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災難な通信士?のお話20

/災難な通信士?のお話20

作者:ぽーにょ

はっ・・・半年ぶりの更新っ・・・!


シロガネ山、???


「指令通り、奴の設計図を入手しました。これが最後になります」
ラシャが『誰か』に書類を渡す。
「成る程・・・ふむ、確かにこの設計図も・・・使えそうだな」
『誰か』は、渡された書類を眺めていた。
「しかしあなたも人が悪いですね。あんなに近くにいたならコンタクト位とって頂いても・・・」
「貴 様 と 違 っ て な」
「・・・え・・・?」
話は続く・・・
「ラシャ、貴様が造ったアンドロイド・・・いや、エアームドか。そいつらがつい先程、カントー・ホウエン基地で全滅した様だ」
「なっ・・・!?」
「私はあんな易々と壊れる失敗作などに元々興味など無いのだよ。もっと完全な・・・『完全な兵士』を造らないと、この目で見ないと気が済まないタチなのでね」
「し・・・失敗作・・・」
「ああ、それから・・・」
ラシャの前に座る『誰か』が片手を挙げると、ラシャの身体が硬直した。
「なっ・・・金縛り・・・!?」
「貴様は今までよく頑張ったが、ここまでで用済みだ。あの世で始末書でも書いてもらおうか」
『誰か』が手を握り・・・
「いきなり勝手な事言ってくれるが・・・断る!」
ラシャが気力で金縛りを無理矢理力ずくで解く!

「それからな・・・チャーリー、エコー、ゴルフ!『出動』だ!」

ラシャが号令をかけると、何処からか沢山のエアームドが飛び出してきた。
「さっきの・・・『全滅』というのは間違いだ。まだ終わらない!」

   「司令官(コマンダー)、命令は?」
 「おい司令官(コマンダー)、命令を寄越せよ」
      「・・・司令官(コマンダー)、命令を」
  「司令官(コマンダー)、命令をお願いします」

ラシャは一喝、
「目の前の奴をとにかく殺せ!」

『了解。ターゲット、殲滅開始』

沢山のエアームドは駆動音とともに『誰か』に向かって突進する・・・
しかし相手は特に気にした様子も無く、こう呟いた。

「ロトム、任せた」
   ・・・「キシシッ、了解(`▽´ゞ」

それからほんの一秒足らず・・・エアームド達の動きが完全に停まる。
「どうしたんだお前ら!さっさと・・・」
・・・ギギガギと首を軋ませながら、エアームド達はラシャの方を向いて・・・

「ターゲット変更よ。殲滅対象、ラシャ」
「やっぱてめぇは・・・殺す事にするぜ」
「・・・識別信号、『敵』。」
「攻撃を開始します」

「なっ・・・これは!?」
ラシャの周囲をエアームド達が飛行する。
「所詮は機械、中身さえイジれば造反などたやすい事なのだ・・・」
「き・・・貴様ァァっ!」
『誰か』は最後に一言。

「安心しろ、『ミュウツー』様には役立たずで使えませんでした、と伝えおく」

その掌が下ろされる。

「攻撃開始、機銃掃射」
「攻撃開始、放電します」
「攻撃開始、爆雷投下」
「攻撃開始、...」
「攻撃開...」
「攻撃...」


ホウエン基地、地下牢跡


「あ・・・やっと見付けた・・・」
爆発から15分、ようやくメロディ達が到着する。
「あ、メロディ・・・」
瞬間、辺りの空気が張り詰める。彼女を見る目も心なしか冷たい・・・隣のトゥオは「え、何?」と言った表情で首を傾げる
・・・そりゃな、あんな話聞かされてまともに向き合えると思うか?・・・そんな俺もまだ信じられない。まさか・・・まさか彼女が・・・
「・・・機械仕掛けだなんてな・・・
「・・・シグ?」
「あ、っ・・・いや、何でもない」
ふと、俺はあることが気になった。
「クリス、『次男』、ちょっと来てくれ」
「何?」
『はい、了解です』
メロディ達から離れた所で、二人に話してみた・・・
「コリンから聞いたんだけど・・・彼女、代々処刑者として生きてるらしいが・・・」
『はい』
はっとした表情でクリスが呟く
「・・・『代々』?もしメロディが、その・・・だったら、さ」
『・・・』
「『代々』って・・・おかしくない?」
「気付いたな、クリス」
「・・・うん」
二人が話を進める中、『次男』はただ黙っていた。
『・・・シグさん、クリスさん』
「何かな?」
『・・・ライブラリー、1998番・・・』
「ライブラリー?」
『次男』は言い残すと、皆の方へ戻って行った。
「何かしら、ライブラリーって」
「とりあえず、後でノワールに聞いてみるか・・・」


ジョウト基地、司令室


「どうするんだよ・・・この面子でさぁ・・・」
司令室にはジャック、コリン、シリウス、アシュリー、そしてユニカがいる。敵の大群はすぐそこだが・・・
と、若干テンパってるコリンが提案する。
「とっ・・・とにかく!ひとまずは戸締まりした方がいいと思うよっ!?何て言うか・・・侵入されないようにするには・・・ねっ?
うん、だから早いとこr」
シリウスとアシュリーがアイコンタクトをとり、配置について・・・
「っ誰だお前はァ!」
「ぐへーっ!」
・・・ラリアットを前後方から挟み撃ち・・・クロスボンバーを掛ける!ここまで約1.5秒!
「・・・ぇ・・・何・・・?」
ジャックが地弾駄を踏みながら声を荒げる。
「コリンはなっ・・・コリンはそんな綺麗に喋らんわァ!」
「えええっ!?」
他のメンバーも頷く。
「だな、違和感は感じてたが・・・」
「そうね、ここまで露骨になると・・・」
「若干ウザいくらいが、調度いいデスネー」
「ぐっ・・・」
「さ、正体を明かしてもらおうか!」
ジャックがナイフと鋏を突き付け、脅迫する。
「ふっ・・・ばれたなら仕方ない・・・」
コリン?が素早くバックステップ、何かポーズを構え・・・
「変身ッ、とぅっ!」
・・・とジャンプ!クルクルと空中で回転して・・・
「じゃじゃーん!その正体はゾロアこと、この俺っブルース様なのだーっ!」
ポーズをとったのは黒い毛皮、所々赤い模様をあしらった仔狐・・・
「で・・・誰?」
「とりあえず絶対零度でいいかしら?」
「なんだかミーと同じ匂いがしますネ」
「座布団全部持ってって頂戴!」
この反応は流石に彼も焦る。
「ちょっ・・・もう少し反応したって・・・」
「「笑い事じゃねーんだよっ!」」
敵が近いときにこんな茶番なんて、フラストレーション溜まるのも無理はない・・・けども・・・
「うっ・・・ぐすっ・・・なんだ、なんだよォ!せっかくここまで来てやったんだぞ?ヒグッ、『ご苦労様』くらい言ってくれたっていいんじゃないかぁ・・・?」
ああ・・・泣かしちゃった・・・ど、どうしよう・・・
「いいもんねっ!アネキ呼んじゃうもんね!」
と、ブルースは大きく息を吸い込み・・・
出番っすよーっ!アネキーーっ!
しばらくは声が響いているだけだったが、しばらく経つとドドド・・・と軽い地響きが聞こえてきた。
「なっ・・・何だ!?」
「ふはははっ!アネキが来たらおまえらなんか牛乳拭いた雑巾絞るよりも簡単に始末して・・・」
と豪語してたブルースの背後を、・・・これまた二足歩行ではあるが彼に似た風貌の狐がミサイルに飛ばされながらやって来た。
「あっ・・・アネキ!?」
アネキと呼ばれたそいつはゆっくりと立ち上がり、ブルースに呟く・・・
「ブルース・・・今度牛乳拭いた雑巾絞ってみな・・・正直きついのよ、アレ」
『アネキ』は「よっこらせ」と立ち上がって周囲を見回し、溜息をつく。
「しっかし・・・どうなってんだい?呼ばれて来たけどいきなりミサイル飛んで来てさ」
「むー・・・とりあえずここまで飛んできたって事は・・・どわぁ!」
シリウスの焦れ気味な声を遮るかのように、ぶち抜かれた司令室のドア穴から更にミサイルが飛んで来た。
「ふッ!」
何と彼女はミサイルを両手で受け止め、もときた方向へ投げ返したのだ!ふぅっと一息つくと、俺達を一瞥する。
「あたしはゾロアークのシルヴィア、・・・話しがあるんだけど、この事態が片付いてからね」
そういって彼女はぽっかりと開いたドアの穴から軽快に飛び出して行った・・・
「ほらほらっ!アネキが戦うんだ、援護してくれよっ!?」
ブルースが上から目線(見上げた状態じゃそうは言わないけど)で言うと彼女の後を追って行った。

・・・しばらくの沈黙・・・

「ど、どうする俺達!?」
「どうするもこうするも・・・」
「・・・どうしましょう」
何も思い浮かばずにうなっている皆を、ユニカが一喝する。
「全く・・・仕方のねぇ奴らだっ!今まで死者出なかったのが不思議なくらいだぜ・・・
おい、ジャック!」
急に大声で呼ばれ、ジャックは身を強張らせながら返事をする
「ふぁいっ!?」
「お前はあいつらと一緒に敵を食い止めとけ、・・・それからお前らっ」
今度はシリウスとアシュリーを指差す。
「二人はバリスタと榴弾砲の操作だ!早くしろっ!」
「・・・了解」
若干ふてくされた顔で皆は司令室を後にした・・・


ホウエン基地、地下牢跡


・・・あれから何分経っただろうか?
皆は武器を構え、臨戦態勢をとっている。視線の先には・・・

「まさかここまで来るなんてな。シグ、メロディ・・・クリス」
「親父・・・」
「ほーう、『親父』、か・・・立派になったものだな。クリス」
そう・・・クリスの父、タミルがいた。
「よーう、お前の穴兄弟はどうしたんだ・・・ヴォルギン大佐?」
シグの挑発に、彼は若干青筋を立てながらも表向き冷静に返事する。
「・・・まだその呼び方してたのか、久しぶりだったんで忘れてくれてるかと期待したんだがなぁ・・・」
クリスは目を伏せ、持っている銃を下ろす。
「親父・・・出来れば戦いたく無かったけど・・・」
まずい、今のクリスには奴を撃つなんて出来るわけ無い・・・やはり俺が・・・
「・・・クリス、みんな」
「何?」
・・・一応、念には念をってヤツだ。皆には伝えておこう・・・
「・・・ジョウトに俺の知り合いを送っておいた。もし俺に何かあっても・・・あの姉弟なら役に立ってくれる筈だ」
「ちょっ・・・シグ、一体どういう事!?」
クリスが食ってかかるが、・・・まだ彼女の力が必要なんだ。こんな所で死なせる訳にはいかない・・・心を鬼にしてでもな。
「クリス、今のお前は足手まといなんだ・・・自分でもそれくらい解ると思ってたが・・・」
「で・・・でも・・・」
俺は出来る限り怒りを露にした声でクリスに怒鳴った。

「帰れッ!」

・・・やば、ちょっと力み過ぎたかな、涙出ちゃった・・・
クリスもこれには堪えたらしい。
「・・・ばか・・・」
そう言い残して去って行った。
「さ、俺達も避難するぞ」
ソロー達がこの場から去り、今は俺とタミルの二人だけになった。
「・・・ありがとうな、シグ」
急に、タミルが呟く。
「何だよ、柄じゃないぜ?そんな言葉」
「あのままだとな、クリスを死なせない自信がなかったのさ・・・いやマジで・・・さッ!」
と、奴は俺に向けて発砲した!「うおっ!?」
・・・怯んだ隙に姿を消したか
「上等じゃねーか・・・」
俺は・・・あいつを殺すなんて・・・出来るのだろうか?・・・いや、やらないといけないのか?

「シグ!かかって来い!」
「大・・・いや、教官・・・お前を越えてっ・・・皆を護ってみせる!」
気が付くと、俺は叫んでいた。クリスに、皆に、俺がいる事を伝えるように・・・



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Last-modified: 2010-09-23 (木) 00:00:00
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