するだけでもなかなかのものなのであるが……。

「ガキ! どけぇっ!」
「……!」

 崖の途中に転がっていた木の太枝をいつの間にか掴んでおり、ブーメランの要領の横投げで投げつけた。狙うはガブリアスの足元。投げつけたらその後は結果は見ない。躱されたら仕方ないと、波打ち際のもう一段の断崖にぶら下がる。丁度満潮の時間だったらしく、小柄なパーモットの足先にも海水がつく。

「ぎゃぁあああっ!」

 パーモットの頭上を悲鳴が横切っていく。それだけでもう答えとしては十二分であった。パーモットは路上に戻ると、体を強かに路面に打ち付けているガブリアスの姿を確認する。

「言われた通り、どいたよ。おじさん?」
「てめえっ!」

 続いて掛けられた挑発。ガブリアスは激昂し、目の前の生意気な子供を轢き殺さんという衝動に駆られた。しかしその瞬間撃ち込まれるモトトカゲの「竜の波動」。一歩飛び退いて躱すと、ガブリアスは舌打ちしながら踵を返す。

「逃げるのか? 遊んで欲しいんだけど?」

 パーモットはその背中に挑発を重ねながら追いかける。ガブリアスももう一度舌打ちをするが、思いがけず早く現れた追討部隊の数を見て自省せざるを得なかった。モトトカゲたちはまだもう少し上であり、安全のためにややゆっくり目に降りてくるとあって追いつくのは厳しいだろうが。

「無茶はしないで!」
「わかってる!」

 パーモット自身も、相手とのタイプ相性の差は理解している。一転してガブリアスを追いかけるパーモットだが、全力で駆けてはいない。いきなり振り返って攻撃を仕掛けられた場合に対応できなければいけないからだ。お互い間合いが近い者同士となると、どうしてもタイプ相性の差が出てしまうのは大人たちとのバトルで理解していることである。

「こっちです!」
「おう!」

 船着き場に泊まる一隻の船から顔を出すパチリス。ガブリアスはその声の方に駆け寄ると、奪った荷物を船の中に投げ込む。そしてようやく我慢の時は終わったと、悠然とパーモットの方に向きを変える。

「電気タイプなのに追いかけてくるなんて、自信あるのですね……」
「いい加減胸糞なガキだからな。発進まで何分だ?」
「ええ、3分ほど下さい」

 言いながらもパチリスは、船を係留しているロープを前歯で削り始める。パチリスの返事に頷くと、ガブリアスは大きく両腕を広げる。パチリスが船の発進の準備を終えるまで通さないという意志を示していた。その剣呑な目線と交錯すると、パーモットも足を止めて間合いに入るのをやめる。

「なんだ、ガキ? さっきのは虚勢か?」
「さて、ね」

 ガブリアスが半歩踏み込んで見せると、パーモットも攻撃に備える。身のこなしではこちらの方が上ではあるが、総合力では見た限り格上。そこに加えて圧倒的に不利なタイプ相性が重くのしかかってくる。

「何だよ、駆け出しておいて何もできないのか?」
「あっ! 無理……!」

 真っ先に追い付いてきたのはタイカイデンであった。タイカイデンが翼を丸め、得意技「エアスラッシュ」のために空気の流れを引き込んだ一瞬。ガブリアスは逃さず、咆哮と共に岩のエネルギーを迸らせる。技を使う瞬間に発生する隙を容赦なく狙い、入れ替わりに弱点の技を叩き込む。パーモットはタイカイデンに飛び込み「岩雪崩」の範囲から突き飛ばす。

「くっ! すまねえ!」
「あいつ、相当強いな」

 パーモットは手の甲でまともに受けた「岩雪崩」を弾く。パーモットの場合は戦闘の際に迸らせる闘気が岩の力を中和するため、こちらの技は相性的には重傷にはならない。風を纏い宙を舞う、その力が打ち砕かれやすいタイカイデンたちとは真逆である。自前のタイプと技で持つ副次的なタイプで二人への有利を見せ付け、時間が迫る中でガブリアスは悠然と笑う。

「なら……!」
「来るか?」

 パーモットは息を整えた一瞬。周囲の空気が静まり返る。この空気は。あまりにも強い技であるが故に迸る予兆も大きいのだが、何の技であるのかがわかるとガブリアスは得心の笑みで構えて見せる。

「これだっ!」

 だが、パーモットが狙ったのはガブリアスではなかった。タイカイデンの背後に積んである、投棄された襤褸の木箱の山。そこを目掛けて。体の芯まで流れる電撃のエネルギー、その全てを両手の爪に集中させる。「電光総撃」。パーモット必殺の一撃は、しかし積まれた木箱を粉砕して飛び散る破片で周りを怯ませるだけに終わる。

「う、わ……ぉ、おい!」
「掃除は後でする! これでようやく戦えるぜ!」

 ガブリアスの方を振り返った瞳の奥には、先程まで迸っていた稲光の力が消えていた。全て木箱に叩きつけたのである。身の奥まで電気を行き渡らせた状態だと、ガブリアスの地面技で容赦なく大地に引きずり込まれる。一時的にではあるが電気の力を脱ぎ捨てる、パーモットという種族にしか使えない必殺技。それを無駄撃ちすることにはなったが、故に地面の技も弱点とはならなくなった。

「本当に戦う気か、ガキ!」

 一旦は上手く追討から逃れた相手、それを居合わせた子供が取り逃したところで責めるのは酷である。そんな状況なので駄目で元々と言えばそれまでの筈であった。だがパーモットはその「駄目で元々」の状況に打破を見ようとする。大した子供であると驚き、笑う。

「いくぞ!」

 今度は遠慮なく飛び込むパーモット。ガブリアスも負ける気は無いと地面を打ち鳴らし「地震」を叩き込もうとするが、パーモットの方が一瞬早い。両手には竜鱗を透過する妖気を纏わせ、さながら「じゃれつく」かのように叩きまくる。一通り打ち込み間合いを取り直そうとするパーモットの足先を、それでも体勢を死守したガブリアスが放った「地震」が打ち据える。痛み分け。

「くぅぅ……油断できねえガキだ……」
「おじさんこそ、それだけ強いなら強盗じゃないまともな道もある筈なのに……」

 お互い痛みの中、目線をぶつけ合いながら構え直す。再びじりじりと間合いを計り出す。追いついてきたモトトカゲとアオガラスがどう手を出すかと伺い始めたその瞬間、パチリスがいる船が大きく揺れた。

「待たせました! 準備完了です!」
「ったく! 危なかったぜ!」

 潮の流れのままにふらふらと離岸し始める船。それにガブリアスは急ぎ飛び乗る。次の瞬間にはエンジンの稼働音が鳴り始める。係留ロープは事切れた姿で水底へと沈んでおり。こうなると、止める方法は――



「パチリスの方は狙えるか?」
「えっ? そっち?」

 モトトカゲは気の抜けた声を上げる。てっきり「竜の波動」が同じ竜の体だからこそ響くガブリアスを先に押さえてほしいと言ってくるかと思ったが。

「恐らく奴は『この指とまれ』でボートの動力を守ってくる! そっちが持ち堪えられたらゲームセットだ!」

 パーモットの声を聞いて、ガブリアスもパチリスも若干苦々しげな顔をしていた。どうやら図星らしい。だが、見抜かれたところでやらないわけにはいかない。その船は頑丈さも見て取れるが、恐らく加速しきれば速度も相当に出る。泳いでの逃走が難しいガブリアスやパチリスにとっては、動力を討ち取られることは即退路を断たれることに繋がるのだ。そんな様子はモトトカゲも見逃しはしなかった。

「なるほどね! じゃあ、狙うね!」

 発進してもすぐであれば、パーモットの電撃で動力を討ち取れる。電気で動くがゆえに電気に弱い装置の宿命である。先程「電光総撃」で電気との同化を解いたパーモットだが、その分威力が落ちるとはいえ電撃自体は使うことができる。ただそれが間に合わなければ、パーモットは泳げるとは言っても追いつける速度は出せない。止められるかどうか、それが全ての勝負だった。

「上等です! 来なさい!」

 パチリスは指を振り上げる。その指先から放たれた光は、全ての攻撃を呼び寄せる誘引剤となる。息を吸ったモトトカゲの口から放たれた衝撃波は、歪んだ放物線を描きながらパチリスの手元へと飛ぶ。

「うわぁ……」
「この程度ですか?」

 虚勢などではなく、本当に殆ど痛みとはなっていない様子である。小柄でファンシーな見た目の種族だというのに、壮絶なまでの屈強さを見せ付ける。そう言えばいつぞや行なわれたバトルの世界大会でも、パチリスはその頑強さで活躍したという話を聞いたことがある。流石にその時の選手が強盗に落ちぶれているわけではなく、ただ種族が同じだけの別人物であるのは言うまでもないことであるが。

「でも……何発耐えられる?」

 二発、三発。モトトカゲは「竜の波動」を次々と叩き込む。少しでも怯んでくれればいいのだが、変わることなく平然とした表情がモトトカゲから虚勢を張る余裕すらも削り始める。その間にもどんどんと船の稼働音が強まっていき、離岸流も相まって岸から離れる勢いがどんどんと増していく。

「私の体力より、時間の方が先に切れるでしょうね!」
「うぅ……」

 波間から顔を出すパーモットに対しては、ガブリアスが常に目を光らせている。今から飛び乗ろうものなら着地した一瞬の隙をどんな攻撃で狙われるか分かったものではない。ガブリアスを倒そうにも船の動力と同じで、身代わりとなって攻撃を受け止め続けるパチリスを倒してからでないといけない。そもそもができることをやっただけの自分たちではあるのだ、悔しくとも諦めるしかないか。

「そこだ!」
「はっ?」

 パーモットは電撃を放つ。それは最初から一直線にパチリスの方へと向けられており、迷うことなくパチリス――への動線上にある動力に直撃する。一しきり破裂音を響かせた後は、打って変わって静まり返り。

「嘘……?」
「そんな手が……?」

 パチリスは事切れた動力に思わず手を伸ばすが、破裂の際に残した熱に焼かれた手を引っ込めるだけに終わる。ガブリアスも愕然としている一方、モトトカゲも驚きのあまり攻撃の手が止まる。頼りの動力が討ち取られた今……。

「くっ! もう獲物は諦めて飛んで逃げるしか……」
「こんな狭え船の上じゃ、助走なんてつけられるかよ!」

 ガブリアスは忌々しげにヒステリーを上げながら、船のへりに蹴りを入れる。ガブリアス自体は滑空することが可能な種族ではあるのだが、ある程度の加速が必要なのである。この点がタイカイデンたちのように自由に「空を飛ぶ」種族との違いである。先程は抱えていた獲物の重量により滑空するほどの加速が出来ず、今度は足場が悪く助走ができない。ガブリアスにとってはストレスの方がマッハとなっていたであろう状況で全てが終わった。

「俺も土壇場で気付いたんだが、この気付くまでの一瞬の遅れが逆に良かったみたいだな!」

 船は中途半端に離岸していたため、ガブリアスやパチリスが飛び移れる足場は無い。動力を即座に討ち取っていたら、かえってこうはいかなかったであろう。狭い船の上に閉じ込められた上で、ガブリアスにもパチリスにも十分な遠距離攻撃が無い状況。ガブリアスの「岩雪崩」の射程外から「竜の波動」や「エアスラッシュ」を一方的に撃ち込まれ続ければ、誰の目から見てもどういう結果となるかは理解できる状況となっていた。



 苦戦はしたが、パーモットとモトトカゲの活躍で何とか取り押さえた。無茶な行動を反省するモトトカゲの隣で、パーモットは得意げである。

「やったぜ! 俺の力、遂に役に立った!」
「船のことは俺の方で謝っておくが……お前のような子供が、無茶するんじゃない」

 ガブリアスとパチリスが力尽きた頃になって、ようやく追いついてきたフタチマルはパーモットをたしなめる。船の方の破損もただでは済んでいないが、見す見す強盗たちに持って行かれるよりはマシであるということはフタチマルも理解していた。だが。

「言いたいことは分かるけど、折角持っている力なんだから、使わないなんてわけにもいかないじゃないか」
「心掛けは良いけど、もう少し周りを見てからにしろよ」

 強盗たちにはパーモット一人では手出しが叶わず、追いついてきたモトトカゲや他の大人たちの協力が不可欠であった。勿論彼らが追い付いてくるまでの足止めは成し遂げたのであるが、一歩間違えれば撃ち殺されたり捕まって人質にされたりしかねなかったのだ。フタチマルは離岸しつつあった船を係留ロープで留め直しながら、パーモットの軽率をたしなめる。

「私も、もう少し慎重に行動した方が良かったと思う。私たちが逃がしても誰も責めないんだからさ」
「そうかよ……まあ、そうだけどな」

 モトトカゲたちの攻撃が終わり、飛び乗った船で最後の抵抗を試みた強盗たちを制圧した瞬間。パーモットはもっと絶賛されるのではないかともふっと思った。流石にそれは邪な感情であると振り払ったが、こうも注意を受けまくると不満がもたげてくる。係留を終えると、フタチマルは船の破損状況を記録するために、ホタチの下からスマホを取り出しカメラを起動した。

「ん? 写真撮るの?」

 それを見るやパーモットは船首の方へと向かい、腕を掲げてポーズをとる。通常であれば無断で船に乗ることはできないため、折角の機会だからと言わんばかりに。その様子を見て、モトトカゲとフタチマルは深くため息を吐く。

「お前な……」
「何枚かだけでいいから!」

 掲げた腕を下げ、今度は手を合わせて。生意気でもあるが故のこの可愛らしさに加えて、バトルが強いにもかかわらず周りを見下すことは無い態度。フタチマルをはじめとする大人たちは今までもついつい甘やかしてしまってきていた。フタチマルは仕方なさそうに、既に何度目かもわからない「もうこれっきり」を心中で呟きながらスマホのレンズを向ける。

「あのさぁ……」
「よっしゃ!」

 モトトカゲが呆れて何を突っ込むかも決められない内に、パーモットは再びさっきのポーズで船首に立つ。ぱしゃり。その音を聞いた瞬間にへりに立ち、フタチマルの方を向く。飛び込む気か。今更その程度は止めずにフタチマルは船の脇のへりに身を乗り出し撮影体勢に入る。まず跳び上がった瞬間。空中で半回転し、そのまま頭の先に手を伸ばして着水するその瞬間。連続撮影で収めると。

「えっ?」
「どうしました?」

 唐突に声を上げ、スマホを見ながら愕然とするフタチマル。何事かと覗き込んだモトトカゲは、一緒に戦慄した。最後のパーモットが着水する瞬間の一枚。パーモットの周りには無数のドラメシヤが飛び交っているのが移っていた。肉眼では見えない、機械だから写し込めた霊体。すぐさま我に返り二人はパーモットが飛び込んだ場所に向けて声を掛けるが、いくら名前を呼んでも彼が顔を出すことは無かった。



 一週間が過ぎた。既に生存は絶望的であったが、せめて遺体だけでもと懸命の捜索が続いた。人気者の突然の喪失に、村は一転して意気消沈となっていた。半ば八つ当たり気味に強盗たちに「仲間がいたのか」と尋問するものもいたが、強盗たちも身に覚えがないとのことであった。ただ、ガブリアスが「縄目につかせてくれた仕返しに、死体に唾でも吐き掛けたい」とへらへらと言い放った姿には呆れられたが。

「今日の捜索場所は、難破船のエリアらしい」
「はい……」
「もう到着している頃だが、恐らくダンジョンに入ることになれば遅くなると思う」
「はい……」

 警備隊の詰め所で、今日もモトトカゲは立ち尽くしている。他にすることが無い、喪失感からできることが無さすぎるのだ。ただただ黙ってパーモットの発見の報をこうして一週間詰め所で立ち尽くし待っているだけだった。フタチマルがこうして声を掛けてもずっと上の空なのである。そこに警備隊のリーダーである壮年のウェーニバルが近寄ってくる。

「あー、お嬢さん。行方不明の少年が、見つかったみたいですよ」
「はい……」
「反応それだけか? 衰弱しきっているが、命に別状はないらしいです」
「はい……」
「……聞いてないだろ?」
「はい……」

 相変わらず身を震わせて上の空のままのモトトカゲ。届いた報告にどんな反応を示すのかと思ったら、これにも相変わらず上の空であった。或いはフタチマルやウェーニバルが励ましに来ることがこの一週間で何度もあり、そちらには既に慣れてしまったが故なのかもしれないが。フタチマルとウェーニバルは顔を見合わせると、左右からモトトカゲの肩を叩く。

「聞けよ!」
「きゃっ! 聞いてますよ!」
「直前になんて言われたか言ってみろ」
「えっ?」

 言われてみて、確かに思い出せなかった自分に気付くモトトカゲ。俯いた姿を見て、フタチマルとウェーニバルはふっと笑う。

「例の少年が無事見つかったそうだ」
「無事……でももう……」
「いや、衰弱しきっているが、命に別状は無いらしい」
「えっ……?」

 ウェーニバルの言葉を聞いて、モトトカゲは目を丸める。一週間という日数はモトトカゲは数えていなかったが、とにかく随分と長い時間が経過したような感覚だけはあった。時折すれ違う大人たちはモトトカゲに気を遣って隠していたが、それでも生存は絶望的であるという様子だけは嫌でも感じ取れていた。だというのに、まさか生きて帰ってくるとは。

「あの辺は潮の流れが集中して難破船が集まるようになっているから、あの少年もそれに捕まったんだろう。折り重なって海上に顔を出している部分にいたから、無駄に体力を消費しないで済んだのだろうな」

 ウェーニバルは頷きながらも説明する。アクシデントはあったが、それでも最悪を避けるために打てるだけの手を打ったのだろうと感心しているのが分かる。但しフタチマルの方はこのアクシデントに巻き込まれた状況をその目で見ていたため、一概に褒められるものではないと苦笑しつつ。

「そう言えば、写真に写っていたドラメシヤたちは?」
「ドラメシヤの方は一匹も見当たらなかったらしい。ドラメシヤたちを振り払った後に潮に飲まれた、と言ったところだろうか?」

 これに関してはウェーニバルも渋い顔をしている。強盗たちのような意思を持った存在であれ、ダンジョンから迷い出た意思の無い存在であれ、このようなことをする存在を取り押さえられなかったのは先の不安が残る。だが相手はゴーストタイプである。壁の中も透過できるのだから当然海中も縦横無尽である。周辺の海域だけでも十二分に広い中で逃げて隠れているのだろうから、これ以上捜索のしようもない。

「隊長、戻りました!」
「お疲れ様! ほら、行ってやりな」

 そんなことを話している間に、波止場の方が騒がしくなっていた。パーモットを乗せた船が帰ってきたらしい。捜索に当たった班のリーダーのエンペルトは、その平たい手を胸に当てて畏まりながら報告をする。ウェーニバルもモトトカゲが待ちに待ったことはずっと見ていたので、早く会いに行くことを促す。

「はい! ありがとうございます!」

 お礼もそこそこに、モトトカゲは四つ足でエンペルトの脇を通り抜ける。裏口から出ると丁度その時点で、船から担架が運び出されているところであった。その上には変わらない色の、どこか懐かしいとすら思えてしまう毛並み。モトトカゲが呼ぶパーモットの名前は、思いっきり涙に掠れていた。その声に反応して、おもむろに顔を向けるパーモット。びっくりするくらいやつれていたが、反応ができる状態であるのが嬉しい。担架を運ぶ大人たちの邪魔にはならないように気を付けながらも、できる限り脇に近づくモトトカゲ。

「ぁぁ……ごめん……」
「無理に喋らなくてもいいから」

 パーモットの方も声は掠れており、僅かに漏らした一言だけが聞き取れた。恐らく声を出すのもやっとやっとだったのだろう。何はともあれ生きている。モトトカゲにはそれだけで十二分であった。パーモットが救急車の中に入っていくのを見送ると、モトトカゲはその場で押し寄せる感情のままに泣き崩れた。



 更に一週間が経過した。パーモットは衰弱こそしていたものの特段病気等もなかったため、退院は早い段階ですることができた。だが、家に帰るとそのまま部屋に閉じこもり、既に何日も外に出ていなかった。

「おばさん、こんにちは。様子の方はどうですか?」
「ずっと籠りっきりね。部屋の前にご飯を置いておくとちゃんと食べてはいるんだけどね……」

 出てこない息子のことを心配げに語る母親は、まだパモットである。バトルという気質ではなかったため、態々進化のための修行に出ようとはしてこなかったのである。母親をはじめ家族は打って変わって引き籠っているパーモットを心配してはいる。だがあれだけのことがあったのだから、これも仕方ないのかもしれないとも思っていた。

「でも、話くらいはしてますよね?」
「それが、部屋の鍵を掛けたままで手を出せなくて」

 母親はため息を吐きながら、パーモットの部屋の扉を指差す。建てた時から個室には鍵を付けてあげていたのだが、流石に今回の状況になられると失敗だったのかもしれないと感じ始めている。ちなみに今時の建物の場合、壁は霊体の透過が難しい材質を使われるため、恐らくドラメシヤが中に入り込んでいることは無いと思われる。

「鍵、開けないんですか?」
「合鍵もそれぞれに持たせてあるからね。ドアを壊そうかとも考えたけど、時々苦しそうな声が聞こえるから手出ししづらくて」
「そうじゃなくて……」

 言いながらモトトカゲは、喉元の円盤状の肉垂の隙間から小さいポーチを取り出す。それを開いて取り出したのは、金属製の円形であった。10ポケ硬貨。それをパーモットの部屋のドアノブに向けると、母親は唖然とする。

「まさか、それで開くの?」
「前に二人で試して……ぅふふふふふふっ!」

 その時のやり取りがどんなものだったのかは知らないが、余程楽しいものだったらしく妙な笑い方をするモトトカゲ。家の主が知らない内に何をやっているのだと思わずにはいられない。

「にわかには信じがたいって言うか、これ、業者にクレームものじゃ?」

 子供がありふれた硬貨で開けられる鍵など、あってないようなものである。母親があんまりな展開に呆れるのを尻目に、モトトカゲは硬貨をドアノブの前にかざすと。

「ぅふふふふふふっ!」
「……やるなら早くして」

 もう一度口を押えての含み笑い。傍から見ると気持ち悪いなんてものではない。そんな無駄な一瞬はあったが、次の瞬間にはかちりと鍵が開いたことを示す金属音が聞こえてくる。鍵としてそんなでいいのかと呆れる母親に対して、モトトカゲはなおもにやけた状態でドアノブに手を掛ける。

「それじゃあ、ご対面!」

 思えばパーモットと会うのは数日前の退院以来であった。苦しい状態でやつれているか、それとも動かずに太ったか。いずれであれ元気ではないであろう。慰めのために抱きしめてしまおうかとちょっとした下心も持ちながらドアを開くと、現れたのは。

「あうあっ!」

 白濁の噴水。ベッドに仰向けになるパーモットは性器を握りしめ、狙ったかのようなタイミングで精を噴き上げる。パーモットの腹にはこの一度だけとは到底思えない量の白いぬめりが飛び散っており、部屋の空気も異様な生臭さで染まり切っていた。快楽に悶え荒い息をし続けること数秒。パーモットはようやく突然の来客に気が付く。

「ぁ……」

 モトトカゲも母親も、彼の変わり果てた姿には硬直するほかなかった。精液まみれの乱れ切った毛並みだけではない。品性に欠ける大人から猥談を振られた時も、恥ずかしそうに流すだけで逃げていたパーモット。そんな純粋な少年の姿はそこには無く、ただ性欲に狂う獣の姿だけが存在していた。全員が黙りこくり、時は流れたようで止まったようで。

「あの……何が……」

 ようやく沈黙を破ろうとしたモトトカゲだが、上手く言葉が出てこない。こんな行為に狂うなんて、何があったのか。相変わらず息が荒いままのパーモットだが、数秒の後にあのエンカウントを語り始めた。



 飛び込みの瞬間。既にパーモットの周りには大量のドラメシヤが飛び交っていた。彼らは一斉に引っ付くと、そのまま潮の流れを利用して瞬く間に沖合の難破船に連れてこられていた。噂には聞いていたが見るのは初めてという感動など全く無く、まずは暫し止められていた呼吸を戻すことに終始していた。

「活キのイイ、タマシイ……」

 ドラメシヤのものとは思えない、太く重い声。慌てて起き上がり臨戦態勢を取ろうとするも、ドラメシヤたちに押さえつけられ遅れた一瞬。床を抜けて現れたドラパルトはそのままパーモットを抱きかかえ。

「な、何なんだ、お前は!」
「キミのタマシイ、活キが良クて美味シそう」

 舌なめずりをするドラパルトに、パーモットの背筋が凍る。だが、もう状況は変えられない。ドラパルトの技のエネルギーで作り出されるドラメシヤたちは、パーモットの足搔きで打ち砕かれても次が現れる。

「くっ! 食い殺す気か!」
「ソレではタマシイがスグに無クなってしまうからな。セイエキを啜リ続ケた方がイイかもシれないと試シてみようと」
「は? 精液? ひっ!」

 パーモットがその言葉の意味を理解する頃には、一匹のドラメシヤがその細長い体をパーモットの股の間に捩り込ませていた。即座に擦られる性器。いくら普段恥ずかしがっていても、こうされてしまうと否応なく反応してしまう体。

「むー。コレは小サいカ」
「う、うるさい! ひゃっ!」

 こういった事の経験が皆無のパーモットは、瞬く間に出来上がってしまう。しかしまだドラパルトの小さな手にも十二分に収まるほどの状態だというのに、怒張の限界であると震え始めるそれ。指摘された悔しさに怒鳴る間もなく、いつの間にか股間の前に位置取っていたドラパルトの口の中に吸い込まれる。

「やぁあああんっ!」

 次の瞬間には裏返った嬌声を上げ、達していた。夢精すらしたことのない少年には刺激が強すぎたフェラチオ。吐き出した精は、彼のものには見合わない大きい口がしかしこれでもかと言う程丁寧に吸い上げていく。

「タマシイに相応シいセイエキ、美味」

 恍惚。視界が明滅と暗転を繰り返す中、彼方から聞こえてきた声。ゴーストタイプの種族の中には、生体ではなく精神霊魂を食する者もいるとは聞いたことがある。自分がゴーストタイプにとって活きのいい魂の持ち主であると思ったことは無いが、大人顔負けの腕前を持つにはそれだけの魂が必要なのかもしれないと思った矢先。

「ひゃんっ!」

 精液を一通り味わったドラパルトが、再びパーモットのそれを咥える。見下ろすその目線は、濃厚な精液への期待で既に狂っていた。精液は生命として全てを賭けた繁殖のためのものであり、生体から精神からその個体のあらゆる部分に通じている。一瞬で食い尽くして死亡させるよりも、こうして少しずつ染み出た魂を吸うことで長く栄養となってもらうというのがドラパルトの考えたことなのである。

「あああああああっ!」

 既にパーモットの思考は回らず、ただ堰を切ったようにドラパルトの口内に精を吐き出すだけとなっていた。瓦解するがごとき快楽は、全てを打ち捨てられる苦悶と一体となっており。せめて意識を投げ捨てられればもう少し楽だったかもしれない。だがドラパルトやドラメシヤたちの尻尾が全身の鋭敏な場所を探り当てては撫で上げ、容赦なく感覚を呼び戻す。遠のくことも許されない意識の中で、死ぬまで延々と吸い続けられるのだという絶望だけが鎮座していた。



 一週間が過ぎた。ドラパルトはパーモットが気絶するまで精を吸い続け、意識を失っている間にそばにあるダンジョンで野生のポケモンを狩って来て食事として与えていた。だが、パーモットの方は既に自身が生きているか死んでいるかの確証すら得られなかった。射精と食事にのみ終始する日々なのだ、仕方のないことである。

「フフッ、いよいよオ別レね」
「……」
「違ウわよ。捜索がココに入ルから、貴方を帰シてアゲるだけよ」

 パーモットは何一つ言葉も吐けなかった。いきなり連れてこられてこんなことをされて、だというのに恨みすら抱く気力もなかった。一方のドラパルトは、この一週間でどこか気力が前よりも満ちている様子が見て取れた。それなりの効果があったのだろうか。

「貴方のタマシイ、涸レ果テてる。今食ベ尽クしても大シたことナい。帰ッてタマシイを癒シて、マタ次を楽シみにしてる」

 パーモットの抵抗する気力が無くなった時点で、ドラメシヤは一匹も残らず消え去っていた。どうやら全て「ドラゴンアロー」の技のエネルギーで作った機体だったらしい。これだけ多くの「ドラゴンアロー」をここまで自由に扱える相手に抵抗したところで勝てるはずが無いと、どこかで悟ってしまったのだ。

「オ陰で思ワぬコトが知レたワ。貴方ガ癒サれるまでは他ヲ探シて……次モよろシくね」

 最後にあまりにも不穏な言葉を残してドラパルトも消え去り、完全に独りとなったパーモット。この一週間で身に染み付かされた感覚は、急に消えてもなおその余波が響き続けており。

「俺……」

 或いは助かったのかもしれない。だが、ドラパルトによる扱いに対し名残を惜しむように、相変わらず小さな性器の先端は震え続けていた。たとえ家に帰ることができたとしても、元の生活に戻ることなどできないのだろうということは予感させられていた。



「入院中は見られるからずっと我慢してたんだけど、出てきた時にはもう頭がおかしくなりそうになってて……」

 そこまで話したところで、パーモットの目から涙一つ。軽率に悪乗りをした自分への後悔、延々と与え続けられた屈辱、何よりも自身が壊れてしまった事……語る中で全てを理解したのだ。だが、体の感覚は待ってくれない。パーモットが意識するよりも前に、性器は再び鎌首をもたげ始めていた。あの快楽塗れの時間を忘れられず、もう一度という欲望がしがみ付いてしまっていたのである。

「……」

 モトトカゲはパーモットの性器を眺めること暫し。語られた内容も飛び出しているそれも理解を何処か頭が拒んでいる。だというのに。気付いた時には、モトトカゲはパーモットの性器にしゃぶりついていた。

「えっ? ちょっ! ひゃあああっ!」

 口内の湿り気に舌の柔らかさ、何よりも自分の感覚とは繋がってないものが纏わりついている。ドラパルトのとは比べるべくもないのだが、それでも出来得る最大の丁寧さで愛撫してくるそれにパーモットが耐えきれる間も無く。

「あ゛ああああああっ!」

 愕然として手を出せないまま見ているだけの母親の存在など、最早無かった。パーモットはモトトカゲの口の中にドラパルトの時のように精を放つ。

「ぅ……」

 モトトカゲはパーモットの精を丁寧に舐め取り、飲み下す。口を離すと性器はまた力無く垂れ下がる。快楽に喘ぐパーモットの姿を前に、次の瞬間にはどうしてこうなってしまったのかと涙を零し始めていた。




本当にどうしてこうなってしまったのでしょうか。自分です。
この作品は去年同様に、以前からキープしておいたネタを作品化したものです。
勿論短編大会のお題「えん」に合わせるために頭を巡らせはしましたが、すぐに「エンカウント」という単語が出たので即日エントリーするに至りました。そういう意味では大元のネタが前にあった上でのお題取り付けだったので、他の方と比べると「えん」要素が薄いかもしれません。もう少し練った方が良かったかもしれませんね。

作品自体は子供の頃に読んだ怪談作品のアレンジです。
内容としては「海で飛び込みをした少年が溺死。そうなるとは知らずに飛び込む瞬間を写した写真を現像して見たところ、海中から少年に向かって無数の手が伸びていた」というものです。
まあ、当時はスマホなどという未来道具はおろか、初代のポケモンすら存在してなかった時代かもしれない疑惑があるわけですが。とは言え撮った写真を即座に見れるという未来に至った今でもなお、その写真を見た時点で既に手遅れなのは変わらないですね。恐ろしいことです。

そして第9世代のポケモンにも衝撃的な子は沢山いましたね。自分が書くのが早ければ今回の前の大会でも使ってみても良かったのかもしれませんが、あの時は出したいものも既にあったのであれで良かったわけです。というわけで今回使わせていただきました。
やはり一番話題性が強いのは例の猫様のような気はしますが、自分はパーモットが衝撃的でした。
当初はパモが紹介され、例の電気ネズミ枠だと思い進化はしないだろうと高を括り、メンバーが決まるまでの空き枠に入れていたのですが、そうしたらまさかの進化。しかも二度も。これはピチュー以来の快挙です。しかも2度も進化したのに子供っぽさが満載。自分の手持ちに入れるにあたっては例によって♀なのですが、これはロリでもショタでも美味しい容姿だと衝撃を受けました。しかも専用技までしっかりと。見た目ロリショタなのにバトルでもいけるなんて最高じゃないですか。ついでにレッツゴーの際に泳いで水上の野生ポケモンを狩っていく姿も印象的でした。ここまでおあつらえ向きだったので、ショタとしてしゃぶりたくなるのはもう待ったなしだったのですよね。それが先述の怪談のくだりと超融合して、今回のような形になったわけです。
モトトカゲちゃんも顔が非常に良くて気に入りました。今回は当て馬状態となってしまったわけですが、あのつるぷにボディのえっちさもいずれ書けたらいいなと思います。

ちなみに大会公開時はガブリアス&パチリスのコンビは種族名すら登場せず、ただ「強盗」として扱わざるを得ませんでした。投稿時は9792文字(ワード換算)と既にギリギリだったため、泣く泣く削った次第でして。ただ、やはりあるのとないのとでは見せ場の有無で印象が大きく変わるパーモットくんに不憫さを感じました。ちなみに今完成した段階では14608文字あります。やはりもっと練った方が良かったかもしれませんね。

まあ、そんな感じに書かせていただきました。

それではまた別の作品でお会いしましょう。


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Last-modified: 2023-07-03 (月) 23:17:40
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