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災難な通信士?のお話12

/災難な通信士?のお話12

作者:ぽーにょ
随分とご無沙汰してました。ジョウト編もそろそろ終盤です
―――――――――――――
「ふう・・・疲れた・・・」
俺は今、大浴場にいる。
やっぱりこう、誰も居ない所にひとりきりってのも落ち着くものだな・・・
「入るぞ!」
「入りますね・・・」
「・・・ああ」
ジャックとコリンか。
二人は湯に浸かって、軽く溜息をつく。ジャック、錆びないのか?
「・・・ジャック、コリン」
「・・・何でしょうか?」
「お前達はどうして此処に入ったんだ?」
「・・・」
二人の表情が曇る。
「無理なら言わなくても良いが・・・」
「僕達がまだイトマルとストライクだった頃・・・
貧しい村の中、二人で盗みを働いてました・・・」
「当然、危ない橋も沢山渡ったがなっ」
「嘘で敵を誘い、僕が様々な罠にかけ、
ジャックが舞うようにとどめを刺す・・・」
「そうやって生きてきた俺達は
いつしかジョーカー(道化師)なんて呼ばれる様になったんだ・・・」
「けど・・・ある日に、僕達の居た村が・・・壊滅しました・・・」
「ジョウト軍の誤射によってな・・・」
シグはじっと耳を傾ける。
「もちろん、僕達はジョウト軍に殴り込みました。
帰る場所も・・・家族も・・・、全てなくなりましたからね」
「で、その時俺達の相手をしたのが長官だった訳だ」
「そうだったのか・・・」
浴場の扉がノックされる。
「「入るぜ?」」
「ああ」
ガナードとサラザールか・・・え?
「ガナードっ!?ここは男湯だぞ!」
「男が此処に居たら駄目なのか?」
「・・・ぇ・・・男?」
「あれ?シグさんはまだ
ガナードさんが男だって事知rなかったんですか?(噛」
「あ・・・ああ」
「・・・」
「・・・」
静かになってしまった・・・
何か話す事は無いか・・・?
「「入るぞ」」
「ああ」
って待て待て待て待て!その声は・・・!
仕切りの上からノワール、ラシャが降りてきた。
「普通に入ったら壁、崩壊するからな・・・」
「隣は覗いてないから安心してくれ」
また扉がノックされる。
「おう、入るぞ!」
シリウスか。
「へーぇ、賑やかになってるな・・・うらっ!」
シリウスがコリンに湯をばしゃばしゃとかける
「あっ・・・いきなりお湯かけないでkださいよ!(噛」
「俺にもかかったぞ!」
「すまんな、ジャック」
三人が湯をかけあうのをノワールとラシャは静かに見守る。
「・・・ラシャ」
「何だ?ノワール」
「・・・隣、覗くか?」
――――――――
「ふう・・・疲れた・・・」
しばらく体は満足に洗えてなかったから
こういうの助かるわ!
扉がノックされる。
「えと・・・入り・・・ますね?」
「オーケー、メロディ。入っていいわよ!」
メロディが入って来る。
・・・錆びないのかしら?
「アシュリーは?」
「熱いのは・・・に、苦手だと・・・」
やっぱり氷タイプに風呂は酷なのね。
っていう私も体温低めだから、結構のぼせやすいのよね・・・
「じゃ、私そろそろあがるね。これ以上入ってたらのぼせちゃうわ」
「わかりました・・・」
――――――――
シグが思い出したかの様に呟く。
「そういえば隣はクリスとメロディと・・・」
「アシュリーは風呂嫌いなんだ、隣には居ないぞ?」
シリウスがニヤニヤしながら話す。
「メロディはアレだが・・・クリスがいるはず!」
「でも、いつもと変わらない姿だから意味無いんじゃ・・・」
「分かってないなぁコリン、クリスは普通羽毛に包まれてる。
濡れたら羽が倒れてボディーラインがくっきりと見えるんだぞ!?」
「お、気になるな・・・」
ジャックも興味津々だな。
シグ達は仕切りに手をかける。
「よし、いちにのさんで覗くぞ!」
『いち、にの・・・さんっ!』
クリス御開帳!・・・ってアレ?メロディだけ?
「あ・・・や・・・い・・・」
メロディが軽く背を反らす。
ヤバい、あの構えは・・・
「いやああああああ!のぞきいいいいっ!」
メロディが壁に向かって破壊光線を横薙ぎに撃ち出し、俺達は前に倒れ込んだ!
「ぐはっ!」
「何覗いてるんですか!あなたたちだけならまだしも
ノワールさんとラシャさんまでもが覗いて!」
「・・・すまん」
「出来心だ、許してくれ」
それからしばらくは浴場からの断末魔が絶えなかった。
――――――――
食堂ではアシュリーが一人悩んでいた。
「参ったわね・・・料理出来そうにない食材ばかりだわ」
そう、ここには調味料も無く、得体の知れない缶詰しか無かったのだ。
「ん、どうしたのアシュリー?」
風呂からあがったクリスがタオル片手に入って来た。
「食材が無いの。このままだと今夜は全員雑草の踊り食いよ」
「そ、それは困るわね・・・」
二人は悩む・・・
『解析完了』
「うわぁっ!?びっくりした!」
悩んでいる間に『次男』が解析を済ませていた様だ。
「お手柄よ次男、中身は何だったの?」
『残念ながら中身は食物ではあるのですが、
・・・これは・・・シュールストレミングの様ですね』
クリスは「は?」な顔をして
「何なの、その・・・シュール・・・何とかって?」
『シュールストレミング、鰯と呼ばれる魚の発酵食品ですね。
とにかく臭いです。味は分かりませんが、どうやらそれを
不用意に開ける事自体がマナー違反になる国があるようですね。』
「次男、まさかとは思うけど缶詰全部それなの?」
『・・・はい』
「分かったわ・・・」
――――――――
晩飯が終わって、皆が寝静まった頃、ジャックは屋上で星を見ていた。
「・・・」
「眠れないの・・・ですか?」
「お前もか、メロディ」
「・・・はい」
二人で一緒に星を見る。
「あの・・・ジャックさん」
「何だ?」
「無理・・・しなくても・・・いいんですよ?」
「!!」
メロディがジャックに少し寄る。
「辛くても・・・仲間がいれば、それだけでも和らぎます」
「・・・」
確かに今日は色々ありすぎた。
ライスが死に、仇が仲間になり、シュールストレミングの悪臭の中雑草を・・・
「・・・・・・」
ジャックの目から涙が流れ落ちる・・・
「すまないメロディ、・・・少し、・・・泣いていいか?」
「思いっ切り泣けば、良いと思いますよ・・・?」
ジャックはメロディに抱き着き、泣き出した。
「グスッ・・・うぉぉ・・・長官・・・っ!」
「ジャックさん、・・・私がいます・・・辛くても、ついてます・・・私が。」
「う・・・うわあああああああああああああっ!」
静かになったジョウト基地の夜空に、ジャックの泣き叫ぶ声だけがこだました・・・
――――――――
>>災難な通信士?のお話13
更新速度が著しく低下してます!ヤッヴェ

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Last-modified: 2009-12-11 (金) 00:00:00
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