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魅力のポイント

/魅力のポイント

 ※この作品には官能シーンが含まれております。






 逞しい四肢をもち合わせながらもスタイルだっていいし、声だって透き通ってるのに雄らしいトーンが乙女心を鷲掴みにする……。
 でもきっと同族の雌にモテてるんだろうなあ、と。
 勝手にそう思って、私は今まで彼には声を掛けなかった。
 私の輝かしい金色の尻尾も、九本あったところで彼の逞しい四肢の前にはかすんでしまう。
 私みたいなのがヘルガーに声を掛けるなんてことをしたら、きっと他の雌に踏みつけられてしまいそうで怖い。
 それくらい、彼は雲の上の人だった。
 けれどそれはもう昔の話。

「あ、あのさ……こういうこと……え、えと……僕みたいな下郎が……いいの?」

 怯えたようにもう一度、念を押すように聞いてくる彼、ヘルガー。向き合った彼の顔は物凄く近くて、前足を軽く上げるだけで手の届く位置にいる。
 心なしか、彼の頬が赤くなっているような気がした。
 いつもと変わりない態度の彼に、私は笑ってこう答えた。

「あなただからこそよ、ヘルガー……」

 一歩前に踏み出して、私は彼の顔にそっと自分の鼻先を彼の鼻先にくっつける。
 そうしてからそっと口元を滑らせるようにして彼の口の中に舌を差し入れた。

「んっ……!」

 これから何をするのか何となく分かりそうなことなのに、体を強張らせてそのまま口を半開きにして、私の舌の侵入を許してくれる。
 私はそれを好機だと思って更に彼の口内で舌を蠢かせる。すると彼の方も観念したようで、体を未だに強張らせながらも私の舌に合わせて動かしてくれた。
 ……と思ったのはいいのだけれど、私の舌が彼の舌を追えば追うほど遠ざかるこの感触はなんなのだろう。
 まさか、彼は私の舌から逃げてる?
 どこまで卑屈なんだろうと思いつつも、逞しい体をした彼が私の舌だけで簡単に縮こまってしまう様子を見て、何となく楽しくなってくる。
 それは私にサドの気質があるからとかそういうのじゃなくて、彼の性格を知ってのことだった。



   魅力のポイント  作者:ウルラ



 彼は自分自身の事に酷く卑屈な性格。そう知ったのは彼が雌に絡まれているのを見た時だった。
 そして、私が初めて彼に声を掛けたのも、その時だった。

「生きてて……ごめんなさい」

 そのヘルガーの言葉に、周りの雌のヘルガーたちは皆挙って彼を嘲笑った。

 ―― なんと浅ましいんだろうか。 なんと覇気のないことか。 ――

 今までその美貌を目の敵にしていた雄たちもそれに呼応するように嘲笑っていた。
 私は、その様子を近場の草陰で見ていた。
 今思えば、私の人生の中で一番衝撃的な光景だった。
 凛々しく、逞しいと思っていた彼の第一印象は、その場で糸も容易く崩れ去って行った。
 それと同時に、彼がすぐ手の届く範囲にいることも、その場でわかったときでもあった。

「大丈夫……?」

 ヘルガーの回りにたむろしていた他のヘルガーたちが飽きて見えなくなった頃、私は草陰から出て彼にそう声をかけた。
 なぜだろうか。私の心の中には今のところ絶望や失望なんて感情はない。
 それよりもむしろ希望が差し込んでいた気がした。凄く確信に近い希望だった。

「い、生きてて……本当にごめんなさい……!」

 それが、彼が私に言った最初の言葉だった。






 どのくらい舌と舌の鬼ごっこを楽しんでいただろうか。
 普通の絡ませ合うディープキスよりもこっちの方がよっぽど熱いと思う。
 なかなか触れ合うことの出来ないもどかしさと、触れることが出来た時の喜びを、一遍に味わえるのだから。

「ん……」

 ヘルガーもすっかり陶酔したようなとろんとした目つきで私を見てくる。いつものキリっとした目が嘘みたいに可愛い。
 何よりも、逞しいはずの彼が完璧に私に向けてお腹を見せつけていることも、またその可愛さを引き立たせていた。
 段々とお互いに荒くなっていた息を整えたのを見て、私は更に行為を続けることにした。
 その為にわざわざポケモンたちの少ないこの湿った洞窟の奥に来たのだから。

「キュウコン……? 何して……あっ……」

 彼を押し倒して、お腹を上に向かせると、私は軽く舌なめずり。
 これからがきっともっと楽しくなる。そうだと信じて。
 私はそっと彼の胸板に舌を滑らせる。彼はこそばゆくてたまらないだろうけれど、急いで雄のイチモツにがっつくのも彼が驚くだろうから。
 しかし胸板に舌を軽く這わしているだけでも、彼は声を出すのをこらえて身体をぴくぴくと痙攣させている。
 まさか……雄なのに舐められただけで感じてる?

 試しに彼のお腹に並んで見える小さな突起の先っぽをちろちろと小刻みに舐めてみると、彼の体が小刻みに揺れる。
 その様子を見て私はただ一つの感情を抱いて震えた。

「可愛い……」
「え……?」

 もう我慢が出来なかった。
 私はお腹の更に下、丸い二つのふにふにとした皮の真ん中から飛び出ている突起を眺めた。

「凄く大きいね……」

 雄のは何回か父のを見たことがある。でもこんなに大きかっただろうか。思わず感嘆の声を漏らした。
 彼のいちもつはもう大きくなっていて、私の前足の半分くらいの長さと、結構な太さを持っていた。
 逞しい体に見合った逞しい彼の……。
 私はそれにゆっくりと顔を近づけていくと、舌先をそれにぺたり。

「ふぁっ……」

 根元の方からつぅ……っと舌を上になぞらせるだけでも、彼はそんな可愛らしい声を上げる。
 これからもっと刺激を強くしたら一体どんな声を上げてくれるのだろう。楽しみで身体が震えた。
 今度は横から両側を口で挟みこむような形で上下に動いてみる。もちろん、歯は当たらないようにして。
 さっきは可愛らしい声を惜しげもなく上げていたのに、今度ばかりは彼の自尊心が働いたのか、口をしっかりと噤んで声を出さないようにしてる。
 それならこっちにも考えがあった。無理矢理その口をこじ開けてしまうのも何だかつまらないから、彼自身から開けるように更に刺激を大きくすればいい。
 多分次は耐えられないと思う。
 それというのも、尻尾が器用なキュウコンの種族だからこそできること。
 少しチクチクすることもあるかもしれないけれど、今の彼の雄にはそれさえもきっと快楽に感じるだろうからきっと大丈夫。

 私は仰向けになった彼の上にそのまま伏せるようにして抱き合った状態にすると、尻尾をくるりと回して彼の一物に軽く巻きつける。
 その動作で私が何をするか分かったみたいで、ぴくりと、ヘルガーは体をひくつかせた。
 彼は薄らと目に涙を浮かべながらも、期待をしているのか決して暴れてきたりはしてこなかった。
 きっと彼はなんだかんだでこの行為を楽しんでいるのかもしれない。いつも卑屈な彼だけれども、本能には敵わないのかもね。
 おっと、いけない。尻尾を巻きつけたまま止まってた。

 ふぅ、と一旦息をつくと、私は尻尾に力を込めて上下に動かした。それだけでも、彼の一物を上下に揺らしてしごくような動きになる。
 こうなってくるとだんだんと彼のモノの先端からぬるっとした液体が染み出すようにあふれてきて、次第にぬちゃっとした水音が洞窟にこだまし始める。
 それでも彼はふっ、ふっ、と息を吐いて何とか声を漏らさないようにしているものの、そろそろ声を出さないのにも限界が近づいてきているのが私にも分かる。
 私は尻尾で彼のモノを扱くのを続けながらも、口先を彼の耳元に近づけて舌をするっとその中に差し込んだ。

「ふあっ!?」

 尻尾で扱くことは予想できても、耳の中を舐められることは予想していなかったみたいで、体を大きくのけぞらせながら声を上げた。
 いつもの声のトーンとは想像もつかないような高い裏声に、私は毛が逆立った。いい意味で。
 思えば胸板を舌で撫でたときも凄く弱い気がしたけれども、もしかして彼は全体的に感じやすいタイプなのかも……?
 試しにもう一度耳の中に舌を差し入れてみる。

「んあぁ……」

 今度はさっきよりも力なく声を出した。もう声をおさえることは諦めたみたい。何よりもそろそろいいころあいだろうし。
 尻尾を動かしていても、ぬちゃ、くちゃ、と後ろから粘着質な音がしてるってことは大分彼ももう準備万端なのだろう。
 それよりも、私の方もそろそろ限界が近づいてきているのを感じていたから、そうせざるを得なくなったとも。
 自分の股下に前足を差し入れて軽く拭ってみると、確かに"そこ"は濡れていて。
 ……でも不安もあった。もうちょっと濡らさないと、痛いんじゃないだろうかと。
 彼のモノの大きさを見ても、かなり大きいと思う。何より、私の"そこ"にやすやすと入る大きさじゃないってことは何となく分かる。
 こういった行為をするのは初めてだけれども、彼の大きさのモノを私のソコに入れるのは、考えただけでも戦慄する。
 身体の方は我慢ならないと本能が雄をせがんでいるけれども、もう少しだけ前戯をする必要がありそう。

 私は彼のモノから尻尾をどけると、そのままくるりと反転した。
 私の目の前に彼のモノが来るように。彼の目の前に私のソコが来るように。
 そしてそのままの体制でやや屈む姿勢をとると、彼はくぐもった声を上げた。

「お願い、舐めて……」

 中にはこれを嫌がるポケモンもいる。それを考えると、こればかりは彼に強要は出来ない。
 私が彼のモノを舐めたり、口にくわえたりするのは一向に構わないのだけれどね。

「あっ……」

 瞬間、下半身にいいようのない電流みたいなものが走った。
 するりと、彼の舌が私のソコの表面を大きくなぞったんだと思う。今の体制じゃ彼が何をしてくるかわからないから、感じる刺激も大きく感じてしまう。
 そして何よりも自分でするよりも気持ちがいい。快楽で言ったら自分でする方が刺激はあるのだけれど、気分的にはこっちの方がなんかいい。
 これは私も負けてはいられないと、彼のモノを一気に銜え込んだ。
 一瞬だけ彼の舌遣いが止まったものの、またすぐに私のソコに舌を這わせ始めた。
 こうなるともう、彼と私との一対一の勝負のような形になっていた。勝者はもちろん、先にイかせたほう、になるんだろうね。

「ふむぅっ……!」

 彼はこれが初めてなのだろうか。多分あのヘルガーたちに蔑まれていた様子を見ると多分初めてなんだろうけれども。
 それにしても舌遣いが凄く上手い。最初は表面を舐めるだけに留まっていた舌が、(なか)に入ってきた途端、その動きを変えた。
 手前、奥、手前、奥と、交尾の時のような動きをしてくると思ったのだけれど、彼は舌で膣壁をぐいぐいと押してきた。それが何とも言えないくらいに刺激が強い。
 彼が声をこらえていても、声を出してしまうほどの快楽が、今の私にも同じように押し寄せてきていた。
 このままだと彼より先に私の方が絶頂を迎えてしまう。それだけは何故か譲ることが出来なかった。何かのプライドなんだろうか……。
 私は彼のモノを舐めるだけじゃなく、歯を立てた。そっと、割れ物を扱うように顎に力を小刻みに入れると、連続して甘噛みをする。
 どうやらそれが彼にとってはこたえたようで、体を大きく震わせたと思ったらすぐに身体を強張らせた。

「ん、ぁあああっ……!」

 びゅるる。と、そんな音がして、口の中にどろっとしたものが広がった。それもかなりの量。
 私は来ることは予想していたけれども、まさかこんなに量を出すとは思ってなくて、それを直に飲み込んでいってしまう。
 ごくりごくりと喉を鳴らして精液を飲んでいく様子を見て、彼はどう思ったんだろうか。
 何にしても、息を荒げている彼を差し置いて次にいくわけにもいかない。
 私は彼の息が整うまで、彼の上から退いて、自分の毛についた精液をなめとることにした。






「ごめんなさい……口の中、出しちゃって……」

 いつものように全力で土下座をして謝る気力はないのか、三角の形をした尻尾をへにゃりと力なく地にたらしてうつむき気味に彼はそう言った。
 別に気にしてないのに。と、そう言っても彼はずっとうつむいたまま。卑屈な性格がなければ、ヘルガーの群れの中でもモテたかもしれないのに。
 そんなヘルガーの欠点というべき部分を今目の前にしながらも、彼に惚れてしまった自分だからこそ、出来ることを考えてみた。
 彼にいくら言葉で伝えても無理なのなら、素直に行動で示せば、彼はこちらに振り向いてくれるだろうか……。
 私は一歩ずつ彼に歩み寄っていくと、彼の口元に私の口元をくっつけた。
 舌は中に入れなかったけれども、これでいい。何もキスは舌を入れるものだけじゃない。純粋に、思いを伝える行動として意味するものもあるのだから。

「ヘルガー。私はあなたのその卑屈さも、逞しい体も……全部、大好きだよ」

 彼は目を丸くしながらきょとんと固まっていた。
 てっきり行為に応じてくれたから私の意図を摘み取ってくれたのだろうと思ったのだけれど、どうやらあまり伝わっていなかったみたい。
 でもこうして、今きっちりと伝わったのだから。問題はないと思う。……多分ね。
 告白の余韻に浸っていると、今度は彼の方からこちらに歩み寄ってくる。
 まさかと思って彼を見ると、明らかに彼の目はとろんと蕩けていて、焦点が合っていなかった。
 思いたくはないけれども、今の告白で何かスイッチが入っちゃった……?

「きゃっ……」

 彼は私に軽くたいあたりをして地面に仰向けで転がせてくると、その上にさっとすぐさま覆いかぶさった。
 私がリードしたときと同じ態勢だった。だけれども、今彼がやろうとしていることは、きっと前戯なんかじゃない。
 はちきれんばかりのモノを私のソコに宛がう。それを見ても、私は案外冷静でいられた。それはきっと相手が"彼"だからだと思う。
 お互いに濡らし濡らせた性器が、すっと一つにつながり合う様子を、私は見ていた。
 息を荒くしている彼はそれどころじゃないんだろうけども、私はしっかりとこの目に焼き付けた。
 私の初めてを、一目惚れした彼に与える……その瞬間を。

「んっ……んはぁっ……!」

 じゅる、じゅぷ、じゅ、じゅ、と段々と感覚が短くなっていく音に、頭の中がかき回される。
 彼のモノが思ってたように大きく、そして私の中の最奥に行き届きそうなほどに長い。
 出し入れを繰り返している最中も、お腹の中をかき回されるような感覚で頭の中が真っ白になりそう。
 彼が腰を突きだすたびに、私のお腹が少しだけ膨らんでいるのが分かる。
 何より、彼が目をきゅっとつむりながら腰を懸命に動かしている姿が何よりも可愛かった。
 その顔を見ながら、私は彼に一目ぼれしてよかったと思いつつ、快楽にただ体を任せる。
 そうすることで、彼の今の思いを一身に受け止めてあげられる気がしたから。

「んぁぁあ!」

 around, right

 ぐちゅりぐちゅりという一際大きな音を洞窟に響かせてから、彼はやがて絶頂を迎えた。
 温かいものが自分のお腹の中を満たしていくのが分かる。それがなぜかただ嬉しくて、訳もわからず私は笑みを浮かべた。
 段々と注がれる精液の勢いも収まってきて、やがて彼のモノも段々と小さくなっていく。
 そして、つぽんという気の抜けた音で、私と彼を繋いでいたものが別れた。
 だけれども、彼の種子はしっかりと私の中に残っていて。
 私は結局絶頂は向かえなかったものの、お腹の中にある確かな脈動を感じ取って、私はお腹を前足でさすっていた。

「ふふっ……ヘルガーもさすがに疲れたみたいね……」

 私もヘルガーよりかはあまり動いてはないけれど、何故だか段々と眠くなってくる。
 月も燦々と輝いていることだし、もう寝ても、いいよね……。
 私は段々と目の前が暗くなっていくのを感じながら、ゆっくりとその意識を手放した。






「ご、ごめんなさぃぃぃいいいいい!」

 彼の全力の土下座と、彼の全力の謝罪の言葉が、朝の洞窟の中に響き渡った。
 私は彼の謝罪の内容を何となく予想したものの、苦笑いをしてその続きを聞いていた。

「中に出しちゃって……ご、ごめんなさぃぃぃいいいいい!」

 予想通りの言葉が来て、何だか私は可笑しくなってくすくすと小声で笑ってしまう。
 その様子を見て彼はまたきょとんした目を見せる。本当に可愛らしい彼。

 私は彼の容姿に惚れた。でも、彼を知ってもっと彼が好きになった。
 好きになったことで、彼の欠点も、何となく理解できるようになった。

「と、とにかくごめんなさぁぁああい!」

 そして彼の欠点が、きっと彼のチャームポイントなんだと、私は思う。


あとがき
ウロさんの絵を元に書いた官能小説。いかがでしたでしょうか。
途中の挿絵はもちろんウロさんが描かれたものです。気になる方はこちらから→GO

ヘタレなヘルガーとそのヘルガーに惚れてしまったキュウコン。
あまりにも卑屈すぎるその性格も、慣れてしまえば……というわけで。
久々に官能分の多い短編を書いた気がします。
お読みくださり、ありがとうございました!



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Last-modified: 2011-04-22 (金) 00:00:00
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