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黒物語 第1章 2話

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黒物語 第1章 2話

Glacier


僕はえぐるような形をした崖を登っていた。なんでそんなとこ歩いてるのかって?それがね…

〜3日前〜
「ふわぁぅ…」
寝起きであくびをしながらまたきのみを集めていた。
ちなみに僕が寝泊りしていたあの廃墟。実は僕は旅をしているんだけど、たまにすごく眠くなる時期ってのがあって、その時期は雨風しのげる場所で過ごすんだ。
で、今回はこの廃墟で寝泊りしてた訳。

で、今回の眠くなる時期は終わったみたいだから、旅を再開することにしたんだ。まぁ、終わりのない旅なんだけどね。
さて、今回はどこへ行こうかな〜なんて、棒をまっすぐに立てて離したら東を向いたから今回は西に進みます。


「マッスグマ…マトマ……マルマイン……。あ、んがついちゃった。」
ずっと1匹しりとりしながら寝ないで2日歩いてたら崖があってね。
回り込むと1日無駄になるから登ろうと思った訳で。

今に至る。

「ふぅ……疲れる。」
なんか、登ってる最中にポッポにつつかれまくったんだけど。巣でもあったかな。それはそうとあと少しで登りきる、あと一息。

ミシッ!
「ん?」
なんか不吉な音が……

ガッ……!
「あ」
持ってたとこの岩の出っ張りが……折れた。これ落ちるね、確実に。

……
…………
………………

僕は死なない。
正しくは死ねないと言ったところか。
試していないこともあるので必ず死ねないとは分からないが、ほとんどの方法では死なない。僕は死んで、生き返るアンデッドのような不死身ではなく、単に死なない不死身なのだ。だから崖から落ちたくらいでは死にはしない。

……
…………
………………


「ぁつっ、」
僕の体は地面に叩き付けられた。
「いたぁ…」
痛いって自然と口に出るよね、不死身でも痛みは感じるよ。そりゃね?感覚ないのは死んでるのと同じだからね。にしてもまた登り直しか、だいぶロスしたな。
そうして、僕はまた崖の岩に手をかけたところで
「おい」
後ろから声をかけられたので振り返ってみると。
「やっぱりお前か」
グラエナですね、前に僕に吹っ飛ばされた。
何の用があるのかは知らないけど、俺と戦えだったら嫌だなぁ
「この前は悪かった、」
あら、謝るの?
「あの後、起きたらボスに叱られてな。戦う相手は見極めろってな」
「へぇ」
化け物とか言われましたからね。
「たまたま通りかかったらおまえが崖を登ろうとしているのを見つけてな。まぁ、四足歩行のポケモンが崖を登るってのもおかしいが。」
僕は後ろ足でたちあがれるし、前足の指がニンゲンのように長いからね、ものをつかんだりもできるんだ。
「おまえ、名前はなんていうんだ?」
「僕は、僕の名前はクロっていうよ。」
「クロか、俺の名前はエッジっていうんだ。」
「エッジ、エッジかよろしくね」
このグラエナ普通に話してるだけなら優しそうなんだけど。
「そうだ、クロ、おまえに聞きたいことがあるんだ。」
んん?
「どうしたらあんなに強くなれるんだ?」
1番答え辛い質問が来たね。この場合は
「僕もよくわからないんだ」
笑いながら言ってごまかす。
「わからない?」
「僕は旅をしてるんだけど、厳しい環境とか生きてきたからかなぁ?」
それっぽい言い訳。厳しい環境を生きてきたのは間違いじゃない。
「なるほど、それなら…」
それなら?
「俺を旅に同行させてくれ!」
「はい!?」
1番予想してなかった、いや予測は出来てたかもしれないけどほんとに言ってくるなんて。
「俺はボスの手下の中でもだいぶ弱いほうで、元々いたグラエナの群れでもいじめられてて、そのせいで気も弱くて、少しでも強く見せようと…その後、群れから脱走した時にボスに出会ったんだ。だけどボスの下にいて多少はマシになったかもしれないけどそれでも弱いままで成果もあげられなかったんだ。」
エッジは意外と辛い人生を歩んできたようだね
「そんな時におまえが現れて。弱そうなお前を襲って成果を上げてやろうかと思ったんだけど、吹っ飛ばされて気絶してて……。」
「あれ、だいぶ加減したんだけどね」
「そ、そうなのか。でだ、目が覚めるとボスが目の前にいてクロを見逃したことを知って、あんなに強くなれたらって思ったんだ。」
「なるほどねぇ」
エッジが最初に出会った時に妙に威張ってたのは自分が弱いのを必死で隠そうとしてたからだろうね、その後、僕がうっかり煽ったもんだからつい、飛びかかっちゃった的なので感じかな。
「たまたまクロを見つけて、チャンスと思ったんだ。頼む、俺を旅に同行させてくれ、強くなりたいんだ!」
うーん、でも
「じゃあ、聞くんだけど。自分から弱いって言ってて、旅の足でまといになるグラエナを連れてくと思う?」
「そ、それは…。」
さすがに可哀想か
「でも、」
「え……?」
「そこまで頼まれてるんだから仕方ないよね。僕の旅についてきてもいいよ。危険なところでは極力守るようにもしてあげるよ。」
…こうなるんだよね。これだからお人好しーとか優男ーとか言われるんだよなぁ。
「じゃあ、エッジ改めてよろしくね」
「ありがとう、ほんとにありがとうクロ」


3話に続く


(エッジが旅の仲間に加わりました。隠してはいるけど本当は臆病なグラエナです。いざという時には勇気をみせる子です。因みに使える技は、ほのおのキバ・いばる・あなをほる・でんこうせっかです。作者共々、暖かく見守ってくれると嬉しいです。)


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Last-modified: 2016-07-18 (月) 04:02:16
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