作者仮面の男
前作平凡な日常
いきなり当小説をお読みになりますと、いくつかわからなくなる所が存在すると思われます。
なるべく、前作をお読みになってから今作をお読みいただきますよう、お願いします。
ー冬休み
学校も2学期が終わり、冬休み。
しかし僕達は、毎年毎年行くところも無く、休み中家でのんびりしている。
「しっかし毎年よくもまあ家でこんなのんびり出来るもんだ。
たまにはどこか旅行か何か行きたいよな~~。」
兄様がゲームをやりながら独り言を漏らす。
…ちなみにリビングには僕と兄様しかいない。
姉様達3人(匹)はリーフィア姉様の部屋で何かやってる。
兄様はゲーム。僕は宿題をやっている。
その時、けたたましいドアの音と共にご主人が何か紙を持って部屋から出てきた。
そして急に驚くべき発言をした。
「みんな!今日中に着替えとかをまとめておけ!
明日、旅行にいくぞ!」
ご主人がそう叫んだ途端、僕を含め、みんな自室に駆け込んでいた。
ー翌日
「そういえば主人、どこに行くのですか?」
私が最も根本的な質問をすると、主人は、
「ん?えーと…あっそうだ、ホウエン地方のフエンタウンってところにいくんだ。
そこは温泉のいいところらしいからな。
冬はやっぱり温泉だろ!」
そういって、車の方へ行ってしまった。
改めてみんなを見ると、ブースターはなにやら大きなバッグを背負ったブラッキーと座ってゲームで対戦してるし、イーブイはぼーっと突っ立ってるし、グレイシアは荷物のチェックをしているし、
みんな色んなことをして主人を待った。
5分ぐらいして、ようやくフエンタウンに出発した。
主人の車内で、私達はそれぞれ待っている時と同じことをやっていた。
そしたら突然、
「クレアァァァァァァァァァッ!!」
と言う絶叫が聞こえてきた。
「ちょ…ちょっと何!今の!」
「わ…わりぃ。俺。ゲームの音を録音したやつが誤作動起こして…。」
幸い、主人が運転ミスするような事が無かったからよかったものの…。
もう少し気をつけて欲しいよ…。
ーそんなこんなで約3時間以上経った後
「やっっっっと着いた!」
「へぇ、ここがフエンタウンかぁー。
冬なのに少し暑いねぇ~。」
そんな事を言いながら私達は泊まる予約のある旅館に向かった。
僕達は、入ってすぐのカウンターの女の人となにやら話始めた主人をほっといて近くにあったイスでくつろいでいた。
しばらくして主人が青い半透明な石にチェーンがつき、そのチェーンの先に鍵がついたものを持ってきた。石には「304」と彫ってあった。
僕達は主人に呼ばれ、急いでイスを降り、主人のもとへ向かった。
階段を上がり、三階に着くと左と右に道が分かれていた。
しかし、主人は動揺すること無く、左へ曲がった。
左へ行くと沢山のドアがあって、
「まるでル○ージマンションだな。」
とブラッキーが言っていた。
奥から3番目のドアに着くと主人が鍵を開け、僕達(うーん…達でいいのか…?)は我先にと部屋に突っ込んだ。
…リーフィア、グレイシアを除いて。
「どけ!俺が、いたっ、先だろーがっ!」
「兄様!つっ、たまには、僕を、先にっ!」
そのとき、ブラッキーが僕とイーブイを強引に押して抜けようとする。
「きゃっ!」
急に変な声を上げたのは僕だ。
「…んなところ、さわってんじゃ、ねェーーーッ!!」
ブラッキーが、押し抜ける際、僕の胸を思いっきり押してきた。
だから、本当は使えないメガトンパンチでブラッキーを思いっきりぶっ飛ばした。
ブラッキーは運良く廊下の窓の下枠に思いっきり頭をぶつけた。
そして、そんなブラッキーをほっといて僕達は部屋に入り、ドアを閉め……られなかった。
ブラッキーがものすごい速さでドアの閉まるとこに入りドアを止めたからだ。
「むぅ…やっぱり復活が早いね…。」
と言ってドアを開ける。
ブラッキーの足が途中なのを確認してドアを閉めた。
足を挟まれたブラッキーの絶叫が響いたのは想像がつくだろう。
暇だぁ…。
と、思ったのは俺だけではないはず。
温泉に入るにも、まだ準備中だし…。
早く終わんないかな…。
そう思った矢先、放送で温泉の準備ができたということが知らされた。
今、時間は5時半ぐらい。
…自分でも暇になった3時間よく耐えられたなと思った。
温泉に着くと[当然]、男湯と女湯別れていた。
…ちっ…。
俺は男湯に入り、主人を待って、露天風呂に飛び込んだ。
誰もいなかったよ!ほんとだよ!
「ブラッキー、ちゃんと体洗えよ?」
主人の声に適当に返事すると、ゆっくりと眺めを楽しんだ。
そういえば、前はポケモンセンターから入っていたって言ってたなあ…。
その時、ふと右を見ると、竹製の高い壁があった。
ブラッキーも、最初は我慢していたものの、遂に興味本位で竹の壁をよじ登っていった。
そして反対側…つまりは女湯を覗き込もうとした刹那、どっからかはっぱカッターが飛んできてブラッキーを竹の壁の頂上から露天風呂に叩き落とした。
その時の大きな水音を聞いて、トレーナーとイーブイが、ぎょっとして風呂の方を向いた。
その時、
「覗こうだなんて、そうは行かないからね!」
「そうだよっ!」
「同じく…」
こんな声が反対側から聞こえてきた。
その後、5匹と1人が部屋に戻った後、断末魔らしき絶叫がその部屋から聞こえてきたのは、言うまでもない。
旅館の大広間で夕食を食べ、部屋に戻った俺達は、各自就寝準備に入っていた。
…ん?そういえばまだ名乗って無かったような…。
じゃあ改めて俺の名は…
「主人!ブラッキーが布団敷くの下手くそ過ぎるから、手伝ってよぉ!」
まてまて!まだ名乗ってな…
「いいから、早く!」
はいはい…ったく…これじゃどっちが主人だか…。
ブラッキーの布団敷きを手伝い、各自就寝についた。
みんなそんなに疲れたのか、リーフィアと俺を除いてすぐに寝息を立て始めた。
「…主人…ちょっといいですか……?」
唐突にリーフィアに小さく声をかけられた。
「ん?どうした?」
「ちょっと…あっちのほうへ…いいですか……?」
そう言ってリーフィアは手で襖で仕切れる小さなスペースの奥、ベランダを指した。
俺とリーフィアは他の皆を起こさないようにそっとベランダに出た。
私が先に外へ出て、続いて主人がゆっくり出てきて窓を閉めた。
私の心臓が音を立てているのが触れなくてもわかる。
「で…どうしたんだ?」
主人が急に話かけてくる。
「えっと…えっと……あっ!主人。なんで急に旅行なんか?」
ふぇ~ん。なんで意思と裏腹に言葉がでないの…?
「ん?決まってるじゃないか。毎日頑張っているお前らへのご褒美だよ。毎年冬休みはどこにも行ってなかったしな。」
しゅ…主人…ちゃんと私たちのこともか…
「とか言うと聞こえがいいけど、実は懸賞に当たっただけなんだ。…おーい、リーフィア?きみは何ではっぱカッターの構えを取っているのでしょうか…」
はっぱカッターを当てて主人がいてーいてーと喚いている間に中に戻り窓を閉め、鍵をかけた。
次の日に、主人が風邪を引いてブラッキーが一層退屈そうにしてたのは言うまでも無いと思います。
お久しぶりです。仮死状態だったジューダスです。
これで2は終わりです。
ここまで読んでくれた方、本当に有難うございます。
何かあったらここへどうぞ。
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