遅刻狸の第三回仮面小説大会官能部門参加作品
『からたち島の恋のうた・豊穣編』
~血脈の赤い糸~
※注意
・本作は第三回仮面小説大会エロ部門投稿作品です。大会時には完成が送れてしまいご迷惑をおかけしてすみませんでした。
・当然ながら官能描写があります。近親相姦、口戯、精飲などの場面がありますので苦手な人はご注意ください。
「坊やかい? マネージャーの言っていた弟子入り志願の仔っていうのは」
応接室に入るなりソファーの上の影に声をかけると、その仔はピョコンと跳ね上がってあたしの方を向き、丁寧にお辞儀をした。
「は、はい。よろしくお願いします! えっと、ラブリュス、さん……?」
「ふふ、いかにもあたしこそ、このヒウンシティが世界に誇るトップダンサー、ポケモンコンテストインターナショナルカップ銀メダリスト、Love・竜・ダンサーことオノノクスのラブリュスさ」
緊張におののく瞳で見上げる相手に対しわざと威圧的にふるまってみせながら、あたしはそのキバゴの坊やを鶏冠から尻尾までじっくりと値踏みした。
やれやれ、今夜は舞台があるっていうのに、突然尋ねて来た弟子入り志願者と応接室で会えだなんて、うちのマネージャーもよくそんな気の利かないことをしてくれるものだ。どうせなら寝室に上げておいてくれればいいものを……いやいやいや、そんなことをしていたらそれこそ舞台に響いてしまうわけだが、しかしそんな誘惑に駆られたくなるほど実に可愛らしい美少年だ。青銅色に光るツンと立った鶏冠、賢さを宿した紅玉の瞳、背筋から尻尾へと続くあどけないながらも流れるようなラインは、やがて成長してオノンドやオノノクスへと進化した時さぞ美しいプロポーションを形成するであろうと予想させる。頬から突き出した牙こそまだ乳歯だったが、丁寧に磨かれたその輝きから育ちの良さも伺い知れた。
……あの頃の〝彼〟を同じように見下ろしたら、この仔とどちらが可愛いのだろうか? 彼に対してはあたしはいつも見上げるばかりで凛々しさと逞しさしか見てこなかったけれど、おとなたちから見れば彼だって相当に……
おっとっと。いけないいけない。
別れてもう何年にもなるっていうのに、ちょっと可愛い同族の雄の仔を見るとついつい彼と比較してしまう。未練がましいったらありゃしない。彼は彼、この仔はこの仔。ちゃんとこの仔がどんなキバゴかを見てあげないと。
「それで坊や、あんたの名前は?」
「あ、申し送れました。僕ソウリュウシティから来ました、ハルバードっていいます!」
「へぇ、同郷かい。ハルバード……斧の刃のついた槍のことだね。雄らしい勇壮な名前だねぇ」
頬を染めて俯くハルバード坊や。照れる仕草も可愛くて堪らない。それに声も素敵だ。
あらやだ。またあたしったら彼のことを……
あれ、でも、本当に似てる。
ちょっと待っとくれよ。言葉遣いとか全然違うのに、声だけが、声の響きだけがこんなにも似て聞こえるなんて、こんなこと……?
身を低くして視線を下げ、もう一度彼の顔を覗き見る。
うそ。
やっぱり、似てる。
いや、そっくりだ。瓜二つだ。
むしろそのものだと言ってもいいぐらいだ。
なぜ、この仔はこんなにもキバゴの頃の彼に酷似しているの……!?
「あんた…………」
怪訝な声を上げかけた理由を、ハルバード君は察したのだろう。急にあたしに向かってにっこりと微笑んだ。
「あなたのことは、父と母から色々と伺いました」
「!?」
瞬時に。
心の奥底にしまい込んでいた、ある情景が浮かび上がった。
「ソウリュウから来たんだって言ったね。まさか、それじゃもしかして、あんたの父親っていうのは……」
「はい」
懐かしい声と同じ響きを奏でて、ハルバード君は言った。
「僕、トマホークとタバールの息子なんです。つまり、」
――――!!
予想通りの事実に、あたしの心は打ち震えた。
突如突き付けられた、忘れたくても忘れようのない2つの名前。
最も愛しい者の名と、最も憎むべき者の名。
その2匹の仔ってことは、つまり、この仔はあたしの、
「あなたの孫です。お祖母さま!!」
お、ば…………!?
ガアァァァァン!!
と音を立ててあたしはつんのめり、大理石の机に牙を炸裂させた。
「お、お祖母さま!?」
ビックリした声を上げて、ハルバード君が心配そうに覗き込む。
「だ、大丈夫だよ……へぇ、そうかい、そうだったんだねぇ……」
タバール……あの泥棒娘!!
あたしから最愛の雄を奪った揚げ句、言うに事欠いてあたしを〝お祖母さん〟にしたんだってぇ!?
認めない……!
そんなこと、断じてあたしが認めるものか!!
「もう一度、聞くけどさ。〝トマホークの息子〟なんだよね、あんた……」
牙を机にめり込ませたまま、あたしは上目使いでハルバードを睨んで聞いた。
「え? あ、はい」
「なら聞いていないのかい? トマホークは、あたしの……っと」
ようやく力任せに牙を机から引き抜いて、今度はしっかりと正面から睨みつける。
「双子の、兄だったってことは?」
「えぇ、もちろん聞いていましたけど……あっ」
どうやら、言いたいことを察してくれたようだ。
出来れば〝お祖母さん〟呼ばわりする前に察しておいて欲しかったけど。
「さぁ、もう一度聞かせておくれよ。あたしは、あんたの、何だって!?」
じっと瞳を見詰め、一言一言、刻み込むように問いかける。
たちまち申し訳の無さそうな顔をして、ハルバードは頭を下げた。
「ど、どうも失礼しました! えっと、叔母、さま……?」
「んん~~…………」
少し小首を傾げて考えるような仕草をし、ハルバードの困惑した顔を存分に楽しんだ後、
「……よろしい!」
にっこりと笑いかけてあげると、彼も釣られて顔を綻ばせた。
あんなに困った顔をされると、あたしの方が申し訳ないよ。
あたしの孫だというのだって、間違いというわけではないんだからね。
ただ、あたしが認めたくない、ってだけの話で。
○
「それでさ、トマホークは今でも相変わらずお盛んなのかい?」
「えぇ、父も母もとても元気でいます」
実に仔供らしく無邪気に答えるハルバード。ほんと初々しいねぇ。そういう意味で聞いたんじゃないって言うのに。
「別れた時はまだ私もあんたの両親もみんなオノンドだったけど、もう2匹ともオノノクスに進化してるんだろう? 元からいい雄だったんだ。さぞトマホークは立派な姿になっているんだろうねぇ」
「はい……よく似ていらっしゃいますよ、叔母さまとも」
ふふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。
「それでもし、トマホークが昔のままだって言うのなら、さぞタバールの奴は苦労が絶えないんじゃないのかい? さっき相変わらずかって聞いたのはそういう意味だったんだけどね」
「あ……」
ちゃんと意味は通じたらしく、ハルバードは気まずそうに俯いた。
「父と、その……仲良くなった雌のかたが、ある日突然僕たちを避けるようになったりとか……酷い時にはあちこち包帯を巻いていたりとか、そういうことは常々……」
「あっはっは! そうかいそうかい、ほんっとうに変わってないんだねぇトマホークも!」
息子である坊やには悪いが、あたしとしては大いに溜飲が下がった。いい気味だよタバール。型破りな浮気者を夫に持つのは大変だろう? しかもあんたはトマホーク自身には決してその牙を向けられない。妹であるあたしでさえそうだったんだ。あんたは尚更だろう。せいぜいあたしと同じ苦しみを味わい続けるがいい!!
「それにしても、あいつらよくあんたがあたしのところにくることを許したもんだねぇ。そもそも、あたしとの関係をあんたに話していたってことからして意外なんだけど」
「はい。僕も最近まで、両親の関係もあなたのことも、何も知りませんでした」
頷いて、彼は話し始めた。
「丁度半年ぐらい前、父の部屋でビデオを見つけたんです。そこに……」
「おや、えっちなビデオでも探してたのかい?」
途端に坊やは真っ赤になって顔を覆ってしまった。あちゃ、からかい過ぎたか。失敗失敗。
「ごめんごめん、いいんだよ雄の仔にとっちゃ通過儀礼みたいなもんだろ!? あたしもよくトマホークに父さんの部屋の探索や発掘品の鑑賞につきあわされたもんだよ」
「……そんなことしてたんですか?」
「あー……それは置いといて、そのビデオにあたしが映っていた……そういうことなんだね?」
危うく盛大に墓穴を掘りそうになったので、強引に話を元に戻す。
「はい。録画したテレビ番組を編集したものでしたが、コンテスト大会での主なご活躍が一通り」
「そっか……ちゃんと見ていてくれていたんだねぇ……」
あたしがテレビで放送されるような大きなコンテストで活躍出来るようになったのなんて、別れてからのことだっていうのに、ずっと。
ちょっと嬉しい。ううん、凄く嬉しいよトマホーク。
「衝撃でした。父にも母にもよく似ているオノノクスが、テレビで放映されるような大舞台で、この世のものとは思えないほどの美しい舞いを披露していたのですから。僕も独学で舞いを踊っています。ラブリュスさんがどれほどの高度な技量を振るわれているのかそれなりに理解出来ました。だからビックリして、部屋をかってに探したことを怒られるのも覚悟で父にあなたのことを問いただしたんです」
「で、罰として竜の怒りを喰らったろ?」
トマホークも悪戯が見つかった時はそうやって父に怒られたものだ。案の定苦笑いしながらハルバードはそこを打たれたのであろう額を撫でた。
「はい。でも、ちゃんと話してくれましたよ。あなたのことも、父さんや母さんとの関係も、昔何があったのかもおおよそは。即座に僕はあなたに会いたいと、会って舞いを習いたいと意志を伝えたんです」
「それで、許しをもらえたんだね?」
「はい。最終的には、ですが。父は母を僕が説得出来たら行ってもいいと言ってくれたんです」
「え、ちょっと待った。あたしのビデオをトマホークが隠し持っていたことを、タバールは知っていたのかい?」
ふと怪訝に思ってあたしは尋ねた。あたしだってタバールの写真など一枚残らず彼女の写っている部分だけ奇麗に切り抜いて八つ裂きにして根絶してやったものだ。嫉妬深さじゃ引けを取らないタバールに限ってトマホークがあたしの、それも現在活躍している映像を録画保存することを許すなんて到底考えられないことだった。
「あ、いえ、その辺は町であなたの映像を見かけたことにして、父にも口裏を合わせてもらいました。そうでなければあの母のことです。意固地になって僕のあなたへの弟子入りなんか認めてはくれなかったでしょう。実際それでも反対されましたが、元々母も僕の舞いを気に入ってくれていましたし、それをより上達させるためと腹を割って話したら認めてくれました。ただ、行くのなら独りで行くように、と言われましたが」
まぁ、当然だろうね。タバールとしてもあたしに会いたくもなければトマホークを会わせたくもなかっただろうし、親の尻尾に隠れながらでないと来られないような弟子入り志願者なんざあたしだってお断りだ。
「そうかい……やっぱり暴力沙汰になっちまったかい」
「『腹を割って話す』という言葉を相手のお腹を叩き割って言うことを聞かせるという意味で使っているのは母さんと叔母さまぐらいなものです!」
「ははは、冗談だよ冗談」
……聞き返しもされずに突っ込まれるとは。よっぽど頻繁にそういう意味で使ってんのを聞いてんだね。つくづくいい気味だよタバール。
「話しは分かったよ。ところでさ、あんた独学で舞ってたんだって? ちょっと見せてもらいたいねぇ」
きりっと表情を引き締めて催促すると、再びハルバードは身におののきを纏わせた。
「今から、ですか……?」
「そりゃこれから師事を与えるんだ。下地を知っておかなきゃ話しにならないだろ。ビビってんじゃないよ。プロのダンサーになったら直接の観客だけでも何百何千、テレビで見ている奴も含めりゃ数え切れない視線を浴びながら踊ることになるんだ。あたし一匹に怖じけづいてどうするのさ。技だけでなく、度胸も見せてもらいたいもんだね」
腕を組んで不敵に微笑んでみせると、相手もまたおののきを咬み殺して微かに笑い返す。
「ご覧にいれますよ。僕の舞いも、度胸も」
いい顔だ。そうこなくちゃ。
○
軽やかなリズムに乗ったステップの上で、可憐に広げた両手と鶏冠が風を切る。
タイミングよく地面を蹴り、宙を舞うその姿はまさしく、桜舞うこの季節に似合いな春の
いい筋だ。なかなかに魅せてくれる。独学でよくぞここまで技を磨いたものだ。
だけど……
「い、いかがでしたか?」
舞いを終え、息を切らせて尋ねてきたハルバードに、あたしは。
「まだまだだねぇ」
と、静かに首を振った。
「身のこなしは立派なもんだ。けれどまだセンスだけで踊ってる。魅せてはくれるが引き付ける物が足りないって感じだね。ま、その齢でそれだけ舞えるのは大したもんだけど」
ひたすらクールな批評を、あたしは彼に下した。
笑みが滲み出ることを、完全に押さえることは出来なかったが。
まったく、この仔はまだまだだ。
鍛え上げれば、まだまだ伸びる。
なんて大きな粗削りの原石。丁寧に磨いて技巧を尽くしてカットしてあげれば、どれほどの輝きを放つ宝石に仕上げられることだろう。
「そうですか……」
しょんぼりとしてしまった顔を見て、押さえていた笑みを緩める。
「しょげることはないさ。第一審査は合格だからね」
はっとハルバードは顔を上げ、頬を輝かせた。
「あ、ありがとうございます……え、でも、〝第一〟……?」
「あぁ。もう一つ審査を合格したら弟子に向かえてやるよ」
本当はもう心は決まっていたが、簡単に認められたと思ってもらっては増長につながりかねないし、第一こっちも面白くない。もう少しこのネタで遊んでおきたかった。
「あんた自身の腕のほどはよく分かった。だけど弟子にするとなると腕前よりも必要な能力がある」
「と、言うと……」
固唾を呑んで見詰める視線に、威厳を込めてあたしは答えた。
「知れたことさ。あたしの舞いを見て耐えられるかどうか、だよ。一差し舞っただけでまいっちまってたら扱くどころじゃないだろう? 言っとくけど、ビデオで見たぐらいで耐えられると思ってんじゃないよ。生のインパクトはビデオとじゃ比較になんないからね。丁度今夜あたしの舞台があるんだ。特等席を用意してやるからしっかり見ておきな。ひと舞台が終わっても平気を保っていられたら面倒を見てやるよ」
話しを進める度に、ハルバードの瞳が爛々と光を増して行く。
「ね、願ってもありません! 観賞させてもらいます! ……すみません、舞台がある日に押しかけちゃうなんて」
「ふふ、かまいやしないさ。こんな可愛い甥っ仔に来てもらったんだ。気合が入ったってもんだよ。さてと」
漲った気合を纏わせて、おもむろにソファーから腰を上げる。
「そろそろ牙の手入れを始めないとねぇ。それじゃ、覚悟して見るんだよ!」
「は、はい!」
元気のいい返事に尻尾を振って答え、あたしは応接室を後にした。
○
応接室を出て、調整室へと向かおうとした途端。
「尻尾が踊ってるわよ」
背後からかけられた声を聞いて、このまま振り向かずにドラゴンテールをぶちかましてやろうかと本気で思った。
「この極悪マネージャー!! 舞台当日にこんなサプライズかますなんて何考えてんだい! 本番に響いちまったらどうしてくれるのさ!」
我が親愛なるトレーナーにして踊り手としてのマネージャーでもある彼女は、銀縁メガネの下を小憎ったらしくもニコニコさせてあたしの怒声を受け流した。
「まぁ、いい響きにして奏でてくれることを期待しているわ。お孫さんの前だもの、みっともない舞台には出来なくなったでしょう?」
「甥よ甥。〝トマホークの息子〟だもの」
「あらあらいつまでも往生際の悪いこと。お祖母さんと呼ばれて腹を立てる年齢でもないでしょうに」
「年齢の問題じゃないんだよ。ただ、事実だと分かっていても認められないこともあるってだけの話さ」
「でも、それだったらタバールはあなたの義理の姉ってことになっちゃうんだけど、それはいいの?」
ぐっ……痛いところを突かれた。それこそ認め難い事実には違いないのだ。
「ふん……別にかまいやしないよ。兄といってもトマホークとあたいは双子だし、姉といってもタバールはあたしより遥かに年下なんだからね」
「そりゃ年下でしょうけどねぇ。年上なら年上らしくいい加減事実を受け入れればいいでしょうに」
「余計なお世話だよ! とにかくあの仔は、今後うちで弟子として引き取ることにしたからね。いろいろと世話してやってちょうだい!」
もうひと審査するとは言ったが、ハルバードを逃がすつもりなんて更々ないのだ。タバールはいい仔を産んでくれた。あたしの産んだ出来損ないなんかよりずっといい仔を産んでくれた。あいつに向かって直接そう言って褒めてやりたいぐらいだ。何を考えて息子があたしの元に来ることを許したのかは知らないが、しっかり可愛がってやるから安心するがいいよ。
「ところで、今日の舞台をあの仔に観戦させてやりたいんだけど、最前列なんて空いてないよね?」
「当たり前でしょう。どれだけお客さんが入る予定だと思っているの? 見せたいんだったらステージ袖からでも……」
「いいよ、当てはあるから。ライブキャスター貸して」
黒地に緑の縁の入った折り畳み式のライブキャスターを受け取ると、今日来る予定になっている古なじみの番号を打ち込む。
「まだこんな古い機種使ってんの? そろそろ買い変えたらどうよ」
「今度の夏モデルでいいのが出るって話だからそれ待ちなのよ。それより顔を近づけ過ぎて、牙で傷を付けないように注意してよ」
「するかそんなドジ! ……あーもしもし、〝キャニオンの虹〟君? あたし、〝Love・竜・ダンサー〟だけど」
液晶画面に映し出された相手と通り名で呼び合って、あたしはその昔のダンス仲間に相談を持ちかけた。
「招待しておいて悪いんだけどさ、今日の舞台、トレーナーさんの膝の上で見てくれないかなぁ。実は親戚の仔が急にあたしのところに弟子になりに来ちゃったんで、どうしてもその仔に本番を最前列で見せてやりたいんだよ。もう席も空いてないし、頼れるのはあんたぐらいしかいないんだ。頼むよ。その代わりと言っちゃ何だけど……」
仕草と声に艶を乗せて、画面に向かって囁きかける。
「今夜、あんたの下で踊ってあげるからさ。いいだろ?……え、もうカノジョがいる? そいつぁおめでとさん。でも連れて来ているわけじゃないんだろ? だったらちょっとぐらい火遊びしていったっていいじゃないか。バレやしないよ。そうそうその意気だ。悪いね無理言って。じゃあ、また今夜」
通信を切ったライブキャスターを折り畳んで返すと、マネージャーは呆れ返った表情で肩を竦めた。
「つくづくお盛んね。ほんと、孫がいる年齢とは思えないわ」
「何とでもおいいよ。こちとらフられて独り身なんだ。楽しまなかったら損ってもんだろ?」
失った恋に操を立てるような慎ましさなんぞ、あいにくとこちとら持ち合わせちゃいない。肌寂しさを慰める遊び相手に不自由はしてないさ。心の寂しさだけは、どうしようもない時もあるけどね。
もう一度応接室の戸を振り返る。
その奥にいる少年に、その面影が呼び起こすかつての恋に想いを馳せながら、あたしはマネージャーに言った。
「今夜は救急車を多めに待機させといとくれ。観客全員悶絶させるつもりでぶっ飛ばすからね!」
○
●
この世に生まれ落ちた瞬間から、あたしたちは一緒だった。
卵の殻を破った瞬間なんて誰も覚えていないってみんな言うけれど、あたしは鮮明に思い出すことが出来る。
ライモンシティの駅の構内で孵化したあたしが、生まれて初めての光の中で真っ先に見たのは、父でも母でもブリーディングトレーナーでも、卵を温めてくれていたウルガモスさんの顔でもなく、ほんの数刻前に卵から孵ったばかりの兄の顔だったのだ。
その瞬間から、あたしにとって兄、トマホークは絶対の存在になった。どこへ行くにも、何をするにも、いつだってあたしは兄について行っていた。
優しく、漢らしく、頼りがいがあって、いつでもあたしの憧れだったトマホーク。けれどやがて時が流れて互いに大きくなるにつれ、兄はあたしを困らせるようになってきた。
そう。あたしの兄は型破りだったのだ。
●
「捕まえた」
「きゃっ!?」
背中からぎゅっと抱きすくめられ、あたしは思わず悲鳴を上げた。
胴を抱え込んだ兄の腕が、首筋を、胸元を、腹を撫でまわす。
「やっ、やめ……っ!? あぁっ、くすぐったい、放してぇっ!」
必死に哀願するも兄は聞き入れず、容赦のない指を下腹部へと這わせて行く。
「だ、駄目ぇ、そこは触らないでぇっ! いやぁぁんっ」
「どうしてだい? 前は嫌がったりしなかったのに。ラブリュスだって僕のを喜んでいじくっていたじゃないか」
「そ、そうだけど……でもぉ……」
確かにもっとずっと幼いころは、お互いの身体に違うところがあることがただ純粋に不思議で、面白がって周囲の目の届かないところで見せっこしたり触りっこしたりもしていた。だけど成長に従って秘部の感覚が発達して鋭敏になるとともに、あたしの心には羞恥心も芽吹き始めていたのだ。
「もぉ駄目なのぉ……許してよぉ、トマホーク……」
「そんなこと言わないで触らせてよ。ラブリュスのここ、触ってるととても気持ちがいいんだもの」
双子だというのに、兄はまるで童心のままに恥じらいの壁を破ってあたしに接してきた。キバゴのままの幼い受け口*1を指がなぞり、柔らかな秘肉をこじ開ける。
「あぁぁぁぁぁぁ……っ」
振り払おうにも腕に力が入らない。切ない悶え声を上げながら、あたしは兄の成すがままにもてあそばれた。
股間に脈動的に刻まれる刺激に堪え切れず、膝が砕けて倒れこむ。
火が点いたように熱く火照った受け口のために尻尾を下ろすこともままならず、四つん這いになって尻を突き出した格好を取らざるを得なかった。
喘ぐ肩越しに振り返ると、真紅に燃える兄の視線が、尻尾の付け根に釘付けになっていた。
「やだよぅ……恥ずかしい。見ないでぇ……」
か細い声を上げてすすり泣くことでしか、あたしはもう抵抗出来なかった。
そのままトマホークに受け口を断面の奥深くまで眺め尽くされ、両手の指で好き放題にまさぐられ、いじくられ、もてあそばれまくった。
「もういいよ」
ようやく解放され、緊張の糸が切れてへたり込んだあたしがしゃくりあげて泣いていると、優しい温もりが背中をそっと撫でさすった。
「ごめんね。もうしないから元気出して」
いつも、こんな調子だった。
どんなに酷い悪戯をされても、愛しい笑顔で優しく包まれただけで何もかも許さざるを得なくなってしまうのだ。
あたしにとって兄トマホークとは、それほどまでに絶対の存在だったのだから。
例え、
「本当に……本当に、もうしないよね?」
「うん。しないよ。今日はもう、ね」
そうだと分かっていても、許さざるを得ないのだった。
●
当初あたしたちは、ブリーディングトレーナーの在所であるソウリュウシティに父母とともに住んでいた。
やがてあたしたちが成長すると、兄ともども南の港町ヒウンシティに住むトレーナーの少女のもとで修行を始めた。
その頃になっても、兄の悪戯癖は直らなかった。
日に日に荒々しさを増していく吐息が、恐ろしくって仕方がなかった。
兄のそこは悪戯の度に熱を帯びて膨らんでいたが、決してそれを受け口に打ちつけようとはしてこなかった。父の寝床の下から見つけた本を一緒に見ているので使い方を知らないはずはないのだが、今はまだまぐわい合うよりあたしの感触と反応を指で楽しんでいたいだけのようだ。
とはいえこのままでいたら、いずれ性的に成熟した兄にあたしの恥じらいどころか処女まで型破りされてしまうのは時間の問題だった。
兄のことは尊敬し、崇拝していた。異性として好きだったと言ってもいい。もし恋ポケとしてあたしを求めてくれたのならば、兄妹の関係など構わず喜んでこの身を捧げたことだろう。
けれどそれでも無理矢理に身体を掻き回されるのは嫌だった。このまま辱められてしまったら、兄のことを嫌いになってしまいそうで怖かった。
取り返しの付かないことになる前に、どうにかしてこの関係を変えなければならなかった。
ソウリュウシティにいた頃、あたしは悪戯を受けていることを誰にも相談出来なかった。もし父母やトレーナーに知られたら、彼らは兄をあたしから引き離すことで事態の解決を図りかねなかったからだ。兄を失うぐらいなら黙って悪戯をされ続けた方がましだったし、別れれば済むぐらいならヒウンにまで一緒に来てはいない。
だけどもう、あたしだけで悩んでいたら犯されるのを待つことしか出来そうにもない。思い切って現在のトレーナーに全てを打ち明け、知恵を借りてみることに決めたのだった。
●
「色々複雑だけれど、つまりこういうことよね」
銀縁のメガネをツッと持ち上げて、彼女は言った。
「あなたはトマホークに自分を、玩具として性欲の捌け口にするのではなく、一匹の生きた雌として愛して欲しい……そう思っているわけでしょう。違っていて?」
あたし自身整理の付いていなかった自分の感情を的確に指摘され、そうだったのか、と思わず納得した。
あたしはそんな風に、そんなにも、トマホークのことが大好きだったのだ。
「変……かな? 兄妹で恋ポケになりたいだなんて」
「好きな相手にならレイプされても喜ぶようなマゾヒストより、真っ当な恋愛関係を築きたいって言ってるあなたの方がよっぽど健全よ。例え相手が近親でもね」
クスッとした笑い声とともに、自信に満ちた瞳が輝く。
「大丈夫、手はあるわ。要は身体に触れるまでもなく夢中になるぐらい、あなたの雌としての魅力を見せつければいいのよ。私に任せなさい。
●
かくして、あたしは
効果は覿面だった。目の前で一差し舞って見せただけでたちまちあたしの虜になったトマホークは、それ以来舞いを踊ってさえやればおとなしくじっと鑑賞しているようになり、舞いの邪魔をすることになるのを嫌がったのか変な悪戯もしなくなっていった。
嬉しかった。恥ずかしいところではなく誇れるあたしを見てもらえることが。奪われるのではなく、分かち合えることが。そして何より、大好きな兄をこれまでよりももっと喜ばせてあげられることが。
もっともっと兄を喜ばせてあげるため、あたしは本格的に踊りを学ぶことにした。トレーナーもダンスのジムに挑戦させてくれたり、舞台を手配して魅せる踊りの経験を積ませてくれた。上達し、新しい技を披露する度にトマホークは喜んでくれた。それが嬉しいから、あたしももっと技を磨いていった。
●
その夜も、あたしは兄のために舞っていた。
「あぁ、素敵だよラブリュス…………」
壁にもたれ、夢見心地な瞳でうっとりとあたしを見詰めるトマホークが感極まった声をあげる。
その声に向けて、喜びで彩った微笑みを返し――
――――!?
ふとあたしは、それに目を止めた。
「? あ…………っ!!」
あたしの視線に気が付いたトマホークは、あわててそれを手で隠した。
けれど見逃してあげるつもりはない。ステップのリズムをそのままにして視線を引き付けながらあたしは彼へとにじり寄り、舞いの流れのままにその手を払いのけた。
まさかり*2が、鞘袋の口を割って屹立していた。
幼い頃、鞘袋を開けて見せてもらって以来久しぶりに見るトマホークのまさかりは、雄々しく、逞しく、猛々しく成長していた。
この身をもてあそばれていた時でさえ一度も鞘袋から抜かれることのなかった彼のまさかりを、あたしの舞いは剥き出しにさせたのだ。
そっと手に取って、熱い脈動を確かめる。
頬を真っ赤に染めて、トマホークは俯いた。
いつの間にか兄の心には、恥じらいが幕を下ろしていた。
けれどあたしは舞いの動きで加速した指先をまさかりにまとわせ、そのベールを引きはがしにかかった。
仕返し、などと考えていたわけではない。
ただただ、トマホークが欲しかった。
あたしの舞いに魅了されてさらけ出した身を恥じらう兄の姿は、それほどまでに魅惑的だったのだ。
ショッキングピンクに張り詰めたまさかりを、撫で、扱き、口付けて舌を這わせると、それは更に固さと大きさを増して誘うように弓なりに反り返る。
受け口からこぼれた熱い雫が、内股を伝って落ちるのを感じた。
もう、我慢出来なかった。
へたりこんだトマホークの上に馬乗りに跨り、まさかりの刃を受け口の奥へとあてがう。
はあ……っと上気した息吹を吐いて気合を込めると、あたしはトマホークのまさかりを握り締め、あたし自身の受け口へと向けて打ち込んだ。
「ーーーーーーっ!!」
身が二つに裂ける激痛に歯を食いしばりながら、本能の命じるままに腰を振ってまさかりを秘奥へと導いていく。
けれど、中ほどまで入り込んだところで、あたしは動けなくなってしまった。
破瓜の苦痛と、兄とまぐわう背徳への恐怖が身を竦ませたのだ。
「トマホーク……あたし、もう、駄目……」
諦めて引き下がろうとした腰に、兄の片腕が添えられた。
「!」
もう片方の腕が肩を抱き寄せ、彼の顔が目の前に迫る。
「嬉しいよ、ラブリュス。ずっと君と、こうなりたかったんだ……」
熱い囁きが、あたしの耳朶を打った。
「でも、妹と結ばれることなんてないって思っていたから、仔供みたいに触れることしか出来なくて……悪戯ばかりして、本当にごめんね……」
「いいよ……もういいの、あたしは……」
「いいんだね? このまま型破りしちゃっても、いいんだよね?」
痛みも恐れも飲み込んで、微笑みながらあたしは頷いた。
兄の顔が、その微笑みに近づいてくる。
追い口*3を打つように、牙と牙が打ち合わされた。
その一撃で。
あたしという樹は、切り倒された。
背筋を快感が走り抜け、尻尾がビンと跳ね上がる。
受け口からたくさんの愛液が溢れだし、まさかりが一気に根元まで突き刺さって行く。
「あぁっ、ああぁっ! 届くぅっ!! ああ~~っ!!」
最奥まで刺し貫かれて震えおののくあたしの下で、トマホークが腰を突き上げた。
「あひぃぃっ!?」
「ラブリュス、舞って。踊ってる君が一番大好きだよ」
かけられた囁きに半べそになった顔で頷いて応え、あたしはつながっている腰をグラインドさせた。身を動かす度にまさかりが受け口を打って、打って、切り刻んでいく。
「んあぁっ、んああああっ! トマホーク、あたし、ああぁぁぁぁあぁ~~っ!!」
「ラブリュス、ラブリュスっ! うあぁぁーーーっ!!」
トマホークという舞台の上で舞い踊りながら、あたしは自分の中で弾ける彼を感じた。
欲しかったものの全てを、あたしは手に入れたのだ。
●
こうしてトマホークと身を重ねる関係になってから、しばらくはおおむね幸せな日々が続いた。
ほんの少しの、ごく些細な問題を除けばの話だったが。
●
オノンドに進化して最初の舞台を終えた夜、あたしは兄を捜してホールのロビーを走り回っていた。
観客たちを掻き分けて進んで行くと、やがてあたしと同じ青銅色の鶏冠と、先端を緋色に彩った牙を携えた後姿を見つけた。
彼は、翼に綿毛を纏った水色の雌鳥と楽しそうに談笑していた。
「トマホーク!」
呼びかけると2匹はあわてて振り向き、雌鳥は兄に数言かけて逃げるように飛び去った。
「や、やあラブリュス、お疲れさま。今日の舞いも素敵だったよ」
脂汗を光らせてさわやかな笑顔を繕う兄の様子は、実にあからさまに挙動不審だった。
「ねぇ、今のチルタリス誰?」
「あぁ、彼女は君のファンだって。僕を兄だと知って話しかけて来たんだ。今も君のことで盛り上がってたんだよ」
「……だったらあたしが来たのにどうして話もせずに飛んでいったの?」
「!……えっと、忙しいから仕方ないって。君によろしくっていっていたよ」
「……へぇ。ところでトマホーク、今日のあたしの舞台見てくれてた?」
「もちろん、ちゃんと見てたよ。ただちょっとうっかり遅刻しちゃったんで立ち見になっちゃったけど」
「この前トマホークが褒めてくれたジャンプ、今日も奇麗に決められたよ」
「うん。今日も上手かった跳んでる時の姿勢が本当に鳥みたいだったよ」
「……ねぇ、トマホーク」
「…………何?」
「今から2匹で遊びに行かない? どこか誰も来ない陰を探して、2匹だけで、ね?」
「うん、いいよ。行こう行こう」
緊張していた顔をたちまち緩めて、嘘つきな兄は歩きだした。
ねぇ、トマホーク。あたし、今日の舞台ではあのジャンプはしなかったんだよ。オノンドになったばかりで身体が技に慣れていないから、高度な技は控えるようにってマネージャーに言われていたもの。
もしそう教えてあげたら、彼はどんな顔をしただろう。
●
その夜、愛し合いながら兄の身体を確かめたあたしは、鱗の間から何本もの綿毛のついた羽毛とか、その他様々なものを採取した。
●
数日後、午後8時。
日の暮れた公園の外灯の下で佇んでいた兄に、あたしは背後から声をかけた。
「こんなところで何をしているの? トマホーク」
振り向いたトマホークの顔は、まるで氷の飛礫の直撃を受けたかのように凍りついていた。
「ら、ラブリュス!? どうして、もう舞台の時間のはずじゃ……」
「ううん。舞台は8時半からだよ。だから迎えに来たの。早く一緒に戻ろう」
兄には8時からだと伝えていたが。まったく、あたしの伝えた舞台の時間に、一体何をやっていたのだといいわけするつもりか。
「……友達と、待ち合わせをしていたんだよ。でもすっぽかされちゃったみたいだね。ごめん、すぐ行くよ」
「チルタリスさんなら来ないよ」
「…………え?」
一瞬氷柱落としを喰らったかのように、トマホークは怯み上がった。
「さっきここに来る時に会ったの。もうトマホークとは会いたくないって伝えてって言われちゃった」
「そう……なんだ…………」
「あとね、ジュプトルさんとリザードさんも同じこと言ってたよ」
トマホークの表情は、絶対零度を浴びたかのようだった。
「みんなに嫌われて可哀想だねトマホーク。大丈夫。あたしがいるよ。あたしはずっとトマホークだけのものだからね」
だからトマホークもずっと、あたしだけのものだよ。とは口に出しては言わず、あたしはただ天使の微笑みだけを兄に向けた。
「……ラブリュス」
「何? トマホーク」
「君の牙の赤い模様、何だかいつもより赤みが増しているような気が……」
「ん? ああこれ? 染めたの。似合うかな?」
「うん。似合ってるよ物凄く。怖いぐらいにね…………」
●
その後も度々、少し目を離した隙に兄が他の雌の痕跡を漂わせていることがあった。
どうやらあたしがトマホークを雄として目覚めさせてしまったために、彼の性欲の箍が少し外れてしまったらしい。
それでも2匹でいる時は、トマホークはちゃんとあたしを、あたしだけを愛してくれた。だからあたしも決して兄を責めようとはしなかった。
浮気相手と会って
●
月日が流れ、やがてあたしは彼と愛し合った結果を産み落とした。
しかし近親婚の弊害というものは、確かにあったのだろう。
卵から孵ったその仔を、間違いなく愛する兄との間に産み落としたはずのその仔を、あたしはあたしの仔だと認識することがまったく出来なかったのだ。
確かにあたしたちの小さいころによく似た姿をしているはずなのに、キバゴの皮を被った何か別の生き物だとしか思えなかった。手を伸ばしてあたしの方に歩いてくるのを悲鳴を上げて払いのけた。あたしの名を呼ぶ声から必死になって耳を塞いだ。育児の全てを兄とマネージャーに押し付けて逃げ続けた。
酷い
そして結局そのことが、新たな悪夢を招き寄せてしまった。
●
仔供が出来てから、トマホークの周囲から他の雌の気配が消えた。
育児で忙しくなったせいか、もしくは仔供が出来たことであたしのことを伴侶として認識し始めてくれたのか。そんな風に単純に考えていた。
結果から思えば、油断していたとしか言いようがない。
トマホークとマネージャーがしっかり育ててくれたお陰か、それともあたしが厳しく接していたせいだろうか、仔供の成長は早かった。
それにつれて向こうもあたしのことを嫌うようになり、顔を会わすのを避けるようになってきた。求められるのを振り払うよりは気が楽になったとも言える。
程なくして、仔供もあたしたちと同じオノンドになった。
それから十日ほど経ったある日、突然破局は訪れた。
●
その日、あたしはある海外からの招待客の前で舞いを披露する予定になっていた。
ところが、その客の乗った船が嵐のためにヒウンシティに渡ることが出来なくなり、急遽キャンセルとなってしまった。
とんぼ返りしてマネージャーの車で家に帰り着いたあたしは、マネージャーが車から荷物を下ろしている間に先に家の戸を開けた。
せっかく出来た暇だ。仔供をマネージャーに押し付けて、トマホークを誘って遊びに出掛けようと思ったのだ。
しかし、部屋の戸を開けたあたしが見たものは。
慌てふためいた表情で固まったトマホークと、その下に寝そべって勝ち誇った笑みをこちらに向けている我が仔の姿だった。
その仔の足の間に空いた受け口から、白い雫がしたたっていた。
世界が凍りついたような静寂の果て、混乱した頭がようやく目の前の状況を理解した刹那、あたしは。
「タバアァァァァァァァァル!! あんたはあぁぁぁぁぁぁっ!!」
仔供の名を、半月の夜に卵から孵ったのにちなんで〝
けれどその進路に、トマホークが牙と両手を広げて立ち塞がった。
「やめてくれラブリュス! この仔が悪いんじゃない、僕が、僕が全部悪いんだ!」
「どいて! まずはこの泥棒娘をぶち殺す! 話はそれからだよ! あぁ、こんな奴産まなければよかった!!」
憎悪を込めた言葉を吐き捨て、トマホークの肩越しに煮え滾る瞳で娘を睨みつける。
娘はそんなあたしの視線を、余裕に満ちた嘲りで跳ね返した。
「父さんの話をちゃんと聞いてあげたらぁ? でないと母さん、父さんに嫌われちゃうよ?」
「お黙り! トマホークがあたしのことを嫌ったりなんかするもんか! あんただけは許さない、一太刀ぐらいじゃ許さない! オノンドだったことが分からなくなるぐらいなズタズタの肉片になるまで引き裂いてやる!!」
「だからさぁ、あたしにそんなことをしたらあんたが父さんに嫌われるんだってば。なぜって……」
頬の牙をニヤリと吊り上げ、タバールは股間に揺蕩う白いものを広げて見せた。
「父さんはこぉんなにもあたしに夢中でぞっこんなんだから! きゃはははは!」
「何を馬鹿なことを! トマホークはあたしのものだよ!! 汚らわしい、実の娘が父親を誘惑して!」
「……いやあのラブリュス、そういうあなたも実の妹が双子の兄を、なんだけど?」
いつの間にか背後に来ていたマネージャーに冷静な声で突っ込まれ、あたしは牙を噛み締めた。まったく、その双子の兄を誘惑する後押しをした張本人が何を言うか!
「だからさぁ、父さんに聞いてみればいいじゃない。その父さんにそっくりな綺麗な顔で、『鏡よ鏡よドーミラーさん、あなたが世界で一番美しいと思う雌はだぁれ?』って。そしたら父さんが童話と同じように答えてくれるからさ!*4」
高笑いするタバールをキッと睨みつけ、あたしは兄にすがりついた。
「トマホークの一番はあたしだよね。あの娘に手を出したのなんていつものただの気まぐれなんでしょう? 分かってるよ。許したげる。だからあいつに教えてあげてよ。本気で愛しているのはあたしだけだって!」
ねぇ、早く答えてよ、トマホーク!
どうして。
どうして俯いたまま、何にも言ってくれないの……!?
「父さんが言わないから、あたしが教えてあげるよ。母さん」
悪魔じみた声が、トマホークの向こう側から響いた。
「父さんはね、あたしの方があんたなんかよりずっと可愛いって言ってくれたんだ。あたしの方があんたなんかよりずっと魅力的だって言ってくれたんだ。あたしの方があんたなんかよりずっと大好きだって……」
「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
呪文のように繰り返されるおぞましい言の葉を絶叫で遮り、願いを込めた眼差しでトマホークを見上げる。
嘘だと言ってよ。
あんな出鱈目、やめさせてよ!
トマホーク!!
「…………ごめん」
愛する雄の口からこぼれたその言葉に、あたしは心を打ち砕かれた。
「本当にごめん。随分前から僕はタバールのことを想うようになっていたんだ。君への想いにかけて何とか押さえ込もうとはしたんだよ。いくら型破りだからって、こんなこと許されるわけがない……」
当たり前でしょう! 許されないと思っているのなら、今すぐその娘の言葉を否定してよ! お願い!!
「だけど、彼女がオノンドに進化した途端、僕には……君が見えなくなってしまったんだ。もうタバールのことしか考えられなくなってしまったんだ。押さえようのない衝動に駆られて、先週君が稽古に出掛けている間に彼女を、僕が、誘った……いや、襲ったんだ。無理矢理抱き竦めて愛の言葉を囁いて、僕しか縋る者のない彼女の心に付け込んで。それからは今日まで毎日君の目を盗んで彼女と……」
そんな……うそよ、そんな……
「許されないことをしたのは分かっている。斬らなければ君の気が済まないというのなら、どうか僕を斬ってくれ。その代わりタバールは許してやってくれないか。これはすべて、僕の犯した罪なんだから」
狡い。狡いよトマホーク。
そんなことを言われたって、あたしはあんたに牙を剥くことなんて出来ないのに! 知ってるくせに――!!
「もう解ったでしょ。父さんの心のなかにはもうあんたはいないんだよ」
がっくりと崩れ落ちたあたし追い打ちをかけるように、タバールの哄笑が浴びせられる。
「あはははは! あたしの物語には7匹の
「……そういうこと、か」
マネージャーが溜息を吐いて頷いた。
「ラブリュス。ここはひとまず牙を収めて下がりなさい。辛いでしょうけど、これは仕方のないことなのよ。あなたがタバールを娘として受け入れられなかったことがそうだったように、トマホークがタバールに引かれてしまったこともどうしようもないことだったの。*6実際あなたがタバールにとってその存在を尊重されるべき母親であれなかったことも、彼女の世話をトマホークに委ねたことも、この結果につながる遠因になってしまっているわ。それが仕方がなかったと言うのなら、この現実も受け入れなさい」
結局は、あたしの自業自得か。
床に這いつくばったまま力なく頷く。抵抗する気力も沸かなかった。
パシン。
頭上で鋭く響いた音に見上げると、マネージャーの振り切った手と、鼻の横を赤く腫らしたトマホークの顔があった。
「ちょっと、何するのよ……」
「いいんだ」
声を荒げかけたタバールをトマホークが後ろ手で制する。
「すみません。ご迷惑ばかりおかけして……」
「理解はしてあげるけどね」
メガネを光らせて、マネージャーは言った。
「女としては、許せなかったから」
●
「僕はソウリュウシティに帰ろうと思う。タバールと一緒に」
次の日の朝だった。
ふたりっ切りにされた薄暗い部屋の中で、あたしはトマホークからそのことを告げられた。
「あたしは……?」
答えは半ば分かっていた。聞きたくもないような答えだということも。
だけどその予想が外れることに一縷の望みを託し、あたしは問いかけた。
しかし、トマホークは悲しげな表情でその望みを断ち切った。
「ごめん。これ以上君とタバールが争うのを見たくないんだ」
「だったらあの娘だけ放り出せばいいじゃない!」
トマホークは、その叫びに振り向こうともしなかった。
そりゃそうだ。たった今『見たくない』と言われたものを、あたしは突き付けてしまったのだから。
だけど、トマホークとタバールがあんなことになってしまった以上、タバールとの和解の余地などあり得るはずもない。答えはもう、一つしかあり得なかった。
「別れるって事なの…………?」
口にした瞬間、底知れない絶望感に心が潰されそうになる。
「嫌だよ……酷いよ……小さいころからあたしのことを散々もてあそんでおいて今更……」
「ごめん……」
「独りでどうしろっていうのよ……この街にだってあなたに付いて来たんだよ? 踊りだってあなたに見せるために始めたんだよ!? トマホークがいなかったら、あたしはもうどうしたらいいのか分かんないよ…………」
泣き崩れたあたしの肩に、優しい手がかけられた。
いつものトマホークの、優しく暖かい手だった。
「ラブリュス、君は自分で思っているよりもずっと強い娘だよ。ダンサーとしてまだまだ上を目指せる資質を持っている。僕がいなくても立派にやって行けるって、信じてるから」
あぁ、本当に狡い雄だよトマホーク。
あたし、そんなに強くない。
だってその言葉を振り払ってあなたに縋る強ささえ、あたしは持てないんだもの。
だけど受け入れてしまったら、もう別れるしかないじゃない……!!
「さよならラブリュス。別れても、ずっと君のことを想っているよ」
でもその想いは、もう恋ポケへのものでも妻へのものでもないんだよね?
そう問い返す強ささえ、あたしは持っていなかった。
肩にかけられていた温もりが離れて行くのを、引き止めることも出来なかった。
部屋の戸が閉ざされ、足音が遠ざかり、聞こえなくなっても、あたしはずっと泣き続けていた。
●
「本当に大丈夫なの、ラブリュス。しばらく休みを取っても……」
気遣うマネージャーを無言で制し、あたしはステージの上に立った。
観客たちの視線の集まる中、あたしはいつものようにトマホークを想いながら。
想いながら、想いながら、想いながら。
悲しみと切なさをとめどなく溢れさせて、あたしは舞った。
こうしてあたしの舞いは完成した。
いや、永遠に完成を見なくなったというべきか。
失われた愛への満たされぬ想いを求めて無限に広がり続けるあたしの舞いの技に、多くの人々やポケモンたちが感動と官能に打ち震えて称賛した。
皮肉なことに、タバールの言うところの『焼けた鉄の靴を履いて踊る』想いをしたことこそが、あたしの舞いを高みへと昇らせたのだ。
オノノクスに進化した頃には、あたしはヒウンシティを代表するトップダンサーの座まで上り詰め、全国規模のコンテストにも参加するようになっていた。
名高いライモンシティの〝ミュージカルの魔女〟にも、フキヨセシティの〝絶対なるプリマ〟にも、あたしは負けなかった。更には
●
○
そして今宵。
失われた愛は突然、形を変えて還って来た。
我が最愛の兄トマホークを父に、
そしてそのトマホークとあたしとの娘タバールを母に生を受けた仔。
あたしにとっては甥であり、認め難いが孫でもある仔、ハルバード。
トマホークの血を2重に受け継いだその仔は、幼い頃の兄によく似た優しい微笑みを顔に写して観客席の最前列に座っていた。
あぁ、その紅玉の眼差しを受けて踊る日が再び来ることを、どれほど待ち侘びたことだろう。
今日まで満ち溢れた寂しさと、師弟として過ごすことになるだろう明日からの日々への希望を込めて、精一杯の舞いをあんたに送るよ。しっかり受け止めておくれ!!
○
甘いメロディに乗せて、脚を踏み出す。
肉感的な太ももを揺らし、引き締まった足首を伸ばし、一歩一歩ステップを踏んで。
黄金色に輝く尻尾をうねらせ、反らせた背筋を柔軟に弾いて、丸みを帯びた豊満な足腰を優雅に躍動させる。
その中心から沸き上がる狂熱を、激しく鼓動をあげる心臓を閉じ込めた膨よかな胸へ*7、しなやかな弧を描く首筋へ、そして頬に携えた刃の上で瞬かせる瞳へと昇らせて、しなを作った可憐なポーズとウインクで観客たちへと振り撒いて行く。
涼やかな春先の夜風が、観客たちの興奮に過熱していく中――
突如転調した曲とともに、あたしは舞台を蹴って宙を舞った。
両腕と顎の刃を広げ、スポットライトの光条を羽衣の如く纏う。
猛烈に燃え滾った視線と吐息たちを取り込んで身を捻る。渦を巻く。竜巻となる。
加速を増し、旋風の尾を引いて天へと駆け昇り、弓なりにしならせた身体に気合を漲らせて。
血色の刃に闘争心を込めて、客席から女と雌ポケたちが寄せて来る心を打ち払う。
返す刀に熱情を込めて、男と雄ポケたちの溢れ来る心を狩り飛ばす!
これぞあたし、〝Love・竜・ダンサー〟ことオノノクスの
さぁ、男も女も! 雄も雌も! みんな我が舞いの前に震えおののけ!!
○
ひと舞台舞い終えて、観客席を眺め見る。
さすがに全力全開で舞って見せた後だけに、陶酔した空気が客席中を包み込んでいた。
舞の衝撃をまともに受けた客の中には、失神している女性や白濁液を漏らしてへたり込んでいる雄ポケの姿すら見える有り様だった。
それでも、あたしがステージの上から一礼すると、割れんばかりの音を立てて拍手と喝采が巻き起こった。
アンコールを求める声を遮るように緞帳が下りる。
下り切る刹那、客席の前を横切って走るマネージャーの影を見て、あたしは急いで袖へと向かった。
○
「ラブリュス、ハルバードが……」
マネージャーが腕に抱えて連れてきた甥っ仔は、息も絶えだえに喘いでいた。
虚ろな眼差しが宙を掻き、開いた口元から涎を垂らしながら、手足と尻尾を切なげに震わせている。
そして何より、股間からそれはそれはもう立派なまさかりが、先走りをしたたらせてそそり立っているのだった。
「……ねぇ、やっぱりまだこの仔には、あなたの全力全開は刺激が強すぎたんじゃないの?」
心配そうに言うマネージャーの腕の中で、ハルバードはうわ言のように掠れた声をあげた。
「お……おば、さま……ぼく、まだみれます……アン、コールも、ちゃんと…………」
「ここまでにしときな。これ以上無理したら鼻血吹いてぶっ倒れるよ」
厳しい表情を作って言い放つと、絶望的な呻きとともにまさかりが跳ね上がる。
「だ、だめ……っ! ぼくは、ぜったい、おばさまのでしに……っ」
「合格だよ」
「え…………」
とくん、と透明な液体が、まさかりの刃を伝って落ちた。
「意識も失ってない。ちゃんと返事も出来る。それに何よりイクのは我慢出来ただろう? あんたの隣でトレーナーの膝の上にいたのはあたしのダンス仲間なんだけどさ、白目剥いて悶絶した上にトレーナーに漏らしたもん拭ってもらってる有り様だったからね。それに比べりゃ大したもんだよ。安心して休みな」
カノジョを連れてこなくって本当によかったねぇ〝キャニオンの虹〟くん。あたしとの今夜の約束、あの様で大丈夫なんだろうかね?
「ごう……かく、よか…………っ」
安堵したハルバードの微笑みは、まさに天使そのものだった。
その微笑みに突き動かされて、あたしはまだ激しく張り詰めている彼のまさかりを手に取った。
「んあぁっ!? お、叔母さま!?」
「よく頑張ったからね。特別サービスだよ」
腰を牙で挟みつけ、熱いまさかりを口に頬張る。
軽く下を這わせただけで、限界すれすれで堪えていたハルバードはあっけなく達した。
「あっ!? ああぁっ! んああぁぁぁぁぁぁあぁ~っ!!」
愛くるしい叫びとともに口の中で弾けたそれは、懐かしいトマホークの味がした。
一滴も漏らさず飲み込むと、今度こそ完全に悶絶した彼の瞼を閉ざさせてペロリと舌なめずりする。
あぁ、本当に可愛らしい。
あたしはトマホークのことを何もかも好きだったけれど、一番好きだったのはあたしの舞いに魅了されて悶えている姿だった。その血を受け継いだこの仔の悶え姿もまた、堪らないほどに愛おしい。
「先が楽しみだねぇ」
「先が思いやられるわね……」
ハルバードを抱えたままのマネージャーが、メガネを押さえて深々と溜息を吐いた。
「さ、そろそろお客さんが焦れてるわ。この仔は私にまかせてアンコールに応えて来なさいな」
「了解!」
ぐっと背伸びをして立ち上がると、あたしは再び声援が待つステージへと階段を登っていった。
咥内に残ったハルバードの味わいをじっくりと噛み締めながら。
まったく、タバールはいい仔を産んでくれた……。
「尻尾が踊ってるわよ」
~(とりあえず)完~
ノベルチェッカー結果
【合計枚数】 73.6枚(20字×20行)
【総文字数】 21646文字
【行数】 1472行
【台詞:地の文】 38:62(%)|8226:13370(字)
【漢字:かな:カナ:他】 20:60:6:18(%)|4404:12992:1387:3817(字)
重ねがさね、投稿〆切に7日も遅刻したことで大変なご迷惑をおかけしてしまいました。
そして、そんな僕の作品に実に11票もの多数の声援をいただき本当にありがとうございました!!
ブービーか
そもそもどうしてこんなに遅れたかと申しますれば、前大会同様僕は両部門に参加していたわけでして。いや、今回は他にも両部門に参加された作家さんがいらっしゃった以上そのこと自体は言い訳にもならないわけですが、先に書いた非エロ部門の作品が当初の想定を超えた文章量になってしまったのが原因でした。
おかげであっちを書き終えたのは〆切の一日前。その時点で本作は一文字たりとも書かれていなかったというていたらく。間に合うわけがねぇorz。
一度は棄権しようかとも考えましたが、予定していたストーリーを3分の1ほどで打ち切って、どうせ3分の1なんだから得点も3割でいいやと開き直って投稿に至りました。
しかし3分の1でも2万字超えるとか、本来予定していた量を書いていたらどんだけかかったことやら。しばらく書いていない間にすっかり文量の加減が掴めなくなってしまいましたorz。
○
ではここから、解説を交えつつ大会中に頂いたコメントとへのレスを。
順不同ですみませんがまずはこちらの方から。
>>色々とどろどろでしたが、ポケモンは割と近親でも子孫を残せてしまいますしね。実際孵化作業中の育て屋とか近縁ばかりです。
>>そういう面ではある意味リアルな作品でした。
>>ラブリュスとハルバードの今後が気になるところ。 (2011/08/25(木) 17:24)
リアルなはずでございますとも。
何しろ、僕のROMで起こった事実を元にして書いたのですから!!
はい。トマホークもラブリュスも、タバールもハルバードも、みんな僕のゲームに実在するキバゴたちです。そしてタバール以外の3匹はレギュラーで、これを書いている現在オノンドに進化して活躍中です。
そしてトマホークとラブリュスが同じ親から産まれ、同じギアステ周回中にウルガモスの
ただ、ここから先は作品と事実とでは少々違っておりまして。
ラブリュスからトマホークを寝取った娘には『ヨキ』と名付けました。このヨキが産んだ娘がタバールで、やっぱり作品同様母親から父親を寝取りました。
そしてトマホークとタバールの間に『マサカリ』という息子が産まれ、そのマサカリとタバールの間に産まれたのがハルバードなのです。つまりラブリュスから見てハルバードは母系だけなら曾孫、マサカリを介して見れば玄孫だということになります。もっとも、小説では『まさかり』は違う意味でのトマホークの〝息子〟として採用しましたがw。いやはや、事実は小説よりも遥かにどろっどろですwww
時間と尺の都合で書き切れなかった2匹の今後はいずれ書くつもりです。応援ありがとうございました!
>>近親相姦という特殊なテーマが話に絡み、とても読んだ中でインパクトがありました。
>>ラブリュスの舞は一度見てみたいですねww (2011/08/25(木) 00:03)
採用クラスの能力を持つキバゴが性別と特性違いで同時に産まれたことが印象的で、そんな仲良しの兄と結ばれたのに娘に寝取られた闘争心持ちの心境を想像していたらこの物語が生まれました。
僕が彼らから感じたインパクトがうまく伝えられたようで嬉しいです。
そして闘争心オノノクスの武器といえば同性に対する火力上昇と異性に対するメロメロ竜舞。それを文章化した〝
>>純粋に話として面白かったです。 (2011/08/25(木) 00:21)
ありがとうございます。遅刻してでも頑張って投稿した甲斐がありました。
>>俺の目の前で舞って欲し(ry (2011/08/25(木) 07:44)
お気を付けを。闘争心で多少緩和されるとはいえ、オノノクスの竜舞ダブルチョップの破壊力は半端じゃありませんのでwww
>>私もラブリュスの舞を見てみたいです。 (2011/08/25(木) 18:02)
さすがは
応援ありがとうございました!
>>たぬ……オホンっ、あなたの作品の言語センスや言葉遊びのセンスに嫉妬。私もこんな作品を書けるようになりたいということで、一票!! (2011/08/25(木) 23:13)
バレバレでしたねwww。正体を隠す余裕もなかったので、開き直り気味に〝キャニオンの虹〟まで出しちゃいましたし。(もちろん某Xくんです。Yちゃんにバレてフルボッコにされる運命ですw)
本来ならお叱りを受けても仕方のない身ですが、温かい支持を頂いて本当に感謝しています。
そちらも頑張ってくださいね!
>>観客をイかせる程度の舞w (2011/08/27(土) 05:52)
コメントありがとうございました!
>>近親姦のフルコースや!
>>面白かったので入れさせていただきます。 (2011/08/27(土) 15:46)
ふっふっふ、まだ残っていたりしてw(意味深)
応援ありがとうございました!
>>ゲームシステムの解釈の仕方が面白いなーと思いました。 (2011/08/27(土) 17:50)
毎度ながら『あるものは使う』が僕のモットーでございます。コメントありがとうございました!
>>設定が新しくて新鮮だった。 (2011/08/28(日) 07:06)
苦心して盛り込んだアイデアを楽しんで頂いてありがとうございます!
>>ラブリュス達の関係が一層心情表現を豊かにしていたと思います。あと、腹を割って話すの意味に吹いてしまいました。 (2011/08/31(水) 12:14)
そう評価して頂けてうちの仔たちも喜んでいるでしょう。
『腹を割って話す』ですが、ラブリュスが示したリリカルなw意味の他にもう一つ隠された使い方があったりします。いつか書く予定の続編をお楽しみに!
改めてみなさま、ご声援ありがとうございました!!
ラブリュス「後書きにあるように、あたしゃゲームではトマホークとずっと一緒だよ。娘と孫娘に散々寝取られたのは事実だけどね……」
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