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蟻さんアリクイさん

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蟻さんアリクイさん


※官能やってみました。お目汚しすいませんorz
 作者:カナヘビ


 快晴の青空のもとには乾いた崖が広がっている。世界でも多くはない『チャンピオンロード』と呼ばれるその場所は、崖の側面に無数の穴を開けていた。時折トレーナーと(おぼ)しきヒトが穴を行き来している。ヒトが攻略できるようになだらかに整備された洞窟に、今日もトレーナーの声が響く。
「シャンデラ!火炎放射だ!」トレーナーの指示が飛ぶ。
 まさしくシャンデリアが幽体化したようなポケモンが、黄色く丸い目を輝かせたと思うと空間から炎を出現させて放射した。
 その先にいるのは、まるで鉄でメッキされた蟻のようなポケモン、アイアント。30センチという小さな体に炎がまとわりつく。
 やがて炎が晴れた時、そこにアイアントの姿はなかった。
「あれ?焼き尽くしちゃったか?」トレーナーが動揺を見せる。
 トレーナーとシャンデラが辺りを見回すも、アイアントの姿は無い。
 そしてトレーナーは気付く。シャンデラの下の地面が盛り上がっていることに。
「シャンデラ、かわせ!」
 一瞬速く、アイアントが地面から飛び出してシャンデラに1撃をくわえた。大きなダメージを受けたシャンデラは動けなくなる。
「くう…逃げろー!」トレーナーは一目散に駈け出してゆく。

「………ふんっ、なんだ弱い」アイアントはアゴを鳴らして不満そうに呟く。
 アイアントは不機嫌そうな表情のまま歩き始める。6本の足を交互に動かし、ちょこちょこと進む。
 視界には大きな空洞。小さなアイアントからすれば大きく見える洞窟も、ヒトやそれと同じくらいの大きさのポケモンからすればあまり大きくは映らない。
 広い広い空洞を、アイアントはゆっくりと進む。
 チャンピオンロードはところどころに穴が空いている。余程の方向音痴でない限り出られないことはない。ただ気まぐれに進むだけで外に出られる。
「…ん?」
 アイアントは見慣れぬ光景に気が付く。以前は大きな空洞へと繋がっていた通路が、今では大きな岩で塞がれているのだ。
「……そういえば、4本足の変な正義気取りがいたっけ。アイアンヘッド1発で卒倒(そっとう)したけど」アイアントは思い出すように呟いた。
 アイアントは気にせず歩み続ける。大きな明かりが差す穴が見え、ようやく外に出る。
 
 アイアントが出たのはかなり高めの位置にある穴だった。
 相も変わらず殺風景な外観の崖。人工物で彩られてはいるものの、アイアントからすれば気休めどころかプラスにすらなっていない。枯れ木も山のにぎわいといったところなのだろうか。
 アイアントは爽快な空を眺めた後、全く爽快でない地面を見下ろす。
 爽快でない地面?アイアントからすれば地面を見下ろすことは苦痛でしかない。しかし反射的に見下ろしてしまう。
 アイアントに苦痛を与えるものとはポケモンだった。まさしくそれは、アリクイが立ち上がり、赤と黄色の縦縞模様と常に何かしら不服そうな表情を持つポケモン、クイタラン。
「変わらず不格好な奴らだな」アイアントは吐き捨てるように言った。ここにはよく来ているようだ。
 アイアントとクイタランは対立関係にして捕食被捕食の関係にあった。アイアントのタイプは虫・鋼であるから、本来クイタランは有利である。オッカの実をもってしても1撃でやられてしまうであろう。しかしアイアントにはその俊敏さがあった。クイタランがどんな攻撃をしかけようとも、いや、攻撃すらさせずに対抗できるのである。
 それでもクイタランは毎日のように自分や仲間を襲いに来る。やられてしまうことは無いに等しいが、極稀に何かの間違いでやられてしまう仲間もいる。
 つまるところ厚かましいのだった。特にこのアイアントは、戦闘すら面倒というほどの実力を持っていた。仲間内からも頼りにされてはいるものの、このアイアントは頼りにされることすら面倒であるようだ。
 そして、そんな面倒臭がり屋のアイアントの背後から、本日も聞き飽きた声が発せられる。
「見つけたぞラズカ!」猛々しくも逞しげな声。
 ラズカと呼ばれたアイアントは呆れた表情で後ろを振り返る。そこには1体のクイタランが、右手の爪を1本突き出して立っていた。
「238回目の戦闘を申し込む!受けて立てよ!」クイタランが叫んだ。
「嫌だ」アイアントが即答する。
「なんだと!?さてはこのエトル様が怖いんだろう!?」と、クイタラン。
「………だから挑発しても無駄だっての」アイアントは呆れている。
「知るか!とりあえずやっとくんだよ!これでも喰らえ!」
 クイタランは細い口に熱を集積させ、弾ける炎を放つ。アイアントはだらだらと飛び退く。
「一体いつになったらあきらめるんだよ全く…」アイアントはうんざりとした表情をしている。
「うるせぇ、オレはお前を倒すって決めたんだ!絶対に!」
 クイタランが弾ける炎を連射するも、アイアントは火の粉が飛び散らない場所に跳んで交わし続ける。
「………たちの悪い奴に目を付けられたな」アイアントは諦めの表情でかわし続ける。


 2
 事の発端はちょうど238日前。ラズカはいつものようにクイタランを相手していた。周囲の仲間たちは全力でクイタランの相手をしているにもかかわらず、ラズカだけは手を抜いていた。手を抜いてすら、仲間と同等の実力が出ていた。
 ラズカは適当に技をかわし、適当に技を当てる。それだけでクイタランを撃破できたし、周囲からも欠かさず称賛の声を受けていた。
「すごいよな、ラズカって。逞しいアイアントだ」
 聞きなれた言葉の数々。仲間たちは特に深い意味もなく、ただ純粋にラズカを称賛していた。
 その日もいつものようにクイタランを相手していた。穴を掘ったり気まぐれに噛み砕いたりしていつものように撃破した。はずだった。
「なんで…なんで本気じゃないんだよ!本気でやれよ!」
 他のクイタラン達同様、ラズカの力にかなわず地面に横たわっていたうちの1体―エトルが問いかけてきたのだ。
「いやいや、あんたらごときになんで本気出さないといけないのさ」ラズカは呆れ返って言った。
「こちとら命がけで来てんだよ!なんでそんなに適当にいられるんだ!?」エトルが問いかける。
「いや、別に命の危険感じてないし」ラズカは淡々と答える。
 その言葉を発した時のエトル表情といったら、ただでさえ不機嫌そうに見えるその顔つきに怒りまで加わった『醜い』ものと化していた。
「くっそ………!」エトルが苦し紛れに弾ける炎を放つも、その先にラズカはいない。
「他のアイアントを当たってくれないか。生憎やられるつもりはないのでな」ラズカは言った。


 その日からだろうか。今目の前にいるエトルというクイタランは、目的を『捕食』から『打倒』に変え、毎日飽きもせずにラズカを探し当てては戦いを挑んでいた。
 彼なりの誇りというものがあったのだろうか。安っぽい自尊心と言ってしまえばそれまでだが。
 生存競争には必要ない感情を高ぶらせながら、エトルは弾ける炎を連発している。
「いい加減うんざりなんだがな」ラズカは身軽に横っ飛びをしながら言う。
「勝つまで付きまとってやるさ!」エトルは怒りに任せて攻撃を続けている。
 こうまで執念深いと流石にラズカからしても鬱陶しい。クイタランの相手は日常茶飯事だが、このエトルにはほとほと困り果てていた。クイタランとは弱いが賢いポケモンではなかったか。1度勝てなかったアイアントは諦め、別の弱いアイアントを求めてチャンピオンロードを彷徨う。それが彼らだったはずだ。
 目の前にいるのは、1回どころか237回負けてもまだ戦いを挑んでくるクイタラン。目的の違いでこれほどまでに行動の差があるのだろうかと考えてしまうラズカ。恐らく勝つことしか考えていないのだろう。勝った後のことは考えていない。捕食するという感情すら残っているかどうか疑問に思うレベルである。
「ちょこまかと……!こうなったら、修業の成果を見せてやる」エトルは叫ぶと攻撃を止め、両手を上に大きく掲げて空を仰いだ。
「…修業って…」ラズカはほとほと呆れ返った。狂おしいほどの馬鹿だ。目の前にいるのはもはや天然記念物だろう。
 それはそうと、さすがのラズカも周囲の異様な熱気に気付かないはずはない。今エトルの細い口の先には渦状の炎が形成されている。だが炎の渦にしてはいささか大きすぎる。渦は酸素に反応して激しく燃え盛り、竜巻のような激しいうねりを発生させている。
「焼き尽くせぇ!」エトルは強大なる炎、『煉獄』を放った。
 灼熱の渦は周囲の空気と大地を熱気で包みつつ突き進む。高温をもたらすそれは激しく揺らぎ、鉄アリのことなどお構いなしに業火を振りまきながら虚空へと消えて行った。
「………」ラズカは1歩も動いていない。
「………」エトルは1歩も動けない。茶色い顔が赤みを帯びてくる。*1
 ラズカはエトルをまじまじと見つめる。あわれみか、呆れか、その他の何かか。
「畜生もう1発…」エトルは再び両手を上げて空を仰ぐ。
「させるか阿呆が」ラズカは地面の下から勢いよく飛び出し、エトルにぶつかる。
 エトルは激しくのけぞって倒れる。無様に大の字に転がっている。
「…2度と私の前に姿を現すな」この言葉も既に238回目である。
 そして恐らく、249回目や250回目もこの言葉を言うことになるのだろう。エトルが来続ける限り。
「覚えてろ…」238回目のエトルの台詞。彼はその台詞を言い続けて飽きないのだろうか。聞いているラズカは飽きている。
 ダメージを受けて動けないエトルをほうって、ラズカはげんなりとした面持ちでその場を去った。通算238回目の戦闘もエトルの敗北に終わった。



 
「はあ…」
 チャンピオンロード中に張り巡らされた穴の1つ、アイアントがようやく1体入れる道のうち、最も奥にある場所がラズカの住処だった。地中深く、壁深く掘っているためクイタラン達が火炎放射を放ってきても全く問題ない。
 内部には特に何もない。アイアントがだいたい3体ほど入れるような楕円形の空間で、壁際には10個前後の木の実が固めておかれている。ただそれだけの空間ではあるが、アイアントが1体住みつくにあたっては充分だった。
「また来やがって全く…」ラズカは溜息を吐く。
 毎日よく精神と体力が持つものだと敵ながらに感心してしまう。自分を相手している間に他の弱いアイアントを狩ることができるだろうに。彼にアイアントを捕食するという概念が残っているかどうかも怪しい。
「そういや、あいつ痩せてたな」
 毎日見ていれば変化にも気付く。最初会った時と比べて明らかにやつれていた。動きそのものに衰えは見られなかったから分かりにくかったが。
「他のアイアントを襲っている様子はないからな…他のものを食べているんだろう」
 また明日になればまた来るだろう。やつれて来られなくなったならそれはそれまで。やつれた程度で来られなくなるということはないだろう。エトルならば来る。
「…あいつが来ることを楽しみにしている?」
 ラズカは大きく頭を振って考えを振りほどいた。気でも違ったか。鬱陶しい、ただそれだけだ。それだけのはず。
「そろそろ観念して、別のアイアントを狙ってくれよな」ラズカはひとり言った。

 3
 翌日。日の差さない穴の中では朝と夜など区別はつかないが、それでもだいたい『分かる』くらいの体内時計は有している。ラズカは今日も目を覚まし、住処から出てチャンピオンロードを歩き始める。
 朝方ではあるがラズカ以外のポケモン達もまばらに見られた。ガントルやモノズやコロモリ、そしてラズカと同じアイアント。崖の外へと通じる穴では、今日もクイタランとアイアントがしのぎを削っている。穴を掘ったり弾ける炎を飛ばしたりするような見慣れた光景。しかし煉獄が飛ぶことはない。
「………あれは異質なだけだ。普通のクイタランはアイアント1体を倒すのに煉獄を習得したりはしない」ラズカはぶつぶつ呟く。
 今日もチャンピオンロードの奥からはアイアントがぞろぞろと這い出てくる。本来アイアントは集団で行動するポケモン。クイタランという天敵がいる以上は集団で対処するのが普通である。しかしラズカはそういった集団行動を一切とらない。そのことに対して周囲は特に疑問を感じていないどころか、当然とすら思っているようだった。
「ここにもいたか!」
 アイアント達の猛攻を運よく潜り抜けられたクイタランが1体ラズカの前に立ちはだかる。エトルではないようだ。ラズカは気のない表情でクイタランを見上げる。
「残念だが、そう簡単にお前たちにやられるほど私は弱くない」ラズカは凛として言い放つ。
 聞こえているのかいないのか、言葉にかまわずクイタランはかすかに顔を引く。何度も見て見慣れた、弾ける炎の構えだ。実際は出すまでに1秒もかかることはない。しかし、ラズカにとっては。
「…遅すぎる」
 ラズカは穴を掘り、いつものように下から飛び出してクイタランに重傷を負わせてから言った。目の前には無様にのびるクイタラン。弾ける炎など、エトルならばもっと速く出すことができるというのに。
「…また奴か」
 ラズカは再度頭を振って考えを振り払う。エトルのことなど考えている暇はない。今はクイタラン達に注意をはらうべき時。
 しかし。
 クイタラン達はラズカのことなどスルーして他のアイアントに襲いにかかっている。ラズカのそばに横たわるクイタランを尻目に、他のアイアント達と戦闘を繰り広げている。ラズカの元に来る者はいない。
「………ふん」
 ラズカは不機嫌な様子でその場を去っていった。

 ラズカは昨日と同じ場所、崖の下が一望できる穴へと足を運んだ。
 眼下には相変わらずクイタランや他のポケモン達がはびこっている。
 いつもの見慣れた光景。毎日チャンピオンロードに攻めてくる不格好な者達。そしてその中でも毎日しつこく挑んでくる鬱陶しい奴。今日もまたあのうるさい声を聞くことになるのだろう。
「………」
 恵みの光を大地に注ぐ太陽は、まばらに見られる雲に囲まれながらも天頂に達する。日中の温度が最高になる時刻を過ぎ、日はまた傾いてゆく。時が過ぎる間も洞窟の中からは一方的な戦闘音が聞こえる。
 空が朱に染まる。エトルは来ない。
「諦めたか」ラズカは溜息を吐く。「…なぜ溜息が出る?」
 無意識の内になぜか溜息が出ていた。特に何を思ったわけでもなく、何かを残念がったわけでもない。そのはずだが。
「………もう日課みたいになっていたのか?今までずっとうるさいと言って来たじゃないか。奴が来るたびにうんざりし、心が萎えたはず。奴が来て、とろい攻撃をかいくぐって結局は私が勝つ。そして奴は捨て台詞を吐き、その度に私はもう来ないことを祈った。238回も繰り返していたから、それが当たり前になっているのか?」
 ラズカは自問自答をする。色濃くなってゆく赤黒い大地を虚ろに見つめながら。
「…明日になればまた来るだろう。そして、またあのうんざりするような毎日が始まる。そうに違いない」
 ラズカは空を見上げる。微かに雲が見える程度のナイトブルーの空は、既にいくつかの星座が輝いていた。

 4
 更に翌日。また普段と同じ戦闘音を聞き流しながらラズカはいつもの穴へと向かう。
 不本意ながらもラズカは期待を抱いていた。昨日なぜ来なかったかは知らないが、それ故にラズカが来る前にここにいるのではないかと。しかし、目の前にはいつもの光景。爽快な空と目障りな地面があるだけだった。
「………つまらん」
 弱い相手。修業してきてすら、手を抜いて撃破できるような貧弱な一族。そのなかでたった1体、エトルだけがしつこくラズカを追い回していた。その度に戦闘を繰り広げ、当然のように勝ち、偶然目撃していた同族がいれば称賛される。
 ラズカは頭だけを動かし、左目で背後を見た。
 クイタランがくる気配はない。エトルはもちろん、他のクイタランすらラズカを避けている。エトルのせいか他の要因か、ラズカのことは広まっているらしい。
 戦闘が無い日。恐らく、今日も。
「…鬱陶しく思いながら、私は戦闘を楽しんでいたのか」ラズカは呟く。「強い…。弱い…。そんなもの、戦わなければなんの意味も成さない。弱いものがいるから強いものが輝くと言うのに…」
 ラズカは突如体を反転させ、土石流のような勢いで走り出した。崖の内部には盛り上がった土と炎が点在している。
 ラズカは激しい戦闘が繰り広げられている戦場へ足を踏み入れ、疾走しながら叫び始めた。
「クイタラン共!!そんな弱いアイアントでは物足りないだろう!この私、ラズカ・デュラントが相手をしてやる!さぁ、誰かかかってこい!私に倒されにかかってこい!」
 声は戦闘音に混じってわずかに響くも、ラズカに向かってくる者はいない。それぞれが目の前の獲物だけを狙い、攻撃を続けている。
「エトル!いるのだろう!私が相手をしてやる!さっさと出てこい!!」
 声は戦場にむなしく反響する。エトルはやってこない。そもそも、ラズカの視界にエトルを確認できない。
 ラズカは戦場で止まり、悲しげにうつむいた。
「………」
 ラズカはのろのろと足を動かす。炎がいくつも飛ぶ戦場をゆっくりと歩いていた。
 やがて目の前に別の穴が出現した。チャンピオンロードの地べた、荒れた土地に出る穴だ。特に躊躇うこともなく、ラズカは外へと出た。
 
「…暑いな。日光のせいでさらに熱い」ラズカは言う。
 荒地は熱を吸収して砂漠のような暑さだった。水分などは見当たらず、ところどころにひび割れがはいっている。ラズカからすればかなりの大きさである。
 更にチャンピオンロードの崖の反対側にも無数の穴が空いていた。赤と黄色の縦縞模様の生き物たちが出入りしている。クイタラン達が作っている居住スペースらしい。
 ラズカは無意識の内に頭を左右に動かす。十体十色*2、戦場に赴いたことのないであろう者、体が傷だらけで相当の猛者であろう者まで、さまざまなクイタランが視界に入る。しかし、ラズカが探しているクイタランは見当たらない。
「鬱陶しい時ばかり来るくせに、こっちが探しているときに見つからないのか!」ラズカはアゴを開閉させて苛立っている。
 息も荒く視線を投げつけるたび、視線の先のクイタラン達は身体を震わせながら恐る恐る視線から逃げている。エトルのせいか、はたまた他の要因か、やはりラズカのことは広まっているようだった。

 気が付けば、昨日と同じ様な朱色の空が頭上に広がっている。気分が滅入った様子でラズカは歩き続けている。これまで相当な量のクイタランとすれ違ったが、誰1体としてラズカに挑んでくる者はいなかった。
 ラズカは表情も暗く、しょんぼりとした様子でひたすら荒地を進んでいた。足取りも重く、前ではなく地面を見つめて歩いている。
 突然、頭に衝撃が走る。
「いてっ!」ラズカは涙目で前を見据える。柵だ。ヒトすら越えられないほど高い柵が目の前にあった。チャンピオンロードの入り口付近に来てしまったようだ。
「………はぁ」
 ラズカは最悪な気分で溜息を吐き、おもむろに右を見た。チャンピンロードと対比するように大きく立ちはだかる壁。外に住めないからと言ってクイタラン達はこんな壁に穴を掘って住んでいる。その無数の穴の内の1つが柵に隣接するように掘られていた。他の穴よりも少し入り口が大きい。
 特に何を考えるでもなく、ラズカは穴に向かって歩き始めた。興味を持ったか、あるいは他の何かの理由か。特に何を考えるわけでもなく穴へと近づいていく。
 近くで見ると結構大きい入り口だった。実際は高さ2メートル程度のそれほど大きくない入り口だが、ラズカの目線ではかなり大きく見える。かすかに果実的な芳香が漂っている。恐らく木の実だろう。
 奥は明かりらしきものがあるが暗くてよく見えない。日が傾いていることもあってか、目を凝らしても洞窟の岩肌が見えるばかりだった。
「…エトル?」
 特に何か根拠があったわけでもないだろう。ラズカは無意識の内に洞窟に呼びかけていた。そして。
「………誰だ?」聞きなれた鬱陶しい声。
 ラズカは無言で洞窟へ足を踏み入れていく。中に進むにつれて木の実の香りが強くなってくる。だんだんと暗くなってくるが、その代わりに明かりが強くなってくる。
 ややあって、寄せられた木に焚き火の焚かれている円形の広いスペースに出た。
 ラズカのちょうど真正面。壁に接して横長の干し草が置かれており、その上に1体のクイタランが仰向けに横たわっていた。一昨日よりいっそう痩せ、無気力そうに手足を投げ出している。
「お前…!?」エトルは動揺を隠しきれない様子で目を見開く。
 ラズカは相変わらず無言で歩み始め、エトルの元へと近づく。ラズカとエトルの視線が至近距離でぶつかる。
「無様な姿だな。何をしている?」ラズカが聞く。
「…ふんっ、オレを笑いにきたのか。お前に勝つために煉獄を習得するまで修業し、揚句に体を痛めたオレを!」エトルは叫ぶ。
「………想像を絶する馬鹿だったか」ラズカは呆れ果てた様子で言う。「望むなら笑ってやらんこともないが?」
 エトルは不機嫌そうに目を逸らして目を閉じる。
 ラズカは周囲を見回す。色とりどりの木の実の山があるが、あまり減っている様子はない。食べかけと思われる木の実もあるが、少しえぐられたものがあちこちに散らばっている。
「食物もろくに摂らず修業を続けた結果倒れるとはな。木の実があるなら食えばいいものを」ラズカは呟く。
「クイタランって種族はデカい固形物を食うには適してねえんだよ。木の実えぐるのに舌が疲れるから食えるかよ」エトルは不機嫌な声で説明する。
 ラズカは呆れすぎたという様子で頭を振る。
「なぜさっさと他のアイアントを狙わない?木の実ばかりを食って痩せ細っているじゃないか。安っぽい自尊心なぞ捨ててさっさと他を当たればいいものを」ラズカは言う。
「ふざけるな、それはできない。お前を倒すまで、他は狙わねえ」エトルが返す。
ラズカは視線をエトルに戻す。
「これからも、そんなひ弱な体で挑みに来る気か?」ラズカは聞く。
 エトルは不審そうな目でラズカを見る。
「1体のアイアントを狙うばかりで他のアイアントを狙わなかった結果、痩せ続けて終いには餓死するつもりか?」と、ラズカ。
「なんだと…」エトルは聞き返す。
「ただでさえクイタランはアイアントに対抗できないというのに。確かにお前は煉獄を習得するほどの猛者かもしれない。だがな、そんなひょろひょろの体でいて、本気で勝てると思っているのか?」
「………」ラズカの問いにエトルは答えられない。
 ラズカはふんと息を鳴らす。
「お前が毎日来続けるせいで、毎日お前と戦闘することが当たり前になってしまった。今やお前以外に戦闘を仕掛けて来る者はいない。お前にはこれからも来続けてもらわなければならない。だからもっと食って強くなれ、エトル」ラズカは言った。
 エトルは静かに目を開け、ラズカを見る。ラズカは厳しい表情でエトルを見つめていた。
「その安っぽい自尊心ってやつは、説教されている時点でもうズタズタだ」エトルは言った。「後悔するなよ?オレが元気百倍になったら、ラズカなんぞひとひねりだからな」
「ああ、楽しみにしておこう」ラズカは微笑んで応えた。
 ラズカにつられてかエトルも微笑む。そしてゆっくりと寝返りをうち、ラズカに背を向ける。
「今日はもう帰れ。もうじき夜だ。明日、お前以外のアイアントと1,2戦してからまた挑みに行くからな」エトルが言う。
「分かった。」ラズカの声が穴に響く。
 穴の中に静けさが戻る。エトルは眠気に襲われ、再び目を閉じた。

 
 5
 特に理由があったわけではないがエトルは目が覚めた。いつのまにか火は消え、穴の外から微かに月の光が差しているようだ。
 エトルの腹が鳴る。寝床のすぐそばの山に座ったまま手を伸ばして木の実を取り、舌で果肉をえぐっていく。なかなかに弾力のある果肉をえぐるのはかなりの苦労が伴うらしく、首に筋がたっている。
「ん?」
 寝床のすぐそばから小さな音が聞こえる。この暗い穴の中にエトル以外の誰かがいる。
 目を凝らしてよく見ると、自分より遥かに小さい生物…アイアントが、寝床のそばに添うように寝ている。
「…ラズカ?」
 エトルは驚愕と動揺を抑えてラズカに見入る。エトルが起きたことにも気付かず、すやすやと寝息をたてていた。
「こいつ…何してんだ」
 エトルはまじまじとラズカを見続ける。鉱質の目を閉じて、地面に体を置いて寝入っている。時折首が少し動き、顔のアングルが変わることもあった。エトルが見ていることなど知らずに可愛らしく寝ている。
「可愛らしく?」
 エトルは頭を振って考えを振り払おうとするも、振り払われるどころかより一層その印象が焼き付いてしまう。目の前の、敵であるはずの存在が可愛く見えるとは。
「…まさか」
 エトルは顔をラズカから離し、そっと両腕を掲げた。3対の爪でラズカの胴体を鷲掴みにし、そのまま引っくり返す。
「………ん」
 さすがのラズカも目が覚めた。目の前には、自分の体を掴んで体の裏側をまじまじと見るクイタランがいた。
「な…!お前、何を…!」ラズカは6本の足をばたつかせるが、体ごと掴まれては太刀打ちはできない。
 エトルはラズカの腹部を見ていた。真ん中より更に下方に、非常に小さいがそれは見て取れた。鋼の体に囲まれて際立つ、その縦筋。
「…お前、雌だったのか?」エトルが聞く。
 ラズカは足を止め、驚いた顔でエトルを見据える。目の前のクイタランは未だに腹を見続けている。
「何を言っている?知らなかったのか?そうだ、私は雌だぞ」ラズカは答えた。
 エトルは視線をラズカの顔に移した。今まで戦ってきた宿敵の顔をじっと見る。ラズカはラズカで、訳が分からない様子でまばたきをしている。
「なるほどな、可愛く見える訳だ」エトルが言う。
「………は?」ラズカは言われたことを認識できない。
「お前って、可愛いんだなって思ってよ」エトルは繰り返す。
 ラズカはさかんに目をしばたたかせる。
 エトルは無表情だ。その表情のままゆっくりと顔をラズカに近づけ、小さな顔を舌で舐め上げる。
「のあ!」ラズカは思わず声をあげる。
 状況が整理できずラズカはエトルを見据える。相変わらず無表情だが殺気は感じられない。クイタラン独特の細くて長い舌をちろちろと空に漂わせている。
 舌は蛇のようにうなりつつ動き、先端がラズカの腹部に触れる。腹部の下方にある小さな割れ目の中に、舌先が少し入る。
「何をして………くぁっ!」
 割れ目に侵入した舌先は徐々に深く侵入していき、生きているかのようにラズカの壁をのたうちまわる。ぐるぐると周囲をかき乱すように、じっくりと味わっている。
「あがっ…がぁっ…うわっ…」ラズカは頭をのけぞらせて喘いでいる。身体の中が高温に満ちている。腹部から止めどなく伝わるその快感は、ラズカの体を小刻みに震わせていた。
 突如として腹部からの快感が止まる。未だ無表情のエトルは舌を割れ目から引っこ抜き、舌なめずりをする。彼は地面の方へと視線を移す。ラズカもそれにつられて下を見た。
 そこにあったのは、猛々しく空を指して立派に伸びたエトルの雄だった。尻尾に繋がった2本のホースのような器官を押しのけるようにして、透明な液を湛えた桃色の雄が飛び出ていた。
「何を考えているんだ…?」まだ治まらぬ荒息でラズカは問う。
 エトルは再び無表情にラズカを見る。ラズカは言葉を続ける。
「言っておくが、私と交尾をしてもタマゴはできんぞ?そもそも、体格差がありすぎる」
 エトルは小さく頷く。
「別にタマゴなんか求めちゃいねえよ。それに、お前ら虫グループにはペンドラーって奴がいるじゃねえか。あれとお前ができるっていうなら、オレとだってできるだろ」エトルは答えた。
 ラズカは何度目か分からない呆れの感情を息にして体外にだした。改めて見ると、彼の雄はラズカからすればあまりにも大きく見えた。
 そもそも、なぜ交尾をしたいのか。
「はあ…」ラズカはもう1度息を吐く。「気でも狂ったのか?」
「さあ、本当に気が狂ってるのかもな。じゃねえと、1体のアイアントを倒すために煉獄なんて習得しねえだろうし、アイアントと交尾したいなんて考えないんじゃねえか?」エトルが返す。
 ラズカにはもはや返す言葉もない。今はただ、この無表情のクイタランに身を任せるしかないようだった。
 ラズカ自身も嫌な感情などなかった。あるがままに目の前の状況を受け入れていた。
(…こいつと同様、私も気が狂っているのかもな)
 ラズカは自分に呆れつつ、頭を上下に動かした。
 
 
 ラズカの体が持ち上げられる。傷をつけないようにゆっくりと爪に力がこめられ、エトルの腹部まで持ち上げられた。座ったままのエトルの体にラズカの体が密着し、エトルの雄がラズカの秘部に宛がわれる。
「ゆっくりだぞ。頼むからゆっくりにしてくれ」ラズカは火照った顔でエトルを見る。
 エトルは特に表情を変えることもなく頷き、両手の高度を下げ始めた。
「ああ…あ…はあ…」
 大きすぎる。本当にペンドラーも受け入れられるのかと疑問に思うくらい、ラズカは強烈な窮屈感を感じた。しかし、窮屈感が激しいとはいえ、エトルの雄は着実に中へ入っていく。
「…さすがだな。大きいのが来ても適応するのか」エトルが荒めの息で言う。
 ラズカの体に徐々に快感が広がってくる。アゴを食いしばりながら快感に耐え、遂にエトルの物が奥に到達する*3
「…動かすのか?」ラズカは聞く。
 エトルの体から激しい動悸が聞こえる。身体を掴む爪は何かを我慢しているように感じられる。
「あまり激しくしないでくれよ」ラズカが言った。
 途端に、瞬時に両手が持ち上げられ高と思うと、勢いよく下げられる。
「はあっ!!」ラズカが喘ぐ。
 その後もエトルは激しい勢いで両手を上下させ、力任せにラズカを打ち付ける。
「だか…ふあっ…らぁ…あぐっ…ゆっくりって…ひあっ」
 恐らくは規格内であろうエトルの雄がラズカの中で暴れまわっている。上げられ、下げられるたびに体中に快感が走り、精神を乱れさせる。
「はあ…はあ…はあ…はあ…」エトルは息も荒く同じ動作を繰り返している。
 暗い洞窟の中、両者の息と喘ぎ声がこだましている。
「ああぁ…あぁ…エトル…エトルぅ…」
「ラズカ…やっぱり…かわいいな…」
 ラズカの腹部からはエトルのものと思われる水音がしきりに響いている。それが2体の興奮のボルテージを上げ、行為を激しくさせる。
「エトル…エトル…エトルぅ…はあああああああああああああ!!」
 ラズカは体中を凄まじく痙攣させ、絶頂を迎えた。エトルは未だに動き続けているが、彼も絶頂が近そうだった。
「……くっ……!」
 エトルは最後に勢いよく雄を差し込み、絶頂を迎える。結合部からは白濁液が流れ、地面に落ちる。
 エトルは静かに雄を抜いた。ラズカの割れ目から大量の白濁液が止めどなく流れてくる。ラズカは疲れたのか、再び寝ていた。
「………ふっ」
 エトルは静かに微笑み、右の爪でそっと彼女を撫でた。

 
 6
 チャンピオンロードの池のエリアにて、2体の朝は始まる。
 ラズカは水に浸り、真ん中の2本の足をつかって体を洗っていた。エトルは両方の爪で水をすくっては、体に流し込んでいる。
「…なあ」ラズカが口を開いた。「なぜ私と交尾をしようと思ったんだ?」
 エトルは昨日と変わらない無表情で座って水を浴びていた。なにやら難しそうな目をしている。
「………分からん」と、エトル。
「はあ!?」ラズカは思わず叫んだ。「おい、何を言ってるんだ!?お前、私の貞操を奪ったんだぞ!?」
 エトルは右に首を傾げている。
「貞操を奪ったってな…お前も満更嫌そうでもなかったじゃねえか」エトルが返す。
「くう…」ラズカは言葉を返せない。
 エトルは首を右に(かし)げたり左に(かし)げたりしながら水を浴びている。ラズカが体を洗い終わり地上へと出てきたとき、ようやく言葉を紡いだ。
「これだけは分かるんだがよ…恋とか、愛とか、好きとか、そういうんじゃねえことは確かだ」
「だから…意味が分からないぞ」ラズカはエトルを見る。本当に困ったような表情だ。
「お前とはこれからも戦うつもりだし、全力で倒しに行くつもりだ。でもなぁ…あんなかわいい寝顔見せられると、なあ」と、エトル。
「雑食だな」ラズカは突っ込む。
「まあ、なんだ、その、宿敵同士の軽いスキンシップとでも思っててくれ。正直やっぱりオレにもよく分からん。性的衝動ってやつか?」と、エトル。
「それで虫を襲うのか。末恐ろしい奴だ」ラズカは呆れきれない程呆れている。
「それより、オレからも聞きたい」エトルが切り出す。「なんでお前、オレの穴で寝てたんだ?」
 ラズカは恥ずかしそうに目を逸らし、小さい声で答える。
「これからもつまらない日常は嫌だからな…エトルが明日絶対に私に挑めるよう、穴の中にいようと思ったんだ」ラズカが答えた。
「なるほどな」エトルは合点がいった様子だ。
 エトルはラズカを見て微笑み、右の爪をそっと頭の上に置く。ラズカは身体をびくっと反応させるも、そのままエトルに撫でられる。
「絶対倒してやる」エトルはにやけて言った。
「…ふんっ、せいぜい足掻くといい」ラズカは返す。
 エトルは立ち上がり、ラズカを見下ろす。1.1メートルの大きい体格差は、有って無いもののようだ。
「そんじゃ、いつものところで待ってろ。弱いアイアントの1体や2体狩ってくるぜ」
「ああ。そしてベストコンデションで来い。待っているぞ」
 2体は笑いあう。エトルとラズカ、2体はそれぞれ洞窟の別の方向を向き、歩いていった。
 本日戦闘239回目。またいつものごとく、エトルが負けるのだろう。

 END


あとがき
アイアントって、かわいいですよね。
かっこよくもあり、逞しくもあります。
30センチって、ヒトからすればかなり大きい方ですけど、ポケモンの中ではかなり小さなほうです。
そんな小さな体の中に、大きな大きなポテンシャルを持っている!炎ポケモンだろうとなんだろうと、大抵は爪を研いで一毛打尽!すごいじゃないですか!
でもやっぱり打たれ弱い。こういう極端な長所と短所、何よりビジュアル!
かわいい!かっこいい!たくましい!
てってことで、女の子にしてみましたww。

悩んだのはアイアントの体の構造です。蟻は本来、腹部の先端の交尾器で交尾をします。でも今回の話を作るにあたって、それにするかしないかすごく迷いました。
アイアントを書かれている他の作者さんの描写も参考に悩んだ結果、割れ目という逃げ道に走りましたorz。すいません。

これに続いてまたもやまともじゃないエロ。僕が書かなくったっていずれは誰かが書いたでしょうねw。こういう系のほうが書きやすかったり(殴 
いずれちゃんとしたエロに挑みたいです。
次はまともなのを書かないと…うーん、難しいww。

まだまだ未熟ですので、温かい目で見守って下されば幸いです。

何かあればよろしくお願いします。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ああ、アイアント可愛いよアイアント!!
    どうゆうふうにエロに絡むのかと思ったら・・・
    良かったです。うん、よかった^^
    ――4と20 ? 2012-03-17 (土) 00:00:48
  • >>4と20さん
    アイアントの可愛さが伝わって嬉しいです!
    エロへの絡み方はちょっと強引だったんですけどねw
    コメントありがとうございました!!
    ――カナヘビ 2012-03-17 (土) 06:16:55
  • 小説拝見させて頂きました。宿敵同士の情愛は良いですねぇ魅入ってしまいましたw
    しかし、所々に誤字が目立っていましたので、見直されてはいかがでしょうか。
    小説自体は最初から最後まで読める読みやすいものなので、これからも執筆頑張ってください!
    ――名も無き人間 2012-03-17 (土) 08:41:01
  • >>名も無き人間さん
    似たようなものとしてザングースとハブネークの絡みがありますが、アイアントとクイタランは無いんですよねぇ。タマゴグループが違うというのもあるんでしょうけど。どうももどかしいので書かせていただきましたw
    誤字は、見つけられる限り見つけました。ちゃんと確認してたはずなのにorz。これからは誤字を少なくしていきたいです。
    これからも頑張ります!コメントありがとうございました!
    ――カナヘビ 2012-03-17 (土) 12:58:48
お名前:

*1 命中50%
*2 十『人』十色じゃだめなんです!!
*3 蟻に処女膜ってないですよね?

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Last-modified: 2012-03-16 (金) 00:00:00
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