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波乱の友2

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無人島 ~波乱の友2~
無人島 ~波乱の友~の続きです

8.
グリンは無意識の内に体を起こし、下半身が繋がったままシディアを倒し、二匹のさっきまでの位置関係が逆転した。
予想だにしていなかったこの状況にシディアは状況理解が遅れた。
彼女が理解出来たのは、急に鋭い快楽が襲ってきてからだった。
今、グリン君にやられている。
あまりの気持ちの良さに体を起こすことも出来ないが、秒刻みで襲ってくるこの快楽はグリンが腰を動かしているからだと今度はすぐに理解出来る。
さっきまでシディアが握っていた主導権を奪い取られてしまったということだ。
「このまま黙ってやられるほど、僕は甘くないよ。」
さっきまでの様子から一転、グリンは低い声でシディアに耳打ちした。

「・・っぁ・・・・・ぁあん・・・!」
グリンの腰使いが絶妙になってくるにつれ、シディアは喘ぎ声が抑えられなくなってきた。
更にグリンはシディアの乳房に手を乗せ、乱暴に揉みながら動かした。
手を動かせば形を変える、柔らかいそれを見ながらグリンは笑った。
グリンはシディアと重なっている事で生じる快楽を味わっているのではなく、どちらかといえばシディアの喘ぐ声と僅かに溜まった涙が溢れる目を見てさらに笑っている。
明らかにドS的な行為だが、不思議とシディアは嫌ではない。もっとやって欲しい、という欲望ばかりが彼女の頭の中で渦を巻き、抵抗しようという意欲を失わせる。
勿論、グリンはその事を知る由も無くただ自分の満足感を得るために動いていた。
本能全開のグリンは自分の事しか考えずに快楽に酔っている。しかし結果的にシディアのM的な面を引き出す行為となり、両者に多大な満足感を与えているようだった。
「あん・・・あぁぁ、はぁあああぁん・・・!」
さらに大きくなった喘ぎ声は更にグリンの意地悪な笑みを作った。

シディアの顔を見て快楽を得ていたはずのグリンが腰を動かしながら顔を上に向け、息遣いを急に荒くし始めた。
「うぅぅ・・・ぁ、はぁ・・はぁ・・っああぁ・・!」
さっきまでの息遣いとは全くの別物で、シディアはグリンが絶頂に近いという事を悟った。
しかしまだ満足しきっていない様子のシディアは、何とかこのまま行為を続けてもらいたかったが主導権は完全にグリンになっているため、それは叶うはずも無い。
グリンが腰を振るう際に二匹の肌がぶつかり合い、肌をはたく様な音を立てていたが急にそれも聞こえなくなり、グリンの腰の動きが完全に止まった。
「うぅぁぁあああ・・・・・ぁあ!!」
グリンは三度目の絶頂に達した。
だが一、二度目の絶頂の時にシディアの口内に射精させられ全て吸い取られていたため、彼女の中で射精するという事は無かった。
シディアはこうなることを予測して事前に絶頂へと導いていた。だがグリンに主導権を奪い取られる事など無いと思い込んでいた。
念には念を入れておいて良かったとシディアは涙を流した目で笑顔になった。

9.
グリンはハッと我に返った。
『怪物』の満足感が満たされ、ようやく彼の本来の意識が引き戻されたのだ。
グリンは暫く回りを見回した。
「何だったんだ?・・・急に意識が飛んで・・・・」
俯いたグリンの目にはとんでもない光景が飛び込んで来た。
「・・・・・・・ぇえ!!?」
シディアが後足を大きく開きながら仰向けに寝ており、目からは少量ながらも涙が流れているが笑っている。
秘部からは粘性のある液体が流れ出しており、大きくも小さくも無い乳房は少々赤くなっている。
周りを見回しても、今ここには自分とシディアの二匹しかいない。自分がこれをやったと思わせる材料はそれで充分だった。
「・・・あなた・・・意外とやるわね・・・。」
シディアは涙を拭い、ゆっくりと上半身を起こした。
その笑顔は艶やかではあるのだが何故かグリンは恐怖に似た感情を覚え、身震いした。
さっきのあの彼女の状態と彼女の台詞から推測するに、やはり自分が理性を失って彼女に襲い掛かっていたということを確信した。
もしそうならば何故シディアは笑っているのか、怒っていないのだろうか。それがグリンを震えさせる。
気まずくて目線を合わせられない。

シディアはグリンの心境を読み取ったかのように口を開いた。笑顔も多少柔らかくなった気がする。
「かなり気持ち良かったし・・・・・別に怒ってないわ。私もあなたに同じ事・・・してたんだもんね。」
その言葉を聞き、グリンは安堵の息を漏らした。
だがシディアの「でも・・・」というワードに過剰反応し、素早く顔を上げた、とほぼ同時にシディアの体が飛び、グリンを力尽くで押し倒した。
「あなただけ満足しちゃったんじゃない?私はまだ満足してないのよ・・・・残念ながら。」
動揺を隠し切れずに首だけがあたふたするグリンに、シディアは極上の笑みでそれをも押さえ込んだ。
「ね、・・・・・・グリン君。」
語尾にハートマークでも付きそうな声色が逆にグリンを大人しくさせる最高の言葉となった。

シディアの尻尾がグリンのモノを撫で、突っつき、巻きついて上下に動き、弄りまくって復活させた。
「ひゃ・・・・めろぉ・・!」
言葉がグリンの唯一の抵抗手段だが、そんなものでは無意味だと自分でも分かっている。
四肢は押さえ込まれて動かないし、何よりシディアの尻尾がしている行為がグリンに抵抗することを許さない。
こんな状況でも気持ち良いと感じてしまう自分の体が可笑しく感じた。
尻尾で弄ることに物足りなさを感じたのか、それとも疲れたのか、シディアは尻尾を止めてグリンのモノにしゃぶり付いた。
「ひゃあぁぁああぁっっっ!」
グリンにとってはこれが止めのように感じたが、残念ながらまだ限界には達していない。
自分が咥えたことで限界突破してしまったと一瞬思ったシディアだったが、そういう訳でもないと分かるとまた笑顔になった。

グリンにはもう目に映る木や、真っ暗な闇空の中に存在する点々とした光さえも認識出来ないほど追い込まれていった。
暫くしてシディアが口を離し、それがまたグリンに嫌な予感をさせる。
この状況で口を離すといったら理由は一つしかない。―――本番だ。
「・・・御察しの通りよ。」
グリンの予想を読んだのかグリンを跨ぐと共にシディアは笑った。
もうシディアも興奮して仕方が無いのだろう。中途半端に終わらすのは嫌みたいだ。

グリンが予想していたよりも唐突にそれは来た。
一度やってしまったからもう喘いだりはしないが、それでも声がでそうになる。
完全に外の空気から隔離されるのももう体験した。今更驚かない。
だがさっきと違うのは、グリンの『檻』が完全に修復されていることだった。この状況を打開する手段はもう無い。
「さっき前後に動かしたからぁ・・・・・今度は・・上下?」
何やら独り言をぶつぶつと呟くと、シディアはグリンの腰に両前足を置いて、モノを入れたまま一度体ごと腰を持ち上げて下ろした。
「ぅひゃうん!」
腰が浮くときにはシディアの秘部の中の肉の壁に撫で上げられ、下ろす時には上から下へと撫でられる。
さっきまでとはまた違う気持ち良さについつい大きな声をあげてしまった。
それにしても、もう無理矢理やられてからどれほど時間が経っているのだろう。ものすごく時間が経っている気がすれば、全然経っていない気もする。完全に時間の感覚が無くなっている。

流石に何度もやられているが故、瞬殺だった。
限界だというのに、また限界へと達せられて体が耐えられない。耐えてくれない。
「あら・・?・・・・グリン君?」
様子を伺いに上から近づいたシディアの顔を見た途端、グリンの視界はブラックアウトした。


10.
真っ暗闇にグリンは立っている。ここは何処だ、何でこんなところにいるんだ。全く覚えが無かった。

……ろ………………………………。

仕方なくボーっとしていると聞き覚えのある声が聞こえ、徐々にそれは大きくなっていった。

…………きろ…………………………おきろ……

「起きろーーっ!!」
「うわぁ!?」
凄まじい怒鳴り声に気が付くとグリンの住処である木の中だった。さっきの声はトパーズ独自の“ハイパーボイス”だ。
木の中にまで入り込む朝日の光の中に心配そうな顔でグリンの顔を見ていたトパーズとシディアの姿があった。
「・・・・何?どういう状況なの?これ・・。」
素で分からないグリンを見てトパーズは苦笑する。
「あんたねぇ、石に躓いて転んで頭打って気絶したんだって。覚えてないの?」
そう言われてもう一度昨日の記憶を探る。シディアが遊びに来て、帰る時に送っていって、それから―――襲われた記憶がある。しかしトパーズは頭を打って気絶したとシディアから聞いているという。あれはまた夢だったのだろうか。
「・・・・覚えてない。」
襲われたという記憶しかない。頭を打ったという記憶はグリンの頭の中に存在してない。
「まぁ、頭打ったんだし・・・・ショックで一部の記憶が失われたんじゃないかしら・・・?」
シディアは笑顔で言った。
そう言われるとそんな気もする。多分襲われたのは夢だったのだろう。

トパーズとシディアがほぼ同時にあくびをした。グリンの様子をずっと見ていたのだろうか。自分が心配されていたと思うと、少し嬉しくなった。
あくびをした後のトパーズの目は少しの怒りと、呆れが混ざったような目でグリンを見た。
「あたし達は寝ずに看病してたんだからね。もう元気だってんなら朝ごはんくらい採ってきてよ。」
やはり寝ずに看病してくれていたようだ。
相変わらずカチンとくる喋り方だが、それよりも嬉しさの方が勝っていたため、ここは珍しく素直にいう事に従う気が起きた。


「全く、今時子供でも躓いて気絶するなんてしないわよ。」
流石に今回のグリンには呆れる。
そんなトパーズを見てシディアは微笑んだ。
「でも、ああいうところも・・・・・グリン君の可愛いところなんじゃない?」
「え~、どっこがぁ?一緒に暮らしてるとたまにイラッと来るのよね、あいつ。」
外に出ればよく転ぶし、荷物を持つのもへたくそだ。そこに苛立ったことは何回もあるが、可愛いと思ったことは殆ど無い。
「・・・・住処を持たないあなたが言えることでも無いんじゃない?一緒に住ませてくれてるんから・・・感謝するべきよ。」
シディアが珍しく強い口調になったのに驚いて一瞬怯んだが、それを何とか表に出さずにすんだ。
「そりゃあ感謝してるわよ。でもそれとこれとは話が別でしょ?」
言った後にシディアの言葉が急に胸に響いた。
確かに苛立つことはあっても、それはグリンの性格であり、彼の個性だ。それをとやかく言う権利は誰にだって無い。
苛立ってもそれもちゃんと理解するべきだ。―――一緒に住んでいるのではない、正確に言えば住まわせてもらっているのだから。
グリンには見ず知らずのトパーズを庇った勇気と、数年間一緒に図々しく居座っていても何一つ文句を言わない心の広さがある。彼の良さを考えれば意外とたくさん思いつくことに今更気付く。

言った事を後悔していることに気付いたシディアは、「話が別」と言ってしまったことに対しては何も言わなかった。
「・・・・あなた雄に追い掛け回されてるくせして・・・・・・そういう感情に疎いからねぇ・・・」
トパーズには「そういう感情」の意味が分からなかった。その表情を見てシディアは苦笑した。
「まぁ・・・もっと素直になりなさいっていうことよ。」
ますます意味が分からない。何に対して素直になれということなのだろう。
「フフ・・・グリン君に対して素直になりなさいって言ってるの。」
この瞬間その意味が分かった。
「す、素直って・・・あたしは別にあいつのことがどうとか、そんなんじゃ・・」
あくまで白を切るが内から込み上げてくる動揺を抑え切れなかった。こんな喋り方ではグリンに何かの感情があるって告白しているようなものだ。

シディアは「じゃあ・・・・・・素直にさせてあげようか・・・?」と妖しく笑って言い、トパーズに歩み寄った。
「グリン君・・・・先に頂いちゃったわよ。昨日の夜に・・ね。」
またもや意味の分からない発言を聞き、頭の上に大きなクエスチョンマークが出そうだった。
誰が見ても意味を理解していないような表情を見てシディアはますます笑う。
「『頂いちゃった』の意味、分かんない?・・・・そうねぇ・・」
シディアはあくびしそうな口を前足で押さえ、上を向いた。そして流し目でトパーズを見て、変わらぬ笑みで言った。
「『雄と雌が一緒になった』って言えば・・・分かるかしら?」
一瞬で頭に向かって血が駆け上がっていった。トパーズの顔は真っ赤になり、炎の鬣も激しく燃え盛る。
「あ、あんた何してんのぉ!!?まだ会って二日三日なのにそんな・・・、グリンが頭打って気絶したってのも嘘か!あんたがやったんだな!?・・そ、それをしたということはグリンもシディアと・・・・その・・『寝る』ことを了解して・・・・」
辛うじて言葉にはなっているが内容は飛び飛びで動揺の表れだったことは自分でも分かる。
クスクス笑っていたシディアは「了解して」のあたりでまた喋りだした。
「いや、向こうは了解なんかしてないわよ。・・・・私が襲・・」
「あんたはホント何考えてんの!?奪うためか!?あたしからあいつを奪うためか!?」
シディアが言い終わる前にトパーズは怒鳴り、はっと我に返った。
あたしからあいつを奪う――自分がそんな発言をしたことが信じられなかった。グリンのことはどうとも思ってなかったはずなのに・・・。シディアがグリンと交わったことにこんなに反感を抱いている自分も変だった。別にあいつが何してようがどうでもいいはずなのに・・。
トパーズの怒声は完全に止まり、体も硬直した。あたしはグリンのことをどう思ってる?
「・・・気付いた?自分が彼のことをどう思ってるか。」
たまにとんでもない事をする親友だが、こういうところには負ける。
自分がグリンをどう思っているか気付かされた。シディアの言った通り“素直にさせられた”。
「・・・うん。」
トパーズが頷くとシディアは微笑み、外に向かって歩き始める。
「・・・・・じゃあね、私は帰るわ。頑張ってね。」
頑張ってね、この意味はすぐに分かった。
その時トパーズはずっと脳のどこかに引っかかってたものの事を思い出し、シディアの肩に前足を乗せて言った。
「あのさぁ、じゃあ寝たっていうのも・・・・嘘な訳?」
振り返ったシディアは、嘘なのか本当なのか分からない不思議な笑みで頷く。
トパーズはほっとし、そのほっとしたということがまたグリンへの気持ちに気付かさせる。
シディアはそのまま外に出て、森の中に駆けていった。


「ただいま。」
グリンは背中に山ほどの木の実を乗せ、ふらついた足取りで帰宅した。
寝床に座り込んでいたトパーズはすぐに立ち上がり、グリンに歩み寄る。
「お帰り。」
似合わない愛想の良さにグリンは驚いた。いつもは「遅い」と怒る彼女が一体どういう風の吹き回しだろうか。
「ど、どうしたの?頭でも打った?」
何故かグリンが食料と採りに行った時はいつも不機嫌のはずなのに、愛想の良い言葉の後に彼女は笑っているのだ。驚きを通り越してなんだか気持ちが悪い。
一瞬顔がヒクッと動いた気がした。
「いや・・・あのね・・・・あたし・・・・・・あんたの・・・・ことが・・・」
一言一言に間が空き、何を言っているのかよく聞き取れない。そのことが伝わったようで、「だから・・・」とトパーズは何故か顔を赤くして俯いた、途端。
ボトッ、ボトッという音がグリンの後ろから聞こえた。グリンが振り向くと一斉に背中の木の実が落下し、外に転がり出て行く。
これには笑っていたトパーズの表情が完全に引きつった。
「何してんのよ!!早く拾わないと・・」
「わ、分かってるよ!」
グリンとトパーズは慌てて木の実を拾い集め始める。さっきまでの雰囲気は跡形も無く吹き飛んでいった。



木を取り囲むように広がる森を抜けたところでシディアは立ち止まる。
朝日が体に降り注いでこれまでの無い良い天気だ。
「フフフ・・・グリン君、すごい焦りようだったなぁ・・・。」
あの時のグリンの表情を思い出し、また笑いが込み上げてくる。あの時とは昨日、シディアがグリンを襲った時のことだ。
グリンは結局シディアの言葉に惑わされ、昨日のあの時は実在していないと思わされてしまった。
トパーズはグリンがとんでもない間抜けをしたせいで勝手に気絶したと思わされてしまった。
シディアだけが鮮明にあの時のことを覚えている。

シディアは森に遮られて見えもしない、しかし確かに存在するグリンの――否、グリンとトパーズの住処を見て小さく囁いた。
「頑張りなさいよ・・・トパーズ・・・」
トパーズとは対照的な穏やかで、可愛らしさとは違う妖艶さを持った親友は爽やかな太陽の光の下、しっかりと地に足をつけて歩いていく。
自分の親友の今の幸せを思うと、自然と顔がほころんだ。



~波乱の友~ -Fin-


あとがき
今回で解った事。僕には文章をまとめる力が無い!
随分と長ったらしい作品となってしまいました…。読みにくくてすみません。
一応、次回に続けようかなと思っております。
変態というのは……少々普通すぎましたかね?他の方の作品はいろいろと捻っているのに。

ともあれ、見てくださった方、票を入れて下さった方、ありがとうございました。
何かあればどうぞ。



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Last-modified: 2012-04-05 (木) 00:00:00
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