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黒物語 第1章 4話

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黒物語 第1章 4話

Glacier

エッジに栄養ドリンクを投与し、トレーニングを初めて1週間後。
エッジにだんだん力がついてきた。これなら前よりは過酷な場所もある程度は進めるだろうね。まぁ、それでも危険なところは死ぬかも知れないんだけどね。

「……ふっ……ふっ……」

あれからずっとエッジはサボらないで真面目にトレーニングをしてる。
3日目までは1日中そこら辺を走らせて基礎を作ってたんだけど、それからは旅を再開した。
今はもっと筋力を、つけさせるために更に背中と手足に更に重りを積んで歩いてもらっている。栄養ドリンクの効果もあってかとても速く筋力がついてきている。
まぁ、ポケモンはちゃんとしたトレーニングをすれば強くなるのはとても速いんだけどね。

「……っクロ……っそろそろ……っ休憩……っしないか……」
今日もだいぶ歩いたし、もう夜だし、そろそろ休んでもいいかな。
「ちょうどいいところにオレンの木があるようだし、そうしようか」

エッジはオレンの実を3つほど平らげて
「俺、強くなったかな」
まぁ、前よりはマシ…いや僕基準だとおかしいのかな
「エッジはかなり強くなったんじゃないかな、タイプ相性の悪い格闘タイプでもゴリ押しで倒せるんじゃない?」

今のエッジはそこら辺の野生ポケモンと比べれば強いと思う。

「今なら、クロに勝てるかもな。なんて冗談だけど」
ほう、せっかくだしちょっと試してみたいかな。
「ふふ、ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ試してみる?」
エッジは少し驚いて
「やってみたい」
と強く頷いた。そうこなくっちゃね

「僕はここから動かない。だから本気で攻撃してきなよ。」
「わかった」
受け止めた方が強さがわかりやすいからね。
そんでもって
「エッジ」
「ん、なんだ、クロ」


「殺 す 気 で か か っ て こ い」


「っ……!?」
すこし殺気を、込めて言ったから本気を出さざるを得ないでしょうね。
エッジも少しビビったみたいだけど、すぐに深呼吸をしてるし。
期待ができそうだ……。
「行くぞ、クロ」

「うん、」

僕が返事をすると、エッジは足に力を込め始めた。
使える技からすると恐らく、電光石火だろう。

「食らえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「っおぉっ」

エッジが高速で頭から突っ込んできた、なかなかの威力だと思う。
エッジは渾身の一撃を放ってからすぐに引いて、

「はぁっ、はぁっ、ふっふふふ…やっぱり、クロは強いな。壁みたいでぜんぜんびくともしなかった」
「いや、なかなかの威力だったよ。もしかしたらあのレントラーといい勝負出来るんじゃないのかな?」
「いや、ボスは無理だ。あの方はとても強いからね」
「へぇ」

そういえば、今度あった時は真剣に勝負しろとか言われてた気がするなぁ。仲間にも、とても慕われてるみたいだし、とても強いんだろうね。
にしても、さっきの電光石火、もう少し右下に当たってたら転んでたかもなぁ

「クロ、誰かに見られてる気がしないか?」

エッジは野生のカンはしっかりしてるみたいなんだよね。

「んー、気のせいだと思いたかったんだけど。襲ってこないならほっといても良いんじゃないかな。」


「だんだん近づいて来てる、しかもかなりの数だ。囲まれてるみたいだし」
「焚き火でも焚くかい?」
「冗談言ってる場合じゃないって…」

暗いし、戦闘になった時に楽なんだけどな。せめて足元に散らばってる枝だけでも1箇所に集めとこう。火はエッジのほのおのきばに任せればすぐに着火するし。なんて悠長なことを考えてると、球状のものがこっちに多数飛んできた。

「シャドウボールにエナジーボールか、打ち落とせば問題ないかな。エッジは避けてて。」
「わかった。」

僕は焚き火のために拾った枝のうちから1本、手頃な太さの枝を選んで攻撃を適当な角度からたたいて弾いていく。エッジもしっかり避けてるみたいだ。
問題はこの後、攻撃が止んだあと。多分、相手は襲いかかってくるんだけど…
エッジは力は強くなったけど、戦い方は教えてない。しかも1対1ならともかく、相手が多数となるといくら強くたって、数の暴力には逆らえないところもあるだろう。となると

「エッジ、君は焚き火を点けておいてくれ。ここからは僕だけで戦う。」
「待ってくれ、俺も戦えるって!」
「君はこの人数をいっぺんに相手できるかい?戦ってる間に後ろから襲われたりするかもしれないし、そうなったら死ぬかもしれないんだよ?それとも、僕が弱そうに見えるかい?」
「でも……いや、そうか……。しかたない、か。任せるよ、クロ」

戦いに手を出さないでくれるなら、僕は全力でエッジを守る。

ボール攻撃が止んだと思ったら、敵は予想通り接近戦に切り替えてきた。敵はコノハナとダーテングか、あの目は殺しにかかってくるそれだ、あんまり乱暴はしたくないんだけどこっちにはエッジがいるから手荒な手段だけど仕方が無いよね。
それにしても、本来シャドーボールとエナジーボールは覚えない筈なんだけど。ニンゲンに逃がされた奴らかな?わざマシンでおぼえさせてから逃がすなんて頭の悪いニンゲンもいるもんだね。

僕の攻撃方法は殴る、蹴る、あくのはどうくらいであとは身体能力だけで対応する戦い方で、要するに決まった戦い方はしないタイプだ。いつもは絡まれても適当にあしらうか、逃げるか、エッジの時みたいに何かしらのことがあって逃れるか。でも今回はエッジを守らなきゃいけないし、すこし、がんばらなきゃいけない。

「 貴 様 ら 殺 す ぞ 」

僕はエッジにやったように殺気を込めて敵に言い放った。ビビったしたっぱは少し逃げていったけど、それでも半分は残った。

「もう少し居なくなってくれたら嬉しかったんだけどな。」

襲いかかってきたコノハナとダーテングを三撃以内で殺さずに仕留めて行く、敵の攻撃を受けるか避けてから、次の攻撃に移る瞬間に急所を叩く。
何度もエッジの方に襲いかかっていく方にはあくのはどうを撃って仕留める。それを繰り返し、あと少しで敵も全滅ってところでよりによって、

「クロ!敵が増えてる!」

最初に逃げたしたっぱが増援を呼んだみたいだね。全く面倒な。

気がつくと夜が明けていた。

「相変わらず敵にも甘いのね、クロったら」

その声と共に焚き火を中心にほのおの渦が巻き起こってコノハナとダーテングを散らした

「…キュウコン?今、クロって」
「フレイヤ、また運のいい時に」

キュウコンのフレイヤはほのおの渦を食らったコノハナと、ダーテング達は逃げていったようだ。

「お久しぶり〜!クロ〜!」
「うぉっ!」

フレイヤは急にばっと抱きついてくる。慣れたことなんだけどね。

「クロ、このキュウコンは?」
「あぁ、彼女はフレイヤっていうんだ。とても長い付き合いでね。」

フレイヤは寿命の1000年の半分の時を生きてる雌のキュウコンで、彼女はとても運がいい。だいたい、5年くらいに2回は遭遇するのだが、その度に僕を求めて……。
じゃなくて、彼女の祖母も僕の友達だったその後、彼女の母親、彼女と3代に渡って僕の生きていく上で関わってきた。

「ねえ、このグラエナはどちら様?」
「彼はエッジ、僕の旅の連れでね、友達だよ。」
「えぇ!いいなぁ、わたしもクロと旅したい〜!」

少々わがままなところもあったり。因みにほかの雄にとてもモテる。

「クロ〜、私と番になってよぉ〜。」
「だから、僕は旅をしてるんだってば」
「だったら、旅を止めてどこか平和な場所に住んだらいいじゃない?」
「はぁ…、今はエッジもいるし、訳あって旅をやめるわけにもいかないんだ。」

エッジはこのやり取りをなんとも言えなさそうな顔で見ていた。

「むぅ。だったらわたしも旅についていく。」
「フレイヤはこの前に、旅についてきた時も勝手にどこかにふらっと消えてしまったじゃないか」
「それは……今回はちゃんとついていくし。いなくならないから、ねぇお願い。」
「ほんとに?」

前にフレイヤと旅をしていた時に彼女は突然いなくなっていて、はぐれたのかな?と思って、周囲を探したんだけど見つからなくて、そんな時に地面に木の枝で「用事ができた」って書かれていて。正直、疲れただけだった。

「ほんとだよ!今度は絶対にいなくならないから!」
「それなら、まぁ、いいかな。」
「やった!ありがとうクロ!」

500年生きててこんなに言動が幼いのも彼女の魅力の1つなんだろうね。最初の、頼みはついつい断れなかったけどね。

「そういえば、モルちゃん今日はいないの?」
「ちゃんといるけど、普段は寝てるし……。あ、エッジには言ってなかったよね。」

僕は、一つのモンスターボールを取り出してエッジに見せた。

「この中に1匹のメタモンが入ってるんだけど、その子の名前はモルって言うんだ。」
「モルか、でもなんでモンスターボールに?」
「この子はとある研究所の、実験素材でね。脱走しちゃったんだけど。この子は既にボールに入れられていてね。研究所からそのボールを盗み出したんだよ。で、ボールを壊そうか迷ってたんだけど。この子は普段は寝ていてね。この子の要望でボールに。ボールに入れていた方がためになるみたいなんだよ。」
「へー。」
「いざって時には、君もお世話になるかもよ?」
「起きた時には挨拶しないとな。」
「そうだね。」

ともかく、旅の連れが1人増えたし。また、忙しくなりそうだなぁ。

あと、フレイヤに言われた、1箇所に留まるっていうの、考えておいてもいいかな。なんて。まぁ、今は出来ないけど、僕のやることが終わったら……。



5話に続く

(新メンバーフレイヤちゃんの加入です。500年生きてるけど見た目と言動は幼く見えるロリババア的な感じです。モルはこの話では書きませんでしたが、真っ白いメタモンです。これから重要な場面で活躍させたいと思ってます。

あと、エロを入れてみたいな、と思っています。これから先の話を見たいって方はそれも視野に入れといてくださるといいと思います。)


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Last-modified: 2016-07-31 (日) 05:36:32
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