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アドバンズ物語第十五話

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ポケモン不思議のダンジョン 探検隊アドバンズ物語
作者 火車風
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第十五話 地獄の食料調達! 脅威のどくガススペシャルコンボ! 


翌朝朝礼が終わると、ソウイチ達はぺラップに呼び止められた。

「食料調達?」

「そうだ。今朝倉庫を見たら、ギルドの食料がなぜかいきなり減っていたのだ。しかも、セカイイチだけがすべてなくなっていた。」
ペラップは表情を曇らせた。

「セカイイチ?なんだそりゃ?」
真っ先にソウイチは質問した。

「とても大きく、とてもおいしい貴重なリンゴだ。そして何より、親方様の大好物なのだ。セカイイチがないと親方様は・・・。」
最後の方でペラップは黙ってしまった。

「え?セカイイチがないとプクリンはどうなっちゃうの?」
ソウヤが聞いた。

「親方様は・・・、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なのだ。だから頼む、セカイイチを取ってきてくれ。」
中盤はものすごく小声で、みんなには何をしゃべっているのかまったく聞き取れなかった。

「はっきり言えよ!肝心なところが全然聞こえねえだろうが!!」
ソウイチはいらいらして怒鳴った。

「まあまあ・・・。気にはなるけど取ってこようよ。」
ゴロスケはソウイチをなだめた。

「チッ・・・。わかったよ・・・。で、どうすりゃいいんだ?」

「セカイイチはリンゴの森の奥深くにある。いいかい?これは簡単なようだが大事な仕事だ。何しろ親方様の・・・、・・・・・・だからしっかり頼むぞ。」
相変わらず話の核心をしゃべらないペラップ。
よっぽどしゃべれない理由でもあるのだろうか。

「わかってるよ。じゃあ行くとするか。」

「でも、リンゴの森って、リンゴがいっぱいあるのかな?」
モリゾーがソウイチに聞いた。

「多分そうじゃねえか?ま、腹が減る心配はなさそうだな。」
ソウイチはモリゾーに言った。

「もう・・・。ソウイチはほんとに食い意地が張ってるんだから・・・。」
ソウヤはあきれてため息をついた。
そして、ドクローズはそんなソウイチたちの様子をじっと見ていた。

「ケッ、あいつら食料を取ってくるみたいだぜ。」

「昨日オレ様達が食べたせいで飛んだとばっちりだな。ククククッ。」

「へへっ。ちょっとちょっかい出してやるか。」
というのも、昨日の夜・・・。

「あんな飯じゃ腹一杯になるわけねえや。」

「連中が寝静まった頃に食料をいただく。ククク・・・。」
そう、ドクローズが夜中にこっそり食料をあさっていたのだ。
当然そんなこととはつゆ知らず、ソウイチ達はセカイイチを取ってくる羽目になってしまったのだ。
そしてしばらく歩くと、四人はリンゴの森に到着した。
リンゴの森は、甘酸っぱいいいにおいでいっぱいだった。

「うわ~、いいにおいだね~。」

「ほんとだ。こりゃあリンゴがいっぱいありそうだな~。」
みんなはリンゴの香りを楽しんでいた。

「ケッ、あいつら行ったようだな。」

「ヘヘッ。オレ達も後を追おうぜ。」
ドクローズはばれないようにこっそり後をつけた。
もちろんソウイチたちは気づくはずもなかった。

「おらおら~!!」
ソウイチのかえんほうしゃが炸裂。
このエリアはくさやむしタイプ、ソウイチに有利なタイプが多い。

「あんまり調子に乗ってると痛い目にあうよ。」
ソウヤが忠告したが、ソウイチは敵を倒すことに夢中で全然話を聞いていなかった。

「だけど、ソウイチとは違って僕らは不利だよ。」
モリゾーはくさタイプ、ソウヤはでんきタイプ、ゴロスケはみずタイプで相性が悪い。
バタフリーに関してはソウヤも多少有利だが、ソウイチのほのお技に助けられているのは事実だ。

「だけど、やっかいなのは状態異常系の技を使われたときだよ。」

「状態異常系?」
ソウヤはモリゾーに聞いた。

「しびれごなとかねむりごなとか、かなりやっかいなんだ。だから注意しないとね。」
そう言いながらソウイチの方を見ると、早速ねむりごなで眠らされ、くさポケモン達の格好の餌食になっていた。

「もう~!!だから言わんこっちゃない!!」
ソウヤはソウイチを抱きかかえ、モリゾーとゴロスケをつれて逃げ出した。
相手はスボミー、ナゾノクサ、パラス。
いずれも相性で不利だ。
わざわざ戦ってPPを消費するよりも、逃げながらどんどん奥へ進む方が得策だとソウヤは考えたのだ。

「はあ、はあ・・・。もう追ってきてないかな・・・?」
ゴロスケはあえぎながら後ろを振り返ったが、敵は追ってきてはいなかった。

「とりあえずまいたみたいだね・・・。でも、どうやってソウイチを起こそうか・・・。」
ソウイチはいびきをかいて気持ちよさそうに寝ていた。
みんなの苦労も知らないで。

「強制的に起こすしかないよ。二人とも離れてて。」
ソウヤはほっぺに電気をため始めた。
電撃を浴びせて意地でも起こすつもりのようだ。

「そ、ソウヤ!あんまり強すぎたら・・・。」
二人はとめようとしたが、もう遅かった。

「さっさと起きろおおおおおお!!」
ものすごい十万ボルトをソウイチに放った。

「ぎいいいいやあああああああ!!!」
もちろん起きないはずもなく、ソウイチは一発で目が覚めた。

「ソウヤ!!オレを殺す気か!!」
ソウイチはソウヤに食ってかかった。

「自分が状態異常に注意しないからでしょ!?調子乗りすぎだよ!だいたいPPがなくなったらどうするつもりなのさ!?」
ソウヤも負けじと言い返す。

「PPマックスは大量に持ってきてんだよ!!ほれ!!」
ソウイチはバッグをソウヤの前に突きつけた。
みんながバッグの中をのぞき込むと、PPマックスが6個ぐらい入っていた。

「これだけあるからっていっても、ほのお技に頼りすぎるのはよくないよ。」
ソウヤは顔をしかめた。

「とにかく勝てばいいんだよ!ほら、さっさと行くぞ!」

「(自分が迷惑かけてたくせに・・・。)」
声には出さなかったが、みんな同じ事を思っていた。


「だいぶ奥まできたね~。もうそろそろかな?」

「リンゴも結構集まったしな~。」

「リンゴ集めが目的じゃないでしょ!」
そんなことを話しながらしばらく歩いていると、目の前に大きな木が現れた。

「あのでかい木がセカイイチじゃねえか?」

「多分そうだと思うよ。早くとろう!」
みんなは木に近づいたが、木は予想以上に高く、実も高いところに生っていた。

「さ~て、どうやって取ろう・・・。」
みんなが考え込んでいると、上から何か落ちてきてソウイチの頭に当たった。

「いって!なんだ?」
それはセカイイチの芯だった。
誰かが食べた後のようだ。

「ククククッ・・・。」
突然不気味な笑い声がした。

「だ、誰だ!!」
モリゾーが大きな声を出すと、木の上からドクローズが降りてきた。
セカイイチをあさっていたのはこいつらのようだ。

「て、てめえらがなんでいるんだよ!?」
ソウイチはびっくりした。
明らかにこの三匹がいる様子など微塵も感じなかったからだ。

「オレ達はここでセカイイチを食べながらお前たちがくるのを待ってたのさ。くるのが遅いんで食い過ぎちまったよ。」
ドガースは下品なげっぷをした。

「やろお・・・。」
ソウイチは今にも技を出しそうな体勢だった。

「食べたって言っても、まだ木に何個か残ってるよ。こいつらを倒してさっさと持って帰ろう!」
いつものモリゾーらしからぬセリフだった。
相当頭に来ているのであろう。

「ククククッ。オレ達を倒すだと?失礼な奴らだな。オレ様はお前たちの仕事に協力してやろうと考えてたんだぞ?」
スカタンクは意外なことを言った。
そして、木に頭突きをし始めると、木からはごろごろとセカイイチが落ちてきた。

「ほら、簡単だろ?さあ早く拾って帰るがいい。ククククッ。」
スカタンクは意味ありげな笑いを浮かべた。

「断る。」
ソウイチは真顔で言った。

「何?」

「ど~せ何か企んでんだろ?お前らの考えてることなんてするっとまるっとお見通しなんだよ!!」
ソウイチは三匹をびしっと指差した。

「驚いた!こいつら全然だまされねえ!」

「なんだつまんねえなあ・・・。セカイイチを拾ってる間にボコボコにしようと思ったのによ。」
ドガースとズバットはおもしろくなかった。

「やっぱりそうか!!」
みんなは改めて怒りがわき上がってきた。
ここまでこけにされたら誰だって怒るだろう。

「引っかからなかったのはすこし残念だが、それでお前らはどうするというんだ?」
スカタンクは余裕の表情だ。

「そんなの決まってるさ!お前たちを倒して、セカイイチをギルドに持って帰るんだ!!」
ゴロスケは三匹を指さして言った。

「ほお、今日はやけに威勢がいいな。初めて会ったときはびびっていたというのに。ククククッ。」

「うるさい!とにかくお前らを倒してやる!!」
ソウヤもいい加減我慢が限界に来ていた。
みんなは戦闘態勢に入った。

「よかろう。お前たちのその勇気に免じて、オレ様達も本気で相手してやろう。」
勇気というのは違う気がするが、スカタンクはドガースを近くに呼び寄せた。

「気をつけろ・・・!何かしかけてくるぞ・・・!」
ソウイチはみんなに注意を促した。

「果たして、お前たちにこの攻撃が耐えられるかな?オレ様と、ドガースの、どくガススペシャルコンボを!!」
そして次の瞬間、二匹は強烈なにおいのどくガスを吐き出した。


「うわあああああああああ!!!」


それからどれほど時間がたっただろうか、みんなはようやく息を吹き返した。
あのどくガスで完璧に気を失っていたようだ。

「だ、大丈夫か・・・?」
ソウイチはみんなの様子を確かめた。

「大丈夫・・・。だけどにおいがまだ残ってるよ・・・。」
ソウヤは体のにおいをかいで顔をゆがめた。

「ったく、なんてことしやがるんだ・・・。下手すりゃおだぶつだったぞ・・・。くそお・・・。」
ソウイチは悔しかった。
何一つやり返すことができなかったからだ。
それは他のみんなも同じだった。

「そ、そうだ!!セカイイチは!?」
ゴロスケは辺りを見回したが、すでになくなっていた。

「あいつらが全部持って行きやがったんだ!!くうう・・・。ぺラップになんて言い訳すりゃあいいんだよ・・・。」
ソウイチは悔しさと怒りのあまり体が震えた。
やりきれない気持ちを残したまま、ソウイチたちはギルドへ帰らざるをえなかった。

「ええ~っ!?失敗しちゃったの!?ほんとにほんとに!?わわわっ、どうしよう!!ほんとうにどうしよう~!!!」
ペラップはものすごく慌てた。

「しかたないよ・・・。だってスカタンク達が・・・。」

「おだまり!!言い訳は聞きたくないよ!!」
ゴロスケが説明しようとすると、ペラップはぴしゃっと言った。

「ぐう・・・。」

「・・・しかたない。お前たちはとりあえず今日は夕飯抜き!!」

「ええええ~!?」
みんなびっくりだ。
まさかそこまでされるとは思わなかったのだ。

「な、なんでだよ!!ふざけんな!!」
ソウイチは激怒した。

「大切な仕事ができなかったんだ。そのぐらいは我慢しな。」
ペラップは冷たく言い放った。

「うう・・・。そんなあ・・・。」
ソウヤは泣きたくなった。
モリゾーとゴロスケもかなりショックを受けているようだった。
ソウイチは悔しさと怒りで手がぶるぶる震えていた。

「フン!泣きたいのはこっちだよ!私はこれから今回のことを親方様に報告しなきゃならないんだよ!そしてそれを聞いた親方様は・・・。きっと・・・。」
そこまで言うと、ペラップはまた混乱し始めた。

「親方様には夕飯の後報告に行く。そのときはお前たちも一緒についてきなさい。親方様のあれを食らうのが私だけというのはあまりにも不公平だからな。だからお前たちも必ずくるように!!わかったね!!」
いったい何が不公平だというのだろうか。
不当な扱いを受けているのは明らかにソウイチたち。
しかし立場上、意見を通すことは不可能だった。
そして、さらには食堂まで連れて行かれ、みんなが食べているのをただ見ているという仕打ちまで受けた。
これなら部屋で待機している方がいくらかマシだろう。

「あいつらなんで食べないんだ?」

「なんでも大事な依頼を失敗したとからしい。」
みんなのひそひそ話が聞こえてきた。
ソウイチたちはもう恥ずかしいやら悲しいやらで、どうしていいかわからなかった。
その間も、ソウイチの悔しさと怒りはたまっていった。

「ククククッ。いい気味だ。」
スカタンクは周りに聞こえないようにほくそ笑んだのであった。
晩ご飯が終わると、ペラップは四匹をプクリンの部屋に連れて行った。
みんなとても気が重かった。

「やあっ!!君たちセカイイチを持ってきてくれたんだね!ありがとう!!」
何も知らないプクリンは笑顔を浮かべていた。

「そ、それがですね・・・。その~、大変言いにくいのですが・・・。」

「ん?どうしたの?」

「実は、その~・・・。この者達が、セカイイチを取ってくることに失敗しましてですね・・・。つまりその~・・・。」

「いいよ♪わかったよ。」
ペラップの言葉を途中できるとプクリンは言った。

「大丈夫!失敗は誰にでもあるよ。くじけないくじけない♪」
プクリンはみんなを励ましたが、そんな言葉はちっとも入るわけがなかった。
みんなあまりにも気分が沈んでいたのだ。

「それで、セカイイチはどこなの?」
たぶん誰もが突っ込むところだとは思う。
いったいさっきまでの話はなんだったのだろうか。

「ですから、その~、取ってくるのを失敗したわけですから・・・、つまりその~・・・、収穫は0ということになります・・・。なので・・・セカイイチは一つもとれなかったと・・・、つまりは親方様にも当分の間セカイイチを食べるのを我慢していただかないといけない。ということなんですね!あはっ♪あはははははははははははははははは♪」
とうとうやきが回ったのだろうか。
ペラップは最後には精神が崩壊して笑い出してしまった。

「・・・ぐすんっ・・・。」
ペラップの笑いが止まった。
プクリンが今にも泣きそうな表情を見せたからだ。

「うる・・・。うるうるうるっ・・・。」
すると、またあの時のようにあたりが揺れ始めた。

「わあああああ!!い、いかん!!」
ペラップは叫んだが、ソウイチたちにはなんのことかさっぱりだ。

「・・・うううっ・・・。ううううううっ・・・。」

「わああ!部屋が揺れてるよ!!」
ソウヤは叫んだ。

「うあ・・・。うああああ・・・。」
揺れはひどくなる一方、それにあわせてプクリンの泣き顔も変化する。

「お前たち!耳をふさぐんだ!!」

「な、なんでだよ!?」

「ど、どうして!?」

「いいから早く!」
ペラップの言うとおりみんなは耳をふさいだ。

「ウアアアア・・・。ウアアアア!」

「ひい~~~っ!」

「ビエエエエエエエエ!!」
大音響があたりに響き渡った。
これはもう耳をふさぐレベルではない。

「わあああああ!!!」

「ぎゃああああああ!!耳が・・・、耳があああああ!!」
ソウイチとソウヤはソウイチは思いっきり後ろにのけぞっていた。

「助けて~!!!」

「ひいいいいい!!!」
みんなが気絶しかけたそのとき・・・。

「ごめんください!セカイイチを届けに参りました!」
突然響く声にみんな唖然とした。
声の方を見ると、なんとドクローズではないか。

「て、てめえら!!」
ソウイチは身構えたが、三匹はソウイチたちの横を素通りしていった。

「ほら、本物のセカイイチです。お近づきの印にどうぞ。」
スカタンクは笑顔で言った。

「わあ~っ!僕のためにわざわざとって来てくれたの!?わ~い、ありがとう!!友達友達~!」
プクリンは泣き顔からいっぺん、満面の笑顔になった。

「あ、ありがとうございました!あなた様のおかげで私どもも助かりました~!」
ペラップはとても救われた心地がした。

「ほらっ!お前たちもぼーっとしてないで頭を下げるんだ!」
ペラップはソウイチたちの頭をぐいぐい押した。

「(うぐぐぐ・・・。くっそお・・・。)」
みんなの心は屈辱感と怒りで満ちていた。
下手をすればここで暴走していたかもしれないほどだった。

「ククククッ。いやいや。私たちも今はギルドで世話になってるんです。その間助け合うのは当然のことです。」
何を白々しいことを言っているのだろう。

「おお~っ!なんというすばらしいポケモンなんでしょう♪あなた様のようなお方とご一緒に遠征でいるとは、本当に心強いです!」
ペラップはとても感激していた。

「ククククッ。いやいや。それは私達も同じです。本当に遠征が楽しみです。今日はもう遅いので休みます。ではまた明日。ククククッ。」
いったいどんな意味で楽しみなのだろうか。
スカタンク達はあいさつをして部屋を出て行った。
事実、こいつらはプクリンに取り入り、信用を得ることで計画を進めやすくしたのだ。
その計画とは、遠征でギルドが手に入れたお宝を強奪することだった。
いったいどこまで悪事をはたらけば気が済むのだろうか。

そして、ソウイチたちはようやく解放され、部屋に帰ってきた。

「はあ・・・。今回もやられっぱなしだったね・・・。」
ゴロスケはしょげかえっていた。

「おまけに晩御飯抜きだし、もうおなか減ったよ・・・。」
ソウヤはしきりにおなかをさすっていた。
みんな口々にぼやいていたが、ソウイチだけは部屋の隅でずっと押し黙っていた。

「ソウイチ・・・?どうしたの・・・?」
モリゾーがソウイチの肩を叩こうとすると、ソウイチは立ち上がり、思いっきり壁を殴りつけた。

「ひいっ!」
みんなびっくりした。
あまりにも予想外の行動だったからだ。

「ちきしょう・・・。ちきしょう・・・!!」
ソウイチは壁を殴り続けた。
顔は鬼のような形相ながらも、目からは涙がとめどなくあふれていた。

「ソウイチ・・・。」
モリゾーは声をかけようと思ったが、ソウイチの気持ちを察してやめた。

「ゆるさねえ・・・。絶対にあいつらゆるさねえ・・・!!」
壁を殴ることはやめたが、その目はじっと壁を見据えていた。
前のこと、そして今回のことで、ソウイチは耐えがたい屈辱を味わった。
泣くほど悔しいのも当然といえるだろう。

「ぐうう・・・、うおおおお・・・!」
泣くまいと必死にこらえているが、それでも涙は止まらない。
感情の爆発だけは必死で抑えていた。
みんなはその様子を見て、とてもいたたまれなくなった。
しばらくしてみんなは眠りについたが、とても眠れる雰囲気ではなかった。
それほど、部屋には重苦しい雰囲気が漂っていた。


アドバンズ物語第十六話



ここまで読んでくださってありがとうございました。
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Last-modified: 2010-11-26 (金) 00:00:00
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