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災難な通信士?のお話19

/災難な通信士?のお話19

作者:ぽーにょ


シグ達が拘束される数分前、ホウエン基地、???


「真っ暗ですね」
「真っ暗だな・・・」
『暗視モードに切り換えます』
「『次男』・・・何か見えるか?」
次男が辺りを見回す・・・
『探索中...現地情報取得成功です。どうやらここはホウエン基地の内部、リネン室の様です』
「よし、照明を頼む」
『了解』


ホウエン基地、リネン室


「ふう・・・」
床下収納から、ヘックが出て来た。
「皆・・・すまない、どうやら私は此処までの様だ・・・」
収納からラシャは首だけしか出せないみたいである・・・
「ペリッパー達の目を盗んでここまで来たのだが・・・まさか・・・」
『大丈夫ですよラシャさん、後の事は任せて下さい』
「ああ、・・・頼む」
ヘックと『次男』は静かに部屋を後にした。
「さて・・・私も帰るか」


ホウエン基地、格納庫


「よし・・・着陸するぞ」
ノワールが静かに着地、乗っていた皆が降りる・・・
「結局、シグさんとクリスさんはどこに行ったのでしょうか?」
トゥオが辺りを見回し・・・
「ガアアアアアアアアアアッ!」
巨大な咆哮が辺りの空気がビリビリと共振させる。
「あ・・・今の・・・」
メロディが何か気付いた様だ
「ソローさん・・・ですね」
「ソロー?」
「カイオーガの先輩です・・・昔はお世話に・・・なってないですね」
「なってないのか・・・」
ノワールはゆっくりと空に浮かび上がり、一瞥する。
「そろそろジョウトに戻る、嫌な予感がして仕方ない」
「ノワールさん・・・気をつけてね」
「ああ、ペリッパー達がいなかったのが気になる。直ぐに様子を見に行く」
そう言ってノワールは空高く飛んで行った。
「では、ボク達も行きましょう!」
「はい!」


ホウエン基地、地下牢


「・・・」
「・・・」
「・・・」
牢では三匹、シグとクリス・・・フィアーが静かに佇んでいた。
「フィアー(恐怖)ねぇ・・・あんたにお似合いよ、その名前」
「うぅっ・・・」
「もうそれくらいでいいだろ、クリス・・・」
拘束されながらも殺気を放つクリスにグラードンのフィアーは完全に気圧され、カクカクと震えている。
「そんなにビビってていいのかしら?」
・・・少しからかってみようかな・・・ウヒヒ
「そうやって怯えてたら・・・コンコン、とノックの音が鳴って・・・」
すると、ちょうどのタイミングでドアがノックされる。
「ひっ・・・」
「ドアが開くとそこには・・・」
キイイ・・・とドアが開き
「貴様の魂を寄越せぇぇ・・・」
と、ドア越し(?)にだれかが話す。
「ひぃやああああぁ・・・」
と、またフィアーは気絶してしまった・・・
「意外とノリがいいわね・・・で、あんた誰?」
部屋のドアが開き、エアームドが一匹入って来た。
「ドジを踏むのもいい加減にしてください・・・」
「ヘック!」
ヘックははがねのつばさで檻を切り裂き、シグ達を解放する。
「急に突っ込んでこの有様だとノワール司令はカンカンでしょうね。
・・・コリンさん達の二の舞にはならないで下さいよ?」
「ご・・・ごめん」
クリスが素直に謝るなんて・・・珍しいな。
「う・・・うん・・・?
フィアーが覚めるっ!?どうしようか・・・
「GO TO HELL!」
とクリスの正拳突きがフィアーの顔面に吸い込まれていく。
「ぐへぇぁっ・・・きゅう・・・
「よし、行くわよ」
「相変わらず手荒過ぎだろクリス・・・」
「相変わらず!?」
ヘックは戦慄した。クリスだけでなく、それについて行くシグに・・・
「んじゃ、何処に向かう?」
「何だ、決めてないのかよ」
と、クリスがドアノブに手を掛けた瞬間にドアが勢いよく開いた!
「やはりな・・・こんな事だろうと思ったぞ!」
そこには・・・
「あら、ソローじゃない」
カイオーガのソローが絶対零度の構えをとる。
「妙なマネすれば・・・解るな?」
辺りを見回すが脱出できるのはこのドアからだけの様だ。
「し・・・仕方ないわね・・・」


ホウエン基地、地下牢


『・・・』
牢の中にはシグ、クリス、ヘックが・・・
看守席にはフィアーとソローが座っていた。
「・・・で、バシャーモのお前」
「なんだ?ソロー」
「奴は何処だ」
「奴って誰だよ・・・」
「ルギアだ。アイツの始末が必要になった」
「どうして?」
「・・・」
ソローは黙ってため息をつく・・・
「お前の『設計図』・・・覚えてるか?」
「・・・設計図・・・ああ、大分昔だがな」
「その『設計図』の情報を何処かに・・・誰かにリークしているのだ」
「アイツが?」
「ああ」
「・・・」
しばらくの沈黙・・・
ヘックの顔が僅かに引き攣るのをソローは見逃さなかった。
「エアームドのお前、何か知ってるな」
「・・・!」
「確かに・・・今回の部隊にあんたは・・・入ってないわね」
「そ・・・それは・・・」
クリスが白い目でヘックを見つめる。
「手引きしたのは誰?」
「うっ・・・」
まったくもう・・・と言った顔でクリスは・・・

吐 け や コ ラ

最大限の殺意でヘックに『尋ねた』。にも関わらず、ヘックは全く動じていない・・・
・・・おかしいな・・・

「殲滅シーケンス開始、脱出します」

「ん?何か言ったか?」
と、ヘックから何か不吉な起動音が・・・


ホウエン基地、緊急通路


「さっきの爆音が気になります。トゥオさん、急ぎましょう!」
「はい!・・・ん?」
トゥオが通路の窓を覗くと・・・

「あ・・・メロディさん!アレ・・・!」
そこの地面は陥没し、黒い煙が揚がっている。

「あそこは・・・地下牢!嫌な予感がします・・・急ぎましょう!」


ホウエン基地、地下牢跡


「けほ・・・みんな、無事か?」
ソローが皆に呼び掛ける。
「絶対零度で爆風を抑えたのね・・・やるじゃない」
「ソロー先輩・・・ところで『設計図』って?」
シグがボロボロになりながらも起き上がり、土埃を払う。
「俺が昔、いろいろとメカを作ってたんだ。多分その設計図だろ?」
「ああ・・・正直、ネーミングセンスは最低と言えるが・・・モノは最高だった」
「はっきり言うか・・・そこ」
砂塵が風で晴れると、ヘックがボロボロに横たわっていた。
『あ、シグさん』
ヘックの横にはいつの間にか『次男』が沿っている・・・
「『次男』・・・ヘックは一体・・・?」
『ヘックさん・・・いえ、正確には「skarmory#227」・・・でしょうか』
「は?」
クリスが怪訝そうな顔で聞く。
『以前から彼からは何か違うものを感じていました。端的に言うと、彼は「機械」です』
「なっ・・・!」
こうも唐突で衝撃的な事をサラっと言うか普通・・・!?
よく見るとヘックの体からは所々ショートと思われるスパーク音が聞こえる・・・
「アンドロイド・・・」
『正解です。ソローさん・・・ノワールさんのデータベースには、「鋼タイプ」がすべてそれに該当するとされています。製作者は恐らく・・・ラシャさんでしょう・・・』
え・・・鋼・・・タイプ・・・?
「ちょっと待てよ!だったら・・・だったら・・・っ!」
クリスもそれに気付いた様だ。

「「ジャックとメロディはどうなるんだよ・・・っ!」」


ノワールは何処まで事実を知っているのでしょうか・・・?

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Last-modified: 2010-05-20 (木) 00:00:00
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