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守護の力 一、二話

/守護の力 一、二話

守護の力 一章 The story of guardian


【守護者】世界の現状維持の役割をもつ。平和と世界の秩序を守る。行動区によって、"聖天""聖地""聖女"に分けられる。


一, 白銀の守護者


「…ではこれで、朝礼を終了する!」
集会場である高原に、ピジョット:ハヤテ士官の声が響く。規律の正しい隊ではあるが、流石に朝礼の緊張から解放されると、何処からか欠伸も聞こえてくる。そうして今日の任務の始まりを告げるのだ。
今日の俺の任務は開発のための物資の輸送。
風は今日も心地よく、太陽は今日も暖かく。澄みきった蒼空は今日も変わらず頭上に在り続ける。それを守るのが俺達"聖天"の役目だから。



「…ディフ、種族名エアームド。任務の完了を認める」
手渡した書類を読み上げ、士官は『完了』の印を捺す。
「相変わらずの早仕事だな。5時間かかるところを2時間でやってのけるとは…」
「俺じゃなくても他にいたでしょう?この程度の仕事なら…」
「まぁ、そう言うな」
鞄へ書類を入れ、新たな書類の束を取り出す。パラパラと爪で捲りながら、話を続ける。
「最近じゃ大きな事件もないし…それにお前は、どんな指令でも引き受けてくれるから、な?」
「どんな指令でもって…断りたい時だってあるんですから…」
彼の言葉に思わず苦笑する。書類の向こうからも、高い笑い声が聞こえる。
「あー、これだこれだ」
彼は『緊急』の欄で手を止め、その中から一枚を抜き取った。
「『破壊者の保護』…?送信元には"聖地"とありますけど…」
「簡単なヒト捜しだ」
『簡単に』その言葉に、またか、と思わざるをえなかった。
「地上のクチートを保護して、連れてくればいい」
「地上…?地上は"聖地"の行動範囲じゃ…?」
厳しい表情で話を続ける。
「どうも苦戦しているらしくて、そこで、我々"聖天"にも協力を求めてきた、という訳だが、…引き受けてくれるか?」
既に受諾の印を持ち、返答を待っている。
「もう…面白がってるでしょ?俺の答え…」



そうは言ったが、断る気はない。
今まで任務を断ったことは無いし、失敗したこともない。
それが自分の、守護者しての誇りだから。白銀の翼は、守護者としての指名を帯びていたから。



二, 月下の誓い


指令の受諾を終え、寝床とする巣に帰った。
高原の真下に位置するこの森には、住処とするポケモン達の鳴き声が重なって聴こえてくる。
木々の間からは、月の光が零れ、巣を照らす。翼の羽根一枚一枚を輝かせ、葉に反射した光を灯す。



守護者の誓いをしたのも、月が鮮やかに照る夜だった。
ウチの長が月の守護神ということで、此処に入る者は月の儀式を行う。
月の光を、主要武器とする部分に刻む。そうすることで、護る者としての使命を刻み込む。



「…あら?ディフー?」
巣の下からする聞き慣れた声。
「ん…?レーシャ?」
ヒトリの少女がこちらを見上げる。彼女はグレイシア:レーシャ。守護者"聖女"に所属する。住処が近くなこともあり、幼馴染みである。
「任務の帰り。相変わらず、帰るの早いわね?」
「簡単な任務ばっかだからな、最近。明日も…」
「いいじゃない。平和が保ててるってことでしょ?」
「まあ、そうなんだけど…」



俺が武器としたのは、"翼"の力。
理由は、"あの事件"で彼女を護ったから。守護者になったのは、こいつの前で誓ったから。
ー俺の翼は、誰かを護るためにある、と。



彼女の額の"氷石"もまた、月の光を受け、煌めいている。煌めきの中に、"事件"の時の傷が今も残る。思い出すと、まだ胸が苦しくなる。



「それじゃ、報告に行くから。おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
彼女は巣を後にする。歩く度、月光に照らされる冷気が彼女を包んでいた。



姿が暗闇に消え、もう一度月を見上げた。降り注がれた光を浴び、眠りについた。
月は少しずつ移動を続け、木の陰になる。白銀の翼は影に染まったー



守護の力 三、四話へ。



コメント欄作ってみたけどできてるかな?

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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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