ポケモン小説wiki

小さな絆〜新たな旅立ち　第１歩

作者：COM


小さな絆〜新たな旅立ち　　　　絆〜遠い日の約束　外伝

まだ、朝日も昇りきらない頃、うっすらと白んだ朝の日の光を浴びながら、二匹の鳥ポケモンが飛んでいた。
その二匹の鳥ポケモンは、そのまま一つの家の窓からその家に入っていった。
「おはようございます…」
と寝起きドッキリ張りのテンションでそこに寝ているポケモンにゆっくりと歩み寄っていった。
「おーい…起きろー……ちっとも起きる気配がないな…全く…」
「つつくか？流石につついたら起きるだろ…」
二匹は顔を見合わせ、その眠っているポケモンをつついた。
「う〜〜ん……あと五分だけ……」
そう寝ぼけながら返答し、起きる気配がない。
「あーもー…人が折角起こしに来てやったのに…」
「しゃあないさ…怒られるのはキズだ、一応僕達は起こしたからな〜…」
そう言いながら、二匹は窓から去っていった。
ジリリリリリリ………
とうるさいほどに目覚ましの音が鳴る。
「う〜ん…今何時だ…？」
そう言いながら、目覚ましを止め、時計を確認すると…
「げっ！！もうこんな時間かよ！やばい！早く終わらせないと父さんに怒られる！」
そう言い、飛び起き、慌てて部屋を飛び出し、朝食の準備をしているアブソルのキッシュに
「母さん！木の実収穫行ってきます！」
そう言い、返事も聞かずに家を飛び出していった。
「あらあら…また寝坊したのね…」
そう言い、家を飛び出していったポケモンの姿を窓から眺めていた。
「キッシュ。もしかしてまたキズの奴、寝坊したのか？」
と、奥の工房からレントラーのレイが顔を出して、キッシュに聞いた。
「ええ、そうみたいよ。流石に早すぎるんじゃない？」
とキッシュはレイに聞き返していた。
「木の実は今の時間に取りにいっとかないと間に合わないんだよ。」
と返答していた。
所変わり、まだ薄暗い林道。
そこを全力で駆け抜ける一匹のポケモンがいた。
そのポケモンの姿に気付き、二羽のポケモンが降りてきた。
「よーキズ！今日も立派に寝坊だな！」
とハトーボーが、
「お前の寝ぼすけはいつになったら治るんだ？」
とピジョンが言った。
「酷いよ二人とも！起こしてくれる約束だっただろ！」
とそのポケモンは二羽に文句を言っていた。
「起こしたぞー。起きなかったけど。」
と答えた。
「ちぇっ！コッポもパッチも酷いや。」
そう言い、果樹園にたどり着くと同時に、休む間も無く、木の実を収穫しだした。
「えーくそっ！でんこうせっかだけじゃ間に合わねぇ！こうそくいどう！！」
そう言い、目にも留まらぬスピードで木の実を収穫していった。
「おお！すごい！これは世界新記録出るのか！」
とピジョンのコッポ、
「チャレンジャーの体力が持つかどうか心配ですね…」
とハトーボーのパッチが実況者気取りに喋っていた。
「喋ってる暇があるなら手伝ってくれよ！」
と言ったが、
「手伝ったら意味が無いだろー。レイさん曰く、修行だそうだからな。」
「ま、遅れないように頑張れー。」
と二匹は応援していた。
「ただいま！木の実収穫してきたよ！」
と息を切らしながら、そのポケモンが家に飛び込んできた。
「お帰り、次からは寝坊しないようにね。」
とキッシュが料理をしながら出迎えた。
「キズナ！お前また寝坊したな！父さんとした約束の時間、五分過ぎたぞ！」
と工房から出てきてそのポケモンを叱りつけた。
そう、彼はキズナ。彼は産まれたあと、二人の愛をたくさんもらい、すくすくと成長し、今ではルクシオとなっていた。
「いいじゃんか！五分しか過ぎてないんだよ！」
と言い返すキズナ。しかし、
「お前は大事な約束事をして、五分過ぎたぐらいいい。とその時も言うのか？」
と厳しく説教をしていた。
「だいたい寝坊をしなければこんなにギリギリになる必要も無いんだ。お前は自己管理が…」
長い説教と生返事のキズナ。
「いいか？日頃からそういうことが出来ない奴は、いざって時も出来ないんだぞ？分かってるのか！」
とレイが口をすっぱくして言うが、
「はいはい…分かったよ…次からは気を付けるよ…」
と反省はしているものの、だるそうな返事をした。
「はい！そこまで。朝食できたわよ。」
とキッシュが二人を止め、食卓へ座るよう催促した。
「やったー！俺腹ペコ！」
と言い、足早に自分の席に着くキズナと、
「はぁ〜…キッシュは甘やかし過ぎだ。」
と渋々言いながら席に着くレイだった。
「いただきます！」

キズナ…彼はこの世に生を受け、ポケモントレーナーとリーグに出場していた…
これは、彼、キズナがそこにたどり着くまでの、丁度きっかけになった部分になる。
そんな、まだ甘さの残る彼が、成長する姿を…ほんのちょっと覗いて貰いたい…
これは、そんな旅立ちの物語。

前話絆〜遠い日の約束　一日目　朝に飛ぶ　小さな絆〜新たな旅立ち　第２歩に進む　COMに戻る