大会は終了しました。このプラグインは外して下さって構いません。
ご参加ありがとうございました。
今作はオムニバス形式の短編集のような物になっています。
人によって好きなシチュエーションやポケモンに差があると思うので、嫌な話は読み飛ばしてもらっても話の前後の繋がりは基本的にございません。
もちろん、全部を通しで読んでもらえれば少しずつ話は進んでいっているのでどちらでも構わないような作りになっています。
若干のネタバレを含むため、話の初めに登場するポケモンと人を選ぶシチュエーションを反転で記入します。
好みのある方は確認してから進んでください。
全ての話がポケモン×人間♀となっています。
登場ポケモンバンギラス
シチュエーション強姦・青姦・若干の流血表現・腹ボコ
とある深い森の林道に、一つの噂話があった。
『深い深い、夜になってしまったのかと疑うようなそんな密林にある林道には、ポケモンだろうと人間だろうとそれが女だったら犯す化物がいる』
という噂だった。
あくまでそれは噂話だった。
ポケモンが人間を襲うことはほとんどない。
基本的にポケモンが人間を襲う時は縄張りに入ってしまったか、そのポケモンが人間に恨みを持っている時だ。
そんなポケモンも人間も犯すような存在がいるとはにわかに信じられないわけだが、それはあくまでその林道が暗く危険だから女性は決して近づかないようにというものだった。
しかし、ここ最近本当にそこでポケモントレーナーが犯されるという事件があった。
被害者は既に暴行で心を閉ざしてしまっているため、そのことを話そうとしない。
真偽を確かめるために他のポケモントレーナーが森へ入ったが、その噂の主は姿を現す気配がまるでなかった。
しかし、その後も一人で出歩くポケモンやトレーナーが次々と被害に遭っていたため、その度に調査に出向くが、本当に噂だけが独り歩きしているかのようにその犯人は姿を現さなかった。
真偽が確かめられぬまま噂だけが流れ、ついにその森へ近寄る者は現れなくなった。
昔はそこの林道を使って次の街へ進む者も多かったのだが、その噂が流れて以来、不安の声が多く、新たに近くに整備された道路が作られた。
そのため今ではその話を覚えている者は少ないのだが、皆が忘れているだけでその事件は不意に訪れることがあるという。
そんな林道の前に白衣を身にまとった女性と、そのパートナーと思われるゾロアークが立っていた。
「今日はこの森で協力してくれるポケモンを探すか。ゾロ、君は先行して奥を探してくれ。私は手前の方を探す」
そう白衣の女性はゾロと呼んだゾロアークに指示を出した。
するとゾロは元気良く返事をして森の中へ駆け込んでいった。
その後を追うようにその女性も森の中へ歩いて行った。
彼女の名はアカリ。
纏っている白衣から分かるように彼女は学者だ。
彼女はとある研究のためにこの森へやってきていた。
彼女の実験に協力してくれるポケモンを探すために世界中を旅して、ポケモンの協力を得ていた。
この森にもそのためにやってきたのだが、彼女はまだ知らない。
この森で彼女に起こる事を……。
レポート13:たまごタイプ かいじゅう
深い森の中をゾロは飛ぶように走り回っていた。
今まで彼はアカリと共に旅をしてきていたが、この森はかなり広く、そして樹海のように気が鬱蒼と茂っているため、アカリは少しでも早くポケモンを見つけるためにゾロだけを先に向かわせた。
元々ゾロはアカリと出会うまでは森の中で暮らしていたため、森の中を駆け回るのは朝飯前だった。
そのため元気良く森を駆け回りながらアカリが探し求めているポケモンを探していた。
しかし、かなり鬱蒼とした森のため見通しが悪く、ゾロは諦めてゆっくりと歩きながら探すことにした。
辺りをキョロキョロと見回しながらゾロはその林道をズンズンと進んでいく。
『暗いし誰もいないし……。これは骨が折れそうだな……』
ポケモンを探すために注意力が散漫になっているゾロを遠くから見つめる者の姿があった。
遠くの方をぼーっと眺めながらゾロが歩いていると、不意に遠くからゾロに向けて何者かが飛びかかってきた。
すぐに殺気に気付いたゾロは身を翻してそれを躱す。
向き直してすぐにゾロは臨戦態勢をとった。
「誰だ! 俺に喧嘩売ってくるとはいい度胸じゃねぇか!」
ゾロはその相手にそう言い放つ。
彼は明かりと出会う前の野生の頃より更に前はポケモントレーナーの元で一軍として活躍していた。
そのためそこらのポケモンとは強さの比が違う。
そんな彼に喧嘩を自分から売ってくるポケモンは少ないため彼はそう言ったのだろう。
するとそのポケモンはゾロを睨み付けてまた飛びかかってきた。
ゾロは確かに強いが基本的に戦うことを好んでいない。
相手が決して攻撃の手を緩めないため、回避に専念していたゾロもシャドークローを構えた。
もう一度攻撃してくるようならカウンターで喰らわせるつもりだ。
ゾロが躱すとそのポケモンは着地と同時にすぐに向きを変えて再度飛び込んでくる。
『ちっ! なら仕方がない!』
心の中でゾロはそう念じ、相手が死んでしまわないように手加減しながらその飛び込みにシャドークローを重ねた。
「ぐぁあ!!」
シャドークローが見事に命中し、そのポケモンは吹き飛んでいった。
そのまま地面を転がり、ピタリと動かなくなる。
「まずい! やりすぎたか?」
ゾロは思わず口からそう発した。
彼も決して相手を殺したいわけではない。
そのため急いでそのポケモンに駆け寄る。
ゾロがそのポケモンの肩に手を掛けようとしたその時、ピクリともしなかったそのポケモンは起き上がり、そのままの勢いでゾロに回し蹴りを繰り出した。
しかしこれもゾロは間一髪の所で避け、ゾロはそのポケモンに掴みかかり、ラグビーのタックルのような要領でそのまま地面に押さえつけた。
「離せ!! これ以上お前に犯されてたまるものか!!」
そう言い、そのポケモンは暴れ続けた。
「待て待て! 何の話だ! 俺がいつお前を犯すなんて言った!?」
ゾロも襲われたくないため流石にそのポケモンを離しはしなかったが、そのまま自分にはそんな意思がないことを伝える。
すると途端にそのポケモンは暴れるのを止めた。
流石にそんな説得で納得するとは思っていなかったゾロだったが、相手はすんなりと理解してくれた。
「お前じゃないのか……すまなかった」
「やたら理解が早いな……まあ俺は助かるが」
彼が押さえつけていたポケモンはコジョンドというポケモンだった。
彼女は格闘タイプのポケモンのため、悪タイプのゾロはもしも彼女の一撃を喰らっていたのならゾロの方がひとたまりもなかっただろう。
彼女が暴れる様子が見られなかったため、念のためゾロはもう一度だけ確認すると勘違いだったと潔く認めた。
開放すると彼女は立ち上がり、埃を払って真っ直ぐゾロを見つめ
「改めてすまなかった。私はとあるポケモンに襲われてな。それ以来そいつに復讐するために鍛えていたんだが……こう簡単に組み伏せられるようなら諦めた方がいいのかもしれないな……」
彼女はそう語り、ゾロにしっかりと頭を下げた。
ゾロはそのことはさほど気にしていなかったが、彼女が言ったことの方が気になった。
「襲われた? ってことはさっきの言い方からすると……無理矢理交尾させられたってことか」
ゾロがそう言うと、彼女は頷いた。
野生の世界では基本的に女性の方に交尾の決定権がある。
そのため雄が無理矢理雌を犯すことは少ない。
そもそもそうでなければタマゴを育ててもらえなくなるため、雄としても困るのだ。
「そいつはどんな奴だったんだ? 俺でいいなら力になるぞ」
ゾロとしてもその存在が気になったので彼女にそう声を掛けた。
するとそのコジョンドは首を横に振った。
「別にいいわ。私の力があなたにも叶わなかった時点で諦めもついたし、二度も犯されずに済んでよかったってことで」
かなり強い恨みを持っていたように見えたが、彼女はあっさりと諦めた。
それを見てゾロはかなり驚いた表情を見せた。
ゾロはそれなりに強かったのでやはり困っていたそのコジョンドを放ってはおけなかった。
ゾロにもアカリという大事な存在が生まれたからこそ覚えた思いなのだろう。
「でもそいつがあんたを犯したってのは事実なんだろ? だったら俺もあんたのために何かしたいんだよ!」
そう言うとコジョンドはあまり興味のなさそうな表情を見せた。
「ふーん……。そうね……なら私と交尾して」
ゾロの体をまじまじと見つめた後、彼女はそう言い放った。
その瞬間ゾロは固まる。
『あっ、これ地雷踏んだ感じだ……』
心の中でそう思い、そっと後ずさりした。
「逃がさないわよ。私のために何かしたいならその優秀な遺伝子よこしなさいよ」
ゾロが逃げ出すよりも早く今度はコジョンドがタックルしてきた。
そして彼女はゾロにマウントを取ったまま淡々とした調子でそう言った。
「お前本当に犯されたのか!? 初めからこれが狙いだったんじゃないのか!?」
ゾロが必死にバタバタとしながらそう言うと、彼女はゾロの顔の真横を思いっきり殴りつけた。
「あんた死にたいの? 言っておくけど襲われたのは事実よ」
流石に鍛えているとはいえ、格闘タイプの一撃をゾロがもらえば先程も言ったようにひとたまりもない。
その上彼女も野生ではあるが復讐するためにかなり鍛えたのだろう。
その拳は地面を僅かに抉る程の威力だった。
そのためゾロも仕方なく暴れるのを止めた。
「一応俺にはアカリっていう大事なパートナーがいるんだ」
ゾロがそう言い、彼女に諦めてもらおうとしたが
「なら私もそこに加えてよ。別にいいでしょ? 一人増えるぐらい」
野生のポケモンにそんな言葉は意味をなさないので忘れていたゾロは綺麗に論破される。
その後もコジョンド優勢のままゾロの必死の抵抗が続くが、残念ながらゾロは勝つことができなかった。
「じゃ、タマゴだけは貰うわね。こう見えて私、子育て憧れてたのよ」
初めて彼女が見せる笑顔にゾロは思わずドキッとした。
その基本的に無表情でたまにとびきりの笑顔を見せる辺りはアカリに似ていたためだとゾロは思い込むことにした。
「分かったよ……。交尾するからどいてくれ」
ゾロがそう諦めて言うと
「嫌よ。絶対あんた逃げるでしょ?」
と言われてゾロはギクリとした。
なぜバレたのかゾロは不思議で仕方がなかったが、ゾロはおよそ5分ほど交尾するかしないかで論争をしていたため、それだけの論争をすれば退いた瞬間逃げるだろうということは誰でも容易に想像ができた。
「それにあんた、私が上に跨ってるのよ? 交尾する気ならなんでチンコが伸びてきてないのよ?」
彼女がチンコなどという言葉を使って少し幻滅したが、それでもそう言われて彼もしまったと思った。
流石に逃げ場がなくなったゾロは覚悟を決めた。
「分かったよ。好きしてくれ」
ゾロがそう言うと彼女は待っていましたと言わんばかりに少し下にずれる。
そして丁度ゾロのモノの上辺りで彼女は腰を振り始める。
流石にそんな事をされればゾロもすぐに興奮する。
スルリとゾロのモノが伸びてきて、そのまま彼女の擦りつける秘部に届く。
「体は正直よね」
「うるせぇ……」
どちらかというと攻められる方が好きなゾロとしてはこのシチュエーションはとても興奮するものだが、素直にそれを認めたくなかった。
そんなやり取りをしている間にも彼女は簡単にゾロのモノを自分の中へ受け入れた。
そしてそのまま一気に腰を落とす。
ゾロは思わず声が出そうなほどの快感を味わっていた。
コジョンドはかなり鍛えていたためか、膣の締りもかなり良く、その刺激は非常に心地の良いものだった。
そのままコジョンドは腰を動かし出す。
「うっ……!」
流石に入れただけでそれだけの快感だったのに、動かされればひとたまりもなかったのかゾロは思わず声を漏らした。
ゾロもそれなりに性経験はあったのだが、それでも彼女の交尾はとても気持ちが良かった。
そのままゾロの上で複雑に腰をくねらせて刺激を与え続ける。
そんな事をされればゾロの息はすぐに荒くなっていくが、それよりも先にコジョンドがいきなり動きを止めた。
そして一気に膣がゾロのモノを締め上げる。
搾り取られそうになるが、まだ余裕のあるゾロは快感だけを味わっていた。
そしてそのままコジョンドはゾロの胸に倒れこんだ。
「……どうした?」
ゾロがそう胸の上のコジョンドに聞くと、彼女は僅かに体を震わせていた。
それで気付く。
「もしかしてイった!?」
驚いてゾロがそう言うと荒い呼吸のまま、コジョンドは首だけで答えた。
聞いたところによると彼女は自分から交尾をするのは初めてだったそうだ。
それでペースが分からず、ずっと腰を動かしていたら先に自分の方が動けなくなってしまっていた。
「仕方がないな……」
ゾロはそう言い、彼女をしっかりと抱いて上下を入れ替える。
コジョンドはその瞬間、逃げられると思ったが、ゾロはそのまま腰を動かし始めた。
「にゃあっ!? な、なんで!?」
ゾロがそのまま交尾を続けてくれたのが予想外だったのか、不意打ちを受けたコジョンドは初めてそんな可愛らしい声を出した。
「だって約束はしたからな……。最後までは付き合うよ」
そう言ってゾロはラストスパートをかけていった。
流石にどれほど強いポケモンだったとしても絶頂に達している時には素に戻る。
必要以上の快感でコジョンドは猫のような嬌声を上げて善がっていた。
そのままゾロはモノをコジョンドの一番深くまで突き入れ、絶頂を迎えた。
「ーー!!?」
ビクビクと脈打ちながら彼女の中にゾロの精液が次々と送り込まれる度に、彼女は声にならない悲鳴を上げていた。
全て出し終わるとゾロはコジョンドから離れる。
そのまま彼女は残りの快感でビクビクと震えていたが、次第にその吐息が別のものに変わる。
長く深い息を吐きながら腹部に力を入れていく。
するとズルリとタマゴが産み落とされた。
ようやく一仕事終えてコジョンドも今度こそ息を整えることができた。
――二人共落ち着いたところでゾロは改めて彼女に聞き直す。
「それにしても……犯されたってのに、よく俺なんかと交尾しようって気になったな」
そう言うとコジョンドは胡座の真ん中にタマゴを乗せて、いかにも男らしい座り方をしたまま
「このまま子供も作れずに死んでいくのだけは嫌だったからな。あなたにはそのトラウマ克服の協力をしてもらった感じでもあるわね。でも……、最後までシてくれてありがと……」
そんな女性らしいことを言い、最後に顔を赤らめた。
それを見てゾロは微笑み、スッと立ち上がった。
「よし! やっぱりアカリの手伝いも大事だが、それよりも先にそいつの捜索だな。やっぱり懲らしめてやんないと気が済まなくなった!」
そう言い、ゾロはコジョンドに今度こそその強姦魔の正体を聞き、アカリのお願いそっちのけで捜索を開始した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方その頃アカリはゆっくりと森林浴をしながらポケモンを探していた。
「この森はいいな。他の森に比べて木の密度が非常に高い。お陰で空気もかなり新鮮なようだな」
アカリは近くの木を撫でながらそんな独り言を呟いていた。
彼女もゾロと同じくポケモンを探しながらの遊歩だったため、大分注意力が散漫になっていた。
そのため彼女にもまっすぐ獲物を狙う視線が向けられていたことに全く気が付かなかった。
しかし、運が良いのか彼女が他よりも木が一際茂っている場所にいたため、その存在にとっては不都合だったのだろうか、襲っては来なかった。
そのままアカリはその存在に気付かずに森の奥へと歩を進めていく。
「よし……ここならテントを張るのにちょうどいいな。やはり今回は私が持っておいて正解だったな」
そう言い、アカリはテントの貼りやすい開けた場所へ出てしまった。
鞄を下ろし、中からテントを出そうとした時、後ろの茂みが不意にガサガサッ! と大きな音を立てて揺れた。
何事かと思いアカリが後ろを振り返るとそこにはニヤけ面を浮かべるバンギラスが立っていた。
アカリは最初、そのポケモンを見た時一体なぜそのバンギラスがにやけているのか分からなかった。
だがアカリもすぐに思い知ることになった。
相手は人間だというのにも関わらず、そのバンギラスはいきなり地面を叩きつけて攻撃してきた。
いきなりのことでアカリは何が起きたのか状況が理解できなかった。
すぐに顔を上げて目の前を確認するとそこには既にバンギラスの姿があった。
アカリが驚いた表情を見せるとバンギラスはすぐにアカリに掴みかかった。
逃げる間もなくアカリはバンギラスに羽交い絞めにされる。
「くっ!! ……離せ!」
アカリが強気でそう言うが、バンギラスは離す気が一切ない。
それどころかバンギラスはすぐにアカリの服をその鋭利な爪で破いた。
「……っつ!?」
その爪はアカリの服はおろか、彼女の柔らかな肌までも僅かに切り裂き、白い肌に赤い筋が伸びていった。
『くそっ……! こんなことになるとは……! ゾロを同行させておけばよかった』
痛みに顔を歪めるが、傷はそこまで深くはなく、皮膚を僅かに裂いた程度だろう。
そのためアカリにはそれほどの思考余地があった。
だが、そんなアカリを休ませる間もなくバンギラスは次の手を見せた。
基本的にポケモンは人間を襲わない。
相当な恨みを持つものでなければ攻撃はしない。
ましてやポケモンが基本的に人間に欲情することはそうそうない。
だがこのバンギラスは既に赤く槍のようにいきり立ったモノをアカリの下から伸ばしていた。
「私を犯すつもりか? この乱暴者が」
アカリは決して強気の姿勢を崩さずにそう言った。
そう、このバンギラスこそ先程の噂の正体だった。
彼は計算高く、決して単独で行動しているメスか人間の女性以外の前には姿を現さない。
巨体を持つことで知られるバンギラスがなぜこれほどまでに狡猾な狩りができるのか不思議だが、捕まったアカリがされることはアカリが言った通りのことだ。
そのまま受け入れる準備すらできていないアカリの膣へバンギラスは強引に自らのモノを押し入れた。
「ぐっ!? あぁぁ!!」
腹を裂かれるような激痛が彼女の内側から込み上げてくる。
アカリの腹が内側から盛り上がるほどバンギラスは無理矢理中まで押し込むと、間も開けずにすぐに引き抜く。
それだけのものをいきなり押し込まれれば抜き出す時にも相当の負担が掛かる。
膣内を捲り返されそうなほど一気に引き抜かれる。
バンギラスはそのままその乱暴な交尾と言えない行為を続けた。
これ以上の体への負担は死に直結すると本能的に感じたのか、アカリの膣内はすぐに湿ったが、それでもその乱暴な行為自体がアカリに与えるダメージは大きかった。
快感など感じられるはずもなく、アカリは必死にその行為が終わるのを待っていた。
彼女の目的はポケモンとの交尾だったため、この状況は不運でもあり幸運でもあった。
このまま彼が膣内へ射精し、満足して去っていったのならそれで今回の実験は終了となるからだ。
バンギラスはそのまま乱暴にアカリとの行為を楽しみ、ビクビクとモノを震えさせ始めた。
『もうすぐ出しそうだな……。なら、あと少しの辛抱か……』
苦痛ではあったが、アカリは冷静に状況を判断した。
アカリの中に収まりきらないほどのモノはアカリの膣内に密着しているため、その動きがよく分かった。
もう出るだろうと思った次の瞬間、バンギラスは一気に引き抜き、アカリに見せつけるかのように外へ放出した。
飛び散る精液の一部がアカリに降りかかり、白い肌よりも白い液体が体を汚した。
アカリの思惑通りとはいかず、外に放出したバンギラスは大きく鼻を鳴らした。
そして今出したばかりだというのにまたすぐにアカリの中へ挿入した。
「ぐっ……!!」
先程よりはアカリの体が準備が出来ていたというのと、バンギラスが一度出したことによって精液がモノに付着したことによってさらに滑りが良くなったため苦痛は僅かに和らいでいた。
とはいえ、腹が浮き上がるほどの突き上げをこれ以上受け続ければアカリの体が持たない。
そこでアカリはまず冷静にこのバンギラスを分析しながら、挑発することにした。
「そ……その程度の……! 性量で何度……も犯すつもりか? たかが知れるな」
するとバンギラスは初めてその動きを止めた。
『よしっ……! ひとまずは読み通りだな……。後は私が耐えるだけだ』
アカリは元々、ポケモンの人並みかそれ以上の感情の豊かさに惹かれてポケモン研究者になった。
そのため、元々ポケモンの心理は得意だったが、この旅に出るにあたって筋力のないアカリはその心理学を武器にするために更に学んでいた。
大体の者がそうだが、基本的に相手のことを考えない自己中心な者はプライドの塊であることが多い。
アカリの読みは当たり、彼の自尊心に火を付けたようだ。
そうなれば出てくるのは本性だ。
バンギラスはアカリの体を押さえつけ、さっきよりもさらに深く突き入れる。
体が裂けてしまいそうなほどの激痛を感じるが、まだ大丈夫だった。
明らかに激しくなった攻め立てから分かる通り、『それなら本気を見せてやろう』と言わんばかりの行動だった。
そのまま激しく攻め立て、今度は中へドクドクとモノを脈動させて精液を放つ。
収まりきるはずのない精液は次々とわずかな隙間から音を立てて溢れ出していく。
息を荒くしながらバンギラスは精液を出し切ったモノをアカリの膣内から抜き出し、誇らしげにアカリに見せつけた。
そこでアカリは理解する。
「お前は何故そんなに自分の力を見せつける? お前は十分強いだろう? こんなことをせずとも」
そうアカリはいつものように強気でそう言った。
するとバンギラスは初めて驚いた表情を見せた。
今までここまでやって彼に屈しなかった者は一人もいなかったからだ。
焦りを見せたバンギラスだったが、そのままではまずいと思ったのかまたすぐに明かりに自らのモノを挿入した。
しかし、既にアカリも慣れ、モノの硬さを僅かに衰えているため苦痛は大分マシなものになっていた。
そのためアカリはそのまま強気の言葉をぶつける。
「何故交尾とも取れないこんな行為を続けている? それほど誰かを支配したいのか?」
アカリがそう言うとその言葉を聞きたくないのか動きを早める。
確実に焦りが見えていた。
アカリは既に気付いていた。
彼のその行為は自尊心を保つものではなく、誰かに自分を認めさせようとしているものだと。
ポケモンはとても純粋な生き物だ。
トレーナーと共に生活したポケモンならば皆必ず、そのトレーナーに認めてもらうために努力をする。
直向きに自分の強さをトレーナーに見せつける。
彼の行為も交尾自体や強姦自体が目的ではなく、その後の彼の誇らしげな顔をそのモノを見せつけ、相手に認めさせるのが目的だとアカリは気付いた。
「悪いがお前がそんな行為を続けても私は決してお前を認めない。そんなものがお前の見せつけたいものか?」
アカリが言葉を投げかける度にバンギラスの交尾は雑になっていた。
確実に焦りが出ていた上に、彼にもそう何度も犯し続けるだけの力はない。
もう一度一気に突き上げ、アカリの中へ精液を注ぐ。
既に勢いも弱く、脈動もただ動くだけになっていた。
息を荒くして、バンギラスは既に重力に逆らえなくなったモノを引き抜きアカリに見せつける。
「本当にそれでいいのか? お前はそんなことのために強くなったんじゃないだろ?」
次第にアカリは声のトーンを落としていく。
アカリが屈しないのを見るとバンギラスはついに諦めてアカリを離した。
こうなればもう逃げることも可能だった。
だが、アカリは振り返りバンギラスに優しく抱きついた。
彼は非常に焦った。
そんなことをされると思っていなかったからだ。
だがアカリはそんな彼の首に必死に手を回し、自分の顔へバンギラスの顔を近づけた。
「誰かに認めてもらいたかったんだろ? 『俺はここにいる』と訴えたかった。何がお前をそうさせたかまでは私には分からない。だが、君はまだまだ幼稚だな。ただ、褒めてもらいたかったのならこんなことをしても無意味だ」
アカリはバンギラスにそう優しく言い、頭を撫でた後
「君は純粋な子だ。甘えたいなら力を見せつけるのではなく、素直に甘えればいい」
そう続けて彼の耳元に囁いた。
気が付けば、バンギラスは大粒の涙を流しながら大声で泣いていた。
――彼は必死に強くなった。
ただトレーナーに認められたい一心で。
だが、ヨーギラスの時の彼はそんな思いでトレーナーのために強くなったが、トレーナーが放った一言は彼を深く傷つけた。
「お前よりも強いポケモンは一杯いるから、お前はもういらない」
まだ幼い彼にはそれは過酷すぎる一言だった。
その言葉と共にまだヨーギラスだった彼はこの森の深くに捨てられた。
強くなるために努力した彼は、その努力を認めてもらうこともできず、一人で生きる力も十分に備わっていない彼を捨てて二度と現れることはなかった。
『強くなければ認めてもらえない。生きていることも……』
彼の心にはそれが深く刻み込まれた。
その日からは今までの生活よりももっと過酷な日々が続いた。
幼いポケモンがいきなり他のポケモンの縄張りに置いていかれたとしても、その縄張りの主は手加減することはない。
皆生きている。
誰かに自分の場所を奪われることだけは避けなければならなかった。
そのために殺し合うことは当たり前のことだった。
だが、彼は生き残った。
傷だらけになり、死にかけたが彼はその森で生きる権利を勝ち取った。
その日から彼は強くなるために生き、全てを強さで支配した。
毎日が戦いの日々だったため、そうなるのは必然だった。
そして戦いしか知らず育った彼は、思考は幼稚なまま、体だけは立派に成長していった。
そして交尾できるほどに成長した彼はその間違った思想のまま生き、交尾においてもその考えは変わらなかった。
弱い者が生き抜くためには常に狡猾に生きなければならない。
生まれながらの強者ではなかったバンギラスはその図体に見合わず、戦うために蓄えた沢山の知識で狡猾に強くなっていった。
彼が決して一人の状態のポケモンしか狙わない理由はそんな幼少の頃の記憶のためだ。
囲まれれば利はない。
全てを力で支配していた彼はそのことをよく理解していたため、決して自分の存在をさらけ出さずに生きてきた。
今日という日までは……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森を走り回るゾロは開けた場所にいたアカリを見つけて絶句した。
彼女の服はボロボロになり、そのすぐ横に話で聞いたバンギラスを見つけたからだった。
「てめぇぇぇえ!! アカリに何しやがった!!」
怒りで頭に血の昇ったゾロはバンギラスに飛び掛る。
だが、それを遮るようにアカリが前に立ちはだかった。
「おお! ゾロ。帰ってきたか。遅かったじゃないか」
そう言いながら二人の間に割っていったアカリは決してゾロを遮るつもりではなかったようだ。
そのままではアカリに当たるため、なんとか既のところで持ちこたえる。
「アカリ!! 大丈夫か!?」
そう言いゾロはアカリの両肩に自分の手を置いて彼女にそう言った。
ゾロは心配のあまり凄まじい剣幕でアカリを見つめる。
そして胸に付いた傷跡を見て怒りの矛先はそのバンギラスへ向く。
「てめえがぁぁl!!」
「止めろゾロ! こいつは何も悪くない!」
怒りを露わにした表情を見せ、低く唸る彼を見てアカリはそうゾロに言った。
そう言われ、驚いた表情を見せてゾロはアカリを見直す。
「大丈夫だ。彼はもう悪さはしない」
ゾロを落ち着けるためにアカリはひとまずゾロにそう言った。
そしてゾロが落ち着いたのを見ると、アカリはゾロにここまでの経緯を全て話した。
「ごめんなさい……」
その図体には見合わないションボリとした声でバンギラスはゾロに深々と謝っていた。
展開が理解できなかったのか、ゾロはかなり混乱する。
するとアカリはゾロの肩を叩き
「とりあえず、混乱しているところすまないが、私の服を代わりに買ってきてくれないか? 傷は消毒しているからもう大丈夫だが、服はこの一着しか持ち歩いていなかったからな。頼むぞ!」
そうゾロに言った。
仕方なくゾロはまだ整理のつかない頭のまま、アカリからお金を受け取り、一応女性の姿に化けて近くの街まで服を買いに行った。
――それから数十分後。
「君のセンスには正直呆れたよ……だが、背に腹はかえられんからな」
アカリは受け取った服を見てそう言った。
「んなこと言われても人間のしかも女性が着る服なんて俺に分かるかよ……」
ゾロもそう愚痴を零す。
アカリに渡した服は、店に置いてあった中で一番最初にゾロの目に止まったエスニックな服を選んだ。
試着するか聞かれた時は全力で首を横に振って答えた。
ひとまず今のボロボロの服を脱いでアカリはその受け取った服を着るのだが、アカリが否定したほど悪いものではなかった。
寧ろアカリにはよく似合っているため、ゾロの直感の方がアカリの感性よりもよかった。
色々とさせられてゾロもようやく落ち着いたのか、自分からバンギラスに話しかけた。
「お前、なんで今までそんな胸糞悪いこと繰り返してたんだ?」
そう聞くとバンギラスはまたションボリとした表情を見せて
「それしか生き方を知らなかったんだ……。ごめんなさいゾロさん」
そう言った。
なぜそうなってしまったのか、きちんとゾロは彼の口から聞き、彼の生い立ちを知ってようやく彼に同情した。
深い溜め息を吐いた後
「仕方がなかったといえば仕方なかったが……。それでも自分のやったことがどれだけ酷い事かは理解して、きちんと反省しろよ?」
そうゾロは諭した。
するとバンギラスは小さく頷いて今にも泣き出しそうな表情のまま下を向いていた。
流石にゾロもそんな彼がいたたまれなくなったのか、自分よりも大きな、座って丁度ゾロと同じ高さのそのバンギラスの頭をそっと撫でた。
「そんなにくよくよするな! そんなに誰かに優しくしてもらいたいなら簡単な話、お前も誰かに優しくすればいいんだよ。強さが全てじゃないってアカリに思い知らされたんなら丁度良いだろ?」
そう優しく励ました。
するとバンギラスは無垢な笑顔でうんと頷き、よほど嬉しかったのかゾロに抱きつこうとした。
「やめろ馬鹿! 自分の体格を考えてからそういうことをしろ!」
結局ゾロはバンギラスに捕まり、ギュッと抱きしめられて瀕死になっていた。
そんな二人を見てアカリはフッと笑い
「ほら、二人共! 食事だぞ! 早く取りに来い」
そう言い放った。
その日を境に、強姦魔の出る深い森の噂はハタリと止んだ。
その代わりに今度は新しい噂が街に広がっていた。
森の近くにできた道路のそばの木の陰から、こちらを伺う不思議なバンギラスの話だ。
そのバンギラスは他のバンギラスと違い、凶暴さは一切なく、ただこちらを見つめているだけだという。
そして、誰か困った人間を見つけるとスッと近づいてきてその人を助けようとするのだという。
そのバンギラスにはどうしようもできないことだと非常に悲しそうな表情を見せ、解決できたらとても嬉しそうに喜び、撫でてもらいたそうに首を手の高さまで下ろす、とても愛嬌のあるバンギラスがいるという噂が広まっていった。
有名になったその噂とは違い、彼は今日も堂々とせず、木の陰から誰かが困っていないか、目を人知れず光らせているのであった。
登場ポケモンジガルデ
とある大きな街に白衣をまとった女性とそんな彼女とは正反対に漆黒の体毛を生やしたゾロアークがいた。
彼女の名はアカリで、ゾロアークの名はゾロという。
アカリとゾロはパートナーであり、ポケモンと人間ではあるが恋人同士でもあった。
「見ろゾロ! あれがプリズムタワーだそうだ! やはりこの町は一度来てみたかったが、来るだけの価値はあったな!」
とても活き活きとした表情でアカリはゾロにそう言った。
その町はミアレシティと呼ばれるカロス地方最大の町だ。
町の真ん中にはプリズムタワーと呼ばれる非常に高いタワーがあり、町の何処からでもその姿を見ることができるほどに高い。
この町はカロス地方としても真ん中に位置するため、非常に流通が便利なためか色々な店も多く点在する。
二人はこの町の最大の観光名所であり、ポケモントレーナーたちの目標地点でもあるあるタワーを間近から見上げ、感嘆の声を漏らしていた。
田舎に住むアカリたちからすれば山と同じほどの高さの建造物など見たこともないため、かなり長いこと見とれていた。
「そこのお嬢さん。もしかして観光ですか? なら折角なら一枚どうです?」
アカリたちの後ろから誰かがアカリに声をかけた。
振り返るとそこにはカメラを持つ一人のおじさんが立っていた。
なんでも彼は写真を撮ってくれると申し出た。
断る理由のなかったアカリはお願いし、ゾロと一緒にプリズムタワーを背景に一枚撮ってもらった。
「やはりいい町だな。観光にはもってこいだ」
綺麗に撮れた写真を手に、アカリは満面の笑みで町を歩いてゆく。
この二人の目的はポケモンを探し、見つけたポケモンと交尾をすることだ。
これだけを説明すると彼女たちの旅はおかしなもののように聞こえるが、実際におかしなものだ。
交尾をするのはゾロではなく、アカリ自身だ。
普通に考えてポケモンと人間が交尾するのはおかしいが、それは彼女の実験が理由だった。
人間がポケモンの子供を産むことができるのかというアカリが今行っている研究の第一段階を検証していた。
アカリの研究の最終目標は人とポケモンのおよそ中間に位置する、進化したポケモン又は人類を生み出すのが目的だった。
だが、アカリは決してそれを人為的に行いたくはなかった。
あくまで自然な進化を促し、それが当たり前のように存在する世界を作りたかった。
決して生物兵器を作りたい訳ではなかったので、ロケット団などの悪の組織が行っていたような人為的なポケモンの進化はアカリとしては嫌だった。
そのためできることならアカリは『シンオウ神話』にあった一節の通り、人とポケモンが近い種であったことを証明するためにその実験の旅を行っていた。
二人は今まで急ぎ足でポケモン(精液のみ)収集の旅を行ってきたため本来の予定よりもかなり速いペースで進んでいた。
しかし、その旅ももう最後の一種類を残して終わりを迎えていた。
そのため既にアカリとゾロの心には余裕が生まれていた。
なので今回は最後の一匹の場所も既にアカリが把握していたため、折角ならとアカリは今まで来てみたかったこの地方をついでに観光することにした。
アカリのこの町での目的地はこのプリズムタワーだけではない。
アカリにとって一番見てみたかった物、それは……。
「あった! ここだ!」
アカリはとある店を見つけてそう言った。
彼女が見つけたのは石屋という店だ。
そこにの横にいる男性が売っているとある商品が彼女のお目当ての品だった。
「メ……メガストーン一個100万……円」
「出せないなら諦めてもらうよ。貴重なものだからな」
その値段を見てアカリは固まる。
彼女が捜し求めていた物はそのメガストーンだった。
だが、やはり歴史的にも価値の高いものなのかその値段は高いなんてものではなかった*1。
ポケモンの更なる進化の姿を開放するといわれる未だ謎の多い石、メガストーン。
ポケモン研究者であるアカリとすれば気になるのは必然だったが、流石に手を出せる値段ではない。
更に言うなら、アカリとしてはゾロアークに対応したメガストーンがなかったため何が何でも買いたいという気持ちはなかった。
恐らく、ゾロアークナイトなるものがあったのならば彼女は間違いなく即買いしていただろう。
「仕方がない……メガストーンは諦めるか」
「ガウ……」
アカリとしてもゾロとしてもメガストーンが手に入らなかったのはとても残念だった。
仕方なくアカリたちは近くにあったカフェへ入り、少し休憩することにした。
そこで少し休憩した後、アカリはもう一つの目的地へと向かった。
「申し訳ありません。突然の来訪だったのに歓迎していただいて……」
アカリは深々と頭を下げながらそう言った。
するとその人は笑い
「いやいや、気にすることはない。それよりわざわざ遠い所からご足労だったね。私の話で参考になることがあるのなら是非聞いていって欲しい」
そう答えた。
彼女が訪れたのはこの町にある彼女にとって最も興味のある施設であろう、この地方の最高の科学者であるプラターヌ博士の研究所だった。
いきなりやってきたアカリに対し、プラターヌ博士はとても紳士的な対応で答えた。
目の前にポケモン研究の第一人者の一人がいるというのは彼女からしてみればチャンピオンにめぐり合えたポケモントレーナーのような心境だ。
若干の興奮をなんとか抑え、アカリは様々な聞きたい事をプラターヌ博士に聞いていた。
「ゾロ! 起きろ! もう博士も用事で出掛けなければならないそうだ。私たちも次に行くぞ」
何時間にも渡るアカリにとっては意義のある時間が過ぎていたが、ゾロにとってつまらないその時間はアカリの後ろで眠っているだけだったゾロをアカリは起こし、プラターヌ博士にもう一度深々と頭を下げて礼を言い、研究所を去っていった。
研究者同士の話など、当の二人からすれば素晴らしいものだが聞いている周りからすればどうでもいい話だ。
大きな欠伸を一つして、背筋を伸ばしてゾロは起きた。
大変満足した顔のアカリは一先ずその日はもう夕方になっていたため、近くのホテルに泊まることにした。
――翌日、アカリはミアレシティでお土産として箱入りのミアレガレットを購入して、ゾロのためにしるやへ行き、今まで見つけた木の実を使って木の実ジュースを作ってもらった。
ゾロが飲んだ物はオレンの実のジュースで、アカリはここでも相当好きなのかマトマのジュースだった。
その後、アカリたちは街道に沿って街を移動した。
次に着いたのはヒヨクシティという海と丘が目立つ自然溢れる町だった。
「おお……港町か。久し振りにこんな町を見たな」
アカリはそう言い、海風を浴びて気持ちよさそうにしていた。
そしてアカリはゾロと共にモノレールに乗り、町の反対側へ行く。
この町自体には特に用はなかったのでそのまま町を抜けようとしたが、そこでとあるものが目に付く。
「きのみや? 人がいないじゃないか」
アカリがそう言って立ち寄ったのは誰も人が立っていない無人販売所のようなきのみやというお店だった。
しかし、そこには木の実が置かれているだけで、『ご自由にお持ち帰りください』と書かれたメモだけがあった。
それを見てアカリは少し考え込んだ後、ふとゾロの背負っている鞄からマトマの実を一つ取り出し、きのみやの籠にそっと入れた。
「これでマトマ好きが増えてくれると嬉しいものだな」
にっこりと微笑んでそう言うと、アカリたちはその町を去っていった。
次の目的地へ向かっていたアカリたちだが、その前に大きな川が流れていた。
「困ったな……見たところ整備された道路もないし、泳いで渡らなければいけないのか……」
アカリは手持ちのポケモンなどいないのでその場合はゾロに頼らないといけないが、ゾロは波乗りを覚えられない。
彼一人なら向こう岸へ渡ることはできるが、アカリを乗せてとなると流石に無理がある。
そこで困っているとこれまた近くにいた男性がアカリに声をかけてきた。
「向こう岸に渡りたいのかい? なら私のラプラスを貸してあげよう」
渡りに船もとい、渡りにラプラスとはこのことだ。
アカリはその男性にお礼を言い、皮の向こう岸まで着くとラプラスにも感謝の礼を言い、去っていった。
「じゃあラプラスを大事にしてあげてね!」
川を渡りきった所で一人の青年が少年からポケモンを受け取っていたようだ。
青年はにっこりと微笑んで頷くと、そのラプラスに乗り、アカリと同じように川を渡っていった。
『この辺りはやたらラプラスを持っている人間が多いみたいだな』
アカリはそんな事を思いながら目的地であるシャラシティまでやってきた。
正確にはシャラシティがアカリたちの目的地ではなく、その北に聳え立つマスタータワーが目的地だ。
マスタータワーにはメガ進化に関する伝承があり、ポケモン研究者のアカリとしてはプラターヌ博士の言葉と同じほど価値のある場所だった。
間近まで近寄るとその塔の高さと圧倒的なまでの存在感が感じ取られた。
「すごいな……流石にこの地方の伝承なだけはあるといった所か……」
アカリはここでも簡単の言葉を漏らす。
ゾロも同じように上を見上げていた。
すると後ろから彼女たちに近づいて来た者がいた。
「あら? あなたたちもメガシンカに興味があるの? それとも観光?」
そう言われ、アカリは後ろを振り返る。
「半分半分だな。メガシンカは研究者として、歴史ある文化は個人的に興味がある。申し遅れた。私はアカリ。ポケモン研究者だ。こっちは私の助手のゾロだ」
そしてアカリはそう言って自己紹介をした。
するとそのアカリに声をかけた女性はにっこりと笑った後
「初めまして! 私はコルニ。シャラシティジムのジムリーダーで、メガシンカの継承者でもあるわ。こっちはルカリオ」
そう言って彼女も自己紹介した。
継承者と言われ、アカリの目が輝く。
「そうか! 是非、メガシンカについて詳しく聞かせて欲しい!」
アカリが元気にそう言うとコルニも目を光り輝かせ、ゾロは逆につまらなさそうな顔をした。
それからは彼の予想通り、一時間ほどメガシンカについてアカリとコルニは問答していた。
「なるほど……。つまり対応したメガストーンともう一つ、その力を解放するメガリングという物が必要なのか」
アカリがそう感心しているとコルニは少しだけ微笑み
「そう! だけどそれよりももっと大事なものがあるわ」
そう言った。
そう言われアカリは不思議そうな顔をする。
するとコルニはゾロの方を見て、アカリに向き直し
「それはそのポケモンとの絆。お互いがしっかりと信頼しあっていないとメガストーンはその進化を発揮してくれないの」
そう続けて話した。
アカリとゾロはお互いに目が合い、二人ともコルニの方を見る。
「あなたたちなら確実にメガシンカできるでしょうね。でも残念な事にまだゾロアークに関するメガストーンの発見情報はないわ」
そう言われゾロは少しだけ残念そうな顔をした。
だがアカリがすぐにゾロの頭を撫でた。
その二人の間に言葉はなかったが、伝えたい思いは伝わったのだろうゾロは微笑んでいた。
そんな二人だからこそコルニも確信したのだろう。
「私も本当はルカリオを二匹持ってたんだけどね、ついさっきあなたみたいにポケモンのことを本当に大事にしてる人に託したんだ。ルカリオもその方がよさそうだったしね」
コルニは少しだけ寂しそうにそう告げた。
だが、すぐに元気な表情を見せてルカリオを撫でた。
「だから流石にこの子まであなたに託すことはできないけれど……。それも必要なさそうなほどに良いパートナーだもんね」
そう言うとアカリは笑い、自分はポケモントレーナーではないともう一度言った。
だが、コルニの目から見てもアカリのポケモンに対する愛情はきちんと見えていたのか、アカリのことをそれでも『ポケモントレーナー』だと認めた。
その後、それ以上ジムを空けるわけにはいかないと言い、コルニは去っていった。
アカリも観光したい場所はあらかた回ったため、本来の目的地へ向けて進み始めた。
レポート14:たまごタイプ タマゴみはっけん
場所を移し、アカリたちはヒャッコクシティへとやってきていた。
この町のすぐ近くにあるとある洞窟がアカリたちの最終目的地だった。
その場所は周囲に住む人間たちから『終の洞窟』と呼ばれている洞窟だった。
元々は鉱山だったのだそうだが、とある穴の奥から不気味な呻き声が聞こえたとのことで、急遽その鉱山を閉山したほどだ。
アカリは風の噂でその不気味な呻き声こそとある伝説のポケモンの鳴き声であるという話を聞いた。
伝説のポケモンと呼ばれるポケモンたちは一説には神と呼ばれる存在が具現化した姿だと言われている。
しかし、その真偽は定かではなく、伝説のポケモンという存在そのものが持つ強大な力を昔の人間が神と喩えたのではという説も挙がっている。
アカリからすればそこの真偽を確かめることはどうでも良かった。
アカリにとって大事なのは伝説のポケモンの出自よりも、その伝説のポケモンも『ポケモンである』という事実の方が大事だった。
伝説であろうともポケモンであることに代わりはない。
世界にたった一匹しか存在せず、その目撃情報もごく僅かなため生態がほとんど解明されていない伝説のポケモンはタマゴを産むのかそもそも性別が存在するのかすら怪しい存在だ。
だが、だからそこアカリはなんとしても調べたくなった。
ここ最近はその終の洞窟から頻繁に不気味な声が聞こえると噂され、近くに住む者は誰も近寄らなくなっていた。
そうなればアカリとしては好都合だった。
誰も近寄りたがらないため、アカリが中でどんな痴態を晒していたとしてもばれることがない。
そのためアカリはゾロにイリュージョンを発動させ、アカリとゾロの存在が周りの人間に認識できないようにさせた。
そしてそのままこそこそと終の洞窟へと入っていった。
中は本来ならばポケモンやポケモンを捕まえに来たトレーナーたちで活気が溢れているのだが、そんな噂がまるで現実であることを知らしめるかのように風の流れる音以外何も聞こえないほど静かだった。
何処まで進んで行ってもポケモンの姿すら見当たらなかった。
流石にここまで静かだとアカリもその不気味さに身震いするが、ゾロは既に『何か』の気配を感じ取っていた。
基本的に人間以外の生き物は第六感が鋭いと言われている。
そのため様々な危険を予め察知し、回避するのが普通だ。
アカリはまだ気が付いていないが、ゾロは既にその恐ろしい気配を感じ取り、今にも逃げ出したくなっていた。
しかしアカリという存在がいるためゾロは逃げ出すわけには行かなかった。
『ヤバイのがいる! 絶対関わったらいけないようなのがいる!!』
心の中でそう思っていたが、口に出してもしもその存在に気付かれでもしたらまずいので、ゾロはいつでもアカリを連れて逃げられるようにだけ準備して進んでいた。
そして洞窟の一番奥、一際闇が深い場所を見つけた。
そこでようやく気が付く。
先程から聞こえていた風が吹き抜けるような音は、風の音などではなく、ここから響いているということに……。
「よし、進むか」
アカリがそう言って足を一歩前へ踏み出す。
しかし、ゾロはそれを止め、首を全力で左右に振る。
アカリは少しだけ微笑み
「大丈夫だ。伝説のポケモンは神様みたいなものなんだ。真摯に向き合えば襲われるなんてことはない」
今からその神様相手になんとも冒涜的なお願いをしに行こうとしている者の口から出た言葉とは思えないが、アカリはゾロにそう言った。
そしてゾロの必死の制止も虚しくアカリは歩み始めた。
それに仕方なくゾロもついていくが、途中でゾロは見えない壁のようなものにぶつかった。
何が起きたのか分からず前を見るとそこには既にアカリの姿はなかった。
『マズイ……! マズイ!!』
心の中で焦りが大きくなるが、なんとか心を落ち着かせまっすぐその謎の壁を睨み付け
「アカリ!! 聞こえるか!?」
そう叫んだ。
だが彼の声が聞こえないのかアカリからの返事はなかった。
それに気が付いていないアカリは一人、更に洞窟の奥を目指して進んでいた。
そして洞窟の奥に不思議な光を点滅させてを放つ一匹のポケモンを見つけた。
それを見てアカリは思わず息を飲んだ。
そこにいたのはとても大きなポケモンだった。
「汝、何故我の元へ来た……」
「しゃ、喋った……のか?」
アカリの脳内にはそんな不思議な声が響いていた。
そのため思わずアカリはそうそのポケモンに聞き直した。
「我は人の言葉を介せぬ。故に汝の意思に直接語りかけた。何故我の元へ来た?」
するとそのポケモンはそう言い、またアカリに同じ質問を返した。
とりあえずそのポケモンに動きが見られなかったため、アカリはとりあえず落ち着いて話し始めた。
「私はアカリ。ポケモン研究者だ。今日は君に私の実験に協力してもらいたくてここまで来た」
そう言うとそのポケモンは僅かに体を動かした。
「我は世界の傍観者。故に輪に属さず、常に輪の外側から全てを見つめてきた。ただ我の力を行使しなければならぬ時が来るまで」
そう言い、アカリに顔を近づける。
アカリから見ればその顔の何処が目なのかも分からないような体の構造だったが、そういうポケモンは多かったため、あまり気にせず会話を続けた。
「悪いが私はポケモン研究者ではあるが哲学者ではない。分かりやすく教えてくれないか?」
そう言うとそのポケモンはアカリの顔をまっすぐ捉えたままじっと見つめ、暫くすると語り始めた。
「この世界に在る命を脅かす存在が動いている。……だが汝ではないようだな。ならば我は汝の要求を受け入れよう」
そのポケモンの小難しい言い回しは変わらなかったが、どうやらアカリのことを認めてくれたようだった。
「そうか! なら私と交尾をして欲しい!」
「何故だ? 人である汝と我が繁殖を行えるはずがなかろう。そもそも我は汝たちと理が違い過ぎる。我が繁殖を行うことは到底不可能だ」
アカリがそう切り出すとそのポケモンはそう淡々と答えた。
それを見るとアカリはそのポケモンをまっすぐ見たまま
「そんなことはして見なければ分からない。それを可能か不可能か証明するために私たち研究者はいるのだ!」
そう自信満々に言った。
するとそのポケモンは少しアカリを見つめたまま止まり、何か考えていたようだ。
「我はジガルデ。生命の傍観者であり秩序の理だ。故に汝に我子を授ける訳には行かぬ。だが我の力を使えば汝の望む力を与えられるだろう」
そうアカリに言った。
それを聞いてアカリは少しだけ不思議そうな顔をした後、
「つまり交尾をしてくれるんだな?」
と聞き返した。
するとジガルデは僅かに息を吐き
「汝は変わった者だ。だが決して間違っている者ではない。了解した。汝が望むのならば我の力を直接注ぎ込もう」
そう言った。
アカリはそれを聞くとすぐに服を脱ぎ捨てた。
そしてジガルデをまっすぐ見て
「よし! いいぞ! 私では君をどうこうすることはできない。君の好きにしていいが、くれぐれも加減はしてくれ」
そう言い放った。
するとジガルデの体は眩い光に包まれた。
あまりの眩しさにアカリもジガルデを真っ直ぐ捉えられなくなっていた。
光が消え、アカリがジガルデを見ると、そこにはアカリと同じほどの大きさになったジガルデの姿があった。
「お……おぉ! 大きさも変えられるのか! 流石は伝説のポケモンだ!」
アカリがそう言うとジガルデはアカリに近づき
「我は決まった質量も存在も無い。ただそこに在り、何処にでも在る。常に我が世界の秩序を見ている」
そう言いながら、アカリを何本も伸びる触手で優しく抱き上げ、ゆっくりと地面に寝かせた。
そしてジガルデはそのアカリの上に乗った。
温かいとも冷たいとも言えない体温のジガルデはそのままモノをアカリの中へ伸ばしてきた。
何もかもが不思議な存在のジガルデはそのままアカリの中へ挿入したモノをゆっくりと動かす。
今までのポケモンたちと違い、確かに優しく、アカリの快感のつぼを突いていて確かに気持ちがいいのだが、不思議とそう言った感情が浮かび上がらない。
しかし、体だけは確かにその反応を示していた。
「あぁ……! んっ!」
不思議な感覚が体を包み込み、声を堪えることもできなかった。
体の奥から続々と快感が湧き上がっては消えていく、そんな不思議な快感を味わいながら身をくねらせ善がっていた。
今までゾロ以外でそんなことをしなかったアカリは少し屈辱だったが、そんな感情もスッと消えていった。
次第にその動きを速くしていくジガルデだが、口が何処になるのかも分からなかったが決して息を乱すことは無かった。
それに対しアカリは次第に速くなっていく動きに息をどんどん早くしていくが、苦しくはなかった。
「我の力、汝に注ぐぞ。準備はよいか?」
淡々とした口調のままジガルデはそう告げた。
アカリが苦しいのかよく分からないような心境のままその問いに頷いて答えた。
するとアカリの中にドクドクと液体が注ぎ込まれたのがよく分かった。
「あぁっーー!?」
アカリがそう叫んだが、アカリの中に注ぎ込まれた液体はそのままアカリから溢れ出ることもなく、アカリの体へ吸収されていくように全て消えていった。
それと同時にジガルデはアカリの中に入っていた自らのモノを引き抜く。
そして眩い光と共に元の大きさに戻った。
「約束は果たした。汝が世界の命を繋げてくれる存在であることを信じ、託した力だ。決してその思い違えてくれるな」
そう言うと、ジガルデは今度は深い闇に包まれ姿を消していった。
「グルァァア!!」
そこへゾロの声が響き、駆け寄ってくる足音が聞こえた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
旅の最後の一日、アカリとゾロはホテルに泊まりゆっくりと過ごすことにした。
部屋でアカリはその日、起きた事を全てゾロに話して聞かせた。
「ってことは本当に神様がいたのか……」
ゾロはそう呟いた。
「しかし……終わってみるとそこには何もいなかったし……。まるで最初から私が夢を見ていたようだ」
アカリが出会ったのは紛れもなく本物のジガルデだったが、そのあまりにも不思議な体験からアカリはそう思ってしまうほどだった。
最後まで謎多きポケモンだったが、一先ずこれでアカリたちの旅は終わりだ。
最後の一夜は、ゆっくりと過ごそうと思い、ゾロもその話を聞き終わった時点でベッドに仰向けに倒れこんだ。
だが、アカリはゾロをそのまま休ませるつもりはなかったようだ。
「ゾロ……折角の旅の最後なんだ。最後は私と恋人らしいことをしてくれないか?」
『恋人らしいこと』を履き違えている気がしなくもないが、既に裸になっているアカリはゾロの上に乗りかかった。
あまりにも積極的なアカリの行動にゾロの眠気は吹き飛び、スイッチも一気に入った。
「当たってるぞ? ってことはいいんだな? ゾロ」
「そんな事言われて、上に好きな人が乗っかってるのに嫌だって言うかよ……」
ゾロがそう言い、恥ずかしさから顔を横に背けるが、アカリはそんなゾロの顔を正面に向けさせてゾロの口に舌を入れた。
いつになく積極的なアカリにあっという間に興奮は最高潮になり、ゾロのモノは完全に勃起していた。
必死に舌を絡めてくるアカリにゾロも答えるが、それよりも先にゾロは早くアカリに挿入したくて仕方がなくなっていた。
自然とゾロの腰が動くと、アカリも気が付いたのか、腰を浮かせてゾロのモノをアカリの秘部へ受け入れた。
そのままゾロに座り込んだアカリの中にゾロのモノは完全に沈み込んでいた。
「んっ……! ふっ……!」
舌を絡めたままアカリはそんな声を漏らしていた。
そのため熱い吐息がゾロの口にも注がれる。
ゾロが舌からアカリを突き上げるとアカリは腰を浮かせてゾロに押さえつける。
何度もぶつかり合いパンッ! パンッ! と大きな音を立てていた。
次第にその音にグチュッ! という卑猥な水音も混ざり始めた。
それでも二人は更に激しくお互いを求め合った。
弾けるように二人は口を離し、荒いと息をお互いの顔にかけて見つめ合っていた。
恐らくそれは今までで一番短い行為だっただろう。
だが、それでも二人にはとても長く感じられるほどお互いが愛しく、この上なく求め合った。
そして二人についに限界が訪れる。
アカリは涎を垂らしていたがそんなことは気にしていなかった。
ゾロもそんな恍惚した表情のアカリを見上げ、極限の所でギュッ! と力強くアカリを抱きしめた。
「はあぁぁ!」
息を吐くようにアカリは声を上げ、ゾロと共に絶頂を迎えた。
ゾロを求めて締め上げる膣内に、溢れんばかりの精液をゾロは流し込む。
そのまましっかりと抱きしめたまま二人はぐったりとし、もう一度見つめあった。
「ゾロ……。最後に一つだけ約束する……。私はもう……二度とこんな馬鹿げた旅はしない……。だから……これからも私と一緒にいてくれ……」
ゾロも恍惚とした表情を浮かべたまま僅かに微笑み、もう一度しっかりと彼女を抱きしめた。
『これからは……俺ももっとアカリのために勉強しないとな……。ちゃんとアカリの助手として活躍できるぐらいには……』
――それから一ヶ月後。
コンコンと部屋をノックする音がカタカタとパソコンを打つだけの部屋に響いてきた。
「失礼するよ。おや? ゾロ君は今日もアカリ君の手伝いか。もう立派な助手だね」
返事がなかったのでアカリが働く研究所に勤めている、彼女の同期であるワタルはそう言い部屋に入ってきた。
キーボードの音を響かせていたのはアカリではなく、その長い爪を器用に動かしてゾロがパソコンに向かっていた。
「ガウ!」
少し伸びをしてからゾロはワタルにそう返事をした。
そこでゾロはワタルを招くような動作をして彼を呼ぶ。
それを見てワタルもゾロのパソコンを覗き込むと、そこにはメモ帳が開かれていた。
『ここ最近デスクワークばかりで体が鈍ってきた。そろそろ運動もしたい』
そのメモ帳にはそう書かれていた。
それを見てワタルは笑っていた。
ゾロはあれから研究所に戻ってきた後、毎日のようにアカリの研究を真剣に覚えていた。
そのため最近、ようやくパソコンの操作と文字の入力、そして文字の意味を知った。
まだまだ難しい数式やデータなどは分からないため、アカリがまとめた文を清書する仕事がここ最近のゾロの日課だった。
「ところでアカリ君は?」
そう言うと、ゾロはまたそのメモ帳にカタカタと文字を打ち込んだ。
『気分が悪いと言って眠ってる。けど、風邪ではないから恐らく旅の疲れとここ最近の根詰めてたせいだって本人が言ってる。見てた感じは俺も大丈夫だと思う』
と書き込むと、ワタルは流石に不安そうな顔をした。
「そうは言っても風邪じゃなくても色々と病気はあるからね。ちゃんと病院に行った方が……」
「病院には行ったよ。風邪は引いてないし体にも以上はないとの診断だったよ。おはようワタル」
心配したワタルの言葉に割り込むようにアカリが言葉を重ねた。
どうやら寝起きらしく、瞼は腫れて髪もボサボサだった。
それを見てワタルは少し安心したようだ。
「良かった。大事なさそうだね。コーヒー分けてもらうよ。ゾロ君と君もコーヒーでも飲むかい?」
ワタルはそう言い、部屋の隅に置いてあるコーヒーメーカーに近寄り、そこのコーヒーをコップに移していた。
ゾロは頷いて答える。
するとアカリは頭を抑えながら首を横に振った。
「いやいい。ここに戻ってきたぐらいからどうしてもコーヒーが不味く感じて飲んでないんだ」
それを聞くとワタルは心底びっくりしていた。
「君がかい!? あんなにコーヒーが大好きだったのに……」
そう言い、一口啜る。
アカリはゆっくりと頷くとそのまま深い溜め息を吐いた。
「本当だよ……。マトマのスープも最近全く飲まなくなったし、最近はそこまで好きでもなかったはずのナナシの実をよく食べるようになったなぁ……」
アカリがそう言うと、ワタルは動きが止まる。
冷や汗をかいたままワタルは恐る恐るアカリに聞く。
「もしかして最近、眠かったりとか体がだるかったりしない?」
そう聞くとアカリは頷いた。
「まさにその通りだ。新しい研究で最近は忙しかったからな」
それを聞いてワタルはコップをコーヒーメーカーの横に起き、咳払いをしてアカリの方を向いた。
「失礼だけど。もしかして女性の日は来たかい?」
ワタルがそう聞くとアカリは言っている意味が分からなかったのか不思議そうな顔をした。
そこでワタルははっきりと言った。
「生理だよ。ここ最近来たかい?」
アカリは首を横に振って答えた。
「いつものことだ。不摂生な生活が多いせいで生理周期もちょくちょく乱れる」
そうアカリが言うと、ワタルは深い溜め息を付いた後、
「おめでとうございます……」
そう言った。
そう言うとアカリはムッとした表情を見せる。
「何がおめでたいものか。結局今回の旅は無駄足だったんだ」
アカリがそう言って反論すると、ワタルは首を横に振って答えた。
「ガウッ!?」
そこで恐らくゾロも気付いたのか、ビクッとして驚いた。
アカリはワタルとゾロの反応を見てもまだよく分かっていなかったようで、更に不思議そうな表情を浮かべていた。
彼女のこれからの研究がどうなっていくことかは分からないが、それでも必ず一つだけ進展したことがあるだろう。
アカリとゾロの研究はまだまだ未知な部分が多い。
それが『
世界を変えたい一人の女研究者は、今日も直向きにその個人研究を続けている。