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-Ruined City- ver2

/-Ruined City- ver2

この物語には流血表現が入る可能性があります
強姦の描写がありますのでご注意を。


ACT4 快楽と恐怖の狭間

「うっ・・・」
ラミが目を覚ますとそこは見たこともないような妙な物であふれた部屋だった。
体は完全に紐のような物で大の字に固定されており、ラミは完全に無防備の状態になっていた。
辛うじて首だけは動かせたため、ラミは限られた範囲を見回す。
周りには、何に使うか分らないような鉄の塊や、何かを入れるような大きな容器、があった。
その中の一つの容器は、薄っすらと緑色の光を放ち、そこに何かがある事を物語っていた。
しかし、今のラミの見える範囲では、その容器の中に何が入っているのかは皆目検討がつかない状態だった。
「んーー!!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
両手両足に渾身の力をこめて、紐を解こうとするが、硬く結えられている紐はそう簡単に引き裂けるものではなく無駄なあがきに終わる。
しかし、その紐も何人もの者達の努力により、少々紐に裂け目が出来ていたのだが、ラミには見えるはずもなく
その裂け目の存在は確認する事も気づく事もなかった・・・。
しばらく休んでいると、どこからか人が近づいてくる音がしてきた。
足元のほうから明かりを持った者がラミめがけて近寄ってくる事を音で感じ取るラミ。
「ククク・・・寝起きはいかがかな?・・・まあお前がここに来てからまだ2~30分程度しかたっておらんがね」
聞き覚えのある声だった・・・そうその声は・・・「おい・・・あやまりもせんのかぁ!?」午前の見回りの時に自分がぶつかった相手
ノクタスのグロデス本人の声だった・・・。
「な・・・なにを・・・する気?」
怯えながらそうグロデスに尋ねるラミ。しかし、グロデスはなにも答えない、その代わりにグロデスの手がラミの柔らかな腹部に
そっと乗せられる。
ラミの腹部に乗せられた手は、徐々に下のほうに下がっていき、唐突にラミの秘所に指が入り込む。
グチュ・・・
「ひぁぁ・・・ゃ・・・」
突然の刺激にラミの体が弓なりに僅かだがそり上がる。それでもグロデスは指の動きを止めない。
クチュ・・・グチュ・・・クチ・・・
ラミの秘所からは、徐々に蜜があふれ出し、周囲に独特の香りを放つ。
「ひっ・・・ゃ・・・ゃぁ・・・ん!・・・」
秘所をいじられている間、ラミの口からは雄を興奮させるような喘ぎ声が出続けている中
彼女自身が、このような体験をした事がないため、この未知なる感覚に彼女は途惑っていた。
「ククク・・・どうだ気持ちよいか?」
ヌチュ・・・ラミの秘所から抜いた指をグロデスは自分の口に運び、指についた蜜をさも美味そうに舐める。
一通り指を舐め終えたグロデスはラミの小さな胸に手をつける。
指で乳首をこねくりを廻すとラミの口からは自然と甘い声が漏れ出す。
「ぁ・・・やぁ・・・んぅ・・・」
硬くなった乳首をグロデスは指でこねくり廻すのをやめると、その小さな突起を舌で舐めまわす。
ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・くちゅ・・・
ラミの胸からは卑猥な音が響き、まだ未発達な小さなを突起物をグロデスは舌で攻め立てる。
「やぁぁ・・・や・・・やめてぇ・・・」
彼女がいくら悲願しようともグロデスは彼女の乳首を舌で攻める事はやめなかった。
それどころか、彼女の乳首を口に含むまるで乳児が母親の胸を吸うように吸い付いた。
「ちぅ・・・ちゅ・・・」
ミルクなんて出るわけないのに・・・自分の胸にまるで赤子のように吸い付くグロデスを見てラミはそう思った。
しかし、彼が自分の胸に吸い付いている内に胸から妙な感覚が襲ってきた。
まるでなにかを吸い取られているような感覚に・・・。
「いや・・・やめて・・・なんか胸が・・・変だよぉ・・・」
あまりの奇妙な感覚に耐えかねたのか、口から漏れる甘い声と共に彼女は胸の異変を訴えた。
その声を聞いたグロデスはゆっくりとラミの胸から口を離す。そして彼女の唇に突然襲いかかった。
「んぐ!?・・・ん・・・」
グロデスの口から甘いミルクのような液体を飲まされたラミは、それが自分の胸から出したものだと気づく。
「い、一体なにを?」
「ククク・・・いい質問だ・・・お前みたいなお子様にはまだ無縁の品物だろうからな・・・」
ラミがやっと自由になった口で尋ねると、グロデスは笑いながら、なにやら白くて丸い小さな実をラミの目の前でチラつかせる。
「これはな・・・ミルクの実といってな、これを食べた雌は一時的に体が自分が妊娠したような錯覚に襲われ
母乳を作り出すという画期的な劇薬さ・・・ただ・・・この実の欠点は服用した者の体に少し害があるのさ・・・ククク・・・」
「が・・・害?」
グロデスの口から出た害という言葉を聞いて不安な気持ちに襲われるラミ。
体が震え、顔から血の気が引いていく感じがした。
「なあに・・・たいした事じゃないさ・・・急激にミルクを作り出すために、自身の血液を使ってるぐらいだ・・・」
「そ・・・それじゃあ・・・沢山飲まれたら・・・」
目から涙がとめどなくあふれ出てくる・・・彼女は今恐怖に体を支配されようとしていた。
顔からは完全に血の気がひき、体も先ほどよりもずっと酷く震えている。いや、まるで痙攣のようだった。
だが、彼女の心配はグロデスの一言で解消される。
「安心しろ・・・お前の血液を全部吸いだすほど俺は甘い物好きじゃない・・・ククク・・・」
そういうと彼はまたラミの乳首にむしゃぶりついた。
ちゅぱ・・・ぐちゅ・・・ぴちゃ・・・
先ほどよりも吸う力は強かったが、彼は少し吸い付いただけでまた口を離した。
彼が口を離す間は、自分の生命力を吸われているような気がして、快楽と共に恐怖も彼女の脳に襲ってきた。
「ふう・・・焦らすのはここまででいいだろう・・・正直我慢の限界だからな・・・」
グロデスはそういうと、ラミの足元まで歩いていく・・・そして、自分の逸物をラミの幼く小さなスジに当て始める。
「な、なにを・・・するの?」
ラミはいままで、こういった性に関する事にまったく触れた事がないため、これなる行動に対してまったく疎かった。
そのために、彼女はまた指でも突っ込まれるのかと小さな覚悟をする・・・が、突っ込まれた物は指どころの太さではなかった。
グチャ・・・メキ・・・メキ・・・グチュ!!
突然にラミの淡いピンク色のスジに突っ込まれた逸物は、そこから噴出した赤い液体に染められる。
そして、逸物を突っ込まれたラミは、口から泡になった唾液を吐き出し、体を弓なりに反らせ声なき声を発していた。
「あ・・・あぁ・・・が・・・」
背中が自分を拘束する机に付いても彼女の口からは苦しそうな嗚咽が聞こえていた。
当のグロデスは、彼女の内部が余りにも狭かったため、逸物を半分突っ込んだ時点で洞窟の終着点に到達してしまったようだった。
しかし、彼はそんな事は気にせずに苦しむ、ラミを他所に腰を動かし始める。
グチュ・・・グチュ・・・クチュ・・クチュ・・・
半分しか入りきらないが、彼は息を荒くし、激しく彼女を突いていく。
「ひぁ!・・・あああ!!あぐぅ!」
ラミの口からは、もはや知能を持つ者が喋るような言葉ではなく、獣の咆哮のようなものが飛び出す。
目からはとめどなく涙が溢れ、自分の顔の周りに小さな水溜りを作り出す。
「ぐぅ・・・はぁ・・・子供の膣というものは・・・中々にいいものだな・・・」
実際彼女は子供ではないのだが、年齢に見合わない幼稚な体つきのおかげで、同年代の女性よりも遥かに酷い苦しみと痛みを味わっていた。
そして、痛みは徐々に快楽へと変わり、何時の間にか彼女の口からは喘ぎ声が発せられていた。
「あぁ・・・んぅ・・・」
その声はグロデスの興奮をさらに高め、彼の腰の振りをさらに激しくさせていった。
グチャ・・・グチャグチャ・・・グチュグチャ・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・かわいいもんじゃないか・・・ククク・・・」
グロデスは、ラミを突き上げながら、前にかがむと彼女の胸にまた吸い付く。
「あぁぁぁぁ!!?」
二重の快楽を味わう彼女は、すでに真っ白になった意識と共に、まどろみ光を失った目から涙を流し
口からは唾液が糸を引きながら床に垂れる。しかし、その口からはいまだに喘ぎ声が出続ける。
「ククク・・・どうだ!気持ちいいか!?」
グロデスがラミの秘所を突き上げるたびに、彼女の腹部がぽっこりと膨らむ。そしてそれと同時に快楽が彼女の真っ白になった脳を襲う。
「ひぁぁ・・・はぁぅ・・・うぐぅ・・・」
もはやなにも考えられなくなったラミの表情はただ快楽にすがるために笑みを浮かべていた。
その表情を見たグロデスは、腰の速さを最大に動かし、絶頂を迎えようとする。
「さあ・・・イクぞぉ!!」
グチャグチャグチャグチュグチュグチャ
最高速を迎えたピストン運動は、卑猥な音を最大限にたて両者を快楽のどん底へといざなう。
逸物が秘所を突き上げるたびに愛液と処女膜をやぶった時にでた微量の血液が飛び散る。
淫靡な音と共にラミの口からは本能が雄を求めているのか、彼を求め、彼の種子を求める声が口から漏れる。
その声に応えるようにグロデスは彼女の体を掴み、容赦なく突き上げ、そして
「イク!!イクぞぉぉぉ・・・!ぉぉお・・・!」
「あぐ!・・・あ・・・あぁぁ・・・あぅ・・・」
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクドク・・・
グロデスの逸物からまるで爆発しかのように白い液体が飛び出し、ラミの幼い膣を満たしきっていく
入りきらない分は血とまじり、ピンク色となり、つながったままの膣の僅かな隙間からあふれ出す。
ヌチュ・・・
射精が収まった逸物をグロデスは抜くと、それまで栓になっていた物がはずれ、彼女の腹部を膨らませていた大量の
乳白色の液とピンクの色の液が一気に床に飛び散った。
グロデスは、ラミの顔を覗きこむ。彼女はすでに放心状態に陥りなにをしても無駄という状態だった。
こんな状態では次の計画の反応が楽しめないため、グロデスは弱りきった彼女にバケツの中に入っていた水を顔にかけた。
しかし、それでも彼女の消し飛んだ理性はまだ戻らなかった。それどころか先ほどよりも自発呼吸が弱まっていた。
医学の志がないもの、ましてや子供から見ても、いまのラミは弱りに弱っていたのが伺えた。
それでもグロデスはバケツに水道の蛇口から水を入れると今度は彼女の体に思いっきりバケツの水をぶちまける。

ACT5 生き物ver1

「げふ!・・・げほ・・げほ・・・」
水をかけられた衝撃で意識を取り戻したラミは、口の中にはいった水を咳きで吐き出す。
体を動かそうとしても、すでに体力はほぼ使い果たしてしまい、体が鉛のように重く感じた。
「この程度で気絶されては困るのだよ・・・ククク・・・私が一番見たい表情が見れぬからな・・・」
グロデスはそう言うとラミの首と両手両足首に奇妙な透明のテープみたいなものを巻いていく。
そして、そのテープの上から長い管の付いた針を差し込む
「いた!・・・い・・・いたいよぉ・・・な、なにをするの・・・?」
体に差し込んだ針の上にテープで針が動かないように固定するグロデスにラミは恐る恐る質問した。
だが、グロデスはラミの顔を不適な笑みを浮かべながら覗きこんだだけで何も語ろうとしない。
ひとおおりテープを巻き終えたグロデスはラミの体に差し込んだ針についている透明のチューブ(管)を
緑色の淡い光を放つ容器に持っていく。
容器の中には、生命体が体に沢山のチューブを巻きつけ、眠ったように浮いていた。
「ククク・・・これで・・・ついにわが研究が完成する・・・長い道のりだった・・・」
グロデスは、持っていたチューブを容器の蓋にあいている幾つかの穴に差し込む。
チューブが穴に差し込まれると、緑色の液体の中に先ほどのチューブが先端に針をつけてゆっくりと降りてくる。
針のついたチューブは液体の中に浮かぶ生命体の体に針を差し込むと、準備が完了した合図なのか
「ピ・・・ピピ・・・」とクッキングタイマーのような音を出す。
「さあ・・・準備は整った・・・ククク・・・」
音を聞いたグロデスは笑みを浮かべながら、ラミの固定されている台に近づくとそばにあるボタンに指をかける。
「ククク・・・わが長年の研究が・・・ついに成果を見せる時がきた・・・よろこべ!貴様は偉大な研究にその身を捧ぐのだ!
ククク・・・ハーハッハッハッハァ!」
高らかな笑いの後、グロデスはラミの頬をやさしく撫でる。
「ひっ・・・」
突然の出来事に口から悲鳴を漏らすラミ、頬を撫で終えたグロデスは再度ボタンに指をかける。
「いや!やめて・・・なにをするの・・・?」
ボタンを押そうとしたグロデスを止めるためにラミはこれから起こる事の一部始終の説明を求めた。
しかし、彼はなにも答えず静かに黒ずんだボタンを押す。
そのとたん、ラミの体についていたチューブがラミの体に流れる血液を吸い上げ始めた。
「いやああ!やめてぇ!死にたくないよぉ!」
僅かに残った力をフルに使い自分を拘束する紐を力でちぎろうとするラミ、しかし紐は切れる様子を一切見せなかった・・・
左足の紐を除いては・・・。
「無駄な足掻きというものだ・・・ククク・・・だが、いままでの奴と違いだいぶ骨があるな・・・」
いままでの奴?グロデスの言葉にラミの脳裏に今朝の新聞の一面を思い出す。『若い雌の連続誘拐』という一面を。
「け・・・けだものぉ!」
「けだものか・・・なんとでも言うがよい・・・もはや死に行く貴様に何を言われても何も感じぬ」
悔しい・・・目の前に誘拐犯がいるというのに何もできないのが・・・そして同時に怒りがふつふつと湧き上がる。
罪もない女性を自分の欲望のために殺していったこの男がたまらなく憎かった。
怒りと憎しみは彼女の疲労しきった体に鞭を打つ。自分を拘束紐をちぎるために・・・。
「ゆるせない・・・お前を絶対・・・私は許さない!」
グロデスの顔を睨みつけるラミ・・・しかし、彼女の血液は分秒を追うごとに失われていき、グロデスの顔は霞んで見えている。
しかし、それでも彼女は抵抗をやめなかった。憎しみと怒りだけが彼女を突き動かしていた。
全身に力をこめて紐をちぎろうとした刹那、左足を拘束していた紐が音をたてて千切れる。
その途端に左足についていたチューブが勢いよく、左足と共に宙を舞う。
「ば・・・馬鹿な!・・・紐に亀裂がはしっていたとは・・・」
グロデスは一瞬唖然とするが、すぐに我を取り戻した。緑の淡い光を放つ容器から警告を注げるようなサイレンが鳴り響いたからである。
すでに血液を吸い上げようとする機械は停止しており、なんとか命をつないだラミだが、その目線の先は定まらず
全ての物が彼女には霞んで見えていた。
そんな目で彼女は警告音を発す容器に目をやる。容器の放つ淡い緑の色の光に薄っすらと赤い色・・・まるで血のような色・・・。
薄れゆく意識の中で彼女は淡い光を放つ緑と薄い赤の輝きを見つめ、重い瞼を閉ざす・・・。
「こ・・・ここまできて・・・まさか・・・」
頭を抑えながらグロデスは警告音を発す容器とその中身をじっと食い入るように見つめた。
容器の培養液は、ラミが暴れた衝撃で中にいる生き物に繋いでいたチューブが外れたさいに漏れ出した彼女の血液に薄っすらと染まっている。
「この程度の事で・・・私の研究は失敗するというのか!?」
容器のガラスをどんどんと叩くグロデス、その顔は狂気に満ち鬼のような形相をしていた。
容器の中の生き物は、血の香りと外部から聞こえる何かを叩く音でそれまで閉じていた目を開いた。
目をあけた先には、一匹のノクタスが凄まじい形相をして、なにか透明の物を叩いていた。
邪魔くさい・・・生き物は自分の体についていた無数の管を腕を使わずになにかの力で引き裂く。
その途端、透明の物を叩いていたノクタスの表情が驚喜に満ち、突然目の前で小踊りを始める。
目障り・・・生き物はノクタスを一目見てそう思った。管を引き裂いた次に邪魔なのはノクタスが叩いていた透明の物質。
ガラス窓だった・・・。生き物はガラス窓に手をやると、手のひらに力をこめ目の前の透明な板を玉砕する・・・。

「おおお!?・・・せ、成功した・・・わが研究がついに成功した!」
容器の中の生き物が自分の体についた管を引き裂きグロデスは喜びのあまりその場で小踊りを始める。
「成功だ!長年の研究がついに完成した!!これで・・・この国・・・いや世界は我手に落ちたも同然だ・・・ククク・・・」
驚喜の表情でグロデスは、再度生き物の入った容器を見る。生き物は容器のガラス窓に片手を近づけていた。
「な・・・なにをする気だ!?」
グロデスがそう言い終わった刹那、突然巨大な衝撃波が部屋全体を包む。容器のガラス窓が割れ、隣接する全ての容器のガラス窓も
音もなく衝撃波の波にそって粉砕する。
衝撃波がグロデスをも吹き飛ばすと、突然に大量のガラス窓が割れたような音が部屋全体を包む。
「ぐわあああああああああ!?」
爆音のような音に、その場に倒れこむグロデス。あまりの凄まじい音に体がついていけなかった・・・。
しかし、自分の目の前にたつ生き物は平然とした顔で立っている。
「ククク・・・多少のアクシデントはあったが・・・我研究はついに実った・・・」
耳鳴りがするなかゆっくりと立ち上がるグロデス。皮肉な事に耳鳴りが続く彼にはこの部屋に向かって走って来る足音が聞こえなかった。



ACT6 生き物ver2

「う~・・・冷蔵庫ってこんなに遠かったっけ?」
冷蔵庫に向かってまるで芋虫みたいに這うユキメが冷蔵庫の手前近くで口からそんな事を漏らす。
単にそれはユキメが酔ったせいで距離感覚がおかしくなっただけだと私は頭で思ったが、あえて言わなかった。
何故なら私はいま深夜のテレビ番組に心引かれて、食い入るように番組を見ていた。
惜しくも題名は見逃してしまったが、雌のリーフィアと雄のマグマラシの話だった。
家を雄のマグマラシの燃やされさらに力で服従させられた所で番組が次回予告に入る。
短い・・・そう感じてしまうが、これが30分番組の宿命である・・・。それも見入ってしまうような番組ならなおさらだ。
私は大きな伸びをし、冷蔵庫を開けて中にある酒瓶を取り出しているユキメを見る。
ユキメは取り出した冷えた酒瓶に頬をあて、その冷たさに少々うっとりした表情をしていた。
私は、電気代の節約のために冷蔵庫を閉めようと立ち上がる。
その刹那、どこからか何か大量のガラスが割れる音が詰め所の内部に響き渡る。
「うお!?な、なんだ!誰かが襲ってきたのか!?」
ルフが音で飛び起き、甲羅の中に体を引っ込めながら、震えた声を出す。
「違う・・・でも何か起きたようね・・・ユキメ!ルフ!急いで用意して!」
私はすぐに二人に指示を出すが、ユキメは酔っ払っているため、動きがのろく状況もろくに判断できていなかった。
それに比べルフは早いうちから寝ていたためか多少アルコールが抜け、ユキメより頭の回転が速かった。
ルフはすぐロッカーから支給された薄い鉄の兜を取り出すと、それをかぶりさらにモップを取り出す。
「あれ!?なんでモップが入ってるんだ?槍はどこいったんだぁ!?」
誰かの悪戯で、槍とモップが入れ替えられていたらしい・・・。私はそんな事をする奴を思い浮かべる・・・。
「堪忍してや~出来心やったんや~」エミルが思い浮かんだ。
ルフのほうはなんとか槍を見つけ準備が出来たのだが、ユキメはまだ帷子で手こずっていた。
酔いの影響か目線が完全に泳いでいた。私はユキメの顔にコップの中に入っていたラムの実を絞って作ったジュースをぶちまける。
「ふぎゃ!」
ユキメは悲鳴をあげると、尻餅をつき私を見つめる。目線の泳ぎは完全に取れていたが、頬の紅はまったく抜けていない。
「さ・・・先にいってて・・・顔を洗ってもう少し意識をはっきりさせるから・・・」
多少なりしっかりした言葉で話すユキメ。私はとりあえず大丈夫だろうと思い、ルフと共に詰め所を飛び出す。
廊下を走ると帷子の鎖がこすれあう金属音が耳につく。私の帷子は胸に小さなトゲみたいな物が生えているため
ほかの者が使っている帷子と、若干作りが違っていた。トゲの部分だけ丸い大きな輪の金属がついていて、その中にトゲをはめ込む。
そんな原始的な作りだが、これがあるのとないのでは大違いであるため、私は文句を言わない。夏場は蒸れるけど・・・。
壁につけられた淡い光を放つ蛍火のランプに照らされた廊下を走ると、雄の近衛兵達がグロデスの部屋のドアに集まっていた。
雄の近衛兵達を見ると、うっすらとだが頬に紅を浮かべている。やはりどこでも非番の時はアルコール類は必須らしい。
「おらぁ!この馬鹿科学者ぁ!こんな夜中になにやってんだぁ!」
ドアをドンドンと叩きながら喚いているのはラッタだった。名前は知らないがそうとうご立腹のようだった。
「馬鹿だな・・・そういうときは遠慮なく突き破ればいいんだよ」
ラッタの後ろに立っていたバシャーモが代われとばかりにラッタを後ろにおいやり、ドアにブレイズキックをぶちかます。
ドアは木製だったため、派手な衝撃音をたて吹き飛ぶ。ドアが吹き飛ぶとラッタとバシャーモは部屋の中に入り込み
あらん限りの声でグロデスの名前を叫ぶ、と言ってもあらん限りの声でグロデスを中傷しているのだが。
私もルフと共に部屋の中に入る、部屋の中は明かりが一切ついておらず、バシャーモがドアの破片で作った松明以外の明かりはなかった。
「くそぉ・・・あの野郎・・・どこに隠れやがった!?こんな真夜中に一体なにやってやがんだ!?」
グロデスを探しながら、周囲をいったりきたりするラッタとバシャーモ、ルフは消極的で進んで動こうとしない。
「はぁ~ついてねぇなぁ・・・よりによって今日かよ・・・素直に帰ればよかったなぁ・・・」
ろくに動きもせず愚痴だけをこぼすルフ、酒の誘惑に負けたお前が悪いのだが、よりによって今日という言葉には
私も少なからず同意をしたい所だった。
松明の明かり以外なにもない部屋の中を歩いていると、どこからか風の通る小さな音が耳にはいる。
どうやら近くになにかがあるようだ。
私は、音をたよりに部屋の中を歩いていく、そして音のする場所を突き止める。本棚の裏・・・いかにもな場所だった。
「この本棚の裏に何かある!」
私はあたりでウロウロしているバシャーモとラッタにそう告げる。
「本当か?このさいだ一発あいつの顔をぶん殴ってやるぜ」
バシャーモが嬉しそうな声をあげながら本棚にスカイアッパーを放ち、本棚が宙を舞い、地面にものすごい音を立て激突し壊れる。
「よっしゃあ!いくぜワズ!」
ワズと呼ばれたラッタは、一声「おう」と言うと、本棚の後ろに隠されていた階段を駆け下りていく。
私もルフと共に二人の後を追いながら階段を下りる。
「ん?またドアか・・・お嬢さん達ちょっと下がってくれ」
どうやらドアがあったらしい、バシャーモの声に私は従い後ろに下がる。しかしルフは下がらない。
私はルフの手を引っ張りバシャーモの邪魔にならない場所まで共に下がる。
バシャーモ達は知らないと思うだろうが、このカメールは雄だ・・・。お嬢さん達と言ってもこいつには分らないだろう・・・。
ましてや自分が女性に間違われた事にすら気づいていない。
「そんじゃあこのドアの向こうでなにやってるか見せてもらうとするぜこらぁ!」
ドォン!またドアにブレイズキックを放ったのだろう。火花が散りドアが吹き飛ぶ。その途端階段に光が差し込む。
バシャーモとワズと呼ばれたラッタが部屋の中に駆け足で入る。私も二人の後を追い、ルフを引っ張りながら走る。
「ば・・・ばかな!?わ・・・私はお前を作ったのだ・・・言うなればお前の親なのだぞ!?」
グロデスは困惑していた。何故なら目の前の生き物が突如とし自分に牙を向いたからだ。
「貴様は親を殺そうというのか?」
生き物に必死に訴えるグロデスだが、生き物は何も語らず、ただじっとグロデスを見つめていた。
「くそ・・・やめろ!私を殺してなんの得になると言うのだ!考えろ!」
後ずさりをしながらグロデスは生き物に訴え続ける。 それでも生き物はなにも答えない。だが、確実にグロデスとの距離を縮めていた。
グロデスはこれ以上の説得は無理と感じたのか、その場から逃げようとする。その途端、研究所の入り口が音をたて研究室に飛び込んでくる。
入り口にはバシャーモとラッタが立ち、その後ろにはルカリオとカメールが立っていた。
「おぉ!貴様らいい時に!こいつを止めてくれ!こいつは私を殺そうとしているのだ!」
まるで悲願するようにグロデスは部屋の中に入ってきたバシャーモに飛びすがる。
だが、バシャーモは自分めがけて飛び掛ってきたグロデスを華麗な身のこなしで避ける。
「な・・・なんだこいつは・・・」
私は思わず声を口から漏らしてしまった・・・。私たちの目の前にいる生き物は今まで見た事もないような生き物だった。
だけど、その瞳はなにか・・・こう、今の私にはたとえようもない 寂しさ? に満ち溢れているようだった。
「グロデス・・・てめぇ!一体どんな研究してやがったんだ!?」
ワズがグロデスを掴むとゆさゆさと揺さぶりながら恫喝する。グロデスは笑うだけで何も答えない。
「くそ野郎!」
ワズがグロデスの頬を力一杯に殴り、グロデスは地面に倒れこみ、少ししてから立ち上がる。
「ククク・・・お前達に話した所でなにも分りはしないだろう・・・いいからそいつを鎮めろ!これは命令だ!」
「お前の命令を聞くなんてお断りだね!」
隣にいたルフが腕を組みながら自信に満ちた声で吐き捨てる。それに続きバシャーモとワズが「同感だ」「賛成だな」と吐き捨てる。
「ルフの意見に同意するわ・・・」
私も皆と同じようにルフに続く。グロデスの表情が徐々に怒りに満ちていくのが分った。
それでも私は気にしなかった。今は目の前にいる生き物に全神経を集中させたいから・・・。


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  • ちょw月下翡翠放送されてるのかwww -- メタリック ? 2009-07-06 (月) 07:00:22
  • だろうねwwwww -- アキ2 ? 2009-07-13 (月) 02:29:45
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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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