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ポケファンタジー_片隅の思い

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ポケットモンスターズファンタジー〜導かれし者達の軌跡〜

Prologue

片隅の思い

 場面は帰り、ピカチュウがグラエナとポチエナ達に囲まれている場面。ギラファの口から言われた事実がライト自身に強く突き刺さり、床にお尻をペタッんと落とす。そのままの体制でゆっくりと顔を上げてギラファの目を見据えながら、
「ごめん、ね・・・僕のせいで。 あの時に腹をくくってればこんな事に、ならなかったのにっ・・・・・・」
「っ・・・」
「色々・・・ありがと。楽しかったよ。君と研究して、喧嘩して、一緒に何処かに行ったりもして・・・死んじゃった、ある意味でお父さんの代わりになってくれて・・・・・・。 僕は嬉しかった・・・だから・・・殺すのはギラファがやって・・・・・・他のきゃんきゃんうるさい子犬なんかに殺されたくないから・・・・・・」
「んっだとクソネズミ!!?黙って聞いてり「うるさいっ!!!! 本当に・・・ライト、良いんだ・・・な?」」
「うん・・・なるべく・・・なら、痛みなしで送って、ね・・・・・・」
 そうゆっくりと小さく、だけどハッキリ聞こえる声でギラファに対して言うと、再びゆっくりと立ち上がって覚悟を決めたように目を閉じるのであった・・・・・・。



「うん・・・なるべく・・・なら、痛みなしで送って・・・・・・」
 ・・・色々未練があったけど・・・僕はココまでなんだね・・・なんだろう・・・最初は怖かったはずなのに、スッキリしたこの感じ・・・それと落ち着く感じ・・・・・・。
「は、破壊・・・・・・」
 今思うと楽しいことはギラファが居たから、一緒だったから僕らしくいれた・・・要ることが出来た。感謝しきれないよ・・・・・・。

今まで・・・ありがとうっ・・・・・・

「・・・光線ッ!!」


 ギラファの口から太い炎が吹き出してライトを包み隠した。数秒間発射し続け、ギラファは前足から折れて倒れこんで泣きはじめた・・・だが、そのギラファにポチエナ達は目もくれず、その四匹はゆっくり歩を進めてライトの元へ行くと、力尽きたライトを片手で摘み上げ、生きてるか死んでるか確認しあっていた。だが死んだことを確認したのか、ライトを下ろした後に言い放った一言をギラファは聞き逃しはしなかった。
「ふん、馬鹿な小僧だせこいつは。事実を言わなきゃ・・・お前さんの親父と同じ運命を辿ることなんか無かったのによっ!!!!」
「「「わははははっ!!」」おい、見ろよっ!!親父が死んだ時と同じ顔してくたばってやがるぜ、ぎゃははは!!」
「なっ・・・なんっ・・・だとっ!? それはどういうことだッ!!!??」
「あー?どういうことってそのままの通りだっつーの!! こいつのジジイは俺たちが殺してやったんだよ!!いやー実に面白かったぜ。だってよ、息子だけは息子だけはーって、大人のくせに泣きじゃくって訴えかけてくんだもんよっ。あのぐちゃぐちゃな顔こいつにも見せたかったぜぎゃははははっ!!」
「ゆる・・・せない・・・絶対にお前たちは許さんッ!! "シャドーボール"!!」
 事実を知ったギラファは怒り狂い、シャドーボールをまず言ったポチエナに向けて三つ放った。それを見て狙われたポチエナはジャンプで軽々と避けたが、ギラファはそれを狙ってたかのようにダッシュしてジャンプすると"アイアンテール"を繰り出した。空中で動けなかったのでクリーンヒットして地面に叩き落とすと、着地と同時に再度"アイアンテール"を使って壁まで吹っ飛ばす。そのまま方向変換して残ってる三匹に向けて左右に振りながら"破壊光線"を放ってまた一匹倒すと、ボロボロで倒れてるライトを背中に乗せ、全力疾走で森の反対側、市街地にまた走って戻って行った。それをまた、二匹のポチエナが大声を出しながら追いかける。
 そんなことは分かっているギラファは路地を左へ、右へ、また右へ・・・細い路地や一人がやっと通れるような脇道入って、配置してあるゴミ箱をひっくり返してたりして進路を阻害したり、落ちている物配置してある物全てフル活用して巻こうとする。でも追っ手はそんなのを飄々と避けてジャンプや、技を走りながら数発放って足止めようとさせるが、全て避け切り更に暗闇の路地奥へ・・・
 それを続けてるとようやく追っ手が見失ったのかついて来なくなり、自分が立っている場所から近くにある工事現場を見つけてそこへ向かう。しばらく歩くと置いてある重機近くに土管があるのを見つけ、中に入ってライトをゆっくり下ろすと土管を飛び出して周りに何かないか探し出す。すると木材を覆っているらしいブルーシートを引っぺがしてたたみ、枕と敷布団になるように歯でちょうど良く引きちぎってその上に改めてライトを載し直し、ライトの傷の状態を確認する。
「んー・・・なるべく輪っかにして放って空気を抜いただけだった筈なんだが・・・少しだけ火傷してるな、すまん・・・。 一応脈も安定してるし、命には別上なさそうだが・・・まさか、そうだったとは・・・・・・あいつら絶対に許さない。居ない悲しみと不安をあいつらはなんとも思わないのかよ・・・おっとと、こんなことしてる場合じゃないな。早く木の実やら薬草やら探してこなきゃな・・・ちょっと待ってろよ」
 そう言い残し、周りをよく確認してから土管からまた出て走り始める。森は案外近場にあって、少し探しただけで運良くオレンの実を見つけることが出来た。比較的この実は何処でも実っている木の実の為に探すのは容易い。が、薬草はそう簡単に見つかるはずもない物で、ましてや葉っぱは黄金色に色ずく季節なので薬草は見つけても萎れてしまっていた。
「くそっ・・・薬草が無いならチーゴの実でもあればなんとか成るんだが・・・普通に実ってるのはレアなんだよな・・・しょうがない、オレンの実を絞って塗り広げて比較的綺麗な布を頂戴して使うか・・・」
 そう言いながら急いで来た道を戻る・・・っと言いつつも、なるべく足音を立てないよう静かに、速く戻る。最終的に布は簡単に見つけ、湿っていたがお構いなく使うことにして辺りを確認しながら足早にライトを寝かせている土管に戻る。
 そしてその布にオレンの実の汁を染み込ませてから火傷と怪我の場所に巻きつけ、残った三つの木の実は同様に絞ってライトの口の中に。一つは自分が食べた。ひとまずこれで大丈夫っと安堵の表情をしながら自分もライトの横に寝っ転がって頭を撫でる。表情は下ろした時よりさらに良くなり、普通に寝ているようだった。
「ふぅ・・・にしてもだいぶ見つからないな・・・もしかして諦めたか?いや、そんなことは絶対ない・・・ここ以外に移動しなきゃな・・・どちらにせよ目覚めてくれないと危ないな」
 周りに聞き耳を立て、常に何かないとか、向かってくる音がしないか耳を澄ます。このまま来ないで朝を迎えられれば何とかなる、そう思っていた。理由としては人が出てくるから迂闊に手が出せなくなることと・・・それが何より大きいとギラファは考えていた。それにもし、人が居る中でバトルなんか起こしたら誰か仲裁に入り、血を流すくらいになれば警察沙汰にも発展し、事情聴取になったら明らかにこっち側が勝つに決まってるし、裏事情も浮き彫りになるから。
「ふぁー・・・ここまで来ないとなると眠くなるな・・・・・・でも待てよ・・・あ、あいつら鼻が利くのになんで、分からないん・・・だ? まさか・・・」
「おお、そのまさかだぜ?気が付かずに寝ちまえば楽に殺せたのによ。まあいい、少し死ぬのが早くなっただけだ」
 土管の入り口のところにいつでも攻撃出来る態勢で歯を見せながら不気味に笑って言う。まさかと思い反対側を見ると既にこちらも戦闘態勢・・・挟み撃ち、逃げ場なし。
「ココで隠れるのはお前らにとっては雨風防げる好都合だったようだが、こっちにとっては退路を経つことが出来る好都合様様だぜ? さて、最後に言い残すことねぇのか?」
 後ろの入り口では"シャドーボール"をいつでも放てるような状態でキープ、自分1人なら逃げることは出来るが、ライトを持ち上げるそぶりをしたら逃げられなくなる。が、動かなければそのまま技を受け続けバットエンド・・・選択肢は無かった。
「あぁ・・・ある。俺一人とお前ら2人との同時バトルがしたい。 お前らも簡単に殺すんじゃ面白くないだろう?」
「・・・そうだな、その話し乗った。ただしお前が負けたらお前を殺す前にそのネズミを目の前で殺してからお前を殺してやるよ。 さぁ、出ろ。デスバトルの会戦だ」
 不気味に笑いながらポチエナは立ち去りながら広いところに移動して待ち構える。ギラファは一瞬ライトの方を見てから2人に向き合う。
「じゃあ・・・行くぜ!! "シャドーボールッ"!!」
「様子見でこっちも・・・そらッ!!」
「・・・なにっ!!?」
 ポチエナが両方ともシャドーボールを放ったのを見てギラファもシャドーボールを出したが、なんと自分が放ったシャドーボールをアイアンテールで思いっきり打ったのである。そしてそのボールは剛速球で一匹の顔面にクリーンヒットして吹っ飛ばされ、横で見ていたポチエナはその速さに腰を抜かし、打ち込んだ本人は飛んで来た二つのシャドーボールを軽々と除けてちせた。
 ボールのスピード比率はポチエナ達が放ったスピードが歩く速度の4km/hと同じとすれば、ギラファが放ったのは120km/h程のスピードの差があると思えるほど速く、恐ろしい・・・まさに恐弾そのものだった。
「お、おいおい・・マジじゃねーかよ・・・だがまぁいい、その方が殺しがいがあるもんよっ!! ならこれでどうだっ!!?」
 吠えた後に又もやシャドーボールを放ったが、続け様に小さいシャドーボールを幾つか放った。そして、最初に放ったシャドーボールにぶつかると・・・なんと二つに分裂し、また分裂した・・・正確的に説明するとボールとボールが衝突して、ぶつけられた側が二つに分かれ、その別れたボールが分れたボールにぶつかって分裂をしたのである。当然そうなるとは思っていなかった為に、それをギラファは全身で受けることになった・・・・・・。




「・・・っ・・・・・・うぅ・・・ここは・・・痛っ!!」
 痛みに片目に涙を浮かべながら辺りを確認する。まわりは・・・何かの中、足元にはブルーシートと萎れたオレンの実が幾つか、そして丸い筒のような中・・・外はしーんと静まり返っていた。
「ここは一体痛た・・・どこなんだろ?少なくとも僕はギラファの破壊光線が直撃したはず・・・あっ、でもこの変な包帯の結び目・・・・・・ギラファ・・・助けてくれたんだ・・・でも・・・そんなことしたらギラファの家族が・・・・・・どうしてっ・・・どうして僕をっ・・・・・・」
 ライトにはギラファの行動が全く理解不能出来なくて仕方が無い気持ちと、過ちを悔やんだ。家族より僕を取った・・・僕のせいでギラファの家族が死ぬことになる・・・その重圧がライトには降りかかっていた。
「なんでっ・・・なんでっ・・・・・・っ!!? い、今の悲鳴はギラファ!!? 一体何が・・・ううん、そんな事より行かなきゃッ!!」
 聞こえた微かな音源を頼りに足を引きずりながらも向かう・・・もうやな予感しかライトの頭には全くなく、ギラファの声じゃない笑い声のようなものも聞こえて尚更ダッシュする。そして、少し開けた場所で戦ってるらしいギラファを見つけ・・・
「ギラファーーーっ!!!!」
「っ!!?ラ、ライト!!? なんでお前来たんだ!!」
「なんでって大事な人・・・ギラファを守る為だよっ!! それに・・・家族よりなんでこんな僕なんかを選んだ理由が知りたくて仕方が無いんだっ!!」
「・・・・・・そう、か・・・忘れてれるなら丁度いい、ライトと同時にそこに居るお前にも教える。 俺はな、元々家族なんか居ないんだ。何かあった時の仮想の家族を作っておいただけだ」
 ギラファの一言にポチエナ、ライトともに驚きの声を上げた。仮想の家族・・・そんなことまで考えてたなんてライトは思っても居なかった。でも、居ないとなれば助けたのも頷けることになる。
「じゃ、じゃあ最初から僕を・・・」
「ああ、言っただろ。親の居ないライトの父代わりになって守るとな。居ない寂しさをライトにも味わって欲しくなかったからな。 さてと、待たせたな。ライトはココから離れてろ」
「そ、そんなこと言われたって僕は戦うよっ!!ギラファだってそんなにからだボロボロじゃないか!! それに僕は・・・遠距離攻撃が得意なのを忘れたの!!?」
「忘れてない。ただ、本当に無理しないように頼んだぞ・・・"シャドーボール"ッ!!」
「おっけーッ!! 行くよ・・・それッ!!」
 ギラファがまず最初にポチエナに向けて五発ほど放った。それを避けたのを見て直ぐにライトは両手を後ろに引いて電気を纏とい、両手の方に電気を持っていくと手を素早く前に振り落とした。すると溜まっていた電気が槍のように形が変わって一直線にポチエナの方へと飛んで行った。技はスレスレ外れてしまったが、ポチエナの奥にあったクレーン車はバチバチと電気を纏っていた。それを見てやばいと思ったのか、主体の技を移動と攻撃も兼ねられる"電光石火"に切り替えてきた。
「ふぅ、だいぶ危ねぇじゃねぇーか。だが、ここでお前は終わりだぜ?」
「どういうことだ?何を言いたいって言うん「ぐぁぁぁぁぁぁああっ!!!!」ラ、ライト!!?て、てめぇ!!許さねえっ!!」
 いきなりの悲鳴にギラファは振り向くと、倒れていたはずの他のポチエナが起き上がっていて、ライトの脚に思いっきり噛み付いていた。それ見て直ぐにギラファはライトのところへと走るが、その噛み付いたポチエナは噛み付いたままライトをギラファにぶん投げ衝突しギラファの悲鳴とライトの悲鳴が重なる。
「ぎゃははははっ!! いっちょ上がり!!」
「周りをよく見とけよバーカっ!! ぎゃははははっ!!」
「くっ・・・くそっ・・・・・・」
「これまでだな、先にお前を殺させてもらう。生きてられると色々と面倒だからな。 安心しろ、お前を殺したその後にたっぷりとそこのネズミを可愛がってや・・・あぁ?」
「・・・らうのは、そっちだよ。ごめん、ギラファが繋いでくれた命・・・無駄にしちゃうけど・・・上で・・・会おうね・・・・・・」
 ライトはそう言いながらギラファに向かって微笑むと、身体からありったけの電気を放電・・・周りは青白い光と凄く苦しそうに放電している顔が見て取れた。しばらく放電をし続けていると、そのポチエナは地面に崩れ落ち、数秒後にライトも棒のように倒れ凄く浅い息呼吸を繰り返し始めた。身体の至る所の包帯に血が滲み、青い顔を見て、すぐにでも横に行ってギラファは大丈夫かと問いたかったが、力が入らない。それに徐々に視点が暗転していった・・・・・・。

あとがき

 執筆がだいぶ遅くなり、待って下さった方々には申し訳ありませんでした。
 途中で文章の書き方が変わってたり、場面チェンジが多かったのは その間に色々とリアルで何かがあった からです。

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Last-modified: 2014-01-16 (木) 04:52:00 
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