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立ち入る事のない森で 3

/立ち入る事のない森で 3

opojiです。これは、立ち入る事のない森で 2の続編となります。
宜しくお願いします。


注意!官能表現導入しています。
OKな方はどうぞ。



ふぁ..ぁ...ん...
私、どうしちゃったんだろ...んんぁ...
ダメ...こんな気持ち初めて.....
気持ち..いい...はぁんっ...んんっ...
さっきのローチの行動見てたら...なんだかそういう気分になっちゃって・・・。こんな事やってる所見られたら、なんて思われるか...ぁぁ..はぅぅ...ダメ...イキそう....

「ん...ぁっ...あっ...もっと....ローチ...ぁん...イっちゃう...」

冷たい川の水なんてわからないぐらい身体が熱くなってる...前足の動きが止まらないよぉぉ...

「ぁぁん...イク...イクぅぅぅっ...!ひゃん...」

力なく身体がヘタ~ってなっちゃった・・・ビクビクってしてる。やっちゃった...やっちゃったよ私...

川の水が私をさらに濡らしていく。風邪引く前に洗って、出なくちゃね。
こんな気分になるなんて、、、私、やっぱりローチの事・・・



「タスさんってすごいですね。よく木の上なんかに登れますよ」

「まぁな。生まれつき、木登りは身についていたみてぇだ」

「そうだったんですかぁ。...あの、タスさんって他のポケモンと闘った事あります?」

「ん?...まぁな。必要最低限の事だけ・・・」

俺はなんだかタブーな質問をしたのかと思った。タスさんの表情が変わったのを俺は見逃さない。これ以上の事は聞かないようにしよう。

「ローチ」
「なんでしょう?」
「お前、大切なポケモンのために闘ったことはあるか?」
「え?いや・・・ないです」
「そうか... よっと」
タスさんが下に降りて、俺の横に来る。
「俺はな、大切な存在を守れなかった」
「・・・」
俺はジッとタスさんの目を見る。大切な存在・・・。
「だいぶ前の話だがな。苦い思い出さ」
ずっと真っ直ぐ向いて話すタスさん。
「苦い思い出...ですか?」
しずかに頷く。
「ローチ、お前にもいづれわかる。大切な存在ができるのもそう長くはないはずだ、今のお前ならな」
そして、タスさんもこちらを向く。
「ローチ、後悔はできるだけ作らないようにな」
言い終わると、再び前を向く。
「この話はまた後だ。リィが帰ってきたぞ?」
タスさんの視線を追うように俺も前を向くと、そこにはトコトコと尻尾を揺らして歩くリィの姿があった。
タスさんが話した事が、俺の心の中で響き渡っていく。
「遅いぞリィ!何やってたんだ?」
大切な存在・・・か。
「ごめんなさ~い!!」
確かに俺の目の前にいるのかもしれない。そんな気がした。



「いい場所に連れてってやる。ついて来い」
そうタスさんに言われ、山を登り続けている。若干リィの歩行速度が遅いのは気になるが...。

「リィ?大丈夫?」
俺は後ろを振り返ってリィに声を掛ける。
「はぁ...うん、大丈夫。なんか疲れやすいみたい」
「休むか?」
タスさんが振り返る。
「で..できれば」
「わかった。まぁ急ぎの用事じゃないし、ゆっくりな」
「はい、すいません」
適当な場所をリィは見つけて、楽な姿勢をとった。...しかし、なんでだろうな?ヤルキモノだっけ?あの変な集団に追われてる時はすごく俊敏でスタミナがあるイメージだったんだけど・・・まぁあん時は緊急事態だったし、無理ないか。
「疲れやすいって、何か毒でも受けた?」
リィの隣に行って声を掛けてみた。
「んんう?違うよ?毒とか外部からの原因じゃないの」
「そっか。じゃぁ、なんだろうね?」
「そ、それは、、、」
「?」
「...わからない」
何か隠してる?
「・・・何かわかったら、すぐに言ってね?」
「ぅん..ありがと」
結局疲れの原因はわからないけど、急性病状ではなさそうだから良かったかな。タスさんは何してるのかな~?...ん?木とにらめっこなんかしてどうしたんだろう?

「どうしたんですか?」
「ローチ、コレがわかるか?」
「ん?」
タスさんが言うコレとは、木に引っ掻いた爪痕。
「これは?誰かが引っ掻いた痕ですか?」
「あぁ、そして一つ重要な意味も隠されてる」
「重要な事・・?」
「こっちにも同じモノがある」
そう言いながらタスさんは、近くにあったもう一本の木まで移動する。俺も着いて行く。
「本当だ・・・」
見ると確かに、三本の爪で シャッ っと傷をつけたような痕がある。
「この爪痕・・・見覚えがある」
「本当ですか?」
「あぁ。そしてさっき言った重要な意味・・・それは、その種族が目印のためにつけたもの。その目印は当該地域を縄張りとして扱う事。つまり俺たちは今縄張りの境い目にいる」
「えぇ?!」
「まだ侵入したわけじゃないから大丈夫だがな。しかしここまで広げているとはな・・・」
「その・・どんな奴ら何ですか?」
「・・・名はアブソル。白い毛に鋭い鎌をもつポケモンだ」
「アブソル・・・会った事が...」
「いつ?」
「俺がブースターに進化したばっかりの時です」
そう、あの時・・・確かに居たんだ。俺の住処に、毎朝遠くの方で視線を送るポケモンが一匹。白い毛に鋭い黒い鎌・・鋭い足爪・・・。いつも不思議に思っていた俺だったんだけど、別に危害を加えてくる訳じゃないから、基本シカトで過ごしてて...んである朝、目を覚ますと死ぬかと思うぐらいビックリしたんだ。目の前にはそのアブソルが居たから・・・


「のわぁ?!」
「!!!」
「なっ何?!」
「っ.....!」
「き...君は?」
「・・・」
「・・・下向いてちゃ判らないよ?君...毎朝あそこから見てたポケモン?」
「!!それは..」
「! 女の子?」
「...」
女の子は静かに頷く。そして突然・・・
「あっ!待ってよ!!!君の名前は?!」
アブソルは走り出し、林へ消えて行く。


「なるほど」
「それでそのアブソルとは、それっきり会わなくなりました」
「ふむ・・・不思議なアブソルだな」
「それで・・・さっきタスさん、ここまで広げているとはなって言ってましたけど、前から知ってるんですか?」
「アブソルについても知っている。最近活動範囲を急激に広めている連中でな。だが聞いた話だと、ライボルトの連中を意識しているらしい。要するに、争い意識だ」
「そうなんですか・・・」
「ライボルトの連中に追いつこうとしてるんじゃないか?俺はそう予測してるんだが。だがこのままだと、ライボルトの連中も黙って見てる訳にはいかなくなるだろう。いつか争いが本当に起きるかもな」
縄張りをもつポケモン同士の争いか。無関係なポケモン達を巻き込まれなければいいけどな...。
「とにかく今の俺たちは、この境い目に注意しながら進まなければな」
「はい」
「...ローチ、見ろ」
「はい?」
「リィの奴、眠ってやがる」
「いつのまに・・」
寝ちゃうほど疲れたのかな?いや、でもまだそんなに移動はしていないんだけどな・・・どうしたんだろうか?

「ローチ」
「なんですか?」
「何か疲れさせるような事でもしたか?」
「な、何もしてませんよ?!」
「本当か~??(笑)」
「本当ですって!水浴び以外なんも!」
何をタスさんは考えてるんだ?
「なるほどね~」
...と言いながらまだ疑いの目で見てくるし・・・。
「火、出しますよ?」
「おおぉよせよせ!火は苦手なんだって!!」
焚き火を付ける時ぐらいの火量を出すだけでこんなに反応があるなんて...ちょっとイメージとは違ったけど、これは使えるぞ!
「このっ!このぉっ!!」
「おいっ!っ!ローチー!!よせっ!よせって!」
「じゃこれからそういう変な疑い掛けないって約束して下さい!」
バタバタ追いかけながら言う。
「ふっ、それはどうかな?!」
「むっ」
言ったな~!少し強めの出してやる!
「わーーっローチ!!やめろ!危ねぇって!ちょっ!!」
「早く約束して下さい!!」
「わーった!!わかったから!!約束するからよせーー!」
、、、ふぅ...やっと言ってくれたよ。
「ゼェ...ゼェ...お前が...炎タイプって事...忘れてた・・・ゼェ...ゼェ...」
相当タスさん逃げ回ってたから、息があがってるね。
「タスさんが素直に言ってくれないからですよ!」
「はぁ...死ぬかと思った...」
「どうします?リィ起こしますか?」
「もうちょい寝かせてても問題はないぞ?」
「じゃあ、まだ寝かせときますか」
俺は気持ち良さそうに眠るリィの横に座る。タスさんは真ん前。

リィが起きるまで、タスさんにここまで来た詳しい経緯を話す。
「その時に見失ったんですよ、トーシャを」
俺の親友、リオルのトーシャの事も話す。
「そんなにヤルキモノ達の技の威力が強かったのか・・・そんなに吹っ飛ばされる事なんてそうそうないからな」
「はい..」
「それで、そのトーシャとやらはどうなっただろうか・・・」
「アイツの事だから、きっと持ち前の速さで走って逃げ切れていると思います...あくまで予想ですが」
「んんぅ...ふぁぁ.....」
「おっ?」 「あっ...」
リィがお目覚めみたい。
「おはよ、リィ」
「よく眠ってたな」
「ふぇ?!私寝ちゃってたの?!どのくらい??!」
「ん~結構、日は傾いたからな」
「ごめんなさい...」
「気にするな。疲れた時はゆっくり休むのが一番だから。さて、平気なら出発するが」
「はい、大丈夫です!」
良かった、いつものリィに戻ったよ。本当なんだったんだろうか...。
「じゃ、行くぞ」
三匹同時に立ち上がり、タスさんを先頭に歩き始めた。



「今向かってる場所はな、眺めが絶好に良い場所だ」
「結構登って来ましたよね」
「あぁ。もうすぐだ」
すぐそばにあるアブソルの縄張りエリアに注意しながら、先を行く。この三匹以外にもう一匹、追跡するようについてくるポケモンが居る事をローチとリィは知らない。

「そこの平地だ。ついたぞ」
「あそこですか!」
「私が一番乗り~!」
「あぁぁ待てよ~!!」
二匹はタスを置いて走り出す。
「(さっきから感じる気配・・・誰だ?)」
タスは感づかれないように、歩きながら横目で辺りを見る。
「むっ!」
ついに姿を捉えた。例の、アブソルの縄張りエリアの中にいるポケモン。
「(アブソル?...いや、間違いないな。あれはアブソルだ。なぜココに居るんだ?)」
そのアブソルの視線は、タスに向けられていない。見てるのは二匹の方。
「(...監視か?...)」
「タスさーん!!すごい良い眺めですよー!!!」
「何してるんですかー?!早くこっちに来て下さいよぅ!」
ローチとリィがタスの事を呼んでいる。
「あぁ!!」
タスはアブソルから視線を外し、足早に向かった。そして景色を眺める。
広大に広がる山脈、夜の訪れを告げる沈みかけの赤々とした夕陽、、、目に映りこむその全てが癒しとなる。
「良い眺めだろ?」
「はい」
「神秘的に見えますよね」
「この眺めがいつまでも見れれば良いけどな。幸せな時間は、そんな続かないものだ」
そう呟き、タスはアブソルが居た方を向く。しかしそこにはもう姿はなかった。
「いや、幸せな時間は、自分で作り上げるんだと思います」
ローチがタスに向けて言い放つ。
「自分で?」
「はい。自分で作り上げるんです、幸せを。他から受け取る幸せも良いけど、自分で掴み取った幸せの方が、数倍嬉しいと思うんです」
タスとリィは黙って聞いている。
「そうだなローチ。お前の言う通りだ」
リィの心の中で、何かが弾けた気がした。“自分で幸せを...掴み取る” 簡単そうで、それは難しい事。うまくいかないかもしれないけれど、行動しなくちゃ始まらない。やるしかない。

「タスさんも、そう思います?」
「だな。今までそういう考え方はした事なかった。なるほど、自分で幸せを...だな。ありがとう、ローチ」
「へ?」
「決心したよ。俺は今まで、戦いから逃げて来た。ローチ、お前には少し話したが、俺の大切な存在を失った、守りきれなかった。それがトラウマで、今まで逃げの姿勢を維持してきた。...だが、たしかに逃げてばっかりしちゃだめなんだよな。動かなきゃ、結果は見出せないもんな。、、、自分の問題は、自分で終止符をうたねば」
「タスさん・・・」
「なんだか辛気臭くなっちまったな。とにかくそういう事だ。ローチ、そしてリィ、これから色々な困難が襲ってくるだろうが、何が自分にとって大事なのか、考えて生きていけよ?じゃないと俺みたいに、後から後悔する事になる」
「...はい」「わかりました」
三匹は夕陽を見つめ、各々の想いを胸にしまい込み、その場を後にした。



「ローチ!寝床はあるのか?」
タスさんが居た場所に戻った頃には、辺りは既に暗くなってた。
「いえ、まだ確保してないです」
「そうか。まぁこの辺一帯ならどこで寝ても安全だが、ココを真っ直ぐ行った所にも良い寝場所があるぞ?」
タスさんが言うんだから、間違えないだろう。
「色々とありがとうございます!行ってみますね」
「おう。じゃあ俺は寝床に帰るとするかな。お二人さん、良い夜を!」
片腕を挙げながら、何やら怪しそうな目つきで俺らを見送る。うーん...なんか毎回引っ掛かるんだよなぁ。
「・・・じゃあ行こうか、リィ」
あえてタスさんの発言を無視して、リィに声を掛けた。
「ぅ...うん!」
タスさんに背を向け歩き出し、後ろにちょこちょこと付いて来るリィを確認する。
「ククク・・・なかなか素直じゃねぇなぁ」
静かにそうつぶやくと、タスも寝床に向かって歩き出した。

「この辺かな?」
多分ココの事を言ったんだと思う。
「この辺だよね」
程よい長さに伸びた草に、夜空から降り注ぐ月明かり。俺が空を見上げると、リィも同じように見上げた。
「すごい綺麗・・・」
「あぁ・・・」
「んっふふ!今日は何回綺麗なもの見たんだろうね?」
笑顔で俺の顔を覗き込んできたが、思わず俺は顔をそらしてしまった。
「どうしたの?」
だって・・・正直可愛すぎるし・・胸がすごい高鳴って・・・
「ローチ?」
「え?」
今度こそ目を合わせる事ができた。月明かりに照らされ、俺は何を想う・・・。
「なんか変だよ~?」
もう全てが欲しい...そんな感じ。
「!・・・」
自然と俺はリィに近づいていた。その距離、互いの鼻先が触れそうなぐらい。
「・・・」
たった数秒でも、数分に感じてしまう。このままリィにキスしてしまいたい・・・でも、今はまだできない...・・・ダメだ・・・。
「ローチ?」
自分から近づいたのに、自分から遠ざけてしまった。まだ、、、まだ自分に自信が持てないというか、果たして俺はリィの事を好きになって良いのか・・・わからない。
「リィ?」
「ん?」
「・・・」
普通の話をしよう。
「昼間、あんなに寝たから眠れないでしょ?」
「うん。目がパッチリしちゃってる」
「熟睡だったもんね」
「タスさんなんか言ってた?」
「ん?別になんも言ってないよ?」
「よかったぁ」
「とりあえず、あそこにするか」
寝る寝ないは別にして、場所は決めておかないとね。
「ふぁぁ...」
自然とあくびが出てしまった。
「ローチ~!!」
「え?」
「今夜は寝かせないんだからっ!」
「え?!どういう事??」
「私が眠くなるまで起きてて!!」
眠くなるまでって、、、
「うーん、無理」
「無理じゃないもん!」
「じゃあどうやって寝させないつもり?」
ちょっと意地悪っぽく聞いてみた。
「ど、どどどうやってって?!そ、それは、お話よお話!」
ちょ...なんでリィがこんなに焦ってるんだ?!ひとしきり言い終わると、目線をそらしちゃった。
「リィ?」
「な、なに?」
目線をそらしたまんま反応してる。
「んっふふ...」
その状態を見て、俺は少し笑ってしまった。
「なんかリィ、可愛いね」
「えっ?!」
しまった...今完全に俺、無意識に恥ずかしい事言っちゃった・・。リィが驚いて、こっちを向いた。
「いやぁ...だから、そのぉ・・・」
「・・・ありがと」
また目線を外してしまう。妙な雰囲気だけど、嫌じゃない。なんかこう...胸が高鳴ってる。


数分置いてお互い普通のテンションになった。
俺は楽な姿勢をし、リィはお座りの体勢で普通の会話を続けている。内容はまだリィが幼い頃の話とか、色んな体験談。かれこれ1時間弱は話続けたんじゃないかな?雌ってすごいよね・・・話題が尽きないというか。うーん...だんだんとリィの声が子守唄に聞こえてきた・・・。

コクン...コクンと頭が傾いてはリィの方を向いて話を聞いていたが、そろそろ限界が・・・。
「あれ?ローチ?」
「ん~?」
完全にうつ伏せ状態で、目をつぶったまま返事をする。
「眠い?」
「もう・・・ふぁぁぁぁ・・限界」
「わかった。じゃぁ、せめて・・・」
小さな足音がすると思った矢先、モフモフに感じた感触・・・えっ?!
「リィ?!」
思わず目を開き状況を確認する。リィは顔をモフモフの毛にうずませ、寄り添ってきた。
「...ダメ?」
ダメなわけがない・・・しかも甘えた感じで言われちゃあ断る理由も見つからない。

「いいよ?」
「ありがと...」
そう言うと、余計にリィは擦り寄って来て、同じように寝そべった。・・・これじゃあはたから見たら...。
「おやすみ、ローチ」
「...おやすみ」
形成逆転というべきか、この時だけは逆に俺の眠気が吹っ飛んでしまった。
でももともと眠かったわけで、睡魔は襲ってきた。完全に眠ってしまう前に、俺は少しだけリィに顔を近づけて、夢の中へとおちていった。


ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます。
駄文続きで申し訳ないです、、、。こんな作者ですが、これからも宜しくお願いします...。
立ち入る事のない森で 4 ?に続きます。



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Last-modified: 2014-03-19 (水) 08:31:00
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