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災難な通信士?のお話21

/災難な通信士?のお話21

作者:ぽーにょ
すごいスローペースに更新。


ホウエン基地



「っはぁ、はぁ・・・」
近くにあった小部屋でシグは休んでいた。
「くそっ・・・タミルの奴、全然容赦ねぇ・・・」
あれは不用意に突っ込んだ俺が悪い、それは明らかだった。奴は軽くかわして背後から加速させた銃弾を撃ち込む(おまけに姿まで消しやがった)。
当然、俺はかわせるはずもなく傷を負い、こうして逃げてばかり。ここがばれるのも時間の問題だ・・・

さて、どうする?このままやられるのは嫌だし・・・俺の部屋にまだ『念撮ーる(今更言うのも恥ずかしいが)』があれば構造イジってタミル側の視界を・・・いや、作業音でばれるか。
それならクリスを呼んで・・・ダメだ、逆にクリスに殺される。「この甲斐性なし!」とかでボッコボコにされるだろうな・・・

・・・そうだ、ノワールに援護頼むか。うん、そうだなっ!
俺は無線機を取り出し、コールする。
「こちらシグ・・・ノワール、聞こえるか?」
返事が無い。
「ノワール?」

ダメだ、ユニカ達に頼もう。
「こちらシグ・・・誰かいないか?」
『うるせぇ、今こっちはそれ所じゃねぇんだよ!』
・・・今のユニカ本気モードだったな。やめとこう、殺される。
やっぱり・・・
「・・・クリス?聞こえるか?」
『・・・うん、聞こえる』
正直、かなり気まずい
「タミルのステルス看破出来るのはクリス、お前だけなんだ・・・頼む、援g」
『この甲斐性なし』
ぐはっ!やっぱり言われたか
『・・・すぐに向かうわ、それまで我慢して』
「・・・了解」

無線が切れると同時に、大きなため息をつく。
「クリス、ごめんな・・・」

しばらくしたら、部屋のドアがノックされる。
「クリス?」
ドアノブに手をかけた瞬間、強烈な電流が身体を駆け巡った。
「がっ・・・は・・・」
ダメだ、声も出ない・・・
「全く、探すのには苦労したが・・・わざわざそっちから居場所を知らせてくれるなんてな」
ああそうだな、無線使った時点で即バレだったんだな・・・俺、馬鹿だ。
ドアが開き、ステルス解除したタミルが入る。奴の周囲には軽く電撃が走っていた。
『シグ、大丈夫?普通に無線使ったけどバレてないの?』
クリスがテレパシーで呼びかける。
『いや、全然ダメだった。今まさに止め刺されそうなトコ』

『この甲斐性なしっ!』

クリスの声が少し泣いてる・・・

『この甲斐性なしっ!』

「に、二回も言うか・・・」
立ち上がろうとするが体中が悲鳴を上げる。直ぐにでも意識が吹っ飛びそうだ。けど・・・
止めを刺そうと無防備になっているタミルに、俺は渾身の一撃(気合いパンチとでも名付けようか?)を食らわす。

「甲斐性なしなんて二回も言われて大人しく寝てるタマじゃねぇんだよ」
「ぐぬぅっ・・・その程度で!」

タミルは再び姿をくらます。
「しまった!」
クリスの事を悟られる訳にもいかないし・・・
「とにかく探さないと・・・」
「ちょっと君、私の事忘れていませんか?」
「え?」
その瞬間、俺は誰かに後ろから叩き伏せられた。ただでさえ電撃を受けたばかりだったんだ、俺の意識は完全に吹っ飛んでしまい・・・



「・・・?」
「・・・?」
「・・・」

「さっさと起きろ!この甲斐性なし!」
「はっ!?クリス!?」
「残念だったな、俺だ」
目の前にはタミルとクリスが・・・タミルぇ?
「ち、ちょっと待て、何がどうなってるんだ」
タミルがフォローに入る。
「端的に説明するなら、ブリードが裏切った」
「は?」
「いやな、俺は単に戦争屋としての情報を覗いた奴を始末するのかと思っていたんだが、どうやらそうでもないらしい」
まだ分からない・・・一体何を言ってるんだ?
「詳しい事は後で説明する、今は彼女の援護をしてくれ」
「彼女?」
タミルの指した先にはトゥオがいた。
「ってトゥオ女!?」
「でも男とは言って無かったわ」
「て言うかなんで二人は援護行かないんだ?」
「行ったさ、行ったら二人ともこのザマだ」
よく見ると、親子の翼が凍り付いて飛べなくなっている。
「あの二人、吹雪しか使わないのよ・・・トゥオのは今の所全部かわされてるわ。奴に麻酔弾一発でも当てられたらいいんだけど・・・」
「分かった、俺はブリードの動きを止めたらいい訳だ」
「そゆこと」


ホウエン基地、地下牢跡


「『二人の敵(かたき)!』なんて豪語した割には全然攻撃が当たってないじゃないか、トゥオ『君』」
「はぁっ・・・はぁっ・・・ま、まだだ」
トゥオの身体はボロボロだった。直接攻撃や吹雪で翼もかなり痛んでいる。
「正直私は分かってたんだよ、君が女性だって事も。だけどもう不祥事を隠す『盾』も必要無くなった訳だし、君も要らなくなったんだよ。
いずれにしても時間の問題だったしね」
「不祥事?」
「すでに『ミュウツー』様は最終兵器も使用可能なレベルになられた、いわゆる神みたいなものだね。もちろん、近々電波流して宣言もするだろうなぁ」
トゥオが少し俯く。
「最終兵器・・・か。ボクは知ってるよ、それが何なのか。」
話が終わると同時にトゥオが一瞬にしてブリードの背後を取る。と、同時にブリードもまた一瞬にして彼女の背後を取る。
「(は・・・速い!)」
「その程度のスピードで私を抜けるとでも?」
ブリードが最後の一撃といわんばかりに大きく腕を振り上げる。
「死ねっ」
「まだだ!」
すかさずシグが麻酔弾をブリードの首に撃ち込む。
「今だトゥオ、猛吹雪見舞ってやれ!」
「はぁぁ・・・」
トゥオが最大出力で吹雪を繰り出す。辺りの空気が凍り、輝く程に。
「その前に潰せば良いこと」
ブリードは破壊光線をチャージする・・・
「お前はここでくたばるんだ!」
発射される寸前に、シグはブリードの頭を踏み付ける。
「いいのかな?そのままだと君も道連れじゃないのかなぁ?」
「俺はいいんだよ、別に。炎タイプだし」
「なんだ・・・と・・・!?」
トゥオの準備が整い、ブリード目掛けて全力で吹雪を繰り出す。俺はブリードに一言、
「残念だったなァ」
「ちっ、畜生ぉぉぉ!」
辺りが銀世界に包まれた・・・


更新速度をもっと上げてなおかつ表現を上手く・・・難しすぎる

>>災難な通信士?のお話22

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Last-modified: 2011-01-17 (月) 00:00:00
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