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僕の御主人はお節介

/僕の御主人はお節介

懐かしき見知らぬ友への派生物語です。前作を読んでいないと分かりづらい場面があるかもしれません。

僕の御主人はお節介 

writer――――カゲフミ

 両羽に抱えた段ボール箱を前にして、ロビンは神妙な面持ちをしていた。どうしてこんなことになってしまったのだろう。そりゃあ確かに自分は最終進化系の雄だし、周りにはパートナーとも呼べる雌もいないし。思い当たる節はちょこちょこはあったのだが。いきなりこんなものを押し付けられるとは予想の斜め上を行き過ぎている。まあ、割と昔から自分のトレーナーのグレイスは突拍子もない行動を取るときがけっこうある。モクローの頃からなので付き合いは長いし、もちろん信頼もしている。ただ自分は完全には彼女のことを理解しきれていない気がするのだ。逆にロビンの考えはほとんどグレイスに筒抜けなことが多いので、なんだかもどかしいのであった。グレイスが勝手に注文した品が梱包されている段ボールには『雑貨』と表記されていた。これなら外から見ただけでは何が入っているかは分からない。注文者のプライバシーに考慮してくれているらしい。もっとも、種族は違えど異性であるグレイスから手渡しで内容の説明までされたので、その時点でロビンのプライバシーも何もあったものではないのだが。このまま自分の部屋の入り口で突っ立っていても埒があかないので、とりあえず段ボールを床に置きロビンも敷かれた毛布の上に腰を下ろした。いくら相手がいないからといって、これを使ってしまってはという気持ちとせっかく用意してくれたのだから試しに使ってみてはという気持ちがロビンの中で揺れ動いていた。ご丁寧にグレイスは外出中。気を利かせてロビンを一匹にしてくれているらしい。変なところまで気が回るのだから困ったものだ。正直なところ、まだ迷いはあった。こういった『雑貨』を手にするのはロビンは初めてだ。どんな感覚なのか想像がつかずにいた。おそらくこういった商品として需要が生まれるくらいなのだから、自分で処理するよりは気持ち良いのだろう。ジュナイパーであるロビンの手先は羽のような形になっており、いざ処理してやろうとするとそのふわふわした質感が仇となって十分な刺激が伝わりきらないのだ。それでも致せないことはもちろんないのだが。
「試しにやってみようかな……」
 ものは試し。ちょっとした好奇心。どうせ自分が使わなければこれはごみになって処分されてしまうのが目に見えている。それではせっかく用意してくれたグレイスにも申し訳ないというかなんというか。今のロビンはこの『雑貨』を使う理由を必死で繕って自分に言い聞かせようとしていた。心の奥底ではやはり使ってみたいという欲求には抗えず。彼の羽先は段ボール箱の方へと伸びていく。開封しやすいように切り取り線に沿って引っ張れば良いようになっている。親切な設計だ。箱を開けると透明なビニールで包まれた例の『雑貨』がロビンの目に飛び込んできた。土色の段ボール箱の中の薄いピンク色のそれは独特の存在感を放っている。恐る恐る手に取ると、ぶにぶにとしていて柔らかい。本物もこんな感じなのだろうか。もちろん見たことも触ったこともないので比べる術はない。ビニールの包みも簡単に剥がせるようになっていた。初めて目にするポケモン用のオナホールを前にロビンは思わず生唾を飲み込んだ。筒のような形をしていて片側は塞がっており、もう片方に小さな穴が開いている。弾力があって伸び縮みするようなので、左右にぐっと引っ張って無理やり中を覗いてみた。中は幾重にも重なったひだのようなものが付いていてところどころに突起があった。雌の性器を模したものではあるのだろうけれど、ある程度は使い勝手が良いように改良はされているのではないだろうか。仮にこれが自分のものに宛がわれたと考えると、ロビンは下半身がざわつくのを感じた。丁寧に使い方を記した説明書などは入っていなかった。それぞれの思うまま存分にどうぞ、という製作者の無言のメッセージが込められているのかもしれない。段ボール箱の中にはオナホールとは別の、小さな袋に入った使い切り用のローションがあった。これで慣らしてから突っ込むので使い方は間違ってないはずだ。これまた以前グレイスに無理やり『雑貨』のカタログを押し付けられたことがあったので、それなりにロビンも知識は得てしまっていた。もちろんその時にはこれが欲しいなどとは一言も口にしてはいないはずなのだが、グレイスのことはやっぱり読み切れなかった。
「……んっ」
 まあ、入れるにしてもまずは勃たせなければ。片方の羽根で股間の辺りをさわさわと。普段は羽毛に隠れていて外からは見えないそれも、それなりに気分が乗ってきたときに軽く刺激を与えてやると割と元気になってくれる。もともと内気な性格の上にゴーストタイプも加わって爽やかさとはあまり縁がないロビンではあったが、ここには若さが溢れていた。股ぐらの白い羽毛の中から半分くらい顔を覗かせた自分の一物。完全に勃起しきってはいないが、それなりにやれそうな感じはある。せっかくだし付属のローションを垂らしてみることにした。袋が小さくて羽先ではうまく切り込みから破れなかったので、嘴の先で強引に穴をあけてそこから自分のペニスへ塗り込んでいく。透明で無臭な独特の粘り気のある液体。
「ああ……」
 ローションも初めての体験だった。羽根のみで擦るときよりは滑りが良くなって何となくだが良い感じがした。何度も羽先を上下に動かすうちに、ロビンの雄はむくむくと存在感を増していく。完全な状態とまではいかずとも、十分に役目を果たせそうなくらいまでは持ってくることができた。羽根を離したときにねっとりと透明な糸が何本も連なっていたのがなんだかいやらしい。さて準備運動はおしまいだ。本番はこれから。きっと具合は良さそうだし、初めてということもあって無心に擦り続けるだけでも行けそうな感じはしたが。どうせならここぞとばかりに妄想を取り入れてみることにする。
「……クラリス」
 遥か遠くの記憶の中。未だにロビンの頭の片隅に居座って離れてくれない初恋の相手の名前を呟く。きっともうアシマリからアシレーヌに進化しているはずだ。ロビンが幼いころ隣に住んでいた家族の子供が連れていたポケモンがクラリスというアシマリの子だった。最初は緊張して尻込みしていたロビンも彼女の明るくて快活な性格に徐々に惹かれていき、何度も一緒に遊ぶうちに次第に恋心を抱くようになった。もちろん自分からは好きだと言い出せずにいたのだが、ある日突然隣の家族はクラリスを連れて引っ越してしまい今も行方は分からないまま。ジュナイパーに進化した今も遠き日の思い出が忘れられずにいるのだ。
「んうっ」
 今度はオナホールを片羽に持ち、ロビンはゆっくりと自分の一物へと沈めていく。準備の際にたっぷりとローションで濡らしているので中で引っかかったりする心配はない。くちくちとした締め付け、それでも痛いほどではない絶妙な具合を感じさせながらオナホールはロビンの雄をすっぽりと飲み込んでしまった。この状態から上下に、いつも雄を扱いてやるような感覚で動かせば何も問題なく――――。
「あっ……ひうっ」
 思わず前のめりになって変な声を上げてしまっていた。普段の感じでぐいぐいとやっていたら、纏わりつくひだひだの刺激に自分の雄が耐え切れそうにない。せっかくの初オナホールが想定外の暴発では悲しい事件としてロビンの記憶に残ることになるだろう。ここはゆっくり、自分の肉棒と相談しながら慎重にいかないと。
「うっ、ぐ」
 大分加減して動かす羽根を緩めたというのに、雄全体をぐにぐにと撫でつける感触に声を漏らさずにはいられなかった。グレイスが家を空けていてくれて正解だったかもしれない。最初は伸縮性のあるオナホールにぎゅっと押さえつけられて萎縮気味だったロビンの竿も、今やそれを押し返さんばかりにむくむくと膨張しきっているのが分かる。

『ふふ。ロビンのここ、こんなになっちゃってるよ』

 ロビンの頭の中。聞いたことがないはずの、アシレーヌに進化したクラリスの声が聞こえる。ぴんと上を向いたロビンの雄に片方のヒレを当てていたずらっぽく笑っていた。

『じゃあ、私が気持ちよくさせてあげるね』

 今度は両方のヒレで肉棒を挟み込むと、クラリスは口で加えてくれる。しっとりとした水タイプの皮膚が、先走りの収まらない暴れ始めた雄を包み込んで。彼女の繊細な舌がロビンのそれに絡みついて。
「あっ、あっ……がっ、く、くらりすっ……うぐっ」
 記憶の中にいる愛しき雌の名前を叫んで、ロビンはオナホールの中へと自身の欲望を解き放った。びくびくと脈動する雄の感触が伸縮性のある素材を通じて、ロビンの片羽にも伝わってくる。最近あまり扱いていなかったのと、新鮮な刺激に悦んだのもあって彼のペニスはとくとくと精を送り出していく。やがて収まらなくなった分は根元からとろりと零れ落ち始めた。ああ、また毛布の上に零してしまった。後からグレイスに怒られてしまうかも、とぼんやりとした意識がロビンの頭を過ぎっていく。今はそんなことよりも、下半身から強烈にじんじんと広がる快楽を貪りたくてたまらなかった。完全に腰が砕けてしまって立ち上がることができそうにない。竿にオナホールを突っ込んだまま、ロビンはふらふらと布団の上に倒れこんだ。
「これ、やばい……な」
 しばらくの間は何も考えられそうにない。頭の中ではまだ、自分の股間に顔を埋めて懸命に奉仕してくているクラリスの姿が焼き付いている。会ったことすらないアシレーヌの彼女を何度妄想の中で穢したか分からない。漠然とした罪悪感はあれど、ロビンが処理するときはこうやるのが一番気持ちが昂るのだ。それにしても、グレイスはなかなか良い贈り物をしてくれたな。興味本位で使ってみて正解だった気がする。後でお礼、は物が物だけにちゃんと言えそうにないけど、それとなく感謝の気持ちは伝えようと努力はしてみることにしよう。ただ。今のところはもう少しだけ、クラリスが自分のすぐ傍にいる心地良い世界に浸っていたい。
「大好き、だよ……クラリス」
 決して彼女には届くことのない言葉をぽつりと呟いたあと、ロビンはゆっくりと目を閉じたのだ。

 おしまい


・あとがき
 今日が7月21日だったので勢いで書いたジュナイパーのロビン君が致す小説です。この後うっかり眠ってしまってグレイスに発見されてもそれはそれで。

【原稿用紙(20×20行)】11.2(枚)
【総文字数】4125(字)
【行数】29(行)
【台詞:地の文】4:95(%)|168:3957(字)
【漢字:かな:カナ:他】34:62:7:-4(%)|1409:2580:329:-193(字)


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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ロビンくんの初めてのオナホ体験……の感触や心情の移り変わりがリアルに表現されており、短い文字数にも関わらずとても読み応えがありました。
    進化してから一度も会っていないクラリスを妄想して致すのが、何だか儚いですが美味しいです(?) その後のお話を知っているとなおさら(??)
    ともあれこの作品で、またロビンくんに出会えてとても楽しかったです。ありがとうございました! -- からとり
  • 私も久しぶりにロビン君を書けて楽しかったです。一人で致すシーンをじっくり描写する際はしっとりとしながらも密かな熱さがあればよいと思っております。クラリスを思い浮かべながらというのは予想がついたかもしれませんが、今後のお話の展開を考えるとある意味ロビンの夢は現実になるのかもしれませんね。
    レスありがとうございました! -- カゲフミ
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Last-modified: 2019-07-21 (日) 23:01:24
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