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よくあるお話-その2

/よくあるお話-その2

よくあるお話の続きです。
ここでキャラ紹介を少し…

ユキ(雌:マグマラシ)
推定16才

優(雄:人間)
推定20才

カンナ(雌:エーフィ)
推定17才

イル(雄:イーブイ)
推定15才


いつもと変わらない朝…
ではなくて、ちらほらと違う所が…
「おはよう」
のんびりとした私服姿の優。
今日は学校が休みらしい…
外から入って来る朝日がリビングいっぱいに差し込む。
「悪いんだけど、イル起こして来てくれないかな?」
「イルはどこで寝てるの?」
「二階の右側の部屋だと思う」
二階…
二階なんてあったんだ…
僕にとって未知なる場所だ。
リビングを出てすぐ、トイレの横、薄暗い階段が口を開けている。
早速、上がって見る。
そして、異様な光景が目に飛び込んできた。
ドアノブが無い…
良く考えればこの家には玄関以外にドアノブを見てない。
「イル〜起きてる?」
「あ、はい…」
いきなりドアがこちら側にあいた。
同時に痛みが走る。
「痛っ…」
ドアに鼻をぶつけた。
「あ……ごめんなさい、大丈夫ですか?」
なるほど…両側からの押し戸になっているのね。
「うん…ご飯だよ」
食事が済んで、優に聞いた。
「なんで、ドアノブが無いの?」
「お前たちが使いやすいように…」
ふ〜っ、と優がソファーに座る。
僕も隣に座る。
イルは優の膝の上に座る。
「昔さ…」
優が呟く。
「まだ、俺が小学生の頃…一人で森に遊びに行った事があって…
案の定、道に迷ってさ…日も暮れてきて、暗い森の中を歩いてたんだ」
ふ〜ん…ドラマとかで有りがちなパターンだな。
「それで、どうしたんですか?」
「必死に森を抜けようとしたんだよ…
でも、出られなかった…夜、体力的にも辛かった俺は、木の下で休んでさ
…周りに木の実は成って居たんだけど…小学生が採れる高さじゃなかったんだ
夜が明けると今度は白銀のアブソルが縄張りの見回りにやって来たんだ…
かなり怒ってて…
もうその時には諦めが着いて、仰向けに寝転がったよ。
『一思いに殺してくれって』
だけど…
そいつは人間の言葉がわからなかったんだよな。
でも、敵意が無い事が伝わったのか、それとも、あいつが優しかったのか…
食べ物を持ってきてくれて介抱までして貰ったよ。
しかも、街まで送ってくれて…
無事助かったんだけど…アブソルが気になって…
『もしかしたら、会いに来てくれるかも』
なんて馬鹿な考え起こして
何年も経ったのに、もう会えないってわかってるのに…
家をリフォームしたときにポケモンが使いやすいようにしたんだ…」
話を聞いていて目が潤んでいるのがわかった。
「素敵な話です…」
「探しに行かなかったの?」
「探したさ…あいつ…生きてるかな…」
外から車の走っている音が聞こえる。
なんか、変な空気になってしまったな。
「ねぇ…暗い…」
「あ、ごめんごめん、今日何しようか?」
元の明るさを取り戻したのか、無理しているのか…
僕とイルは顔を見合せる。
「何しようかって…」
「言われましても…」
今は特にやりたいことなど無いしな…
「じゃあ…かくれんぼでもする?」
よ、幼稚…
「な、なんで急に…」
「マスターが言うなら何でもやりますっ」
「大体、3人じゃ少ないでしょ?」
「そっか…じゃあ、180度思考を変えて、映画鑑賞ね」
「まぁ…それなら…」
「決まり!」
そう言うと、優は早速準備に取りかかった。
ところで何を見るんだろう…
タイトルは…「別れ」
仲が良い兄弟がいた。
二人は何をするにも一緒だった。
しかし、兄が事故で死んだ。
弟は嘆き悲しんだ。
ある夜夢を見た。
兄が心配そうにこっちを見ている。
兄は何も言わなかった。
言えなかったのかもしれない。
あまりにも心配そうにしてるので弟は大丈夫だよと声をかけた。
それを聞くと兄はゆっくり消えていった。
何を伝えたかったのだろうか…
「あのさ…俺は別れは新しい出会いの始まりだと思うよ、だからさ…悲しむなよ」
「急にどうしたんですか?」
「いや、深い意味はない」


その夜、またリビングで話し声を聞いた。
「ねぇ…マスターは綺麗に死にたい?」

「あぁ…死ぬならな…」

「後、6日あるでしょ?」

「6日か…」

「運命はちょっとの事じゃ変えられ無いけど、ある程度別の方向に持っていけるわ」

「どう言うこと?」

「分かりやすく言うとベットの上で死ぬのと、事故で轢かれて死ぬのは違うでしょ?」

「えっと…」

「……もっと分かりやすく言うと4日後にベットで静かに死ぬか、6日後に突然死ぬかどっちを選ぶ?」

「そんなこと出来るのか?」

「静かに死にたいんだったら明日来るからその時に言って」

「あぁ…」

 

良くわからないけど…優が………死ぬ。
その後、朝まで眠りにつけなかった。
「おはようユキ、イル」
「おはようございます」
「………」
夜のことが気になる。
あれはどんな話だったのだろうか。
「ユキ?」
優は何を隠そうとして居るのか…
「ユ〜キ〜」
冷静に考えれば死ぬ事は事前にわからない。
自殺は別として…
何か特別な事情が…
「ユキ!!」
「え、あ…の、何ですか?」
あれ、不意に敬語が出た。
「どうしたの、ボーッとして?」
「いや、ちょっと考え事」
「彼氏でもできた?」
………はぁ…こんな奴が死ぬとは思えないな…
「馬鹿っ、優が…」
隠し事をしてるから…
そう聞くのが怖かった。
「俺が?どうかした?」



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Last-modified: 2010-07-12 (月) 00:00:00
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