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深紅の鎌.十

/深紅の鎌.十

前回:深紅の鎌.九
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・深紅の鎌.十



―1― 黒雲

俺は振り上げた右手に力を集め、ドラゴンクローを発動し突進してきたドンカラスに振り下ろす!
首にドラゴンクローを喰らったドンカラスは小さな悲鳴を上げて地に吸い込まれていった……。
今、俺は雲の近くまで上昇し、飛行できる残党の兵と戦っている。
何故なら上空まで上がれば飛べ無い奴らは攻撃が届かず、地からじっ……と見ている事しか無いからだ。地上の奴らは後回しだ。
今は残りのドンカラス5人、ジバコイル2人、ヨノワール一人、ガブリアス2人に集中しなくては……
体中傷だらけだがまだ戦える。
どしゃぶりの中、俺は翼を動かし続ける……そして雨の音が聞こえる中、互いに殺気を放ち、睨みあう……
その時、ドンカラスが叫び、5人一斉に襲い掛かってきた!残りのジバコイル達は破壊光線の体勢に入る!
俺はとっさに雷を発動し、雷がドンカラス達に当たった直後に5本の破壊光線が飛んできて俺は両翼を畳み
落下しつつ体を回転させたりしてどんどん発射される攻撃を避けた後に両翼を広げ、また体勢を立て直し竜の波動を複数放つ!
攻撃は何発か当たりドンカラス3人とガブリアス一人が地上へ煙をまといながら落ちていった……
しかし残りのドンカラスは体勢を立て直すと突進してくる!
ドリル嘴を発動しているようだ。
雷を発動しようとしたが高速で突進してきたガブリアスによって止められその隙に接近してきたドンカラスのドリル嘴を喰らってしまった。
が、俺もやられているだけではない、ドラゴンクローでドンカラス一人を倒し素早く連続で放った大文字でジバコイル二人を倒した。
雨で大文字の威力は少し弱まっていたがダメージは間に合ったらしい……
残りはドンカラス、ヨノワール、ガブリアス……それぞれ一人ずつだ。
「さすがだな……だが、俺達を倒せたとしても頭がお前を倒すさ……!」
ヨノワールは影分身を発動し、ガブリアスとドンカラスが二人で俺に急接近してきた!
そしてガブリアスがドラゴンクローを発動し、俺に襲い掛かる!
とっさに俺もドラゴンクローを発動して互いの攻撃がぶつかり合う!
俺がガブリアスの攻撃を受け止めている間にヨノワールの影分身は俺を取り囲み、ドンカラスはドリル嘴を発動した!
ガブリアスを蹴り飛ばし、ドンカラスの攻撃を避けようとしたが避けきれず俺の背中に直撃する!
俺の口から苦痛の声が漏れたかと思うと直後にヨノワールの影分身がシャドーパンチを発動して体中に痛みが走る!
「くそっ……!」
辛うじて体勢を立て直す。体力はほぼ限界でこれ以上戦えそうに無い……
ヨノワールの影分身が破壊光線の構えを取ったのと同時に俺は素早く両翼を畳んでドンカラスの頭に向け雷を発動しつつ
ガブリアスに竜の波動を放ち落下を始める!
雷はドンカラスの頭に当たってドンカラスは落ちて行き、竜の波動に当たったガブリアスは爆煙に呑まれる……
そして俺は片翼を広げたり閉じたりを繰り返してヨノワールの影分身が連続的に放つ破壊光線をかろうじて避けていく
が、ヨノワール本体にいつの間にか先回りされていて冷凍パンチを喰らってしまい、意識が朦朧とする……
数秒すると何とか意識がハッキリとして体中の激しい痛みを感じながら俺は全力で羽ばたいて落下を止めて体勢を立て直した。
しかし、上に目をやると破壊光線が目前に迫ってきていた!
回避は間に合わない……!
俺は身構えて攻撃を受け止めようとしたが突如目の前に現れた半透明の壁によって攻撃は止められた!
「どういう事だ?!」
「ライ、助けに来たわ!」
「お前ら……!」
声の方に目をやるとそこにはルチ、ユメ、ユリ、フュイ、フュンが居た……!
恐らく半透明の壁はフュイの上に乗っているユリがやったのだろう。
「どうして此処に……?」
俺の問いにユメがこう答えた。
ライさんが心配で……
「有難う、皆……」
「礼には及びません……。ライさん、ソラ様は……?」
「あそこの洞窟の先だ。ただあいつ等に邪魔されてな……」
俺が指で示すとルチ達は上空のヨノワールと全身傷だらけで辛うじて飛んでいるガブリアスを見上げ、眼下の大勢の残党兵に目をやる。
上空の敵は私が……!
ユメはサッと上空の二人の敵に向け素早く冷凍ビームを放つ!
その素早さに反応できなかったガブリアスに攻撃は直撃し、ガブリアスは落ちて行き
ヨノワールの左腕に攻撃がかすめてヨノワールの左腕が氷に包まれた!
「ちッ!」
ヨノワールはシャドーパンチを発動するがユメは冷静に影分身を発動し、ヨノワールの攻撃は外れた。
そしてユメはシャドーパンチを外して隙だらけになったヨノワールに影分身と共にシャドーボールを放つ!
ヨノワールは爆風に呑まれるがすぐに爆煙を突き破り、破壊光線を連射する!
しかし攻撃は全てユメの分身達に当たり、本体には当たらず、分身を消すだけとなった。
ヨノワールは影分身を発動するが同時にユメは吹雪を発動してヨノワールの影分身は出現した途端消えた。
さらにユメは冷凍ビームを放ち、ヨノワールの右腕が凍りついた。ヨノワールは両腕が凍って使えなくなった。
自分の両腕が凍りついているのを見てヨノワールは悪態をつくがユメの方に視線を戻した瞬間!
ユメの放ったシャドーボールがヨノワールの顔に直撃する!
顔面に攻撃を喰らったヨノワールは煙をまとい、落ちていった……
「じゃ、今度は私達がやるわね。対地ならまかせておいて!」
ルチはそう言うとフュイとフュンに合図をして三人一斉に流星群を発動する!
地上の残党兵達は逃げ始めるが、ルチ達の流星群による爆撃により次々と爆風に呑まれていく……
「ライさん……」
ユリに呼ばれ、俺はフュイに乗るユリの元へ行くとユリは俺の怪我の治療を始めた。
その間にもルチ達の爆撃は続く……

……やがて俺の治療が終わるとルチ達の爆撃も止み、立ち塞がる残党兵は居なくなった……。
「予想以上に多かったわね……」
「はい……」
ルチとフュイ、フュンは相当体力を使ったらしく、息が荒くなっている……
「大丈夫か……?」
「少し疲れてるけど今はソラの身の安全を確認しなきゃ……」
そうですね……
「ソラ様が無事だと良いですが……」
そう言葉を交わしてソラの無事を祈りつつ両翼を閉じて俺達は山のふもとの洞窟に向け急降下を始めた……

―2― 脱出

「……止まって」
ルアの言葉にダスと妾は足を止める。ルアの視線の先には通路の右側の壁に一つの開かれた大きな扉があった。
出口が向こうに見えているが妾達と出口の間にその扉はあった。
「静かに……足音を立てないようにね……」
ルアはそう妾に言う。
「どうしてなのだ……?」
ルアに合わせて妾は小声でそう返すとルアは扉を睨みつつ返事をした。
「扉の向こうの部屋はね、この残党兵達の頭が居るのよ……」
「!」
「でも、此処しか出口は無い。正面は側近護衛の迎撃の為に残党兵が皆行っているからな……裏の出口は此処しか無い……」
「……というわけで、静かに……ね?」
「……うむ」
妾達は足音を立てないように気をつけながら静かに進む……。
ダスが「待て」の合図を示し、ダスは開いている扉から部屋の中をそっと覗く……
そしてダスは扉の前をサッと横切った。
ダスはそっと部屋の中を見つつ、「来い」の合図を示す。
その合図を見てルアはダスの様にサッと扉の前を横切る……
同じく妾に「来い」と部屋の中を見つつ、ダスは合図をする……
妾はサッと扉の前を横切る。その時、一瞬だけ頭と思われる者が見えた……
大きな巨体に黒い体毛が一瞬だけ見えたがそれ以上は分からない……
「行くぞ……」
妾達は扉から十数mは足音を立てないように小走りをし、その後、急いで走り始めた。
やがて上へと続く螺旋階段が姿を現した。
「この螺旋階段を上れば地上に出られる……」
「ソラ王女様、行きますよ!」
「うむっ」
どの位続くか分からないこの螺旋階段を妾達は急いで上り始めた……
早くライ殿に会いたい一心で妾は全力で階段を駆ける……

「もうっ!これじゃ入れないじゃないの!」
そう言ってルチは思いっきり扉を叩くが扉はビクともせず、ルチは痛そうな表情をする始末だ。
洞窟の中に入ったものの、入り口と思われる扉はロックが掛かっていて5桁の暗証番号を打ち込む必要があるようだ……
ルチが破壊を試みたが通じず、ユリが5桁の暗証番号を色々と試している真っ最中である。
「残党兵を何人か残しておくべきでしたね……」
フュイがそう言って暗い顔になる。
「しょうがないさ、こうなるとは分から無かったんだからさ」
「どうします……?このまま暗証番号を探っててもキリが無さそうですし……」
ユリはそう言いつつ、5桁の番号を次々と試していっている……
「とりあえずソラの状況が知りたい……」
俺がそう呟くとユメが反応した。
さほど距離は離れていないと思いますし、ユリさんのテレパシーは如何(いかが)でしょう……?
「分かりました……」
暗証番号打ち込みをルチに交代させ、ユリはテレパシーに集中する……
『……』
しばらくルチが暗証番号を適当に入力しているカチッカチッ……という音だけが辺りに響く……
やがてその沈黙もユリの声で破られた。
「繋がりました……!ソラ様は無事です!」
「そうか、良かった!」
皆に喜びと安心した表情が浮かぶ。
「今、螺旋階段を上っていて、もうすぐ裏の出口から出るそうです……」
「裏の出口?場所は?」
「少し待って欲しいと言っています……」
ルチは暗証番号を打ち込んでいた手を止めた為、本当に辺りにはしーんとした沈黙がしばらく続いた。
しかし、やがてユリが口を開いた。
「山の反対側に苔に覆われた濃い青い色の大きな岩があるそうです。そこに出口があると……」
「よし、皆行くぞ!」
俺達は洞窟の外へと引き返し始めた……

「はぁ、はぁ……す、少し休ませてくれぬか……?」
妾は疲れを訴える。
「そうね……私もそろそろ限界……」
「じゃあ……少しだけ休むか……」
妾達は荒い息のまま階段に座った。こんなに疲れているのは初めてだ……
互いにかなり疲労しているのを感じる……
しばらく妾達は階段に座ったまま休んだ。
「ソラ王女様、一つ質問しても良いですか……?」
ルアがそう不意に聞いてきた。
「どうしたのだ?」
「ライさんの事ですが……」
ルアは妾の様子を見ている。
「続けて構わぬ」
ホッとしたような表情を浮かべ、ルアは言葉を続ける。
「ライさんと付き合っていると噂を聞いたのですが……本当なのですか?」
「ふぇ……っ!?」
予想外の質問をされ変な声を出してしまい、妾の頬が熱くなる……
正直にこ、答えるべきなのか……?
そう悩んでいるとルアは妾の考えを悟ったらしくこう言った。
「言いたくなければ言わなくても良いですよ」
ルアは微笑む。……まぁ、言っても良いかも……
「ライ殿とは……その……つ、付き合っておる……」
勿論。ま、交わった事など恥ずかしくて言えぬ……っ
「やっぱり噂通りだったのですね……」
「うむ……」
妾は自分の頬が赤くなるのを感じた。
「ライさんのどういう所に惹かれたのですか……?」
「ら、ライ殿の……?」
「はい」
ルアは目を輝かせてそう聞いてくる。
「なら、まずは其方にとってのダスを聞かせて欲しいのだが……」
そう返してみるとルアは良いですよと返事をして喋り始めようとしたが……
「おいおい、深入りしすぎじゃないか?俺が居るのに……。そろそろ行かないと、そういう事は今度やってくれ」
ダスは立ち上がった。
「はいはい……」
ルアは残念そうにそう返事をして立ち上がる。妾も立ち上がる。
「じゃ、また今度聞かせてくれませんか王女様……?」
「う、うむ……分かった」
そして妾達は再び階段を上り始める。出口はもう、すぐそこだ……

「あれだわ!」
ルチの声に皆がルチの指差した方向を見ると山のふもとに大きな岩が地面から生えるようにして立っているのが見えた。
俺達は岩の近くに降下し、着地した。
近くで見ると岩は先程より大きく、色も鮮明に認識できる。
遠くから見たときは黒っぽい色だったが近くでこうして見ると深い青い色で苔がびっしりと張り付いている。
と、その時だった。岩の下部の一部分が揺れ、開いた……。
そしてそこから出てきたのはフラッドガ国軍の防具を着たサンダースとアブソルが出てきた!
俺達は戦闘体勢に入る!アブソルの方はソラに一瞬見えたが違うようだ。
相手のサンダースとアブソルも身構える!
そして俺達とサンダース、アブソル……互いに攻撃を開始しようとした瞬間だった!!
「待つのだーっ!!」
『!』
その場に居る全員が岩の方に視線を向ける……そしてそこには……!
「ソラ!」
「ソラ様!」
ソラは俺の元へ走ってきて、そのまま俺に抱きついた。
俺はそれを受け止め、互いに強く抱き合う……
「無事でよかった……怪我は無いのか?」
「うむ……。それよりライ殿、あの者達は敵ではない……妾を逃がしてくれた者なのだ」
「という事は貴方がライさん……?」
サンダースの隣に居るアブソルがそう聞いてくる。
「……そうだが?」
サンダースとアブソルは戦闘体勢を解いた。
「俺はダス」
「私はルア」
そう相手は名乗る。
「ソラ……」
「大丈夫。信頼できる」
「そうか……どうしてソラを助けてくれたか分からないが助かった。有難う……」
俺はソラを抱いたまま頭を下げる。
「礼はいらないさ」
ダスと名乗ったサンダースはそう言って頭を掻く……。ルアとダスはフラッドガ国軍の防具を脱ぎ捨てる。
「よろしく」
俺はソラを降ろして手を差し伸べ、ダスとルアと握手を交わした。
「ほぉ……勢揃いだな」
握手を交わした直後、辺りにそう低い声が響き、俺達は岩の方に目をやってドキリとした……。
何故ならそこには倒した筈のルサが立っていたからだ!!
『ルサ!?』
一斉に俺達は戦闘体勢を取る。物凄い殺気を感じながら……
「ククッ……ルサか……違うな、俺はルサじゃない……」
「何を……」
「俺はルサじゃない……ルサの息子だ!!」
その名乗りに俺達に衝撃が走る……まさか、ルサに息子が居たとは……!
「そう、俺はルサの息子ムサヌ……」
ムサヌはそう言ってダスとルアに視線を移す。
「やはりお前達だったか……王女を逃がしたのは……っ!」
ムサヌの殺気が一瞬、強くなったのと同時にダスがルアを思いっきり突き飛ばしたかと思うと次の瞬間!
ダスにムサヌが放った破壊光線が直撃する!ダスはそのまま木にぶつかり、地面に叩きつけられる。
「ダスっ……!」
ルアがすぐにダスの元へ駆けつける。
「勝負だ。ライ……」
ムサヌは俺を睨み、身構える!
「皆、下がっていてくれ……」
俺はそう言ってソラを降ろして一歩前に出て身構える!
「ライ!?」
ルチがそう叫ぶが、俺はムサヌに向けて竜の波動を放つ!
ムサヌは攻撃を防御し、破壊光線を放つが俺は攻撃を避けて両翼を広げ、森の中に突っ込む!
狙い通りムサヌは俺の後を攻撃を放ちながら俺を追いかけ始める。
俺は猛スピードで森の木々の中をムサヌの攻撃を避けつつ突き進む。
やがて俺はスピードを緩め、両翼を閉じて着地する。
すぐにムサヌが追いつき俺とムサヌは互いに一定の距離を保ち、睨みあう……
降り注ぐ雨の音……水が滴る木々の中……雨の冷たさを肌に感じながらじっと構える……
「父を倒した……、か……」
「そうだ……」
「だが、俺はどうかな……?!」
ムサヌは右手に電気を纏い、雷パンチを発動させて左手に炎を纏って炎のパンチを発動し、突進してきた!
俺は炎纏う左手をムサヌの下に潜り込んで避け、振り下ろされた雷パンチを地面を思いっきり蹴って回避する!
その時、ムサヌの雷パンチが地面に叩きつけられた瞬間に俺は電気が地面の水溜りに流れていくのを見た!
そうだ。今、雨が降っていて地面が濡れている!とっさに俺は地面からジャンプし、両翼を広げる!
途端に辺りの地面に電気が走る!間一髪、回避出来たようだ。
そして俺はムサヌに向かって竜の波動を放つ!しかし、攻撃はサッと避けられてしまう……
「電気技を無効。素早さが上がる特性……電気エンジンか……」
「ほぉ……雷パンチの電流といい、特性の理解。思っていたより頭の回転が速いようだな……」
ムサヌはそう言い、ギガインパクトを発動して突進してくる!俺はドラゴンクローを発動し、互いの攻撃がぶつかる!
力で負けるのは分かっている。物理攻撃のぶつかり合いで一瞬ムサヌに隙が出来たのを狙い、俺は大文字を放ち
攻撃によってムサヌが怯んだ所をドラゴンクローで決める!
ムサヌは少し吹き飛ばされるが踏ん張って立ち上がる。直後に俺は竜の波動で追撃を加えるがムサヌは守るを発動して俺の攻撃を防ぐ!
そして爆煙の中、ムサヌは放電を放つ!無数の電流に何発か避けきれず、左翼と右わき腹に攻撃を受けてしまう。
ムサヌは炎のパンチを発動し、大木にその攻撃を当てる!
すると大木は勢いよく折れて俺の方に物凄い速さで吹き飛んできた!
俺はしゃがんで大木を避けるがその隙にムサヌは俺に接近し、ギガインパクトを決める!
体に激しい痛みが走り、同時に後ろへ吹き飛ばされるのを感じ、2、3秒すると大木にぶつかったらしく、背中に激痛が走った!
「く……っ!」
そのまま俺の体はうつ伏せに倒れる。ムサヌは再びギガインパクトを発動した!
俺は体が激しい痛みに襲われる中、体を転がして攻撃を避けつつ竜の波動を連続で放って地面を蹴り、立ち上がった。
着地の際、バランスを失ったが両翼を広げて体勢を立て直す。
体力的に限界を迎えている……。至近距離で竜の波動を連続して喰らったムサヌもそろそろ限界のようだ……
ムサヌは火炎放射を放つ!俺は木の陰に隠れて攻撃を防ぐ!雨で木が湿っていて助かった。
全身の痛みに耐えつつ木の陰で俺は反撃のチャンスを伺う。その時、俺は新しい技を使えるようになったのを感じた……
火炎放射を放ちつつ、ムサヌは徐々に接近してくる……
俺は両翼を広げ、サッと木の陰から出て超低空飛行してムサヌが反応する前に
ムサヌにドラゴンクローを決めてギガインパクトで追撃する!
衝撃でムサヌは数歩下がり、仰向けに倒れる。俺は接近を試みるが放電を喰らい、阻止された。
ムサヌはゆっくりと立ち上がり、体中に電流を纏い始める!……やがて電流はムサヌの右腕に集まり始める。
次の瞬間、ムサヌは雷パンチを発動して突進してくる!
攻撃を避けたがムサヌの右腕の電流は擦れ違った俺の体に流れる!
「くっ…ぁ……!」
電流の痛みに苦痛の声が漏れ、俺は膝をつく……
「終わりだ!」
ムサヌは物凄い量の電流を纏った両拳を振り下ろしてきた!俺はとっさにギガインパクトを発動した!
その瞬間、時間の流れが遅くなったかのように俺の視界にはギガインパクトがムサヌの右腕に当たった後
ムサヌの眉間に当たって頭蓋骨が砕ける音とその感触が伝わり、気が付くとムサヌの体は雨降る中、空へと舞っていた……
直後、ムサヌの両腕に纏っていた電流が俺を襲い、俺の視界と意識は閉ざされた……激しい痛みと共に……

―3― 誓い

「…っ……」
此処は何所だろう……?視界がぼんやりしていて分からない……
体の感覚があまり無く、ふわふわとしている気がする……
しばらくそのままぼんやりとした夢の様な感覚を感じていたが、やがてそれも意識がハッキリしてきて終わった……。
代わりに目の前に満面の笑みを浮かべ、瞳から少量の涙をこぼしている俺の一番大切な存在……彼女が映った。
「ライ殿……聞こえるか?」
「ああ……」
「ライ殿……妾が見えるか?」
「ああ……俺にとって一番大切で可愛い娘が俺を覗き込んでいるのが分かる……」
ふぇ……!?
恥ずかしかったのかソラの頬が赤く染まる。
そんなソラに俺は笑ってみせる。
「も、もうっ……。ライ殿ったら……」
そう言いつつもソラは笑顔で抱きついてくる。俺も抱き返してやる。
この時、初めて俺は自分がソラの部屋のベットに横たわっていた事が分かった。
「温かい……やっぱり、この温もりが一番落ち着く……」
「むしろ俺は緊張するけどな」
「妾だって緊張するぞ」
「落ち着くって言ったばかりじゃないか?」
「落ち着くけど緊張する……みたいな」
「そうか?」
今の会話が面白く、俺とソラは笑い合う。
ソラの温もりを感じながら窓に目をやると雪が降っていた。
「雪か……」
「うむ」
時刻は午後9時41分
俺はソラと抱き合ったまま上半身を起こす。
「お体の調子はどうですか……?」
俺とソラが振り返るといつの間にか部屋の中に入ってきたユリが立っていた。
「大丈夫だ。左肩が何だかヒリヒリするが……」
左肩の包帯を見ながら俺はそう言う。
「大きな怪我は治しておきました。左肩のは軽い火傷です。数日すればすぐに治りますよ……」
「有難うユリ」
「はい」
その時、扉が開いてルチ達が入って来た。
「ライ……!、良かった……。ユリから連絡を貰って急いで来たの」
「お元気そうですねライさん……!」
「ああ」
本当に良かったです……!
「そういえばあれからどの位経ってる?」
3日です……
「3日か……」
「じゃ、私達そろそろ行くわね?会議中を抜け出したから」
「おいおい……」
「大丈夫、大丈夫」
そう言いながらルチが出て行き、続いてユメとフュイ、フュン、ユリが出て行った。
「ソラは大丈夫なのか?」
「うむ、母上が『ライの傍にいてやりなさい』って」
「そうか……」
ソラが何だか緊張している気がした……直感的に俺は、ソラが俺に何か言いたがっているのが分かった。
「ソラ?」
「ふぇっ……?ど、どうしたのだライ殿……」
「こっちが聞きたい、何か言いたそうだが……?」
ソラの頬が赤く染まっていく……
「何か言いたいなら遠慮なく言ってくれ、ソラ」
「で、でも……」
「ソラ」
「う、うむ……」
でも言うか言わないかそれからしばらく迷っていたようだが、やがてソラは口を開いた。
「二度目になるのだが……妾と……その……、行為をやってくれぬか……?」
そこまで言い、ソラの頬がカッーと赤くなってソラは下を向く……
「今からか?」
「……うむ」
「本当に?」
「……うむ」
「何だかこっちまで恥ずかしくなってきたな……」
「わ、妾の方がは、恥ずかしいのだぞっ!」
「分かったよ、ソラ。してやる」
「う、うむ……」
俺は優しくソラをベットに押し倒す。
そしてソラに覆いかぶさりソラの口内に舌を侵入させる……ソラは緊張しているらしく舌の動きが覚束無い……
そこで俺は緊張を解いてあげようと自分の舌をソラの舌に優しく絡ませ、両手でソラの胸を包むように優しく揉み始めた。
「ぁ…っ…」
舌を絡ませたり、胸を揉むほどソラの体の緊張による硬直がだんだんと解けていくのが分かる……
俺は口を離してソラの胸を包むように揉みつつ指と指の間にソラの乳首を挟みこんで揉み始めてみる。
「ふぁ…っ……!?」
体がビクッと跳ね、ソラは驚きの声を上げる。
ソラの乳首を挟んで引っ張りつつ俺はソラの胸を揉む。
「馬鹿…っ、ライ殿…強すぎ…な、のだ…っ!」
俺は左手で揉みつつ右手を下へと向かわせ、ソラの股を開かせる。
愛液で濡れた綺麗なピンク色の秘所が露になるとソラの赤い頬がさらに赤く染まる。
「ふぇ…っ……」
ソラの反応を楽しみつつ俺はソラ秘所を指でなぞる……
「ひゃう…っ!?」
その刺激にソラの体が反応する。
そのまま指を二本、ソラの膣に侵入させるとソラの膣内が俺の指を包むように締まる。
ヌルヌルとしたソラの膣の中で指を俺は動かす。
「んっ……んぁ…っ……」
指が出たり入ったりする度にソラは喘ぎ、膣からは愛液が溢れる。
「気持ち良いか?……ソラ?」
俺の質問にソラは喘ぎながら頷く。
胸を揉んでいる左手に力を入れ、右手の出し入れをさらに素早くするとソラの喘ぎ声はさらに大きくなる。
「ライ殿っ……。も、もう…っ!」
ソラの言葉に俺は指を抜き、ソラの秘所に口を付けて数回強く舐め上げる。
「ふあぁぁっ……!」
そうソラが叫んだのと同時にソラは絶頂を迎えた。ソラの秘所から放たれる愛液を俺は飲み込む。
「はぁ…っ…、はぁ…っ…」
絶頂を迎えて荒い息のソラを優しく抱きしめ、頭を撫でてやる。
「…ライ殿っ……」
ソラは俺に身を任せる。当たり前の事なのだが、ソラに身を任されるのは何だか嬉しく感じられる。
「じゃ……、今度は妾が……」
今度はソラが俺に覆いかぶさった。俺の腕の中でソラは俺のモノに手をゆっくり伸ばす……
やがてソラの手がモノに触れる。モノを通してソラの柔らかい手と毛の感触が伝わってくる。
ソラと俺の視線が間近で合うのと同時にソラはモノを握り、上下に動かし始める……
抱いているソラの柔らかな体毛が撫でるように俺の体に密着するのと同時に雌独特の良い香りがし、自然に俺は少しうっとりしてしまう。
その俺の様子にソラは微笑んで俺にキスをしてくれる。
そして間近で見つめ合ったままソラはモノを動かす手を少しずつ速める……
快感を感じながら視線を下に移すと俺のモノと密着しているソラの秘所は
少し前に絶頂を迎えたばかりだが愛液で既にびしょ濡れになっているのが目に入った。
「もう濡れているのかソラ……?」
「だ、だってライ殿とこんな……密着して……」
俺はソラの耳に熱い息を吹きかける。
「ふぇ……っ!?」
そのまま俺はソラの耳や首をそっと舐め始める……。
「ひゃ…っ……、駄目…らイ殿……」
「ほら、手が止まってるぞ?」
モノを握っているソラの手をそっと触る……
「ば、馬鹿っ……」
ソラは再び俺のモノを握り、上下に動かす。
俺はソラの首や耳を舐めてソラに快感を与える。
互いに相手に快感を与え、どちらも息が荒くなっている。
限界が近づいてきた俺はソラにその事を伝えるとソラは
「腕を解いてくれライ殿」
言われたとおりソラを抱いていた腕を緩めるとソラは胸の辺りにあるふさふさの長い毛の集まりで俺のモノ覆った。
「ソラ?」
「任せて、ライ殿」
ソラは自分の毛ごと俺のモノを掴んだ。ソラの柔らかく、長い白い毛が俺のモノを優しく包み込んで最高に気持ち良い……
そのままソラは毛で包んだモノを上下に動かす。するとソラの細く、白い毛がモノに擦りついて物凄い快感が俺の体を巡る!
「どうだ?ライ殿、気持ち良いかの?」
「ああ、最高だ……」
「良かった……!」
ソラは満面の笑みを浮かべ、上下に動かす速度を速くする!
あまりの快感に俺は絶頂を迎えそうになる。
「ソ、ソラ……イくから毛を退けるんだ」
「どうしてなのだ?」
「そうしないとお前の毛に……くっ……!」
耐え切れず俺はソラの白い毛に包まれたまま絶頂を迎えてしまいソラの胸の白い毛に沢山の精液が掛かってしまった……
ソラの顔にも少量掛かってしまった。
「す、すまんソラ……」
「謝らなくて良いのだぞライ殿、むしろ妾は嬉しいのだからな」
そう話しながらソラは笑顔を見せ、顔に付いた俺の精液を舐める。
「そうか……」
ソラは精液だらけの俺のモノを見てこう言った。
「妾が綺麗にして良いかの?」
「あ、ああ……」
モノに付いた精液をソラは細かい所まで綺麗に舐め取った。
それが終わるとソラは俺の方に視線を移して言った。
「ほ、本番……。つ、付き合ってくれるかの……?ライ殿」
「構わないが……。そういえば今日はソラ、随分積極的だな」
「そ、そうかもしれぬ……」
恥ずかしそうに下を向きながらソラは返事を返す。
「本番行くか?」
「ラ、ライ殿が良ければ……」
「大丈夫だ」
「こ、今回は妾が動いて……よ、良いかの?」
「主導権か?」
「う、うむ……」
「前回は俺だったからな、構わないぞ」
俺がそう言うと前回の行為を思い出したのかソラは恥ずかしそうにする。
ベットに仰向けの状態で俺は寝転ぶ。ソラは俺に覆いかぶさる。
視線と視線が合い、ソラは頬を赤く染める。
「そんなに緊張するなソラ」
「だって本番を妾からやるのは初めてなのだし……ライ殿が気持ち良くなれなかったら……」
「大丈夫だ。お前なら出来るさ」
「う、うむ……」
ソラは俺のモノに向けて腰をゆっくり降ろし始める……
やがてソラの秘所が俺のモノに当たり、ソラの腰が一瞬止まったが再び進み始めてソラの膣の中に俺のモノが飲み込まれていった。
ソラの中は前回と同じくヌルヌルし、きつくモノに締めついてくる。
それがたまらなく気持ちよかった。
「やっぱりライ殿の……熱い……」
ソラは腰を動かし始めた。一回目とは違い、あまり痛みが無いらしくソラは気持ち良さそうに腰を振る。
愛液でソラの膣内が滑りやすく、ソラの腰はスムーズに動いている。俺とソラは互いに大きな快感を感じている。
「あっ…んっ……、ライ殿っ……!」
俺はソラの胸に手を伸ばして揉み始め、唇と唇を重ねる。
「んんっ……!」
ソラは瞼を閉じ、この快感を味わい、楽しんでいるようだ。
部屋中に愛液による水の音や俺とソラの秘所とモノがぶつかり合う鳴り響く。
ソラの膣から流れ出る愛液はソラが腰を振るたびに溢れ出てくる。
「んっ……、ん…っ……」
俺はソラの背中に腕を廻してソラを抱き寄せる。ソラも俺の背中に腕を廻す。
常にモノを伝わって全身に広がる快感の波によってだんだんと俺とソラは限界に近づいていく。
だがもう少しで互いに絶頂を迎えるという所でソラの腰の動きが少しずつ遅くなるのを俺は感じた。
唇を離して俺はソラに話しかける。
「ソラ、どうした?」
「ラ、ライ殿……。わ、妾は限界なのだ……気持ち良すぎてもう、腰が……」
「力が入らないのか?」
「…うむ……」
「分かった。後は俺がやるよ」
「すまぬ……妾がやると言いながら……」
俺は耳元でこう囁く
「大丈夫……気持ち良かったよソラ」
「ふ、ふぇ!?」
ソラに笑顔を見せ、俺はソラの膣を突き上げ始める。
「ば、馬鹿…っ……。…あぁん……っ!」
再び部屋中にいやらしい水音が鳴り響く。
「ライ殿っ!…わ、妾……もう……!!」
「俺もだ……ソラ……!」
「中で良いからっ……!」
ソラは四脚全てで俺にしっかり抱きついて尻尾を俺の尻尾に絡ませる。
俺もソラに抱きつき、大きく腰を引いて思いっきりソラの膣を突き上げる!
「ラ…イ殿ぉっ!!」
「ソラっ!」
次の瞬間、俺とソラの体中に大きな快感が駆け巡り、ソラの膣内へと俺の精が放たれる!
「んあぁぁっ……!」
ソラの膣の締め付けは良く、大量の精が放たれる。
そして二人の荒い息遣いが部屋に響く……。体温が上がり、熱いが雪による寒さで丁度良い位に感じる。
ほんの少しだけ膨らんだお腹を見て俺に覆いかぶさったままソラはそっと微笑む。
「この感じ……幸せ……」
「気持ちよかったな……」
「うむ……」
俺はふと視線を下にやって気が付いた。
シーツが行為で汚れている……
「ソラ、後始末しないと……!」
ウトウトしているソラを揺すり、起こす。
「……そ、そうだったなライ殿」
俺はソラの膣からモノを引き抜く。
「あぅ…っ……」
濡れたシーツを折りたたみ、俺は手に持つ……
「ライ殿、何所で洗うのだ?洗濯室は今の時間は係りの者が使っているか鍵が閉まっているかだぞ?」
「風呂場、大浴場があるじゃないか」
「どうして風呂場なのだ?他にも…「ソラ、お前の体に付いた俺の精液はどうするんだ?」
ソラは頬を赤らめる。
「す、すまぬ……忘れておった……」
「じゃ、そういう事で行くぞ」
「うむ」
時刻はもう0時を指していた。そして部屋を出ようとドアノブにソラが手を掛けた時、俺は重大なことに気が付いた。
「ソラ、待った!」
「?」
ソラは振り返る。
「扉の向こうには見張りの兵士が居るだろ?」
「……!」
「その前を白濁液が掛かったお前と濡れたシーツを持った俺……が通ったらどうなる?」
「じ、じゃあどうすれば良いのだ……?」
「シーツを持っててくれソラ、俺が兵士の気を逸らすからその隙に風呂場に向かってくれ、すぐに追いつくから」
「分かったのだ。ライ殿」
シーツをソラに持たせて俺は部屋の厚い扉を少し開く……やはり二人の兵士が立っていてこちらには背を向けている。
俺はソラが出れるように扉を少し開いたままにして兵士の前に進み出た。
視界に突然現れた俺に兵士は一瞬驚くが俺だと気付くと安心した表情を浮かべる。
「ライ様でしたか……」
一人が息を吐く
「夜遅くまでご苦労様」
「いえいえ」
もう一人がそう返事する。
兵士達の後ろに目をやると扉の隙間からソラが様子を伺っていた。
俺が兵士達にばれないように右手で合図を送るとソラはサッと兵士達の視界に映っていない通路を素早く走っていった。
「ライ様、王女様は?」
「ぐっすり寝てる。大丈夫だ」
「そうですか」
「俺はちょっと用があるから、これで」
兵士達に見送られ、俺はソラが進んで行った方向へと走った。
階段を下り、通路をしばらく走っていると微かに暗い通路の隅に気配を感じ、声を掛けてみる。
「ソラ?」
「……ライ殿?」
「ああ」
深夜の暗闇で真っ暗な通路の隅からソラが出てきた。暗闇で間近に居るソラでさえも顔がよく見えない……
「これだと俺達の姿は見えないはずだ。大浴場まで走ろう」
「うむ」

・・
・・・

それからしばらくして……
「着いたな……」
大浴場の入り口に俺とソラは着いた。
灯りは灯っていない……ドアノブに手をやり、捻ると扉は開いた。鍵は掛かっていない……
俺とソラは扉を開けて中に入った。此処で俺とソラはある事に気が付いた。
「男湯、女湯……」
「俺はシーツ洗っておくから、ソラは女湯で体洗って来いよ」
「どうしてなのだ?妾はライ殿の傍に居たい……!」
「分かったよ、今浴場に誰か居るわけじゃないしな……」
俺は男湯にシーツを持って入る。ソラは俺の後ろを連いて来る……男湯に入る際、ソラの足が一瞬止まったがすぐに連いてきた。
念の為、誰も居ないか確認してから俺は浴場の灯りを灯す。
シーツを広げて俺はシャワーで汚れを洗い流し始める。すぐ傍ではソラがシャワーを浴びている。
「どうも落ち着かんのぉ……」
「そんな気にするなって、誰も俺達以外居ないんだし」
「うむ……」
ソラにタオルを手渡す。ソラはタオルを受け取り体を拭き始める。
俺はシーツを洗い終え、硬く絞る。絞って水分を最小限にすると俺は弱い火を噴いてシーツを乾かし始める。
「な、なぁ……ライ殿」
「どうした?」
「その……明日何処かに遊びに行かぬか?」
「ん?別に構わないが?」
「有難う!ライ殿」
ソラは笑顔になり、俺に抱きつく。
「ライ殿に明日言いたいことがある……」
「……分かった」
シーツの乾燥を終えて俺はシーツを畳み、持つ。
「さぁ、部屋に戻るぞ」
俺とソラは立ち上がり、大浴場を後にした。
先程と同じ道を深夜の暗闇が包む中辿る……やがて灯りが見えてくる。
ソラの部屋の近くに着き、ソラは伏せて暗闇の中に身を隠す。
俺はソラの準備が出来たのを確認し、先程の二人の護衛兵士の前に姿を現す。
「ライ様、戻りましたか」
「用事を済ませてきたからな」
右腕に持っている綺麗になったシーツを見せる。
「シーツを取ってくる用事だったのさ」
「そうですか」
「それじゃ、引き続き頼むぞ」
『はい、ライ様!』
二人の兵士が敬礼をしている間を俺は扉を軽く開く。
その瞬間、様子を暗闇の中から伺っていたソラはサッと部屋の中に入る。
ソラが入ったのを確認し、俺は扉を開けて中に入って扉を閉める。
「バレるかと思った……兵士達が視線を落としたらアウトだな」
そう言いつつ俺はシーツをソラのベットに引き直す。
俺とソラはベットに横たわり、布団を掛ける。
「明日、楽しみにしておるぞ……」
「俺もだ、ソラ……」
ソラとキスをし、俺とソラは瞼を閉めた。ソラとの行為による疲れにより、俺の意識はすぐに溶けて行った……

―4― 空の決断

「ライ殿」
「……もう、朝か……?」
「うむ」
ソラに起こされて俺は目を擦りつつ上半身を起こす。ソラも起きてからあまり経っていないらしく少し眠そうだ。
時計に目をやると午前7時16分を指していた。ガラス張りの壁から外を見ると真っ青な空が広がっていた……
「ライ殿、その……昨日は有難う」
ソラが一瞬、何を言っているか分からなかったが
記憶を辿る内に昨日の夜の行為を指している事が分かった。
「別に構わないさ」
俺はソラの頭を撫でてやる。ソラは気持ち良さそうに笑みを浮かべる。
「ライ殿、昨日の夜の約束……覚えておるか?」
「何処かに出かけるっていう約束だろ?」
「うむ」
「でも何所に行きたいのか決めてるのか?」
「……」
ソラはしまった!という顔になる。
「決めてないのか……」
「だ、だってライ殿……」
「場所を決めるのは後でにしよう、ユリ達は誘うのか?」
「出来れば来て欲しいのだ、大人数の方が楽しい」
「分かった。でも今はまず朝食を済ませよう。それからユリ達を誘って今日の事を相談しよう」
「うむ」

……そして現に至る。
「海で遊ぶなんて何年ぶりかしら……!」
「そうだな」
「ライ殿達は海に行った事あるのか?」
「ああ、小さい頃ルチとフュイ、フュンとよく行ってたよ」
俺達は相談の結果「海」に行く事になった。
ソラは俺の背に乗り、ユリはフュイの背に乗っている。
眼下には森や川が広がっている。
「海に行った事無いのかソラは?」
「うむ、妾とユメとユリは川で泳いだ事はあるが海は行った事無いのだ」
「そうか……、という事は初めて海に行くという事か」
「そうなのだ」
ソラは海に行くのが嬉しいらしく自然にソラの腕に力が入る。
「ライ殿、この匂いは?」
不意に風が吹き、ほんのり塩の匂いがしてきた。
「海が見えたぞ!」
俺達の視界には地平線まで青く澄んだ綺麗な海が映った。所々波しぶきで白く見える。
「これが海なのか?!ライ殿」
「ああ」
「広いのだな~」
両翼を思い切り広げ、羽ばたいて速度を緩めて俺達は着地体勢に入る。
羽ばたく事によって出来た風が砂浜の砂を巻き上げる。
やがて砂を巻き上げながら俺達は着地した。
ソラは俺の背中から降りると海に向けて少しずつ歩いて行く……俺は後を追いかける。
やがてソラは足が半分海水に浸かる程度の所まで来ると止まった。
「ライ殿、海水ってしょっぱいのだな……」
「……まぁな」
ソラは海面に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。
「どう、初めての海は?わくわくしない?」
いつの間にかルチがすぐ近くに来ていてソラにそう質問する。
「うむ」
笑顔を浮かべるソラとルチを見て自然に俺も笑顔になった。
「ルチ、ユリ達の手伝いをしてくるからソラに海について教えてやってくれ」
「任せておいて!」
ルチはそう言い、ウインクする。ユリ達の元へ俺は引き返す。
周りをよく見ると遠くの方で俺達と同じ様に海に遊びに来たと思われる人影があった。
少し離れた所には切り立った崖が海の上に突き出ていてその先には灯台が建てられている……
「手伝うぞユリ」
背後でルチがソラに海について話しているのを耳にしながら俺はそう言った。
「助かります……」
ユリはそう言って微笑む。
砂浜の近くまで森は続いているため、都合が良い。木の影に俺とユリでシートをひく。
そしてその上にユメが荷物を置いた。
「さて、泳ぐか!」
『そうですね……!』
ユリ達が海へ泳ぎに行く姿を見届けて俺は下半身海水に浸かりながら話しているソラとルチの元へ歩いて行った。
「どうだ?」
海水の冷たさを感じながら俺はそうソラ達に話しかける。
「ルチのおかげで海について色々と分かったのだ」
「例えば?」
「潮の満ち干きについてとか、海流について」
「そうか」
「ライ殿、もう泳いで良いかの?」
「ああ、構わないぞ」
俺がソラと行こうとするとルチが腕を掴んだ。歩を止めるとソラは首を傾げてこう話しかけてきた。
「……?、どうしたのだライ殿。泳がぬのか……?」
「いや、少しルチに話があるんだ。だから先にユリ達と遊んでいてくれ」
「うむ」
ソラがユリ達の方向へ走って行ったのを確認して俺はルチの方へ向き直る。
「……何だ?」
「何だか話したくてね……」
ルチはそう言ってその場に腰を下ろす。俺も腰を下ろして二人共、体の半分海水に浸かりながら青空を見つめる……。
「覚えてる?」
「何がだ?」
「昔の事よ」
「昔?」
「幼い頃、私と貴方とフュイ、フュンで海に来た事があるじゃない?」
「ああ……」
「その時の出来事」
「……」
心当たりが無い……
そんな俺の内心を読み取ったのかルチはこう付け足す。
「ほら、海に潜ってた私が海草に足を取られて……」
「あっ……」
そういえば昔、海で泳いでいた時ルチが溺死しそうだった時があったのを思い出した。
「思い出した?」
「ああ」
「軽い冒険感覚で少し沖の方まで私が潜りに行って……」
「海草の近くを潜ってたら足に海草が引っかかったんだよな……?」
「……うん。それで必死にもがいたけど海面に戻れなくて息が出来なくて……」
「そしてルチの姿が無い事に気が付いた俺が必死に探して……」
「助けてくれたのよね」
「そうだな……でも俺達の親の応急処置が無かったら駄目だったな……」
脳裏にあの時のことが蘇る。
「でも逸早く気が付いて助けてくれたのはライ……」
「そうだな……」
確か意識を失ったルチを抱きかかえて親が居る浜辺まで急いで泳いだな……
「どうしてなのかな……ライに昔から助けられてばかりだわ……」
「でもつい先日、俺の事を助けてくれたじゃないか?」
「残党の時のこと?……あれは数に入らないわよ」
「どうしてだ?」
「ユリ達が居たじゃない、私一人の力じゃないわ」
「……そうか」
「感謝してるわ……昔から、貴方にはね」
ルチはそう言って微笑んで見せる。
「さて、そろそろ私達も遊びましょ?」
「ああ」
俺とルチは立ち上がり、ユリ達の元へ向かった。
「遅かったなライ殿、何を話しておったのだ?」
ユリ達の元へ着くと急に目の前に水中からソラが顔を出してそう話しかけてくる。
「昔の事をちょっとな……」
ソラの頭を俺は撫でてやる。
砂浜の方を見ると結構沖まで来ているのが分かる。
「さて何をして遊ぶ?」
「じゃ、早速だけどまずは泳いで勝負しない?!」
「いきなりか!?」
「良いじゃない?せっかく海に来たんだから♪」
「良いですね……!」
「泳いで勝負するのか!妾は賛成なのだ」
「……コクッ」
「泳いで勝負するのもかなり久しぶりですね、何だかわくわくしてきました……!」
「泳ぎ方は自由で」
「ゴール地点はどうしますか……?」
「じゃ……あそこの灯台の所の大きな岩に触れたらゴールっていうのはどう?」
ルチが指差した方向に目をやると
先程目にした切り立った崖の上に建つ灯台の近くの下に広がる海面から岩が突き出しているのが見えた。
此処からは数百メートル位だ。
「よし、準備は良いか?」
皆、泳ぎ始める体勢になる。そして一同の視線が海面から突き出した岩に注がれる。
「ルチ、合図を」
ルチは頷き、流星群を発動させる。
正しくは流星群と言うより流星だが……、空から一つの流星が落ちてくる。
そして流星は俺達の少し先に落ち、大きな水しぶきをあげる!
同時に俺達はそれを合図に一斉に水しぶきを上げながら岩目掛けて泳ぎ始める!
俺は両翼を折りたたみ体に密着させる。そして海中に潜り、体をハブネークの様にくねらせて潜水する。
ルチも同じようにして潜水し、俺の隣で泳いでいる。
海面の方ではソラ達がそれぞれ違う泳ぎ方で接戦を繰り広げている。
潜水の際に遅れを取ったが水中で体をくねらせてさらに加速し、どんどん差が縮まる。
隣のルチも「負けない!」と言うかのように加速する。
水中は澄んでいてよく先が見えるため障害物となる珊瑚なども避けやすかった。
俺とルチは互いに睨み合い、加速する。
酸素が不足してきた為、俺は酸素を補給するため一気に海面へ上昇する!
ルチもほぼ同時に上昇し、酸素を補給する。
そしてまた水中へ潜水して体をくねらせ加速する!ルチと接戦を繰り広げている内に海面のソラ達との距離が少しずつ遠のく……。
俺が着くかルチが先に着くかの二択に絞られた。
岩は目前!俺とルチは海面へ急上昇する!
そして……!
……
「ふぅ……疲れたぁ~……」
ルチが砂浜にぐったりと寝転ぶ。
「だから言ったろ……?いきなりはキツイって」
「でも、私は楽しかったですよ……」
「うむ……!妾もだ」
私もです……
「やっぱり、ライさんとルチさんは早いですね……」
砂浜に皆で寝転びながらそう会話を交わす。
「あ~あ、惜しかったなぁ……もう少しで勝てたのに……」
「今度やるときは本当に負けるかもな」
勝負の結果は俺が岩に触ってから2、3秒後にルチが岩に触れる……という事になった。
三番はユメ、四番はソラ、ユリとフュイ、フュンは同時に岩に触れた。
皆、差は4、5秒未満という接戦だった。
「とりあえず体を休めている内に次は何をして遊ぶか決めるか」
『賛成』
俺達は体を休めつつ、次の遊びを考える事にした……


・・
・・・

そしてその後、俺達は色々な遊びをして一日を過ごした。
カイス割りや海で泳いで鬼ごっこをしたり……
楽しい時間は過ぎて辺りは夕焼けでオレンジ色に染まった。
夕日が海面に映し出され蒼い海が綺麗なオレンジ色になっている。
「綺麗なのだ……」
「確かに綺麗だな……隣に居る娘には敵わないがな」
俺は隣に居るソラにチラッと視線をやる。ソラは俺の言葉に頬を赤く染めていた。
「バ、バカっ……」
そう言いつつもソラは何処となく嬉しそうだった。
ソラと俺は今、切り立った崖の上に建てられた灯台のてっぺん……灯りの辺りに居る。
手すりに体重を乗せて海を眺めている。
「……それで、大事な話って言うのは何だ?ユリ達に片付けを任せ、二人きりで
話したいって言うほどなんだから余程の事なんだろ?」
「う、うむ……」
ソラは少し間を開けて話し始めた。
「妾はライ殿が好き、ライ殿も……妾の事、す…好きなのだよな?」
「ああ、勿論。それがどうかしたのか?」
「特に深い意味は無いのだが……。ライ殿は妾と初めて会った時の事を覚えておるかの?」
「ああ、鮮明にな……ソラが襲われていたんだよな」
「そしてライ殿が助けてくれた。その時から妾は……」
サッーと風が吹き抜ける。それに合わせ、ソラの白くて細い毛がなびく……ソラは大きく深呼吸する。
「本題に入って良いかの?……」
俺は静かに頷く。
「妾は王女……ソルベ国の王と女王である父上、母上の血を持つ娘……
将来ソルベ国の民を導いて行く身……」
「ああ……」
「そして、妾のパートナーになる事は将来、王になる事を意味する……」
俺は再び頷く。
「妾はライ殿をパートナーに選んだ……」
「要するに?」
「そ、その……人生のパートナーとして妾と結婚してくれるかの?!」
「お前が好きって俺に告白したその時から結婚したと言って良いんじゃないか?違うか?」
俺はソラの頬にキスをする。
「じ、じゃあ……!」
「結婚しよう!ソラ……!」
「有り難う!ライ殿っ!」
ソラは瞳に涙を溜めて抱き付いてきた。
それを俺は抱き返して受けとめる。
パチパチッ……
『?』
拍手が聞こえ、振り向くとユリ達が立っていた。
『おめでとう……!』
「皆……!」
「これで本当の意味で二人は繋がれた訳ですね……!」
「何だか照れるな……」
俺は軽く頭を掻く……
「後は女王様に報告するだけね!」
「それでは、参りましょう……!」
こうして俺とソラは本当の意味で繋がった……!
そして、俺達はソルベ国城へ向けて飛び立った……
いつもより速く……力強く……!

「そうですか……決心したのですね」
「うむ、母上。妾はソルベ国をライ殿と共に更に良い国にして行く……!」
「その心意気です。ライさんは……」
「はい、ソラと共に歩み、協力し、この国を良い国にして行きます。」
女王はゆっくり歩き俺に近付いて耳元でこう囁いた。
(ソラを頼みましたよ……私がこの世を去った後も……)
俺は女王の言葉に頷く。
「母上……?」
「こっちの話だ。ソラ」
「う、うむ……」
俺はソラの頭を撫でる。
「では、ライさんには次の王としてこの国の法律や国の有るべき姿など……色々な事を覚えて貰います……」
そう言って女王は手を叩く……するとユリが「失礼します……」と言って部屋に入ってきた。
その腕には沢山の本や資料が抱かれていた。
後に続き、ユメ、ルチ、フュイ、フュンも本を持ってくる……
「これ全部覚えるのか……母上」
目の前に積み上がった沢山の古本を見てソラはそう呟く……
「そうです。最初から最後まで全てですよ……ソラ、当然ライさんも
……昔の私も同じ事を言いましたよ、でも私は夫と頑張りましたよ」
そう言った女王の視線は遠くを見つめていた。
「頑張ろうソラ」
「ライ殿……」
「一緒に暮らすんだろ……?」
ソラは頷く
「だったら頑張ろう、時間はあるんだ。俺も一緒にやるからさ」
気が遠くなりそうな程積み上がった本を見ながら俺は言う。
「変わったわね、ライ」
ルチがそう言うとフュイとフュンが頷く。
「まぁな、ソラの為だからな」
「ライ殿……。うむ、妾はやるぞ!」
「早速取りかかるか……!」


・・
・・・

ー5ー 花束

そして、あの日から数年が経った……
俺とソラは沢山の古本を最初から最後まで全て覚えた。
女王からも色々な知識を貰った。
一生懸命全て覚えた結果、この日を迎えられた……
「ライ殿、に、似合うかの……?」
「ああ、似合うぞ」
目の前には王族の白いドレスを見事に着こなしたソラが頬を赤く染めてこちらを見つめている。
「可愛い上に美しいとはな……」
「あ、あぅ……馬鹿っ……」
「本当の事を言ったまでさ」
俺はソラの頭を撫でつつ額にキスをしてやる。
「遂にソラ様とライ様の頭に冠が載るのですね……」
「あれから数年経っちゃったけどね」
そうですね……
「時間ですよ……!」
フュイとフュンが部屋に入って来てそう知らせる。
「参ろう……!ライ殿」
ソラが笑顔で俺の手を握る。
「ああ」
俺達はソラの部屋から出て階段を下る。城の正面出入口に向かう為だ。
やがて正面出入口に着くと護衛兵が8人、俺とソラを囲んだ。
「お進み下さいライ様、ソラ様」
大きな扉が開くと俺とソラは護衛兵と城を出る……
一瞬光が視界を包み……次の瞬間、沢山の民が笑顔で拍手をして俺とソラを迎えているのが視界に映った。
少し先に群衆からも見える高さの台があり、その上に護衛兵に囲まれた女王が微笑んでこちらを見つめていた。
近くには各国の王と女王とその護衛兵が居る。
民達はソルベ国女王を中心に集まっていた。
俺とソラはレッドカーペットの上を歩き始める。
周りからお祝いの言葉を受け取りながら進み、やがて女王の元へ着くと見覚えのある姿が視界に映った。
「スラー!」
「久しぶりだな、ライ!」
スラーは笑顔で声を掛けてくる。その傍には雌のキュウコン居た。
恐らく前に聞いたスラーの妻だろう。
話したい事はあるが今は戴冠式の真っ最中なのでお互いに目で合図した。
「さて、皆さん……。此処に居るのは我が娘・ソラ……そして此方は側近護衛・ライ……
二人は自分の意見を主張する!」
ソルベ国女王は各国の王と女王、民を見回して後ろへ下がる……
そして俺とソラは二人でこの国をどうして行きたいか……など
自分の考えを発言した。民や各国の王族達はその話を静かに聞いていた。
それが終わるとソルベ国女王が大きな声でこう言った。
「この二人がソルベ国王と女王になるのを認める者は手を叩くのだ……!」
次の瞬間!嵐のような 拍手がソルベ国中に鳴り響いた!
見渡す限り皆、拍手をしている。各国の王達も民達もだ!
今、この瞬間に俺とソラは王と女王になる事を認められたのだ ……!
「では、冠を……!」
女王の合図でフュイとフュンが綺麗な布に乗せられた冠を差し出す。
同時に上空から花びらが撒き散らされる。
俺達は跪いて頭を下げる。
「ライ、ソラ……頼みましたよ」
『はい!』
ソルベ国女王は金に輝く大きな宝石で綺麗に装飾された冠を俺の頭に乗せる。
次にソラの頭に銀に輝く大小の宝石で美しく装飾された冠をソラの頭に乗せる。
俺とソラは立ち上がり互いに見つめ合う。
『おめでとう……!』
『おめでとうございます……!』
「では、誓いのキスを……」
ユリ達や民からお祝いの言葉を掛けられる中、俺とソラはキスを交わす。
「愛してるよ、ソラ……」
「妾もだ、ライ殿……」
どうぞ、ソラ……
ユメからソラは花束を受け取る。
「誰の手に渡るのかの……?」
ソラはそう言いつつ、面白そうに笑顔を浮かべて城の方へ体を向ける。
「さぁな、投げてみないとな……!」
そして、ソラは花束を後ろへ投げた……!

花束は高く高く舞った……


ーThe Endー


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Last-modified: 2011-09-04 (日) 00:00:00
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