Taboo Ⅶ 「移動」
※ TabooⅡにて、ユキノオーはまだ息絶えてませんでしたが、ちょっと修正を入れました。
ユキノオーは死んでいる設定です。
「そしておそるおそる後ろを振り返るとそこには・・・」
「ややややめてくださいいいいいい!」
フィトムさんの家にて、私たちはリビングでゆっくりと寛いでいた。
もうすぐで夜7時。晩御飯はもうすぐだ。
で、後ろを振り向けばガイトさんがフレイさんに怖い話を披露しているところだった。
ガイトさんの外見の力もあってなのか、それとも単にフレイさんが怖がりなのか。まぁともかくフレイさんはもう泣きそうである。
それをみて笑いをこぼしているのはウィークさん。もうすっかり回りになじんだ様子です。
それにしてもガイトさんはやりすぎじゃ・・・と言い掛けた時、フィトムさんがバンダナ姿でキッチンから出てきた。
「飯ー。できたぞー」
そういってテーブルに美味しそうな香りを放つ料理が並べられる。
鮮やかな色を放つその料理は、もはや一つの芸術のように感じた。
「お・・・おいしそう・・・」
おもわずもらした私の言葉に、フィトムさんが「どうも」と笑って答えた。
まさかフィトムさんが料理好きだったとは・・・この町に来てからの新発見である。
そしてカルスさんの合図でいっせいに皆が料理を食べ始めた。
「あ~・・・懐かしいなコレ」
カルスさんが真っ赤な木の実を焼いたものを食べて微笑んでいった。
「あ、ソレ確か俺の初めての創作料理だったな・・・一回目は試食したお前が死にそうになってたのを思い出すわ・・・いやあれは本気でビビッたからなぁ」
どうやらカルスさんとフィトムさんが小さい頃の話らしい。ってか一回目の味がどんなだったかが気になるのデスガ・・・
「死ぬって・・・どんな味なんですかカルスさん」
ためしに聞いてみた。するとカルスさんが苦笑いを浮かべて答える。思い出したくなかったようだ。
「そりゃ・・・えー・・・なんかなぁ・・・“この世の全ての辛いものを濃縮した”ような味・・・と言えばいいのかな?」
話に聞くだけで壮絶な味だ。なんだか舌がビリビリしてきた気がする・・・
「原型の木の実がマトマの実だからまぁ辛いだろうかど・・・なんか別のも使ったのか?その時って・・・」
ガイトさんがフィトムさんに問いかけた。
「んー・・・ソースにオッカの実とヒメリの実と・・・まぁ色々だな」
ヒメリの実はさておきオッカって・・・確か大分辛かったはずじゃあ・・・
って色々!?まだほかに混ぜたんですか!!
「でもコレは結構甘いぞ?」
ウィークさんがフォークでその料理を食べながら言った。
「あぁ、カルスが死にそうになったときに、カイスの実でソースを作ったら美味しいことに気がついたから・・・カイスのソースで味付けされているんだ」
気がついたって・・・カルスさんの苦労は無駄ではなかったんですね。
と、まぁそんなこんなで料理もあらかた食べ終わり、フィトムさんがお皿を片付け始めた頃、カルスさんが今後についての作戦を立てた。
「さて、ウィークとフレイが仲間に入ったことで、コチラにも光が差し込んできたといえるが、まだほんの一部だ。そこでこれからは支部を潰していくことにする」
「まぁ、今はそれ以外にやることが無さそうですからねぇ・・・」
レインさんが眠たそうに言った。
「ソレもあるが・・・支部を潰していけば本部への道も出てくるだろうからな・・・」
カルスさんが呟くように言葉を発する。
ウィークさんの話によると、支部は必ず別の支部とコネクトを取っているから、そのコネクトをたどっていけば、発信源の本部までたどりつけるらしい。
まぁ情報が本部から回らない支部など無いだろうから、たとえコネクトが無かったとしても、何らかの手がかりが
あるかもしれない。
「じゃ、今後の移動ルートを説明するぞー?」
カルスさんが地図を広げて、ペンで線を引き始めた。
「この町での食料、道具の調達を終えたら、町から南へまっすぐ。その先にある町をさらに東へ進めば一つ目の支部が見つかるそうだ」
南へまっすぐ・・・とあるが、距離は相当なもので、結構時間がかかりそうだ。
さらに道中には砂漠と思わしき模様が広がっている・・・なんとなく不安だ。
「カルスさん、砂漠は避けられないんですか?地図には砂漠の周りに何も無いし・・・」
「あぁ、ソレについては僕から言っておくよ」
カルスさんに問いかけたところを、レインさんが遮った。
「実は砂漠の外側は密林で覆われているんだ・・・地図になにも書かれていないのはそこが危険“すぎて”だれも探索できなかったからだって」
「え゙・・・・・・」
絶句。まさかそんなことがあるとは思わなかった・・・
「大丈夫だよ!砂漠さえ通れば“多分”抜けれるから・・・!」
「多分・・・ですか」
今回の旅は大分大変になりそうだ・・・
「・・・じゃ、作戦のほうは行き先の町、『グランディス』で詳しく説明するからな」
その後の解散!の一言で皆それぞれの部屋へと戻って行った。
部屋が少ないので二人一部屋だ。私はカルスさんと一緒に布団へともぐりこんだ。
いわゆる二人きり・・・・・・ってやつです・・・・・・うん。
「・・・ラフィ・・・大丈夫か?」
と、急にカルスさんが声をかけてくる。
「え・・・?何がですか?」
「砂漠の事と密林の事だ。さっき不安そうにしてたし・・・」
そういってカルスさんが体の向きを変えてこちらを心配そうな顔で見た。
「・・・正直言うと不安です・・・けど」
ためらいつつも正直な気持ちを述べた。
どんな事になっても後悔はしないと、とっくに決めたのだから、どんな状況であれ前に進まなきゃならない。
それでも、不安なものは不安だった。
ここでカルスさんが口を開いた。
「大丈夫だ・・・俺が守るよ・・・」
そういってカルスさんは私を抱き寄せ、
額に軽く口付けをした。
「・・・え・・・・・・?」
ふと顔が熱くなる。しかしカルスさんのほうはなんでもないような表情をしている・・・これは・・・ゑ?・・・何?どゆこと?
「・・・さ、明日に備えて早く寝な」
そういってカルスさんは布団を被りなおした。それを見て私もあわてて被りなおす。
そしていつの間にか、不安が綺麗になくなっていたことに気がついた。
「・・・ありがとうございます」
私は口の中でそう呟いた。
ラフィが眠りに着いたと思った瞬間、顔が紅潮していくのが自分でも分かった。
耳の内には、ドクドクと心臓が脈を刻む音だけが鳴り響き、手の中には、ラフィを抱き寄せた感覚が今だ残っている。
俺はただラフィを落ち着かせるためにやっただけなのに、妙に心音が高鳴っていく。息もし辛い。
そうだ・・・この気持ちは・・・・・・
「・・・分かってる・・・この気持ちが何なのかぐらい・・・」
深呼吸の後、ため息混じりにそう呟いて眠りについた。
朝。私は窓から差し込んでくる日差しによって目覚めた。
カルスさんはまだ布団の中ですやすやと寝息を立てている。それを見て少し微笑み、私は布団を出た。
そうして大きく伸びをする。ここでふと昨日の夜のことを思い出してちょっと顔が熱くなった。
「・・・っ何を思い出してるんですか私・・・」
と、自分に言い聞かせながら腕を下ろす。そして部屋から出ようと後ろを向いた瞬間
「思い出すって、な に を ?」
からかうように笑みを浮かべているガイトさんがコチラを見つめていた。
一時の空白。
「なななななななな何でぇぇぇ!?」
え!?何?今の聞かれた!?少々頭の整理がツカナインデスケドォ!?
「おーい、カルス~!おきろぉ!!ラフィがお前のことを思いd「何もいってないじゃないですかぁぁぁぁ!!」
ガイトさんがカルスさんに呼びかけようとしたところで私が遮った。もしカルスさんに聞かれたら熱で倒れそうなんですけど!
「まったく・・・お前らは朝から元気すぎるなぁ・・・」
と、カルスさんがゆっくりおきてきて、大きな欠伸をした。
「お!起きたかカルス!ラフィがおm「だぁぁぁかぁぁぁらぁぁぁぁぁ!!!」
すかさずガイトさんがカルスさんに暴露しようとするので、即座に私が遮る。
そんな私とガイトさんのやり取りを見て、カルスさんが含み笑いをこぼした。
「ま、からかうのはそれほどにして、顔洗って朝食を取るぞー」
少し笑いながら部屋を出るカルスさんに続き、私たちも部屋を出た。
「「いただきますッ!」」
全員が声をそろえて言い放ち、即座に朝ごはんが開始された。
昨日とはまた別の料理だが、とても美味しそうな料理であることは変わりない。
こんなの二回連続で作り出せるフィトムさんは一体・・・
「あ゙!!ガイト!ちょっとソレ僕のなんだけど!!」
レインさんのお皿の上に乗っかっていたパンがガイトさんの爪によって奪われた。そしてそのままガイトさんはパンを口の中へと放り込み、朝日のようなとてつもなく爽やかな笑みを浮かべて「遅いぜッ!」と言い放つ。そりゃあ貴方はマッハポケモンでしょうけどさ・・・
「まぁ世の中には“早い者勝ち”っつー言葉もあるしなぁ・・・」
とそこで納得するウィークさんは何なのか。隣にはガイトさんに料理を取られまいと必死に食べ続けるフレイさんが目に映る。
「んぐおッ!」
そして予想どうりにフレイさんがのどを詰まらせた。それを見たウィークさんがあわててコップの水を手渡す。
そしてそのコップの水を飲み干し、一息つこうとしたフレイさんの目の前には、お皿の上に盛られていた料理が皿を残して消え去っていた。
「あ」
そして恐る恐るフレイさんが後ろを振り返ると口を動かしているガイトさんの顔が・・・
「お、悪いな。俺が食っちまった」
悪びれる様子も無く言い放ったガイトさんを見ながらフレイさんが固まる。
何がどうなっているのか、フレイさんの顔を見てみると、泣く三秒前といったような表情をしていた。
そして私が「やり過ぎですよ!」と言おうとした瞬間・・・
「なんつってな」
と、言いながらガイトさんが料理を差し出す。
「・・・・・・!」
再びフレイさんに安堵した表情が浮かんだ。そして頭を掻きながら「すまねぇな、やり過ぎたぜ」と苦笑しながら謝った。
「さすがに俺でもそんな酷いことはしねぇよ」
席に着いたガイトさんが私のほうを向いていった。言葉が読まれていたみたいだ・・・
やっぱりガイトさんも優しいんだな・・・と私は思う。
「多分な」
前言撤回!
「さて、荷物は持っているか?」
カルスさんがフィトムさんの家の前で最終確認を行った。
私も念のため鞄の中を確かめ、何も忘れ物が無いのを確認して頷く。
今回の目的地はここから南に進み、途中にある砂漠を越えたところにある町、『グランディス』で、その道はとても荒れていて、とても遠い。おそらく大分大変な移動になるだろう。
さらに軍からの追手という敵もある。それを考えれば準備を完全にさせておく必要もある。
一通り皆を確かめ終わったのか。カルスさんが頷いて一声上げた。
「出発だ!」
「ドラゴンクロー!」
「竜の波動!」
「シザークロス!」
「ストーンエッジ!」
「火炎放射!」
「スピードスター!」
「ハイドロポンプ!」
「切り裂く!」
それぞれの技が飛び交い、目の前の敵を蹴散らしていく。
俺はドラゴンクローで宙を舞う敵に追い討ちをかけていった。
隣ではヴァルがミサイル針で狙い撃ちをしている。
「チッ・・・まさか砂漠で待ち伏せされていたとはな・・・カルス」
「まぁな・・・だが町の前で敵を一度落としたんだ。支部まで情報が回って軍を守るために対抗するのは当たり前だろうな」
敵からの猛攻撃をかわしながらヴァルが呟いた。そして俺はその呟きに言葉を返す。
町から外へ出ておよそ6時間半。砂漠へと到達した俺達に襲い掛かったのは敵の軍隊だった。
前の戦い・・・つまりはユキノオーと戦ったとき、ユキノオーからの通信が急に途切れたことにより不信感を持った軍が、途中の道であるこの砂漠に軍隊を派遣。俺たちを待ち伏せしていたってところだろうか・・・
だが、普通の軍なら対抗できる。しかし最悪なことに、この軍隊は皆がユキノオーほどの実力の者だった。
おまけに軍隊であるが故の人数により、俺たちは苦戦を強いられていた。
「く・・・皆!作戦を変えるぞ!」
皆が一塊になったところで、俺が話を切り出す。
「いいか、敵をいちいち倒そうとか思うな!この軍隊を潜り抜けることだけに専念しろ!あとは俺に策がある!」
「あぁ!分かった!!」
それにヴァルがいち早く返事を返し、それに続けて皆が返事を返す。
「そこを・・・どけぇぇぇぇぇぇ!!」
ヴァルが叫びながらミサイル針を放つ。それは一発一発、見事に相手にヒットした。
それにより生じたスキに向かい、ガイトが突っ込んですかさずドラゴンクローでなぎ払う。
「よし!行くぞ!」
そこにいた敵が全員吹っ飛び、道ができたところで俺は地を蹴り、皆を誘導する。
そして大勢の軍隊を抜けた。しかし後ろからはまだ追いかけてくる軍隊がいる。
それを見て、俺はレインとフィトムに声をかける。
「レイン!フィトム!頼むぞ!」
「おう」
「わかったよ・・・」
すごい勢いで向かってくる軍隊に対し、レインは一瞬軍を睨むと、地に手をついた。
それをみてフィトムも地に手をつき、ほぼ同時に技を発動させる。
「地震ッ!!」
大地が急激に揺れ動き、二人の手元から敵軍に向かって大量の皹が入る。
刹那、耳を打ち砕くような轟音が鳴り響き、大地が砕け散った。
敵軍から悲鳴がいくつか聞こえ、多くの者は大量の岩の下敷きになって息絶えた。
生き延びているものでも、しばらくしたら息絶えるであろう。
そしてしばらく轟音が鳴り響いた後、この世の場所とは思えないような姿と化した砂漠を背景に、レインとフィトムが立ち上がった。
「予想以上の効果・・・ん?」
と、そこで上空に羽ばたくような音が鳴り響く。
「ぐぅッ!?」
隣でガイトが呻きを上げる。急いで振り返ると、ペリッパーが上空からガイトに激突していた。
「ガイトッ!」
すかさず俺はドラゴンクローでペリッパーを吹き飛ばす。
そしてガイトに駆け寄り、上を見ると、そこには大量のペリッパーが飛行していた。
「ッ・・・上空部隊か・・・どおりで地震が聞かないはずだ」
苦虫を潰したような表情でフィトムが悪態をついた。
「火炎放射!」
俺は一体のペリッパーに向かって技を放つ。しかし放たれた炎はたやすく避けられてしまう。
「くそッ・・・やっぱり空を飛ばないと・・・」
「駄目だッ・・・空を飛べる奴は3人しかいない・・・そんな状況でまともに戦えるわけが無い!」
俺が空に飛ぼうとするとヴァンにとめられた。確かに3人ではあの軍隊には勝てない。
一体どうすれば・・・と、悪態をつこうとした瞬間。
「僕、倒せます」
背後からフレイの声が上がった。
「何ッ!?」
ウィーク以外、皆が吃驚した表情でフレイを見つめる。
「ちょっと小麦粉ありますか?すこし使いたいのですが・・・」
「あ、あぁ・・・」
フレイの言葉に、俺は荷物の中から食料用の箱の中の小麦粉を5袋ほど取り出し、フレイに渡した。
「あ、有難うございます」
それを持って笑顔でお礼を言ったフレイは、ウィークと相談し始めた。
そして少し話し合い、互いに納得したように頷いた後、フレイが言葉を放った。
「すいません、ちょっと私の指示に従ってもらっても良いですか?説明する暇が無いので」
と、同時にフレイが三歩ほど前に歩く。すると今までフレイがいた場所に勢い良くペリッパーが突っ込んだ。
「うおぉ!?」
「あ、フレイは何か案を思いつくと思いっきり冷静になるんだ」
驚きの声を上げた俺にウィークが説明をかけた。
「案・・・?」
「あぁ。フレイはああ見えても意外と頭の回転が早いからな・・・」
正直、フレイにあいつらを倒せるのかと疑問に思ったが、ほかに対処の仕様が無い今、フレイにすがるしかない。
「・・・あぁ、分かった。何でもやろう」
その俺の返事を聞いて、フレイが五袋の小麦粉の袋に向かって爪で穴をいくつか開ける。
それをウィークに手渡し、ウィークはそれを思いっきりペリッパーの軍隊の中へと投げ込んだ。
「ガイトさん!アレを竜の波動で散らしてもらっても良いですか!?」
「あぁ!分かった!」
すかさずガイトが手を構え、竜の波動を放つ。
その波動は、見事すべての小麦粉の袋に命中し、大量の小麦粉が宙を舞った。
「・・・風のスピードほぼ0・・・限りなく無風に近い状態で散らされた小麦粉は、薄く、引火しやすく広がっていく」
フレイが説明するのに連動するように、小麦粉が薄く散っていき、ペリッパーの軍隊を包み込んだ。
さらに薄笑いを浮かべながら口に炎を蓄える。
「そしてその小麦粉の粒子は、周りの環境により非常に乾燥・・・そのため火をつければ一瞬で燃え上がり、その炎は空気中に舞っている小麦粉に瞬間的に引火。そしてそれが全体に広がったとき・・・」
一度説明を切り、口の中の炎を吐き出す。紅蓮に染まっているその炎が小麦粉の煙に触れた瞬間、
「小麦粉は 爆発する」
すさまじい轟音を立てて空中が白い炎で埋め尽くされた。
そして瞬時に炎は黄、赤へと変わり、空中に散っていった。
その中に立ち込める煙から落ちてくるのは、バランスを失ったペリッパーの軍だった。
「さてレインさん、ちょっと地震構えてもらいますよ・・・」
そういってフレイがペリッパーの軍を見つめる。そして地面に落ちる寸前。
「今ですッ!」
フレイの合図により発動させられた地震は轟音を立てながら、落下し、体制を立て直そうとするペリッパーにそれさえする暇も与えず追い討ちをかけた。
そして響き渡る音が収まった後、すでに息絶えたか、動けなくなったペリッパーがそこらに散らばっていた。
「す・・・げぇ・・・」
思わず俺は声を漏らす。と、その時、それを聞いて聞かずか、フレイがぱったり倒れてしまった。
「うわ!?どうしたんですか!?」
驚愕してラフィがレインさんに駆け寄った。
「あぁ、心配することは無い。いつもこんな風に頭をフル回転させた後は気絶してしまうのさ・・・多分無理して冷静になっているせいだろうな」
それを聞いてラフィがほっとため息をついた。
「・・・さて、これからどうしたものか・・・」
一応軍隊は潜り抜けた。しかしここにとどまっているとまた次の軍隊が来るに違いない。
しかし今はフレイの体も心配だ・・・
「・・・仕方ない・・・すこしここで休むとするか」
「あぁ、そうしよう・・・一戦交えた後に砂漠をくぐるなんて無茶な話だ・・・」
皆が納得したところでとりあえず、砂漠の色にカモフラージュさせたテントを砂丘の陰に張ろうとした。いまはとにかく仲間の体調が第一だ。
そしてひとつ、テントを支える釘を打ち込もうとした瞬間。
背後から生き残っていたペリッパーが突然飛び出した。そして大きく口を開け、中の物をコチラへと放り投げる。
「何ッ・・・!まだ動ける奴がッ・・・!?」
ペリッパーから吐き出されたものから距離を置こうとした刹那。
吐き出された“者”の放ったエネルギー体に俺たちは包まれ、視界が暗転した。
あとがき
7話更新です。いつもの自分の文章量になれている人はすこし多いと感じたかもしれません。
なにせ今回はいつもの約二倍の文章量ですから。え?周りが多いからそうでもないって?自分の基本文章量が少ないんですっ!(
ということで毎回約3500文字を今回7500文字程度まで引き上げました。これからはこのペースで書き上げていくつもりです。
小説内で一応フィトムの料理がありますが、これは今から書く予定である短編小説で大切な設定だったり。
予告してしまえば不器用なカルスがいろいろ頑張ります。
そして砂漠への移動ですが・・・急な敵襲にすこし苦戦していたみたいなカルスたちですが、どうにかレインとフィトム。そして以外にもフレイの活躍によって切り抜けましたが・・・何者かによって“何か”をされてしまう一同・・・いまはそれについて明かせません。
そうだ、フレイがやっていた爆発ですが、アレは粉塵爆発といって、現実でそれによる事故が引き起こされたこともあるので、現実で再現可能です。
ただしそれには、完全無風などの厳しい条件がそろわないといけないんです。暇でなおかつ、密閉された広い室内がある人はチャレンジしてみてくださいね。着火はマッチ一本で十分ですw
さて、なんだか話がそれて行ったような気がしますが、今回もお付き合いいただき、ありがとうございます!
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