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BRAVE-紅蓮の勇魂-/Story.02 ―初めての…―

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BRAVE-紅蓮の勇魂- by 狐眼


Story.02 ―初めての…―



時刻は夜の一時を回ろうかというところ。
「うー……あ、暑い……」
イーブイはあまりの寝苦しさに目を覚ました。
僕がここにきてからもう三日が過ぎた。
ご主人は優しい人だ。昨日も暑さでへばっていた僕のために、冷たくておいしい『かき氷』ってのを作ってくれた。
ちなみに、僕が最初寝ていた段ボールで作られた寝床は『カップラーメン顔負けの即席物』だったらしく、次の日にはいい香りのする上質な草が敷き詰められた物に変わっていた。(夜はご主人の布団で寝てたから昼寝ぐらいでしか使ってなかったけどね。)
過去に何があったのかはまだ思い出せないけど、今の生活に不満は無い。
――ただ、ひとつだけ。
ブレイブは主人―あのあと教えてくれたが、名前は『スカイ』だそうだ―の腕の中から脱出しようともがいている。
――何でいつも寝ながら抱きついてくるんですか?
正直、暑いです。暑苦しいです。
何でご主人は平気なんですか?
数分の無音格闘の後、ブレイブはスカイの腕の中から無事脱出した。
「ふぅ……水飲もう。」
ブレイブは机の横に置いてある氷を浮かべてある―「いつでも冷たい水が飲めるように」というご主人の配慮らしい―水を飲み、一息つく。
ブレイブは大きな欠伸をする。
時刻は午前四時。起きるにはまだ少し早い。
僕は布団へ戻り、ご主人のそばで横になる。
ちょっと暑いけど、ご主人の隣にいるとなんだか落ち着く。
数分後、ブレイブは夢の中に入っていった。



午前七時。俺は携帯から鳴り響く"思い出は億千万"の曲で目が覚めた。
目覚まし代わりの携帯を止め、起き上がる。
寝息をたてて眠っているブレイブを起こさないように気を付けながら、俺は着替えを終わらせ、朝食を作るために二階の寝室から一階の台所へ向かった。
今日の朝食はパンによく合う葱挽肉入り卵焼き。ブレイブの好きな甘目の味付けにしてみたんだぜ?
一口食べてみる。よし、焼き加減も十分。
テーブルにパンと挽肉葱入り卵焼き、そして七味唐辛子を運ぶ。朝食完成。
と、卵焼きの香りにつられて来た……のかどうかは分からないが、ブレイブが欠伸をしながら階段を降りてきた。
「ふあぁ……おはよ、ご主人。」
「おう、おはよー。朝ご飯出来てるぜ。」
俺は卵焼きをパンに挟み、七味唐辛子をたっぷりとかける。……これだけは止められない。
ところでブレイブは……
「ブレイブ?」
ブレイブは何かを思い詰めているのか、ぼんやりとしていた。
呼ばれている事にも気付いていないようだ。
そこで俺はちょっとした「イタズラ」を思いついた。
ちょうどその時、謀られたかようなタイミングで、ブレイブの近くに蚊が一匹飛んできた。
俺は慎重に狙いを定め――



パシン!
「きゃうん!?」
俺が蚊を叩き潰す音で驚いたブレイブは悲鳴をあげて引っ繰り返ってしまった。
「おいおい、そんなに驚くことはないだろう?」
俺は笑いながら言う。それにしても、驚いて引っ繰り返るブレイブも可愛いもんだな。
「いきなり大きな音立てないでよ……」
ブレイブは起き上がった。が、やはり何処か元気が無い。
見たところ、『身体の調子が悪い』というよりも、むしろ『気が病んでいる』といったところだろうか。
「何か悩みでもあるならさ、話してくれていいんだぜ?」
その言葉に、ブレイブは驚いたように俺の方を向く。
「どうして……分かるの?」
「俺の直感、かな。まぁ、悩みを相談されたことも無いから、根本的解決が出来るかどうかは分かんないけどな。
 それでも、話すだけでも、ずいぶんと違うと思うのぜ?」
ブレイブはしばらく俯いていたが、やがて何かを決心したように話し出した。
「過去に……もし過去に、僕が別の誰かと過ごしていたとしたら……その……誰か分からないけど……悲しんだり、寂しがってたりしないかなって……。
 もし、記憶が戻らなかったら……その誰かとは……二度と会えなくなってしまう……
 それに……無くしてしまった記憶が……とても大切なことのような気がする……
 ……それなのに……思い出そうと思っても……何も思い出せない……
 一体どうすればいいのか……僕は……」
気が付くと、ブレイブの目には――
俺はブレイブを優しく、深く抱き締める。
ちょうど母親が悲しんでいる子供を抱き締めるかの如く――
「泣かなくてもいい。記憶はいつか、必ず戻ってくるさ。悲しんでばかりだと、戻りそうな記憶も戻らなくなるぞ。だから――」
そう言うと、彼は正面からブレイブを見つめた。
「今は笑っていこうぜ。悲しみなんて、吹き飛ばしてやるよ。今夜、な。」
彼の顔には、どこか妖しい笑みが浮かんでいた。




ご主人は一体何をするつもりなんだろう?
今ご主人と僕は夕食を食べ終え、居間でのんびりとしている。
「0の1の2747か……」
ご主人はさっきから何か呟きながらパソコンに何か打ち込んでいる。
「やっぱり更新しないとダメだな……後々語り継がれるような物を完成させられたらいいんだが……ふう。」
パソコンを終了させ、立ち上がった。
「風呂入るぞ。ブレイブ。」
僕はご主人の後を追い掛けていった。



お風呂に入ると、まずぬるめのシャワーで身体を流してもらう。
ご主人の部屋は、基本的に冷房はかかっていない。(ご主人に聞いたら、『俺は寒さ耐性が低いんだ!寒さ倍加発動だ!』だそうだ。)
最近は扇風機がかかっていたが、それも『今年は普通よりも暑かったからから』だそうで、普段は窓から入ってくる風だけで十分だという。
当然、毛の多い僕にとってはそれでも暑いので、どうしても多くの汗をかく。
だから、毎日こうして洗ってもらっている。
「頭流すぞ。」
耳の中に水が入らないように注意しながら、ご主人が僕の頭を洗っている。
ご主人の洗ってくれる速さはすごいもので、開始から二分とたたないうちに全身を洗い終えてしまった。
いつもはここでご主人と一緒に浴槽で温まるのだが――
「ふぇっ!?」
突然、下半身に妙な感覚が走る。
痒みとも痺れとも言えない、奇妙な感覚が――
「ふゃぁっ!?」
まただ。また来た。
「ぅあ……ぁん……ひぁあっ!」
途切れなく襲ってくる感覚の嵐に、自分でもなぜか分からないが、思わず変な声が出てしまう。
「……結局はオス、種族が違っても基本的な事は変わらないんだな。」
ご主人は僕の一部を―その、あまり大声では言えない『突起物』を―片手で弄っていた。
「ふひゃん……やめ……はぁあっ……ふぇ?」
突然、ご主人は僕のそれを弄るのを止めた。そのとたん、僕のなかに……さっきの奇妙な感覚を惜しんでいる自分が現れたことに気付いた。
「嫌、だったか?」
ご主人が心配そうな目で僕を見ている。
「う、ううん、違う……その……」
その先は、恥ずかしくて口に出すことが出来ないでいた。
「やって欲しい、のか?」
「……。」
僕は無言で頷いた。
「そうか。分かった。」
そう言うと、ご主人はまた、僕のそれを弄り出した。
「ふゃ……んぁあっ!?あっ、ふぁっ、ひゎっ!」
奇妙な快感が先程より頻繁に襲ってくる。
「はっ、はぁっ、ぅあっ!」
腰がひどく震えてまともに立っていられない。
「とどめっ!」
ご主人がそれまで扱くようにしていた僕のモノを軽く握ってきた。
「あぅぁあっ!!」
その時、僕の中で何かが弾けた。
それと同時に、僕の五感は悦楽の波に飲み込まれていった――



十秒以上かけての放出を終えてようやく五感が戻ってきたとき、僕は白っぽい粘性のある液体を浴びた床の上でへたりこんでいた。
「はぁ……はぁ……」
初めて絶頂を感じた所為か、僕の息は荒い。
「感想はどうだ?」
「……疲れた……けど、なんか病み付きになりそうな……感じだった……」
「そうか。とりあえず、下半身ベタベタで居るのもアレだし、身体流すぞ。」
この時、僕は快感の余韻と疲労による眠気でほとんどうわの空だった。ご主人と浴槽で温まっている時も、油断したらそのまま眠ってしまいそうな状態だった。
 ……『眠ってしまいそうな』って言ったけど、風呂から上がってドライヤーをかけてもらっているときは半分眠っていたかもしれない。
「まだ八時か……ちょっと早いかもしれないが、寝るか。」
ご主人が僕を抱き上げて二階へと上がる。
ご主人の布団で横になった僕は数分としないうちに眠りへと入っていった。



「お休み、ブレイブ。」
俺はブレイブを寝かせた後、一階に降り、パソコンを開く。
開いたのはブログ。ブレイブが来てから書き出した物だ。
 ……出来事はブレイブの悩みを聞いた事だけにしとくか。
さすがにアレのほうを書くのはまずいだろう。このレンタルブログアダルト禁止だしw。
 ……更新完了。俺も寝るか。
二階の寝室に上がり、ブレイブを起こさないように布団に入る。
数時間後、俺は眠りについた。


***「ついに ねんがんの イーブイを てにいれたぞ!」
俺「……!

  そう、かんけいないね
  ゆずってくれ!たのむ!
イエア ころしてでもうばいとる」
***「うわなにをするやめr」


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Last-modified: 2010-04-14 (水) 00:00:00
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