ポケモン小説wiki
skyの実態(詳)

/skyの実態(詳)

注意! 

この作品は私の自己紹介的なものを小説化したものです。
興味のない方はブラウザバックをお願いします。








第一節 マスターskyの憂鬱、もう一人の己 



「……今宵は珍しく平和ですね。」

静かな時間が流れる中私は、本のページをペラリとめくっては、つまらなそうに呟いた。

電気の概念がないこの図書館で、天窓から射し込む月の光のみが数多の本を照らし、神秘的な光景だ。
しかしながら、普段の月とは似つかなく、他の光など寄せ付けぬほどの明るさは、昼夜を反転させた様で不気味にも見えた。

私は【sky】と書かれた本を読みながら過去の自分を戒ている心情に不安を感じる。

私はこれで良かったのだろうか?
別の選択をしていれば… いや、考えるのを止めようか。
もうじき、彼がやって来る。

そんな時、入り口の扉が音もなくゆっくりと開いた。


第ニ節 skyの誕生、思想家の意思 [#30wyB1q] 


「お待ちしておりましたよ、慶さん」
戸惑いつつも冷静な表情の彼に私は、少し怒りを含んだ言葉で、彼を迎い入れる。

「ごめん、すっかり遅くなった」
それだけ言い、彼は椅子に座った。
彼は私が読んでいる本に目をやると、
「先ずは招いてくれてありがとう」
と言った。

「やはり慈悲深いですね。 全てに対してのその感情は、時として牙を剥きますよ」

「分かってる。 でも、今はこれしか出来ない。
失って気付くのと何も知らずに終わるのを選ぶなら…僕は前者を選ぶ。

ひと昔前までは、僕は、後者の方だった。
傷ついて臆病になるくらいなら、知らないままで生きてく方がいい。
でも、己が生きている証を持ちたい。
そして、僕は【sky】の作者ページを立ち上げた」

「ふむ、でもその時が私の生まれた時ではないのでしょう?
その時の私は像はあれど自我も無ければ、意識も、ましてや、【アザレアの名を持つエーフィ】も無くて、只の作品が置いてあるページにしか過ぎなかった。
そうでしょう?
聞かせて下さい。 思想家である貴方様の声を」。


第三節 再筆への助言者 


「そろそろ核心に迫ってきたね。
……じゃあ、話すよ。
これから、思想家としての慶。 そしてマスターskyとしてのキミが生まれたキッカケを」

やはり、思う所があったんだな。
でも、マスターskyの私ではなく、慶としての思想家である彼からの言葉を聞きたい!

「skyの作者ページを作ってから僕の生活には変化が起きた。
そっちの世界(ブラウザ)に行くのが楽しくなったし、創作して作品にする。
其れを見た閲覧者がコメントする。
それは、僕の中で唯一無二の娯楽になった。
でも、その時から僕は有頂天になっていたのかもしれない」


「私は何十億年も生きている
  私は何十億年も生きているが、見た目は10代前半だ
  私は昼と夜では雰囲気が異なり、夜は危険だ


  …ふぅ。 今言った言葉をどう思う?」


捲したてるように言った彼の顔には、薄っすらと涙が浮かんでいた。

「これはやりすぎですね。 度が過ぎてますよ」

「うん。 実際に沢山の非難がきたよ。 退屈は紛れてたはずなのにね。
心の何処かで欲張りを見せちゃったんだね。
見せるじゃなくて、《魅せる》方かな、今は。

当然、僕は落胆して、自分を責めたよ
どうしてこんな事を書いたのかって…。
普通、記載する前に気付くと思うけど、当時の僕は好評のコメントが多くて舞い上がっていて、消防になるほどの作品か否か判別できなかったんだ。

でもね、その中の一人でもあり、同時に優秀な作者さんでもある
《双牙蓮刃》
さんに言われたんだよ
『この内容を少し使って小説化してみては?』って。

その時悟ったんだ。
傷ついてこそ間違いに気付ける。
何も知らなければ、傷つかないけど過ちにも気付かない。

でも、方向転換は簡単じゃない。 今まで積み上げてきた自分を否定する事になるから。
荒らされ、消えて行く作者ページを見ながら数年間は己を変える事に費やしたよ。

そして今、新たな方向と決意を胸に
《慶》を創設した。
それで、バックアップに残ってる
《sky》を自分への戒めとして復活させた。

更に、過去の己を忘れぬよう、skyを登場人物として、《早乙女 空無》として作った。
これが、キミが生まれたキッカケだよ」

第四節 二つの真実、思想家と創造者 


「……なるほど。 ありがとうございます、辛かったでしょう?」

「慈悲深いのはキミもじゃないか。 って、元は僕だから当然か」

彼はそう言うと、寂しく笑った。

「最後に一つ、良いですか?」

「僕も一言、キミに問うよ。 キミからどうぞ」

「分かりました。 では、《アザレアの名を持つエーフィ》とは何ですか?」

「来ると思ったよ、その言葉。
アザレアの別名は西洋ツツジの植物で、花言葉に《節制》や《あなたに愛されて幸せ》なんかがあるよ。
エーフィは《なつきで進化》するからね。 アザレアの名前が一番しっくりきたのさ。
後は…キミなら分かるよね」

「えぇ。 ありがとうございます。
さて、次は私の番ですね」

「うん。 じゃあ問うよ。
早乙女 空無。 キミはこれから何をしたい?
マスターskyではなく、キミに聞きたい!」

「私がやる事、ですか。 ひとつの答えとして、《この世界をもっと知ってもらう》ですね」

「うん。 それだけ聞ければ充分だよ。 じゃ、そろそろ僕は帰るよ。 この物語を記載しなきゃね」

「今宵は、天候が安定しません。 お気をつけて。」

「ありがとうね」

そう言うと彼は、背中越しにサムズアップを取りながら元の世界へと帰って行った。


最終節 それぞれの道 



「これから何を見るか、ですか…」

溜め息の様に吐いた自分の言葉には、少しだけ重みを含んでいた。
やはり彼も迷っている。
その無意識の心情に私は、感化された様だ。
なのになぜ、彼は自身に満ち溢れた顔をしていたのだろうか。

……あぁ、そうか。 彼は天才でしたね。

応用に対して完璧なまでに高く、誰にも思いつかない発想をする。
他人とは違い、マイノリティな発想をして他人を驚いかせ、笑わせる。

それが無意識に出来るというのだから、彼の右に出るものはそうそういないでしょう。

まぁ、彼は嫌いみたいですが。

‥‥…さて、そろそろ出かけますか。

扉を開けて宇宙空間の先へ向かいましょう。

〜FIN〜


トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-12-22 (水) 12:32:51
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.