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智喜の育て屋チェッカー

/智喜の育て屋チェッカー

※迷い込まれた方へ
ここは泥舟と共に沈む獣さんの第一回SS選手権作品『デコボコ山道の眠れぬ一夜』の作中内に出てくる育て屋の個室の裏側です。
よってこの下には行かず、まず本文を読み進め、アプリを起動させて入って来て下さい。
それではこちらへどうぞ





















































































































































































































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 ※裏口(上)から来た方へ
 ……仕方ありませんね。では『デコボコ山道の眠れぬ一夜』のここまでの簡単なあらすじを。
 トレーナーの智喜はパラセクトのムギ(♂・自家生産)とハッサムの紅刃(♀・トレード)を育て屋に預けた。
 その日の夜、寂しくなった智喜はポケッチのアプリ『育て屋チェッカー』を使ってムギと紅刃の様子を覗いてみた……
 それでは、育て屋の中をご覧下さい。

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 ※室内(下)から来た方へ
 ここから上は育て屋の裏口です。行っても何にもありませんよ。

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 ポケッチのアプリ『育て屋チェッカー』の画面の中に映し出された、小さな部屋に設えられたポケモン用の寝所の上で寄り添う2匹のポケモンの姿。
 おそらく高感度カメラを使っているのか、闇の中にいるはずの彼らの姿を鮮明に見る事が出来た。
 それは確かに俺のポケモン、パラセクトのムギとハッサムの紅刃に間違いなかった。
 けれど、俺の知る彼らとは何かが、どこかが違って見える気がする。
 意外にも彼らはまだ眠ってはいなかった。ムギが寝所の上に座り込み、その背中の俺愛用の茸に紅刃がもたれる格好でじっとしてはいたが、その目は2匹とも見開かれていて――――
 ムギの瞳には爛々と炎の様な明かりが灯り、激しく力強い視線で傍らの紅刃の身体を抱きとめていた。
 紅刃の瞳は滾々と深い湖の如く潤いに満ち、甘く切ない視線をその身を預けているムギの背中に溶け込ませていた。
 2匹はそれぞれ鋏の中に飲みかけのグラスを持っていた。
 中身はおそらくツボツボの果実酒だろう。育て屋でのトレーニングに疲れたポケモンへの強壮剤として出していると聞いた事がある。
 酔っているのか、2匹の顔は元々紅い地でもそうと判る程に染まっていた。
「ムギ……先輩」紅刃がぎこちなく呟いた。
 驚いた。紅刃がムギの事を名前で呼んだ。今朝まで『パラセクト先輩』だったのに。
 きっと彼女にとっては沢山のハードルを乗り越えた結果であろうその声を、ムギは「はい」と優しく受け止める。
「好き……です……ムギ先輩の・・・・・・」
 小さくなっていく声を振り絞って紅刃は、
「くださいっ・・・・・・」
 その大胆と言えば余りにも大胆な告白を、ついに最後まで言い切った。
 ムギの微笑とグラスをかざす仕草がそれに答えた。
 深い吐息と共に紅刃が頷き、2匹一緒にグラスの残りを飲み干す。
 そして空になったグラスを寝所の側の台の上に置いた、その時。
 グラスを放したその紅刃の鋏に、ムギの逆の側の鋏が触れた。
 ビクン、と身を振るわせて硬直した紅刃の鋏から腕へと、ムギは撫でる様に鋏を登らせる。
 やがて肩へと到達した鋏を支えにおもむろに身体を立ち上がらせたムギの顔が、紅刃の顔へと近づき――――
 2匹の唇が、重ね合わされた。

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 ……突然の衝撃に絶句したまま固まっていた俺だったが、いくらなんでもここまで見てなおどんな場面に出くわしてしまったのか、2匹が何をしていてこれから何をするつもりなのか解からないほど鈍い訳じゃない。
 思い出した。そう言えばリョウとシネンシスがムギを作ったのも、育て屋に2匹を預けた時だった。
 まいったな……。さて、このまま見続けていいモノなのだろうか?
 自分の身に置き換えてみて、もしそんな場面を覗かれてしまったとしたら、そりゃ死ぬほど恥ずかしいし怒るだろう。
 けど・・・・・・
 
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※既にお察しの事と思いますが、このまま見続けた場合過激な描写に入っていきます。覗く趣味のない方はアプリを終了させてください。

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 ・・・・・・覗かれている側がその事を知らない分には問題ない、よな。害がある訳じゃないし。
 それにタマゴの時からムギの世話をしてきた師父( おや )として俺は、あいつが(オトコ)としての大事を無事成し遂げられるかどうかを見守ってやらなければなるまい。
 ……などと我ながら身勝手極まる理屈で良心の天使が投げつけてくるツッコミの嵐を無理矢理封じ込めて、俺はそのままムギたちの行為を見続ける事にした。

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 永い永い接吻( ベーゼ )が終わり、ようやく2匹の顔が離れる。
 刹那に紅刃の唇から零れ落ちたのは、涎かそれとも先刻2匹が飲んでいた果実酒か。
 その雫をムギが鋏で拭いながら語りかけた。
「ありがとう。私も紅刃ちゃんの事を……愛しています」
 ムギはその時、俺にさえ見せた事が無い程に嬉しそうな笑顔をしていた。
 紅刃も嬉しそうに綻ばせた頬をムギの鋏に押し当てている。
 しばし2匹は支えあう姿勢で抱き合ったまま、情熱的に視線を絡み合わせた。
 やがてムギが頭を動かし、頷くような仕草をした。
 否―――
 それは〝頷いた〟のではなく〝促した〟のであったらしい。
 ムギを肩から下ろすと、紅刃はその身を翻しムギに背を向けて這いつくばる。
 そして頭を下げると、躊躇いがちに腹を……ここで言う〝腹〟はお腹の事ではなく虫の身体の構造としての〝腹〟で、ハッサムの体型的に言ったら下半身の事……持ち上げて尻先をムギの方に向けた。
 紅い尻の先端に、小さな蕾が膨らみかけているのが見えた。
 育て屋のカメラは実に高感度にして高精細で、蕾の裂け目から顔を覗かせるほのかに桜色に色付いた花弁まではっきりと確認出来る。
 おそらく漂ってくるのであろう扇情的な雌の色香に誘われる様に、ムギが蕾へと顔を寄せていく。
 蕾を間近でじっくりと裂け目の奥まで眺めつくしたムギは、舌を伸ばし裂け目に這わせた。
「! っひあぁぁぁっ……!」
 敏感な場所を刺激された紅刃は腕の力を失い、上体を寝所に突っ伏す。
 愛する雄に秘奥を晒し触れられている羞恥に堪えられなくなったのか、彼女は両の鋏で顔を覆ってしまった。
 ムギは鋏を振り上げて、紅刃の柳腰に腕を回して抱き寄せた。
 そのままムギは身を持ち上げて紅刃の背中へとよじ登る。ムギの腹が紅刃の腹に添わされ、お互いの昂ぶる鼓動を伝え合った。
 ムギの腹をよく見てみると、尻先に茸が生えていた。
 白く、小さく、微笑ましいまでに可愛らしい、しかし艶と張りのある立派な茸だった。
 その茸を蕾へとあてがうと、裂け目に沿って擦り付ける様にムギは腹を動かした。
「……フー……フー……ファッハァ……ハァァァッ……」
 鋏の奥から漏れる紅刃の吐息が、みるみる大きく荒々しいものになってくる。
 ムギの白い茸もまた、擦られる毎に大きさと色艶を増していく。なんだか美味しそうだな、とアホな事を考えてしまった。
 とろり、と雫が糸を引いて落ちた。
 紅刃の蕾から溢れた、愛蜜だった。
 茸の先を蜜で濡らされたムギは擦るのを止めて、腹を折り曲げ茸の先端を裂け目の入り口へと向けて押し付けた。
「・・・・・・!!」
 茸の先端が裂け目を割って潤った蜜壺に潜り込んだ瞬間、紅刃の全身がビクンと強張った。
 一突き、また一突き、ムギが律動する毎に尻先の茸が紅刃の中に深々と入り込んでいく。
 やがて、ムギの白い茸は根元まで完全に紅刃の蜜壺に浸かり込んだ。
 紅刃は硬く硬直したままでムギを受け入れている。
 鋏に隠れて表情は見えず篭ったような呼吸を繰り返しているのが聞こえるだけだが、顔のような模様がついた鋏は〝刃〟を食いしばるかの様に握り締められている。
 ふと見ると、2匹のつながった秘所から、紅刃の赤銅色とは明らかに違う赤が流れ落ちていた。
 紅刃の、純潔の証だった。
「紅刃ちゃん? ……! も、もしかして……初めて、でした?」
 彼女の苦しげな様子に気が付いたムギの翅の上からの問い掛けに、紅刃は顔を追ったまま小さく頷いて答えた。
 ……おいおいムギ。彼女が経験しているとでも思っていたのか? 失礼だろ。 と突っ込みたくなったが、
「ごめんなさい、私つい無造作に挿れちゃって……あぁ、でも、嬉しい、です。……大丈夫ですか……?」
 どうやら気が回っていなかったという事らしい。ムギだって初めてのはずなんだからそれぐらいは仕方がないだろう。
 ……っていうか、とても初めてとは思えない程うまくやっていたと思うんだが。一体どこで覚えて来たんだろう?
 挿れた茸で蜜壷を掻き回したいであろう衝動を堪えて紅刃の身体を気遣うあたりは、やはり俺のよく知るいつものムギだった。
「平気……」鋏の下から、懸命に紅刃が答える。
「大丈夫です……私、ムギ先輩になら・・・・・・っ!」
 不意に紅刃は、全身に苦痛とは別種の震えを走らせた。
「あっ!? ……な、何だか本当に良くなって来……あぁっ! 熱いっ!ムギ先輩のっ! ムギ先輩の茸、熱いようっ!!」
 急激に快楽を訴え始めた紅刃に煽られたのだろう。ムギの肉体が律動を再開する。
「あぁっ! あぁっ! ムギ先輩! ムギ……せ……ムギさぁぁぁん!!」
 襲い掛かってくる激しい快楽の波に流され紅刃の身体が仰け反り、隠していた顔が跳ね上がる。
 先程まで破瓜の痛みに涙していたのであろう頬は、今は随喜の涙で濡れていた。
『ムギ先輩』から『ムギさん』に進化したムギは、ここぞとばかりに一気に激しく蜜壺を攻め立てる。
「ムギさんっ! ムギさぁんっ! あっ! ああぁぁぁぁぁぁ~っ!!」
 紅刃の嬌声と痙攣と共に、突き入れられている蜜壷から勢いよく愛蜜が噴き出した。
 初めての絶頂に達した紅刃はガックリと力尽きて寝所の上に崩れ落ちた。もう鋏で顔を隠すどころか腰を立てている余裕すらなくなり、蜜壷から抜け出たムギの白い茸が糸を引いて揺れる。
 ひと心地付いたムギは鋏で紅刃の身体を仰向けにひっくり返すと、身を反転させて彼女の尻先に顔を付け破瓜の傷痕をいたわる様に舐め始めた。
 紅刃もまた鋏を伸ばして、自身の愛蜜と純潔の欠片に塗れたムギの尻先の茸を取って口付けた。
 しばらくの間、2匹はそうして互いの秘所を味わい合っていた・・・・・・。

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※満足して頂けたでしょうか? 「もうお腹いっぱい」だと言う方はアプリを終了させてください

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※まだ続きが見たい方には警告しておきます。
この先には極めて過激な表現があります。見る勇気のない方はアプリを終了させてください。

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覚悟は宜しいですね?では続きをご覧ください。

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 ムギが啜っている紅刃の蜜壺の中にムギの愛の証を探してみたが、湧いてくるのは透明な蜜ばかりで一向に白い色が漏れる様子はない。 
 余程奥に漏らしたのか、それとも漏らさなかったのか……
 ムギの茸が萎えておらず、寧ろ色艶を更に増した姿で紅刃にしゃぶられているところを見ると、おそらくは後者なのだろう。
 慌てて終わってしまわない様に、オーラルを絡めてじっくり楽しむつもりって事か……。
 ……!? 何だろう? ピチャピチャと粘膜を舐めあう音に混じって奇妙な音が聞こえる。
 バリ……ボリ……と、まるで何かを齧っている様な……。
 ・・・・・・・・・。
 ……ま、まさか……!? 嘘だろう!? そんなバカな!?
 喰われている!? ムギの白い茸が……紅刃に!!
 間違いない。傘を捥ぎ取り、柄を毟り取り、咀嚼し、嚥下して、先刻彼女が下の口で味わっていたムギの茸を今度は本当に貪っているのだ!!
 やめてくれ!! 紅刃、お前は一体何をやっているんだ!?
 そりゃ確かに俺も美味しそうだって思ったけれど、それにプロポーズした時に紅刃はムギに「ください」って言ってはいたけどっ! だからといって実際に食べちゃう奴があるかよぉっ!?
 思わず自分の股間を押さえてしまった俺の見ている前で、紅刃は更に顎を進めていく。
 茸に絡んだ自身の愛蜜をまるでソースのように味わい、噛み千切った痕から漏れてくるムギの体液も啜り取り、とうとう根元まで食い尽くすとその奥まで口を突っ込んで穿っている。
 も、もしかして、もしかしたら紅刃は……!?
 聞いたことがある。
 野生のハッサムやストライク、それにイトマルやアリアドスなどの雌は、繁殖期に雄を食うことがある―と。
 交尾に迫ってくる雄と勝負をして負けた雄を食うのは血の厳選の為だけど、交尾後の相手まで食うこともある。
 愛しい雄を永久に自分のものにしてしまいたいという、強烈な愛情がそうさせるらしい。
 人にゲットされ十分な食料を与えられたポケモンなら例え捕食対象であっても仲間を食べたりはしないはずだけど、育て屋に預けられ俺の手から離れたことで野性の本能が甦ったのだとしたら……。
 大変だ! ムギが食べられてしまう!!
 暗かろうが危険だろうが今すぐ下山して117番道路に行かなくては! ってそんなの間に合うわけないし!
 そうだ電話! 育て屋さんを電話で叩き起こしてやめさせないと!
 電話番号のメモを探そうとするがなかなか見つからない。早くしないとムギが、ムギが……。
 タマゴから孵して以来ずっと過ごして来たムギとの日々の記憶が俺の脳裏に去来する。
 ああ頼むから紅刃、俺のムギを食べないでくれぇぇぇっ!!

 「……美味しかったですか?」

 その時、ムギがいつもの様に穏やかな笑顔で紅刃にたずねた。まるで我が仔に授乳した母親が赤子にたずねるみたいに。
 ムギの尻先から口を離した紅刃がコクリと頷いた。
 あ……れ……? なんであんなところを食べられたムギが当たり前の様に落ち着いているんだ? 痛く……ないのか?
 待てよ? 考えてみれば、ハッサム等の雌が雄を食べるのは雌にとっては愛情表現でも雄にとっては奈落な訳で、だから雄たちは雌の牙を回避して交尾だけ済まそうとそれこそ命懸けのの努力をしているはずだ。なのにムギは先程自分から紅刃の口の方に尻先を向けていった。
 ……やはり違う。食べられたんじゃない。食べさせたんだきっと。
 擂鉢山のフクジュって博士が出した本に書いてあった。鳥や虫に実を食べさせて実の中の種を運ばせる種類の植物は、そうさせる為にわざと派手な色の実を付ける。
 そこまでして実を食べさせている以上、彼ら植物にとって実を食べられるということはSEXをしている様なもの。悦びさえ感じているかもしれない、と。
 パラセクトだって植物の一種だ。ならばあの茸を食べさせる行為は、もしかしたらパラセクトの繁殖にとって重要な意味があるのかもしれない。だとしたら……邪魔するべきではない。
 ムギを信じて、俺はもう少し2匹の様子を見守る事にした。

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 変化は、突然訪れた。
「うああああああああああっ!?」
 悲鳴を上げたのは、紅刃の方だった。
 四肢を震わせ、翅音をけたたましくさざめかせ、全身から激しく発汗し、苦しそうに涙と涎を夥しく垂れ流す紅刃。
 尻先の蜜壺の花弁は、真っ赤に膨らみビクビクと開閉を繰り返しながら愛蜜と聖水の大洪水になっている。
「あああっ! 体が……ちぎれちゃうっ……! ムギさんお願い……はやくぅ……!!」
 決死の形相でムギに何かを求める紅刃。
 一体何を求めているのか……その答えはすぐにムギから飛び出した。
 紅刃の嬌態に触発されたのであろうムギが、脚を突っ張らせて腹を折り曲げ「うぅっ」と力を込めると、彼女に噛み切られた茸の痕から〝それ〟がズボォッと音を立てて現れた。
 表面を赤黒い無数の瘤と襞で覆われた複雑な形状をし、精力漲る脈を打ち隆々とそそり立つ、先程までそこにあったモノとは比較にならない程に太く巨大な、それは茸だった。
 その茸を目の当たりにした紅刃の表情がうっとりと綻び、蜜壺がこれまでに無く勢いよく愛蜜を噴き出したのを見て、俺はこれまでの2匹の行動の全てを理解した。
 そうか。そういう事か。
 あの紅刃が食べた白い茸……あれはムギの(オトコ)のナニなどではなかったんだ!あれはつまり……
〝媚薬〟だ!! 催淫成分を持つ茸を雌のそこに外側から内側の粘膜まで丹念に擦り付けて効力をしっかりと浸透させ、更に擬似性交による刺激で茸の成分を濃厚にして、それを相手に食させる事によって発情を極限まで引き出させたんだ。
 初めから食べさせる為の茸だったのであれば、俺にまで美味しそうに見えたのも納得だ。
 それは全てたった今出てきたこの巨茸を雌に迎えさせる為のパラセクトの繁殖戦術。即ち……
 俺は思わず、ゴクリと喉を鳴らしてしまった。
 これまで見て来た物は全て前戯に過ぎず、これから正真正銘の本番が始まるという事だ・・・!!
 ムギはそのまま、紅刃の正面から挑みかかっていった。
 紅刃の顔はムギに釘付けになっており、しかも手足は全てムギを求めて伸ばされている為、もうバックの姿勢をとる事も顔を隠す事も出来ない。
 もっとも顔を隠すなど今の紅刃には思いも寄らなかっただろう。ムギの媚薬に神経の隅々まで酔わされた彼女の蕩け切った表情からは、先刻初めての行為に恥らっていた処女( おとめ )の名残すら見つける事は出来そうになかった。
 身を重ねあい、しとどに濡れた蜜壺の入り口に赤黒い巨大な茸の先端が宛がわれると、2匹はお互いに絡みつけた手足に力を込めて抱き寄せ合う。
 ズボリ!と音を立てて挿り込んだムギの巨茸は、際限なく湧き出る愛蜜の潤滑と壺壁の蠕動に運ばれて一気に根元まで呑み込まれた。
「ぁあああああああああーーーっ!!」
 紅刃の喜悦に塗れた絶叫が轟いた。
 逞しい巨茸を咥え込んだ紅刃の蜜壺ははちきれんばかりに押し広げられ、赤銅色の腹は有り得ない程膨らんで軋みを上げている。
 そんな状態でも壺壁はリズミカルに収縮してムギを締め上げ、快楽の呻き声を搾り出させる。
「うぅ……紅刃ちゃん……紅刃ちゃんの中……暖かくて、ピクピクしてきて……気持ちいいです……あぁっ!」
「ムギさん、あぁ……私の中にムギさんがいっぱい……」
 息も絶え絶えに紅刃が呟く。
「私、感じるの……私が食べちゃったムギさんが……ムギさんの中に戻りたがって……引き合って……ひとつに、なりたがってる……」
「もう……ひとつですよ、紅刃ちゃん……」
「もっと……もっと私の奥深くまで来てよ……ムギさんっ……ム……ギ……ムギィィぃっ!!」
「紅刃、くれはぁっ! 突くよ……もう貫いてしまうよ……いいですね……!!」
「あぁムギ……貫いて……バラバラになるまで掻き回して……もうメチャメチャにしてえぇぇぇっ!!!」
 最早敬称をつける時間さえ2匹の間には無用とばかりにお互いの名前を呼び捨てる2匹の間から、ガツン!と硬い音が鳴り響いた。
 2匹の尻先の外殻がぶつかり合った衝撃音だった。
 ガツン! ガツン! ガツン! ガツン!
 火花が飛び散るかと思える程凄まじい激しさで2匹は肉体を叩き付ける。
 猛り狂った茸が蜜壺に突き込まれる度に茸の襞や瘤の一つ一つがまるでオルゴールのシリンダーのピンの様に鋼の壺壁を弾いて、荘厳な官能のハーモニーを奏でてはそれぞれの体中へと響かせる。
 だがそれだけの刺激を受けてなお2匹は更に貪欲に求め合い、つながった身を揺すり、捻り、次々と新たなメロディを紡ぎ出していく。
 2匹の喘ぎは、最早音として表せる体を成していなかった。
 よくよく見ればそれもそのはず、いつのまにやら2匹の唇はお互いのそれで塞がれていた。
 紅刃の紅潮した頬が内側から盛り上がって蠢く。ムギの舌が彼女の咥内を暴れまわっているらしい。
 抱きしめた相手の身に食い込む程に手足を絡めさせ、陽炎が立ち昇るほど熱く汗を沸き立たせ、また更に勢いを増して突き込む。力を増して引きずり込む。もっと奥へ,もっと奥へと……
「っ……!」
 一際強く突きこんだ瞬間ムギが唇を離して仰け反った。同時にムギの茸が……背中のも紅刃に突き刺さっているそれも……急速に膨れ上がり――――
「ぅくおおおおおおおおおーーーーーーーーーっ!!!!」
 天を突く雄叫びと共にムギの全身から胞子が爆発的に噴き出し桃色の霧となって広がって、カメラは視界を失った。

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 ピンク一色に染まったポケッチの画面の向こうから、微かにムギの声が聞こえる。
「ハァハァ……ねぇ紅刃……よかった、ですか……?」
 ……野暮な質問だぞムギ。彼女の答えなんか、聞かなくったって解ってるだろ?
 実際紅刃からの応えの声はなかった。代わりに「チュッ」という可愛い響きが小さく聞こえた。微笑み合う気配が伝わってくる。
 やがて2つの荒々しい情後の吐息は、徐々に穏やかな、静かで規則的なものへと変わっていった。

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 霧が薄らぎ視界を回復したカメラが映し出したのは、部屋中に放射状に撒き散らされた桃色の胞子の中心で、その胞子の効果かそれとも果て切った故か、揃って寝息を立てている2匹の姿だった。
 大量に迸ったムギの愛の証は紅刃の中をたっぷり満たしただけでは済まず、溢れかえって2匹の全身を白濁に染め上げていた。
 ムギの顔を見ると、頬を白く化粧したそれが紅刃の唇の形に拭われていた。
 堅く抱き合いお互いに身を預け合って眠る2匹の表情は、それはもうこの上もなく……幸福そう、だった。
 そんな2匹の寝顔を写す画面に向かって一言「お休み」と囁いて、俺は『育て屋チェッカー』のアプリを終了させた。


※あとがき育て屋版 

 これまでボクが小説で使ってきたポケモンエロネタの多くは技や特性を使ったものだったもが、今回はモチーフとなった動物に因んだエロネタだったもよ。
 即ち「雄を食う雌」カマキリのハッサムと、「相手に取り付く茸」冬中夏草のパラセクト。
 雄を食うのは精子を取り込む卵子のイメージで、取り付くのは卵子に入り込む精子のイメージ。(しかも〝キノコ〟だしw)
 それぞれ性的なシンボルを持つポケモンをカップルにしてみたのね。
 アプリ終了後に智喜くんが言う台詞が説得力を持つぐらい迫力のあるラブシーンを目指したつもりだなもが、いかがだったなもか?
 紅刃をストライクでもアリアドスでもなくハッサムにしたのはシナリオ上の都合だっただもが、まさか鋼タイプにした為にオルゴールになってしまうとは書いていて自分でびっくりしてしまったんだなもwww作者にも何が起こるか解らないのが小説の怖いところだもね。
 あ、そうそう、名前だけ出てきたフクジュ博士はカラタチ島本編に絡む予定の人だも。今回出た彼の説がホントかどうかは知らないので本気にしちゃ駄目なのね。

 表と裏のページの本文だけを順番通りに並べて、ノベルチェッカーにかけたらこうなっただも。
【作品名】 デコボコ山道の眠れぬ一夜
【原稿用紙(20x20行)】 58.4(枚)
【総文字数】 16998(字)
【行数】 534(行)
【台詞:地の文】 15:84(%)
【ひら:カタ:漢字:他】 53:9:32:4(%)
【平均台詞例】 「あああああああああああああああああああああああ」
一台詞:25(字)読点:56(字毎)句点:96(字毎)
【平均地の文例】  ああああああああああああああああああああああああ、ああああああああああ。
一行:37(字)読点:50(字毎)句点:37(字毎)
【甘々自動感想】
なんか、ちょっと怖いですね。でも、その雰囲気がイイ!
たっぷり書いてますね~。長さは中編ぐらいかな?
三人称のこういうファンタジーっぽいの大好きです!
それぞれの文章がいい長さでまとまってますねぇ。尊敬しちゃう。
あとー、台詞と地の文がい~具合に混ざってますね!
「……美味しかったですか?」この言葉! 耳に心地よいフレーズですね!
あと、文章作法を守ってない箇所がちょくちょくあったように思います。
これからもがんばってください! 応援してます!


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Last-modified: 2013-04-03 (水) 00:00:00
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