ポケモン小説wiki
vermirion

/vermirion

ヴァーミリオン。
それは炎の色。力強く、それでいて優しく燃える炎はどんな壁でも乗り越える。
そう、愛のように……。


ジリリリリ………。
「煩いなぁ……、もう!」
俺は毎日のように目覚まし時計を叩き潰さんばかりの勢いで止め、また寝ようとした時、
「起きなさーい。拓也ー。」
「はーい。わぁったよ。」
俺の名前は拓也。どこにでもいる中学一年生だ。
ただひとつ違うことはこの生活に飽き飽きしてるってことかな…。
「眠い……。」
まだ眠いけど呼ばれたからには起きるしかない。
「おはよー。」
「拓也。早く朝ごはん食べないと学校遅れるよ。」
わかってるって。そう思いつつも俺は朝食を食べ、学校に行った。
そして五時間もの無味乾燥な授業を終え、俺は帰路についた。
部活はどうしたって?そんなものには入っていない。
「はぁ…、今日も普通の一日だった。」
当然と言えば当然のことだけどな。
俺はこの生活に飽き飽きしてる。
だからこそ変化のある生活に期待している……、あるわけないのにな。
そしていつものように帰ろうとした刹那、
俺は驚いた。そこにあった、いや、いたのは茶色の体、尾と首もとが白い生き物、いや、ポケモン。
それは本来この世界にいるはずのないもの。
『イーブイ』だった。
そしてそれが俺とイーブイとの出会いだった。


「おい!大丈夫か!?」
俺は非日常な事に嬉しさと驚きを隠せなかったが、
とりあえずイーブイの安否を確かめるために声をかけた。が、返事はなかった。
もしかして言葉が分からないのか…、と思ったがそれは違うようだ。
近づいたら、イーブイが気を失っていることに気づいた。
俺は迷いなくイーブイを家に連れて帰った。
その後母親の質問攻めにあったが全てを説明し終え、イーブイを自分の部屋のベッドに寝かせた。
しばらくすると、イーブイは目を覚ました。
「あの…、こ…こ……は?」
何だ喋れるのか。まあいいや。それより質問に答えなきゃ。
「ここは俺の家だ。お前が道に倒れているのを俺が連れてきたんだ。」
「あ、ありがとうございます。
あの…、あなたの名前は?」
「俺は拓也。それよりなんであそこに倒れていたんだ?」
「……、私はポケモン界に住んでいました。私の村は8つの種族で、できていて、ある日悪と炎、それと雷の種族が反乱を起こして……。
中でもノーマルの種族の生き残りは私だけで食料もなくて、もう駄目だと思って気を失ってしまって。
気がついたらここに……。」
そうか、そんな事情が…。
「お前、行く所がないのか?」
「……、はい。」
「じゃあ、俺と一緒に住まないか?」
「え…、は、はい…。ありがとうございます。」
「早速だけど名前は?」
「ありませんけど…。」
「じゃあ、俺がつけてやるよ。うぅーん、そうだなぁ。
お前雌だよな?」
「はい。そうですよ。」
ガシッ
俺はイーブイの後ろ足の間を開いた。イーブイの後ろ足の間にはピンク色のきれいな割れ目が顔を覗かせていた。
「わっ!ちょっと…、何するんですかぁ」
頬を赤くして言うイーブイはとても可愛かった。
「ごめん、ごめん。確認だよ。」
「そういう事は彼女とやってください…。」
怒らせちゃったかな?
「よし、決めた。お前の名前はルビーだ。」
「ルビー…。」
イーブイが雄だったら名前はサファイヤにしようと思ったけど
雌だったのでルビーにしたってわけだ。
「今日はもう遅いから寝るか。」
気づけば時刻はもう9時を回っていた。
「はい。」
「あ、でも布団がないなぁ。」
「私は床で寝るから大丈夫です。」
「何言ってんだ。夜は冷えるからそんなの駄目だ。」
「でも、そうしたらあなたの布団が。」
「じゃあこうすればいいじゃねえか。」
俺はそう言うとルビーを抱き抱え、一緒に布団に入った。
「拓也…さん……。」
10分も経てばルビーは寝息をたて始めた。
にしても、あの敬語はやめてくれないかな、気まずいし。
その考えはすぐに眠気によって消され、俺は眠りについた。


朝、俺は目覚まし時計が鳴るより早く起きた。
理由は簡単。今までとは違う朝だから。
その理由、『ルビー』は可愛い寝顔で寝ている。
「おはようございます。」
あ、ルビーが目を覚ました。
「ああ、おはよう。」
俺は淡白に朝の挨拶を済ますと、支度を始めた。
えっ?何の支度だって?そんなもん学校に決まってんだろ!
「どこに行くんですか?」
「ああ、そうか。ルビーは学校を知らないんだ。」
「が……っこう?」
「説明してやろう。
学校というのはな、人間が子供の時に行くことが義務とされている牢獄なんだ。
そこでは勉強という懲役がかせられて、全てが終わると帰されるんだ。」
俺は学校への不満をぶちまけた。
「それって…、大丈夫なんですか、拓也さん?」
ルビーは俺の適当知識?を信じきっている。
「ああ、俺はもう慣れたからな。
それよりルビーは俺が帰ってくるまでこの部屋にいてくれ。
ご飯は此処においてあるからな。」
「わかりました。」
「じゃあ、行ってくるからな。」
「いってらっしゃい。」
俺はルビーに見送られて、内心ドキッとしながらも、俺は学校に行った。

Looking from different angles

拓也さん…行っちゃったなぁ。
この世界にはポケモンはいない。
だから知り合いもいない。
しかも、遊ぶ物もないし。
すなわち……、暇!!
まぁ、いいか。私は居候の身だし贅沢は言えない。
それにしても拓也さん優しいなぁ。
突然出会ったこの世界にいるはずのない私を此処に住まわせてくれた。
ドキッ!
なんか心臓がドキドキする。私、もしかして…。
そんな事を考えている内に瞼が重くなってきた……。

Looking from different angles

「たっだいま!」
俺は学校から晴れ晴れしい気持ちで帰ってきた。
「……。」
返事がない。っまさか!
俺は急いで自分の部屋に行った。
そこには案の定、飯も食わずに幸せそうな顔をして寝ているルビーがいた。
「心配させやがって。」
俺はルビーを揺らしてみた。
「う…、うぅん、おはようございます。」
「もう夕方だよ?」
「そうですね。」
「とりあえず飯食って、風呂浴びるぞ。」
「はい。」
その後、飯を食って、俺は風呂場に行った。
そしたらルビーがついて来たから驚きだ。
「ルビー。お前は後で入れ。」
「でも、私、体洗えませんよ。」
「ああ、そっか。じゃあ、一緒に入るか?」
「…、はい。」
そして俺は風呂場に行き、ルビーの体を洗ってやった。
邪なことはしてないからな。決して!
「寝るぞ、ルビー。」
「はい。」
「敬語、止めてくれよ。」
「え?あ!…、うん。」
俺は布団を被った。
間もなくしてルビーも入ってきた。
「好きだよ。……、拓也。」
俺はその時もう眠りについていたから分からなかった。
ルビーに芽生えるある気持ちに…。


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Last-modified: 2012-04-11 (水) 00:00:00
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