※この作品は文章を加えてます。
加える前に見てくださった方、ありがとうございますm(_ _)m
ー偽りで紡ぐ言の葉ー
write by 慶
【産まれ出でし命は儚き雫となり、やがて地に落ちては波紋を描いて生を終える。
万物は皆、地に落ちるまでの理に抗いながらも《何か》に出会う。】
「…はぁ。」
その言葉を想い返しては、短い溜息を吐く。
私が観ている世界は間違っているのだろうか…?
その疑問を説いては、出るのは同じ結論。
そうだと言えるし、それは違うとも言える曖昧な
気付いたらそれを
そう、只、観ているだけ…。
そんな
その答えは単純。人間の想像を創造し、助言する。その事は私も認めている。
認めているが……認めたくないのだ。
ありのままをそのまま伝えてしまえば時としては深い疵を負ってしまい、治すのは極めて難く、拠り所を歪めてはやがて死を招く。
確かに始めはこの世界の存在意義を必死に捜した。
だが、ある日境にその意思は薄れていき、今ではただ、思うだけ…。
だから私は、全てに関して意図を示さなくなり、遂には動く事もない。
そんな想い悩む最中、一人と一匹の私の元へ歩み寄ってくるのが見えた。
そのまま人間は、私の近くまで来ると、
「こんばんは、外は月が綺麗ですよ」
そう言って私の頭を撫でてくれる。
普段なら、とても嬉しいのだが…。
「あぁそうだな、今正に空間を拡げて観ていたところだ。」
「…おや、何を落ち込んでいるのですか?」
どうやら彼には全てお見通しの様だ。 少しズルい。
「……なんでも無い。」
「その言い方は心に刺さりますね。 また、自分を見失ったみたいですね。」
「………」
何も言えなかった。 否、深く考える事を恐れていたのかもしれない。
実に博識であり、友でもある彼は、私の唯一の救いなのだが…
「…戦争の事、憶えていますか?」
その言葉に少しムッとくる。
そう、あの戦争が在ったから私は…
「あぁ、酷い様だったな!
人間が醜態を晒しながら我々ポケモンを使って争う事に平和が見えたのか!!」
「そんなに怒らないでくださいよ、
アルちゃん? アザレアが怖がってますよ。」
「す、すまん…」
ムキになったのは確かだが、そんなに畏かったのか。
友のイーブイが怯えているな。
「確かに酷い惨劇でした。
だから私とアルセウスは出逢った、違いますか?」
「それはそうだが…」
口籠る私を見て友は溜め息を吐いて、こう続ける。
「……かつて私も、あなたの様にこの世界の存在意義を捜しました。
そして、辿り着いたのは数え切れない程の答え。
数々の物語は、儚くて美しくて……
…残酷な煌めきでした。
その中で私は、たった一つの、自分が見出せる『答え』を決めつけようとしました…。」
「…もしかして、『戦争』とは、存在意義による主張の延長線なのかもな。」
「そうなのかもしれませんね、アルちゃん。
しかし人間は、過ぎた。 自分の意思を尊重した余りに他とぶつかり、事を大きくする…戦争と言う悲劇に名を変えて。
そんな世界は愚かで、よろこびが無かった。
だから私は変えた。
アザレアに出会い、各地方に赴き、私と同じような考えを持つ人間やポケモン達と。
しかし人間やポケモン達は、負を忘れると、自我を保てなくなる存在です。
そこで私は、ポケモンバトルシステムとポリゴンの存在を造りました。
全てが悼みを忘れないで欲しい…と願いを込めて。」
…正しい答えなんて本当は無いのかもしれません。
だからこそ人とポケモンは…いえ、『この世界』は、様々な煌めきの物語を護りながら前へと進むのかもしれませんね。」
「そうなのかもな。」
「その『何か』に気づいた私が求めたのはたった一つの欲、
『もっとこの世界を観たい』
それが、今の私を生き続けさせるのですよ。
そしてアルセウス、貴方の様な素晴らしくも愚かな悲壮を助けたいのですよ。」
……あぁ、やはり優しいな、友は。
「ありがとう、お陰で大分気が楽になった。
やっぱり貴方と友達になって良かった。」
「おや、泣いているのですか?」
その一言で初めて自分から流れ落ちた煌めきに気付く。
この涙は、悲しみなのか、嬉しさなのか
…いや、どちらでも構わない、か。
「はい、ハンカチ」
「ありがとう…少し、眠らせてくれないか? 友の優しいその刃で……。」
「そうですね、もう少し我慢してもらえますか? 耐える事も時として、必要ですから。」
「わかっているさ…。」
「ありがとう。では、
偽りの神剣ー黒月ー」
あぁ…暫く眠るか。 次に目が覚めた時にはより良いセカイに成ってると信じて。
友から振り下ろされる黒き刃に安堵する。
これから私は、眠りながらもこの世界を創っていくだろう。
大切な友達と一緒に!
ーあとがきー
これにて【偽りで紡ぐ言の葉】は終劇です。
タイトルと内容が合ってない!
と思う方は、もう一度読み返して頂けると分かるかもしれません。
また、この作品にも私の思いが込められています。
最後まで読んで頂き、誠に感謝です!
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