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友達以上恋人未満

/友達以上恋人未満

駄文執筆者 文書き初心者
※獣姦の描写があります。苦手な方はご注意下さい。


 毎週日曜日、予定通りの時間、予定通りの場所にて俺の性欲処理は行われる。……別に好きでしている訳では無い。かと言って、それをしたく無いと言えば嘘になる。
 唯、罪悪感が残るんだ。本当にこのままの関係で良いのだろうか、と。

 
 


「ベイッ!」
 予定通りに彼女は俺にのしかかってきては、俺に抱き付いて俺の頬を舐めたりしてくる。それに伴い、ベッドは軋んで鈍い音を部屋に響かせる。
 日頃、学校やら部活やらで忙しい俺に甘える為に。
 彼女と言ってもポケモンだ。種族名はベイリーフ。俺が小さい頃、彼女がチコリータだったときからの友達である。
――今の関係からして友達というのには語弊があるか。もう何回も彼女とは身体を重ねている。でも恋人同士という訳では無い。
 彼女とは簡単に言うと“セックスフレンド”の関係だ。互いの性欲を処理する為の。
「そんなに俺のことが好きか?」
 俺は極力感情を込めないで彼女に聞いた。
「ベイッ!」
 彼女は首を縦に振りながら答えてくれた。
 それに対して俺は、そっか、と素っ気無い言葉で返した。
 何気無く、窓の方に目を向けてやると、外は曇天の灰色の世界が広がっている。天気予報では、今日は曇りのままらしいが、何時雨が降り出しても可笑しくない様子だった。
「んっ……」
 俺は視線を彼女に戻すと、彼女は俺の口内に舌を侵入させてきた。舌を絡ませてきては、舌で口内を舐め回したりと、まるで俺の事が愛しそうだ。現に、彼女の表情はとても艶めかしくて、俺が牡のポケモンだったら、すっかり心を奪われているだろう。
 それに対して俺は、彼女の行為を受け入れるがままで、これといった行動はしなかった。いや、する気にはなれなかった。唯一、したことと言えば下半身を元気にさせて、ズボンでテントを張ったぐらいだ。
 彼女が口を離すと、口と口との間に透明な小さな橋が掛かる。重力に従い、橋はあっさりと崩れ、ふたりの間には何も無くなる。唯、崩れた橋が俺の衣類に汚れをつくるだけ。
「ベイッ!」
「うわっ……」
 その後、彼女の蔦によってズボンと下着を同時に脱がされて、肉棒が露となる。すると肉棒は勢いよく天を指して、その場に止まった。
 そして蔦は、俺の肉棒には絡みついて、上下に動かしては、肉棒を更に元気にさせていく。一方、他の蔦は、自らの意志で彼女の秘部へと侵入させていく。要するに、彼女は俺の肉棒をシゴいては、自慰をするという行為をする。
「ベイィ……」
 彼女は切ない様な、心地の良さそうな声を漏らして秘部内を蔦で掻き回す。そうしていると、瞬く間に秘部からは愛液が分泌されて、ベッドのシーツへと垂れていく。垂れた後は徐々にシーツに染みをつくらせては汚していく。
 彼女の秘部は洪水状態になっている。俺の肉棒は最大級まで元気になっている。とすれば、次に彼女がしてくる行為が俺には予測できた。彼女は前戯をよくする方では無いということを知っているから。
 案の定、彼女は蔦で肉棒をしっかりと固定してくる。すると肉棒の先には彼女の秘部があった。
 なんの躊躇いも無く彼女は腰を下ろすと、離れていたふたつの距離が一気に縮まる。そして、肉棒は秘部に飲み込まれてしまった。
「あぁっ……」
「ベイィッ……」
 彼女と繋がる際に全身に快感が駆け巡る。平凡過ぎる日常では得ることの出来ない感覚。正に俺が求めていたモノだ。
 彼女は再び腰を上げては下ろすという繰り返し。淫らに奏でるピストン運動は部屋中に響き渡り、嫌らしさを増す。結合部から垂れる淫液はシーツをさらに汚らせていく。
 外からは、ザアザアッ、と雨が忙しく地を叩く音が聞こえてくる。曇天だったのが遂に荒天となったのだ。外に忘れ去られたかの様に置いてある如雨露からは水が溢れている。雨音、風の音が五月蠅く、外からの音響の殆どをかき消してしまう。
 それに乗じるかの様に、俺達の営みは激しさを増していく。先程まで何もしていなかった俺の方からも下から彼女の事を一心不乱に突いて、ピストン運動は速さを増していく。
 喘ぎ声と同時に出る吐息は熱を帯びていく。肉と肉とのぶつかり合いで互いの身体も熱を持ち、サウナにでもいるかの様に身体から汗が滲み出てくる。
 俺達は何時もの様に快楽の虜となっていた。
「あっ……あぁっ……」
 彼女よりも先に、俺が絶頂を迎えてしまう。本日一発目の熱い精液をドクドクと彼女の秘部に注ぎ込み、秘部内を満たしていく。
 射精を終えて間も無く、俺は営みを再開する。休憩なんてしない、する気になれない。彼女を壊す為にただひたすら突くだけ。
「ベイィィィッ……」
 彼女はとうとう耐え切れなくなって声を上げながら絶頂を迎える。身体を小刻みに震わせながら快感に浸ろうとする。
 だけど、俺は突くのを止めるつもりは無かった。
 それどころか俺は追討ちを掛ける。彼女を物の様に乱暴に押し倒しては、狂った様に、何回も肉棒を彼女の中に埋める。ずっと俺の攻撃が続く。
 身体の奥底に眠っていたものが解き放たれたかの様に、性欲ばかりが溢れ出て来る。まるで自分に在りもしない発情期が訪れた感じだ。
 俺の今の狂った様子は、彼女の瞳ではどのように映っているのだろうか? 彼女と同じ獣として映っているのだろうか?
――そんな訳は無いか。俺は彼女とは違う人間という種族だし、その事実はどんな事があっても覆せないだろう。現に、俺は彼女の言葉を完全には理解出来ない。彼女の様子や声の調子加減でどんな事を言っているかを予測して会話をしているから。簡単に言ってしまえば偽りの言葉のキャッチボール。
 でも俺達人間の中には“異端”がいる。そいつらは平然とポケモンと会話が出来て、本当の関係をつくれる。でもそういう奴等は大抵先祖の誰かがポケモンと結婚しているという説だ。
 生憎、俺は“異端”では無かった。その事が悔しくて悔しくて堪らない。どんなに彼女の事が愛しくても、所詮は“友達”程度の関係が限界。それ以上の関係になることなんて出来ない。
 そんな事を考えていた所為か、自然と彼女の首飾りが眼に入る。これはかわらずの石を加工して作られたものだ。彼女にプレゼントという綺麗ごとを言って、無理矢理に気に入らせた物。
 実際は“大人の事情”という訳があって付けさせた。それに彼女がベイリーフからメガニウムになってしまったら避妊が出来ないという卑劣な理由もある。妊娠してしまったら“セックスフレンド”という関係は崩れてしまうから。
 でも、俺はそれ以上の関係を望んでいる筈だった。実際のところは、本当に彼女を愛せるかどうかが怖くて、逃げているだけ、現実逃避しているだけ。
 甘えん坊な彼女。だけどその癖、人見知りが激しくて、他人や他のポケモン達には心を開こうとはしない。だから彼女には俺が必要なんだ。俺がいなくなってしまえば彼女は独りになってしまう。
 これらの事があるから俺達は友達以上恋人未満の“セックスフレンド”という関係から踏み出せず、後退りも出来なくて、滞っているのである。
「ぅんっ……ぁ……」
「ベィ……」
 彼女は蔦で俺の事を抱き寄せてキスをしてくる。今度は俺も舌を絡ませたり、舐めたりして、彼女に応えてやる。仕切りに口と口との間から涎が垂れて何だか卑猥な感じであった。
 こうして彼女と触れ合っている分には幸せだった。彼女から伝わる暖な温もりとか、俺の事を愛してくれてる様子とか感じることが出来て。愛してくれた分だけ、いやそれよりも彼女の事を愛してあげなきゃ。
 俺は彼女の柔らかな乳房に手を持っていく。そして、硬直している突起物に手のひらで触れ合う。重ねるだけというつまらない事はしない。俺は彼女の乳房を揉みしだく。
「ィッ……ッ……」
 予想通り、彼女は身体を小刻みに震わせながら善がってくれる。口はキスで塞いでいるため、どんなに喘ぎ声をあげようとしても言葉にはならない。ただ吐息が漏れるだけ。
 今度は遊戯の対象を乳房から突起物に変える。指で摘んだりして弄りまくる。そうすると、彼女の反応は一段と大きくなる。それ程、彼女にとっては敏感なところだから苛めがいがある。
 彼女との交わりを密かに楽しんでいる自分がいる。営みを始める前はあんなに拒んでいたのが嘘みたいだった。
「ベイィッッ……」
 彼女が突然口を離しだす。そして、二回目で疲れた所為か、先程よりも小さな声で悦の籠った声をあげる。そしてその後、身体を震わせながら快感の余韻に浸り始める。
「くぅっ……」
 俺も少し遅れて絶頂を迎える。先程よりも少ない熱い精液を彼女の膣へと放つ。肉棒を栓の代わりにして一滴も外へ漏らさせない。
 そして、俺は余りの疲労の所為かそのまま彼女の方へと倒れこんでしまう。彼女の隣に身体を横たわらせる。
 目と鼻の先には彼女の顔がある。少し疲れた様で、息を切らして、忙しく呼吸している。目も生気を感じさせない虚ろな目差しであった。
 視線をあのペンダントへと移す。両親に、つけさせろ、と言われて嫌々彼女に身につけさせたもの。彼女の成長を束縛する忌々しいもの。俺の心に引っ掛かる鬱陶しいもの。こんなものがあるから俺は……。
 彼女が瞼を重たそうにしている間にこっそりとペンダントを取った。無限の螺旋になっていた時の鎖を断ち切った。
 そして、しっかりと放さぬように握り締めた。色々な感情を込めながら。



 気が付かない内に、窓の外の景色がさっきとは打って変わって、晴晴れとしていた。嘘みたいな快晴で太陽の暖かな光が部屋にも差し込んでいる。
 起きたら彼女と一緒に日向ぼっこをしよう、そう思いながら瞼を閉じた。


 


 この日を境に、俺に罪悪感が残ることは一度もなかった。だけど、この日を堺に、別の苦悩が生まれてしまったのも事実だった……。


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Last-modified: 2012-10-14 (日) 00:00:00
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