ポケモン小説wiki
無人島 魅せる笑顔

/無人島 魅せる笑顔

無人島 

     ~魅せる笑顔~ 


   Byパウス


時は早朝。木に付いている葉も、風のせいで散ってしまった葉も、まだ温い日光を緑色に反射している。
朝型の者達は目を開き、今日一日を生きようと活動を始める。食料調達、水飲み、中にはぐうたらと日向ぼっこして太陽の光を浴びる者もいた。
グリンの家から約数十メートルほど離れたところに位置する一本の木。
せっせと食料を木の中へ運んだ後、ゆっくりと何処かへ歩き出していった―――。


「いい加減に起きろぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
もしかしたら震度1くらいは本当に起こしかねない、目覚ましにしてはきつ過ぎる怒鳴り声がグリンの耳を通り、脳へと到達する。
「……もうちょっと穏やかな起こし方っていうのがあるんじゃないの?」
最初のうちは飛び上がって起きたものだが、最近になって慣れてきた。もしかしたら本物の〝ハイパーボイス″さえもグリンには効かないかもしれない。
トパーズは、相変わらず不機嫌そうに仰向けのグリンの顔を覗き込む。
「いつまでも寝てるのが悪いのよ。このくらいしないとあんた起きないしさぁ。んじゃ、食料調達行ってくるから。……明日はあんたの番だからね。」
そう言うとトパーズはすぐに外へと行ってしまった。
あんたの番、とトパーズが言ったのは、このままグリンがいつまでもぐうたらしないようにと食料調達は交代制になったのだ。
一日交代で朝早くに調達に行くのだが、はっきり言って面倒くさい。
だがこれはグリンがトパーズがいなければ何も出来なくなってしまわないよう、彼女なりの配慮なのだ。
そういうしっかりしているところは尊敬出来るのだが、行動が遅いだの、話が盛り上がらないだの文句が多くて嫌になる時もある。
世の中完璧な者などいないのだ。

はたから見たら、どうしてこんな不釣り合いな男女二匹が同居など出来るのか不思議だろう。実際グリンも思っていることだ。
だがグリンは何故かトパーズを憎めないのだ。彼女の稀に見せる可愛い一面で全てが許せてしまう。
ただ女に弱いとか、そういうことではない。一体何故だろうか………。

考えるたところで答えが見つかる訳が無いので、トパーズが帰ってくる前に住処の中を掃除しようとした時だった。
ふと、外を見ると、暖かな太陽の光の中に何かがいるのが見えた。
逆光で影になっていて何かは分からないが、ゆっくりとこっちの方へと近づいてくる。
誰かは分からない。たまたまこっちの方面に用事があって歩いているのだろうと、とりあえず無視することにした。

「おーーーーい!」
外に居る何者かが叫んだ。
まさか自分を呼んでいる訳じゃああるまい、とやはり無視すると、何者かはもう一度叫んだ。
「おーーーーーい!!そこにいるのはグリンだろ!?シカトすんなよっ!!」
今度は確かに「グリン」と名指しで呼んでいる。誰か僕の知り合いなのだろうか。
―――そういえばこの声は聞き覚えがあるような気がする。
気になって外に出てみると、その何者かはゆっくりと近づいてきた。逆光で何者かは分からない。
もしかしたら変な奴かもしれない、と警戒態勢を解かないでいると、そいつはいきなり笑い始めた。
「あっははははは!俺だよ俺。グリン、分からないのか?」
その時、風が優しく吹き始め、周りの木や葉を揺らし始めた。
風の流れで揺れる木々は地面に張り付く自らの陰を動かし、さっきまで逆光で見えなかったそいつの体をはっきりさせる。
そいつは全身黒と灰色の体毛に覆われ、鋭い爪と牙をもつ、グラエナの姿だった。

「………どちら様で?」
グラエナはがくっ、と首を折った。そして苦笑しながら顔を上げて言う。
「俺だよ、グレインだ。」
「グレイン……」とグリンは復唱し、その懐かしい響きを脳にもう一度伝える。
数多くある記憶の中から、ようやくグレインに関する記憶を引っ張り出した。
「あ……、グレイン!久しぶり!!」
ようやく思い出せた。グレインはグリンの友であり、兄のような存在でもある。
早くから親元を離れたグリンに食料調達の仕方や、住処の見つけ方を教えてくれた優しいポケモンなのだ。

                             ※

「ったく、いくら数年ぶりだからってそれはないだろ。」
グレインは最初のうちはよく遊びに来ていたものだが、最近ではあまり来なくなった。それどころか見かけることさえなくなってしまったのだ。
前のグレインはほんわかとしたひ弱なイメージがあったのだが、今日の彼は違う。堂々としていてきりっと逞しく見える。これがグリンがグレインだと気付かなかった一番の理由。
ひ弱と言っても実際にひ弱だった訳ではなかったが、今はどう見ても獰猛なグラエナだ。

外で立ち話もなんだろうと、とりあえず住処の中へ上がらせることにした。
グリンはさっきまで寝ていた寝床に座り、グレインはグリンと向かい合うように座る。
何故グリンが寝床に座ったのかと言うと、まだ温もりがあって暖かいからだ。グリンは相変わらず寒さに弱い。
「で、今までどこに行ってたんですか?全然遊びにも来ないし」
グレインはぽりぽりと頭を掻き、咳払いをしながら答えた。
「実はさぁ、この島にすっげぇ可愛い雌がいるっていう噂を聞いたもんだから……」
「要するにナンパですか!?」
「ひと聞きの悪いこと言うなよ。ナンパじゃなくて探してただけだ!どのくらい可愛いのかなぁって」
「阿呆ですかあんたは!そんなことに数年間もかけて!?」
「いいじゃねぇか。結局見つからなかったから帰ってきたんだし。」
あぁ、数年前から変わらないな。この明るい雰囲気も、女に弱いところも全て………

「でも諦め難いんだよなぁ……、意地でも見つけ出してやりたい。」
雌に目がないグレインの執拗さに、ついにグリンの思考まで完全に巻き込まれてしまった。
「大体、その 娘 (こ)の特長とか分かってるんですか?」
おっ、とグレインは顔を上げる。そしてニヤニヤと笑い始めた。
「お前もやっぱり雄だな。気になるんだろ?え?素直になれって。」
グレインのニヤニヤ笑いでグリンは今更自分の放った失言に気付き、慌てて首を横に振る。
「いやいやいやいや、前言撤回です!心の底から撤回を申し込みます!!」
「過ぎ去った過去を変える力なんか俺持ってないし?その撤回命令には応じられないねぇ。」
「命令ではなくお願いです!」
「自分の胸に 前足 (手)を当ててよーく考えてみろ。誰しも異性は気になるもんだ。そうだろ?」
もうこれ以上喚いても完全にグリンの敗北への道は変わらないだろう。グリンはがっくりと首を折った。

「まぁ、今のところ分かってるのは種族と名前だな。」
望んでもいないのに、グレインはその雌の特徴を語り始めた。彼のその体の軽さで片っ端から聞き回ったらしい。
呆れるほどの執念だ。見つけ出して一体どうするつもりなのだろう。
「二匹いるんだよ。噂では。」
いい加減聞くつもりはないということに気付いて欲しい。
だが先にグレインの言った通りなのか、グリンは全く興味がないということは否定出来なかった。
心の中のどこかではきっと興味がある。否定的な言葉を吐き続けていたのもそれを無意識のうちに隠そうとしていたのかもしれない。
一応、聞いてみるだけ――――それでちょっと聞き耳を立てた時、グレインはすでに本題に入っていた。
「種族は………確かポニータとエネコロロだったはず。ポニータの方は決まった住処を持たないで、島中を駆け回ってるらしいから見つけるのは難しいな。」
決まった住処を持たないポニータ、それはまるで昔のトパーズのようだ。―――まさかグレインの探しているポケモンって……
嫌な予感が漂ってきた。だが、そんなこと無いだろうとグリンは無理矢理トパーズを候補から追い出し、次の言葉を待つ。
しかしその次の言葉こそ、グリンの嫌な予感を現実のものとする決定的なものとなった。
「ポニータの名前…確かトパーズとかいう名前だったな。エネコロロの方は……確かシデアだったかシディアだったか………」
この瞬間、完全に点と点は繋がった。
トパーズとシディアの容姿には確かに魅するものがあるし、特にトパーズは昔、決まった住処を持っていなかったというのも事実だ。
せめてシディアだけは同性同名同種の別のポケモンであってほしい。どれだけ低い確率か分からないが。

やばい、言うべきか、ここは言うべきか!?僕がそいつらと友達だってことを!!
別に言ってもいいのだが、グレインの苦労した分のストレスの矛先がグリンに向かわんとも限らない。グリンは暴力事が大の苦手である。
「ん?何だお前、その顔は…?」
慌てているのは事実である。グレインが聞いたのはいつの間にやらグリンが顔を歪めたからだ。
「いや、何でも?」
無理矢理平常心を装い、表情も出来る限りいつもの表情に戻そうと努力した。
「ふーん…。………で、この二匹のうちの一匹でもいいからどこにいるか知らないか?」
とりあえず、何か隠しているということには気付かれなかったようなので、内心で深く安堵する。
そしてグレインはまた話をその雌の話に戻した。なんとか切り抜けられた―――そう思った時だった。

「ただいまぁーーーっ!」
入口から聞こえた大きな声に、心臓が飛び出そうな思いで振り返ると、そこには何とも悪いタイミングで食料調達を終えたトパーズが立っていた。

視界に飛び込んできたグレインのせいで直立不動となったトパーズの後ろから、出来れば今は聞きたくなかった声が聞こえた。
「どうしたのトパーズ?…………っ!!」
後ろから顔を覗かせたのはシディアだった。彼女もまた、グレインの黒く光る体毛を見た瞬間に表情が凍りつく。

カチンコチンに固まった二匹を不審に思ったのか、グレインは立ち上がってトパーズたちに歩み寄っていった。
「あの………どうかしました?」
グレインがトパーズの顔を覗き込もうとすると、ようやく二匹のフリーズが解けた。
「ぃぃぃぃぃいいいいやぁぁぁああぁぁーーーーーーーーー!!?」
我も忘れてトパーズは悲鳴を上げ、後ろに跳んでグレインから距離をとる。シディアは怯えた表情を見せながらズリズリと足を後ろに滑らせていった。

あぁ、そういえば……
グレインの種族であるグラエナは肉食で、腹を空かせば草食のポケモンを狙っては襲い、それを喰らうのだ。
この島には肉食ポケモンが少ないというのもあって皆平和に暮らしているが、そのポケモンがいきなり目の前に出てきたのだ。
悲鳴を上げるのも分かる。怯えて震えるのもよく分かる。

「グ、ググググラエナぁ!?何でこ、こんなところに居るのよぉ!!」
トパーズは一気に警戒態勢をとばして戦闘態勢に入った。シディアもそれに続く。
その瞬間、あぁ、とグレインは頷いた。
「大丈夫ですよ。僕は肉、食べませんから。」
などと言っても信じてくれるはずもない。トパーズは身を守るため、口から真紅の炎を今にも打ち出そうとしていた。
焦ったグレインは、グリンを急いで手招きで呼んだ。自分の隣に並ばせ、グリンの頭を叩きながら言う。
「ほら、その証拠にこいつ喰ってないでしょう?」
だがトパーズ達は体勢を緩めない。トパーズの口からは炎が漏れ、ついにはシディアまでもが飛び掛ろうとしていた。
「………ほ、ほら!グリンも何か言えって!!」
グレインはグリンの腰を押し、自分の前に立たせる。
その時、トパーズとシディアの体勢が僅かに緩んだ。
「え~っと……、この方の言ってることは本当なんだよ。僕の友達のグレインだ。」
はっと二匹は我に返り、グリン一点を見つめて首を傾げた。
「友達?」
疑いを晴らすまであと一歩。確実に裏付けるために、グレインが肉食ではなくなってしまった訳を簡潔に説明した。
「彼は小さいころ、あるトラウマで肉が喰えなくなったんだって。……本当のことだよ?」

トパーズとシディアは暫くグレインを見つめた後、まだ半信半疑な表情をしつつ体制を戻す。
ゆっくりとグレインに歩み寄り、じろりと睨みながら言った。
「グリンが言うなら信じてあげるけど……、もし何かあったらあんた灰にするからね。」
初対面でも容赦ないトパーズの失礼っぷりにグレインは少し戸惑ったようだが、そこは嫌な顔せず苦笑するだけだった。

ようやくトパーズとシディアに信じてもらい、皆で話そうと住処の中へと移動した。
だが、まだ完全には警戒は解かれていないようで、トパーズもシディアも表情が怖い。
「…………あのぉ、貴女、お名前は?」
グレインが向いたのはトパーズの方だった。グレインは首を捻り、凝視するように彼女を見ている。
その時、グリンはようやくことの重大さに気が付いた。―――そういえば、グレインは彼女達を探していたんだ、と。
「いやっ、えぇっと……彼女の名前は………」
「トパーズよ。」
頭の上にタライでも落ちてきたような気がした。せっかくこっちが気付かれまいと頑張ったのに、トパーズはたったの一言でそれを水の泡としてしまう。

案の定、グレインは眉をひそめた。
「あぁ、トパーズさん……ね。………じゃあ、そちらは?」
さっきから少し控えめに喋っているのは、この重苦しい空気を読んでのことだろう。
グレインは今度はシディアの方を向き、何かを確かめるように彼女を見回す。
「シディアです。……はじめまして。」
トパーズより数十倍愛想の良いシディアでさえも、表情はまだ強張ったままだった。
「シディアさんね……。こちらがトパーズさんで、こちらがシディアさん………」
グレインは順に二匹を前足で指し、トパーズとシディアは指された順に頷く。その時、「ん?」とグレインの表情が険しくなった。

「おい、グリン……」
ゆっくりと、不気味に微笑みながらグレインはグリンの方に振り返る。
グリンは、最早何も言えない状況に陥られ、口だけが慌しくあわあわと動くだけだった。
「何てめぇは俺のもんに手ぇだしてんだぁ!先に俺に言いやがれぇぇぇぇぇ!!」
「ちょ、ちょっと!そんな無茶な………ぐえっ!!」
グレインの無謀だらけな言い分に、グリンは反抗する前に首を締め上げられる。
ただのじゃれ合いならならまだしも、グリンの首は本当に締まっていて息することすらままならなかった。

「…………ふふふふふ」
その時、グレインとグリンの耳に入り込んできたのは、シディアの上品な笑い声だった。
グレインの締めが緩み、グリンは急いで振りほどいて二匹の方を見ると、シディアは口を押さえて笑っている。トパーズは顔を真っ赤にして体を震わせていた。
「……ぷっ、あっははははははは!!」
我慢が切れたトパーズは、今までの重い空気を吹き飛ばすほどの勢いで笑い始めた。

何がツボに入ったのか、トパーズが笑い終えても、シディアだけはずっと笑い続けていた。
火を噴いたり、電気を流すなども出来ないシディアにとって、グラエナのような肉食ポケモンは最も脅威だったこともあって、そのグラエナがこんなことをするとは思ってもみなかったらしい。
グレインはグラエナの中でも特別なのだが、それでもグラエナはグラエナだ。
グレインは異常なまでに場を盛り上げるのが上手く、誰かを笑わせることが得意中の得意らしい。
だが、自然界にとって人間の次に恐れられる肉食獣が、どのようにしてこんな話術を身に着けたのかは甚だ疑問である。

                             ※

まだ日は傾いていないが、これ以上長居するのも気が引けるので、今日はとりあえず帰ることにした。
「んじゃあ、俺は帰るわ。」
グレインが立ち上がると、まるで糸に繋がれたようにシディアも立ち上がった。
「それじゃあ、私も……。グレインさん、ちょっとそこまで一緒に行きましょう?」
シディアの言ったことは以外であった。つい数時間前まで怖がっていた者が、何を勘違いして一緒に帰ろうと言うのか。
だが、彼女の透き通る妖艶な瞳に見つめられ、更に笑顔までされてしまっては、遠慮するという方が難しい。
「大丈夫なんですか?もしかしたら、俺にトラウマなんてないのかもしれないですよ?」
シディアは目を見開いた。その瞳に映っているグレインの顔はとんでもなく意地悪な顔で、グレインはしまったと心の底から後悔した。

――――――果たして今、グレインはシディアの目にどう映っているのだろう。

暫く気まずい沈黙に包まれながら、お互いに同じ方向だった帰り道を歩いていく。
いや、実際気まずいと思っているのはグレインだけで、シディアが感じているのはそれよりも悪い―――恐怖かもしれない。
ざわざわとざわめく草木の音が、この雰囲気をなんとかしなきゃ、という焦りをかき立てる。
そんな心の中で葛藤しているなか、シディアが急に歩く方向を変えた。
「それじゃあ……私はこっちなので………」
今彼女の顔に浮かべられているのは、明らかに作られた笑顔。恐怖を露にしないための上っ面の表情。
「そうですか………じゃあ僕はこれで…………」
対するグレインの笑顔は、悲しみと寂しさを隠すための笑顔。だがこれは、シディアにも分かるようなへたくそな作り物。

「……………はぁ……」
一匹だけになってしまった帰路で、グレインは何度も何度も深くため息をついた。
なんであんな事を言ってしまったんだろう。冗談にしても、食物連鎖の下に位置する者にとっては恐怖の素なのかもしれないのに。
今更どうしようもない事は解っている。それ故に後悔が大きい。
シディアを一目見たとき、グレインの中に熱いものが込み上げてくるのが分かった。
いままで雌を追いかけてきた時の感情とは違う、これは純粋な恋。もう二十年以上生きているグレインにとって、そんなことは充分に解っていた。
自分の莫迦のせいで、一瞬にしてその恋は終わってしまった。

「なんて莫迦なんだろう……俺って……。何であんなことを言ったんだろう……。
……こんなに悲しい気持ちになったの……生まれて…………初めてだ……」
悲しみと後悔に心を奪われ、めったに流さない涙があふれそうになった―――その時
「グレインさん。」
何かがグレインの肩をやさしく叩いた。悲しみの闇の中に、一点の光を求めるように振り向くと―――
「……あれっ?」
そこには、さっきのように恐怖にとらわれていない、グリンの住処の中で話していた時のように優しい顔で微笑んでいるシディアがいた。
「何で……?あなたの住処はあっちなんじゃ…?」
と言いつつグレインは自分が歩いていた方向と逆の方向を指す。シディアはクスッと笑ってグレインを見上げた。
「グレインさんが本当に安全な方なのか確かめようと思って、嘘をついて後から付けてきたんです。」
シディアは微笑を全く崩さず、更に話を続ける。
「あなたのひとり言、ずっと聞いてましたよ。どうやら本当に後悔してたみたいですね。」
言いながら、シディアの微笑がだんだんとにやつきに変わっていくのがよく分かった。ひとり言を聞かれていたなんて、なんだかとんでもなく恥ずかしい。
顔を赤らめるグレインを見つめるシディアの表情は

――――また、魅せるような笑顔に変わっていた。


グレイン「何かあったらどうぞ。俺のファンコールとか俺のファンコールとか……」
グリン「アホですかい?」


トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.