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赤い彼女二節

/赤い彼女二節

やっとつまらない話のところを抜けました。三節目もつまらないと思いますが…


「うぅ…もう7時か…3時間近く寝てたんだな…」
俺は伸びをしながらゆっくり起き上がる。電気をつけないで寝ていたので部屋の中はかなり暗かった。
「あれ…ラキは?ラキ?」
電気をつけ、そう言いながらふと目線をベッドにやると、ラキはすやすやと寝息をたてながら気持ち良さそうに眠っていた。きっと遊び疲れたんだろう。俺は軽く微笑むと、寝ているラキの頭を優しく撫でる。すると扉の向こうで物音が聞こえてきた。
「進一〜!ご飯できてるよ!」
扉の向こうから仕事が終わって帰ってきた母さんの声が聞こえる。
「今行くよ!」
俺は立ち上がるとラキを起こしにかかる。
「おい起きろラキ!飯だぞ!」
「うぅ…」
しばらく揺すったりしていると、ラキはまだ眠そうに目をこすりながらふらふらと立ち上がった。
「飯だから行こうぜ。」
「うん…」
俺は付けっぱなしで寝ていたインカムのスイッチを押し、机の上に置いた。そこに置いてあった携帯電話も取る。
「よいしょっと…」
俺はまだおぼつかない足取りのラキを抱き上げ、電気を消して部屋を出ていった。
「お、美味そうじゃん…」
リビングに入った途端、ミートスパゲティのソースの香りが鼻を刺激してお腹がぐぅ〜っと鳴る。
「そりゃ私の料理はいつも美味しいでしょ?」
母さんは自信満々に自分の作った料理を自慢する。まぁいつもの事だけど。
「さぁ、早く食べようぜ!」
俺は扉を閉めてラキを用意されているポケモンフーズの前に置くと椅子に座る。
これで家族4人全員が揃った。
『いただきます。』
かけ声と同時に俺は誰より早くスパゲティを口に滑り込ませる。
パルメザンチーズがミートスパゲティ独特のコクを引き出す…腹ペコの今の俺には最高峰の幸せだ。
「そういえば進一明日アルレ水島に行くんでしょ?」
「あぁ…親父にこき使われんのもこれで最後だ。な、親父?」
俺は携帯電話にきている浩二からのメールを見ながら言う。
「あぁ、男に二言はない。」
俺と母さんは親父の言葉を聞いて吹き笑いしてしまった。
「あんたがよく言うぜ!」
「ほんとにそうよ。」
俺と母さんは腹を抱えて笑う。爆笑されては流石の親父も無言になってしまい、黙々とスパゲティを食べ続ける。そんな雑談をしていても俺のスパゲティの減る速度は衰えず、あっという間になくなっていった。ちなみにラキの食べる速度もかなり早い。飼い主に似るとはこうゆう事なのだろうか。
「ごちそうさま。」
俺は飯を食べ終えると皿を流し台に置く。ラキの皿も食べ終わっていたのでついでに片付ける。
「じゃあ明日の準備すっから交通費とかは部屋の前に置いといて。」
俺がそう言うと親父は手でOKのサインをした。そのサインを確認すると俺はリビングを出ていく。後からラキもついてくる。
「さてと…そんなにいっぱい荷物は要らないよな。」
俺はとりあえずカバンにラティアスラティオス撮影用のデジタルカメラ、予備のフィルムも1ケースを入れた。
そして明日着ていく服の胸ポケットにメモ帳とボールペンを入れる。
「ん〜…ショックガンは持っていきたくないけど……未知のポケモンだからな…しかも2体…一応マガジン型バッテリーも2個持って行っとこう。」
俺は電撃出力レベルを最設定し、誤作動しないようにロックをかけてショックガンをカバンに入れた。更に念には念をでショックガンを放つのに必要な電気が含まれたマガジン型バッテリーを2個入れる。俺が外にショックガンを持ち出すのは初めてだ。
「財布は後で交通費を入れるとして、携帯は明日の朝使うから机に置いといて…インカムは今使うっと…」
とりあえず今準備出来る物の準備は出来た。
俺は財布と携帯を机に置いてインカムを耳に掛け、スイッチを押す。
「よし、風呂入るか。」
「わ〜い!待ってました!」
ラキは嬉しそうに俺に飛び付いてくる。
「おいおい!そんなにくっつくなって!後で行くから先に行っててくれ。」
「うん!早く来てね!」
俺がラキを下におろすと大はしゃぎで風呂場に走って行った。全く風呂の何が楽しいのか俺には分からなかった。俺は着替えと俺のバスタオルとラキのバスタオルを持って風呂場に向かった。
「早く早く!」
風呂場に着くと脱衣場でラキが早く風呂に入りたくてうずうずしている。
「わぁったわぁった…落ち着けって…」
俺はとりあえず蛇口をひねりシャワーを出す。するとラキは一気に飛び込んでいく。
とりあえず俺も脱衣場でいったんインカムを外すと服を脱ぎ、再びインカムをつけて風呂場の椅子に座った。
ちなみに耳に掛けているインカムは地味に防水性だ。
「あ〜、明日だりぃなぁ…最後とはいえやっぱりアルレ水島はキツいっての…」
俺はラキを洗うスポンジにシャンプーをつけながら1人で愚痴る。
「でもボクは進一との冒険楽しいよ?」
「だから冒険じゃ…それに出来れば避けたい事なんだけど、未知のポケモンとの戦闘になるかもしれないんだ。気を付けていかないと。」
俺はシャワーを止め、ラキの体を洗い始める。するとどれだけ気持ち良いんだか…ラキの表情が段々ぼけ〜っとしてくる。
「う〜ん…大丈夫でしょ…」
そう言うラキだったが、やる気のない声、寝ぼけた表情、はっきり言って全く説得力がなかった。
「いや…はは、そんな表情で言われてもなぁ…」
俺は思わず苦笑いしながらシャワーの蛇口をひねる。
「ふぅ〜、さっぱり!」
俺がラキの体についた泡を洗い流してやると一匹で勝手に脱衣場に戻っていく。
「ったく!なんでもかんでもマイペースな奴だなこの野郎!」
俺もシャワーを止めると急いで脱衣場に行く。
「早く体拭いて!」
「うるせぇっつうの!今拭いてやるから黙ってろ!!」
俺はそう叫びながらラキの体を拭いてやる。
拭き終わるとまた一匹で脱衣場を飛び出して行き、俺が戻る頃には部屋で寝ている。ほんとにマイペースな野郎だ。
「ったく…元気な奴だぜ。」
そんな独り言を言いながら、インカムを外して再びシャワーを出し、自分の体を洗い始める。
「ふぅ〜、さっぱり。」
俺が風呂からあがると部屋の前には往復交通費の4500円が置かれていた。
俺は金を拾って半開きの部屋の扉を開くと思った通りラキが床の小さなベッドの上ですやすやと眠りについていた。
「やっぱりな…」
俺はラキを起こさない様に廊下のかすかな明かりで財布を取り、金を入れた。そしてそのままその財布をカバンの中に入れる。
そして物音をたてないようにゆっくり扉を閉めてリビングに向かった。
「あ、今面白い番組やってるよ。」
リビングには母さんがテレビを見ていた。親父はどうせ2階でポケモンの研究でもしてるんだろう。
「あぁ…わりぃ、俺もぅ寝るわ。」
「えぇ、もう寝るの?まだこんな時間よ?」
母さんが時計を指差す。時刻は9時52分。確かにいつもの俺にしてはかなり早い。
「明日は色々だるそうだからさ、早めに寝とくわ。」
そう言って俺は流し台の横にある歯ブラシを手に取った。
「あっそう。」
母さんは再びテレビに目を向ける。
そして俺は歯ブラシに歯みがき粉をつけ、歯を磨く。
歯磨きを終えると俺は再び部屋に戻り、廊下の明かりで目覚ましのアラームを7時50分に設定した。
「おやすみ。」
俺は部屋の扉を閉めてベッドの上で眠りについた。

─次の朝─

ジリリリリリッという目覚ましの音で俺は飛び起きた。
「ふあぁ…あんだけ寝たのにまだねみぃし…」
俺は大きなあくびをしながらふと視線を下にやると目覚ましの音など気にもせずに眠り続けているラキの姿があった。
「何でこの大音量でも起きないのかねぇ…」
俺は目覚ましを止めるとインカムをつけ、いつも通りラキを起こしにかかる。
「おい、朝だ。起きろ。」
「んん〜っ…」
しばらく揺すっているとラキは大きく伸びをしてゆっくり起き上がった。
「今日はアルレ水島に行くからな。しっかりしろよ。」
俺は携帯電話を見ながらラキに言う。
「あ!そうだった!早く行こうよ!」
ラキは俺の言葉を聞いただけでさっき起きたとは思えないハイテンションになって俺を急かす。
「だーッ!うるせぇっつうの!!まだ着替えてねぇし飯食ってねぇだろうが!!」
俺は怒鳴りながら携帯電話を再び机の上に置くと急いで着替え始めた。
「ぶ〜!分かったよう!」
ラキは俺に怒られ、ちょっとスネたようにその場に座りこんだ。
「よし、じゃあ朝飯だ。」
「ご飯〜!ご飯〜!」
俺は着替え終わると携帯電話をポケットに入れ、カバンを持ってリビングに行く。ラキも後からうきうきしながらついてくる。
「おはよう。おにぎりできてるよ。」
母さんは早めに起きてテーブルの上におにぎりを3つ作ってくれていた。床にはラキ用のポケモンフーズ。親父はどうせ寝てるだろう。
「わ〜い!」
ラキはポケモンフーズを見つけると猛ダッシュでかぶりつく。
「いただきま〜す。」
俺も手を洗うとインカムをとって椅子に座り、おにぎりを食べ始める。食欲のない朝でもこれくらいならすぐに食べきれる。
「ごちそうさま。」
俺は食べ終えると食器とラキの皿を流し台に片付けて、歯を磨き始めた。
「グルゥ〜!」
後ろからラキが早くしろと言わんばかりにズボンを引っ張ってくる。口の中は泡まみれで喋れないから
「黙れ」
の意味でラキの頭を軽くどついた。
「グッ!」
ラキは頭を抑えながら俺を睨んでくる。俺は無視して口の泡を洗い流した。
「よし、じゃあ行くか。」
俺は再びインカムをつけ、ラキを入れる為にモンスターボールを取り出した。
「え〜、またボールの中に入るの?」
ラキはモンスターボールを見ながら文句を言う。
「しょうがないだろ?自転車のカゴには荷物を乗せんだし、電車にも乗るし。アルレ水島に着いたら出してやるよ。」
「分かったよう…」
俺はラキがそう言った瞬間インカムの電源を消してモンスターボールのボタンの部分をラキに向ける。するとボタンから赤い光が照射され、ラキの体を包み込み、モンタボールに戻る。
そしてモンスターボールのボタンを押して小さくすると腰のベルトにしまった。
「じゃあ行ってきます。」
俺はカバンを背負ってリビングの扉に手を掛けた。
「行ってらっしゃい。」
母さんがテレビを見ながら言う。
俺はリビングを出ると玄関に行き、愛用の靴に履き替えてドアノブに手を掛けた。
「これで最後だ。」
そう言って俺は玄関の扉を開けて外に出ていった。


赤い彼女三節へ続きます。


つまらないところの話でしたが感想や指摘があればお願いします。



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Last-modified: 2013-03-11 (月) 00:00:00
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