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:天の光、地の光

/:天の光、地の光

クリスマスイルミネーションがとても綺麗だったのでフッと沸いて出たネタ
いわゆる「ヤマ無しオチ無しイミ無し」。・゚・(*ノД`*)・゚・。
レックウザ(♂)×ルギア(♂) 本番の肝心なところカット(#゚Д゚)ハァ!?
本編のるぎゃたんとは別物だと思ってくださ(

作者:アホな人




「面白い物を見せてやろう、ルギア」
 海底の洞窟にやって来るなり、レックウザはそう言ってルギアを連れ出した。
 流れるような早さで海中を泳ぎ、途中から海の上を飛ぶ。
 北風の強い、冬らしい寒空のちょうど真ん中───南天に、はっきりと冴えた半月が浮かんでいるのが見えた。雲のない宵だった。




 遠くに明かりが見え始める。大きな陸地があるらしい。
「陸に上がるんですか?」
 まだ海の上しか飛んだことのないルギアは、先を行くレックウザに怖じ気づくように呼びかけた。
「ああ。面白いものが見れるって言ったろう?」
「でも……っ」
 躊躇いを見せるルギアを振り返って、レックウザは手を差し伸べる。
「おいで」
 目の前で微笑う、そんな彼に勇気づけられ、ルギアはその手に翼を重ねてレックウザと並んで羽ばたいた。

「何か動いてる」
「ああ。人間がたくさん居る街だからな」
「人間……」
 噂話でしか聞いたことがない『人間』。大抵の噂は、ろくな話ではなかったから、ルギアにとって『人間』というものは決して良い印象の生き物ではなかった。
 不安そうな呟きに、レックウザは苦笑する。
「大丈夫だよ。俺がついてる」
「レックウザさん……」
 はにかむようにルギアも笑い返した。


 客船や商船が所狭しと居並ぶ港の上を飛び越し、光の集まる中心部へと向かう。
 眩しいほどの明かりの海。昼間でもないのに、たくさんの光が溢れている。まるで星空の中に飛び込んだような気がして、ルギアは目を輝かせながらきょろきょろと辺りを見回した。
「すごい……きらきらしてる」
「人間が作り出した光だ」
「うわぁ」
 あまりに余所見しながら飛ぶので、危うく街路樹にぶつかりそうになり、レックウザは慌ててルギアの翼を掴んで引き寄せた。


「こっちだ。ほら」
 高さの揃った建物が建ち並ぶ一角、大通りへ出た───その途端、溢れんばかりの光の道が二匹の目の前に現れた。
「わぁっ!」
 道の両側にある落葉樹が、葉の代わりに小さな明かりを星のように纏っていて、そのきらきらした木々の列が遥か先にまで整然と立ち並んでいる。
 そして光の木々の列の所々に、一際鮮やかな色をちりばめた門柱のようなモニュメントが立ち、道行く人やポケモンたちを出迎えていた。
「すごい……すごい!」
 初めて見る光の芸術に、ルギアはすっかり興奮して見入っている。
 レックウザもまた満足げに笑って、ルギアの翼を引き寄せた。
「行くか」
「はいっ!」


 高度を下げ、光の道の真ん中を並んで飛ぶ。
 両側にきらめく粒のような小さな光の集まりが、視界の前方まっすぐに伸びていく。その先の方では光がひとかたまりになって眩しくぼやけていて、まるでそこに陽の欠片でも落ちているかのようだった。

「綺麗ですね……」
 惚けたように呟くルギアに、レックウザは苦笑した。
 夢中になって光ばかりを見ているルギアには、足下で人間たちが大騒ぎしていることなど全く意識に入っていないのだろう。それはそれで好都合だとレックウザは思う。人間の存在を気にしだしたら、きっとルギアはこんな風に奔放に喜んではくれないだろうから。
 あまりに目立ちすぎるせいなのか、この特別な夜のせいなのか、人間からの無粋な攻撃を受けないで済んでいることもレックウザにとっては予想外の幸運だった。

「気に入った?」
 ゆったりと漂うように飛ぶルギアに身を寄せて、レックウザは囁く。
「ええ、すごく……」
 よほど感激したのか、目元を紅潮させてレックウザを見返すルギアの表情は、まるで夢を見ているかのようにうっとりと緩んでいる。
 宝石を散りばめたような光の海の中に見るそんなルギアの姿に、レックウザは胸の中で何か熱いものが大きく膨らんでいくのを感じた。
「ルギア……」

 愛しくてたまらなくなって、レックウザはルギアにするりと体を巻き付けた。
 下界から、おおと騒ぐ声が上がったが、気にはしなかった。
「レックウザさん」
「黙って」
 緩やかに旋回しながらルギアを抱きしめる。きらきらとした光が上に下に視界の中で踊り、その不思議な感覚が、レックウザとルギアにふわふわとした恍惚感を誘った。

 絡み合いながら、見つめ合う。

 レックウザが口を近づけると、ルギアは何も知らない筈なのに、受け入れるように目を閉じた。
 はじめは確かめるように重なった口が、すぐに深い口づけになる。
「ん……」
 戸惑うように逃げようとするルギアを、レックウザは緩く巻き付いた身体の微妙な力加減で抱き留め、離さなかった。
「ふぁ」
 小さく喘ぐ声。交わる舌が互いの熱を伝え合う。
 もうルギアもレックウザも、人間の作り出した光の芸術など見てはいなかった。


「ルギア……」
 まだ僅かに触れたままの口吻の合間からレックウザが呼ぶ。
 ルギアは初めての口づけに翻弄されたのか、とろりと潤んだ瞳でレックウザを見上げたまま、何も答えなかった。
「……」
 腕の中に身を預け、自分だけを見つめてくれるこのかけがえのない存在。レックウザの中に抑えがたいある種の欲望が突き上げてくる。

 ───独占したい。このまま、ルギアを自分のものにしてしまいたい。


 自覚してしまうと、レックウザの決断は早かった。
「今夜は……海へは帰さない」
 そう囁くなり、ルギアを抱きしめたまま、上空へ向かって一直線に急上昇する。
「え……っ、あのっ」
 戸惑う声にも答えず、ひたすら高度を上げていく。見る間に遠く小さくなる街明かり。


 レックウザに導かれるまましばらく空を翔けた頃、恥ずかしげに、それでも怖々と、ルギアの翼が相手の身体を抱き包んだ。
「ルギア?」
 思いがけない抱擁に、レックウザはふと飛翔を止めた。
 縋り付くように抱いてくれる、そんなルギアの表情を覗き込んでみると、少し拗ねたような恥ずかしそうな目が、困ったようにレックウザを見上げていた。
「レックウザさん……強引なんだから」
 呟くようにそう言って、顔を伏せる。
 僅かに見える柔らかそうな頬は、よく見れば仄かに紅潮していた。

「……君があまりに魅力的だから」
 恥ずかしげもなくそう言ってのけたレックウザに、思わずルギアは絶句する。
「馬鹿」
「ああ……馬鹿だな」
「あなたの所為ですからね」
「……?」
 恨めしそうな言葉にレックウザは首を傾げる。ルギアは頬を染めたまま、しばらく黙っていた。
 やがて、レックウザの緑色の長い身体に、ルギアが躊躇いがちに足を絡めた。
「……」
 触れた肌に感じたのは、絡めた足の間にあるルギアの熱。それが何か察したレックウザは、息を詰めてルギアを見つめた。と同時に、レックウザの中に秘めていた同じ熱も存在を主張し始める。

 冬の冷たい風の中、それでも身体が熱を帯びていくのを互いに感じ、その恥ずかしさがまた身体に熱を差す。
「レックウザさん……」
「ああ、判ってる。何も心配しなくていい」


 レックウザの手がルギアの頬に触れる。
 再び重なる口。
 誘われるまま、ルギアも同じようにレックウザを求める。
「返さないで。このまま」
 震える声でルギアがねだる。レックウザはその願いに口づけで答えた。




 隅々まで身体を重ね、深く繋がっていく。
「ん……ああ、レックウザ……」
 絶え絶えに呼ぶ声が、夜空に溶ける。
 きついほどに、絡まり合い、交わり合う身体。
「好き……です」
「俺もだ、ルギア……」




 空に漂いながら、レックウザの肩越しにルギアは光を見る。

 人の世では聖夜と呼ばれるこの特別な夜空に、降るほどにきらめく空の光と。
 祝福と願いが詰まった、地の光と。

 そして、様々な感情を灯して金色に輝く双眸の、優しく揺れる光を。




 『今夜は海には帰さない』───その言葉通りに、輝く夜の光の中、二匹は空が白むまでずっと絡まり合っていた。



おわれ。



なんかいろいろ無理すぎでした……_| ̄|○
ごめんなさいもうしませ(ry

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Last-modified: 2011-12-24 (土) 00:00:00
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