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僕には才能がない 4

/僕には才能がない 4

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僕には才能がない 

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 ユリとも密になった日から数日、早速コンテストに向けたトレーニングを進めていたが……ここで予想だにしない問題が発生した。
 なんと一人のトレーナーが一度のコンテストに出場させられるのは一匹までなのだそうだ。
 てっきりバトルと同じく手持ちのポケモン全てを出せると思っていた僕は頭を悩ませていた。
 みんなコンテストには乗り気だったため、この中の誰か一匹しか出場させてあげられないのはなかなかないチャンスというのもあり、非常に残念だ。
 それに出れなかった子達はそれこそ悔しいし、悲しいだろう。
 こんな事を言うのはあれかもしれないが、僕からすればみんなとても可愛い。
 ルナは天真爛漫、純粋な笑顔と跳ねるような動きで走り回る姿は見ている僕の顔すら頬を緩ませてくれる。
 昔一緒によく散歩をしていた時からそうだったが、元気ですぐに何処かへ行ってしまいそうなほど動き回るが、僕との距離が空いたと思うとすぐに止まって僕の方をじって見つめる姿はとても可愛らしい。
 それに少しだけおっちょこちょいなところがあるのもとても可愛い。
 何にでも全力で取り組むし、僕の事を喜ばせようと必死になっているのは分かるのだが、その必死さが逆に空回りして成果が出せずにしょんぼりしている姿なんかは思わず抱きしめたくなる。
 それに夜に二人きりになった時のおねだりの仕方が多彩な上にグッとくる惹き方が多い。
 合図をしたあと、すぐに前足を肩に掛けてキスをするのかと思うと、息のかかる程の至近距離でただ静かにお互いに見つめ合ったり、昔のようにお腹を撫でてもらいたいように僕の足の上で仰向けになってみせた後、既に湿り気を帯びた膣を見せつけるようにいやらしく腰をくねらせる姿など、僕しか知らない可愛さも沢山ある。
 更に僕を飽きさせないためか、仰向けでする時が一番反応がいいのにも拘らず、大抵の場合前回とは絶対に違う体勢でセックスをするようにしているところも可愛い。
 ユリはシャンと立った見事な姿勢と凛々しい顔がとても格好いい。
 しかしそんな格好いいユリは知ってか知らずか、必ず僕のお願い事を聞いたり、誰も僕の傍にいない時、こっそり頭を撫でてもらいに来るのが普段のそんな凛々しい姿とのギャップもあり堪らなく可愛い。
 頭を撫でる以外にも下顎をかいてあげたり、頬を撫でるのもとても嬉しそうに微笑むし、耳をちょこちょこ動かしたり、尻尾を分かりやすくブンブンと降って喜ぶ姿も良い。
 そしてそんなに格好いいはずのユリは、基本的には僕よりも後を付いてきて、みんなにバレないように服の端を掴んだりして構ってほしそうにしながらもみんなに遠慮する姿なんかは今すぐにでも抱きしめてあげたくなるほどだ。
 あの時は嫌がった、というよりはまだ恋心を告白していなかったというのもあり、羞恥心の方が上回っていたんだと思うが、今ならしっかりと抱きしめてあげられそうだ。
 それに夜限定だとは思うが、あれほどのギャップを垣間見えたのもとても良かった。
 普段恐ろしい程真面目で礼儀正しく、それでいてみんなよりも一歩退いた位置からみんなの背中を見ているようなユリが、自分の欲望に忠実になり、ただの獣のように求めてくる様はまさに圧巻だった。
 本人的には是非忘れてもらいたい記憶なのだろうが、その恥じらいも含めてとても可愛い。
 ヒトミは基本的にとてもミステリアスな雰囲気を醸し出している。
 付き合いが長くなるにつれて段々と落ち着いていき、持ち前の美しさを自覚しているのか、凛とすました態度を見せる。
 長く美しい蛇体を常に程よく首を持ち上げ、スルリスルリと静かに自分のペースで進む姿はまさにロイヤルポケモンの名に相応しい優雅な社交界へ訪れたご令嬢のようだ。
 なのに三匹が揃うとその優雅さが随分と減り、みんなと居る時だけに見せる出会った頃と変わらない無垢な笑い顔はとても可愛い。
 ヒトミも割とこそこそと僕に構ってもらいたそうに体をこすりつけることが多いのもまた可愛く、脇の下から撫でてもらいたそうに目配せするのが思わずこちらまで微笑んでしまうし、撫でてあげると耳がピコピコと跳ねるのもとても可愛い。
 また好奇心が人一倍強いのか、道行く様々なものに気が付くと興味津々の可愛らしい表情になり、大きな体で傷つけたりしてしまわないように、しかしじっくりと観察する姿はとてもギャップがあって可愛い。
 また夜に関しては意外かもしれないが、ただのスキンシップの方が多い。
 普段できないような全身を巻き付けてのスキンシップが多く、その美しい蛇体を綺麗に拭いてあげたあとに全身を撫でてもらうのがお好みらしく、ほとんど常に耳をピコピコと動かしている姿は本当に甘えん坊で可愛らしい。
 時折、僕がバトルレコーダーの動画を確認しながら勉強をしている間、ヒトミからしたら何の面白味もないであろう動画を僕と一緒にじっと見ていることも多く、集中してみている様子はとても可愛い。
 苦しくない程度にギュッと全身を抱きしめ、僕の頭の上に自分の顎を乗せて、一緒に普通にテレビを見たりすることもある。
 そして肝心のセックスの時もとても可愛らしく、三匹の中で一番好きなようにしてくる。
 体格的にも僕は抵抗することができないのでどんなことを無理矢理してもいいのだが、以前とは違いそこまではしない。
 身動きができない程度には絡みつき、獲物を締め上げて呑み込んでゆく狩猟のような交尾そのものはあまり変わらないが、貪るというよりはねっとりと時間をかけて呑み込んでゆくような長い長い快楽を愉しみ合うような交尾を好むようになっていた。
 実を言うとヒトミとのセックスが一番、体力的には優しい。
 唯一やたらと前戯や性知識への人間的な理解の側面が多く、本人も好んでいるせいというのもあるが、お互いにあまり負担が掛かりすぎない愉しむためのセックスを初めの頃からしてきたからだ。
 モンスターボールに記録される情報はどう頑張っても捕まえた日か譲り受けた日からしか記録されないため、彼女達の過去がどういったものかは想像する域を越えることはできない。
 だが、真面目で外交的なのにえらく触れ合うことに関しては内向的なユリや、落ち着きを放つ振る舞いをしているのに、何処か子供っぽさが抜けないヒトミのそういった何処かちぐはぐな性格を考えれば、決して口に出せるような美しい過去だけではないだろう。
 そう考えるとやはりどうしても甘やかしてしまいがちになる。
 今までがもしも辛い人生を送っていたのだとすると、僕と共にいる間だけでも沢山笑って欲しい。幸せを思う存分味わって欲しい。
 誰かの幸せを望むことはあったとしても、誰かの幸せを呪うようにはなってほしくない。
 だからかは知らないが、みんながふと微笑んだり、恥ずかしそうにじゃれてきたり、思いっきり笑ってくれたり……そうしてくれるだけで僕も幸せになれる。
 ……少しぐらいみんながコンテストに出ても間違いなく一等賞を獲れると思う程度には親バカでも許されて欲しい。
 とまあ、どうにもならないことでうんうんと唸っていた。
 実際はそれだけではないが、一番大きな問題は誰か一匹だけ。
 とてもではないが僕には選べない。
 誰が一番可愛いなど言うまでもなく、皆個性的で唯一無二の可愛いところを持っている。
 なのでそれは一旦置いておいて、一先ずみんなにコンテストでの技……アピールと呼ばれる技の出し方を教えようと考えたが、これもどうにも勝手が違う。
 技にはどういった状況をどう有利にしていくのかしか考えていなかった自分には、技毎にそのポケモンが持つ魅力を最大限まで引き出すための動きであるという考え方は頭に入ってきにくい。
 更に公式ガイドブックを熟読してゆくと、技毎に引き出せる魅力としての加点ポイントも違い、どういった魅力があるのか、どういったタイミングで、どういった組み合わせをすると映えるのかと書かれても理解が追い付かない。
 そもそも技とは止めどなく繋げるような流れなのではないのか? という考えが拭えず、技と技を組み合わせて別の技にするのかと思うとそういうわけでもなく、技1を使って技2をより映えるようにするような、謂わば技の足し算や掛け算のような使い方がどうしても文面だけだと分かりにくい。
 悩んでいても一人では物事は好転しないと考え、街の中にある広場へ向かうと案の定バトルするポケモンだけではなく、コンテストに向けて特訓中だと思われる、華やかなアクセサリーを身に付けて誰と戦うわけでもなく一匹で激しく動き回るポケモンの姿が散見された。
 流石に特訓しているようなポケモン達は、衣装も相まって派手な動きがよりポケモンの可愛さを引き立てるようにする動きも美しく、見ているだけで広角が上がるほどだ。
 しかし感心するばかりではなく、実際に目の前で見ることで技の組み合わせの意味が直感的に理解もできた。
 一匹のミミロルを見ていたが、そのミミロルは特徴的な綿毛に星形のカラフルな飾りを付けており、同じく星形の子供向けアニメで使われていたと思うスティックをてに持たせていた。
 そして技の方はまず『アンコール』。
 見ているとその合いの手を求める動きはあまりあざとすぎず、自然とこちらも手拍子をしてしまうような可愛らしさがあり、そのまま流れるようにスティックを持った手を振り上げ、短い指をピンと伸ばしてそのまま流れるような動作で『このゆびとまれ』を使い、一気に視線を集めてから『しっぽをふる』を使いだしたが、その動きはまるで踊るように軽やかで、本当にアニメのヒロインが踊っているかのようだった。
 演技が終わると自分も含め、周囲からは拍手が沸いていた。
 行儀良くそのミミロルはお姫様のように綿毛をちょいとつまんでおしとやかなお辞儀をし、それに合わせるようにトレーナーも手を横に大きく広げ、胸に手を当てて深く頭を下げていた。
 確かに組み合わせることによって技同士が相乗効果で動きを可愛らしくしていたが、この中にはずっと練習してきたであろう、技には本来ない動きも含まれていた。
 ポケモンの魅力を競い合うコンテストということで油断していたが、これにもポケモンコーディネーターと呼ばれるプロがいるほどの競技であることを失念していたため、自分の浅はかな気持ちが恥ずかしく感じる。
 しかし僕にも辞めるという選択肢はない。
 レベルの高さを目の当たりにしたのならば、逆に言えばそのレベルに追い付けるよう努力すればいいという指標が出来たということでもある。
 ならば俄然やる気が出るのが僕だ。
 できないことなどない。それはルナ達が僕に教えてくれたことでもある。
 教本にはルナ達に覚えさせている技の項目にだけ目を通し、すぐに鞄に仕舞い、そういった演技を一旦止めて休憩しているポケモンとコーディネーターの人達に声を掛けてゆく。

「流石に初心者に今からにわか仕込みの演技は無理だと思うよ。俺もあんまり余裕ないし」
「ごめんなさい! 私もまだ初心者で! 寧ろ私が教えて欲しいです!」
「あー……ごめんね。僕もまだ教えられるほどしっかりと演技が固まってないし、うちの子以外の演技を考えられるほど余裕もないんだ」
「まあ、そうですよね。無理を言ってすみませんでした」
「あっ! でもいい人なら知ってるよ! 僕もちょくちょく教えてもらってる、ここら辺では有名なコーディネーターの人なら多分、事情を説明すれば教えてくれるはずだよ」
「本当ですか! どうもありがとうございます!」

 流石に無理かと思っていた矢先、一人のコーディネーターがそんな情報を教えてくれた。
 なんでもその人はこの街で一番のコーディネーターらしいのだが、そんなことを感じさせないほど誰にでも対等に接する素晴らしいコーディネーターなのだという。
 早速その人に連れられて公園の端、一層の人混みができている方へ向かっていった。

「はいっ! じゃあ今日の講義はここまで! また今度時間ができたらここでみんなに教えてあげるわね」
「あ~っ……!! 遅かったか……」
「えっ! もしかして今の講義でしか教えてもらえない感じなんですか?」
「う~ん……どうなんだろう。基本的には教えてくれないし、カナエさんも忙しい人だから時間を作るってのは難しいだろうね……。ごめんね! もっと早く移動しておけばよかった」
「いえいえ。教えていただけただけで十分ですよ。こちらこそ練習中にご迷惑をお掛けしました」

 どうやら今、群衆の真ん中にいた人物がカナエさんという、この街一番のポケモンコーディネーターの人だそうだ。
 タッチの差でそのお目当ての講義は終了してしまい、既にその場にいた人たちは随分と散っていた。
 自分とその親切なコーディネーターとでお互いに頭を下げあってから別れ、無理を承知でカナエさんに声を掛けることにした。
 カナエさんは整った顔立ちに長く腰まで届く紺色の髪の毛、白の上着と薄ピンクの服、濃いベージュのズボンを着こなし、相対的で纏まってはいるが、目立ちすぎてもいないとても綺麗な女性だった。

「あら? あなたも私のお話を聞きに来たの? だとしたらごめんなさいね。丁度今終わっちゃったの」
「あ、はい。こちらの方から聞いたので事情は分かっています」
「あら! タツキくん! 調子はどう?」
「教えてもらったんですが……。残念ながらあんまり目に見える成果は出てないですね……。申し訳ないです」
「う~ん……私の教え方が悪かったのかしら? それともタツキくんに合ってなかったのか……。まあでも謝る事でもないし、私の教えた方法が絶対だなんてことはないんだから! アレならすぐに自分流でアレンジしてもいいのよ!」

 カナエさんは淑女という言葉がよく似合う女性だったが、喋りだすとカラカラと笑ったり、タツキくんと呼ばれた僕の事をここまで連れてきてくれたコーディネーターの背中をバシバシ叩きながら激励したりと、見た目とは似合わず明朗でさっぱりとした性格の人だった。
 真っ直ぐな言葉とその人柄は確かに多くの人に愛されるであろうことは分かりやすく、タツキさんが僕が何故ここに来たのかを簡潔に説明すると深く頷きながら話を聞いてくれた。

「なるほどね……完全な初心者ならまずエントリーするポケモンはどんな子?」
「実はそれすら決まっていなくて……お恥ずかしいことですが、僕では誰か一人だけ選ぶなんて事ができませんでした……」
「あら! いいことじゃない! あなたでは選べないほどみんな魅力的ってことなんでしょ? それに、そのコンテストでよく見るからってだけで育ても手入れもしてあげていない子を自慢気に紹介するような初心者もいるんだから」

 そういってカナエさんは僕の手を取って満面の笑みでそう言った。
 ダメ出しの一つでももらうと思っていたのでその言葉は少し嬉しかった。

「それで、意気込みとしてはどれぐらい? プロトレーナーを目指してるって聞いたし、別に記念参加でも私は嬉しいわ。是非コンテストの素晴らしさを色んな人に伝えて欲しいし」
「それなんですが……出来ることならやれるところまではやってみたいです。コンテストって、てっきり品評会みたいなものだと思っていたので、こんな半端な気持ちで望むのは失礼だと感じました」
「いい心掛けじゃない! それなら私も厳しく採点するわよ? じゃ、早速手持ちのポケモンを見せてごらんなさい」
「えっ? この後ご予定があるんじゃ……」
「大丈夫よ。雑誌用の撮影があるだけだし、うちの子達なら一発OK出してくれるから、多少遅れても問題ないわ」

 僕の目から見れば、公園で練習をしていたポケモン達もコーディネーター達も十分目を奪われるほどのレベルに達していると思ったのだが、彼等ですら現状の自分に満足していないようなのが本番のレベル。
 そう考えると現状できる限りの事をして、本気でぶつかるのが礼儀というものだろう。
 だからこそ、ここで誰が選ばれてもきちんと従い、他の子達には悪いが説得してその子だけを出す。
 タツキさんにお礼を言ってから別れた後、そう心に決めてからみんなをボールから出してカナエさんに見せた。
 みんなを見たカナエさんの表情は真剣そのもの。
 じっくりとみんなの目を見たあと僕の方へ振り返った。

「あなた本当に素人?」
「えっ? はい。数日前にポスターを見て初めて知ったレベルの素人です」
「今まで色んなポケモンを見てきたけれど、元々コーディネーターを目指してる人以外でここまでハイレベルなポケモンは私初めて見たわ」

 その言葉がお世辞で言っていないことは表情と声のトーンからすぐに分かった。
 嬉しい反面、見ただけでそれだけの事が分かるカナエさんのプロとしての実力が垣間見え、こんな人達がせめぎ合う舞台に飛び込もうとしていたのかと戦慄した。

「確かにトレーナーのポケモンも手入れはきちんとしてあるの。でも、ここまでしっかりと手入れが行き届いたポケモンは早々いないし、これなら後は似合うアクセサリと立ち振舞いさえ教えてあげればすぐにでも一次審査は合格ラインに到達できるわね」
「えっ? バトルみたいなのじゃなくて審査なんですか? それにもしかして一次審査では技は披露しないんですか?」
「……本当に知らないんだ。ちょっと今日一番の衝撃。一次審査はポケモンが持つ魅力のみを審査員達が判定して投票するの。技もなければ指示もなし。トレーナーはただ審査用のお立ち台にポケモンを出してあげるだけ。今回の大会は世界大会が近いのもあって、飛び入り参加、初心者OK、プロから素人までが参加するお祭りみたいな大会よ。一応私も参加するけれど、今回の目玉はどちらかというと、私達既にプロコーディネーターをしている人達のポケモンよりも、あなた達新人や初心者の中にいる未来のトップコーディネーターを早い内に発掘するのが今大会の目的なの。だから二次審査である本戦の出場枠はこの規模の大会だと多めの十枠で、二枠がプロ、四枠がセミプロ、二枠がアマチュア、で最後に二枠がビギナー枠。正直、あなたのポケモンのレベルだと卑怯なレベルだけれど、あなた達が選ばれる枠は必ずこのビギナーの二枠になるわ」
「そこまでなんですか? 確かにこの子達はポケモンですが、この子達はメスなんですから女の子なら少しでも綺麗でいたいと思うでしょう? バトルをしてくれるのだから、代わりに僕はこの子達が少しでも女の子らしくしていられるようにしてあげたいだけなんです」
「へぇ~……。あなた折角なら今からでもコーディネーターを目指してみない? きっとプロになれるわよ」
「えぇ!? 今のでプロになれるんですか!?」
「あくまで心掛けの話なんだけど、トレーナーでもコーディネーターでも、自分という存在がいて、自分がポケモンを選んで、そのポケモンを自分の描く理想へ育て上げるという考えが多いの。まあ、言ってしまえばごく普通のことなんだけれどね……」

 普通の事と言われ、自分の最初の頃を思い出した。
 確かに僕も最初は、優れたトレーナーとは完璧な指示でポケモンを動かし、ポケモンの力を最大限引き出すものだと考えていたが、あの日マコトさんやあのトレーナーの人に言われ、大切な事は何かを思い出させてくれた。
 テレビに写るような一線で活躍するトレーナーは皆、完璧な指示を出し、ポケモンを完璧に動かしているように見える。
 実際僕の目にもそう見えていた。
 でも実際は違い、ルナとただ楽しく遊んでいた頃と何も変わっておらず、『お互いがお互いの気持ちを考えている』という大切で簡単なことの積み重ねなのだと今の僕なら分かる。
 僕はルナだけではなく、ユリもヒトミも信頼しているし、この子達が何かを望むのならば、全身全霊で応えたい。
 そしてポケモン達は僕が思っている通りに考えたり動いてくれはしない。
 ポケモンにだってやりたいことがあって、信じたい願いや譲れない気持ちがある。
 僕の理想を押し付けるのではなく、きちんと話して理解してもらい、その上でポケモンがやりたいと決めたことを僕が手伝う。
 形は違えど、ポケモンにだって何がトレーナーのためになるのか探りながら色んな事に挑戦しているのだから、互いの譲れない思いを話さなければ分かり合うことはできない。
 そう考え、旅をし、沢山のトレーナーとバトルをしながら沢山笑って沢山悔しがって……泣いたり喧嘩したりしてもっとお互いの事を知って、みんなと漸く信じあえる仲になれたと僕は思っている。

「難しい事だと思いますよ……。ポケモンはみんな素直で、優しくて……そしてとても無垢で傷つきやすいんですから……。僕達の気持ちを言わなくても分かってもらえると思ってしまう。実際、僕もそうでしたから」
「でも切欠があって、きちんと自分を反省して、ポケモンと人間の本当の関係性に気付けた。……切欠はなんであれ、やっぱり時代を引っ張ってゆくような人間はみんな同じ。ちゃんと大切な仲間の事を考えられる優しい人。うん! 益々気に入った! あなた今すぐにでもコーディネーターに転向しなさい! 私がみっちり教えてあげるから!」

 結局、何とかして断るのにかなりの時間が掛かってしまった。
 ありがたい言葉ではあるものの、夢を途中で投げ出すようなことをしたくないとはっきり言って、漸く納得してくれた。
 また、それに続けるように今回の大会に向けての間だけ、断ったのにも拘わらずマンツーマンで教えてくれることをある条件と共に約束してくれた。
 その条件と言うのが、この先旅を続ける中で出会った人達に、この大会で感じたコンテストの素晴らしさを伝えて欲しいというものだった。
 ポケモンコンテストは世界大会が開かれるほど規模が大きいのにも拘わらず、知名度はトレーナーと混同されるほどに、皆なんとなーく知ってはいるがしっかりと知らないというような感じだ。
 ポケモンの活躍できる場は既にバトルや探索など人間のサポートだけに留まらず、映画に舞台にコンテストに……と既にポケモンを主役にした一大興行となっているほどポケモンそのものの素晴らしさにスポットを当てている場は多い。
 この先、もっとポケモンの魅力に気付き、世界をもっとポケモンにとっても人間にとっても素晴らしいものにしたいとカナエさんは力説してくれた。
 その思いやポケモンも楽しめる世界というものは僕にとっても夢のある話だったので、もちろん快諾し、あっという間に大会に出すポケモン選びまで始めてしまった。

「今回の大会は『かわいさ』。なら……ユウヤくん。この子達の名前を教えて」
「あ、はい。えっと……右からルナ、ユリ、ヒトミです」
「ありがとう。それじゃ改めて……ルナちゃーーん!! おいでーー!!」
「アブッ!!」

 カナエさんが満面の笑みでルナの名前を呼んで手を広げると、同じように満面の笑みを浮かべて、ルナはダッシュでカナエさんの方へ向かった。
 そのままカナエさんはルナを抱き締めて頭を撫でてあげたあと、そのままルナにお礼を言って僕の元へ戻っていいよと伝えた。

「それじゃ今度はユリちゃーーん!! おいでーー!!」
「ル、ルァン」
「大丈夫大丈夫。ユリ、別にただ選んでるだけだからルナみたいに走っていっていいよ」

 ユリは先程と同じように両手を広げて待つカナエさんを見て、少し困惑した表情を浮かべてから行っていいのか僕に聞くような目で見てきたので、そう伝えると困惑したままカナエさんの方へ向かった。
 ユリはルナのように飛び込むことはせず、少し距離のあるところで足を止めた。
 しかしカナエさんは特に何も言わずにユリに急にごめんねー! と謝ってから同じように僕の元へ戻っていいと伝えた。

「それじゃ最後にヒトミちゃーーん!! おいでーー!!」

 ヒトミは返事らしきものはせず、いつものように自分のペースでしゃなりしゃなりとカナエさんの方へ向かった。
 ヒトミか目の前まで来ると、抱きつきはせず、優しく頭を撫でてお礼を言い、同じように帰るように伝えた。

「うん! この子達の中なら間違いなくルナちゃんね! もう今日は時間もないし一先ずここまで。明日は一日忙しいから明後日またこの公園で、同じぐらいの時間に会いましょう」
「あれだけで分かったんですか!? 凄いですね……」

 僕があっという間にカナエさんがエントリーするポケモンを選んだのに驚いていると、カナエさんは笑った。
 なんでも、ただポケモンの性格を見ただけだと伝えたが、あんな一瞬で分かるものなのかと結局驚かされただけだった。
 その後はカナエさんは急ぎ足てその場を去っていったが、それほどギリギリまで僕のために付き合ってくれたのはなんだか色々と申し訳ない。
 しかし、お礼もそこそこに去っていく際、結果で返してね! と言われた以上、もう手を抜くことはできない。
 その日は自分もすぐにホテルへと戻り、早速コンテストに向けた勉強へ切り替えていった。
 翌日は早めに動きだし、まだ購入していなかったコンテスト用のアクセサリーの買い出しへ向かった。
 一応みんなに選ばせたが、やはりあまり興味を示さなかったため、店員にアドバイスをもらいながら選んでいき、少し長めの帯紐がついた赤いリボン型の髪留めと、同じく赤に金の刺繍の帯が両端に入ったアームバンドを四つ買い、シンプルに瞳の色に合わせた白と濃紺の色合いに映える赤のワンポイントで纏めた。
 店員の方にも言われたのだが、初めてポケモンをドレスアップするのであれば、あまり飾りは派手にしすぎない方がいいらしい。
 というのも、ポケモン自身もそういったアクセサリーを身に付けての派手な動きは慣れていないため、気が散ったり、アクセサリーが外れたのに気が付かずに踏んだりして大きな怪我の原因になりやすいそうだ。
 十分慣れてきたらポケモンに合わせて派手なアクセサリーに変えてみたり、そのままシンプルなアクセサリーの数を増やしていけばいいとアドバイスされた。
 一先ずは購入したアクセサリーをルナに身に付けさせ、付けている感覚に慣れてもらうために暫くは公園でみんなで遊んでもらった。
 遠目からたまに確認するが、白い体毛にさりげなく、しかししっかりと目に飛び込んでくる赤のアクセサリーは良い感じにルナに馴染んでいるように見えた。
 暫く見ていたが、ルナもそれほど邪魔になっていないのかほとんどいつも通りに過ごしていたため、折角ならと簡単な立ち振舞いの練習も進めることにした。
 翌日からはカナエさんのコーチのもと、本格的な演技や魅力を最大限引き出せる待機や歩き方を教えていき、僕にはどういう指示があるのかや今ある技での組み合わせ方の指南、演技中の僕の立ち振舞い方も教えてもらった。
 驚いたのはまさか僕まで綺麗な立ち方を心掛けねばならないといったところだろう。
 だが、同時に本当に主役はポケモンであり、トレーナーはその引き立て役なのだとよく分かった。
 ルナの足を引っ張らないためにも、僕が頑張らなければならない。
 そんな意気込みで毎日練習している内にあっという間に大会の日がやって来た。
 出来ることはしっかりと練習してきたはずだ。
 落ち着いて望もう。
 そう自分に言い聞かせながら自分のエントリー番号の書かれたネームプレートを受け取り、会場へと入っていく。

「ユウヤくん。是非頑張ってね! 本戦で競い合うことになったら私も勿論手加減しないからね!」
「はい! 全力でルナを魅せてきます!」

 会場でカナエさんにお礼を言いに行くと、同じように激励を返してくれた。

「それでは次はエントリーナンバー58番、アブソルのルナちゃんとユウヤ選手です!」




 モンスターボールの中から、周りの割れんばかりの拍手と同じぐらいの音で高鳴る自分の心臓の音を聞いていた。
 私はユウヤが大好きで、ユウヤが大好きなバトルもいつの間にか私自身も大好きになっていたから、まさかユウヤと共に戦うのではなく私が主役になる日が来るとは思わなかった。
 練習通りにモンスターボールから出てくればいいのだけれど、とても緊張する。

「よし……! ルナ! オンステージ!!」

 ボールから飛び出した私は予定通り空中に飛び出しており、急いで体を捻って宙で一回転してから着地し、満面の笑みを浮かべて右前足と左後ろ足をピンと伸ばしてポーズを決めた。
 すると途端に周囲から感嘆の声が漏れ、まだ飛び出しただけだというのにチラホラと拍手が聞こえてきた。
 緊張していたけれど、その緊張すら忘れさせてくれるほど周りの人達は驚くことに、私を見て目を丸くしているのだから本当に気分がいい。
 あまりにも嬉しくなってそのまま笑顔を絶やさずに司会者の指示に従ってその場にちょこんと座った。

「それでは審査員の方々はルナちゃんの採点をお願いします」

 司会者がそう言ってから少しの間、会場はまたざわめきに溢れ、暫くすると私の番の終了の合図と私をボールへ戻す指示がユウヤに出され、短いデビューが終了した。
 そして次にボールから出たのは割とすぐで、出演を終えた側の席ですぐにユウヤは私を出して一緒にその後の出演者を見ることになった。
 残りの人数はそれほどいなかったのだけれど、数名のポケモンを見ていてもやはりその子達も可愛らしく着飾っており、私と同じか私以上に可愛く見えた。
 全員の審査が終わると少しの休憩を挟んで、会場内の大きなモニターに本戦へ出場できるメンバーが写し出される。
 こんなに願うようにモニターを見つめるユウヤの姿は本当に久し振りに見た気がする。

「あった! あった!! ルナ! ほら! 九番目!」

 飛び上がるように立って、私をぎゅっと抱き締めるユウヤの姿もプロトレーナーの認定試験に合格した時以来かしら?
 素直に喜ぶユウヤを見て私も嬉しくなるけど、それ以上に久し振りに自分から私に頬擦りをしてくれたのがとても嬉しかった。
 そのまま二次審査へ進んだメンバーは数百人の待つステージの裏側へ移動し、最後の調整を行う時間が与えられた。
 待機室にあるモニターには既に一次審査の比ではない人数の観客が、今か今かと開始を待っており、それを見ただけで尋常ではないほど緊張する。
 今までにここまでの大人数に注目されることなど経験したことがない。
 たまに賞金目当てで参加する大会でもここまでの人数と熱気は体験したこともない。
 その上、バトルの時と違って対戦中はその視線を忘れられるけれど、言ってしまえばその観客達がこの大会での対戦相手。
 とてもではないけれど意識しない方が難しい。
 もしも演技を失敗したら笑われてしまうのか、その時の矛先は私に向くのかそれともユウヤに向いてしまうのか……。
 どちらでも恐ろしい事だけれど、考えれば考えるほど悪いことしか思い浮かばない。
 ユウヤも慣れない環境で余裕がないのか、ずっとぶつぶつと大丈夫、大丈夫、と繰り返している様子はどう見ても大丈夫ではない。
 安心させたいけれどはっきり言って自分も不安でしかたがない。
 笑えている自信がない状態でユウヤを励まそうとしても不安を煽るだけなのは分かりきっている。

「お邪魔するわね! とりあえず本戦出場おめでとう!」
「カ、カナエさん! ありがとうございます! カナエさんのお陰で僕は今ここに……」
「はいストーップ!! 私じゃないわ。ルナちゃんのお陰でしょ? そしてルナちゃんと一緒に頑張ったあなた自身の実力! 誇りなさい! 威張り散らしなさい! あなたは自惚れて良いほどの才能の持ち主なの! ……って考えれば多少はスッキリするんじゃない? あなたもルナちゃんも」

 急に待機室に入ってきたカナエさんはユウヤの言葉を遮って、決して反論を許さないような気迫でユウヤにそう言った後、にっこり微笑んで見せた。
 ユウヤもハッとしたような表情を見せてから私の方を見て、漸くいつもの顔に戻った。

「ごめんねルナ。不安にさせちゃったね。でももう大丈夫。バトルの時と同じだよ。やれるだけの練習はしたんだ、結果に拘らずにいつも通りの僕達を見せつけよう!」
「もちろん!」

 カナエさんはわざわざ私とユウヤを励ますためだけに来たらしく、伝えることを伝えたらさっさと自分の待機室へ戻っていった。
 そしてそれほど時間を置かずに私とユウヤの出番であることをスタッフが伝え、準備をしてついてくるように指示した。
 今度は私はボールへ戻すように指示はせず、ユウヤと一緒についてくるように伝えられ、まだ演技中の歓声が聞こえるステージ裏へ移動した。
 ステージ裏からでも聞こえる会場を包み込むほどの拍手と歓声が、私達の前の出演者の演技が終わった事を告げる。
 完成も鳴り止み、司会者らしき人物の声が会場全体に響き渡り、前の出演者の激励と審査員達の評価と声が移ってゆき、最後に私たちの出番を告げた。

「それではどんどん行きましょう! エントリーナンバー58番! アブソルのルナちゃんとユウヤ選手の登場です!」
「よしっ……! 行くぞ! 練習の成果を全部出し切るんだ!」
「……うん!」

 少し駆け足でステージへ進み、ユウヤが私の斜め後ろに、そしてステージの真ん中に私が立ち、目が眩むほどのスポットライトを浴びながら沢山の拍手と笑顔のシャワーも浴びた。
 すると以外にも私の中にあった不安はその沢山の笑顔に掻き消され、私の心に代わりに湧き上がったのはその人達の期待に応えたいという思いだった。
 何故だかは分からないけれど、自然と私の顔はいつものような自然な笑顔が出来ていたんじゃないかしら。

「それではアピールタイム……スタート!」
「よし……! ルナ! サイコカッター! そして電光石火だ!」

 ユウヤの指示を聞き、すぐに練習した内容を思い出す。
 流石に猛練習したとはいえ、三週間程度の練習内容を息をするように思い出すことは難しい。
 必死にあの時の動きを思い出しながら角へエネルギーと意識を集中させる。
 ユウヤと私が長い間練習を積んで作り上げた特殊なサイコカッターは、私の意思で自由自在に角に纏わせたまま伸ばしたり縮めたり、普通通り撃ち出すこともできる。
 全体の長さを角より少し長めにし、角よりも僅かに大きくして全体を綺麗な紫のベールが包んでいるように見せる。
 その状態が完成したらすぐさまいつも通りの鍛えたフットワークでステージを縦横無尽に走るのではなく、飛び回る。
 暫くもしない内に私の軌跡を追いかけていたであろう観客たちの歓声が聞こえ始め、練習の成果が無事に発揮できていることを告げてくれた。

「おおっと! これはなんとも綺麗なサイキックのオーロラがルナちゃんの走り回る後に見事に形成されていくぞぉ!」

 流石はコンテストの司会者。私がやったことを観客にも分かりやすく伝えてくれるおかげで、演技にだけ集中することができる。
 体を捻って飛んだり、空中で一回転したり、後ろへ向かって飛び上がって前足から着地したりと、とてもいつものバトルではしないような文字通り電光石火の動きをしていたと思う。
 余計なことを考えるとどちらかを失敗してしまいそうだからあまり考えないようにしながら、できる限り一度通った軌跡を通らないようにしていく。

「何重にも形成されたサイキックパワーのベールがなんとも美しいですねぇ」
「ルナちゃんの動きもバトルによって洗練されたしなやかで美しい動きですし、モノトーンに映える赤色がまた別の軌跡を描いているのが素晴らしい!」
「いやぁ好きですねぇ」

 十分に走り回ったところで最後に中央へ戻り、息を整えつつその場で回転し、光の帯を周囲に展開させる。

「これは……! なんと紫のオーロラの中にルナちゃんが隠れてしまう! まるで今から変身でもするかのように全く見えなくなってしまったぁ!」
「ルナ! 悪の波動!」

 司会者の言葉に合わせるようにしてユウヤからも次の段階への指示が聞こえてきた。
 角に集中させていたエネルギーを止め、放出したエネルギーを具現化させてその場に放置する。
 そしてそのまま今度は体全体へエネルギーを集中させて足元から悪タイプ特有の怒気のような波紋を広げてゆく。
 ただ、いつものように広げていくのでは駄目。これも練習した時のことを思い出しながら形を形成してゆく。
 十分に力が溜まり切ると、イメージした形の通りに波導を展開させて周囲のサイコカッターだったものを巻き上げてステージの中空へ打ち上げる。

「おおーっと! なんと悪の波動に周囲のサイキックパワーが巻き上げられてゆく! これはぁ! まるでブーケ! 黒と紫の渋いコントラストが奏でる見事な悪のブーケだぁ!!」
「見せ場だ! ルナ! シャドークロー!」

 ここまで上手くいけば後はそれほど苦労しない。
 といっても常日頃バトルで鍛えていないと、自分が出した技が彼方に飛んで行く前にその技を『自分で打ち落とす』のは骨が折れるわ。
 前足の量の爪に影を纏わせて、体を捻りながらブーケの真ん中へ飛び込み、悪の波動もサイコエネルギーも綺麗に動きを止めた。
 そうすれば後は弾けるのみ。
 私が中央を突き抜け、その後ろで弾けた波動のエネルギーが音を立てて周囲へ切り裂かれたサイコエネルギーを撒き散らす。

「こ……これはぁぁあ!! なんと見事なハートマーク! 舞い散るエネルギーが綺麗な花吹雪のようだぁぁあ!!」

 煩いと感じるほどの司会者のその実況は私とユウヤが必死に作り上げたコンテスト用の必殺技の成功を告げていた。
 ユウヤ命名、その名も『ハートを射抜く小悪魔(ハートショット・チーキィ)』。
 ……正直この名前ってユウヤが私を見て決めたんじゃないのかな?
 ユウヤと過ごす甘い夜の時は、時折ユウヤがびっくりするようなイタズラをする。
 首筋を舐めたり、耳を甘噛みしたり……。
 その度にユウヤは嬉しそうに笑いながら「この悪い子め」と私に言ってくるのだけれど、絶対にそういう意味が含まれている気がする。
 そんなことは一旦忘れ、着地して舞い散りながら消えてゆく技のエネルギーの花吹雪の中でしっかりと胸を張ってニッコリと微笑んだ。

「とても綺麗で可愛らしい技の組み合わせですね! とても初参加とは思えません!」
「悪タイプという、かっこよさを連想させやすい下地を使い、見事にギャップのある可愛さを演出しましたね」
「いやぁ好きですねぇ」

「エントリーナンバー58番、ルナちゃんとユウヤ選手の演技でした! 最後にもう一度、盛大な拍手を!」

 大歓声と割れんばかりの拍手を浴びて、私とユウヤの初めてのステージは大盛況で幕を閉じた。
 ……だけだったらよかったんだけれど、その後の次の出演者の準備を整える間の審査員の言葉で、私もユウヤも真剣になりすぎて、可愛さを決める大会だったのに終始バトルの時と同じ気迫と顔で演技をしていたことを指摘され、笑顔も審査対象であることを終わった後に思い出したのはとても悔しかった。
 その後は緊張しすぎたことと、慣れない演技で疲れきっていたせいか、あっという間に全ての出演者の演技が終了し、結果発表の時間となった。
 優勝は勿論というか流石というか……カナエさんとそのパートナーであるハクリューが、審査員から大差をつけての一位の評価を受けていた。
 準優勝、三位も同様にプロを目指している本職のコーディネーターの人達とそのポケモンだったのは流石だし、流石にほんのちょっとの練習で表彰台に上がれるとは思ってもいなかった。

「そして最後に健闘賞がエントリーナンバー18番、マネネのリンちゃんとリリィ選手。エントリナンバー58番、アブソルのルナちゃんとユウヤ選手に送られます!」

 本当に予想もしていなかったから、どんな形であれ、ステージの上でもう一度スポットライトを浴びた時は本当に驚いたわ。
 なんでも、出場者の中で表彰には惜しくも届かなかったけれど、今後の伸び代を評価して、今大会で最も頑張っていた人に贈られる賞だそうだ。
 リンちゃんとリリィさんは若干一三歳で既に小さな大会でなら優勝経験があるほどの希代の精鋭だそうで、確かにその幼さに見合わない堂々とした姿が印象的だった。
 私とユウヤは完全なトレーナーで一切の経験がない状態で出場し、それで会場を沸かせるほどの演技を見事に完遂したため評価されたそうだ。
 ……もしかして、私ってそんなに可愛いの? とちょっとだけ自惚れてもいいかもと上機嫌になったのはここだけの話。
 参加賞の小さな髪飾りととっても甘くて美味しいと評判のアマサダというおやつ! そしてこれまた健闘賞の小さなトロフィーとリボン、そしてなんとアマサダだけではなく、アローラ地方の銘菓マラサダの五種詰め合わせセットも貰えたの!
 大会は楽しかったし、一緒に出られなかったユリやヒトミ達も一緒に楽しめるおやつも沢山手に入ったし、忙しかったけれどとても楽しかった日はあっという間に過ぎていった。

「今日はルナは大健闘だったね! よく頑張ってくれたね! 可愛かったよ!」
「止めて止めて! ユリ達の前でそれを言われるのはなんかすっごく恥ずかしい!」
「あら、いいじゃない。本当に可愛いんだし♪ 髪飾りも似合ってるわよ?」
「可愛さという点では天然なところも含めて私達では勝てないな」
「なんかムカつくけど止めて!」
「私のはいつかの仕返しだ」
「私のはただの便乗よ~」
「あーーーっ!! 顔から火が出そう!」

 その日はみんなでホテルで賞品のマラサダを分けて食べたけれど、正直みんながそれほど出れなかったことで落ち込んでいなかったのが知れてホッとした。
 聞いてみればユリは恥ずかしくて無理と答えるし、ヒトミはああいうのは苦手と予想外の答えが返ってきた。
 結局初めから出るのならば私しかいなかったということはよかったのだけれど、逆に言えば乗り気だったのは私だけというのは本当に自分が可愛いと自惚れているような気がして恥ずかしい。
 それもこれも普段からユウヤが私の事を可愛いと褒めてくれるせいだ。

「それにしても本当に良かった。きちんと練習したおかげでルナの可愛さがみんなに知ってもらえたよ」
「ヤメテッ!! それは本気で思っているとしても今は言わないで!」
「ひゅ~」
「流石はルナさん。魅せつけてくれるな」
「あの時のことは本当に謝るから止めてぇ!!」

 ユウヤのこういう所は大好きだけれどちょっとだけ苦手だ。
 ユウヤは心に思ったことを決して隠さない。
 素直に褒めてくれるのは嬉しいのだけれど、それを言われる側は恥ずかしさで死んでしまいそうなほどだということを自覚して欲しい……。
 でも、こうもユリにやったことを仕返されるとあの時のルナの気持ちが手に取るように分かる。
 みんなが本当にみんなのことが大切で大好きなのだと。
 そう考えるとやはり沸き上がってくるのは、恐らくあの時のユリと同じ劣情だった。
 バレても別にかまわないのだけれど、こういうのは雰囲気も大事とユウヤが言っていたし、流石に今はみんなにしっかりとバレるので、ユウヤがベッドに入った時にこっそりアピールをしておいた。

「ふふっ……。駄目だよ、また明日」

 口では断ったけれど、明日ならいいという意味でもあるし、なにより普段のユウヤにしては珍しく、自分からディープキスを少しだけしてから眠った。
 こういうことのメリハリはしっかりとつけるのがユウヤだったから少しビックリしたし、この感じなら明日はかなり期待できそうね。




 興奮冷めやらぬコンテストの日々から一日、この日は違う意味で朝から興奮が抑えられなかった。
 今までなんとか有耶無耶に認識していたけれど、やはりこの衝動にも似た感情をこれ以上無視することはできない。
 ルナにとって僕はとても大切で特別な存在であることは知っているし、理解しているつもりだ。
 だけれど僕にとってのルナは大切なパートナーで、大切な家族で、大切なポケモンなのだと考えるようにしていたが、僕はルナをポケモンとして見ていないのがよく分かった。
 昨日までのルナとの特訓の日々は今日、カナエさんにお礼を言って別れた時点で終わりを告げたが、この日々で膨れ上がったルナへの可愛いという思いは今もなお増してゆく。
 ルナは何処の誰よりも、どんなポケモンよりも可愛くて、美しくて、素敵で……そして愛しい。
 この感情はルナへの愛だが、それは家族へ向ける愛を既に越えて、世界でただ一人の愛しい彼女へ向けた最上級の好意のそれだ。
 ユリやヒトミには悪いかもしれないが、ルナへのこの想いを越えることは決してないだろう。
 そんなことを考えながら過ごしていると、かなり気が先走っているのか昼を過ぎる前に既にテントを立ててしまった。
 本当なら昨日の夜の時点で致してしまいたいほどだったが、普通のホテルで色んな人に迷惑を掛けるわけにはいかない。
 既に気持ちは悶々とした思いでいっぱいいっぱいだったが、だからこそ気持ちを落ち着けた。
 こういうことは雰囲気というのが大事だ。
 昼間からセックスをするためだけにテントを立てて致したのでは、それが初めから目的で別にルナと一緒に過ごす時間はどうでもいいと言っているようにしか聞こえないのは僕が嫌だ。
 暫くはご飯を作ったり、みんなで食べたり、買っておいたおやつを少しだけみんなで食べたりとして心を静め続けた。
 けれどもう日が落ちた時点で耐えきれなくなり、いつものようにテントに入ったふりをしてセックスの準備を始めた。
 どうやらルナも耐えられなかったのか、いつもなら日が落ちて暫くするまでテントに入ってこないのに、今日はまだブランケットを敷いたりする準備すらできていない時点で入ってきた。

「ごめんね。中で待ってていいけど少しだけ待っててね」
「アブッ!」

 バタバタと準備を済ませる間、ルナは隅っこの方で行儀良く待っていてくれた。
 準備を終えてルナの方を振り向くと、ルナはにっこりと微笑み、そのまま僕の方へは向かわずに僕の荷物をゴソゴソとして何かを探す。
 振り返ったルナが咥えていたのはコンテストで使った頭飾りだった。
 それを受け取ってルナの頭に着けてあげると、お礼とばかりにキスをしてくれた。
 ここまで待った甲斐があったというものだ。
 ルナはコンテストの時と同じぐらいの『美しさ』で唇を重ねた後、時折脳裏を掠めたあの妖艶な笑みをその姿で浮かべてくれた。
 今の彼女は僕にとってただひたすらに妖艶な美しさを放っている。
 すらりと引き締まり、極上の絹のような体毛の中から覗く濃紺の肌、そして紅い瞳と赤いリボンがその美しさを全体的に引き締めている。
 小悪魔のように舌を出して広角を上げ、キスを求める彼女のその顔は僕を昂らせるには充分すぎた。
 どちらからでもなく舌を絡め合わせ、彼女の美しい毛の滑らかさを指で楽しむ。

「早速だけど……今日はどんな風にしたい?」
「フルル……」

 僕の言葉に答えるようにルナは膝から飛び降りてこちらに背中を見せたまま、彼女の期待で待ちきれなくなったと言わんばかりに濡れた花弁を見せつけるように尻尾を横へずらし、視線だけをこちらに送っていた。
 いつもならゆっくりと服を脱ぐところだが、これほど興奮している状態でそんな姿を見せられてとろとろと脱いでいくはずもない。
 あっという間に服を脱ぎ捨てて、膝立ちでルナの後ろに立った。
 ペニスの先端と彼女の花弁が触れ合った時点で甘い刺激が走り、そのまま彼女の中へと滑り込んでゆく。
 挿っていく先からきつすぎず、しかし心地の良い膣壁が絡みついて僕のペニスを包み込んでゆく。
 いつもならルナの方は僕の体力に合わせてもらうために既に余裕のある状態ではなくなっているが、今日は前戯をするほど僕に精神的な余裕がなかったため、逆に挿入した瞬間の実に満足そうな表情が見れたのはいいことだったかもしれない。
 一番奥までペニスが挿りきると彼女は変わらずペニス全体を優しく包み込んで、小さく息を吐きながらその余韻を愉しんでいた。
 いつもならそこからルナに一声掛けて動かし始めるところだが、今日は何となくそのまま彼女の背中をなぞるように体を重ね、左手で体を支えながらルナの頬を指で軽く撫でた。
 指が触れたのに気が付くと彼女は目を開いてこちらを見つめ返す。

「綺麗だよ……ルナ……」

 思わず言葉に出すと、驚きを表情とペニスを締め上げる膣内で表現してくれた。
 少し気恥ずかしかったのか彼女は一度目を逸らしたが、体はグイグイと僕の方へ押し付けてきた。
 膣内もグイグイと締め付けてきてただ挿れているだけでもとても気持ちが良かったが、このままでは何もしていないのに果てそうだったためそっと元の姿勢に戻り、彼女の腰を優しく掴み動かし始める。
 僅かに動かしただけでグチュッと卑猥な水音が聞こえ、ペニスの全体が水気を帯びるほど彼女も興奮しているのがよく分かる。
 半分ほど引き抜いた時点で彼女がまた体を僕の方へ押し付けてき、またペニスが彼女の中へ飲み込まれてゆく。
 その思いに応えるように引き抜くのを止めてまた中へと挿れてゆく。
 するとまた彼女の中がキュッといい反応を示し、恍惚とした表情を浮かべる。
 それを見ていると今日だけは明日の事など考えず、今この瞬間を彼女と愉しみたいと思う気持ちの方が優った。
 トルクエンジンのようにゆっくりと速度を上げながら次第に腰を打ち付けるようにギュッギュッと一気に中へ付き込むように動きを変えてゆく。
 グチュグチュという音がペニスを伝わって体全体に響き渡っているように聞こえ、それをかき消すように打ち付ける腰の乾いた音がパンッパンッと響き、悲しいことにあっという間に限界を迎えてしまう。
 既に出してしまいそうなほどペニス全体の刺激が増幅しており、動きを緩めるかどうするか考えていたが、今日だけはそうしないと考えたことを思い出し、ルナの腰をぐっと持ち上げる勢いで掴み、一気に奥まで挿れた。
 不意打ちだったせいかルナの中も呼応するようにギュッと締まり、僕と共に絶頂を迎えてしまったようだ。
 ドクンドクンと彼女の締め付けさへも押し返す勢いで彼女の中で僕のペニスが跳ねているのがよく分かる。
 そのまま脱力せずにルナの柔らかな胸毛をかき分けるように撫で上げ、胸の辺りでぐっと力を込めて彼女の体を持ち上げた。
 そしてそのまま僕はその場へあぐらをかいて座れる姿勢にしてルナをしっかりと抱き上げ、膝の上にギュッと背中を抱きしめたまま乗せた。

「キューン! キューン……!」
「フフ、ごめんね。今日はなんだか僕もルナに気持ち良くなってもらいたくて仕方がないんだ。こんなに綺麗で美しくて、そして可愛いルナなんて見たことがなかったから」
「キューーン!!」

 抱き上げた姿勢のせいなのか、それとも言葉のせいなのか、ルナの締めつけがより一層きつくなる。
 お腹の辺りを撫でるとギュッとお腹に力が入り、さらに膣内がきつくなってゆく。

「可愛いよ。ルナ」

 ギュギュッと締め付け、声にならない悲鳴を上げてルナは更に僕の上で絶頂を迎えた。
 意外だったけれど、ルナはどうやら言葉が苦手なようだ。
 優しく撫でながら口元をルナの耳の辺りまで近づけ、同じような事を甘く囁く。
 その度にビクンと体が跳ね、あまりに気持ち良すぎるのか涙や涎でグチャグチャになった顔をこちらに向けて口元を求めて下を伸ばしてきた。
 ペニスは既に彼女の中で元気を取り戻していたため、そのまま軸にして体全体をグイと回して顔を見合わせるとすぐに彼女の貪欲な舌が僕を求めて滑り込んでくる。
 しっかりと受け入れたまま彼女を押さえる手にしっかりと力を込めてゆっさゆっさと揺らすようにしてそのまま二回戦を始める。
 自重も加わったことによりペニスは先程よりも更に深くまで刺さり込んでいた。
 一度出してそのまま回復したせいもあり、既にペニスははちきれそうなほどで痛みすら発していたが、今の僕にはそんなことは些細な問題でしかない。
 呼吸をするために一度口を彼女から離し、腰を動かすペースも早めていく。
 必死に呼吸を整えながらまた甘い言葉を囁くと、彼女は嬉しさと恥ずかしさからか顔を一旦逸らしてから唇を重ねてきた。
 そのまま珍しく舌を僕の口へは滑り込ませず、唇から頬、頬からこめかみの方へ向かってゆっくりと舐めながら進んでゆく。
 それに合わせるように僕も彼女の胸元に顔を埋める。
 優しい陽の光と石鹸の匂い、そして彼女の若干の獣臭さが僕の心とペニスを滾らせてくれる。
 その時に不意打ちのように僕の耳に激しい水音が鳴り響いた。
 その音はディープキスの時と同じように脳の奥まで響き渡る。
 彼女が僕の耳を舐めているのだ。
 キスの時とは違うグチュグチュという響き渡るような音とそのこそばゆさはとても心地が良い。
 お返しとばかりに彼女の頬を舐める。
 すると彼女もすぐに頬を舐め返す。
 少しの間互いにグルーミングのようにお互いの顔を舐めていたが、それすらもできないほど呼吸が乱れてきた。
 最後には獣のように声も殺さずに激しい呼吸をしながら更に快感を高めていき、彼女の中へドクドクと精液を放っていった。
 流石に休憩も挟まずに続けざまに二連戦は体力的にも応えるため、彼女をゆっくりとブランケットの上に預け、吐精が終わったのを見てからぬるりとペニスを引き抜き、そのまま彼女の横に横たわった。
 そのまま彼女の頭をあやすように優しく撫でていると、彼女もかなり疲れていたのかとても満足した顔でそのままゆっくりと目を閉じてすやすやと寝息を立て始めた。

――翌日、若干の倦怠感はあったものの、動き始めるには十分な体力が復活していた。
 最後のバッチにコンテストに全員との密な関係……とこの一月程はかなり濃密な時間を過ごしたが、それも今日までで一旦区切りとなる。
 全員分の朝食を作って一先ずみんなで食卓を囲んだあと、全員に僕のとある決心を伝えた。

「みんな……。これから僕達は僕にとっての夢の舞台だったポケモンリーグの会場を目指そうと思う。それに関係のある話として……パーティに関してはこのままで行こうと思う。本当ならもっと手持ちのポケモンを増やして、みんなの負担を減らしてあげたい。でも今からもう半年もない期間でみんなと肩を並べられるほど新たな仲間を鍛え上げられる自信がないんだ。これは僕のエゴでもあるし、みんなへの僕の信頼でもある。きっと辛い思いも沢山させると思う。それでも僕についてきてくれるかい?」
「アブッ!」
「ルァン!」
「ローダ……」

 みんなの返事を聞いて安心した。
 今度こそ、僕のこの思いは独りよがりではなかった。
 決意を秘めたみんなの瞳を一人ずつしっかりと見つめ、しっかりと立ち上がってもう一度みんなを、自分自身を鼓舞した。
 目指すはポケモンリーグの会場、この街からだと結構な距離があるため、トレーニングをしながら今から移動すれば丁度いいぐらいだろう。
 そう思い、すぐに移動する準備を整えてゆく。
 遠くに見える街を背に、僕はまた森の中へ進んでゆく。
 野生のポケモン達との交流や他のトレーナーとの出会いと別れ、そして三匹での擬似バトルで互の弱点を補い合いながら僕自身も指示の早さと精度を上げてゆく。
 そしてここでコンテストに出たことが僕にとっていい経験となった。
 技を使って牽制し、本命の技を当て、怒涛のラッシュで相手を仕留めきるというのが戦闘スタイルだった僕の指示に、技を使ったコンビネーションを使って追い詰めてゆくという考え方が思い浮かべるようになった。
 牽制からの攻撃では必ず僕の動きは後手になってしまう。
 同じように様子を見ながら遠距離攻撃を主軸に戦うトレーナーとの対戦の場合、近寄りきれずに負けることが多々あったが、その解決方法が見えてきた気がする。
 みんなには更に複雑な技の使い方を覚えてもらわないといけないため、もっと苦労を強いることになるが、誰一人として嫌な顔をせずに僕の考えた技の使い方を覚え、トレーニングを続けてくれた。
 例えばルナの場合は、サイコカッターを元々本来の用途である飛び道具と、角に纏わせたまま使う太刀のような使い方の二種類を教えていたが、そこで更にコンテストの際に覚えた最古エネルギーの帯をバトルにも取り入れることにした。
 帯状にした場合、本来の用途のような攻撃性が無くなり、本当にその場に紫の帯が漂うだけになるが、ルナはこれまで防御用の技を持っていたことがなかったため、これを防御として使えないかと考えた。
 攻撃性はなくとも、固着させればエネルギーの膜にはなる。
 コンテストの際に使用した自身の周りに幾重ものサイコエネルギーの幕を展開した技をルナに使ってもらい、球状にした防御膜を展開した状態でユリに最大まで溜めた波導弾を打ち込んでもらう。
 狙い通り強力な波導エネルギーはサイコエネルギーの膜と触れ合った瞬間にけたたましい音を上げて干渉しあったが、遂にはサイコエネルギーの膜が波導弾を遮りきり、斜め上へ逸れて飛んでいった。
 そうそう何度も使えるような技ではないが、敵の強力なエネルギー波による攻撃が来る際のとっておきの隠し玉にはなる。
 それと電光石火を移動技として使用した高速かつ強力なシャドークローの使い方、もう一つあるとすれば、大会の間ルナがサイコカッターのエネルギーを自在に扱う練習をずっとしていたため、打ち出した後のサイコカッターの弾道を少しだけなら変えれるようになったことだろう。
 ユリは元々戦闘スタイルがカウンターからの連続攻撃が強力だったが、同じように戦闘スタイルに柔軟性を持たせようと考え、まず波動弾に着目した。
 ユリは波導を捉える力がルカリオの中で見ても更に強いのか、波導弾の扱いがかなり長けている。
 そのため、一度に巨大な弾を作れるなら逆に複数の小さな弾も作れないか聞いてみたところ、若干苦戦はしたものの、散弾のように四方八方へ炸裂する特殊な波動弾を体得した。
 ここまでは僕が想像した使い方だったのだが、波導のトラウマを克服したユリは波導で捉えた敵に対してその散弾を全て誘導させるという冗談じみた使い方までも披露してくれた。
 それと別にたまたまヒトミと見ていたテレビ番組に出ていた空手家が披露していた合気道というものを覚えていたため、その動画をユリに見せてみたところ、まだ動画ほどの綺麗な流れの動きには程遠いが、カウンターがただの迎撃用の技としてではなく、相手をいなしつつ、その勢いに乗せた一撃を加えられる更に強力な技へと変化した。
 そこでユリはポケモン用の技の考察とは別に、人間の格闘家が使用している体捌きを見せて覚えさせた方がいいことに気付いた。
 ユリもポケモンであるということを前提に考えていたが、三匹の中では体型が最も人間に近い。
 ならばポケモンの体の動かし方の指南書もいいかもしれないが、格闘家の指南書の方がユリにはいいと考え、そういった練習用の動画をいくつか購入してユリに与えたところ、メキメキとその実力を伸ばしていった。
 ヒトミは今までバトルをほとんどしてこなかったのが逆に功を奏したのか、新しい技の使い方をあまり抵抗感なく覚えていき、あっという間に別の使い方まで昇華してくれた。
 グラスミキサーは本来、敵に与えるダメージよりも視界を奪うのが優秀な妨害用の技だが、瞳にとっては唯一の遠距離技でもある。
 そのため、遠距離戦での主力としても使用しなければならないこの技は特に汎用性に特化させておきたいと考え、変化を考えたが、三匹の中で最も短期間で技の変化を完成させた。
 普段は擂り鉢状に展開する木の葉の嵐をほぼ真横に伸ばしきった攻撃型の円形。
 上空にいる敵に対して猛威を振るうよう、細く長くして更にミキサーの回転速度を増した鞭状のグラスミキサーはかなりの精度でヒトミの意思通りに振り回せるようになり、ほとんどヒトミの尾の延長線のようになっていた。
 更にギガドレインも使い慣れたのか遠距離へのトラクターレーザーのような使い方が可能になり、ヤドリギの種は地面に落ちた後、任意のタイミングで発芽させられるようになったため、僕のパーティでは貴重な遠距離アタッカー兼ジャマーとして急成長してくれた。
 戦力として考えるならばこれ以上ないほどにみんなは僕の期待を上回ってくれただろう。
 そして勿論僕自身もそんな急成長したみんなに引けを取らないよう全力で学んだ。
 何も一匹だけで戦い続けるのが戦いではない。
 交代のタイミングも研究し、万を越える戦いの記録を確認し、立ち寄った街のトレーナーセンターで必ずアドバイスをもらい……できることはなんでもやってきた。
 そうして旅を続けていく内、ついにポケモンリーグの会場となる地から最も近い街を今日、発った。
 街の中は既にリーグが近いこともあり全体的に張り詰めた空気が漂っていた。
 とてもではないが公園をバトル目的で利用するものは一人としておらず、トレーナーらしき人物は全員目を伏せて歩いていた。
 当然だ。僕もこの大会が近い時期に手の内を明かしたくなどない。
 数ヶ月前からは対戦も避けていたけれど、開催地の傍ともなるとトレーナー同士の会話すらなくなっていた。
 それほどに全員が真剣で、全員がまだ見ぬライバルに備えているということでもある。
 僕も大会に向けた最後の買い出しをかなり大量に行い、若干手の内を明かすことにはなるけれどみんなにも荷物を運んでもらって街を去っていった。
 森の中も僕と同様に余計な接触を避けたトレーナーがそこかしこでテントを立てているのが見える。
 本来ならば僕もこの辺りで立てたいところだが、ルナたちとの夜の関係があるためこんな人気が多いところではちょっと無理がある。
 そのため暫くは向かってきた道を戻っていき、多少は人影が疎らになった所まで移動し、テントを立てた。
 大会エントリーの受付が開始するまではここで暫く過ごすこととなるため、生活に必須となる水場の近くを確保するのも慣れたのはなんだかんだ言って僕もあの頃からとても遠くまで来たのだと実感する。
 立て終わったテントの傍に座ってパンを少し取り出して齧りながら遠くを眺めていると、みんなもお腹がすいたのか僕の前に集まっていた。
 間食のつもりでパンを齧っていたのだが気が付けば時間も昼を過ぎていたため、少し遅い昼食の準備を始めることにした。




 ユウヤちゃんに枯れ枝を集めてくるように頼まれるのももうこれで何度目かも覚えていないほど、私もこの生活に慣れていた。
 昔の記憶はどれほど思い出しても全てが同じテープを何度も巻き戻して見ているかのように差異がないのが逆に特徴的で忘れられないけれど、もっと言えばそれほど毎日が無味無臭で本当の意味で同じ日々の繰り返しだったのをよく覚えているわ。
 今の日々は確かに慣れて、同じような毎日が続いてはいるものの、『全く同じ日』というのは一日も存在していない。
 毎日が新鮮で、楽しいことがあって、興味を引かれるものがあって……普通の人生というものを味わった人からすれば私の人生というものはありふれた一ページにしか見えないのかもしれないけれど、私にはそのありふれた毎日がとても幸せでかけがえのないもので、そういった日々か胸の中の虚空にもほど近かった穴を埋めていってくれた。
 私はルナちゃんやユリちゃんと毎日話しているから当然知っているけれど、私自身ユウヤちゃんに出会えて本当に良かったと今なら心の底から思えるし、そう思えるほどの人生を与えてくれたことには感謝という想いではとても表現できないほど私は救われた。
 幾つまであそこで無味無臭の日々を過ごしたのかすら分からないけれど、そんな日々と今の日々を精算しても十分にお釣りが来る。
 ……こんな風に色々な事を考え、思考や知識を巡らし、知らないことに興味を持てるようにしてくれたのは他でもないユウヤちゃん……と言いたいところだけれど、切欠を与えてくれたのがユウヤちゃんで、数え切れない程の疑問と興味を与えてくれたのはユウヤちゃんも含めた私の周りにいるみんな。
 本当なら私も素直に感謝して、お礼の一つや二つでも言って一緒にわいのわいのと騒いでみたいところだけれども、それは何となくルナちゃんの特権のような気がしてならない。
 それになんとなく、今までが何も知らなかったからこそ、無知だからよく分からずに一緒になって楽しんでいると思われたくなくて少しだけ物事を斜に構えてしまう。
 言葉を言葉のまま受け取らず、どういった意味を込めて発せられた言葉なのかをきちんと咀嚼し、間違って捉えまいと理解してから言葉を発するようになってからはルナちゃんに口数が減ったと少しだけ心配されてしまったこともあったかしら?
 私の昔のご主人様も投げかけてくる言葉そのものはユウヤちゃんと同じだった。
 とても甘く、優しく、言葉を荒げることもなく物腰そのものはとても柔らかだった。
 まあ当然といえば当然でしょうね。
 私には自分の思い通りに動くようになってもらわないと困るのですから、思い通りに操作するならば簡単な方法は二つしかない。
 洗脳か調教か……物心着いた頃には既にご主人様と常にジメジメとした澱んだ空気が充満する、朝の来ないあの部屋しか知らない私は調教するよりは洗脳してしまった方が早かったというのもあるのでしょうね。
 私の世界はあの薄暗い一室とご主人様とよく分からないご飯と毎日の逢瀬だけで構成されていた。
 外など知らないからそのカーテンの先に行こうとも思わなかったし、ご主人様を締め上げて逃げ出そうなんてことも考えたことなど微塵もなかった。
 無知は罪である。と高名な誰かが謳ったらしいけれど、身を持って私は知っている。
 知らないということは恐ろしいこと。
 私はあの日々は軟禁されていて、ご主人様の性処理の道具にされていて、誰かが知ったのならすぐにでも同情と救いの手を差し伸べてくれる場所だと考えることすらできないほどに無知だった。
 まあ唯一ご主人様が失念していたことは、私がもしも進化してしまったのなら、ご主人様よりも大きく強くなってしまうということかしらね。
 おかげで私はご主人様の真似事をして貪るように逢瀬を過ごし、そして捨ててもらえた。
 でも生きる知識は何も知らない。
 運良く捨てられた森には自分が食べていた食事と同じような臭いのする木の実が沢山実っていてくれてよかった。
 もしもあの時、木の実が実っていなかったのなら、私は餓死していたのかしら?
 それならまだましだったかもしれない。
 これはルナちゃんにもユリちゃんにも話していないことだけれど、私はユウヤちゃんと出会う前に一人のトレーナーと出会っている。
 その時も私は抑えきれない性衝動に突き動かされてトレーナーとその手持ちのポケモン達を襲った。
 初めはトレーナーに襲い掛かり、逃げるよりも早く彼の陰茎にしゃぶりつき、あっという間に私の陰唇で……と言いたいところだけれど、私の陰部は総排泄腔、つまり人間や哺乳類の特徴を色濃く持つポケモンたちとは違い、一つしかない穴の中へ彼の陰茎を飲み込んでゆき、長い時間を掛けて沢山射精してもらう。
 蛇は執念深いなんて言うけれど、そういうわけではなくて単純に体が大きい上に長く、私のような爬虫類の特徴を色濃く持つポケモンは交尾はするけれどあまり激しい交尾はしない。
 何日も掛けて長い体の奥深くにある子宮まで沢山の精子を流し込んでもらわないといけないこともあるため、刺激することはあれどあまり体力を使うわけにはいかないから刺激する以上のことは本来は求めない。
 けれどこれはあくまで自然での話。
 一度でもトレーナーの手元に居て、そういった性事情を体験したことのあるポケモンは感性が大きく狂ってしまう。
 より激しく、より情熱的に、より興奮してより長く交尾をし続け、より深く相手との愛を確かめるのが正しいのだと勘違いしてしまう。
 その行為こそが『愛』であると間違って覚え、私のように愛を貪ってしまう。
 その時の私には急に知らない土地に放り出され、頼っていた唯一の人も失ったことへの喪失感と寂しさというものを理解できていなかった。
 だからこそ人間を見つけた時にはまず愛するのが私の中での普通だった。
 愛とは互いに与え合うものではなく、とりあえずするもののような感覚だったわね。
 必死にトレーナーの人はもがいていたけれど、それが抵抗だとは微塵も考えなかった私は三度ほど連続して吐精を促していたと思う。
 既に人間の体力では限界を超えているような状態。
 身の危険を感じたトレーナーは必死にボールを取り出してポケモンを繰り出した。
 出てきたのはその時の私には初めて見るポケモンのラグラージ。
 ポケモンというものを初めて見た私はその出てきた謎の生物に興味を示した。

「ラグラージ! この変態から早く助けてくれ!」
「変態? お前俺のマスターに何やってんだ?」
「あら、喋った。何って楽しいことよ? 最近私ずっとしてもらってなかったからこの人と一緒に楽しいことしてるの♪」

 その時の私は交尾のことを『楽しいこと』としか教わっていなかったからそのままの言葉で答えた。
 丁度動きが止まっていたこともあり、私がラグラージのご主人様に何をしているのか気付いた途端に顔から血の気がサッと引いていき、急いで私に掴みかかって引き剥がそうとしてきた。
 とはいえ私は蛇。とてもではないけれど単なる腕力で引き剥がせるほど力は弱くないし、単純な絡みつき方もしていない。
 グイグイと私の尻尾を引っ張っている内に彼の陰茎が私から引き抜かれ、プチュッという音を立ててラグラージの体にも愛液と精液の混合液をかけた。
 恐らく交尾がしたくて堪らなかった私からは強烈なフェロモンが分泌されていたとは思うけれど、露わになった私の穴と滴る精液を見てラグラージは顔を赤らめながら顔を逸らした。
 引き抜かれたのが気に食わなくて急いでまた入れ直そうと視点を自分の尻尾の方へ動かした時、ラグラージの股間からもムクムクと初めて見る人間以外の陰茎を見つけた。
 ポケモンとしての本能なのでしょうけれど、今捕まえているぐったりとしたトレーナーよりはラグラージの方が当然ながら逞しかったため、私が開放した形にはなるけれどラグラージはご主人様のオーダー通り私を引き剥がすことに成功した。
 そして代わりにと言わんばかりにあっという間にそのラグラージの体に巻き付き、身動きを封じて股間を尻尾で弄る。

「バッ……! 止めろ! 俺に何をする気だ!」
「何って楽しいことよ。あなたの方が凄そうだし」
「や、止めろバカ! 俺には心に決めた人が……!」

 勿論彼の言葉など聞く耳も持たず、その純粋なラグラージの既に見事に露出し勃起した陰茎に尻尾から沿わせてゆき、一気に奥深くまで飲み込んでいく。
 ラグラージは声にならない悲鳴を上げ、初めての衝撃で頭が真っ白になって抵抗することもできなくなった状態の彼を尻目にジュップジュップと音を立てて初めてのポケモン同士の交尾をした。
 人間で慣れていた私はその不思議な感触を楽しみながら卑猥な水音が辺りに聞こえるほどの速度で上下させてゆく。
 童貞だったラグラージは三擦り半とまではいかなかったけれど、五、六回目ぐらいの時点で体全体をガクガクと震わせながら私の中へ濃厚なポケモンの精液を放ってきた。
 初めての女性体験が恥ずかしかったのか、それともこんな貪るような交尾に初めての経験だったのにも拘らず、すぐにイっちゃったのが悔しかったのか知らないけれど、大きな両手で顔を隠して何かをブツブツ呟いていたと思う。
 私は交尾自体に慣れていたし、交尾に対してこれといった感情も持ち合わせていなかったため、そんな状態の彼を無視するようにグラインドを再開する。
 するとその動きに合わせて体を大きく逸らしながら腰の辺りをビクンビクンと跳ねさせ、次々と私の中へ精を吐き出し続ける。
 その様子が面白かったのと、思った通り人間では決してありえない勢いで出し続ける精液の感覚が心地良かったため、そのままグチュグチュと動かし続けた。
 人間よりも大人しく、人間よりもずっと精を出し続けてくれるラグラージは私にとってはかなり魅力的だったため、その場にトレーナーが転がっていることをすっかりと忘れていた。

「ラ、ラグラージ……! 戻れ!」

 突然真っ最中だったはずのラグラージの姿が消え、私の体と快感だけが残り、ポッカリと先程までそこに太い男根が刺さり込んでいたことを示す私の穴からゴポッと音を立てて沢山の精液が溢れ出したことと、訳の分からないことが一変に起こったせいで少し甘い刺激で惚けていた私の頭は何が起きたのかを判断しようとすることができなかった。
 突如消えたラグラージを探している間にトレーナーは急いでその場から逃げたのか、既に近くには見当たらなかった。
 それが一回目。
 逃げ出したトレーナーが何かしらの警告を街の方で流布したのだとは思うのだけれど、次はトレーナーに出会うことはなく、また股間が疼き始めるだけの期間が空いた頃に次の標的……いえ、今の私の口からあのポケモンの事を指す言葉を言うのであれば、次のポケモンそして初めての『犠牲者』を見つけてしまった。
 何処からか飛んできたのか、その森の中ではかなり珍しいはずのポケモン……フライゴンだったかしら? そのポケモンに出会ったわ。
 気配を消すまでもなく、私同様トレーナーから捨てられ、野生というものをあまり知らなかったのか、飛びかかった私をそのフライゴンは避けることもできずに固まっていた。

「わぁ!? 何何!?」
「あなたも初めて見る子ね。でも今はそんなことどうでもいいの。私と楽しいことしましょう?」
「え? えっ!?」

 その子も性体験がなかったらしく、今から私に何をされるのか分からず、楽しいことというフレーズと正反対の私の雰囲気に気圧され、なすがままになっていた。
 一応抵抗はしてきたが、絞め殺すほどの拘束ではなかったことと、私の尻尾が股間を優しく撫で回したこととでその抵抗もすぐに弱まっていった。
 初めて見るポケモンではあったけれど、以前のラグラージの経験を経てお腹の辺りから出てくるということを覚えていたため、ずっとさわさわとまさぐり続けていると、漸くフライゴンの陰茎が姿を見せた。

「待って……待って! 楽しいことってもしかして交尾のこと!? 駄目だって!」
「へぇ……交尾っていうんだ。駄目じゃないでしょ? それが雌の幸せで、雄がヤりたいとこなんだし」

 口では駄目だと理性的なことを言って私のことを制止しようとしたけれど、本能には抗えずどんどんスリットから男根が伸びてきて、ラグラージとも違うすらりとしたフォルムになったのを確認したら有無も言わさず私の穴で飲み込んでゆく。
 フライゴンもラグラージ同様声にならない悲鳴を上げて体をビクンと跳ねさせる。
 ジュプジュプと音を立てて好き放題に犯していたけれど、フライゴンの男根はさらに根本に近づくにつれて太さを増していることに気付いた。
 根本までグイグイと押し込んでゆくと、私の穴がこれまでにないほど広げられてゆくのが面白くてずっぷりと飲み込んでは引き抜く動きをずっとしていたと思う。
 当然ながらフライゴンもそんな乱暴な交尾に耐えられるはずもなく、あっさりと私の中へ精液を噴火の如く放っていった。
 脈打つフライゴンの陰茎の動きをしっかりと味わいながら久し振りの交尾に酔いしれていたけれど、フライゴンの方はそれどころではない。
 初めての交尾相手がよりにもよって私だったのが運の尽き。
 その後も休憩を挟まずにひたすらに自分が満足するまでフライゴンを嫐り続けた。
 二桁も出させ続けた頃にはフライゴンも本気の抵抗をしてきだしたけれど、もうその頃には彼には私の拘束を振りほどけるほどの体力が残っていなかった。
 懇願するように止めてと叫び続け、最後には静かに事切れた。
 その時の私には死ぬということが分かっていなかった。
 満足して眠った程度にしか考えていなかった私は、フライゴンの骸をその場に残してフラフラとまた何処かへと歩いてゆく。
 何かを充分に考えられるほど私には知識もなく、本当の意味で宛てもなく彷徨っていたと思うわ。
 ……そして今、私にはそれらの過去が何を意味するのかも充分に分かるだけの知識と常識を得たからこそ、時折あの森のことを思い出してしまう。
 知らなかった。と言えば確かに片付けられるでしょうね。
 でもそれで片付けていいとはとてもではないけど今の私は思えない。
 かといって今の全てを擲ってでもあの森へ戻ることが弔いになるとも思えない。
 だからこそ私は旅を続ける。
 これから先も沢山の事を覚え、過ちをおかさないように。
 そしてあの日々を忘れずに、恩人でもあるユウヤちゃんの夢を支えることが、異常だった私が普通であり続けることが弔いになるのだと私は信じたい。
 まぁ、私が元々好奇心旺盛で、色んな事に興味を示すのは生来のものでしょうけど、それならば得た知識はきっちりと使うべきだとも思う。
 思慮深く、慎ましくあり続けたいのは……半分は私の過去への贖罪と決別でもある。

「ありがとう。これくらいあれば問題なさそうだね」

 集めた枯れ枝をユウヤちゃんの元へ持ってくると、そう言って頭を撫でてくれる。
 もう一つ私の中で変わったことがあるとすれば、交尾をするよりも普通のスキンシップの方が嬉しいと感じれるようになったことでしょうね。
 好きの気持ちは素直な行動で表せるようになった。
 体を擦り付けたり、撫でてもらうために頭の位置を下げたり、あとこれは二人きりになったときだけだけど、優しく巻き付いたり。
 他のポケモンで言うところのハグになると思う。
 ただ私の場合、巻き付いた時に得られる情報は普通のハグよりは多いと思う。
 種族上、巻き付くのは本来獲物を捕らえるとき。
 相手の身動きを封じるために効果的な窒息による気絶や絶命をするために触れ合った箇所の僅かな振動も伝わる。
 肌の温度や呼吸で膨らむ胸部等がまさにその捕獲のために必要な情報なのだけれど、実質野生を経験していない私からすると、それらは好きな相手の身体情報を得るための手段のようなもの。
 相手の心臓の音や肌の温もりを感じると、誰でもとても安心するはず。
 他の子にも巻き付きたいけれど、私が巻き付く理由がじゃれるためではなく、誰かに巻き付くことで安心できるからというのが少しだけ恥ずかしくて、他人が気付かないと分かっているはずなのに、人目を気にしてユウヤちゃんと二人きりの時しかしない。
 そのせいでよく眠るまでの間、映像を見ながらユウヤちゃんに巻き付いているのだけれど、最近は特に強くなった感情がある。
 正直、口に出しがたいけれど……ユウヤちゃんを食べてみたい。
 勿論殺したいわけでもお腹が空いているわけでもない。
 ただ、長い時間肌と肌が触れ合い、体温も心音も呼吸の感触も味わい続けたせいなのか、今では安心を通り越えた先の一体感を感じることがよくある。
 まるで一つの体を共有しているかのように、私の体温も鼓動も呼吸さえもユウヤちゃんに合わさる。
 そんなある日、ユウヤちゃんにしては珍しく、私に体を預けたままスヤスヤと寝息を立て始めたことがあった。
 起こそうかどうか迷っている内に私の中にあのとんでもない感情が浮かんできた。

『もしも本当に一つになれたら……』

 ユウヤちゃんを頭の上から眺め、思わず思考さえもが止まった。
 あまりにも無防備で安心しきったその表情を見つめていると、自然と口はおろか顎まで大きく開けていた。
 その時はユウヤちゃんが寸前のところで寝返りを打とうとしてくれたから正気に戻ったけれど、もしあのままだったら恐ろしいことをしていたでしょうね。
 しかしあの日以来、どうしてもその感情が払拭できなくなってしまった。
 元々興味が出たら答えがでないと気が済まないところがあったせいか、どうなっていたのか、どうすれば安全なのかと考えるようになり始めていた。
 既に心の中では実行する方向で纏まり、誰にもばれないようにこっそりと練習が始まった。
 森の中にたまに実っているとっても大きな木の実を丸呑みにして吐き出す練習を始め、私にとっては慣れない獲物を効率良く呑み込む顎の動かし方と吐き出す練習をもうかなり前から続けている。
 次第にどちらもすんなりと出来るようになったため、今度は呑み込まれた相手への安全性を考える。
 普通に考えて呑み込まれた時点で安全ではないのだけれどそれは置いといて、所謂科学ドキュメンタリーと呼ばれるような番組をユウヤちゃんに選んでもらって、様々な知識と共に人間がどれぐらいの間なら息を止めていられるのかを知ったり、意識を失った際の応急処置等も念のために覚えた。
 人間よりも体力のある野生のポケモンに了承を得てから練習に付き合ってもらおうとも考えたけれども、当然ながら首を縦に振るような奇特なポケモンはいるはずもなく、無理矢理付き合ってもらうことは出来なくもないけれど、そんなことをするのは流石にこれまでの私の経験とプライドが許さない。
 そのため人間はおろか、生き物が私の喉を通ったことはないため、ユウヤちゃんが結局始めてで、ぶっつけ本番になってしまう。
 ふと気が付くと周りには人気もなく、みんなもまだ戻ってきている様子がない。
 多少の不安と好奇心、そして沢山のユウヤちゃんへの可笑しな信頼を胸に秘めてたまに逢瀬に誘う時と同じように今晩のお誘いをこっそりアピールする。
 普通のスキンシップが好きだとは言ったけれど、別に好きな人との交尾が嫌だとも言っていない。
 とはいえ、出会った頃と比べれば月に一、二回あるかないかという回数まで減っていた。
 というよりも撫でてもらったり、一緒に何気ない時間と空間を共有できることの方が私にとっては一時の逢瀬よりも満足できる。
 なんて格好つけて言ってはみたものの、実際は私の中に一抹の不安として昔の記憶が残り続けているからというだけ。
 私にちゃんとした知識が身に付いて、常識というものをきちんと理解してから暫くの間は、私はこの感情に嫌悪感すら抱いていた。
 本能として交尾したい、愛する人と愛を深めたい、子を成したいという思いはすごく自然で素敵なものなのだけれど、私の中で歪められた交尾への理解と言葉にできない拒絶感を払拭するには少しだけ時間が掛かった。
 交尾を求めるという行為そのものが、恐ろしい存在だった私を思い出させるようで、みんなにあんまりにもユウヤちゃんを求めないことで心配されたり、こっそりと他の子達の交尾を覗いたりしていたお陰で、多少はましになったと思いたい。
 それと……何となくユウヤちゃんとなら交尾したいとも思える。
 愛しているのは言った通り、拒絶感が薄れたのもあるかもしれないけれど、ユウヤちゃんはなんというか『交尾をしてくれる』んじゃなくて、『私の愛を受け取ってくれる』感じ……。
 うまく表現できないけれど、私を求めてくれるのではなくて、私が好きだと言ったらユウヤちゃんも御世辞ではなく、自分の言葉で好きだよと言い返してくれるような……そんな嬉しさがある。
 最所は求められることに慣れすぎてて、いつでもどうぞというように待ち構えていたし、逆に自己嫌悪に陥って少しユウヤちゃんを避けてたときも、あの人はいつも変わらず微笑んで、優しく頭と顎を撫でてくれる。
 変わらないものなど無いはずなのに、ユウヤちゃんはずっと変わらずに私に接してくれて、ずっとみんなの傍に在り続けてくれた。
 そんな感じで夜空に浮かぶ月のように見守っているだけなのかと少しだけ不貞腐れれば、ここにいるとでも言うかのように傍に来てくれる。
 だからユウヤちゃんには心を許せてしまう。
 この人の前でだけは、醜態を晒しても気にならなくなる。
 ユリちゃんが暴走してしまったと恥ずかしそうに打ち明けた時、私にも若しもがあっても全て受け入れてくれるのだろうと思えたからこそ、今日私はとんでもないことに誘おうと踏み切れたのだろう。
 ユウヤちゃんはにっこりと笑って、また今夜。とだけ伝えてくれた。
 想像すればするほどどうなるのかが予想できなくて、その日はあんまりご飯が食べられなかったわね。
 夜になって、いつもと同じようにユウヤちゃんの待つテントへと入っていく。
 ユウヤちゃんはやはりいつも通り今日も真剣そのものの表情で映像を見つめている。
 ここ最近はトレーニングはすれど、バトルは全くやっていない。
 そのため流れている映像も何処かの誰かの私では良く分からないバトルばかり。
 まぁ真剣な表情のユウヤが見れるからあまり問題はないのだけれど。
 でも最近は今までよりも更に真剣さが増している。
 それこそ声を掛けるのも躊躇われるほどその眼差しは真っ直ぐで鋭い。
 暫く静かに待っていると、ユウヤちゃんの集中力が切れたのか、それとも見ていた映像が全部終わってしまったのか、どちらにしろ漸くいつもの柔らかい表情に戻って私の方へ振り返っていた。

「あら、ごめんねヒトミ。全然気付いてなかった」
「別に気にしてないわよ。それよりも撫でて撫でて」

 申し訳なさそうにユウヤちゃんは謝ってくるけれど、そんなことよりも撫でてもらった方が嬉しい。
 グイグイとお腹の辺りに頭を突っ込んでじゃれついていると、分かっているとでも言わんばかりに頭と顎の辺りを撫でてくれる。
 それからすぐに全身のお手入れを丁寧にしてもらった。
 霧吹きと決めの細かなタオルで鱗に傷が付かないように優しく、でもしっかりとお掃除してもらいながらついでに頭以外も優しく撫でてもらう。
 尻尾の先端の葉っぱにも霧吹きを掛けてもらい、ハムシが付いていないか丁寧にお手入れしてもらえるお陰で、私の尻尾の葉っぱは一度も虫食いも日焼けもしていない。
 全身をすっかり綺麗にしてもらったら、お礼代わりの熱い包容。
 すっぽりと包み込めるほどの体格差なのにユウヤちゃんは巻き付いた私を同じようにギュッと腕で抱き締めて、また頭や顎を撫でてくれる。
 私の場合は暫くこうやってじゃれあった後、私がユウヤちゃんの首筋を舐めるのを皮切りにして密な時間が始まる。
 長い舌をユウヤちゃんの首に巻き付けるように這わせると、何度やってもうひっ。というなんとも間の抜けた声で驚くのがとても可愛い。
 首筋だけではなく耳や口の中へも舌を忍び込ませると、それぞれ違った反応を示してくれる。
 耳はこそばゆいのか笑い声のようなんふっ! という声を出して身を捩らせようとするが、私に巻き付かれているため勿論身動きはとれずなすがままとなる。
 私はルナちゃんやユリちゃんと違ってディープキスは色々と無理があってできない。
 第一、私はユウヤちゃんよりも大き過ぎるし、普通の子達のように舌を絡めようとしても、相手の口へ舌をいれたり引っ込めたりするだけでクイタランの食事シーンにしかならない。
 かといって口を開けようものならただの捕食シーンに早変わりする。
 だから主に首筋を舐めるのが好きね。
 暫くすると私に拘束を解くように私の胴を軽くポンポンッと叩いてサインを出してくると前戯は終わり。
 拘束から解放されるとすぐにブランケットを用意して服を脱いでゆく。
 服を脱ぎ終わるまでの間に私はその準備されたブランケットの上へ移動し、体を適当に伸ばしてから私の穴が上を向くようにして大人しく一匹の雄になったユウヤちゃんを待つ。

「おまたせ。さて、今日はどんな風にしたい?」

 いつもと変わらない優しい笑顔で私にそう話しかけてくる。
 尻尾でちょいちょいと手招きをし、近寄ってくれたユウヤちゃんの腰へ尻尾を巻き付けて更に引き寄せ、今一度絡み付く。
 そして今度は首筋だけではなく、露になった脇腹や胸も舐める。
 恥ずかしいのか気持ちいいのか、ユウヤちゃんはんんんっ! と口元を押さえながら必死に声を殺すものだから、思わず這わせる舌の動かし方がねちっこくなってしまう。
 脇腹の肋骨と内蔵の境目をなぞるように舐め上げ、そのまま胸板の溝を迷路でもなぞるように舐め、舌先だけで器用に乳首を包む。
 ここまでするとかなり感じているのか、ユウヤちゃんですら陰茎をギンギンに昂らせて時折腰を跳ねさせる。
 あまりやり過ぎるとユウヤちゃんが持たなくなるので適度に休憩を挟みながら胸板の間をなぞって鎖骨へと進み、そのまま首の後ろ側を綺麗になぞりながら絡み付いて反対側の首筋も舐めてゆく。
 そして最後に首筋からそのまま上って行き、顎を舐めた後ユウヤちゃんの顔の下半分を包み込むような私独特のディープキスをしてユウヤちゃんを味わう時間は終わる。
 いつもなら後はユウヤちゃんとゆっくりと逢瀬を楽しみ、お互いに疲れきったところでおしまいなのだが、今日だけはもっとユウヤちゃんの味を堪能させてもらう。
 ユウヤちゃんが荒くなった息を整え終わると本来なら拘束を緩めるけれど、今日はそのまま抱き締めるぐらいの力で捕まえ、遂にユウヤちゃんの意識がある時に頭の上で大きく口を開いた。

「えっ?」

 ユウヤちゃんが次に何かをするよりも早く一気に肩の上までを呑み込んだ。
 そのまま顎を動かしてユウヤちゃんの肩を私の口の中へ送り込もうとしたけれど、それよりも前にユウヤちゃんの手が私に怪我をさせないためか、頭よりも下の辺りをペチペチと叩いて訴えてきた。
 普通に考えてその状況でなすがままでいるような奴はいないでしょう。
 そのまま呑み込んでいくこともできたでしょうけど、どうしてもそういう気にはなれず、すぐに吐き出した。
 当然ながら私の口から解放されたユウヤちゃんは恐ろしいものを見る目で私を見つめていた。

「……もしかしてものすごーくお腹が空いてる……とか?」
「いいえ」
「実は僕のこと憎んでるとか?」
「まさか!」
「……まさかとは思うけど、好きだから?」
「う~ん……その辺りは私も良く分かってないんだけど、多分それが一番近いと思うわ」
「それってどっちの反応?」

 言葉は通じていないから私がしっかりと言い表せない感情を伝えきることは不可能に近い。
 そんな相手に自分の気持ちを伝えるには精一杯の感情と体を使った表現が最も効果的。
 だからこそもう一度優しく抱擁し、頬を舐めてそのままユウヤちゃんの口の中へ舌を滑り込ませてゆく。
 あまり反応の無い口内とユウヤちゃんの舌を滑り抜けて今度はしっかりと瞳を見つめた。
 駄目ならそれでも構わない。
 私の好奇心の答えは多分ユウヤちゃんが教えてくれた。
 好きの一つの形……ユウヤちゃんがそう答えてくれた、受け取ってくれた時点で私の行動の答えは出たも同然なのだから。

「ヒトミ……。一応聞いておくけど、僕のこと食べたりしたら死んじゃうよ?」
「分かってるわ。実態にそんなことにはさせない」
「……そっか。分かった。それじゃあヒトミ、君のことを信じてるからやりたいことをやっていいよ」

 望み薄だと考えていた方の答えが帰ってきて、私は思わず度肝を抜かれた。
 ユウヤちゃんは確かにお人好し。
 それも底抜けに優しくて相手に全幅の信頼を置いて物事を考えてくれるけれど、だからこそ絶対的に駄目なことにはしっかりと否定して怒ってくれる。
 勿論私が今ユウヤちゃんにしているお願いは正に絶対的に駄目なことの領域だと自覚もしている。
 していたはずなんだけれど……私には何故そんなお願いをユウヤちゃんは笑いながらいいよと答えられるのかも、微塵も恐怖を感じさせないのかも分からない。
 こんなもの私の匙加減一つだ。
 もしも私の中の本能が生き物を呑み込んだことによって芽生えてしまったら?
 もしも理性を失わなかったとしても生き物を吐き出すのはぶっつけ本番で、それを失敗してしまったら?
 吐き出せたとしてもタイミングが遅すぎて意識不明になることだって、胃液で溶かされて修復不可能なほどの致命傷になってしまうかもしれない。
 諦める覚悟ができていたからこそ、急に全幅の信頼を預けられたことが全くもって理解できず、同時に何度も練習して自信に変わっていたはずの私の中の確証が全て不安で塗り固められてゆく。
 下手をすれば最愛の人を、私の恩人を、みんなの心の拠り所を喪ってしまうかもしれない。
 きっとこれはユウヤちゃんが私に諦めてもらうためにわざと言っていることのはず。

「正直、ヒトミと初めてであった時のことを思い出して、少しだけ興奮しちゃった。あ、これはルナには絶対に言わないでね。絶対にあの子嫉妬とかしだしちゃうから」

 そう思って見つめ直したユウヤちゃんの顔は微塵も不安など感じさせない。
 ならば覚悟を決めるのも、決して過ちを起こなさいと誓うのも私自身にかできない。
 私も知りたい。
 私の中に芽生えたこの想いとそれに付随するこの感情を……。
 ユウヤちゃんが何故こうも簡単に私の事を信頼し、命を預けられるのかその真意を……。
 密かに心の中で覚悟を決めてからユウヤちゃんにニッコリと微笑んだ。
 正直に言えば私の心情はとても笑顔になれるような状況ではなかったけれど、ここで真顔になられてもユウヤちゃん的にも困るでしょう。
 気持ちを紛らわすためにも本来の目的のためにも一度ユウヤちゃんの方へ私の穴を向けた。
 十分に準備が出来ている私の穴を両手でグイと優しく拡げ、ユウヤちゃんのガチガチになった男根の先端をその割れ目へと滑り込ませる。
 ゆっくりと挿れてきたと思っていたけれど、思っていたよりもユウヤちゃんはグンと奥まで突き込んできた。
 そのまま私の体にもたれ掛かるようにしがみつき、ギュと体を抱き寄せて更に男根を奥へとねじ込んでくる。
 いつもと違いえらく積極的なユウヤちゃんの交尾に思わず私の股間も熱を持つ。
 その熱と僅かに込もる力がユウヤちゃんの雄の部分を刺激したのか、小さく呻くような声で息を吐いた。
 一度ユウヤちゃんの体を巻き付けて持ち上げ、交尾しつつも私が体を支えてあげられるように腰の方に体を軽く巻いたままにする。
 すると私の体にしっかりとしがみついていきなりギュップギュップと音が聞こえるほどの勢いで腰を振り始めた。
 ユウヤちゃんにしてはあまりにも野性的な行為に私も驚きつつ、かなり興奮してしまい、それがさらにユウヤちゃんを興奮させていたでしょうね。
 声も殺さずに必死に私の体を味わっていた。
 生物は死の危機に瀕した時、最も強くなるのは性欲だという話をいつかのユウヤちゃんと見た動画で誰かが話していた。
 自分自身の危機を乗り切れなかった場合を考え、せめて生命のバトンを繋げようとするための本能だと語っていたけれど、今のユウヤちゃんはもしかするとそういう状況なのかもしれない。
 なんとも不思議な話だけれど、今から自分を食べようとしている相手にその命のバトンを渡そうとしているのだから思わず更に心と股間が昂ぶってゆく。
 穴の周囲の筋肉に意識を集中し、下の方からもユウヤちゃんの雄を呑み込んでゆく。
 そうして必死にしがみついているユウヤちゃんの頭の上まで顔を動かすと、ユウヤちゃんは顔をこちらに向けてキスをするような格好、でもこの人に似合わない恍惚とした表情を浮かべてだらしなく口を開けてきた。
 それに答えるようにスッとユウヤちゃんの口に下を滑り込ませてそのまま大きく口を拡げて顔全体を包み込み、私流のディープキスをする。
 ユウヤちゃんの頭をすっぽりと口の中に収め、お互いの舌を絡めて遊んだ後、するりと舌を引き抜いてユウヤちゃんの肩より上を呑み込む。
 口の中にユウヤちゃんの熱く荒い息が掛かるのがとても鮮明に感じ取られ、私の顎の動きに合わせて自分から進んで肩を口の中へ入れてくれているように感じた。
 ついに肩までが私の口の中に収まり、これで本当に呑み込むことができる状況が完成した。
 それに比例するように疎かになっていた私の穴の動きとは正反対にユウヤちゃんの腰の動きは更に激しさを増してゆく。
 でも乱雑ではない。
 寧ろ今までの後尾の中でこれ以上ないほどに繊細に私の気持ちの良い所を刺激してくる。
 グググッとユウヤちゃんに絡めた腰周りの部分に力を込め、肩から下、みぞおちぐらいまでを一気に呑み込んでゆく。
 木の実の時とは比較にならないほど私の喉は大きく押し拡げられ、私の中にしっかりとユウヤちゃんの存在を示してくれる。
 そして不意に私の下半身の疼きが一気に全身へと巡った。
 呑み込まれてゆくほどに激しく、そして的確になってゆく本能的なユウヤちゃんの行為に私があっという間に絶頂を迎えていたのだ。
 これほどまでに鮮烈な快感は今まで体験したことがない。
 にも拘らずユウヤちゃんはまだイっていないのか、更に激しく体がトランポリンで跳ねるようにバチュン! バチュン! と腰を振りしだいていた。
 漸くユウヤちゃんが私へ全幅の信頼を寄せた理由が分かった気がした。
 私が呑み込んでゆくほどにユウヤちゃんをしっかりと意識するように、ユウヤちゃんも私の事を常日頃からしっかりと感じてくれていたんでしょうね。
 私にとってユウヤちゃんはとても大切な人で、愛する人で、掛け替えのない人だけれど、ユウヤちゃんにとっての私や他のみんなは自分の一部。
 替えも効かなければ切り離すことすらできないほど、私達のことを身近に感じてくれている。
 これは私の思い込みかもしれないけれど、そう思いたい。
 それほどに私の心は興奮していたはずなのにも拘らずにとても穏やかで愛おしさに満ちていた。
 更に激しくなる動きと共に、私をしっかりと捕まえていたユウヤちゃんの手に力が込もる。
 それに答えるようにして腰より上までを一気に呑み込んでゆく。
 互いに呼応し合うようにユウヤちゃんは私の中へ一気に精液を放ってくれた。
 激しい脈動が、跳ねるユウヤちゃんの男根が私の肉を押し拡げるほど私の中で暴れまわる。
 押さえ込む私の尻尾すら跳ね除ける程体の力を一点に集中させてドプッドプッと放っていき、そして私の穴から溢れ出すように白濁の線を引きながらユウヤちゃんの男根が引き抜かれ、私の体をなぞって滑り落ちていった。
 それに答えるように残りの部分も呑み込んでゆく。
 腰上から股下までを呑み込み、一呼吸入れながら先に呑み込んだ上半身を更に奥へ送り込み、ユウヤちゃんの精液を口内で少しだけ楽しんでから膝までを呑み込む。
 そしてもう一度体を奥へと送り込み、最後の一呑みと言わんばかりに一気に残りを口の中へ呑み込んでいき、遂にユウヤちゃんの姿は何処にも見当たらなくなった。
 でもまだ終わりではない。
 最後に一気に口を大きく開いて少しでも多くの空気を呑み込んでゆく。
 空気があれば多少なりは苦しさが紛れるはずと考えて一応練習もしたけれど、これがとても苦しい。
 空気というものは本来呑み込むものではないため、体が本能的に誤作動を起こさないように呼吸と捉えようとする。
 それを無理矢理誤魔化して喉へと送り込むけれど、既にあるユウヤちゃんの存在感とあっという間に押し戻されそうになる空気の感覚でとてもではないけれど苦労した。
 でもそれすら何の問題でもない。
 全ては私を信じてくれたユウヤちゃんのためであり、同時に初めてここまで太くなった胴体の中にいるもう一つの『私』の存在のためでもある。
 とても興奮したけれど、心は風一つ無い湖の水面のように穏やかだった。
 圧倒的な存在感が私の中に有り、僅かに私の中で動く感触が鮮明に伝わって来る。
 ゆっくりゆっくりと私の体の奥へ奥へと進むその存在はまさに自分の分身のように愛おしく思え、子供をもしも孕んだのならこんな気持ちになるのではないのかと思えるほど不思議な幸福感に満ちていた。
 でも決して気を緩めない。
 僅かなユウヤちゃんの動きを感じ取り、危険になる前に吐き出せるように構える。
 生物である以上呼吸ができなくなれば誰でも激しく抵抗する。
 その瞬間を決して逃さないために神経を集中させるけれど、それと同時に思わず目を閉じてユウヤちゃんを感じようとしてしまうほどその時間は私にとって至極の時間だった。
 間違いなく今私はユウヤちゃんと一つで、世界中でも私にしかできないユウヤちゃんとの愛の確かめ方をしているのだと夢想に耽ってしまう。
 大きくなったお腹をユウヤちゃんを舐めるように一舐めし、顎を置いてもっとユウヤちゃんを身近に感じた。
 でもそれから一、二分しても反応がほとんど変わらない。
 というよりも寧ろあまり反応がなくなった気がする。
 いくらユウヤちゃんがそこらの人間より鍛えていたとしても、激しい交尾をしながら呑み込まれたのだから限度というものがある。
 まさかと思い、体を大きくユウヤチャンでも怪我をしない範囲で曲げる。
 一切反応がない。
 夢心地から一気に現実に引き戻されるこの感覚は血の気が引くという言葉の通り、音を立てて顔から熱が引いていくのが分かるほどの衝撃だった。
 焦らないように急いでユウヤちゃんを吐き出してゆく。
 練習の時とは比べ物にならないほど難しく、それでも全神経を集中させて体の外へと送り出すように意識してゆくと、漸く喉からユウヤちゃんの足が出てきた感覚が分かった。
 念のためブランケットの上に移動してから尻尾で出てくるユウヤちゃんの体を掴みつつ、頭を打たないようにしっかりと支える。
 太腿辺りまでが出てくると、今度は先程までのキツさが嘘のように体がつられるように私の体の中から外へと導かれ始めた。
 腰辺りまで出てきたぐらいで重力に従って上半身は流れるように出てきたため、支えていたのにも関わらずに思わず怪我をさせそうになってしまった。
 そっと寝かせるけれどやはりユウヤちゃんの意識がない。
 思わず頭が真っ白になってゆく中、頬を尻尾でペチペチと叩いて必死に意識を取り戻させようと試みる。
 やはり意識が戻らない。
 耳を胸元に当てると、最悪の状況を想像していた私とは裏腹に心臓の音はしっかりと聞こえ、呼吸もしっかりとしているようだった。
 少しだけ安心したけれど、まだ手放しで喜べるような状況ではない。

「ユウヤちゃん! ユウヤちゃん!! ユウヤ!! 目を覚まして!!」
「んん……。まだ朝じゃないでしょ……」
「はぁ? 何を言ってるの? そんな状況じゃないでしょ!?」
「あれ? ごめんねヒトミ。あんまりにも気持ち良すぎて眠っちゃってたみたいだね」

 私の思いとはこれまた裏腹に、ユウヤちゃんは私のお腹の中であろう事か眠りこけていたらしい。
 全く……おおらかというかなんというか……。
 怒りが込み上げはしたけれど、それ以上に嬉しさと安心感が勝り、優しく抱きしめた。




 衝撃的な夜から一日。思っていたよりも目覚めはとても爽やかなものだった。
 恐らく、こんなアブノーマルな世界の側で生きている中でも更にアブノーマルな経験をした人はそれほどいないだろう。
 川で沐浴して綺麗さっぱり体を洗い流してヒトミの体も綺麗にしてあげたけれど、どことなく元気がないのは直ぐに分かった。
 ヒトミの変わり様は知っていたから彼女が捕食のためではないと伝えてくれた時点で信じていたけれど、あの行為の前も後も終始ヒトミの方が不安そうな顔をして困惑していたから相当自信がなかったのだろう。
 まあ当然といえば当然ではあるけれども、自然を経験していないというのがその不安に更に拍車をかけていたのだと思う。

「大丈夫! 僕からお願いしたようなもんだし、眠っちゃったのも僕の不注意だからヒトミは気にしなくていいよ」
「ジャロー……」

 かなり後悔しているのか、これまでに見たことのない落ち込み方だったため、一応励ましはしたけれどほとんど効果はなさそうだ。
 しっかりと体を拭いて綺麗になってからみんなの元に戻っても耳が垂れたままだったのを見ると本当に堪えているようだ。
 許可したのは自分だしあまり気に病んで欲しくないのだが、まあこの様子だと暫くこういったお誘いはなくなるだろう。
 ここ最近、全員とちょっと距離が近くなりすぎて色んな意味で危険な領域まで踏み込んでしまった気がするので、一旦普通の関係性に戻さないと普通の生活に支障が出てしまう。
 そういうことも含めて、暫くはトレーニングも止めてみんなと交流することに従事することにした。

「……地方のポケモントレーナー、また世界中から訪れたトレーナーの皆様! 長らくお待たせしました! ポケモンリーグへのエントリー及び予選大会、開始します!」

 暫くして……遂にポケモンリーグのエントリー期間になったんだ。
 エントリーとは言うけれど、実際は全世界から来るトレーナー達から二百人に満たないエントリーを勝ち取るための予選が既に始めっているようなものでね……あの時はとても緊張したよ。
 リーグへのエントリーを目指すトレーナーは最初の関門とも言えるチャンピオンロードを渡って会場を目指し、辿り着いた者からエントリーできるという篩にかけるような形式。
 当然、最初の関門でもあるから道のりは一筋縄ではいかない。
 洞窟に広い河にリーグ運営の所属トレーナーもバトルを仕掛けてくる。
 僕の手持ちのポケモン達は三匹、とてもではないけれど旅を楽にするためのサポート用のポケモンなんて入れる枠すらない。
 その分遠回りをしないといけなくなるからかなり遅れを取ることになる。
 でも僕はポケモン達を信じていたからこそ、自分がその関門を抜けなければならないと決心して険しい山道や浅瀬を泳いで渡ったりとかなりキツイ思いをしたね。
 その甲斐あってかは分からないけれど、ギリギリのところでエントリーに間に合うことができたんだ。
 大会運営の人達もかなり驚いていたよ。
 たった三匹でリーグにエントリーするような奇特な人はなかなかいないって。
 そこから更に人数を六十四人まで絞る二次予選もポケモン達との長い努力と絆のお陰でなんとか本戦への出場枠を勝ち取ることができたんだ。

「し、知ってます! 新聞にすら乗ったほどじゃないですか! 『彗星の如く現れた無名のトレーナーユウヤ。初出場で驚異の優勝!』あの記事は知ってましたけど、まさか手持ちのポケモンがたった三匹だったなんて知りませんでした!」
「いやあ……とてもじゃないけれど、僕にはこれ以上仲間を増やして旅をするのはキツそうだったからね。大会が終わった後も少しは旅を続けたんだけど、そこでもなかなかにハードな付き合いを要求されたからね。三匹いっぺんに……とか」
「そんな! ユウヤさん程のトレーナーがそれ以上のポケモンを手懐けられないとは考えられないですよ! あの後の記事も衝撃だったんですよ!? 『期待の新人。早すぎる引退!?』まあでも、まさかトレーナーを引退してトレーナーコーチになってるとは思いませんでしたけど……」

 目の前にいるエリートトレーナー志望の青年、トドロキ君の反応を聞きながら思わず笑い、懐かしい記憶に花を咲かせていた。
 彼が語った通り、僕はあの大会で初出場にも拘らず、優勝という余りある栄冠を頂いた。
 その後、エキシビションマッチとして現役チャンピオンとのバトルをしたりもしたんだけれど……まあ面白いぐらいの惨敗だった。
 本当に沢山の奇跡が混ざり合い、結び付きあって生まれたような奇跡の優勝だったと思う。
 だからこそこれ以上旅を続けるのならやはり仲間が必須になると考えて、また野山を巡る旅に戻った。
 始めの頃は激闘の日々と打って変わって穏やかな日常になったりもしたんだけれど、次第にみんなの欲求が激しくなってき始め、遂には三匹いっぺんに夜の相手を頼まれたりもした。
 それからは一匹ずつでもどんどんエスカレートしていく性事情に、前に考えていた恐ろしい状況が脳裏をよぎったりもしだした。
 そこで必死にポケモンを探し始めるとまあ不思議なことにオスのポケモンが全くと言っていいほど出てこない上に、出てきた時だけ三匹とも全く言うことを聞いてくれない。
 つまり、仲間を増やすのであれば、私達と気の合う女の子。ということなのだろう。
 危惧していた状況が彼女たちによって現実にされたこともあり、現時点で身が持たないと思っているのにここから更に四匹、五匹、六匹と増えた時の事を考えるととてもではないけれど続けられる気がしなかった。
 僕にとってポケモンが増えるということは僕を寵愛してくれる子達が増えることを意味するし、その愛に答えてあげなければならないという重責でもある。

「まあ……色々思う処はあるかもしれないけれど……単純に僕にはポケモントレーナーとしての才能がなかった……っていうのが正しいのかな? つまりはそんな処だよ」
「なんでですか!? リーグを優勝するほどの腕を持ってる人で才能がなかっただなんて言いだしたら僕はどうなるんですか!? 小さい頃からずっと一緒にいるたった一匹のポケモンすら言うことを聞いてくれないっていうのに!」
「そこなんだけれどね……。君と僕の境遇はとても似ているんだ」

 僕の言葉を聞いてトドロキくんはとても驚いた表情を見せた。
 お世辞でもなんでもなく、本当に昔の僕のそっくりだったからこそ似ていると伝えるとその言葉を聞いても未だ信じられないといった表情を見せていた。
 あの時のマコトさんも僕と似たような心境だったのだろうか……。
 目の前にいるトドロキ君は何も間違っていない。
 純粋な努力と沢山の愛情を持ってポケモンと接している、とても優秀なトレーナーの卵だ。
 エリートトレーナーを目指しているということもあってポケモンの知識も抜群、相手のポケモンの動きを少し見ただけで大体の性格が把握できるほどの審美眼も持ち合わせているような、僕からすれば本物の才能の持ち主だろう。
 だからこそ悩んでいる。
 もしも僕がこれを伝えることで彼が自分と彼のパートナーであるカイリューの想いに気が付いた時、彼らの関係は良い方向に進んでいくだろう。
 しかし、それはトレーナーとして良い道ではない。
 彼も深い愛情を持って接する以上、これから先もカイリューの事を本当に大切にするだろう。
 しかしそれが同時に僕のようにトレーナーとしては茨の道を歩む切欠になるかもしれないし、逆にポケモン達の間で諍いが発生し、不本意な形で自身のトレーナーとしての選手生命を絶ってしまうことになる可能性もある。
 マコトさんも答えは一つではないと言っていたように、僕があの時した選択は間違いではなかったと言い切れるけれど、彼にとってもそれがいい結果になるとは言い切れない。
 だからこそ委ねたのだろう。
 二人に……。いや、互いの事を思い合い、幸せを願うことで生じてしまった一人と一匹のボタンの掛け違いを。
 だからこそ、僕の体験を同じような悩みを抱えてここへやってくる子達に笑い話として伝えてあげたい。
 僕の幸せに満ちた愛情と苦悩の日々を次の悩める誰かに……。




    「トドロキ君は良いトレーナーとはどういった人の事を指していると思う?」




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あとがき [#9aq25qM] 

初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。COMです。
久しぶりになんとか作品を投稿することができ、一位というありがたい評価を頂いたことに心から感謝します。
実はこの作品、以前の帰ってきた変態小説大会に向けて書いていた作品だったのですが、色々とゴタゴタが重なってしまいエントリーそのものを断念しました。
そんな作品だったのですが、今回運良く時間の都合がついたため埃を被ったままなのはもったいないと思い、作品として纏めあげた結果、色んな方に読んでもらえたのは私にとっても嬉しかったです。
ポケモン作品は久し振りに映画で『君に決めた!』と『みんなの物語』を見たこともあり、熱も戻ってきてるので何かしら活動は続けたいと考えています。
なのでまた機会があれば次の作品で読者の方と触れ合えたらと考えています。

作品の感想はコメ返しの方で


とてもよかったです (2018/10/07(日) 15:43)
>ありがとうございます。

ポケモンとトレーナーの関係にもいろいろありますねぇ (2018/10/08(月) 10:58)
>ポケモン世界だけでもトレーナーにコーディネーター、ドクター、レンジャー…と上げればキリがないほどなので、
 愛の一つの形ということで。

まずもってこれだけの長編を纏めきるというだけで感服です。
それぞれのキャラの内面や息詰まるバトルなど、ずいずい引き込まれる面白さでした。
彼に6匹を相手にできる才能があれば、更に高みへ行けたのかもしれませんね(?) (2018/10/14(日) 02:33)
>なぜか長編しか書けません。故に一度は断念しましたが、細部まで読んで頂けたようで嬉しい限りです。
 六匹は…まあ…体力的に?

とても楽しく読まさせてもらいました。
ポケモンのことを第一に考えるユウヤ君の優しさが伝わってきました。 (2018/10/14(日) 14:24)
>だれかの優しさで救われることは沢山あると自分は考えています。
 だからこそ一番苦しい時に優しくできるようなキャラに仕上げたつもりです。

関係性と官能が一人称で深く描かれた素晴らしいお話でした。コンテストが出た時には「このままコンテストに転向するのかな?」とも思いましたが、そんなことはなかった。
ポケモンの世界の社会システムとかも細かく描かれていますが、こういう他の人が追加する設定の話を聞くの大好きです。 (2018/10/14(日) 17:23)
>コンテストに関してはポケモンの持つ新しい魅力に気付く切欠にはしましたが、作中でもユウヤが語っている通り目指す道は変わりませんでした。
 オリジナルの設定は受け入れてもらえるか多少不安でしたが、そう言っていただけるとこちらも嬉しい限りです。

 各ヒロインの可愛らしさやそれぞれの抱える影が、豊富な文章で魅力的に表現された良いハーレム物語でした。先輩から教えられ、後輩へと伝えていく流れにも受け継がれていく絆が感じられます。非常に読み応えがあって面白かったです!
(2018/10/14(日) 20:24)
>各々のキャラは生きるようにして、互いに引き立てあえるようにしたつもりなので、ユウヤや彼に関わった人達のことも印象に残ったのならとても嬉しいです。


お名前:
  • やっぱりcomさんだったのか
    読むときイブキの育て屋さん、情事の事情、夢の個人研究、恋するウロボロスなどこれらの小説を思い出したんです。
    ちょっぴり強く言い過ぎたせいか俺の投票は無効になったみたいだな……
    まぁとにかく最近は昔みたいに面白い小説がなかったから久しぶりに面白い小説を読めて楽しかったです -- すいせい ?
  • >すいせいさん
    バレテーラ…
    返信遅くなってしまい、申し訳ありません。
    まさかファンが付いてくれていると思っていなかったのでものすごく嬉しいです!
    無効になってしまったとしても投票してくださったことと、それだけの感想を書いていただいたことに心から感謝します。
    最近は時間的にも少しは余裕が生まれたので書きかけの作品の更新などをできればとは考えていますので、また機会があれば何かしらの形で作品を投稿する予定です。 -- COM
  • とても長く読み応えのある作品でした。
    全体的に思ったのは、ポケモンのセリフが人間のセリフと同じカッコで閉じられているため、人間にセリフが通じているのか否かがわかりにくいというものでした。
    そこらへん、少し工夫していただけたならと思います。

    ポケモンとの関係性が徐々に変わっていき、ポケモン同士で仲良くなるのもよかったと思う反面、関係性以外のところ。コンテストや大会で成績をガンガン残しているあたりは少しうまくいきすぎな部分がると思いました。
    ゲームの主人公やアニメのサトシもかなりの才能でポケモンを育てているからマヒしている感じはありますが、ライバルも仲間も強大な敵もいない彼でその高みに達せられるのか……という感じはします。
    無論、そこまで書こうとすると読者が読むのが大変になる文章量になりそうですがw -- リング
  • >リングさん
    感想会でのコメント転記ありがとうございます。
    人間とポケモンのコメントに関しては敢えて話が通じているのか分かりにくくしたのですがそこは申し訳ありません。
    大会等はやはり都合上あまり引っ張り過ぎないようにはしていました。
    他の方にも指摘されていましたが、もっと長編として書いていった方が良かったという所は自分としても反省点だと感じています。
    感想ありがとうございました! -- COM

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Last-modified: 2018-10-15 (月) 21:37:25
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