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僕は君を愛し君は僕を愛す

/僕は君を愛し君は僕を愛す

名も無き人間
この物語はある青年とポチエナが出会う卑猥やグロ表現の無い感動(?)ストーリーです!
進行がgdgdな箇所もあると思うので、つまらないと思ったら戻るで戻って下さい!


~僕は君を愛し君は僕を愛す~

~プロローグ~

あの日は冷たい雨が激しく降っていた。

僕はそんな日に一匹のポチエナに出会った。

公園の木の下で雨の冷たさに体を震わせながら蹲っていた。

まるで……誰かの助けを待つように。

あの日、雨が降らずに晴れていたら出会う事は無かった。

雨が降っても寄り道をしたり近道をしなければ出会う事も無かった。

だからポチエナと出会えたのは運命と思っている。

僕はポチエナを大事にする。ポチエナは……僕を信頼してくれるのかな……?


「よし、今日はここまでだ! 解散!」

『お疲れ様でした~!』

教室に授業の終わりを告げる鐘が鳴り、担当の教師が解散を告げた。

それに合わせて周りの仲間も一斉に挨拶をし、辺りは雑談の声で賑わい始めた。

通常授業はとっくに終わっていて、僕は部活に入っていたんだ。

僕の入っている部活は『ポケモン講座』。簡単に言えばポケモンについて学ぶ部活。

周りの友達は皆ポケモンを持っていたけど僕はまだ持っていなかったんだ。

別にポケモンに嫌われてるわけじゃないんだ。何度も手に入れる機会はあったんだよ。

だけど僕は自分でポケモンと仲良くなってパートナーにしたいんだ。

「なぁなぁ、帰りにゲーセンよらねぇか? 新しいの入ったらしいぜ!」

「僕はやめとくよ。天気予報じゃ雨が激しくなるらしいから。」

「そっか。んじゃまた明日な!」

「うん、また明日!」

僕が帰り支度を始めてると、友達が遊びに誘いに来たんだ。

普段なら二つ返事で頷いたと思うけど、今日は雨が降ってるから首を横に振ったんだ。

天気予報だと雨が激しくなるって言ってたから尚更だ。

友達は嫌な顔しないで、笑顔でまた明日。と言ってくれた。

僕も笑顔で返して、僕は帰路に着いた。

「うわっ……大分強くなってるなぁ……」

正面玄関を出ると既に雨脚は強くなっていた。

前もって長靴を用意していた甲斐があったかな。正直、嵩張って邪魔だったけどね。

それでも歩いてる内に長靴の中に水が入って来て気持ち悪かった。

だから普段は大通りを通って帰るんだけど、近道の公園を通って帰る事にしたんだ。

さすがに雨が降っていると公園には誰も居なかった。

「誰も居ない公園って何だか気味悪いなぁ……ん? 何か落ちてる……?」

だけど何気なく公園の記念樹に目をやると、そこに何かが蹲っていたんだ。

一見すると小さなゴミ袋の様な感じだった。

だけど小刻みに動いてたから、僕は近くに行ってみたんだ。

「あれは確か……ポチエナ?」

近寄ってみて分かった。ゴミ袋なんかじゃなく、蹲っていたのがポケモンだって事が。

前に学校の書庫で読んだ本に載ってたから直ぐ分かった。

蹲っていたのは、かみつきポケモンのポチエナだった。

「この雨の中居たんじゃ凍えちゃうか……一旦僕の家に連れて行こうかな。」

何で町中に居るのかは分からなかったけど、このままじゃ凍えてしまう。

僕は一先ず自宅に連れて行こうと思って更に近付いたんだ。

「グルルルゥ……」

だけどポチエナは僕を見付けると直ぐに立ち上がって威嚇し始めたんだ。

小さくても流石は野性ポケモン。威嚇に気迫があって少し怖かったよ。

「そのままそこに居たら凍えちゃうよ。何もしないから、おいで。」

「ガゥ!!」

「痛っ!」

だけど僕はしゃがんでポチエナに手を伸ばしたんだ。そうしないと連れて帰れないからね。

ポチエナは少し後ろに下がったと思ったら思い切り噛み付いてきたんだ。

子供と言っても鋭い牙が手に突き刺さって痛いってもんじゃなかった。

噛み付かれてる手を見ると血がどんどん滲み出て来ているのが見えた。

「っ……大丈夫だよ。僕は君を虐めたりしない。」

「グゥゥ……クゥ……」

こういう場合は力任せに引いちゃ駄目なんだ。牙が余計に食い込んで裂けるからね。

だから僕は噛まれているままポチエナを抱き締めたんだ。

そうするとポチエナは噛む力を弱めていって、そのまま寝入ってしまったんだ。

「こんなに濡れて……待っててね、直ぐ乾かしてあげるから!」

大分雨に打たれていたみたいで、抱き締めている僕の制服はびしょ濡れになっていた。

体温も下がっていたみたいだから僕は走って自宅へと向ったんだ。

傘を差しながら走ったから正直走り難かった。

公園から自宅までは走れば数分で着く位の距離だったから直ぐに着いたんだ。

自宅と言っても親元を離れて一人で暮らしているんだけどね。

「まずは体を拭いて暖めないと……」

鍵を開けて中に入ると、まず僕はポチエナの体を温めることを優先した。

今はストーブを出す季節じゃなかったからバスタオルとドライヤーで乾かしたんだ。

噛まれた手が痛んだけど、僕はポチエナの体を丁寧に拭いたんだ。

その間にポチエナの性別が雌だって事も分かった。何故かは聞かないでよね?

「大体は乾いたかな。後は毛布を掛けて……これでよしっと。傷の手当しないと……」

ある程度ポチエナの体が乾いたところで、僕はポチエナに毛布を掛けてあげた。

そしてまだ痛む手の手当てをする為に薬箱を探した。……シャレじゃないよ?

簡単に治療を済ませると、ポチエナが起きた時に食べるようにスープを作っておいた。

作り終わると僕はポチエナの下に戻り、目を覚ますのを待ったんだ。

「クゥ……」

「おはよう。体の調子はどう?」

「グッ!? …グルルルル……」

暫く座っていると、ポチエナがゆっくりと目を開けて小さな鳴き声をあげたんだ。

僕はホッとした気持ちと嬉しい気持ちになって、笑顔でポチエナに挨拶をした。

だけどポチエナはやっぱり僕の姿を見ると距離を置いて威嚇し始めたんだ。

こんなに威嚇するなんて……何か理由があるのかな?

「大丈夫だよ。僕は何もしない。お腹空いてるでしょ?スープ作っといたよ。」

「グルルル……」

「大丈夫、毒なんか入れてないよ。こう見えて料理には自信があるんだよ。」

今手を出したらまた噛まれる。手当てしたばかりで噛まれるのはゴメンだね。

だから僕はその位置のままポチエナに声を掛け、スープの皿をポチエナの前に置いた。

だけどポチエナは多少スープに目をやっても僕に対する威嚇はやめなかった。

僕はスープに毒なんか入れてないと言い、意味は無いけど料理が得意な事を教えた。

「ほら、早くしないと冷めちゃうよ。お腹減ってるでしょ?」

「グルル……」

「まだ少し熱いと思うから気を付けてね。まだ沢山あるから一杯食べるんだよ。」

それでも食べ始めないから僕はスープの皿をポチエナにもっと近付けた。

噛まれるかと思ったけど、ポチエナは警戒しつつもスープをゆっくりと飲み始めてくれた。

まだ作りたてだったから熱いかと思ったけど、様子を見る限りだと大丈夫そうだった。

やっぱりお腹が空いてたみたいで、ポチエナはスープを三回もお代わりした。

「もう良いの?」

「……。」

「美味しかった?」

「グッ!? ガウッ!!」

「痛っ!」

三杯お代わりすると、ポチエナは食べるのを止めて口の周りを舐め始めた。

僕はもう良いのかと聞くと、ポチエナは無言で小さく頷いた。

威嚇しなくなっていたので、お皿を取る時に、ポチエナの頭を触ってみたんだ。

だけどポチエナは急に表情を変えて僕の手に噛み付いたんだ。左手だったけどね。

噛み付かれた時は痛かったけど、直ぐに痛みはなくなったんだ。

ポチエナはゆっくり口を離すと噛んだ部分を舐め始めた。

「心配しなくても大丈夫だよ。急に触ってごめんね。」

「クゥン……」

「雨が落ち着くまで家に居ると良いよ。寒かったらこの毛布、使って良いからね。」

「クゥゥ……」

だけど僕は怒る積りはなかった。いきなり触られたら誰だって怖いからね。

優しく言うとポチエナは小さく鳴いて僕の顔を見ながら目に涙を溜めていたんだ。

本当だったら抱き締めたかったけど怖がらせても可哀想だから辞めといた。

僕はポチエナが凍えないように簡単な寝床を作って、一応毛布も置いておいたんだ。

ポチエナが入ってくれるか不安だったけど、ポチエナはゆっくりと入ってくれた。

そして少しにおいを嗅いでから鼻を鳴らしながら寝入っちゃったんだ。

「おやすみポチエナ。さて……さっさと処分しないとなぁ……」

僕はポチエナが寝入ったのを確認すると処分する準備を始めたんだ。

電話すれば直ぐに引き取りに来てくれるから持って行く手間が省けて助かる。

……大体これくらいかな。後は電話で取りに来てもらうだけっと。

「あ、もしもし、えっと不要物の処分をお願いしたいんですが。……はい、そうです。
 いえ、そんなに重くはないです。はい、紐で縛っておきます。はい、お願いします。」

僕は引き取り業者に大体の量と大きさ、それに重さを伝えて紐で縛っておくと伝えた。

そのままじゃ嵩張って運び難いからね。前もって荷造り用の紐を買っておいて良かった。

後は来てくれるのを待つだけ。僕は空いた時間を使って部活の予習をする事にした。

部活にしては珍しくて、テキストが配布されるんだ。僕はそれを読み始めたんだ。

今日やった項目は性別の違いによる外見の変化。尻尾とか毛並みの違いとかがそうかな。

次の項目を捲ると、そこにあったのは『信頼関係における会話の成立』

題名だけじゃ意味が分からなくてチンプンカンプンだった。

だけど読んでいく内にそれの意味が分かってきたんだ。

お互いの信頼が絶頂まできた時にポケモンの声が理解出来る。というものだった。

正直これは信じる事が出来なかった。ポケモンと話せるなんて夢物語だと思ってたから。

まぁ……喋るニャースは居るけど……あれは突然変異と思ってる。

でも実際話せたら面白いんだろうなぁ……僕の場合パートナーを探さないと駄目だけどね。

暫く読んでから僕は何気無くポチエナの様子を見に行ったんだ。

だけど……そこに居るはずのポチエナが居なかったんだ。

勿論部屋の隅々まで探したんだけど見付からなくて、ふと玄関を見たんだ。

そうしたら玄関の下にある小型ポケモン用の入り口が開いてたんだ。

時々エーフィがパートナーの友達が遊びに来るから後付けで作った簡単に開く扉だよ。

「ポチエナ……まさかさっきの電話を勘違いして……!?」

僕はそれで分かった。ポチエナは逃げ出したんだ。

さっきの電話が自分を処分する電話だと勘違いしたのかもしれない。

勿論僕はそんなつもりはない。処分するのは要らなくなった本とかノートだから。

窓から外を見るとまだ雨が音を立てて降っていた。こんな時に外に出たら……

「直ぐ探さないと……これは玄関に置いといて大丈夫かな……」

僕は処分する本類を持って玄関に行くとそのまま玄関の外にそれを置いたんだ。

そして僕はポチエナを探しに外へ行った。傘なんて差してる暇はない。

僕はポチエナの居場所が分かっていた。最初に出会った公園だと。

だから僕は全速力で走った。途中近所の人に声を掛けられたけど公園へと急いだ。

全速力で走ったから少し息が上がっていたけどなんとか公園へと着いていたんだ。

そしてポチエナは居た。記念樹の下で、まるで泣いているような姿勢で。

「ポチエナ!」

「グルルルル!!!」

僕はポチエナを呼び、近付いたんだ。だけどポチエナは今まで無い威嚇をし出した。

牙を剥き出しにして毛を逆立てて。無理もないかな……あんな電話を聞いたんだから。

だけど僕は決めたんだ。もう逃げないって。

だから僕はポチエナの傍へ行って手を伸ばしたんだ。結果は分かってたけどね。

「ガウッ!!!!」

「っ……いくらでも噛んで良い! だけど僕はポチエナを捨てたりしない!」

「グウゥ!!!」

「くっ……ごめん、ポチエナ。怖かったろ?だけど大丈夫。僕が…君を守るよ。ずっと。」

ポチエナはそのままの姿勢で僕の手に噛み付いて来た。最初の時より遥かに強い力で。

僕は痛みを堪えて今の気持ちをポチエナにぶつけたんだ。

だけどポチエナは噛む力を弱めなかった。逆に更に力を入れて来たんだ。

正直手が引き裂けそうに痛かった。だけど僕はポチエナを引き寄せて抱き締めたんだ。

そして僕はポチエナに伝えたんだ。僕がずっと守っていくって。

「グゥゥ……ガウッ!! グゥ! ガウゥ!!」

「さっきの電話はポチエナを処分する電話じゃない。僕はポチエナを処分したりしない。
 もし信じてもらえないなら僕は追わない。ここでサヨナラだ。」

「……クゥゥ……」

抱き締めるとポチエナは手を噛むのを止めて何かを言い出したんだ。

僕はなんとなく分かっていた。さっきの電話の事だとね。

だから僕はポチエナの勘違いだと説明して、ポチエナを降ろしたんだ。

そして僕は後ろを向いてポチエナの自由に行くようにと言った。

「クゥゥ…キュ~ン…キュ~……」

「ポチエナ……」

だけどポチエナは一度鳴くと僕の前に回り込んで来て噛んだ手を舐め始めた。

雨だと思うけど、ポチエナは涙を流しながら何度も舐めてくれたんだ。

もう僕は決めていた。ポチエナと一緒に暮らす事を。

「ポチエナ!」

「ギャウ!?」

僕は手を舐め続けているポチエナを両手で抱き上げたんだ。

急に抱き上げられたからポチエナは驚きの声を出していた。

そのままポチエナを顔の前まで降ろして、僕はポチエナに笑顔を見せた。

「僕は君と一緒に暮らしたい。駄目かな?」

「クゥ…キュ~ン……」

「っ……ポチエナ……」

僕はポチエナに一緒に暮らしたいと言い、ポチエナの返事を待った。

するとポチエナも笑顔を見せてくれて、僕の口を舐めてくれたんだ。

前部活で習ったけど、相手の口を舐めてくるのは人間で言うキスなんだって。

僕はポチエナを上着の中に入れると、家に急いで帰ったんだ。

このまま雨に濡れたら風邪を引きそうだからね。

それにポチエナも急いで体を拭いてあげないと可哀想だからね。

走り難かったけど何とか家に着いて中に入ったんだ。置いてあった本は無くなっていたよ。

「ほら、拭いてあげるからこっちに…うわっ!?」

玄関でポチエナを拭いてあげようとしたらポチエナは体を震わせて水気を飛ばしたんだ。

近くに居たから僕は更にびしょ濡れになっちゃったんだ。

それを見たポチエナ面白そうに笑っていた。

「全くもう……どうせだし、このままお風呂入っちゃおうか?」

「クゥ?」

「ほら、こっちだよ。」

「キャン!」

僕は持っていたタオルで髪の毛を拭きながらポチエナに苦笑いをしていた。

だけどポチエナの体はまだ濡れていたから、僕はお風呂に入る事にしたんだ。

お風呂なら体を温められるしポチエナの体も洗えるからね。

ポチエナは首を傾げてたけど僕が促すと一声鳴いて後ろを付いて来てくれた。

寝巻きは洗濯機の上に乗せておいたから僕はそのまま向ったんだ。

僕が服を脱いでいるとポチエナは不思議そうに僕を眺めていた。

まぁ普段から何も身に着けてないポケモンから見れば不思議なのかもしれないけど。

ズボンまで脱いだ僕は手を止めた。いくら子供でもポチエナは雌だったから。

「別に良いよね? ポチエナ。」

「クゥ?」

「タオルを巻いて入ればいっか。……よし、入ろうポチエナ!」

「キャン!」

僕はポチエナに聞いたけどポチエナは首を傾げるだけだった。

しょうがないから僕は腰にタオルを巻いて下着を脱いだんだ。

お湯は自動で沸く給湯システムだから問題は無かった。

僕はポチエナを連れて風呂場へ入ったんだ。

やっぱりお湯は湯気を立てて浴槽に溜まってた。便利な世の中だなぁ……

僕は手で温度を確かめると足や体にお湯をかけてから湯船に浸かったんだ。

ポチエナを入れたら沈んじゃうから、抱きながらゆっくりと入れてあげた。

「熱くない?ポチエナ。」

「クゥ~ン……」

「その顔は気持ち良い顔かな? お願いだから体は震わせないでよね?」

「キャン!」

腰まで浸かった所で僕はポチエナに湯加減を聞いた。熱かったら大変だからね。

だけどポチエナは目を細めて後ろ足をお湯の中で動かしていた。

だから僕はポチエナに体を震わせて水を飛ばさない様に言って、体を暖めたんだ。

その後直ぐにポチエナは『頭だけを』振るわせて水を飛ばしてきたんだけどね……

「そろそろ体を洗ってあげるよ。そこに座っててね。」

「クゥ?」

「石鹸を泡立てて……それじゃ洗うからね。大人しくしてるんだよ?」

「キャン!」

暫く湯船に浸かってから、僕はポチエナの体を洗ってあげる事にした。

別に臭いは気にしないけど洗った方が気持ち良いと思ったから。

ポチエナをマットの上に待たせると、僕は石鹸を泡立ててポチエナにつけた。

また体を震わされたら困るから、大人しくしてるように言ってから、洗い始めたんだ。

「痛くない?」

「クゥ~ン……」

「気持ち良い顔かな?それじゃお腹洗うから仰向けにするね。」

「ギャウ!? ……キュ~ン……」

僕は背中を擦りながらポチエナに痛くないか聞いた。

ポチエナはさっきの顔をして、尻尾をゆっくり左右に揺すって応えてくれた。

僕はある程度洗い終わると、お腹を洗う為にポチエナを仰向けにした。

ポチエナはビックリした様子で鳴いたけど、直ぐに恥ずかしそうな声を出していた。

「大丈夫だよ。直ぐ終わるからね。」

「キュ~ン……クゥ……」

「やっぱり女の子だから恥ずかしいのかな。直ぐ洗い終わるからね。」

僕はポチエナの足を洗いながら直ぐに終わると伝えて両足を洗い終えた。

次にお腹を洗い始めると、ポチエナはやっぱり顔を赤くして恥ずかしそうにしていた。

やっぱり子供でも女の子だから恥ずかしいのかな?僕は簡単に洗うと、水で泡を流した。

そして体を振るわれる前にタオルである程度水分を拭き取った。

「うん! 綺麗になったよポチエナ。」

「キュ~ン……」

「何だ何だ? お腹を触られて恥ずかしかったの? 顔真っ赤だよ?」

「グッ!? キャン!」

拭き終わると僕はポチエナの毛並みを整えてから笑顔で綺麗になったと伝えた。

するとポチエナは少し俯いてやっぱり恥ずかしそうに鳴いたんだ。

僕は少し茶化そうと思って、お腹を見られた事が恥ずかしかったのか聞いた。

するとポチエナは図星だったみたいで、顔を上げて勢い良く首を横に振り始めたんだ。

「あはは。無理しなくて良いよ。僕は体洗ったら出るから、先に出てる?」

「クゥ? ク~ン……」

僕はそれに笑いながらポチエナの頭を撫でると、ポチエナに先に出るか尋ねた。

するとポチエナは少し考えた後、ゆっくりと首を横に振り始めた。

「それじゃ冷えないように……これで大丈夫かな。入ってみて。」

「キャン!」

「丁度良いね。大人しくしてるんだよ。」

そのまま洗い場に居たら体が冷えちゃうから僕は台を湯船に沈めて固定したんだ。

その上にポチエナが乗れば顔が出る位の高さがあったからね。

僕はポチエナを台の上に乗せると、やっぱり丁度良い大きさだった。

ポチエナは前足を浴槽の縁に掛けると笑顔で一声鳴いて応えてくれた。

僕は笑顔でそれを返すと、体を洗う為に着けていたタオルを外して、石鹸をつけた。

「ク~ン……」

「熱かったらのぼせる前に出るんだよ。」

「キャン!」

ポチエナはお湯の温度を楽しんでいるようで、目を瞑ってウットリしていた。

僕は体を擦りながらのぼせる前に出るようにポチエナに伝えたんだ。

体をある程度洗い終わると、僕は頭を洗う為に目を瞑ってシャンプーを泡立てた。

「キュ~ン……クゥ……」

「そんなにお風呂が気持ち良いのかい?」

「グッ……キャン!」

「キャンの前に何か詰まらなかった?まぁ良いけど……」

暫くするとポチエナが小さく鳴き始めたんだ。

その声を僕はお湯を楽しんでいるのかと思って、お風呂が好きなのか聞いたんだ。

するとポチエナは一瞬驚いたような声を出したけど、直ぐに一声鳴いて返事をしてくれた。

僕は鳴く前に詰まったような声がしたと思ったけど、受け流して頭を洗い始めたんだ。

「そういえばポチエナにお父さんとかお母さんは居るの?」

「キュ~……」

「あ…ごめん。嫌な事聞いちゃって。」

「ク~ン。キャン!」

「気にしなくて良いって言ったのかな? ありがとう。」

僕は頭を洗いながら、ポチエナに家族が居るのか気になって聞いてみた。

だけどポチエナは悲しそうに小さく鳴いて家族が居ない事を悟らせてくれた。

知らなかったとはいえ、ポチエナには嫌な事を聞いてしまったから謝ったんだ。

だけどポチエナはまるで『気にしないで』って言うかのように鳴いて応えてくれた。

僕は頭を洗いながら、ポチエナに一言ありがとうって言った。

頭を洗い終わった僕は一度湯船に浸かってからお風呂場から出たんだ。

そして体が冷えない内に寝巻きに着替えて、ポチエナの体も拭いてあげた。

「気持ち良かった? ポチエナ。」

「キャン! クゥ~ン……」

「あはは! くすぐったいよ! 分かったからやめて~!」

「キャンキャン!」

ポチエナの体を拭きながら僕はポチエナに気持ち良かったか聞いた。

ポチエナは笑顔で返事をすると、僕の顔を舐めてきたんだ。

顔にポチエナの毛が触れてくすぐったくて、僕はポチエナに退いてくれるように頼んだ。

ポチエナは直ぐに退いてくれて、楽しそうに鳴き声を出していた。

その後は僕の部屋にポチエナの寝る場所を作ったりした。

そうしている内に丁度夕飯時になってたから、僕は夕飯の準備を始めたんだ。

「ポチエナは何か食べたい物はある? ……って言葉が分からないと意味無いか……」

「クゥ~ン……ヒャン!」

「モモンの実が食べたいの?それじゃポチエナにはモモンの実を切ってあげるね。」

「キャン!」

昨日買い物に行ったから食材はあったんだ。まぁ簡単に済ませちゃうけどね。

僕はポチエナに何か食べたい物が無いか気になって、聞いてみた。

ポチエナは少し遠慮しながら、カゴに入っていたモモンの実を咥えて持ってきた。

僕はポチエナからモモンの実を受け取るとカゴから数個出してボールに入れておいた。

実が小さいからポチエナでも5~6個は食べるはずだからね。

ポチエナは嬉しそうに鳴くと千切れそうな勢いで尻尾を降り始めたんだ。

「あんまり振ると千切れちゃうよ。直ぐ出来るから待っててね。」

「キャン!」

僕は呆れながらそれを見ると、自分の夕飯も作り始めた。

数十分後には夕飯が出来て、僕はテーブルに運んだ。

ポチエナのゴハンは作った寝床に運んであげた。

「はい。モモンの実だよ。」

「キャンキャン! クゥ~ン……」

「ゆっくり食べるんだよ。おかわりしたかったら言ってね。」

「キャン!」

小さく切ったモモンをポチエナの前に置くと頭を撫でてみた。

だけどポチエナはもう噛むどころか笑顔で喜んでいたんだ。

僕はおかわりがある事を伝えて、自分の夕飯を食べる為にテーブルに着いた。

いつも一人で食べてるから、今日もあまり量は作らなかったんだ。

僕自身あまり食べないからね。だから夕飯は直ぐに食べ終わっちゃったんだ。

「ふぅ…ごちそうさま。ポチエナはおかわりする?」

「ク~ン。キャンキャン!」

「そっか。それじゃ片付けるからお皿ちょうだいね。」

「ヒャン!」

僕は溜息をしてからポチエナを見たんだ。もうモモンは残ってなかった。

ポチエナにおかわりを聞いたけど首を横に振って要らない事を教えてくれた。

それを見た僕はお皿を洗う為にポチエナの食器を取ろうとしたんだ。

だけどポチエナは自分で咥えて持って来てくれた。

「ありがとうポチエナ。」

「キャン! キュ~ン……」

僕はお皿を受け取ってポチエナにありがとうと言って頭を撫でてあげた。

ポチエナはやっぱり嬉しそうに鳴くと、尻尾を振って喜んでいた。

少しでも慣れてくれて正直ホッとしたよ。

だけどまだ完全には慣れてないみたいで、頻りに周りのにおいを嗅いでまわっている。

時間を掛けてゆっくりと仲良くなりたいな……今度こそ……

僕はお皿を洗い終えると食器乾燥機に入れてスイッチを押した。

こうすれば後は自動で乾かしてくれる。やっぱり世の中ハイテクなんだな……

「そろそろベッドに入ろうか?」

「キャン!」

「夜は静かにね。周りに家があるから。」

「キャン。」

暫く僕はポチエナを膝の上に乗せて撫でてたけど、少し眠くなってきたんだ。

ポチエナもウトウトしてるみたいだったからベッドに行くか聞いてみた。

少し眠たそうだったけど、ポチエナは元気良く鳴いて頷いた。

だけど今はもう夜。近所迷惑になるといけないから、静かにするように伝えたんだ。

するとポチエナは小さく鳴いてそれに答えてくれた。

僕は部屋の電気を消すと、ポチエナを連れて寝室へ入って行った。

「ふぅ~……やっぱ寝るのが一番気持ち良いなぁ~……」

「クゥ~ン……」

「何遠慮してるのさ。ほら、おいで!」

「キャ! ……キャン。」

僕は寝室に入るなりベッドへ寝転がって、大きく伸びをした。

ポチエナは部屋の隅の方で僕を見ながら小さく鳴いたんだ。

僕はどうすれば良いのか分かってた。だからポチエナを手招きしたんだ。

ポチエナは一度大きく鳴こうとしたけど直ぐに止めて、小さく鳴いて飛び乗ってきた。

ベッドは一人用だったけど、ポチエナは小さいから問題はなかったんだ。

「それじゃ寝ようか。……おやすみポチエナ。また明日ね。」

「キュ~ン……」

僕は電気を就寝用まで暗くしてから、ポチエナにオヤスミと言いながら頭を撫でた。

ポチエナは気持ち良さそうに目を細めてから、僕の口を舐めてくれた。

ポチエナは暫くベッドの上を歩いたり潜ったりして遊んでいた。

だけど疲れたのか僕のお腹に座り込むとそのまま寝ちゃったみたいで大人しくなったんだ。

だけど時々動くから気になってしょうがなかったけどね。

そうしている内に僕も眠くなってきて、そのまま寝入っちゃったんだ。

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Last-modified: 2010-11-04 (木) 00:00:00
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