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アドバンズ物語第十話

/アドバンズ物語第十話

ポケモン不思議のダンジョン 探検隊アドバンズ物語
作者 火車風
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第十話 胡散臭い三人組! ドクローズ登場!


「え~、というわけで、そのはるか東にあると言われるその湖には、未知の部分が未だ残されており、それらを解明すべく、我がギルドもしばらくぶりに遠征に繰り出そうかと考えている♪」
ペラップの言葉にみんなはとても興奮した。
遠征というのは、どうやらみんなにとって一大イベントのようだ。

「わあ~!遠征でゲスか!?」
ビッパはすごく興奮した。
何しろビッパも遠征は初めてなのだ。

「久しぶりですね!遠征するのは!」
キマワリも興奮していた。

「でも、てぇことは、またこの中から、メンバーを選ぶんだよな?」
ドゴームが聞いた。

「その通り♪出発は数日後。その数日間の間にこの中から精鋭を選び出し、そのメンバーで遠征に出かける。みんな、遠征隊に選ばれるようにがんばってくれ!!」
ペラップはみんなを見渡して言った。
みんなもう興奮状態は絶頂だった。
みんな遠征に行きたいのは同じなのだ。
そして、いつもの号令の後、みんなはうきうきして仕事についた。

「ああ、お前たちは、掲示板やお尋ね者ポスターを見てその依頼をこなしてくれ。頼んだぞ♪」
ペラップはソウイチたちに言った。

「よ~し!それじゃあ行きますか!」
ソウイチは行く気満々だったが・・・。

「あ、しもた!!部屋に忘れ物しとる!!」
カメキチが思い出したように叫んだ。

「はあ~!?なんで忘れ物するんだよ!!」
ソウイチはせっかくの気分を台無しにされて怒った。

「まあまあ、そう怒るなって。じゃあ、オレ達はここで待ってるから取ってこいよ。」
ソウマはソウイチをなだめてカメキチに言った。

「悪いな~・・・。じゃあ行ってくるわ!」
カメキチは猛ダッシュで部屋に忘れ物を取りに行った。

「ソウイチたちは、先に行って依頼を選別しててくれ。」
ソウマはソウイチ達に言った。
待っているのも時間の無駄だと思い、ソウイチ達は一足先に掲示板のところへ行くことにした。

「遠征メンバーに選ばれるように、がんばって依頼をこなさなくっちゃね!」
モリゾーはうきうきしながら言った。

「ああ!もちろんその通りだぜ!!」
ソウイチももちろん張り切っていた。
上の階につくと、そこには思いがけないやつがいた。

「あれ・・・?あそこにいるポケモン・・・。」
ゴロスケが指さした方を見ると、なんと、あの時倒したズバットとドガースがいるではないか。

「あ!あいつら!!」
ソウイチはまだあの時のことを根に持っていたのだ。
かなり恥ずかし思いをしたからだろうか。

「なんであんなところにいるんだろう・・・。」
ソウヤは不思議な顔をした。
すると、向こうもこっちに気がついたのか近づいてきた。

「お、お前らなんでこんなところにいるんだ!?」
二人はとてもびっくりしていた。

「それはこっちのセリフだ!!てめえらこそ何しにきやがった!!ここは盗人の来るところじゃねえぞ!!」
ソウイチはものすごい勢いで言い返した。

「ケッ、オレ達は探検隊なんだぜ?」
ドガースが言った。

「へへっ、探検隊が掲示板の前にいて何がおかしいんだよ?」
ズバットも言った。

「ええええええええ~!?」
みんなびっくりだ。
何しろこんな奴らが探検隊だとは思っても見なかったのだ。

「ケッ、そうだ。やり方はすこしあくどいがな。そういうお前たちこそなんでここにいるんだよ?」
ドガースが聞いた。

「オイラ達は探検隊になりたくてここで修行してるんだ!」
モリゾーは不快感をあらわにして言った。

「ええ~~~っ!?探検隊になりたいだってぇ~~~~!?」
二人はものすごく嫌みな驚き方をした。
みんなも嫌みを感じ取ったのか、いっせいに二人をにらんだ。
すると、二人は突然モリゾーとゴロスケを引っ張っていってしまった。

「な、何する気なんだ・・・?」

「さあ・・・。」
ソウイチとソウヤは呆然とその場にたたずんでいた。
そして、向こうでは・・・。

「悪いことは言わねえ。探検隊はあきらめろ。」
ドガースは二人に言った。

「えええええ!?な、なんで!?」
二人ともびっくりしたと同時に、激しい怒りを感じた。

「だってお前ら臆病じゃないか。お前らみたいな弱虫君に探検隊は無理だぜ。」
ズバットが意地悪く言った。

「そ、そんなあ!!」
二人の怒りは頂点に達していた。
しかし、二人はなんとか怒りを抑えると・・・。

「た、確かにオイラは弱虫だよ・・・。でも、そんな自分に負けないように修行してるつもりだ!!」
モリゾーは二人に言った。

「今もギルドの遠征メンバーに選ばれるようにがんばってるんだ!!」
ゴロスケも言った。

「ほう。遠征があるのか。」

「へへっ、でもがんばればいいってモンじゃないぜ。実力がなければ遠征隊には選ばれないんだろ?結局のところは実力だよ。じ・つ・りょ・く。」
二人はさらに意地悪く言った。
とうとう二人の我慢も限界に来た。

「え、えらそうに!!実力って言うけど、そっちこそなんなんだよ!!」

「僕たちに負けるくらい弱かったじゃないか!!」
二人は怒りで顔を真っ赤にして怒鳴った。

「ケッ、あの時はアニキがいなかったからな。」
ドガースが言った。

「あ、アニキ・・・?」
二人とも何のことだか分からないようだ。

「へへっ、そうだ。我が探検隊ドクローズは全部で三匹。そのリーダー、つまりアニキがものすごい実力の持ち主。はっきり言ってしまえば、ものすごく強いのさ。」
ズバットは自慢するように言った。

「お前らなんかアニキさえいれば一ひねりさ。おっ!噂をすればこのにおい!」

「におい・・・?」
二人は完全になんのことか分からない。
すると、上からでか図体のスカンクのようなやつが降りてきた。

「どけ!じゃまだ!」
それだけ言うと、ソウイチたちが反論する間もなく、毒ガスをはき出し二人を吹っ飛ばした。

「そ、ソウイチ!!」

「ソウヤ!!」
二人は同時に叫んだ。

「う、うぐお・・・。」

「あ・・・が・・・。」
二人とも気を失いかけていた。
そのにおいは屁に近く、みんなにおいのひどさに顔をゆがませていた。
すると、スカンクのようなやつはモリゾー達の方に近づいてきた。

「どけ!お前もさっきの奴らみたいに張り倒されたいか!?」
かなりの威圧感がある言い方だった。
二人をすくみあがらせるのには十分な効果があった。

「ううっ・・・。」
二人は威圧感に負け、道を譲った。
その様子を見て、ドガースとズバットはスカンクのようなやつ、スカタンクをほめたたえた。

「そんなことより。お前たち、金になりそうな仕事はあったのか?」
スカタンクが聞いた。

「掲示板にはせこい仕事しかなかったんですが、耳寄りな話が。ヒソヒソヒソヒソ・・・。」
ドガースが何か耳打ちしている。

「何?ここのギルドで遠征を?それはおいしそうな話だな。」
スカタンクはにんまり笑った。

「でしょ~?」
ドガースとズバットもニヤニヤしている。

「早速帰って悪巧みだ。お前たち、行くぞ!」
スカタンクは二人を引き連れ帰って行った。
ひどいにおいを残して。

「ソウイチ、ソウヤ!!大丈夫!?」
モリゾーとゴロスケは急いで二人の元に駆け寄った。

「し、死ぬかと思ったぜ・・・。」
ソウイチはむせながら言った。

「目の前にお花畑が見えたよ・・・。」
ソウヤも言った。

「でも、けがが無くて本当によかったよ。」
モリゾーとゴロスケは安心した。

「だけど、乱暴な奴らだったよね・・・。オイラ、あいつらを前にして戦う勇気が出なかったよ・・・。」
モリゾーはしょんぼりとした。

「二人がやられたって言うのに、情けないよ・・・。やっぱりボクは弱虫だよ・・・。」
ゴロスケもかなり気落ちしていた。

「ったく!すこしは根性見せろよ!!あんな奴らにやられて、悔しくないのかよ!!」
ソウイチは腹が立ってきて二人を叱り飛ばした。

「うう・・・。やっぱりそうなのかな・・・。」
二人はさらに沈んでしまった。

「そんないいかたはないでしょ?気にしなくていいよ。あんなやつらにわざわざけんかを売ることないもの。」
ソウヤは二人をなぐさめた。

「ありがとう、ソウヤ・・・。なぐさめてくれて・・・。」
ゴロスケが言った。

「でも、やっぱり弱虫だって事には間違いないよ・・・。だけど、それを克服するために入ったんだ。こんなことでくよくよしたりはしない。」
モリゾーは少し元気を取り戻してきたようだ。

「だけど、次はもう少し根性見せろよな。やられっぱなしじゃみっともねえんだから。」
ソウイチもだいぶ怒りがおさまったようだ。

「じゃあ、気を取り直して依頼を解決するか!」
ソウイチはみんなに向かって元気よく言った。

「うん!元気出していこう!!」
ゴロスケもすっかり元に戻ったようだ。

「お~い、すっかり待たせたな。」
ようやくソウマ達も上がってきた。

「遅えよアニキ!何やってたんだよ!」
ソウイチはソウマをにらんだ。

「いや~、悪い悪い。なかなか忘れ物が見つからんかって。探すんに苦労したわ~。」
カメキチは頭をかきながら謝った。

「まったく、日頃から整理しないからこんな事になるのよ。」
ライナが小言を言った。

「はいはい、次からはちゃんと整理するさかい。」
カメキチは反省しているのかしてないのかよく分からなかった。

「じゃあ、全員そろったし、依頼を選ぼうよ。どれにする?」
ソウヤが聞いた。

「じゃあ、これとこれにしようよ。」
モリゾーは提案した。

「うん、これならちょうどいいんじゃないか?」
ソウマも賛成のようだ。

「じゃあこれで決まりだな。さっそく行こうぜ!」
ソウイチはみんなを促した。
今回はたきつぼのどうくつの依頼が多いので、まとめて受けることにした。
そしてソウイチたちは依頼を解決するために出発した。
交差点にさしかかると、そこには見かけないソーナンスとソーナノがいた。

「こんにちはナノ!新しいお店『パッチールのカフェ』がオープンしたノ!夢と浪漫あふれるすてきな店ナノ~!」
ソーナノが言った。

「夢と浪漫?」
モリゾーとゴロスケは首をかしげた。

「ささっ!どーぞこちらに!!」
ソーナノは穴を指さして言った。

「なんかよくわかんねえけど・・・、行ってみるか・・・?」
ソウイチがみんなに言った。

「僕は別にいいけど・・・。」
ソウヤが言った。

「オレもええで。」
カメキチも言う。

「まあ、試しに入ってみるぐらいならいいだろ。」
ソウマは話を締めくくった。

「八名様ご案内~ナノ!」
そして、ソウイチ達は中へと入っていった。
階段を下りると、明るい光がソウイチ達を包んだ。

「わあ~!結構広いお店だね!」
モリゾーとゴロスケは感激していた。

「確かに結構広いですね~。」
ドンペイも興味津々だ。
すると、店の奥から妙にハイテンションなふらふらしたやつがこっちに向かってきた。

「いらっしゃいませ~。『パッチールのカフェ』へようこそ~!」
笑顔で出迎えたのは、店主もといオーナーのパッチールだった。

「ここは新しい発見を求めて、日々チャレンジし続ける探検家のためのカフェなんですぅ。」
パッチールは笑顔で説明した。
言葉尻に独特のアクセントがあるようだ。

「探検家のためのカフェ?」
ライナが聞いた。

「はい~。探検の合間においしいドリンクを片手にくつろいでいただくのはもちろんのこと、探検家の皆さんに喜んでいただけるようなサービスをご用意しておりますぅ。」

「へえ~、なんかすごそうやな~。」
カメキチが言った。

「今日はオープン初日なので、お店の中を案内しますね。」
みんなはパッチールの後についていった。

「こちらドリンクスタンドですぅ。皆さん探検中にグミやリンゴなどの食べ物をい拾うことがありますよね?ここではそれらを使っておいしいドリンクをお作りしますぅ。お好みの食材をお持ちいただければてまえパッチールが腕によりをかけてお作りしますよ。」
パッチールはみんなに説明した。

「へえ~・・・。なんかうまそうだな~・・・。」
ソウイチはよだれを垂らさんばかりだ。

「まったく食いしん坊なんだから・・・。」
ソウヤはあきれていた。

「まあ、ソウイチの気持ちもわからねえって訳じゃねえけどな。」
ソウマはおかしそうに言った。

「じゃあ、たとえばリンゴを持ってきたらリンゴジュースを作ってくれちゃったりするって事?」
モリゾーが目を輝かせて聞いた。

「そうそうそう!そんな感じですぅ~。」
パッチールはうれしそうに言った。

「おいしいドリンクを飲みつつ探検話に花を咲かせてください~。では次のご案内に参りますぅ~。」
パッチールは別の場所へとみんなを案内した。

「ここはこのカフェの目玉、『探検リサイクル』ですぅ~。皆さん探検を続けていると倉庫の中に使わない道具がたまっちゃっうことってありますよね?時には泣く泣く捨てなきゃいけなかったり・・・。」

「う~ん、確かにあるかもね・・・。」
ソウヤが言った。

「でも、いらないやつなら売ればいいんじゃ・・・。」
ソウイチが途中まで言いかけたとき・・・。

「ああ!!MOTTAINAI!!」
突然パッチールが大声で叫んだのでみんなびっくりして飛び上がった。
しかも何気に片言だ。

「今もどこかのダンジョンでお腹をすかせている探検家がいるかもしれないというのにッ!!」
パッチールはさらに続けた。

「いきなり大声出すなよ!!びっくりするだろが!!」
ソウイチが怒った。

「あ、これは失礼を・・・。そこで、てまえども考えました。皆さんの余った道具をここに集めて、ほしい道具と交換すればどうかと。ある方はいらなくても違う方はほしいってよくあるじゃないですか。ね?」

「確かにそうだよな・・・。ほしいときに限って道具がないことが全然無い訳じゃないしな・・・。」
ソウマはうなった。

「カフェに集う探検家の間で道具をぐるぐる回せばみんな幸せなのではないかと。」
パッチールはそこで言葉を切った。

「確かにもっともだよ。だからリサイクルって言うのか。」
ソウヤが感心したように言った。

「道具も無駄に捨てずにすむし、これでもうMOTTAINAI!とは言わせないっ!!みたいな。」

「(なんでもったいないだけ片言なんだろう・・・。)」
ゴロスケは内心首をかしげていた。
確かに変なところで片言だ。

「なので、使わない道具がたまったら、ここ『探検リサイクル』をぜひご利用くださいませ~。おまけでくじ引きなんかもやってるのであわせてお楽しみください~。」

「へえ~、それはお得やな~。」
カメキチはくじ引きという言葉にかなりひかれた。

「・・・と、駆け足で説明してきましたが、だいたいこんなお店になりますぅ。」
パッチールは説明を終えた。

「へえ~。なんだか楽しそうなお店だね。」
モリゾーが言った。

「(楽しそうと言うよりただハイテンションなだけな気もするけどな~・・・。)」
ソウイチは心の中で思った。

「はい~。ありがとうございますぅ~。たくさんの探検家に愛される夢と浪漫あふれるカフェを目指して参りますので、今後とも『パッチールのカフェ』をよろしくお願いいたしますぅ~。」
パッチールは笑顔で礼を述べた。

「じゃあ、オレ達はこれから依頼を解決しないといけねえから、また今度ゆっくりさせてもらうことにするぜ。」
ソウイチは言った。

「いえいえ。またいつでもいらしてください。」
パッチールは笑顔でみんなを見送った。
そしてしばらく歩くと、みんなはたきつぼのどうくつに到着した。

「じゃあ、誰がどの依頼をやるんだ?」
ソウマがみんなに聞いた。

「じゃあ、オレとモリゾーでリーシャンを捕まえてくるぜ。」
ソウイチが言った。

「えええ!?オイラ達でやるの・・・?」
モリゾーは不安そうだった。

「すこしは根性きたえねえとな。絶対捕まえるぞ!」
ソウイチはやる気満々だった。
それに引き替え、モリゾーはあまり気が進まないようだった。

「じゃあ、僕たちはリリーラをナマズンのところへ連れて行こうか。」
ソウヤがゴロスケに言った。

「大丈夫かなあ・・・。」
ゴロスケもちょっと不安そうだ。

「心配ないよ。いざとなったら僕が援護するよ。」
ソウヤは笑顔でゴロスケに言った。
その笑顔を見て、ゴロスケも安心したようだ。

「じゃあ、残りはオレ達がやったんでいいんだな?」
ソウマはソウイチたちに念を押した。

「あ、ちょっと待ってくれ!もう一つお尋ね者のやつがあったから、それもオレ達がやるぜ!」
ソウイチは自信たっぷりに言った。

「えええええええ!?もう勘弁してよ~・・・。」
モリゾーは泣きそうだった。

「これぐらいで弱音はいてどうすんだよ。とにかくさっさと行くぞ!」
ソウイチはいやがるモリゾーを引っ張って行ってしまった。

「二人とも大丈夫かなあ・・・。」
ソウヤは心配そうだった。

「なあに、あの二人ならきっとうまくやるさ。」
ソウマは笑って言った。

「ほしたら、オレらもぼちぼちいこか。」
カメキチにうながされ、みんなは別れて出発した。


アドバンズ物語第十一話



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Last-modified: 2010-11-21 (日) 00:00:00
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