ポケモン小説wiki
懐かしき見知らぬ友へ

/懐かしき見知らぬ友へ

懐かしき見知らぬ友へ [#8qyqXd6] 

writer――――カゲフミ

 部屋の中に響き渡るノックの音。普段ならば何事もなく答えるのだが、今回はあまりタイミングがよろしくなかった。床に敷かれた毛布から体を起こすと、ひと呼吸置いてからロビンは返事をした。ドアを開けて入ってきたのは彼のトレーナーのグレイス。口を開く前に一瞬間があったのが引っかかる。人間は自分たちほど嗅覚が効かないからバレてはいないとは思うけど。グレイスは妙なところで勘が鋭いから油断できないのだ。
「ねえロビン、こういうのがあるみたいなんだけど。どう?」
「何、これ」
 グレイスから差し出されて受け取ったのは、何かのチラシのようなもの。ピンク色を主とした目に優しくないきらきらのレイアウトの中に、六匹のポケモンの顔写真が写っている。写真枠の下にあるのは身長と体重らしきデータ。全員雌みたいに見えるけど、なになに。私たちが貴方に寄り添いご奉仕しちゃいます……ってこれ明らかに。俗に言う性サービスを謳った店か何かの広告と判断するのは容易だった。人間じゃなくてポケモンの雌、か。最近ではポケモンも家族同然で人間と同じような扱いを受けているという話も珍しくはない。ロビンに至っても、簡素ではあるが自分専用の部屋まで用意してもらっているし、そこはグレイスに感謝すべき部分だ。チラシには値段こそ書いていなかったが、このサービスが無料で成り立つものとも思えない。もちろん大元には人間がいて、そのために動いているポケモンがいると考えるとなんだか複雑な気分になってくる。とはいえ、グレイスがこのチラシを見せてきたのとは別問題。ロビンが彼女に問いただしたいことはいくつもある。いつもは緑色のフードで顔が影になっているので、表情が分かりにくいと他のポケモンに怖い印象を与えてしまうことも少なくない。今回ばかりはその特徴を生かし、眉をひそめてあえて睨むような目つきをやってみた。見慣れているだろうグレイスには効果は今ひとつだろうけど、せめてもの反発の意思だ。
「そんな顔しないでよ。ほら、一回でも異性と経験積んでれば案外実生活でも積極的に話しかけたり出来るようになるかなーって」
「それで、これを僕に?」
 いきなり話が飛躍しすぎている感は否めなかった。確かにロビンは初対面の相手と話すのが苦手だ。異性はもちろん、同性のポケモンが相手でも妙に緊張して身構えてしまって。殆どの場合はなかなか話しかけるタイミングが見つからず、結局無言の時間が続き相手が離れていってしまうか、あるいは相手から話しかけられてもしどろもどろで会話が続かずに途切れてしまうかのどちらかだった。昔からお互いを知っている友達なら数える程ではあるがいるし、ロビンも臆することなく話すことはできる。ただ、最近になって新しい誰かと交流が広がった記憶は彼の中には全くなかった。元々一匹でいる方が落ち着く性分でもあったし、進化してからゴーストタイプを兼ね備えたことでそれがより顕著になった気はしていた。見知らぬポケモンと会話するのが難しい自分が、唐突に雌を連れてこられても何もできないまま終わってしまうのではないだろうか。そうしたサービスを生業としている相手であることを差し引いても、ロビンにはハードルが高すぎる。それに本来生まれ持った自分の性格が、こういう雌と関わりと持たされたことでどうにかなるようにも思えなかったのだ。
「大きなお世話だよグレイス。というかどこからそのチラシ持ってきたのさ」
「えーとね、ほら。あなたが不定期で注文してる『雑貨』があるじゃないの。それに付いてきたってわけ」
 思わずどきりとしてしまうロビン。グレイスも少しばかり言うのを躊躇っていた様子ではあった。なるほど、あの『雑貨』絡みのチラシなら納得がいかないこともない。発送元がどこかまでは確認したことはないが、ちゃっかりしているというか抜け目がないというか。
「最初はそのまま捨てるつもりだったんだけど、これも何かのきっかけだしどうかなと思ってね。ほら、みんな可愛らしい子ばっかりよ」
 そうまで言われるとやっぱりちょっと気になってしまう。やはりロビンとて最終進化系の雄。雌に対する興味はもちろん、ある。サービスを頼むかどうかは別として見るだけならタダ。ロビンは今度はじっくりとチラシに目を通していく。確かにトップを飾っているだけあって、公園やポケモンセンターですれ違ったら思わず振り返ってしまいそうなくらいのルックスはあるように思えた。中でも彼の目に留まったのは上段の真ん中に写っていたアシレーヌ。口元に軽くヒレを当てて流し目がちに微笑んでいて、大人っぽい色気と美しさを感じたのだ。もし自分がこの子と実際に会えたなら、なんて頭の中で妄想までしてしまいそうになる。
「来てもらうかどうかは置いといて、この中で誰か選ぶとしたら?」
 ロビンが黙って羽先を差したのはもちろんアシレーヌ。一番魅力を感じたというのもあるけれど。もう一つの理由を話したら何だかグレイスに呆れられそうな気がしたから、何も言わずにいた。
「そっか。この子が一番あなたの好みってわけね」
「言っとくけど、呼ばなくていいから」
「分かってる分かってる。それじゃ、邪魔して悪かったわね」
 グレイスのその一言で、ロビンは背中に嫌な汗が広がるのを感じた。まさかとは思っていたけどやっぱりばれてたのかなあ。かれこれグレイスとはロビンがモクローの頃からの付き合いだ。ロビンがグレイスのことを知っている以上に、グレイスはロビンのことを理解している。自分のことを理解してくれるのはとてもありがたいのだが、理解されすぎていて時々デリカシーに欠けるのが玉に瑕。察したのならあえて言わずに部屋を出て行くくらいの心意気を見せてもとは思う。おもむろに持ち上げた足元の毛布から転がり出てきたのは、ロビンの片羽に収まるくらいの細長い円柱の形をした『雑貨』だ。片側には穴が空いていて奥へ進むにつれて狭くなっている。内側は柔らかいゴムのような質感で弾力があった。もちろん雑貨というのは建前で、注文した時に梱包された中身が分からないようにカモフラージュされている。これは雌ポケモンの性器を模して作られたいわゆる大人のおもちゃ。人間が付けた名称で言うとオナホールというやつだ。同性の友達ですら数少ないロビンに異性の恋人などいるはずもなく。体を重ねるなんて夢のまた夢。それでもまだまだロビンには若さも雌に対する興味もあるので溜まるものは溜まってくる。その場合は自身の羽先で処理してやるのだが、ふわふわとしていて力が込めづらくどうにもやりにくい。苦労して処理しているロビンを見かねたグレイスから、半ば無理やり押し付けられたのがこの『雑貨』だったのだ。これも大きなお世話といえば間違いなくそうなる。手元に届いたとき最初はやはり抵抗があったが、手の届く範囲にあるとせっかくなので一度試してみたくなってしまった。最初に使ったときは、中の弾力のある質感がぐにぐにと自分の雄へ執拗に吸い付いてくるような感覚であっという間に果ててしまったのを覚えている。変な声が外に響いてなかったことを願うばかり。当然ながら実物と比べることはできなかったものの、自分の羽先で致すよりかは遥かに効率的で合理的な快楽をもたらしてはくれたのだ。大分慣れてはきたが、ここからくる感覚が病みつきになって、処理するときはほぼほぼお世話になっている。使用後に洗う必要があるのと、徐々に劣化していくので定期的に買い換えなければいけないのが難点だった。洗っている時にグレイスに出くわすと居た堪れなくなるから、どのタイミングで部屋を出たものかな。今日もおもちゃはちゃっかり使用済みになっていた。グレイスが入って来たのが致した直後でなかったのは幸いだった。本音を言うともう少し余韻に浸っていたかったところではあるが。変に現実に引き戻されたせいか、欲望をおもちゃにぶつけているという現実ばかりが前に出てきてしまいふと虚しくなる。かと言ってグレイスの言っていた実物を相手にできるかと言われると、無理だ。先ほどのチラシの件で仮に彼女が本気だったとしても、本物の雌を前にして自分に何かできる度胸など有りはしない。こんな物言わぬ道具とはわけが違う。生きているポケモン相手なのだ。そうした色事に手馴れた雌だろうと、怖気付いて何も出来ず相手を怒らせてしまうのが関の山。当のロビンも自分の性格に関してこのままじゃ良くないよなと感じることは多々あった。しかし、世話焼きなグレイスに無理やり背中を押されたところで今の場所から数歩先に動くだけ。またそこで止まってしまったのでは意味がない。何かを変えたいのならグレイスの手を借りずにロビンから踏み出す必要があるのだ。
「きっかけになれば、かあ……」
 部屋にある棚の上に置かれた写真立てへちらりと目を配る。少々古ぼけた写真。写っているのはモクローの頃のロビン、そしてその隣には。もしあの子と離れ離れにならなければ未来は違ったのかもしれない。だなんて、無いものねだりばかりしても仕方がないな、と。ロビンは小さくため息をついたのだった。



 あくる日のこと。ロビンが部屋で目を覚ますと、家の中は静まり返っていた。そういえば昨日グレイスは友達と買い物に行くって言ってたっけ。買いに行くのは服だから一緒に来ても退屈かもしれないと聞いていたから、そのまま家にいることにしたんだった。ロビンは体を起こして小さく伸びをする。午前中は日差しが眩しすぎる時があるのでカーテンは閉めたまま。さてどうしよう。家の中にいてもそんなにすることもないんだよな。そりゃあグレイスが外出しているタイミングで処理できれば一番ベストかもしれないけど、あいにく今は自分の感覚的にはそこまででもない。致す際のコンディションと状況が必ずしも一致しないのが難しいところ。とりあえず腹ごしらえでもするか。ポケモンフーズはグレイスがリビングに用意してくれているはずだ。あくびを交えながらのそのそとロビンは部屋を後にした。日当たりの良いリビングは遮光カーテンからの日光が少々ロビンの目には痛いくらいだった。ジュナイパーに進化してからというもの、どうも夜型へと体質が移ってきている気がする。別に太陽の光も嫌いではないのだが、以前よりも眩しく感じてしまうことが多くなった。新しいタイプを得るのも良いことばかりではない。得意なことも苦手なことも増えるのだ。机の上に置かれたポケモンフーズの入った容器と、その隣に見慣れぬものが。
「なんだ、これ」
 容器の横に無造作に置かれたモンスターボール。よくよく見てみるとロビンが使用しているものとは違っていることが分かる。表面が少し色褪せていて新品ではない。古くなったから新しいのと交換、というわけでもなさそうだ。おや、ボールの下にメモのような紙が。これはグレイスの字だ。ボールを片羽に取ってポケモンフーズをつまみながらロビンは目を通していく。

 『ロビン、前のチラシ覚えてる?

   一応呼んでみました。その気があるならボールを開いてみてね。

    あなたが一番好みだと言っていたアシレーヌちゃんです。   グレイス』
 
 飲み込みかけたフーズを危うく喉に詰まらせるところだった。少々むせただけで済んでよかった。ありふれたメモ用紙にさらっととんでもないことが書かれている。まさかとは思っていたが本当に、本当にグレイスはお願いしてしまったらしい。ロビンを家に残して出かけたのはこうした目論見があったからなのか。してやられた。自分が持っているこのモンスターボールの中にはあのチラシで見たアシレーヌが入っているようだ。さすがに中身までは外からは確認できないがおそらく本物だ。グレイスが悪ふざけでロビンをからかうようなトレーナーではないことは、彼が一番よく知っている。グレイスはいつだってロビンに対して真剣で、そして唐突だ。あなたに贈り物があると言われ『雑貨』を渡された日のことがなんとなく思い起こされた。
「お、落ち着け……僕」
 そう、まだ慌てる必要はない。ボールから出してしまわなければ何も問題はないんだ。アシレーヌの相手をすることもなく、何事もなかったかのように部屋に戻っていける。とんでもないものを知らずに持ち上げてしまっていた。そっと机の上に戻そうとしても自然と羽先が震えてくる。しまったと思ったときには既に遅かった。ロビンの羽の中から転がりだしたモンスターボールはそのまま机の上を横断して行き、床へ。頼むから、開かないでと必死で願ったロビンの祈りも虚しく。床に落ちた衝撃で押された開閉スイッチから、赤い光が飛び出して中に居たポケモンを形作っていく。そしてロビンの家のリビングに現れたのは。あのチラシに載っていた、見紛うことなき雌のアシレーヌだった。窮屈なモンスターボールの中から出てこられた開放感からか、一度ふうと深呼吸してからくるりとロビンの方に向き直る。正直、チラシで見た写真よりもずっと優雅な姿だった。
「初めまして。ご指名どうもありがとう。今日はよろしくね」
 片方のヒレを前に差し出して、にっこりと微笑むアシレーヌ。挨拶のつもりなのだろうけど、突然の出来事が重なりすぎてロビンの頭の中では処理が追いつかずにいた。直接目にしたアシレーヌは想像していたよりもきらきらしていて、戸惑いと緊張のあまり声が出てこない。自分のトレーナーが強引に事を進めた事情があって、アシレーヌをーボールから出してしまったのは事故のようなものだと。ちゃんと説明しなければと思えば思うほど頭の中が真っ白になるばかり。事前に心の準備をしていても、本番では会話が途切れてしまうロビンにいきなりアシレーヌとの対面は荷が重すぎた。
「あ、ご、ごめんっ」
 訳も分からずに謝ると、ロビンは一目散に自分の部屋へと駆け出していく。逃げたって何か解決するわけじゃないと分かってはいても、その場にいるのがどうしても耐え切れなかった。あいにく部屋のドアに鍵はついていないので、ロビンの逃避はほんの少しの時間稼ぎにしかならないのだが。床に敷かれた毛布に包まって目を閉じれば、何もかもなかったことになったりしないだろうか。
「ねえ、どういうことなの?」
 当然ながら、置いてきぼりにされたアシレーヌはロビンの後を追いかけてくるわけで。部屋に入ってこられては完全に逃げ場を失った。それほど広くない部屋なので自然とアシレーヌとの距離は近くなる。自分の部屋で知らない雌と二匹、それを考えるだけでも目眩がしそうなくらいなのに。そんな事情を知る由もない彼女はぐいぐいとロビンの方へ迫ってくる。
「ちょ、ちょっと待って。これには複雑な訳がっ」
 半ば裏返りかけた声で、両翼を前に突き出した妙な姿勢で。ロビンは必死で近づいてこようとするアシレーヌを制する。息も絶え絶えな彼の様子を見て、さすがにアシレーヌも普通ではない何かを感じ取ったらしい。小さく肩を竦めて呆れたように息をつくと、壁際にあった棚の横で体を低くして両方のヒレで頬杖を付いた。体の構造上足を投げ出すことが出来ないので、これがアシレーヌの楽な体勢にあたるのだろう。肘を付いた一見行儀の悪い姿勢でも、彼女が行うと不思議と優雅に思えてしまう。
「分かった。じゃあちゃんと説明して。ゆっくりでいいから」
「う……うん」
 ロビンは一旦床に腰を下ろして、息を整える。まだ心臓はせわしなく動き回っていたが、部屋に駆け込んだ時と比べると幾分かは落ち着いてきた感じだ。胸に片羽を当てて何度も深呼吸するうちに、ようやく頭の中で整理がついてきた。目の前に綺麗なアシレーヌがいる状況にも体が順応してきたのかもしれない。所々で引っかかりながらも、なぜこんなことになったのかの経緯は伝えねばと思っていた。ロビンのトレーナーであるグレイスからチラシを見せられたこと。自分はチラシにあった写真を見て選んだだけで、サービスを受けるつもりはなかったこと。グレイスが勝手に用意していたボールをうっかりテーブルから落としてしまい、アシレーヌが出てきてしまう事態になったこと。一つ一つ順を追っての説明に大分時間は掛かってしまったが、それらのことはどうにか彼女へと告げられたのではないかと思う。ロビンに向けられた視線は納得、というよりは半信半疑のそれではあったが。
「ふうん。でも、依頼するつもりはなかったって言ってるけど、興味はあるんでしょ?」
「え、そ、それは……」
 違う、とは言い切れない。アシレーヌの仕草や立ち振る舞いの艶めかしさにどきどきしてしまったのは事実。図星をさされたロビンは何も言い返せなかった。彼女の方も、自分の姿が異性からどう映っているかを知った上で言葉を選んでいるような気がする。ずるいなと感じながらも、アシレーヌはこれを仕事にしているプロ。異性との関わりの経験値がゼロに等しいロビンが敵うはずもなかった。
「よかった。雌にこれっぽっちも関心がないとかだったらどうしようかと思ってたけど、そういうわけじゃなさそうね」
 口元にヒレを当てて安心したように微笑むアシレーヌ。妙に既視感があると思いきや、写真で見たのと同じような仕草だった。意識してやっているというよりは普段からよく振舞う彼女の癖に近いものなのだろう。もちろん写真で見るのと実際に見るのとでは、ロビンの心拍数の上がりように雲泥の差があったのだが。
「だけど、こういうのは僕は……」
「いいじゃない。せっかくの機会なんだし細かいことは気にしないで、楽しみましょうよ?」
 すっと差し出された片方のヒレに、ロビンは思わず身構えてしまう。いくらアシレーヌから楽しもうと誘われてみても、心の準備も何も出来てない状態では精神的疲労の方がずっと大きい。ただでさえ彼女の動作にロビンは気持ちを掻き乱されてばかりいるのだから。しばらく処理をしていなくて悶々とした気分になっていたときなら、もしかすると欲望に身を任せられていたかもしれない。しかし今朝は家に一匹という環境でも、自身を慰めるという選択肢が湧いてこなかったくらいなのだ。自分の性欲を無理やりたたき起こされるのはあまり気乗りするものではなかった。
「筆おろしの相手が私じゃ不満?」
「不満とかそういうんじゃなくて、状況がちょっと……」
 アシレーヌが相手ならば大抵の雄は首を縦に振ってしまうのではないだろうか。それくらいの美貌と妖艶さを彼女は兼ね備えていると言ってもいい。ただ、相手をグレイスに手配までしてもらって、さらには手配されたアシレーヌにされるがまま行為に及んでしまっては、ロビンの意識は蚊帳の外。実現するかどうかは置いておいて、彼にも異性とどういった流れで体を交えたいという理想はある。それにこのままでは結局グレイスやアシレーヌに流されているだけで、自分からは全く動けていない。だからこそ、アシレーヌを前にしても行為に対して乗り気になれずにいたのだ。もちろんロビンに根本的な度胸が足りていなかったことも否定はできないが。
「じゃあ、この先あなたの元に理想のパートナーが現れるまでずうっと待ってるつもり?」
 煮え切らない態度のロビンに若干苛立ちを覚えてきたのか、アシレーヌの言葉に刺が混じり始める。不快な感情を顕にしても彼女の美麗さは損なわれていなかった。
「だったら何?」
 ロビンは元々自分から相手を追いかけていくタイプではない。基本的には受身の姿勢だった。他のポケモンとの交流が続かないのはそれが原因だと感じてはいる。感じてはいるが。今更この性格を変えられるものでもないよなと、どこか諦めてしまっている自分もいて。そんな心の中のもやもやを彼女から的確に指摘されたロビンも内心穏やかではなかったのだ。
「別に童貞捨てるのに変なこだわりとか持たなくてもいいじゃない。死ぬまで一匹で股間を擦り続けるの?」
「う、ぐ……なんで君にそこまで言われなきゃならないのさっ」
 いくら穏やかなロビンでもああまで露骨に言われると聞き捨てならなかった。身も蓋もなかったが、確かにアシレーヌの言葉は正論に近い。現れるかどうかも分からない理想の相手を待ちぼうけして、自ら動こうとしないのは馬鹿げている。そういうことだろう。ただ、初対面の相手からなぜこんなにも辛辣な台詞を投げかけられなければならないのか。それだけは納得が行かず、思わず床から立ち上がってロビンは反論していた。声は震えていたかもしれないが彼にとっては精一杯の抵抗だった。
「ああもう、じれったいな」
「あっ」
 床からすっと体を起こしてにじり寄って来たアシレーヌをロビンはかわしきれず。無様にもどすんと尻餅を付いて壁際に。変に立ち上がって言い返したりしなければこんな目に遭わずに済んだのだろうか。一瞬の後悔が頭を過ぎったが、今更どうにもならない。アシレーヌの顔がすぐ傍まで迫ってきている。お互いの息が触れ合うのではないかと思うくらい、近かった。間近でアシレーヌの可憐な姿を直視できずにロビンは微妙に視線を逸らす。ふわりと漂ういい匂いや少しひんやりとした体温など彼女を近くで感じてしまう要素は他にもあったのだが。見なければ何となく気が紛れるのでないかというロビンの逃避だった。そのまま壁に押し付けられて無理やり嘴でも奪われてしまうのかと思いきや、アシレーヌは至って真剣な眼差しで彼を見据えていた。
「私はね、この仕事に誇りをもってやってるの。今日だけはあなたの恋人になりきるつもりよ。だから、呼ぶつもりがなかったとかトレーナーに無理矢理だとかあなたのどっちつかずな言い訳は聞きたくないの」
 アシレーヌが本来持ち合わせる可憐さや繊細さからはかけ離れた野性味のあるぎらりとした鋭い視線だった。か弱そうな雌だからと舐めてかかった雄はきっと彼女に泡を食わされたことだろう。ロビンは別にアシレーヌのことを軽く見ていたつもりなどないが、彼女が垣間見せたこれまでの姿とのギャップになんだかときめいてしまっている自分がいたのだ。
「ねえ。あなたは私とヤリたいの、ヤリたくないの、どっち?」
 即答はできなかった。もちろん興味はある。興味はあるけどこういう流れはなんて言葉を濁したら、今度こそ本気で彼女を怒らせてしまいかねない。どうもロビンには別世界過ぎて失念してしまっていたが、アシレーヌは仕事でこの家に来ているのだ。性的サービスだから、とか。右も左も分からないロビンのような雄が相手だからとかで手を抜いたりするつもりはなさそうだった。言葉は直球で品がなかったが、アシレーヌがどれだけ真面目に取り組もうとしているかはロビンにも十分伝わってきたのだ。まだ彼の中での葛藤は抜けきらない。ただ、性的な事柄一辺倒で考えるのではなく、彼女の仕事に協力すると解釈すればやってやれないことはないかもしれない。逸らし気味だった視線をロビンはゆっくりとアシレーヌの方へ向ける。真夏の海を思わせるような透き通った青い瞳に吸い込まれてしまいそうだったが、ちゃんと目と目を合わせることは出来た。
「ヤリたい……です」
 ああ、言ってしまった。誘導尋問な空気は否めなかったが。ここで断ったとしても様々な雄を経験してきた彼女の前では、その場しのぎの嘘などすぐに見抜かれてしまうだろう。ロビンにもアシレーヌと行為に及んでみたいという気持ちは確かにあったのだ。今までにありえないほど近くで感じている雌の存在は、ロビンの中の雄を着実に燻らせつつある。
「正直でよろしい。初めての相手が私みたいな綺麗な雌だって考えたら嬉しいでしょ?」
 苦笑いを交えるロビン。確かにアシレーヌは綺麗だ。自分でも堂々と言い切るくらいなのだから、美貌には相当な自信があるのだろう。あるいはそれくらいの自負がないとこの仕事はやっていけないのかもしれない。少しくらいその自尊心を分けてほしいくらいだった。
「嬉しい……けど、自分で言う?」
 ロビンの問いかけに当然でしょ、とでも言いたげにウインクを投げかけてきたアシレーヌ。可愛かった。とても。ロビンのように雌に慣れていない雄なら、心を掻き乱されてしまうくらいには。
「私、レーテって言うの。今日はよろしくね」
 今更になって自己紹介だなんて変な感じだ。本来ならば彼女がボールから出てきた時点で済ませてしまうものだろう。タイミングが遅れてしまったのはロビンが逃げ出したせいなので何も言うつもりはなかった。気を取り直してレーテは本日二度目となる挨拶を投げかけてくれたのだから。
「僕は……ロビン。お手柔らかに頼むよ、レーテ」
 もう拒む理由などない。差し出されたレーテの片方のヒレを、ロビンは片羽でそっと包み込んだのだ。

「言う必要ないかもしれないけど、僕こういうの初めてだから……」
「分かってる。リードはしてあげるわ。でも、決めるところは決めてほしいかな?」
 それがどこなのかはあえて聞かなかった。雌雄の行為についても数少ない友人から又聞きした程度の知識。雰囲気で何となくしか分からなかったが、さすがにそこまでレーテに委ねるのは違うような気がして。行為に至ってのロビンの舵取りがあまりにも酷ければ、ベテラン航海士であるレーテが軌道修正はしてくれるはずだ。
「ど、努力はするよ」
「うん、そうして」
 言いながらロビンの顔の方へ両方のヒレを伸ばしてくるレーテ。水タイプだからなのか、ロビンの頬に押し当てられたヒレの表面はほんのりと冷たかった。彼女が何をするつもりなのかはロビンにも察しがつく。あと少し、僅かに顔を突き出せばそれぞれ嘴と口が巡り合いをする距離。てっきりレーテの方から来るものだとばかり思っていたのに、なかなか口を差し出してこない。どうやらロビンから身を差し出すように求められているらしい。意を決して嘴を近づけようとすると、レーテの綺麗な顔がより近いことばかり意識してしまって思うように踏み込めない。彼女の柔らかそうな口元だけに狙いを定めると、ロビンはぎゅっと目を閉じて嘴をゆっくりと前へ。おそらくレーテの口へたどり着くことはできたようだ。硬い嘴越しでもレーテの口や舌の繊細さは伝わってきた。尖った部分で傷つけてしまわないようにしないといけない。
「んっ……」
 そんなロビンの心配をよそにレーテはそのまま彼の後頭部へヒレを回してぎゅっと抱き抱えるような姿勢を取るものだから、気が気ではなかった。嘴の隙間からぐいぐいと滑り込んでくる彼女の舌遣いに早くも足腰の力が抜けてしまいそうになる。嘴の内側や舌の裏側まで念入りに這い回った後、そっとレーテはロビンから顔を遠ざけていく。ロビンの嘴の先とレーテの口元を繋いでいた細い唾液の糸がすうっと消えていった。
「どうロビン、初めてのキスは?」
 いたずらっぽく笑いながら感想を求めてくるレーテ。こちらは腰を抜かさずに立っているだけでもやっとだと言うのに。まだ頭がぼうっとしているような気がした。やはりロビンがレーテの相手をするのは、ろくにバトルの経験の無いポケモンがいきなりジムリーダーに挑戦するようなもの。どうにか『ひんし』状態にはならずに最後までやり遂げたいところではある。
「何だか……凄かったよ」
 雌慣れしている雄ならばロマンチックな台詞でも並べたりしそうな場面。だが、ロビンにそんな気の利いた言葉を投げかける余裕などありはしない。感じたままを伝えることが精一杯だった。
「もうちょっと言い方あるんじゃない? まあ、正直なのもいいけどね」
 飾り気のないロビンの返答にレーテの表情にも苦笑いが混じる。そこまで落胆した様子でもなさそうなので、最初から期待はされていなかったようだ。
「それじゃ、横になってもらおっかな。そこの毛布の上がいいんじゃない?」
「わ、分かった……」
 まだキスの余韻が残っているのにもう次か。あんまりもたもたしているとまたレーテに急かされそうだからぼけっとしてられない。少しふらつく足取りでロビンは床に敷かれた毛布の上に仰向けに横たわった。普段は硬すぎず柔らかすぎず寝心地のいい毛布なのだが、今回ばかりは緊張のせいか床の上に直に寝ているような感覚だった。レーテはロビンの胸元にヒレを伸ばすとそのまますうっと下の方へ滑らせていく。彼の股の辺りで羽毛に埋もれていた確かな感覚を探り当てるとレーテはにやりとほくそ笑む。とてもフェアリータイプとは思えないくらいの邪な笑い顔に、ロビンの背中にじわりと嫌な汗が滲む。もちろん何をしてくれるんだろうという期待もあったが、今のところは不安の方が優っているような感じだった。
「ロビンの、ここね」
「あっ……」
 レーテのもう片方のヒレが加わって、羽毛の上からロビンの股間はさわさわと優しく撫でられていく。彼女のひんやりしたヒレと自分の羽毛とが擦れあって何とも言えない緩い刺激がロビンに襲いかかる。最初は控えめだったそれも次第にむくむくと誇張を始め、羽毛の外へ顔を出すくらいにはなった。白っぽい羽毛の間からにゅっと頭を突き出したロビンの雄。対照的な色合いもあってか良く目立つ。レーテにまじまじと見つめられると股間を弄られる刺激よりも恥ずかしさで動悸が早くなってしまいそうだった。
「ちょ、レーテっ……!」
 制そうとしてもあまり効果はなかったかもしれない。レーテへ伸ばしたロビンの片方の羽根が虚しく毛布の上にだらりと横たわる。両方のヒレで彼の一物を挟みつつ、顔を近づけて今度はゆっくりと舌を這わせていくレーテ。さすがに手馴れている。種族は異なれど、どこをどうすれば雄が気持ちよくなるのかを心得ているのだろう。股間から伝わってくる刺激はもちろんだったが、一見可憐なアシレーヌである彼女が行っている淫らな行為を目の前にしてロビンは妙な興奮を覚えていたのも事実だった。レーテの一挙一動に振り回されっぱなしだったロビンもようやく彼女との営みを楽しむ心の余裕が出てきたのかもしれない。しばらくの間、ヒレと舌とを巧みに使ってレーテは愛撫を続けてくれていた。彼女のヒレの冷たさと舌の温かさ。二種類の刺激で時折頭がぼうっとするくらいの心地よさは確かにあったのだが、やはり体のどこかで気が張り詰めてしまっているらしい。ロビンの雄はどうも本調子になりきれていない感じだった。大きくはなっていてもどこかふにゃりとしていて、このまま行為に及ぶには心許ない。
「うーん、もう一息かな」
「ご、ごめん。緊張してて……」
「気にしないで。こんな時のためのとっておきがあるから」
 相手が初めてだと、割とこういうこともあるものなのだろうか。小さく頷いて、軽く流すようにヒレを振ってくれたレーテの対応は熟れたものだ。最初からこうなることも想定していたらしく次のステップへの移行が迅速だった。一旦ロビンから体を遠ざけると、レーテは両方のヒレを口元へ持っていく。とっておき、というくらいなのだからさぞかしすごいことなんだろうと勝手に期待が膨らんでしまうロビン。やがて、彼女の口元から手のひらくらいの大きさの球体が現れた。アシマリの種族特有の技、水を使ったバルーンだった。水面のようにゆらゆらと揺れながらも球の形を保っている不思議な現象。ロビンは思わず見入ってしまっていた。
「……君のバルーン、とても綺麗だね」
「そ、ありがと」
 バルーンの技術には自信があったらしくレーテはにっこりと微笑む。しかし何だかその笑顔がとても寂しそうなものに見えたのは、ロビンの気のせいだったのだろうか。そんな疑問はすぐさま股間からの衝撃にかき消されてしまったのだが。
「んあっ」
 気が付けばロビンの雄はレーテのバルーンに包み込まれていた。バルーンはただの水の塊だと認識していたが、どうも違うらしく僅かに粘性があるらしい。肉棒全体がぬるりとした感触に覆われていて、レーテのヒレや舌のものともまた違っていた。そしてロビンの一物を飲み込んだままじゅぷじゅぷとバルーンを上下に動かされるものだから彼に伝わる刺激は相当なものになるわけで。先端から根元まで完全に包まれた状態で、敏感なところも何もかもお構いなしだ。まるで雌のような甘い声を漏らしながらロビンは、レーテの言っていたとっておきという言葉をぼんやりと理解したのだ。これならば大抵の雄は臨戦状態まで持っていける、というよりそれ以上続けられると。
「綺麗なだけじゃないのよ」
「れ、レーテっ……やっ、あっ」
 経験はなくとも先に果ててしまうのはまずいという認識はあった。だがバルーンの威力はとんでもないもので、水タイプの技が草タイプに効果は今ひとつなどという次元を超えている。感覚としてはグレイスから渡された『雑貨』に近いものはあったが、レーテに動かされている分調整が効かない。背中から腰に掛けて広がるぞわりとした感覚。視界がぐらりと揺らぎ始めて。止めてと声を上げようにも自分でも聞いたことのないような嬌声しか溢れてこなかった。
「……あっ、がっ」
 達するか達さないか本当にぎりぎりのライン。レーテは見事にそのタイミングを察知してバルーンを引き上げてくれたのだ。あと数秒遅ければ確実に、透き通ったバルーンを白く濁すことになってしまっていただろう。寸止めを食らったロビンの雄は不満を訴えるかのように天井の方を向いて、物欲しそうにひくひくと揺れている。先端からはバルーンの残滓とは違った透明な雫がとろりと肉棒を伝って流れ始めていた。
「もう準備はいいみたいね。場所、代わってくれる?」
 さっきの衝撃が著しく激しく胸を上下させながら、ロビンは促されるまま毛布を空ける。攻守交替ということは何となく理解できた。ロビンが普段使っている毛布の上に無防備な体勢でごろりと仰向けになるレーテ。さっきロビンに使っていたバルーンを自身の下半身へ持っていくと、そのままぱちんと弾けさせる。飛び散ったバルーンが付着したのはちょうどレーテの雌の部分。縦にくっきりと入った筋がバルーンの粘液でぬらりと光って強調され、ロビンの視線はそこへ吸い込まれていく。そうした効果も狙ってのバルーンなのだろう。ずるいな、と思いながらも凝視せずにはいられなかった。毛布の上に寝転がったレーテが呼吸をするたびに微かに揺れ動く彼女の雌はとても扇情的だった。
「あなたの方から来てほしいな」
「……わ、分かった」
 準備万端になった雄をロビンはおそるおそるレーテの割れ目へと近づけていく。バルーンが潤滑油の役割も担ってくれているようで、事前に慣らしたりする必要はなさそうな感じだった。おそらく今のロビンの状態なら問題なく突き進むことが出来るだろう。もちろんそれは物理的なもので、気持ちとはまた別の話。レーテに後押しされて彼女の上に跨ったまではいいものの、ロビンはそこからなかなか前に進めずにいた。ここまで来たら彼女を味わってみたいという欲望はもちろんある。ただ、初めての行為という不安がロビンの勢いを削いでいたのだ。行こう行こうと意識すればするほど却って前に踏み出せない。せっかく彼女がここまで導いてくれたのにと考えるとロビンの胸は苦しくなってくるばかりだった。
「大丈夫」
 そんなロビンを見かねたのかすっと両方のヒレを伸ばして彼の体を抱き寄せるレーテ。自然と彼女の上に覆いかぶさる形になった。レーテの方が体温が低いはずなのに、背中に回されたヒレはとても温かかったような気がした。
「大丈夫だから、ね」
 きっと根拠はなかった。だけど、レーテに耳元で優しく囁かれると本当に出来るような。いや、やらなければならないように思えてきたのだ。
「う、うん……やってみる」
 完全にレーテに預けてしまっていた体を起こして彼女の顔をしっかりと見据えてロビンは答える。抱きしめられた不可抗力で、図らずともレーテの下半身に押し付ける状態となってしまっていたロビンの雄。腰の位置をずらしながら慎重に彼女の雌を探り当てる。一旦腰を浮かせて大事な箇所の見当を付けると、今度こそロビンは彼女の中へ突入を試みた。バルーンの効果もあってか先端部分の侵入は滞りなく行えた。その調子でじわじわと奥へ奥へと進めて行くが、レーテのひんやりとした体温とは打って変わって中はむせ返るような熱気だった。とても経験豊富とは思えないほどレーテの雌はロビンの肉棒へ執拗に絡み付いてくる。闇雲に前進するだけではだめだ。そう感じたロビンは半分程度挿入した時点でひと呼吸置く。
「そう。その調子」
 レーテはロビンを応援するために笑いかけてくれているような感じはしたが、彼女の笑顔を受け入れる余裕などありはしなかった。せっかく見下ろせばすぐそこに綺麗な顔があるというのに勿体無い気はしていたが。下手に気を抜くと暴発してしまいそうで、それだけは何としてでも避けたかったのだ。ロビンは小さく深呼吸して再び腰を進め始める。段々と窮屈になっていく分、肉棒が擦れる強さも増していく。慣れない腰使いで、熟練者のレーテからすれば大した刺激にはならないかもしれないけれど。時折聞こえてくるくぐもったレーテの喘ぎがロビンの動きを後押ししていた。
「は、入ったよ。動かしてもいい?」
 だましだましの前進で、どうにか根元まではたどり着いた。しかしどうにもレーテの割れ目はまだまだ奥行きがありそうで。自分のものにちょっと自信をなくしてしまいそうなのはこの際考えないことにする。
「うん、お願い。あなたの思うままに……」
 もちろん腰の動かし方なんて分からないロビンはこちらも完全な手探り。手始めに軽く引き抜いて前後に動かしてみたもののレーテの雌に容赦なく擦られるばかり。また変な声を出してしまいそうになったので一度動きを止めざるを得なかった。かといってレーテを気持ちよくさせる方法なんて見当もつかないし、こればかりは経験の差で埋めようがないもの。自分が出来る限りの手段でこの状況に立ち向かうしかなかったのだ。いくらロビンでも今更退くつもりはなかった。再び勢いをつけてレーテの奥へ腰を突き動かす。頭の中で描いた空想ではなく本物の雌を相手にしているという実感はこれでもかというくらいロビンの体に叩きつけられていた。肉棒を介して伝わってくる熱いものだけでなく、両羽で触れたレーテの体の温もり、近づけた顔からの確かな息遣い。それらすべてがレーテという存在をロビンの傍らに認識させている。腰を二、三度往復させた辺りでロビンの視界がぐらりと揺らいだ。目の前にあるはずのレーテの顔がはっきりと見えなくなって。どうやら、もう限界のようだった。
「れ、レーテっ、僕もうっ!」
「いい、わっ、そのまま来てっ!」
 レーテが言い終わるか終わらないかのうちに、ロビンは彼女の中で果ててしまっていた。初めての刺激と初めての温もりにロビンの肉棒は嬉しそうにレーテの膣内で暴れまわっている。肉厚な雌に阻まれながらもぴくぴくと雄が脈打つ感覚がロビンの中に色濃く残っていた。体感的には結構な量だったように思えたのだが、結合部分からこぼれ落ちた気配はない。完全にレーテに搾り取られてしまったというわけか。これまでに感じたことのない射精に伴う快感はふわふわと優しい波間を漂っているかのよう。レーテが作り出してくれた小さな海にロビンの体はゆっくりと沈んでいきそうになる。しかしそのままでは彼女を毛布にして眠ってしまいかねないので、どうにか意識を保たせてゆっくりと一物をレーテの中から引き抜く。すっかり縮こまってしまったそれは、もうロビンの羽毛の中に収まってしまうくらいになっていた。慣れない環境でお疲れ様と軽く労いながら、ロビンはどかりと腰を下ろして壁にもたれ掛かる。快感が収まってくると同時に倦怠感が少しずつ体の中へ広がっていくのを感じていた。本当は寝転がりたいところではあったが、毛布の上は二匹が横たわれるほどのスペースはなかった。
「ふふ、どうだった?」
「えっと、すごく……よかったよ」
 わざわざ尋ねなくてもロビンの状況を見ていれば、結果は火を見るより明らかというもの。きっとレーテは敢えて聞いているのだろうと思い、ロビンは正直に飾り気のない感想を述べた。とにかくよかった。それ以外の言葉は本当に出てこない。ひとまず今のロビンの頭の中は思考を巡らせるのには適していないのだから。
「そっか、よかった。あなたがイケなかったらどうしようかと思って」
 なるほど。彼女のプロとしての意識は本物らしい。何となく後半の動きに容赦がなかったように感じられたのはロビンの気のせいではなかったらしい。何が何でも気持ちよくさせてやるぞというレーテの意気込みがこの結果なのだろう。正直あのバルーンでもいまいちな雄がいるのだとしたら、極端に感度が悪いのではないかと心配になるくらいだ。
「おかげさまで」
 やや引きつった笑いを交えてロビンは立ち上がる。大分意識も頭もすっきりしてきた。体は何となく重かったが起きて間もない時間から結構激しく動いたのだから無理もない。レーテも寝そべっていた毛布の上から体を起こして、ちらりと部屋の反対側にある棚の方を見やる。
「ねえ。あの写真って」
「あ……」
 しまった。あんまりグレイス以外の誰かに見られたくなかったのに。以前友達を部屋に招いた時も、写真を伏せるか隠すかして目が届かないようにしていたくらいだ。今回のレーテは突然の訪問すぎてそこまでロビンの気が回らなかったのだ。
「あのモクローはもしかしてあなた?」
「う、うん」
 発見されてしまった分は仕方がない。別に何でもないからという誤魔化しが通用するとも思えなかったし。普通に考えれば、何の理由もなくわざわざこんな古い写真を飾ったりはしない。ことに目敏そうなレーテのことだ。目に留まって気になったからロビンに聞いてきたのだろう。
「へえ。昔は可愛かったのね」
 大きなお世話だよとロビンは心の中で呟く。まあ、今はどうなのかと言われると昔のようにはいかないのが現実だ。進化して体も大きくなったのもあるし、自分らしく他の誰かと接するのが苦手になってしまった。あの頃は今よりも良かったなあという思いがあるから、いつまでも写真にしがみついて離れられないのかもしれない。
「じゃ、この隣にいるのって……」
「昔隣の家に住んでたアシマリ。クラリスって言うんだ。隣の家族が引っ越して以来、一度も会えてないんだけどね。今どこにいるかも分からなくて」
 グレイスも年が近かった隣の女の子とよく遊んでいた。そんな彼女らに連れられて、ロビンもクラリスとよく一緒に遊んだことを覚えている。この写真は遠き日の日常の一ページを残したもの。今でもロビンの大切な写真だった。
「ねえロビン。もしかしてこの子のこと」
「……好きだったよ。想いは伝えられなかったけどね」
 ため息混じりに心の内をレーテに打ち明けるロビン。写真の抱えている結末を言わないと、好奇心に満ちた彼女の視線が自分を離してくれそうになかったのだ。どうして初対面の相手にここまで言わなければという気持ちももちろんあったが。正直行為に及んだことで自分をレーテに曝け出してしまった感はある。この期に及んで隠しだてするのも往生際が悪く思えたのだ。
「だった……?」
 ロビンは思わず目を見開いてレーテの顔を見つめてしまっていた。なかなか痛いところをついてくるじゃないか。グレイスやレーテのように察しが良すぎる相手はどうにもやりにくい。ああもう、写真をちゃんと隠して置かなかったのは本当に失敗だった。
「……今も好きだよ。君は馬鹿げてるって笑うかもしれないけど、僕の大切な相手。どうしても忘れられなくて」
 ふと部屋で写真を眺めて、今クラリスはどこでどうしているんだろうと想いを馳せることも珍しくない。ロビンがジュナイパーに進化してもなかなか他の雌に積極的になれなかったのは、心のどこかでクラリスの存在があったからなのだ。もちろんそれに本来のロビンの性格が合わさって、尚更出会いは遠のいていたのは言わずもがな。
「グレイスに紹介されたチラシを見たとき、あの子の影を追いかけていたのかもしれない。おかしいよね、君がクラリスなわけないのに」
 写真に映っているアシマリの右の目元には、泣き黒子のような模様があった。クラリスはあまりそれに良い感情を持っていなかったようだが、ロビンは全然変じゃないよと気にしていた彼女を励ました記憶があった。進化しても個々の体の模様や特徴は残ることが多いと言われている。もしクラリスがアシレーヌに進化していたとすれば、きっと目元に泣き黒子が残っているはずだ。当然レーテの目元は色白で何の特徴もない。至って普通のアシレーヌのそれだった。
「当たり前でしょ。私はレーテ。あなたの初恋の相手じゃない」
 レーテは呆れたようにため息を交えて、軽くあしらうように片方のヒレを振る。何となくこうなることは予想できていた。だからロビンは言いたくなかったのだ。
「あなたもどこにいるかも分からない雌のことは忘れて、新しい恋を見つけたほうがいいんじゃない?」
「まいったな……簡単に言ってくれるよ」
 肩を竦めるロビン。正論なだけに耳が痛い言葉だった。忘れようと意識しなければならない時点で既に忘れられない出来事になってしまっている。ロビンの思い出の中のクラリスは未だに彼の中に居座り続けているのだ。ただ、今回レーテと出会ったことで少しだけクラリスの立ち位置が変化した可能性はあった。グレイスのお節介は曲がりなりにもロビンのなかに新しい波を運んでくれたのだ。
「それじゃ、私はそろそろ戻るわね。ボールに戻ればこの近所で待機している業者の人に通知が届いて、預かりにくるシステムなの。その人が来たらボールを渡して」
「……分かった」
 やることが終わったらさようなら、か。まあ、そういうサービスだし親密なやりとりを求めるのはお門違いなのは承知している。それでも何だか味気ないというか、寂しいものはあった。行為を終えた後を満たしたいのならば、ちゃんとした相手を見つけろというわけか。簡単にはいかないだろうな。
「ねえ、ロビン」
「何?」
「結構、楽しかったよ。じゃあね」
 振り返りざまにロビンをぎゅっと抱きしめて軽くキスをしてくれたレーテ。いきなりだったのにレーテの口元はしっかり彼の嘴を捉えていて狙いが的確だった。最後に残された柔らかで濃厚な感触に声も出せずにロビンは立ち尽くす。何だか本当の恋人との別れの挨拶をしたみたいな、そんな感覚。きっと雌に慣れていない自分の錯覚に過ぎないんだろうけど。ロビンが声を掛ける間もなく、レーテは部屋を出て行ってしまったから何の挨拶も交わせずじまいだった。
「レーテ……」
 片羽を自分の胸に当ててロビンは彼女の名前をぽつりと呟く。嵐のように過ぎ去ってしまったが、今になって彼女と体を重ねていたという事実がじわじわと湧き上がってきて。しばらくの間はレーテのことが頭から離れなくなってしまいそうだった。とりあえずは業者の人が訪ねてくるまで、毛布の上で彼女の抜け殻を感じながらロビンは余韻に浸ることにしたのだ。



 ロビンの家からやや離れた位置にある公園のベンチ。妙に無表情で腰掛けているのは彼のトレーナーであるグレイスだった。そして、その隣には。
「ねえ、本当にこれでよかったの?」
「うん。私のわがまま聞いてくれてありがとう、グレイス」
 ロビンの幼馴染と久しぶりに顔を合わすことになったと思えばとんでもない発案が飛んできたものだ。まあ、もともとロビンとは『雑貨』をプレゼントするような間柄。意外と上手く行くのではないかとグレイスは提案された計画に乗っかってみたのだ。彼女がこうして待ち合わせの場所に現れたということは、どうやら上手くいったのだろう。何事もチャレンジしてみるもの。それにしても。隣に腰掛けて上品に佇むアシレーヌがあのアシマリだなんて、言われなければ全く気付かなかっただろう。
「まさかこんな形で再会するなんてね。ずっと前に隣に住んでた女の子、もう顔もうっすらとしか思い出せないけど」
 グレイスがまだ子供だった頃。隣の家の女の子が持っていたポケモンはクラリスというアシマリだった。まだモクローだった頃のロビンはよくクラリスと遊んでいた記憶がある。当時の写真をいつまでも部屋に飾っているくらいなのだ。グレイスでなくともその子が彼にとって特別な存在だということは想像に難くない。だけど、ある日突然その子は引っ越すことになってしまって、当然クラリスともお別れすることに。女の子がいきなりいなくなってグレイスも残念がっていたが、それ以上にひどく落ち込んでいたのがロビンだったのを覚えている。
「変わってなかったなあ、ロビン。私の出したバルーンを綺麗だねって言ってくれた、あの時のまま」
 進化して見た目は変わってしまったけど、根本的な性格はやはりモクローの頃から根付いている。昔よりも大分控えめになってちょっと心配なときもあるけれど。それでもロビンはロビンだとグレイスも思っていた。
「ロビンね。昔私と遊んでたとき、初めて見せたバルーンを褒めてくれたの。それが、今日見せたときと全く同じ言葉で、ちょっと心が揺らいじゃった」
「あの子は昔のまんま大きくなったところがあるからね……いい意味でも悪い意味でも」
 成長していくにつれて次第に幼い頃の感覚は失われていくもの。グレイスにも思い当たる節はいくつもある。ただ、ロビンに関して言えばモクローの頃の純粋さを失っていない部分が垣間見えることが多いのだ。それが彼の長所でもあり短所でもある。
「変わったのは。私の方、か」
「クラリスちゃん……」
「後悔はしてないよ。今の私をロビンに表現するにはこれしか方法がないって思ったから」
 この街のポケモンセンターに一人で出かけていたときに、突然見知らぬアシレーヌに話しかけられたグレイス。偶然この街に訪れていたクラリスが、ロビンと一緒に歩いているグレイスを見て、彼女と接触するチャンスを伺っていたらしい。事情があって直接会うことができないロビンに会うための計画を事細かに説明してくれた。打ち合わせをする中で、クラリスがこれまでどんな生活を送ってきたのかもグレイスは聞いてしまったのだ。隣に住んでいた女の子の両親が務める会社がうまくいかなくなったこと。重なった借金から逃げるようにこの街を引っ越していったこと。ポケモンを持つ余裕さえなくなってしまった家族から手放されてしまったこと。野生で生きていく術も分からず、野垂れ死ぬか野生ポケモンの餌になってしまうかぎりぎりのところで拾ってくれたのが今のマスターだったこと。クラリスのトレーナーは、ポケモンを集めた性サービスを生業とするグレーゾーン界隈の男らしい。彼女曰く、ポケモンを金儲けの道具として見ている節は強いがその分道具の手入れは入念でメンテナンスはちゃんとしているらしい。グレイスには理解しかねたが、クラリスも今の環境にそこまで不満はないようだ。こうして自分たちが話す時間を設けてくれるぐらいだから、そこまで悪い待遇というわけではなさそうだけど。こればかりはそれぞれの人やポケモンの生き方があるので、グレイスは深く言及はしなかった。どうしてもロビンと再会したいクラリスが、彼のトレーナーから依頼を受けてロビンの元に訪れるというのが今回の計画だったのだ。あくまでロビンと顔を合わせるのは客としてであり、幼馴染としてでは絶対にないのがクラリスの譲れない条件。
「あの頃の私はもうどこかに行っちゃったよ。仕事っていう大義名分がないと、きっとロビンと目も合わせられなかったと思う」
「でも、そこまでロビンのことを想っていてくれてありがとう。もしあの子が知ったら喜ぶんじゃないかな」
「どうかな。今の私はレーテ。ロビンの思い出の中のクラリスは、もういないよ」
 ロビンから投げかけられた、今も好きだよという言葉。もちろん彼の記憶の中のクラリスに対してであることは理解していた。理解してはいたが、理性だけで感情を押さえ込むのも限界があって。作り笑顔や心にもない言葉を並べるのも胸が苦しくなって。別れ際には思わず通常業務以外のことをしてしまったかもしれない。
「でも。最後にちょっとだけ、レーテじゃなくてクラリスとしてロビンに接することができたような気がする」
 無言でグレイスから差し出されたハンカチで、ようやくクラリスは自分が泣いていたのだと気がついた。あえて何も言葉を掛けないのは、グレイスなりの心遣いか。
「ありがとう。ふふ、泣かないって決めてたはずなのに。どうしてかな……ロビン」
 涙で流れた薄いメイクの下、右の目元の泣き黒子は写真の中でモクローと無邪気に笑っていたアシマリと同じ位置だった。

 おしまい


・あとがき

・この話について
以前から書きたかったジュナイパーとアシレーヌの組み合わせ。アローラ御三家は二次創作でも何かと絡みが多い。今回は純愛、とは少し違った切り口で表現してみました。性サービスで呼んだ相手が昔馴染みだった、という官能作品では割とベタな展開ですが。最後は少し物悲しさの残る終わり方なので、暗くなりすぎないように気を遣いました。

・ロビンについて
NNはウルトラムーンのジュナイパーから逆輸入。根は優しいもののなかなか他のポケモンと上手く馴染めず、自分の世界に籠りがちなキャラとしてゴーストタイプも入っているジュナイパーはうってつけでした。ヘタレ気味で雌に振り回される雄を描写するのはとても楽しかったです。ポケモン用の大人のおもちゃがあってもいいよねっていう。

・クラリスについて
子供はお断りなサービスするお店の雌ポケモン。お店ではレーテという偽名を使用。街で見かけたロビンにどうしてももう一度ちゃんと会いたいがためにグレイスに相談を持ちかけ、仕事として彼の相手をすることで目的は果たされます。とはいえやはり未練がなくなったわけではないようで。お互いに両思いなのに結ばれないほろ苦さ。物語最後の一文は自分でも気に入っています。

・グレイスについて
モクロー時代からのロビンのトレーナーの女性。割とサバサバした性格で、ロビンからはデリカシーがないと認識されることも。とはいえ『雑貨』を送るくらいあけっぴろげな仲なので関係は悪くない模様。表向きはグレイスが一匹で籠りがちなロビンを心配して、何かのきっかけになればとそういうチラシを紹介するというもの。普段の振る舞いもあるのでロビンからすればそんなに違和感は抱かなかったようです。登場シーンこそ少なかれど物語の重要なポジションの彼女。後からグレイスとクラリスと名前が紛らわしいことに気がつきました。

以下、コメント返し

>感動しました。 (2018/10/07(日) 06:54)の方

ありがとうございます。今回は少ししんみりする終わり方を目指してみました。

>大人の玩具を愛用するジュナイパーというのもなかなか可愛げが。 (2018/10/11(木) 08:42)の方

ポケモンの性処理はトレーナーの義務かもしれないので、そういう需要もきっとあるのだと思います。

>素晴らしい作品でした。
>ロビンがグレイスのことを認識して幸せになって欲しいですね。 (2018/10/14(日) 14:27)の方

グレイスではなくクラリスを認識して、の間違いでしょうか? 後から見直して気がつきましたが名前が紛らわしかったですね……。申し訳ない。

>振り回されるロビンの姿には本当に笑わされました。濃厚な行為の後の若干切ないエンディングも他の作品とはまた違う読後感を出してくれましたね。ちなみにトレーナーのグレイスが男なのか女なのか明言が無かったのがちょっと気になります。 (2018/10/14(日) 17:24)の方

レーテの一挙一動に振り回されるロビンは書いていて非常に楽しかったシーンでもあります。バッドエンドでは無くてもハッピーではない。トゥルーエンド的なものを目指して書いたような気がします。グレイスの性別は一応、ロビン視点で「彼女」と明記した場面が何箇所かあったかと。ちょっと分かりにくかったですかね……。

>名乗りあえずとも互いに想い合う、幼なじみ同士の切ない恋に胸を打たれました。(2018/10/14(日) 20:24)の方

こんなに近くにいるのに想いが届かない、というもどかしさ。結ばれない幼馴染の恋があってもいいと思うのです。

>アシジュナはアシジュナでも完全に王道をいくものは久しぶりでしたとても良かったです、!!! (2018/10/14(日) 22:00)の方

アローラ御三家の組み合わせは何だかどれを合わせても王道のように思えてきます。中でもやっぱりアシレーヌは雌にしたくなっちゃいますね。

6票も頂き同率優勝という名誉ある結果を頂きました。優勝できたのは本当に久しぶりで感極まる思いです。
投票してくださった方々、最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

【原稿用紙(20×20行)】58.7(枚)
【総文字数】21342(字)
【行数】208(行)
【台詞:地の文】13:86(%)|2828:18514(字)
【漢字:かな:カナ:他】33:62:8:-4(%)|7222:13253:1856:-989(字)


何かあればお気軽にどうぞ

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ヘタレたジュナイパーは可愛いと思う反面で、やはり普段は冷静であることこそジュナイパーの良さですので、そっちの方面も押し出してほしいと思いました。
    また、レーテの方はお店の女性で、しかもプロならば、終わった後にそっけなくなるよりも、時間をかけてサービスしてほしい感はありましたなぁ。しかし、チャット会では正体がばれないために、あっさりしていたという話も聞けたので、それはそれで美味しいと思います。
    しかしながら、彼女のプロの技やエロさはやはりアシレーヌならではといった感じで、手慣れた女性に翻弄される雄のかわいらしさを存分に魅力的に描いていたとおもいます。 -- リング
  • 冷静なジュナイパーとのギャップを描くのもそれはそれで一興なのですが、今回はヘタレジュナイパーのキャラクター一本で登場してもらいました。個人的にこっちの方が描写しやすくてゴニョゴニョ。もしもレーテがロビンと関わりのないお店の雌だったとすれば、事後のサービスをしていたかもしれませんね。今回の大会にあたってどうしてもアシレーヌを登場させたかった結果、いろんなところで被りを招く事態になってしまいましたが、個人的には満足いくものが書けたと思っております。感想ありがとうございました! -- カゲフミ
お名前:

トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2018-10-15 (月) 20:12:42
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.